JPH08318255A - ストーカー式焼却炉の主灰の再利用化処理方法 - Google Patents

ストーカー式焼却炉の主灰の再利用化処理方法

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JPH08318255A
JPH08318255A JP12637995A JP12637995A JPH08318255A JP H08318255 A JPH08318255 A JP H08318255A JP 12637995 A JP12637995 A JP 12637995A JP 12637995 A JP12637995 A JP 12637995A JP H08318255 A JPH08318255 A JP H08318255A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般廃棄物用ストーカー式焼却炉の炉下から
排出される焼却灰を加工処理し、鉄スクラップ、非鉄金
属スクラップ、土木用再生砂として回収再利用する処理
方法を提供する。 【構成】 廃棄物用ストーカー式焼却炉の炉下から排出
された焼却灰からの金属類のリサイクル及び非金属物質
の再利用化処理方法であって、(1) 焼却灰からクリンカ
ー状の熔塊等粗大片を除去後、(2) 該焼却灰を 300〜50
0 ℃にて焙焼する焙焼工程と、(3) 該焼却灰から微粉
体、鉄類、非鉄金属類を除去する選別工程と、(4) 該残
りである非金属物質を粒度別に二分し、粉砕・研磨し、
粒子状に加工する粉砕・研磨工程と、(5) 該粒状化され
た残りを希硫酸等で化学処理後に水洗する薬液処理工程
とを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般廃棄物用ストーカ
ー式焼却炉の炉下から排出される焼却灰を加工処理し、
鉄スクラップ、非鉄金属スクラップ、土木用土砂として
活用化する処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】厚生省
編「日本の廃棄物 1991」によると、全国の一般ごみの
うち73%は焼却処分され、この焼却ごみの総重量を 100
%とした場合、焼却処分された後の焼却残渣のしめる重
量は16.2%である。又、日本全国で発生する焼却ごみ量
は1日当たり約9万4千トンもあり、これを焼却しても
1日1万5千トンの焼却残渣が残りこれが最終処分場に
運ばれ埋め立てられている。ところが、上記埋立処分ご
みを埋め立てる場所、すなわち最終埋立処分場のスペー
スには当然ながら限界があるため、現在のペースでいけ
ば極めて近い将来において埋立スペースの確保が不可能
となる市町村がある。ストーカー式焼却炉の炉下から排
出される焼却灰(飛灰ではない)の処理は、現在、焼却
場によっては磁力選別機にて鉄分のみを分離回収してい
るが、残りの非鉄金属類及び磁力選別機を素通りした鉄
分の混入した非金属物質は埋立処分に付されている。こ
れらの鉄分、非鉄金属類及び非金属物質に何らかの回収
利用の道が得られれば全国に点在している最終埋立処分
場の延命が計れることになる。そこで本発明者らは、従
来埋立処分していた焼却灰から更に有用物を回収しこれ
を利用することに着目し検討した結果、金属類を除かれ
た焼却灰は、その成分及びその膨大な量からして土木用
資材としての活用が最も好適であると考え、更に調査研
究したところ、以下の条件を満たすことができれば、非
金属物質を土木用土砂として充分使用できることが見出
した。 未燃有機物質が除去されていること 塩化物含有量が低減化されていること アルカリシリカ反応で無害であること 鉄分が十分に除去されていること 非鉄金属類が除去されていること 粒子形状が均一化されていること 重金属類の溶出量が規定値以下であること ダイオキシンが十分に分解されていること
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記〜
の条件を満足するように、焼却灰から非金属の品質向
上と安定化方法について鋭意検討した結果、本発明の特
定のプロセスを完成するに到った。即ち本発明は、廃棄
物用ストーカー式焼却炉の炉下から排出された焼却灰か
らの金属類のリサイクル及び非金属物質の再利用化処理
方法であって、(1) 焼却灰からクリンカー状の熔塊等粗
大片を除去後、(2) 該焼却灰を 300〜500 ℃にて焙焼す
る焙焼工程と、(3) 該焼却灰から微粉体、鉄類、非鉄金
属類を除去する選別工程と、(4) 該残りである非金属物
質を粒度別に二分し、粉砕・研磨し、粒子状に加工する
粉砕・研磨工程と、(5) 該粒状化された残りを希硫酸等
で化学処理後に水洗する薬液処理工程とを行うことを特
徴とするストーカー式焼却炉の主灰の再利用化処理方法
に関する。
【0004】以下、本発明の廃棄物焼却灰の再利用化処
理方法を具体的に説明する。本発明の処理方法において
は、まず第1の工程として、廃棄物用ストーカー式焼却
炉の炉下に設けられている水槽から排出された焼却灰か
ら、後の工程の機器類を保護するために、フライパンや
やかん等の厨房器具片、タイヤホイールやパール等の金
属片、クリンカー状の熔塊等をスクリーンなどの機械的
方法により除去する。
【0005】次いで焼却灰を焙焼炉で加熱焙焼する。こ
の焙焼工程は大きく分けて次の三つの働きをする。 (1) 焼却灰に含まれている未燃焼有機物質を熱分解し、
無機物に変えることにより、焼却灰を土木資材として使
える素地にする。 (2) 焼却灰特有の悪臭源を消滅させ、又、細菌類の繁殖
要因物質を壊滅させる。 (3) ダイオキシンを熱分解する。 発明者等は焼却炉から排出された焼却灰を焼却炉で処理
した結果、灼熱減量が著しく減少し、熱分解性物質のほ
とんどが分解された事を確認出来た。表1はその例であ
り、実際処理後の焼却灰は悪臭の全くない無臭の無機物
に転換された事が判断できた。
【0006】
【表1】
【0007】次にダイオキシンについてであるが、ダイ
オキシンはポリ塩化ジベンゾパラダイオキシン(PCD
DS)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFS)の総称
であり、PCDDSには75種、PCDFSには 135種の
異性体があり、その生物学的影響(毒性)は多岐であ
る。一般にはPCDDS及びPCDFSのそれぞれの種
類の毒性を想定し、毒性等価濃度(TEQ)としてダイ
オキシンを含有する物質の毒性が評価されている。表2
は焼却炉から排出された焼却灰のダイオキシン量及びそ
の毒性等価濃度のいくつかの例である。
【0008】
【表2】
【0009】焼却灰中のダイオキシンをどの程度にまで
下げれば生物学的に問題がないと言えるのかについての
指標は公的には示されていないが、焼却灰の活用を計る
為には、いずれにしてもダイオキシンを大巾に減少させ
ねばならない。ダイオキシンの分解に関しては 300℃以
上で数十分間加熱すれば完全分解される事が学術誌で報
告されており、現在そのように認識されている。発明者
等は実用的な焼却灰の焙焼方法としてキルン型式の加熱
炉を選定し、且つ、高温の燃焼ガスをキルン胴部内に吹
き込む代わりに回転キルン胴部の外周から加熱すること
により、被焙焼物質である焼却灰の飛散を抑制し、又、
キルン胴部の傾斜角を調整する事により被焙焼物質の焙
焼滞留時間を制御する方法を考案した。又、焼却灰の回
転キルン胴部への送入をスクリューコンベア型式、排出
口をダンパー型式とする事により、内部のガス体の漏洩
を極力抑えた。この方式により大量の焼却灰を連続的に
焙焼する技術が確立された。表3は、本発明の処理方法
により、焙焼工程及び薬液処理工程で処理した後の焼却
灰及び洗浄後の水のダイオキシン濃度の一例を示すもの
である。
【0010】
【表3】
【0011】上記に示されるTEQ数値はドイツ連邦及
び国内の「廃棄物処理に係わるダイオキシン等専門家会
議」による一般住民への一日の許容摂取量(ADI値)
0.1ng/kg・日(kgは人体重)と比較しても十分に低
い。このADI値は大気に放出されたダイオキシンを対
象にしたものであるが、仮にこの算出で体重60kgの人体
に適応すると、許容摂取量は6ng/日となり、上記の
0.009ng/gと対比すると 666gの本製品がそのまま人
体に入った場合に相当するような事になる。このような
事は、ありえないが 0.009ng/gが十分に小さく安全な
数値であると判断する判断材料になる。
【0012】次にアルカリシリカ反応(以下、ASR
と略記する)についてであるが、ASRとは、骨材中の
反応性を有するシリカとコンクリートに含まれるアルカ
リが反応することによって生じた生成物が吸水して膨張
しコンクリートにひび割れ等を生じさせる現象であり、
JIS A 5308の反応試験方法(化学法)による反応性の判
定は、「溶融シリカ量(Sc)が10mmol/リットル以上
で、アルカリ濃度減少量(Rc)が 700mmol/リットル未
満の時、溶解シリカ量(Sc)がアルカリ濃度減少量(R
c)以上となる場合、この骨材を無害でないものと判定
し、それ以外のものを無害と判定する。」と規定してい
る。そこで本発明者等は、幾多のストーカー式焼却炉の
焼却灰についてASRを繰り返したところ、いずれも無
害であると判定された。その分析値例を表4に示す。
【0013】
【表4】
【0014】次に鉄分が十分に除去されていることに
ついてであるが、都市周辺部に設置されているストーカ
ー式焼却炉には、焼却灰から鉄類を回収する装置(磁力
選別機)を設けているところがある。これは、鉄類を分
離し、製鉄原料としてリサイクルするのが目的である
が、この分離率は低く、現存の装置では50%にも達して
いないのが多い。又、地方町村部では、鉄類の分離はほ
とんど行われていない。しかし、焼却灰を土木用土砂と
して利用する場合、鉄分の酸化による着色を避けるため
又、粗大な鉄片を取り除く為、鉄分の除去率を更に高め
なければならない。そこで、本発明では、従来の磁力10
00ガウス程度の吊り下げ式或いはシュートの中に組み込
む一般的磁力選別機に代えて、磁力3000ガウス以上の磁
力選別機を用い、且つ例えば焼却灰を運ぶコンベアの後
部プーリー等に磁力選別機の磁力部分を配することによ
り、この磁力部分と非選別物との距離を最短距離とする
とともに、十分な近接時間を保てるような工夫をし、完
全な鉄分除去を図っている。
【0015】次に、本発明では非鉄金属除去を行うが、
これは高電圧電場又は強力な磁石を高速回転させること
により発生する強力な誘導電流を利用して上記の鉄分除
去工程後の焼却灰から非鉄金属類の除去を行う工程であ
る。この工程は、先に述べたように、非金属物質を土木
用土砂とする際の条件として求められる「非鉄金属類
の除去」を図るために行われる工程であるが、かかる条
件が求められている理由は、不定形な金属片の混入は土
木用土砂に好ましくないこと、並びにこれら非鉄金属の
中には例えば銅や真鍮のように比較的高価で最利用する
価値の高いものが多くその回収を図る為である。一般
に、焼却残渣中の非鉄金属は種々雑多の小さな金属片が
多く、例えばやかん・パイプなどの比較的大きなもの
は、ふるい等により簡単に除去できるものの、細かい金
属片などについては肉眼による視認除去は困難である。
実際に、焼却灰から非金属類と非鉄金属とを分離する操
作を実施している例は全くない。非鉄金属を非金属類か
ら分離する一方法として、重油に金属粒子を加えて比重
差で分離する試みもあるが、焼却灰を処理する方法とし
ては、油の洗浄除去操作が必須となり煩雑で経済的でな
い。
【0016】そこで、本発明の焼却灰処理においては、
誘導電流を利用した非鉄金属の分離回収を採用してい
る。これは従来よりアルミ缶の選別に利用されている方
法であるが、そのままの転用では磁力が不十分(1000ガ
ウス程度)なため、ドラムに充填する磁力を2000〜3000
ガウスに強化するとともに、極数を通常16極から2倍以
上に増やし、通常1500〜1800rpm の回転数で用いていた
のを3000rpm 程度まで高めた方法である。本発明者ら
は、種々の改良を加え、繰り返して非鉄金属除去につい
て実験した結果、鉄分を完全に除去した焼却残渣の分離
テストでは、試料中の非鉄金属重量比が50%の場合、分
離率75〜85%、同じく試料中の非鉄金属重量比が 100%
の場合、分離率83〜87%という成果を得た。ここで、分
離できない非鉄金属は主にステンレス製のボルト・ナッ
トや肉厚の鋳物及びもつれた銅線であり、それらは比較
的大きな形状であるため、後述の粉砕工程後の粒度別に
分離する工程で除去できることが確認された。
【0017】次に、粒子形状が均一についてである
が、微粉体、鉄類及び非鉄金属類を除去した後の焼却灰
から得られた非金属物質の粒度をJISの砂の標準粒度
と比較した一例が次の表5である。
【0018】
【表5】
【0019】一般に灰といえば細かな微粉体とみなしが
ちであるが、上記表5で示されるように骨材用砂として
の粒度分析から大きく逸脱しているのではないことが判
明した。すなわち、焼却灰の大部分は砂として必要な粒
径を有しているのである。
【0020】しかし、粒子径以外に粒子の形状が問題で
あり、例えばガラスや陶磁器の細片は鋭利な稜角部を保
っている場合があり、土木用土砂として直接作業員が手
で触れても危険のないような丸みのある形状に加工しな
ければならない。故に発明者等は得られた非金属物質を
粒度別に二分し、粗い方のものを粉砕機にかけて細かく
し、細かい方のものと粉砕機を通ったものを併せて研磨
機にかけた。粉砕機及び研磨機は瞬発的な破砕機ではな
く、加工処理時間を加減出来るロッドミル型式とし、
又、部品の互換性を考慮して粉砕機と研磨機は同一寸
法、同一型式とした。最後に塩化物含有量が低減化さ
れている事及び重金属の溶出量が規定値以下であるこ
とについてであるが、発明者達はこの及びに関して
は、硫酸等の酸及び水により塩化物及び溶出性重金属類
を出来る限り溶解させ、或いは酸との反応により水溶性
の極めて低い化合物に変化させる方法を選んだ。塩化物
については当初大量の水で洗えば十分に除去出来ると予
測したがCl量で0.4 %以下にはならず、これは塩素が水
溶性の高いNaCl、KCl 等の塩以外の化合物であると推断
された。これが難溶性の塩化物を何らかの薬品で分解さ
せる事に思い至ったきっかけである。図1は焼却灰を水
及び希硫酸で洗浄処理した場合の残留Cl量を表す。この
酸による処理は重金属類の溶出度低減化にも効果がある
事が実験分析を重ねていくにつれ明らかになった。ここ
で、重金属類の許容溶出量について触れておくと、次表
の通りである。
【0021】
【表6】
【0022】上記数値は平成7年春に於ける基準値であ
り、PBに関しては平成6年より非常に厳しい数値に改正
されている。発明者達の焼却灰の溶出低減化の目標は、
上記表6の最も厳しい土壌の汚染に係わる環境基準値以
下とした。最近、一般廃棄物の収集に於いて、住民の分
別協力が進み、Hg、Cd、Crの混入は極めて少なく焼却灰
のそれらの溶出量も十分に低い値となって来ている。問
題はPbである。このPb対策に発明者等は種々の実験研究
と分析を続けた。その結果、目標を達成出来る事が確認
出来た。鉛に関する実験結果を図2に示す。洗浄水量及
び酸量を出来るだけ少なくし、経済的に処理する為には
焼却灰を数時間薬液に浸しておかねばならないが、10時
間〜24時間浸しておけば厳しい基準値以下になる事が確
認された。最終製品の各重金属類の溶出試験結果を次の
表7に示す。
【0023】
【表7】
【0024】尚、酸の種類としては硫酸の他に塩酸も本
処理方法では使用可能であり、又、硫化水素ナトリウム
も少量で効果があり本処理方法に利用出来る。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明
する。図3は、本発明のストーカー式焼却炉から出た焼
却灰を処理する設備の一例を示す概略図である。粗大片
除去装置1は、焼却灰に含まれている大きな金属片、例
えばやかんや鍋、タイヤホイール、パール等の他に高温
により溶解しクリンカー状に凝固した金属塊等を除去す
るもので、以降の機器装置を保護するためのものであ
る。
【0026】粗大片除去装置1を通過した焼却灰は次に
焙焼装置2に入る。湿灰の場合、焼却灰は15〜30%の水
分が含まれており、焙焼装置2はこの焼却灰を乾燥する
他に次の目的がある。
【0027】未燃有機物を炭化させ、又、悪臭源物質
を分解させる。 後続の処理工程での分離効率を高める。 ダイオキシンを分解する。 〜の目的を達成する為には、焼却灰を 300〜500 ℃
まで熱し、焙焼しなければならないが、焼却灰は細かな
粒子を多く含んでおり、直接熱風に曝すと、吹き流され
てしまう。故に発明者達は、焼却灰を密閉したキルンの
中で間接的にキルンの外部より加熱する装置を考案し実
用化した。又、焙焼時間を加減出来るようにキルンを傾
斜させキルン内周に設けたフィンで焼却灰が持ち上げら
れると同時に前方に送り出せるようにし、キルンの回転
数の変化により焼却時間(滞留時間)を制御出来るよう
にした。焙焼装置の熱源はガス又は燃料油の燃焼による
が、燃焼量によりキルンの内部温度の加減が出来る。次
に焙焼装置を出た焼却灰は冷風により冷却された後、微
粒子除去装置3により微粉体を、鉄類分離機4により鉄
類を、更に非鉄金属分離機5により鉄以外の金属類を分
離除去する。微粒子除去装置3は風力により微粉体を吹
き去るようにした。鉄類分離機4は、コンベアベルトの
プーリーに仕込んだ回転磁力により、どのような鉄類も
磁力で吸着分離出来るようにした。又、非鉄金属分離機
は、非分離物を誘導電流により遊離させる原理を応用し
たものであるが、種々の形状を有する非鉄金属片を確実
に遊離させる為に、磁石の磁力の強化、回転数の増加、
ベルトコンベア・ベルト厚さ及び速度等に改造を加え、
分離効率を飛躍的に向上出来た。上記の如く微粒子、鉄
類、非鉄金属類が除去された焼却灰が再生砂の原料とな
るのであるが、粒子径が大きすぎるものやガラス及び陶
磁器の鋭利な破片が混じっていて取り扱いにくい。故
に、この原料をふるい11にかけ粗・細に分けた後、粗は
粉砕機12で細かくし、細かくなったものとふるい11から
出た細とを研磨機14にかけて粒子の稜角部を削り取って
粒状化した。粒状化された焼却灰はしかしまだ水溶性の
塩分や極めて少量ではあるが重金属類を含んでいる為、
一般資材としては使用出来ない。故に研磨機14で処理さ
れた焼却灰は薬液処理装置16で希硫酸等の酸性液によ
り、酸により溶解する重金属を充分に溶解・溶出させ、
或いは水溶性の極めて低い硫酸塩とする事により最終製
品の重金属溶出度を低減させた。その目標値は環境庁の
最も厳しい許容基準値以下とし、酸の種類とその濃度、
溶出時間の適応値を得た。薬液処理された焼却灰は、最
後は洗浄装置17に於いて中性の水で洗浄し、製品として
製品ホッパー18に貯蔵される。以上の処理設備による処
理の結果、焼却灰が一般の土木用資材として使用出来な
かった難点であるダイオキシンの含有量及び溶出性重金
属類の溶出度は表3及び表7に示した如く大巾に低減さ
せる事に成功したのである。最後に焙焼装置2及び薬液
処理装置16より排出される廃液についてであるが、この
廃液は、主に塩(NaCl、KCl 、CaCl2 等)が多く含まれ
ている他に溶出した重金属類も含まれている。この廃液
処理方法としては、固相体及び溶解している重金属類を
添加剤により反応させ沈澱させて除去し、残りの塩水を
放流するのが一般的であるが、発明者達は、この廃液全
量を濾過し、固相のみを除去した後、廃液全量を蒸発さ
せ塩類及び重金属化合物を粉体で回収する方法を採用し
た。即ち薬液処理装置16及び排ガス洗浄装置22から排出
された廃液は水処理装置19にて固液分離され、固相体は
ケーキ脱水装置19で脱水され、液相体は処理水蒸発装置
21で全量蒸発させた。この廃液全量の蒸発という方法に
より、従来溶解金属類の沈澱処理に使われていた高価な
添加剤が不要となり、又、廃液は全て蒸発されるから廃
液循環系統の煩わしい操作・維持がなくなった。以上が
本発明の主な機能と目的であるが、本発明により、焼却
灰から得られた製品の割合は次の通りである。 焼却灰 100 % 鉄類 約10% 非鉄金属類 約5〜10% 洗浄溶出及び燃焼未燃物 約10% 乾燥時及び粉砕時の不良微粒子 約10〜20% 再生砂 50〜60% 上記のうち鉄類、非鉄金属類及び再生砂は有用化され、
従って従来通り最終処分場で処分されるものは10〜20%
程度となり、最終処分場の大幅な延命化が計れるのであ
る。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、上記構成からなる本
発明のストーカー式廃棄物焼却炉からの焼却灰の再利用
化処理施設方法によれば、現在最終処分場に廃棄されて
いる焼却灰の中から、鉄類、非鉄金属類のリサイクルの
他に土木用再生砂として利用可能な非金属性物質を効率
的に回収することができ、その結果、最終処分場に搬送
される焼却灰廃棄量は従来の10〜20%まで減少でき、廃
棄物処理費の大幅な軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 焼却灰を水及び希硫酸で洗浄する場合の、洗
浄時間と残留塩分との関係を示すグラフである。
【図2】 水及び希硫酸で処理後の焼却灰の、振とう時
間と鉛溶出量の関係を示すグラフである。
【図3】 本発明に用いる焼却灰処理装置の一例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1…粗大片除去装置 2…焙焼装置 3…微粒子除去装置 4…鉄類分離機 5…非鉄金属分離機 6…原料ホッパー 7…粗大片ホッパー 8…微粒子ホッパー 9…鉄屑ホッパー 10…非鉄金属屑ホッパー 11…ふるい 12…粉砕機 13…ふるい 14…研磨機 15…ふるい 16…薬液処理装置 17…洗浄装置 18…製品ホッパー 19…水処理装置 20…ケーキ脱水装置 21…処理水蒸発装置 22…排ガス洗浄装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物用ストーカー式焼却炉の炉下から
    排出された焼却灰からの金属類のリサイクル及び非金属
    物質の再利用化処理方法であって、(1) 焼却灰からクリ
    ンカー状の熔塊等粗大片を除去後、(2) 該焼却灰を 300
    〜500 ℃にて焙焼する焙焼工程と、(3) 該焼却灰から微
    粉体、鉄類、非鉄金属類を除去する選別工程と、(4) 該
    残りである非金属物質を粒度別に二分し、粉砕・研磨
    し、粒子状に加工する粉砕・研磨工程と、(5) 該粒状化
    された残りを希硫酸等で化学処理後に水洗する薬液処理
    工程とを行うことを特徴とするストーカー式焼却炉の主
    灰の再利用化処理方法。
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