JPH08319190A - 熱遮蔽体 - Google Patents

熱遮蔽体

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JPH08319190A
JPH08319190A JP12283395A JP12283395A JPH08319190A JP H08319190 A JPH08319190 A JP H08319190A JP 12283395 A JP12283395 A JP 12283395A JP 12283395 A JP12283395 A JP 12283395A JP H08319190 A JPH08319190 A JP H08319190A
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graphite
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Masahiko Okui
正彦 奥井
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 黒鉛と、黒鉛よりも光透過率の大きな材料
(20)とで構成された熱遮蔽体19。 【効果】 単結晶6の熱履歴を制御し、高品質の単結晶
6を得ることができ素子形成時の酸化膜耐圧特性を向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱遮蔽体に関し、より詳
細には例えば半導体材料として使用されるシリコン単結
晶等を成長させる単結晶引き上げ装置内に配設される熱
遮蔽体に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を成長させるには種々の方法があ
るが、その方法の一つにチョクラルスキー法(以下、C
Z法と記す)がある。図7は従来のCZ法に用いられる
単結晶引き上げ装置を模式的に示す断面図であり、図中
31は坩堝を示している。坩堝31は有底円筒状の石英
製内層容器31aと、この内層容器31aの外側に嵌合
された有底円筒状の黒鉛製の外層保持容器31bとから
構成されており、坩堝31は図中矢印方向に所定速度で
回転する支持軸38に支持されている。この坩堝31の
外側には抵抗加熱式のヒーター32が、またヒーター3
2の外側には保温筒37がそれぞれ同心円状に配置され
ており、坩堝31内にはこのヒーター32により溶融さ
せた単結晶用原料の溶融液33が充填されるようになっ
ている。また坩堝31の中心軸上には、支持軸38と同
一軸心で同方向又は逆方向に所定の速度で回転する引き
上げ棒、ワイヤ等からなる引き上げ軸34が吊設されて
おり、この引き上げ軸34の先に取り付けられた種結晶
35を溶融液33の表面に接触させて引き上げ軸34を
回転させつつ上方へ引き上げることにより、溶融液33
を凝固させて単結晶36を成長させている。
【0003】ところで、半導体結晶をこの引き上げ方法
で成長させる場合、単結晶36の電気抵抗率、電気伝導
型を調整するために、引き上げ前に溶融液33中に不純
物元素を添加(ドーピング)する。しかし通常のCZ法
においては、添加した前記不純物濃度が単結晶36の結
晶成長方向に沿って変化していく、いわゆる偏析現象が
生じ、その結果、結晶成長方向に均一な電気的特性を有
する単結晶36が得られないという問題があった。
【0004】この偏析は、凝固の際の溶融液33と単結
晶36との界面における単結晶36中の不純物濃度Cs
と溶融液33中の不純物濃度Clとの比Cs/Cl(実
効偏析係数ke)が1でないことに起因している。例え
ば実効偏析係数ke<1の場合、単結晶36が成長する
に伴って溶融液33中の不純物濃度が次第に高くなって
いき、単結晶36に偏析が生じるのである。
【0005】上記した不純物の偏析を抑制しながら単結
晶を成長させる方法の一つとして、溶融層法による単結
晶引き上げ方法が挙げられる。
【0006】図8は溶融層法に用いられる単結晶引き上
げ装置を模式的に示した断面図であり、図7に示したも
のと同様に構成された坩堝41内の上部にある原料をヒ
ーター42を使用して溶融させることにより、上層には
溶融層43を、また下層には固体層49を形成する。そ
して、引き上げに伴って、ヒーター42を少しづつ下降
させることにより固体層49を次第に溶融させていきな
がら、後は上記したCZ法による引き上げ方法と同様の
方法で単結晶46を成長させる。
【0007】前記溶融層法として、大きく分けて今まで
に溶融層厚一定法及び溶融層厚変化法の二つの方法が提
案されている。
【0008】溶融層厚一定法は、単結晶46を引き上げ
る際、引き上げられた単結晶46の量に拘らず、ヒータ
ー42を上側から下側へ移動させ、坩堝41内における
溶融層43の体積を一定に保つように固体層49を溶融
させていく方法であり、特公昭34−8242号公報、
特公昭62−880号公報及び実開昭60−32474
号公報等に開示されている。この方法では、実効偏析係
数keの値に拘らず、単結晶46の成長に伴って新たに
不純物濃度の低い固体層49を溶融させ、溶融層43中
の不純物濃度を低下させる。そして、不純物濃度を調節
するために不純物を溶融層43に連続的に添加し、溶融
層43中の不純物濃度をほぼ一定に保って単結晶46中
における不純物の偏析を抑制している。
【0009】一方、溶融層厚変化法は、意図的に溶融層
43の液量を変化させることにより、単結晶引き上げ中
に不純物を添加することなく溶融層43の不純物濃度C
lを一定に保ち、単結晶46中の不純物の偏析を抑制す
る方法であり、特開昭61−205691号公報、特開
昭61−205692号公報及び特開昭61−2152
85号公報等に開示されている。
【0010】なお前記した二つの溶融層法において、溶
融層43の厚さの制御は、ヒーター42の発熱体の長さ
やパワー、坩堝41の位置や深さ及びヒーター42の外
側に周設され、坩堝41下部の熱移動を促進する保温筒
47の形状及び材質を予め適切に選択することにより行
われる。
【0011】上述したように溶融層法による単結晶引き
上げ方法(以下、DLCZ法と記す)では、引き上げら
れた単結晶の軸方向に関する不純物濃度が一定であるた
め、その電気抵抗率が均一化されるという利点がある。
【0012】単結晶の品質を左右するものとしては、上
記した単結晶中の不純物濃度の他に単結晶中の酸素濃度
が挙げられる。上記CZ法及び溶融層法において内層容
器31a、41aは石英(SiO2 )で形成されてお
り、該SiO2 中の酸素は溶融液33、溶融層43中に
溶出し、その溶け出た酸素はSiOになって大部分は溶
融液33、溶融層43表面から蒸発するが、一部の酸素
は単結晶36、46中に固溶する。一般に単結晶36、
46中の酸素濃度は坩堝31、41及び引き上げ軸3
4、44の回転速度を変更することにより調整が行なわ
れており、例えばCZ法では使用目的に応じて12〜1
7×1017/cm3 程度の酸素を含有させている。
【0013】しかし上記した溶融層法においては、固体
層49があるので溶融層43量が少なくなり、溶融層4
3が内層容器41aと接触する面積はCZ法の場合に比
べて略半分程度に減少する。したがって、溶融層法では
溶融層43への酸素の供給量自体が少なくなり、高い酸
素濃度を有する単結晶46が得られ難いという問題があ
った。
【0014】溶融層法で高い酸素濃度を有する単結晶4
6を成長させる方法としては、黒鉛製の熱遮蔽体を用い
る方法(特開平5−43380号)が提案されている。
図9は上記方法で用いられる単結晶引き上げ装置の要部
を示す模式的断面図であり、図中51は坩堝を示してい
る。坩堝51の中心軸上には引き上げ軸54が吊設され
ており、引き上げ軸54の下端からは単結晶56が形成
されている。また坩堝51の上方には坩堝51と同心円
状に逆円錐台形状の熱遮蔽体59が配設されており、熱
遮蔽体59の下端部59aは溶融層53表面の上方近傍
に配置されている。また、単結晶引き上げ装置内にはA
rガスが装置上部から流入し、矢印で示す経路で流され
ている。前記装置を用いて単結晶56を成長させる場
合、ヒータ52で加熱された坩堝51が放射する放射熱
が熱遮蔽体59により遮断され、下端部59aから中心
軸に至る領域(図中Aで示す。以下、A領域と記す)で
は溶融層53表面の温度が低下し、SiOが溶融層53
から蒸発するのが抑制され、その結果、高い酸素濃度を
有する単結晶56が得られる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
熱遮蔽体59にあっては、ヒータ52や坩堝51からの
熱をかなり大きい割合で遮断してしまうため、引き上げ
られた単結晶56が急冷されてしまい、ウエハ酸化膜耐
圧特性に関する良品率を向上させることが困難であると
いった課題があった。
【0016】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、黒鉛よりも光透過率の高い材料を熱遮蔽体の一部に
利用することにより、引き上げ中の単結晶に坩堝等から
の熱を適切に付与して所定温度領域を徐冷とし、ウエハ
の酸化膜耐圧特性を向上させ得る熱遮蔽体を提供するこ
とを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る熱遮蔽体は、黒鉛と、黒鉛よりも光透過
率の大きな材料とで構成されることを特徴としている。
【0018】また、本発明に係る熱遮蔽体は、窓を有
し、黒鉛を用いて形成された第1の熱遮蔽体と、黒鉛よ
りも光透過率の大きな材料を用いて形成され、前記第1
の熱遮蔽体の上側に配置される第2の熱遮蔽体とからな
ることを特徴としている。
【0019】
【作用】酸化膜耐圧の劣化原因として、引き上げ中に成
長する赤外散乱体の密度の上昇が挙げられる。赤外散乱
体とは赤外散乱トモグラフィにて観測される結晶欠陥で
あり、引き上げ中の単結晶において、約1000〜12
00℃の温度領域における急冷により成長した巨大な酸
素析出物のことである。上記した温度領域において引き
上げ中の単結晶を徐冷にすると赤外散乱体の密度は小さ
くなり、赤外散乱体の密度が小さいほど酸化膜耐圧特性
に関する良品率は向上する。
【0020】上記した温度領域を徐冷にした場合に酸化
膜耐圧特性が向上するのは、次のような機構によるもの
と考えられる。単結晶の固化時に該単結晶中に過飽和に
凍結された点欠陥(以下、空孔と記す)が多数存在する
ほど単結晶引き上げ時に生成される酸素析出物は多くな
る。一方前記空孔は、単結晶の固化時に取り込まれた格
子間シリコン原子や、前記酸素析出物が成長することに
よって放出した格子間シリコン原子と再結合することに
より、消滅したり前記酸素析出物に吸収されたりしてそ
の密度が減少する。単結晶引き上げ時における前記温度
領域(約1000〜1200℃)は前記酸素析出物の生
成及び成長が促進される温度領域であり、該温度領域を
徐冷すると前記酸素析出物は急冷のものに対して大きく
成長し、該酸素析出物がより多くの前記空孔を吸収し、
また、格子間Si原子と空孔の再合成も促進されるため
該空孔の密度は低下する。空孔の密度が低下するとその
分次に生成される前記酸素析出物の生成量が減少し、結
果的に赤外散乱体の密度が低下して酸化膜耐圧が向上す
る。
【0021】本発明者は上記した作用を見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち本発明に係る熱遮蔽体
(1)は、黒鉛と黒鉛よりも光透過率の大きな材料とで
構成されるので単結晶引き上げ装置内に配設して用いれ
ば、黒鉛よりも光透過率の大きな材料で構成される部分
にあっては前記坩堝等からの熱を単結晶に多く付与し得
ることとなり、単結晶の熱履歴を制御し得る。このた
め、高品質の単結晶を得ることが可能となり、素子形成
時の酸化膜耐圧特性が向上する。
【0022】また、本発明に係る熱遮蔽体(2)は、前
記窓を有し、前記黒鉛を用いて形成された前記第1の熱
遮蔽体と、前記黒鉛よりも光透過率の大きな材料を用い
て形成され、前記第1の熱遮蔽体の上側に配置される前
記第2の熱遮蔽体とからなるので、前記単結晶引き上げ
装置内に配設して用いれば、前記第1の熱遮蔽体の前記
窓の位置を変更することにより容易に前記熱履歴のコン
トロール部位を変化させ得る。また、前記第1の熱遮蔽
体の上部に前記第2の熱遮蔽体を配置すればよく、その
製造が容易である。
【0023】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る熱遮蔽体の実
施例を図面に基づいて説明する。ここでは、溶融層法に
より単結晶の引き上げを行った場合について述べる。図
1は実施例1に係る熱遮蔽体が配設された単結晶引き上
げ装置を示した模式的断面図であり、図中、10はチャ
ンバーを示している。チャンバー10は図示しない水冷
機構により水冷されている。チャンバー10のほぼ中央
位置には単結晶用原料が充填される坩堝1が配設されて
おり、坩堝1は有底円筒形状の石英製内層容器1aとこ
の内層容器1aの外側に嵌合される有底円筒状の黒鉛製
外層保持容器1bとから構成されている。またこの坩堝
1の底部の略中心箇所にはチャンバー10の底壁を貫通
する支持軸8が取り付けられ、この支持軸8によって坩
堝1は回転及び昇降可能に支持されている。また、この
坩堝1の外周には抵抗加熱式のメインヒーター2aが同
心円状に配設されており、メインヒーター2aの下方に
はサブヒーター2bが同じく同心円状に配設されてい
る。さらにこれらヒーター2の外周には保温筒7が配設
されている。
【0024】一方坩堝1の上方には引き上げ軸4が回転
並びに昇降可能なように吊設されており、引き上げ軸4
の下端には、種結晶(図示せず)が装着されている。一
方、坩堝1内の下部には固体層9が、上部には溶融層3
がそれぞれ形成されており、坩堝1内の溶融層3中に種
結晶の下端を浸漬した後、これを回転させつつ上昇させ
ることにより、種結晶の下端から単結晶6を成長させて
いくようになっている。この単結晶引き上げ装置には、
ヒータ2、坩堝1及び溶融層3から単結晶6への熱放射
を防ぐ目的で単結晶6の周囲に熱遮蔽体19が配設され
ており、熱遮蔽体19の一部20はサファイアガラス、
石英ガラス、透光性のアルミナ等、黒鉛よりも光透過率
の大きな材料から構成されている。熱遮蔽体19の下端
部19aは坩堝1内の溶融層3の上方近傍に位置してい
る。
【0025】図2は熱遮蔽体19を模式的に示した拡大
図であり、(a)は平面図を、(b)は正面図をそれぞ
れ示している。熱遮蔽体19の側面19b下部の所定箇
所には光透過率の大きな材料から構成された一部20が
形成されており、一部20の上面20aの下端部19a
に対する傾きは、同じく一部20の底面20bの下端部
19aに対する傾きよりも大きく設定されており、一部
20を熱遮蔽体19に嵌込んだ後に不用意に外れないよ
う工夫されている。
【0026】単結晶引き上げ中には、装置上部からAr
ガスを導入するが、チャンバー10内に導入されたAr
ガスは、熱遮蔽体19の下端部19aと溶融層3表面と
の間を通過してチャンバー10下部に至り、真空ポンプ
により排気される。
【0027】このように構成された熱遮蔽体19が配設
された単結晶引き上げ装置を用い、溶融層法によりシリ
コン単結晶6の引き上げ実験を行った。
【0028】まず黒鉛製の外層保持容器1bに内径が1
6インチ、厚さが8.5mm、高さが14インチの石英
製内層容器1aを嵌合させた坩堝1内にシリコン原料6
5kgを充填し、さらにn型ドーパントとしてリン・シリ
コン合金を0.6g添加し、チャンバー10内にArガ
スを導入し、10TorrのAr雰囲気にした後、単結
晶引き上げ中は一定圧、一定流量でArガスを流した。
次に、長さがそれぞれ90mmのメインヒーター2a及
びサブヒーター2bのパワーを各々50kW程度、計1
00kW程度にして一旦原料を全部溶融させ、その後に
メインヒーター2aのパワーを70kW程度、サブヒー
ター2bのパワーを0kW程度に落して溶融層3の下部
に固体層9を成長させ、固体層9の量を安定させた。次
に、種結晶の下側を溶融層3に浸漬し、坩堝1の回転数
を1rpm 、引き上げ軸4の回転数を10rpm 、引き上げ
速度を1.0mm/分の条件に設定してお互いに逆方向
に回転させつつ、単結晶径154mm、長さ1000m
mのシリコン単結晶6を引き上げた。
【0029】図3は、実施例1及び比較例により引き上
げられた単結晶の融液面からの距離と単結晶の温度との
関係を示した図であり、比較例としては図7に示した装
置を用い従来のCZ法による引き上げを行ったシリコン
単結晶を採用した。
【0030】図3から明らかなように、比較例に係る単
結晶においては例えば1000〜1200℃の温度領域
に入る融液面からの距離は130mm程度であるのに対
し、実施例に係る融液面からの距離は280mm以上で
あった。これにより、実施例1によれば単結晶の引き上
げ軸方向の温度勾配をゆるやかにし、所定温度領域での
徐冷を行うことができたことは明らかである。
【0031】図4、図5はそれぞれ、実施例1及び比較
例により引き上げられた単結晶の赤外散乱体の密度と酸
化膜耐圧の良品率の調査結果を示した図である。良品率
はウエハ全体をマス目に切り、そこに作成したチップそ
れぞれに8MV/cmの電界強度をかけた場合に絶縁破
壊がおこらなかったものを良品として、全体のチップ数
に占める良品数を求めた。
【0032】図4、図5から明らかなように、比較例に
係る単結晶では赤外散乱体の密度が1×106 個/cm
3 近辺であるのに対して実施例1に係る単結晶では1.
5×105 個/cm3 近辺となり、実施例1に係る熱遮
蔽体19を用いることにより前記赤外散乱体が約10分
の1に減少した。また、ウエハの酸化膜耐圧の良品率
が、比較例による40%程度から60%程度まで向上し
た。
【0033】以上説明したように、実施例1に係る熱遮
蔽体19にあっては、一部20が黒鉛よりも光透過率の
大きな材料で構成される一方、一部20を除く部分が黒
鉛を用いて構成され、単結晶引き上げ装置内に配設され
るので、一部20を通過して引き上げられる単結晶6の
部分に坩堝1等からの熱をより多く付与し得ることとな
り、単結晶6の熱履歴を制御することができる。このた
め、高品質の単結晶を得ることができ、素子形成時の酸
化膜耐圧特性を向上させることができる。
【0034】図6は実施例2に係る熱遮蔽体が配設され
た単結晶引き上げ装置を示した模式的断面図であり、図
中69は熱遮蔽体を示している。熱遮蔽体69は窓70
aを有し、黒鉛を用いて形成された第1の熱遮蔽体70
と、透光性のアルミナ、サファイアガラスあるいは石英
ガラス等、黒鉛よりも光透過率の大きな材料を用いて形
成され、第1の熱遮蔽体70の上側に配置された第2の
熱遮蔽体71とからなっており、単結晶成長装置内に配
設されている。その他の構成は実施例1の場合と同様で
あり、同一の機能を有する部品には同一の記号を付して
ある。
【0035】実施例2に係る熱遮蔽体69においても実
施例1の場合と同様に従来のCZ法によるものとの比較
を行った結果、図4、図5に示した実験結果と同様の結
果が得られ、実施例1と同様の効果が得られることがわ
かった。また、熱遮蔽体70の窓70aの位置を制御す
ることにより容易に前記熱履歴のコントロール部位を変
化させることができる。また、第1の熱遮蔽体70の上
部に第2の熱遮蔽体71を配置する構成となっており、
容易に製造することができる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る熱遮蔽
体(1)にあっては、黒鉛と、黒鉛よりも光透過率の大
きな材料で構成されるので単結晶引き上げ装置内に配設
して用いれば坩堝等からの熱を前記単結晶に多く付与し
得ることとなり、単結晶の熱履歴を制御し得る。このた
め、高品質の単結晶を得ることができ、素子形成時の酸
化膜耐圧特性を向上させることができる。
【0037】また、本発明に係る熱遮蔽体(2)にあっ
ては、窓を有し、黒鉛を用いて形成された第1の熱遮蔽
体と、黒鉛よりも光透過率の大きな材料を用いて形成さ
れ、前記第1の熱遮蔽体の上側に配置される第2の熱遮
蔽体とからなるので、単結晶引き上げ装置内に配設して
用いれば、前記第1の熱遮蔽体の前記窓の位置を変更す
ることにより容易に前記熱履歴のコントロール部位を変
化させることができる。また、前記第1の熱遮蔽体の上
部に前記第2の熱遮蔽体を配置すればよく、容易に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る熱遮蔽体が配設された単
結晶引き上げ装置を示した模式的断面図である。
【図2】(a)は実施例に係る熱遮蔽体を模式的に示し
た上面図であり、(b)は正面図である。
【図3】実施例及び比較例により引き上げられた単結晶
の融液面からの距離と単結晶の温度との関係を示した図
である。
【図4】実施例及び比較例により引き上げられた単結晶
の赤外散乱体の密度を調べた結果を示した図である。
【図5】実施例及び比較例により引き上げられた単結晶
の酸化膜耐圧の良品率を調べた結果を示した図である。
【図6】別の実施例に係る熱遮蔽体が配設された単結晶
引き上げ装置を示した模式的断面図である。
【図7】CZ法に用いられる単結晶引き上げ装置を模式
的に示す断面図である。
【図8】溶融層法に用いられる単結晶引き上げ装置を模
式的に示した断面図である。
【図9】熱遮蔽体が配設された単結晶引き上げ装置を模
式的に示した断面図である。
【符号の説明】
19、69 熱遮蔽体 20 一部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛と、黒鉛よりも光透過率の大きな材
    料とで構成されることを特徴とする熱遮蔽体。
  2. 【請求項2】 窓を有し、黒鉛を用いて形成された第1
    の熱遮蔽体と、黒鉛よりも光透過率の大きな材料を用い
    て形成され、前記第1の熱遮蔽体の上側に配置される第
    2の熱遮蔽体とからなることを特徴とする熱遮蔽体。
JP12283395A 1995-05-22 1995-05-22 熱遮蔽体 Pending JPH08319190A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010001519A1 (ja) * 2008-07-01 2010-01-07 信越半導体株式会社 単結晶製造装置及び単結晶の製造方法
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