JPH08319582A - 金属表面の絶縁性セラミックス膜及びその形成方法 - Google Patents

金属表面の絶縁性セラミックス膜及びその形成方法

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JPH08319582A
JPH08319582A JP12181895A JP12181895A JPH08319582A JP H08319582 A JPH08319582 A JP H08319582A JP 12181895 A JP12181895 A JP 12181895A JP 12181895 A JP12181895 A JP 12181895A JP H08319582 A JPH08319582 A JP H08319582A
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metal
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thermal expansion
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Mitsuru Okada
充 岡田
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温や熱衝撃が加わった場合においても剥離
することなく金属を保護し、さらに高温状態においても
電気的絶縁性が良好に保持される金属表面の絶縁性セラ
ミックス膜及びその形成方法を提供する。 【構成】 金属11の表面に、熱膨張係数が大きいセラ
ミックスからなる第1の層12、この第1の層12より
熱膨張係数が小さくかつ電気的絶縁性を有するセラミッ
クスからなる第2の層13、を順次形成してなることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温や熱衝撃が加わっ
た場合においても剥離することなく金属を保護し、さら
に高温状態においても電気的絶縁性が保持される金属表
面の絶縁性セラミックス膜及びその形成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、高温時の電気的絶縁性を高めた材
料として、ステンレス・スチールの表面にSiC、Zr
2、ケイ酸ガラス等の耐熱性及び絶縁性を有するセラ
ミックスがコーティングされたステンレス−セラミック
ス複合材料がある。この複合材料は、塗布、溶射等の方
法を用いて、ステンレス・スチールの表面にSiC、Z
rO2等のセラミックスをコーティングしている。図2
は、例えば特開平5−192546号公報に示された複
合金属−セラミック膜の断面図であり、図において、1
は多孔度約40%、平均空孔サイズ約6μm、厚み2m
mのシート状の多孔性スチール、2はゾル−ゲル法によ
り多孔性スチール1上に形成されたAl23を主成分と
する多孔性セラミック皮膜である。この複合金属−セラ
ミック膜は、熱的及び化学的に安定であることから、精
密濾過膜、限外濾過膜等に好適に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したス
テンレス−セラミックス複合材料は、例えば25℃程度
の室温において用いる場合には、絶縁性が良く何等問題
が無い。しかしながら、例えば500℃程度またはそれ
以上の温度領域において用いようとすると、ステンレス
とセラミックスとの接合力が弱く、セラミックスがステ
ンレスから剥離し、絶縁膜としての機能が失われるとい
う問題点があった。また、上述した複合金属−セラミッ
ク膜では、多孔性スチール1上に多孔性セラミック皮膜
2を直接形成しているために、例えば500℃またはそ
れ以上の温度領域において用いると、熱膨張率の違いに
より多孔性セラミック皮膜2が割れたり、多孔性スチー
ル1から剥離したりする等の問題点があった。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、高温や熱衝撃が加わった場合においても剥離
することなく金属を保護し、さらに高温状態においても
電気的絶縁性が良好に保持される金属表面の絶縁性セラ
ミックス膜及びその形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な金属表面の絶縁性セラミックス膜
及びその形成方法を採用した。すなわち、請求項1記載
の金属表面の絶縁性セラミックス膜は、金属表面に、熱
膨張係数が大きいセラミックスからなる第1の層、この
第1の層より熱膨張係数が小さくかつ電気的絶縁性を有
するセラミックスからなる第2の層、を順次形成したも
のである。
【0006】請求項2記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜は、前記第1の層の気孔率を15〜50体積%と
し、前記第2の層の気孔率を0.1〜5体積%としたも
のである。
【0007】請求項3記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜は、前記第1の層の膜厚を1〜30μmとし、前
記第2の層の膜厚を50〜200μmとしたものであ
る。
【0008】請求項4記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜は、前記金属をステンレス・スチールとし、前記
第1の層の主成分をAl23及びTiO2とし、前記第
2の層の主成分をTiO2及びSiO2としたものであ
る。
【0009】請求項5記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜は、前記第1の層の硬度を前記金属の硬度より低
くし、前記第2の層の硬度を該第1の層の硬度より高く
したものである。
【0010】請求項6記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜の形成方法は、熱膨張係数が大きいセラミックス
粉末と結合剤を有機溶媒とともに混合して第1の混合液
とし、次いで、この第1の混合液を金属表面に塗布し乾
燥させて第1の層とし、次いで、前記セラミックス粉末
より熱膨張係数が小さくかつ電気的絶縁性を有するセラ
ミックス粉末と結合剤を有機溶媒とともに混合して第2
の混合液とし、次いで、この第2の混合液を前記第1の
層上に塗布し乾燥させて第2の層とする方法である。
【0011】請求項7記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜の形成方法は、前記乾燥を、150〜300℃の
下で15〜30分行うこととした方法である。
【0012】金属表面に、熱膨張係数が大きいセラミッ
クスからなる第1の層、この第1の層より熱膨張係数が
小さくかつ電気的絶縁性を有するセラミックスからなる
第2の層、を順次形成すると、前記第1の層が金属及び
第2の層の双方に対して緩衝層となり、金属及び第2の
層に生じる熱膨張係数の差に起因する応力を吸収する。
これにより、第2の層に割れ、クラック、剥離等の不具
合が発生するおそれがなくなる。
【0013】層の気孔率が高くなれば、層内に存在する
気孔そのものが緩衝機能を有することとなるので、気孔
率が高い第1の層は第2の層と比較して緩衝機能が優れ
たものとなる。ここで、第1の層の気孔率を15〜50
体積%としたのは、15体積%未満では緩衝機能が低下
し第2の層に割れ、クラック、剥離等の不具合が発生す
るおそれがあるからであり、また50体積%を越えると
気孔が多すぎて層の機械的強度が低下するからである。
また、第2の層の気孔率を0.1〜5体積%としたの
は、0.1体積%が気孔率の測定限界であるからであ
り、また5体積%を越えると気孔が多すぎて緻密になら
ず機械的強度も低下するからである。
【0014】第1の層の膜厚は、金属と第2の層との間
の熱膨張係数の差に起因する応力を充分に吸収し、第2
の層に割れ、クラック、剥離等の不具合が発生するおそ
れがない程度の厚みであればよく、好ましい範囲は1〜
30μmである。第2の層の膜厚は、機械的強度を充分
保持できる厚みであればよく、好ましい範囲は50〜2
00μmである。
【0015】前記金属をステンレス・スチールとした場
合、前記第1の層としては、ステンレス・スチールとの
接合力が強く、しかも他のセラミックス材料と比べて熱
膨張係数が比較的大きいAl23及びTiO2を主成分
とするセラミックスが好適である。また、前記第2の層
としては、前記第1の層の主成分であるAl23及びT
iO2と比較して熱膨張係数が小さくかつ電気的絶縁性
を有するTiO2及びSiO2を主成分とするセラミック
スが好適である。
【0016】前記第1の層の硬度を前記金属の硬度より
低くし、前記第2の層の硬度を該第1の層の硬度より高
くしたことにより、第1の層が金属との間に生じる熱膨
張係数の差に起因する応力を吸収し、この応力が第2の
層に伝搬するのを防止する。しかも、第2の層の硬度を
該第1の層の硬度より高くしたことにより、前記第1の
層に応力に起因する歪等が生じても、該第2の層に割
れ、クラック、剥離等の不具合が発生するおそれがな
く、耐熱衝撃性が高まる。
【0017】金属の表面に絶縁性セラミックス膜を形成
するには、まず、熱膨張係数が大きいセラミックス粉末
と結合剤を有機溶媒とともに混合して第1の混合液と
し、この第1の混合液を金属表面に塗布し乾燥させて第
1の層を形成する。次に、前記セラミックス粉末より熱
膨張係数が小さくかつ電気的絶縁性を有するセラミック
ス粉末と結合剤を有機溶媒とともに混合して第2の混合
液とし、この第2の混合液を前記第1の層上に塗布し乾
燥させて第2の層とする。このように、簡単な工程を複
数回繰り返すだけで、金属の表面に、高温や熱衝撃が加
わった場合においても剥離することなく、高温状態にお
いても電気的絶縁性が良好に保持されるセラミックス膜
が低コストで形成される。
【0018】ここで、前記乾燥を、150〜300℃の
下で15〜30分行うものとすれば、第1の層はその硬
度が前記金属より低い状態で硬化することとなり、第2
の層が形成される際においても前記第1の層の硬度は変
化せず該第2の層の硬度を越えることはない。これによ
り、簡単な工程で前記第1の層の硬度を前記金属の硬度
より低く、かつ前記第2の層の硬度を該第1の層の硬度
より高くなるように制御することが可能になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の金属表面の絶縁性セラミック
ス膜及びその形成方法の一実施例について説明する。図
1は、金属表面の絶縁性セラミックス膜を示す断面図で
あり、図において、11はSUS304のステンレス・
スチールからなる基材(金属)、12は基材11の表面
に形成され熱膨張係数が大きいセラミックスからなる中
間層(第1の層)、13は中間層12上に形成され該中
間層12より熱膨張係数が小さくかつ電気的絶縁性を有
するセラミックスからなる外層(第2の層)である。
【0020】中間層12は、例えば、Al23を40〜
60w/w%(重量%)、TiO2を30〜50w/w
%、SiO2を5〜15w/w%、SiZrO4を0.5
〜3w/w%それぞれ含有する多孔性セラミックスによ
り構成され、その気孔率は15〜50v/v%(体積
%)とされ、その膜厚は1〜30μmとされ、その硬度
は基材11を構成するステンレス・スチールの硬度より
低く設定されている。外層13は、例えば、TiO2
40〜80w/w%、SiO2を30〜50w/w%、
Al23を2〜10w/w%それぞれ含有するセラミッ
クスにより構成され、その気孔率は0.1〜5v/v%
とされ、その膜厚は50〜200μmとされ、その硬度
は前記中間層12の硬度より高く設定されている。
【0021】次に、基材11の表面に中間層12及び外
層13を順次形成する方法について説明する。まず、A
23、TiO2、SiO2、SiZrO4それぞれの粉
末を、40〜60w/w%:30〜50w/w%:5〜
15w/w%:0.5〜3w/w%になるように混合
し、さらにエチルアルコール、イソプロピルアルコール
(IPA)等のアルコール類(有機溶剤)及び水溶性バ
インダーであるポリビニルアルコール(PVA)5〜1
0%水溶液(結合剤)をそれぞれ加えて混合し、比重が
1.2〜1.5、粘度が30〜100c.pの第1のス
ラリー(第1の混合液)とした。次に、この第1のスラ
リーを基材11の表面に塗布し、150〜300℃の下
で15〜30分乾燥させ、厚みが1〜30μmの中間層
12とした。この時の中間層12の硬度を、鉛筆による
引っかき傷の有無により判定したところ、1H〜5Hの
鉛筆硬度であった。また、ポアサイザーを用いてその気
孔率を測定したところ、15〜50v/v%であった。
【0022】次に、TiO2、SiO2、Al23それぞ
れの粉末を、40〜80w/w%:30〜50w/w
%:2〜10w/w%になるように混合し、さらに前記
アルコール類及びPVA5〜10%水溶液をそれぞれ加
えて混合し、比重が1.8〜2.1、粘度が500〜2
000c.pの第2のスラリー(第2の混合液)とし
た。次に、この第2のスラリーを前記中間層12上に塗
布し、150〜300℃の下で15〜30分乾燥させ、
厚みが50〜200μmの外層13とした。この時の外
層13の硬度を、鉛筆による引っかき傷の有無により判
定したところ、8H〜12Hの鉛筆硬度であった。ま
た、ポアサイザーを用いてその気孔率を測定したとこ
ろ、0.1〜5v/v%であった。
【0023】表1は、本実施例の絶縁性セラミックス膜
の高温暴露試験及び熱衝撃試験の結果を示したものであ
る。
【表1】
【0024】試料は次の様な方法により作製した。ま
ず、Al23、TiO2、SiO2、SiZrO4それぞ
れの粉末を、50w/w%:40w/w%:10w/w
%:1w/w%になるように混合し、さらにエチルアル
コール及びPVA5%水溶液をそれぞれ加えて混合し、
比重が1.4、粘度が50c.pの第1のスラリーと
し、この第1のスラリーを基材11の表面に塗布し、1
80℃の下で15分乾燥させ、厚みが15μmの中間層
12とした。次に、TiO2、SiO2、Al23それぞ
れの粉末を、60w/w%:40w/w%:5w/w%
になるように混合し、さらにエチルアルコール及びPV
A5%水溶液をそれぞれ加えて混合し、比重が2.0、
粘度が1000c.pの第2のスラリーとし、この第2
のスラリーを前記中間層12上に塗布し、180℃の下
で15分乾燥させ、厚みが100μmの外層13とし
た。この時の中間層12の気孔率は20〜25v/v
%、外層13の気孔率は3〜5v/v%であった。
【0025】高温暴露試験は、前記試料を600℃、8
00℃、900℃それぞれの温度で1時間暴露した後の
抵抗値を測定した。また、熱衝撃試験は、前記試料を9
00℃の高温炉中に5分間放置した後25℃の恒温槽中
に20分間放置するという操作を20回繰り返し行い、
膜の外観を目視で観察するとともにその抵抗値を測定し
た。
【0026】本実施例の試料は、膜形成直後の抵抗値は
90MΩと極めて高く、基材11の絶縁性が極めて良好
であることがわかる。高温暴露試験終了後においては、
中間層12及び外層13に剥離や亀裂等が生じておら
ず、16MΩ以上の抵抗値を示しており、また、熱衝撃
試験終了後においても中間層12及び外層13に剥離や
亀裂等が生じておらず、14MΩ以上の抵抗値を示して
おり、いずれにしても基材11の絶縁性が良好に保持さ
れていることがわかる。
【0027】表2は、従来の絶縁性セラミックス膜の熱
衝撃試験の結果を示したものである。
【表2】
【0028】ここでは、SiC(炭化ケイ素)を主成分
としたもの(No.1)、及びケイ酸ガラスとAl23
を主成分としたもの(No.2)、の2種類の市販の絶
縁コーティング剤を用いて基材11上にそれぞれセラミ
ックス膜を形成し、試料とした。熱衝撃試験は、前記試
料を900℃の高温炉中に5分間放置した後200℃の
低温炉中に20分間放置するという操作を10回繰り返
し行い、膜の外観を目視で観察するとともにその抵抗値
を測定した。
【0029】上記の試料では、膜形成直後の抵抗値は1
MΩ以上であったが、熱衝撃試験終了後に基材11から
膜が剥離してしまい、また抵抗値も100〜500Ωと
大きく低下してしまい、基材11の絶縁性を保持するこ
とができなかった。
【0030】以上説明したように、本実施例によれば、
基材11の表面に、熱膨張係数が大きいセラミックスか
らなる中間層12、中間層12より熱膨張係数が小さく
かつ電気的絶縁性を有するセラミックスからなる外層1
3を順次形成したので、中間層12が基材11及び外層
13の双方に対して緩衝層となり、基材11及び外層1
3の熱膨張係数の差に起因する応力を吸収することがで
き、外層13に割れ、クラック、剥離等の不具合が発生
するのを防止することができる。したがって、外層13
の絶縁性及び耐熱衝撃性を向上させ、基材11の表面を
良好な状態で保護することができる。
【0031】また、本実施例の形成方法によれば、Al
23、TiO2等を所定の割合で混合し、アルコール類
及びPVA水溶液を加えて混合し第1のスラリーとし、
この第1のスラリーを基材11の表面に塗布し、150
〜300℃の下で15〜30分乾燥させて中間層12と
し、次に、TiO2、SiO2等を所定の割合で混合し、
アルコール類及びPVA水溶液を加えて混合し第2のス
ラリーとし、この第2のスラリーを前記中間層12上に
塗布し、150〜300℃の下で15〜30分乾燥させ
て外層13としたので、簡単な工程を複数回繰り返すだ
けで、基材11の表面に、高温や熱衝撃が加わった場合
においても剥離することなく、高温状態においても電気
的絶縁性が良好に保持されるセラミックス膜を低コスト
で形成することができる。
【0032】なお、上記実施例では、中間層12の組成
をAl23を40〜60w/w%、TiO2を30〜5
0w/w%、SiO2を5〜15w/w%、SiZrO4
を0.5〜3w/w%含有する多孔性セラミックスと
し、外層13の組成をTiO2を40〜80w/w%、
SiO2を30〜50w/w%、Al23を2〜10w
/w%含有するセラミックスとしたが、中間層12及び
外層13の組成は上記実施例に限定されることなく様々
な組成のものを選択使用することができる。この場合、
中間層12の気孔率を15〜50v/v%、膜厚を1〜
30μm、硬度を基材11の硬度より低く設定し、外層
13の気孔率を0.1〜5v/v%、膜厚を50〜20
0μm、硬度を中間層12の硬度より高く設定すればよ
い。
【0033】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項1記
載の金属表面の絶縁性セラミックス膜によれば、金属表
面に、熱膨張係数が大きいセラミックスからなる第1の
層、この第1の層より熱膨張係数が小さくかつ電気的絶
縁性を有するセラミックスからなる第2の層、を順次形
成したので、第1の層が金属及び第2の層の双方に対し
て緩衝層となり、金属及び第2の層の熱膨張係数の差に
起因する応力を吸収することができ、第2の層に割れ、
クラック、剥離等の不具合が発生するのを防止すること
ができる。したがって、第2の層の絶縁性及び耐熱衝撃
性を向上させることができ、金属の表面を良好な状態で
保護することができる。
【0034】請求項2記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜によれば、前記第1の層の気孔率を15〜50体
積%とし、前記第2の層の気孔率を0.1〜5体積%と
したので、前記第1の層内に存在する気孔そのものが緩
衝機能を有することとなり、第1の層の緩衝機能を向上
させることができる。
【0035】請求項3記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜によれば、前記第1の層の膜厚を1〜30μmと
し、前記第2の層の膜厚を50〜200μmとしたの
で、金属と第2の層との間の熱膨張係数の差に起因する
応力を充分に吸収することができ、第2の層に割れ、ク
ラック、剥離等の不具合が発生するのを防止することが
できる。
【0036】請求項4記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜によれば、前記金属をステンレス・スチールと
し、前記第1の層の主成分をAl23及びTiO2
し、前記第2の層の主成分をTiO2及びSiO2とした
ので、前記金属、第1の層及び第2の層それぞれの間の
接合力及び各層の耐熱衝撃性を向上させることができ
る。
【0037】請求項5記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜によれば、前記第1の層の硬度を前記金属の硬度
より低くし、前記第2の層の硬度を該第1の層の硬度よ
り高くしたので、第1の層が金属との間に生じる熱膨張
係数の差に起因する応力を吸収することができ、この応
力が第2の層に伝搬するのを防止することができる。し
かも、第2の層の硬度を該第1の層の硬度より高くした
ので、前記第1の層に応力に起因する歪等が生じても、
該第2の層に割れ、クラック、剥離等の不具合が発生す
るのを防止することができ、耐熱衝撃性を高めることが
できる。
【0038】請求項6記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜の形成方法によれば、熱膨張係数が大きいセラミ
ックス粉末と結合剤を有機溶媒とともに混合して第1の
混合液とし、次いで、この第1の混合液を金属表面に塗
布し乾燥させて第1の層とし、次いで、前記セラミック
ス粉末より熱膨張係数が小さくかつ電気的絶縁性を有す
るセラミックス粉末と結合剤を有機溶媒とともに混合し
て第2の混合液とし、次いで、この第2の混合液を前記
第1の層上に塗布し乾燥させて第2の層とするので、簡
単な工程を複数回繰り返すだけで、高温や熱衝撃が加わ
った場合においても剥離することなく、高温状態におい
ても電気的絶縁性が良好に保持されるセラミックス膜を
金属の表面に低コストで形成することができる。
【0039】請求項7記載の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜の形成方法によれば、前記乾燥を、150〜30
0℃の下で15〜30分行うこととしたので、簡単な工
程で前記第1の層の硬度を前記金属の硬度より低く、か
つ前記第2の層の硬度を該第1の層の硬度より高くなる
ように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金属表面の絶縁性セラミッ
クス膜を示す断面図である。
【図2】従来の複合金属−セラミックス膜を示す断面図
である。
【符号の説明】
11 基材(金属) 12 中間層(第1の層) 13 外層(第2の層)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属表面に、熱膨張係数が大きいセラミ
    ックスからなる第1の層、この第1の層より熱膨張係数
    が小さくかつ電気的絶縁性を有するセラミックスからな
    る第2の層、を順次形成してなることを特徴とする金属
    表面の絶縁性セラミックス膜。
  2. 【請求項2】 前記第1の層の気孔率を15〜50体積
    %とし、前記第2の層の気孔率を0.1〜5体積%とし
    たことを特徴とする請求項1記載の金属表面の絶縁性セ
    ラミックス膜。
  3. 【請求項3】 前記第1の層の膜厚を1〜30μmと
    し、前記第2の層の膜厚を50〜200μmとしたこと
    を特徴とする請求項1記載の金属表面の絶縁性セラミッ
    クス膜。
  4. 【請求項4】 前記金属をステンレス・スチールとし、
    前記第1の層の主成分をAl23及びTiO2とし、前
    記第2の層の主成分をTiO2及びSiO2としたことを
    特徴とする請求項1記載の金属表面の絶縁性セラミック
    ス膜。
  5. 【請求項5】 前記第1の層の硬度を前記金属の硬度よ
    り低くし、前記第2の層の硬度を該第1の層の硬度より
    高くしたことを特徴とする請求項1記載の金属表面の絶
    縁性セラミックス膜。
  6. 【請求項6】 熱膨張係数が大きいセラミックス粉末と
    結合剤を有機溶媒とともに混合して第1の混合液とし、
    次いで、この第1の混合液を金属表面に塗布し乾燥させ
    て第1の層とし、次いで、前記セラミックス粉末より熱
    膨張係数が小さくかつ電気的絶縁性を有するセラミック
    ス粉末と結合剤を有機溶媒とともに混合して第2の混合
    液とし、次いで、この第2の混合液を前記第1の層上に
    塗布し乾燥させて第2の層とすることを特徴とする金属
    表面の絶縁性セラミックス膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記乾燥は、150〜300℃の下で1
    5〜30分行うことを特徴とする請求項6記載の金属表
    面の絶縁性セラミックス膜の形成方法。
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