JPH08319349A - 高分子量ポリオルガノシリルシリケートの製造方法 - Google Patents

高分子量ポリオルガノシリルシリケートの製造方法

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JPH08319349A
JPH08319349A JP12804395A JP12804395A JPH08319349A JP H08319349 A JPH08319349 A JP H08319349A JP 12804395 A JP12804395 A JP 12804395A JP 12804395 A JP12804395 A JP 12804395A JP H08319349 A JPH08319349 A JP H08319349A
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JP
Japan
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water
silicate
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organic solvent
polyorganosilyl
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JP12804395A
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Akihiro Kondo
明宏 近藤
Yoshifumi Noto
好文 能登
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水に溶解した珪酸ソ−ダを、珪酸ソ−ダのナ
トリウム1モル当たり、0.14〜0.26当量の酸に
より部分中和し、シラノ−ル縮合反応させた後、酸と水
と水溶性極性有機溶媒との混合溶媒中で、更にpH1〜
5まで中和し、更に水溶性極性有機溶媒を添加し次いで
オルガノシリル化剤を添加してシリル化反応させること
を特徴とする高分子量ポリオルガノシリルシリケートの
製造方法。 【効果】 本発明は、耐熱性、絶縁性あるいは低誘電率
性等の電気的特性、撥水性、耐擦傷性、耐候性、密着性
等に優れた特性を有し、金属、プラスチック、ガラスあ
るいは配線基板等の各種材料、成型品等のコ−テイング
材、塗料用材料、撥水剤、改質剤、保護膜、層間膜、バ
インダ−等として好適に使用し得る、重量平均分子量が
1万以上の高分子量ポリオルガノシリルシリケートを再
現性良く、容易に製造する工業的製造方法を提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬度、耐候性、撥水
性、耐擦傷性、耐熱性、あるいは絶縁性、低誘電率等の
電気的特性に優れ、金属、プラスチックあるいはガラス
等の各種材料の塗料用材料、あるいは接着剤、表面保護
材、タック材料、種々のポリマーの改質剤等の他、配線
基板のコーティング材や電子部品の封止材料等にも有用
な、極めて種々の産業分野で有用なオルガノシリルシリ
ケートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から珪酸ソーダをオルガノシリル化
したポリオルガノシリルシリケートは撥水剤としてよく
知られていたが、重合度を制御し、再現性の高い高分子
量化技術により、高分子量ポリオルガノシリルシリケー
トを製造する技術は知られていなかった。
【0003】即ち、従来のポリオルガノシリルシリケー
トの製造技術である特公昭49−40639号公報に
は、水ガラスのトリメチルシリル化により、ポリトリメ
チルシリルシリケートが得られることが開示されてい
る。しかし該技術で得られるポリトリメチルシリルシリ
ケートは、高分子量化に必要な官能基を含有しないため
に、その分子量は、水ガラスの珪酸ソ−ダ成分の分子量
に支配され、実質的に約7,000以上になることはな
い。
【0004】また特公昭53−39278号公報によれ
ば、1,000〜20,000程度の分子量のポリオル
ガノシリルシリケートが得られることが記載されてい
る。しかしながら、該製造方法では、シロキシシラノ−
ルのシラノ−ル縮合反応が生じ易く、得られるポリオル
ガノシリルシリケートの分子量の再現性、或いは高分子
量化反応での解重合反応により、高分子量化が難しい等
に問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前記の従来技術の問題点に鑑み、コ−テイ
ング材料や樹脂改質剤等に使用し得る、重量平均分子量
が1万以上の高分子量ポリオルガノシリルシリケートを
再現性良く、容易に製造する工業的製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、珪酸ソー
ダの酸で部分中和処理する工程において、生成する部分
シラノール化珪酸ソ−ダ水溶液の経時安定性、加熱安定
性、分子量に及ぼす部分酸中和率とシラノ−ル縮合反応
の影響、及びシラノ−ル縮合した珪酸のシリル化反応挙
動について詳細に検討した。
【0007】その結果、水に溶解した珪酸ソ−ダを、特
定量の酸により部分中和し、加熱処理した後に、酸と水
と水溶性極性有機溶媒との混合溶媒中で、更に中和し、
更に水溶性極性有機溶媒を添加し、次いでオルガノシリ
ル化剤を添加してシリル化反応させることにより、ゲル
化を生ずることなく安定な状態で分子量が制御でき、再
現性良く、高分子量のポリオルガノシリルシリケートを
容易に製造することが出来ることを見い出し、本発明を
完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、水に溶解した珪酸ソ−ダ
を、珪酸ソ−ダに含まれるナトリウムの1モル量当た
り、0.14〜0.26当量の酸により部分中和し、シ
ラノ−ル縮合反応をさせた後、混合溶媒中で、更にpH
1〜5まで酸中和し、更に水溶性極性有機溶媒を添加
し、次いでオルガノシリル化剤を添加してシリル化反応
させることことを特徴とする高分子量ポリオルガノシリ
ルシリケートの製造方法である。
【0009】また本発明の製造方法は、混合溶媒中の水
溶性有機極性溶媒の量が、混合溶媒の全重量の5〜50
重量%であること、用いる水溶性有機極性溶媒の総量
が、全反応液重量の10〜80重量%であることを特徴
とする、高分子量ポリオルガノシリルシリケートの製造
方法である。
【0010】また本発明の製造方法は、用いる水溶性有
機極性溶媒が、アルコ−ル類、ケトン類、エ−テル類、
アミド類からなる群から選ばれる一種以上の溶媒である
こと、また本発明に用いるオルガノシリル化剤が、一般
式1で表されるオルガノシラン化合物である高分子量ポ
リオルガノシリルシリケートの製造方法である。
【0011】(一般式1) R123SiX (式中、R1、R2およびR3は、同一の、または異なっ
てそれぞれアルキル基、アルケニル基またはフェニル基
であり、Xはハロゲン原子またはアルコキシ基を表
す。)
【0012】また本発明の製造方法は、用いるオルガノ
シリル化剤のモル量が、珪酸ソ−ダ中の珪素原子の1モ
ル量あたり、0.02〜1モルであることを特徴とする
高分子量ポリオルガノシリルシリケートの製造方法であ
る。
【0013】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明の製造方法によれば、水に溶解した珪酸ソ−ダを酸
により部分中和し、所定の温度でシラノ−ル縮合反応を
行い、次いで水と酸及び水溶性極性有機溶媒との混合溶
媒中で中和を完了させ、更に水溶性極性有機溶媒を添加
し、オルガノシリル化剤と反応させることにより、重量
平均分子量(Mw)及びシリル化率が調整された、有機
溶媒に可溶な高分子量ポリオルガノシリルシリケートを
得ることができる。
【0014】本発明の製造方法により得られるポリオル
ガノシリルシリケートは、一般に、重量平均分子量(M
w)1万〜20万のものである。本発明で使用する珪酸
ソ−ダは、工業的に大量に生産され、容易に入手出来る
紛状、フレ−ク状等いかなる形態であってもかまわな
い。JIS規格K1408の水ガラス(1号)、水ガラ
ス(2号)及び水ガラス(3号)が好ましく、特に水ガ
ラス(3号)が好ましい。
【0015】珪酸ソ−ダは水溶液として使用される。水
ガラスを使用する場合は、原液のまま、また希釈して用
いてもよい。水溶液の珪酸ソ−ダ濃度は特に限定される
ものではないが、工業的、操作的な面からして、SiO
2成分換算で1〜60重量%となる範囲が好ましい。
【0016】本発明で珪酸ソ−ダの中和に使用される酸
は、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸あるいは議酸、酢酸等の
有機酸が挙げられるが、生成物との分離、精製等のし易
さからは、鉱酸が好ましく、特に塩酸及び硫酸が好まし
い。はじめの部分中和で添加する酸の量は、用いる珪酸
ソ−ダに含まれるナトリウムの1モル量当たり、0.1
4〜0.26当量、好ましくは0.15〜0.25当量
である。
【0017】酸量が0.14当量以下では、シラノ−ル
縮合反応が生じ難く、また0.26当量以上ではゲル化
が生じ易くなり好ましくない。また2回目の中和で添加
する酸量は、珪酸ソ−ダの酸中和終了時のpHが1〜5
となるように添加する。酸中和終了時のpHが5.5以
上であると、ゲル化が生じ易くなる。
【0018】本発明で使用される水溶性極性有機溶媒
は、メチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、n−プロピ
ルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、1,2−プロ
パンジオ−ル,i−ブチルアルコ−ル、t−ブチルアル
コ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、ジメチルエ−テル、ジエチルエ−テル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルチオエ−テル等の
エ−テル類及びN,N−ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン等のアミド類である。
【0019】はじめの部分中和で使用される混合溶剤中
の水溶性極性有機溶媒の量は、混合溶媒の全重量の5〜
50重量%である。5%以下であると、中和中に及び中
和終了後にシラノ−ル縮合によるゲル化が生じ易くな
り、また50%以上であると中和中に沈殿物が生ずるこ
とがあり好ましくない。
【0020】またシリル化反応で使用される水溶性極性
有機溶媒の全量は、シリル化反応液全重量の10〜80
重量%、好ましくは20〜70重量%である。10%以
下であると、生成物の収率の低下、生成物の凝集等が生
じることがあり好ましくない。また80%以上の場合に
は反応上には特に問題はないが、多量の溶媒を用いる意
味がなく、また精製工程、コスト等の面で不利が生じ
る。
【0021】部分中和で使用される混合溶媒中の水溶性
極性有機溶媒及びシリル化反応で使用される水溶性極性
有機溶媒とは、同一、又は異なったものが使用できる
が、溶媒の回収、操作等の点から同一の溶媒を用いるこ
とが好ましい。
【0022】本発明で使用されるオルガノシリル化剤
は、一般式1 R123SiX(式中、R1、R2及び
3はそれぞれアルキル基、アルケニル基又はフェニル
基であり、Xはハロゲン原子又はアルコキシ基を表
す。)で表される化合物の一種類以上を用いることがで
きる。
【0023】オルガノシリル化剤としては、合成の容易
さ、あるいは入手の容易さから、炭素数1〜5のアルキ
ル基、もしくはフェニル基を有するオルガノシリル化剤
が特に望ましい。オルガノシリル化剤の代表的な例とし
ては、トリメチルクロルシラン、トリメチルブロモシラ
ン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、トリメチルプロポキシシラン、トリエチルクロル
シラン、トリエチルブロモシラン、トリプロピルクロロ
シラン、フェニルジメチルクロルシラン、
【0024】トリフェニルフルオロシラン、トリフェニ
ルクロルシラン、トリフェニルエトキシシラン、ビニル
ジメチルクロルシラン、3−アクリロキシプロピルジメ
チルクロルシラン、3−アクリロキシプロピルジメチル
メトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルエ
トキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルク
ロルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエト
キシシラン、等が挙げられる。
【0025】使用するオルガノシリル化剤の量は、シリ
ル化反応での所望のシリル化率により変わり得るが、一
般に珪酸ソ−ダの使用モル数当たり2〜100モル%、
好ましくは5〜95モル%となる範囲である。オルガノ
シリル化剤の量が2モル%以下であると、ゲル化による
不溶成分が生成したり、あるいは形成される塗膜が脆く
なる傾向が生じ、また100モル%を超えるとオルガノ
シリル化剤の単独加水分解縮合物が生成するようにな
り、接着性の低下傾向が生じるようになりようになり好
ましくない。
【0026】以下に、本発明のポリオルガノシリルシリ
ケートの製造方法について、更に具体的に説明する。本
発明の製造方法では、まず攪拌下で、珪酸ソ−ダ水溶液
に所定量の酸を滴下して部分中和し、部分中和珪酸ソ−
ダ水溶液を得る。珪酸ソーダの酸中和反応の温度は特に
限定されるものではないが、一般的には0〜60℃が好
ましい。次いで該反応液の温度を室温〜反応液の沸点、
好ましくは30〜80℃に設定して、シラノ−ル縮合反
応を行いシラノ−ル縮合反応液を得る。
【0027】シラノ−ル縮合反応の時間は、反応温度に
より異なるので、一概に特定は出来ないが、通常0.5
〜20時間である。次いで得られたシラノ−ル縮合反応
液を攪拌下に、水と酸及び水溶性極性有機溶媒との混合
溶媒に添加して中和を完結させた後、水溶性極性有機溶
媒を添加し、更に所定量のオルガノシリル化剤を添加し
て、20℃〜60℃、0.5〜20時間、好ましくは1
〜10時間シリル化反応をさせて、ポリオルガノシリル
シリケート反応液を得る。
【0028】得られたポリオルガノシリルシリケート反
応液(以下、反応液Aと略す。)は、下記のような公知
慣用の方法により精製処理して、粉末状、フレ−ク状あ
るいは溶液として、目的とするポリオルガノシリルシリ
ケートを得ることができる。
【0029】本発明の製造方法に適した精製方法として
は、例えば、(1)反応液Aを減圧下に濃縮し、残留物
を水洗後乾燥して高分子量ポリオルガノシリルシリケー
トを得る方法、(2)反応液Aに水を加えるか、または
水中に反応液を添加することにより反応生成物を析出さ
せ、ろ別後水洗、乾燥して高分子量ポリオルガノシリル
シリケートを得る方法、
【0030】(3)水溶性極性有機溶媒の沸点が水より
低いものを用いた場合は、反応液Aを減圧濃縮等で水溶
性極性有機溶媒を除去し、水中に反応生成物を析出さ
せ、これをろ別後水洗、乾燥して高分子量ポリオルガノ
シリルシリケートを得る方法、(4)塩化ナトリウム等
の塩を反応液Cが飽和するまで加え、水層と水溶性極性
有機溶媒層に分離し、水溶性極性有機溶媒層を取り出
し、減圧濃縮等で濃縮後、水洗し、乾燥して高分子量ポ
リオルガノシリルシリケートを得る方法、
【0031】(5)水溶性極性有機溶媒層を塩析分離
後、減圧濃縮等で水溶性極性有機溶媒層を濃縮し、これ
に大量の水を加えて生成物を析出させ、水洗、乾燥後生
成物を得る方法等の種々の方法を用いることが出来る。
この中でも(2)または(3)の方法が特に好ましく用
いられる。
【0032】以下にこれらについて更に詳細に説明す
る。(2)の方法では、まず得られた反応液に水を加え
て反応生成物を析出させる。加える水の量は水溶性極性
有機溶媒中の生成したオルガノシリルシリケートの濃度
等により異なるものであるから特に特定されるものでは
ないが、通常、得られた反応溶液の重量と同等量以上の
水を加えるのが好ましい。
【0033】その後、直ちに析出した生成物をろ過によ
り分別してもよいが、一般的には、しばらく攪拌により
混合する。このときの攪拌方法は、メカニカル攪拌、ス
ターラーによる攪拌等、いずれの方法を用いてもよい。
攪拌時の温度については特に特定されるものではない
が、5〜60℃で行うのが一般的であり、攪拌時間も特
に限定されるものではないが、通常10分〜5時間であ
る。
【0034】析出させた生成物のろ過方法は、自然ろ
過、吸引ろ過、加圧式ろ過、遠心分離等いずれを用いて
もよい。得られた生成物に水を加え、洗浄し、残留して
いる酸や塩等の不純物を除去する。また使用したオルガ
ノシリル化剤の種類やシリル化率等によって異なるが、
必要に応じてメタノール等を加えた混合液を用いてもよ
い。水の量は特に特定されるものではないが、好ましく
は生成物の重量の同等量以上が好ましい。
【0035】そして再び生成物をろ過により分別する。
また水による洗浄の回数は、好ましくは2回以上がよ
い。そして得られた生成物の乾燥方法も特に特定される
ものではなく、自然乾燥、風乾、熱風乾燥、減圧乾燥等
いずれの方法を用いてもよい。乾燥時の温度条件は特に
限定されるものではないが、室温〜150℃以下で行う
のが一般的である。
【0036】次に(3)の方法は、用いた水溶性極性有
機溶媒の沸点が水よりも低いものであるときに、好まし
い方法である。まず水溶性極性有機溶媒を除去するが、
除去方法として濃縮器や減圧濃縮器を用いるのが一般的
であるが、これに限られるものではない。
【0037】除去する水溶性極性有機溶媒の量は、得ら
れるオルガノシリルシリケートの種類やシリル化率、そ
れぞれの溶解性によって異なり、また全反応液中の水溶
性極性有機溶媒の含有率によっても異なるので、一概に
特定できないが、一般的に添加した水溶性極性有機溶媒
の総量の80%以上を除去することが望ましい。
【0038】次に析出した生成物をろ過により分別す
る。ろ過方法、洗浄方法、残留している酸や塩等の不純
物を除去方法等は(2)の方法と同様である。また使用
したオルガノシリル化剤の種類やシリル化率等によって
異なるが、必要に応じてメタノール等を加えた混合液を
用いてもよい。
【0039】水の量は特に規定されるものではないが、
好ましくは生成物の重量の同等量以上が好ましい。そし
て再び生成物をろ過により分別する。水による洗浄、得
られた生成物の乾燥方法も(2)と同様である。
【0040】本発明の製造方法により得られる高分子量
ポリオルガノシリルシリケートは、耐熱性、絶縁性ある
いは低誘電率性等の電気的特性、撥水性、耐擦傷性、耐
候性、密着性等の優れた特性を有する為、コ−テイング
材、塗料、撥水剤、改質剤、保護膜、層間膜、バインダ
−等として好適に使用し得る。
【0041】また強度、寸法安定性等の性能を更に改善
する為に、得られた高分子量ポリオルガノシリルシリケ
ートに、各種充填材を添加して使用することも可能であ
る。充填材としては、繊維状充填材、無機充填材等が挙
げられる。
【0042】繊維状充填材としては、ガラス繊維、炭素
繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、炭化
珪素繊維等が使用できる。また無機充填材としては、硫
酸バリウム、硫酸カルシュウム、クレ−、バイロフェラ
イト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイ
カ、雲母、タルク、アタルパルジャイト、フェライト、
珪酸カルシュウム、炭酸カルシュウム、炭酸マグネシュ
ウム、ガラスビ−ズ等が使用できる。
【0043】更に、高分子量ポリオルガノシリルシリケ
ートに、下記のごとき合成樹脂及び/またはエラストマ
−を溶解、あるいは混合して使用することができる。こ
れらの合成樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリエ−テルイミド、ポリカ−ボ
ネ−ト、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレンスル
フィド、ポリスルフォン、ポリエ−テルスルフォン、
【0044】ポリエ−テルエ−テルケトン、ポリエ−テ
ルケトン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、
ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコ−ン
樹脂、フェノ−ル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0045】エラストマ−としては、塩化ビニル系エラ
ストマ−、ポリエステル系エラストマ−、シリコ−ン系
エラストマ−、スチレン系エラストマ−、オレフィン系
エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ウレタン系
エラストマ−等が挙げられる。
【0046】また使用目的により、高分子量ポリオルガ
ノシリルシリケート、または上述の合成樹脂及び/また
はエラストマ−との混合物に、更に添加剤として、通常
の公知慣用の着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡
剤、滑剤、カップリング剤等を含有せしめることができ
る。
【0047】
【実施例】次に本発明を具体的な実施例により説明する
が、本発明はもとよりこれらに限定されるものではな
い。
【0048】なお、実施例及び比較例の重量平均分子量
(Mw)は、測定試料として約0.1重量%のテトラヒ
ドロフラン溶液を用い、ゲルパ−ミエ−ションクロマト
グラフィ−HLC−8020(GPC:東ソ−株式会社
製)によりSHODEX AC−803及び804ゲル
カラム(昭和電工株式会社製)を使用して測定した。
【0049】(実施例1)フラスコに水ガラス3号(日
本化学株式会社製)100gを仕込み、メカニカル攪拌
しながら、水で希釈し、珪酸成分0.5モル、ナトリウ
ム成分0.3モルを含有する水溶液を調整した。この溶
液に、30℃で、20重量%硫酸11.0gを滴下し、
珪酸ソ−ダを部分中和した。この部分中和液を60℃に
昇温し、2時間保持してシラノ−ル縮合反応を行い、シ
ラノ−ル縮合反応液を得た。
【0050】滴下漏斗、温度計、コンデンサ−及び攪拌
棒を取り付けた4つ口フラスコに、20重量%硫酸70
gと、水100g及びテトラヒドロフラン(以下、TH
Fと表す。)40gとを仕込んだ混合溶媒に、30℃、
攪拌下で、該シラノ−ル縮合反応液を約30分かけて滴
下し、更に30分間保持し、中和を完了した。中和液の
pHは1.3であった。
【0051】次いでTHF150gを加えて、混合均一
化した。この混合溶液に、液温が30℃以上にならない
ように調整しながら、トリメチルクロルシラン(以下、
TMCSと表す。)32.6g(0.3モル)を約10
分かけて滴下した。その後も30℃に温度を維持し、2
時間攪拌し、シリル化反応を終了した。
【0052】シリル化反応終了後、エバポレーターを用
い、減圧下、30〜40℃でTHFを溜去し、生成物を
析出させた。これをろ過後、300gの水で2回洗浄、
ろ過した。洗浄後、ろ過物を60℃で15時間真空乾燥
して白色粉末状のオルガノシリルシリケートを得た。収
率は97重量%であり、表1に部分中和で使用した酸量
を珪酸ソ−ダに含まれるナトリウム1モル量当たりの酸
当量に換算した当量数と、得られたポリオルガノシリル
シリケートの重量平均分子量(Mw)を示す。
【0053】(実施例2)部分中和での20重量%硫酸
の使用量を14.7gに変更した以外は、実施例1と同
様にして白色粉末状のポリオルガノシリルシリケートを
得た。収率は96.8重量%であり、表1に部分中和で
使用した酸量を珪酸ソ−ダに含まれるナトリウム1モル
量当たりの酸当量に換算した当量数と、得られたポリオ
ルガノシリルシリケートの重量平均分子量(Mw)を示
す。
【0054】(実施例3)部分中和での20重量%硫酸
の使用量を17.6gに変更した以外は、実施例1と同
様にして白色粉末状のポリオルガノシリルシリケートを
得た。収率は98.5重量%であり、表1に部分中和で
使用した酸量を珪酸ソ−ダに含まれるナトリウム1モル
量当たりの酸当量に換算した当量数と、得られたポリオ
ルガノシリルシリケートの重量平均分子量(Mw)を示
す。
【0055】(比較例1)部分中和での20重量%硫酸
の使用しなかった以外は、実施例1と同様にして白色粉
末状のポリオルガノシリルシリケートを得た。収率は9
6.5重量%であり、表1に部分中和で使用した酸量を
珪酸ソ−ダに含まれるナトリウム1モル量当たりの酸当
量に換算した当量数と、得られたポリオルガノシリルシ
リケートの重量平均分子量(Mw)を示す。
【0056】(比較例2)部分中和での20重量%硫酸
の使用量を7.4gに変更した以外は、実施例1と同様
にして白色粉末状のポリオルガノシリルシリケートを得
た。収率は97.7重量%であり、表1に部分中和で使
用した酸量を珪酸ソ−ダに含まれるナトリウム1モル量
当たりの酸当量に換算した当量数と、得られたポリオル
ガノシリルシリケートの重量平均分子量(Mw)を示
す。
【0057】(比較例3)部分中和での20重量%硫酸
の使用量を22.1gに変更した以外は実施例1と同様
にして部分中和を行い、温度を60℃まで昇温する過程
で白濁化後ゲル化が生じ以後の操作が行えず、ポリオル
ガノシリルシリケートは得られなかった。
【0058】
【表1】
【0059】(実施例4)シラノ−ル縮合反応液を中和
する際に用いる混合溶媒中のTHFの使用量を150g
に変更した以外は、実施例2と同様にして白色粉末状の
ポリオルガノシリルシリケートを得た。収率は98.4
重量%であった。得られたポリオルガノシリルシリケー
トの重量平均分子量(Mw)は43,000であり、良
好な再現性が有ることが確認できた。
【0060】(比較例4)シラノ−ル縮合反応液を中和
する際に用いる混合溶媒中のTHFを使用しなかった以
外は、実施例1と同様にして白色粉末状のポリオルガノ
シリルシリケートを得た。収率は96.4重量%であっ
た。しかし得られたポリオルガノシリルシリケートは、
一部ゲル化により生成したとみられるTHFに不溶な生
成物を含有したものであった為、重量平均分子量(M
w)は測定できなかった。
【0061】(実施例5)シラノ−ル縮合反応液の中和
後に添加するTHFの使用量を300gに変更した以外
は、実施例2と同様にして白色粉末状のポリオルガノシ
リルシリケートを得た。収率は98.8重量%であっ
た。得られたポリオルガノシリルシリケートの重量平均
分子量(Mw)は42,000であり、良好な再現性が
有ることが確認できた。
【0062】(実施例6〜8)水溶性極性有機溶媒のT
HFを、表2に示した水溶性極性有機溶媒に変更した以
外は、全て実施例1と同様に行った。表2に水溶性極性
有機溶媒の種類と、得られたポリオルガノシリルシリケ
ートの収率及び重量平均分子量(Mw)を示しす。
【0063】
【表2】
【0064】(実施例9〜11)オルガノシリル化剤の
TMCSを、表3に示したトリメチルエトキシシラン
(以下、TMESと表す。)、トリプロピルクロルシラ
ン(以下、TPCSと表す。)、ビニルジメチルクロル
シラン(以下、VDMCSと表す。)に変更した以外
は、全て実施例2と同様に行った。表3にオルガノシリ
ル化剤の種類と、得られたポリオルガノシリルシリケー
トの収率及び重量平均分子量(Mw)及び実施例2の結
果を示す。
【0065】
【表3】
【0066】(実施例12及び13)オルガノシリル化
剤のTMCSの使用量を、表4に示した量に変更した以
外は、全て実施例2と同様に行った。表4にオルガノシ
リル化剤の使用量及びこの使用量を珪酸原子1モル当た
りのモル量に換算したモル数と、得られたポリオルガノ
シリルシリケートの収率及び重量平均分子量(Mw)及
び実施例2の結果を示す。
【0067】
【表4】
【0068】
【発明の効果】本発明は、耐熱性、絶縁性あるいは低誘
電率性等の電気的特性、撥水性、耐擦傷性、耐候性、密
着性等に優れた特性を有し、金属、プラスチック、ガラ
スあるいは配線基板等の各種材料、成型品等のコ−テイ
ング材、塗料用材料、撥水剤、改質剤、保護膜、層間
膜、バインダ−等として好適に使用し得る、重量平均分
子量が1万以上の高分子量ポリオルガノシリルシリケー
トを再現性良く、容易に製造する工業的製造方法を提供
することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に溶解した珪酸ソ−ダを、珪酸ソ−ダ
    のナトリウム1モル当たり、0.14〜0.26当量の
    酸により部分中和し、シラノ−ル縮合反応させた後、酸
    と水と水溶性極性有機溶媒との混合溶媒中で、更にpH
    1〜5まで中和し、更に水溶性極性有機溶媒を添加し、
    次いでオルガノシリル化剤を添加してシリル化反応させ
    ることを特徴とする高分子量ポリオルガノシリルシリケ
    ートの製造方法。
  2. 【請求項2】 混合溶媒中の水溶性有機極性溶媒の量
    が、混合溶媒全重量の5〜50重量%である請求項1記
    載の高分子量ポリオルガノシリルシリケートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 用いる水溶性有機極性溶媒の総量が、全
    反応液重量の10〜80重量%である請求項1または2
    記載の高分子量ポリオルガノシリルシリケートの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 水溶性有機極性溶媒が、アルコ−ル類、
    ケトン類、エ−テル類、アミド類からなる群から選ばれ
    る一種以上の溶媒である請求項1〜3のいずれか一つに
    記載の高分子量ポリオルガノシリルシリケートの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 オルガノシリル化剤が、一般式1で表さ
    れるオルガノシラン化合物である請求項1〜4のいずれ
    か一つに記載の高分子量ポリオルガノシリルシリケート
    の製造方法。 一般式1 R123SiX (式中、R1、R2およびR3は、同一の、または異なっ
    てそれぞれアルキル基、アルケニル基またはフェニル基
    であり、Xはハロゲン原子またはアルコキシ基を表
    す。)
  6. 【請求項6】 オルガノシリル化剤のモル量が、珪酸ソ
    −ダ中の珪素原子の1モル量あたり、0.02〜1モル
    である請求項5記載の高分子量ポリオルガノシリルシリ
    ケートの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001192453A (ja) * 1999-12-28 2001-07-17 General Electric Co <Ge> シリコーン樹脂の連続製造方法
JP2015203114A (ja) * 2015-04-06 2015-11-16 大成ファインケミカル株式会社 有機無機ハイブリッド粒子及びその製造方法
CN114230795A (zh) * 2022-01-14 2022-03-25 万华化学集团股份有限公司 一种低功率连续制备可控高分子量mq树脂的方法

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