JPH08318140A - 酸性ガス分離膜の分離活性層のためのポリマーの選択方法及びそのようなポリマーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜 - Google Patents

酸性ガス分離膜の分離活性層のためのポリマーの選択方法及びそのようなポリマーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜

Info

Publication number
JPH08318140A
JPH08318140A JP12799595A JP12799595A JPH08318140A JP H08318140 A JPH08318140 A JP H08318140A JP 12799595 A JP12799595 A JP 12799595A JP 12799595 A JP12799595 A JP 12799595A JP H08318140 A JPH08318140 A JP H08318140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
acidic gas
active layer
separation
model system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12799595A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Shimazu
彰 島津
Kenichi Ikeda
健一 池田
Hisao Hachisuga
久雄 蜂須賀
Yoshihiro Nanzaki
喜博 南崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP12799595A priority Critical patent/JPH08318140A/ja
Publication of JPH08318140A publication Critical patent/JPH08318140A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 炭酸ガスのような酸性ガスに対して、高い分離能と高い
透過性を有する分離活性層のためのポリマーを選択する
方法と、更に、そのような方法によって選択されたポリ
マーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜を提供
することにある。 【構成】本発明による酸性ガス分離膜の分離活性層のた
めのポリマーの選択方法は、上記分離活性層が、分子力
学法を用いて、ポリマーと酸性ガスとが共存する分子モ
デル系の安定状態及びポリマーと非酸性ガスとが共存す
る分子モデル系の安定状態をそれぞれ求めたときに、ポ
リマーの慣性半径が10〜200Åの範囲にあり、且
つ、ポリマーと酸性ガスとの相互作用により安定するエ
ネルギーの絶対値が、ポリマーと非酸性ガスとの相互作
用により安定するエネルギーの絶対値の4〜80倍とな
るような分子構造からなるポリマーを選択することを特
徴とする。本発明による酸性ガス分離膜は、そのように
して選択された分子構造を有するポリマーからなる分離
活性層を備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体混合物から酸性ガ
スを分離するための酸性ガス分離膜における分離活性層
のためのポリマーの選択方法と、そのような方法によっ
て選択されたポリマーからなる分離活性層を備えた酸性
ガス分離膜とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、混合ガスから特定のガスを分離、
回収する技術として、選択透過機能を有するガス分離膜
を用いることが、省エネルギー、低環境負荷等の観点か
ら注目されている。このようなガス分離膜に用いられる
高分子材料として、従来、酢酸セルロース、エチルセル
ロース、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホ
ン、ポリアミド等、種々の材料が知られており、具体的
には、例えば、特願昭61−101210号、特願昭6
1−4507号等に記載されているようなガス分離幕が
提案されている。しかしながら、従来、提案されている
ガス分離膜の多くは、分離活性層が酸性ガスに対して十
分な分離能を未だもたず、更に、ガス透過性も十分でな
い問題がある。このような状況にあるので、従来、酸性
ガスの分離は、工業的な規模では、殆ど実用化されてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の酸性
ガス分離における上述した問題を解決するためになされ
たものであって、酸性ガスに対して、高い分離能と高い
透過性を有する分離活性層のためのポリマーを選択する
方法と、更に、そのような方法によって選択されたポリ
マーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜とその
製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による酸性ガス分
離膜の分離活性層のためのポリマーの選択方法は、上記
分離活性層が、分子力学法を用いて、ポリマーと酸性ガ
スとが共存する分子モデル系の安定状態及びポリマーと
非酸性ガスとが共存する分子モデル系の安定状態をそれ
ぞれ求めたときに、ポリマーの慣性半径が10〜200
オングストロームの範囲にあり、且つ、ポリマーと酸性
ガスとの相互作用により安定するエネルギーの絶対値
が、ポリマーと非酸性ガスとの相互作用により安定する
エネルギーの絶対値の4〜80倍となるような分子構造
からなるポリマーを選択することを特徴とする。
【0005】また、本発明による酸性ガス分離膜は、酸
性ガスを選択的に透過する分離活性層を備えた酸性ガス
分離膜において、上記分離活性層が、分子力学法を用い
て、ポリマーと酸性ガスとが共存する分子モデル系の安
定状態及びポリマーと非酸性ガスとが共存する分子モデ
ル系の安定状態をそれぞれ求めたときに、ポリマーの慣
性半径が10〜200オングストロームの範囲にあり、
且つ、ポリマーと酸性ガスとの相互作用により安定する
エネルギーの絶対値が、ポリマーと非酸性ガスとの相互
作用により安定するエネルギーの絶対値の4〜80倍と
なるような分子構造を有するポリマーからなることを特
徴とする。
【0006】本発明において、ポリマーの慣性半径と
は、ポリマーを重心を中心とした回転半径を表わす。ポ
リマーの慣性半径テンソル(S)と重心は、下式から求
められる。
【0007】
【数1】
【0008】ここに、γ0(X0,Y0,Z0)はポリ
マーの重心、γ(Xi,Yi,Zi)は原子の位置であ
る。また、重心は、重量平均の位置として、下式で表わ
される。
【0009】
【数2】
【0010】本発明において、エネルギーの絶対値と
は、分子力学法により求めた分子モデル系の立体エネル
ギーの絶対値を意味する。
【0011】更に、本発明において、酸性ガスは、特に
限定されるものではないが、例えば、二酸化炭素、硫化
水素、二酸化窒素、二酸化硫黄等を挙げることができ
る。非酸性ガスも、特に限定されるものではないが、例
えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、酸素、窒素
等を挙げることができる。
【0012】本発明において、分子力学法を用いて、分
離活性層を構成するためのポリマーと酸性ガス又は非酸
性ガスとが共存する分子モデル系の安定状態を求める際
に用いる分子力場は、分子モデル系の安定状態を求める
ことのできるものであれば、特に限定されない。従っ
て、例えば、既によく知られているように、ドライディ
ングII(DREIDING II)、アンバー(AMBER)、MM2、M
M3等を用いることができる。
【0013】本発明において、これらを用いて、上記分
子モデル系の安定状態を求める方法は、分子モデル系の
立体エネルギーが最小値となる構造を求めることができ
る方法であれば、特に限定されない。例えば、分離活性
層を構成するポリマーの最小繰り返し単位の状態にて、
エネルギーが最小値をとるような安定状態を見出した
後、その構造を繋げていって、ポリマーの状態にしてか
ら、即ち、ポリマー構造を構成してから、再度、そのポ
リマー構造のエネルギーが最小値をとるような安定状態
を計算にて求め、次いで、このように安定とされたポリ
マー構造の周りに酸性ガス又は非酸性ガス分子を複数
個、通常、100〜1000分子程度を発生させ、その
系全体のエネルギーが最小値をとるような安定状態を計
算にて求めるのである。
【0014】このように構成された分子モデル系は、そ
れに含まれるポリマーの慣性半径が大きく、且つ、分子
モデル系の総原子数が多いほど、ポリマーと酸性ガス又
は非酸性ガスとの相互作用により安定するエネルギーの
絶対値を知るうえでは好ましいが、しかしながら、余り
に多いときは、計算に長時間を要するので、効率的でな
い。
【0015】そこで、本発明においては、分子力学法に
て分子モデル系の安定状態を求めるに際して、ポリマー
の慣性半径は、10〜200オングストロームの範囲と
し、好ましくは、10〜100オングストロームの範囲
として、計算するのが現実的であり、また、分子モデル
系を構成する原子数は、200〜20000の範囲と
し、好ましくは、1000〜5000の範囲として、計
算するのが実用的である。
【0016】本発明によれば、酸性ガス分離膜の分離活
性層を構成するためのポリマー構造として、分子力学法
を用いて、分離活性層を構成するポリマーと酸性ガス又
は非酸性ガスとが共存する分子モデル系の安定状態を求
めたときに、ポリマーの慣性半径が10〜200オング
ストロームの範囲にあり、且つ、ポリマーと酸性ガスと
の相互作用により安定するエネルギーの絶対値が、ポリ
マーと非酸性ガスとの相互作用により安定するエネルギ
ーの絶対値の4〜80倍、好ましくは、5〜50倍とな
るようなポリマー構造が選択される。
【0017】上記エネルギーの絶対値が4倍よりも小さ
いときは、そのような構造のポリマーによって形成され
る分離活性層は、酸性ガスとの相互作用の強さと、非酸
性ガスとの相互作用の強さが近似するために、分離能が
低い。しかし、80倍よりも大きくなると、ポリマーと
酸性ガスとの相互作用が極めて大きくなり、ポリマーの
耐性面で問題が生じるおそれがある。
【0018】このように、本発明によれば、分子力学法
を用いて、上記分子モデル系の安定状態を求めたとき
に、上述した慣性半径及びエネルギーの絶対値に関する
条件を満たす構造を有するポリマーを分離活性層の素材
として選択し、そのようなポリマーを用いて、好ましく
は、それ自体、既によく知られている相転換法によって
非対称膜又は異方性膜を調製するか、又は適宜の多孔性
支持体上に適宜の方法によって、上記ポリマーからなる
分離活性層を形成させることによって、目的とする分離
能と透過性のすぐれた酸性ガス分離膜を得ることができ
る。
【0019】本発明においては、そのようなポリマーを
構成するためのモノマー及びポリマーの構造は、特に限
定されるものではないが、例えば、単量体として、芳香
族ジカルボン酸又はその誘導体と芳香族ジアミンとを挙
げることができ、ポリマーとして、これらのモノマーよ
り得られる芳香族ポリイミドを好ましい例として挙げる
ことができる。
【0020】本発明による酸性ガス分離膜の製造におい
て、上記の方法のうち、適宜の多孔性支持体上に適宜の
方法によって、上記ポリマーからなる分離活性層を形成
させる方法による場合、多孔性支持体は、上記分離活性
層を支持し得るものであれば、特に限定されないが、通
常、限界濾過膜が好ましく用いられる。従って、多孔性
支持体の素材としては、例えばポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフッ化ビ
ニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酢酸
セルロース、又はセラミック等を挙げることができる
が、特に汎用性や化学的耐性にすぐれる点から、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド等が好まし
く用いられる。このような多孔性支持体は、織布や不織
布等による裏打ちによって、補強されていてもよい。
【0021】かかる多孔性支持体上に、上述したよう
に、本発明に従って、選択されたポリマーからなる分離
活性層を形成する方法は、特に、限定されないが、例え
ば、ポリマー溶液を多孔性支持体上に塗布した後、その
溶媒を揮散させて、上記ポリマーからなる分離活性層を
形成させる方法、多孔性支持体上に界面重合にて上記ポ
リマーの分離活性層を形成させる方法、水面上にポリマ
ー溶液を展開させて、そのポリマー被膜を載置させる水
面展開法等を挙げることができる。このようにして形成
した分離活性層の厚みは、通常、0.05〜3μm、好ま
しくは、0.1〜1μmの範囲にある。
【0022】また、本発明におけるガス分離膜の分離活
性層は、表面を保護するために、表面にポリジメチルシ
ロキサン、天然ゴム等のポリマーからなる薄膜を形成さ
せ、被覆しててもよい。このようにして得られる本発明
による酸性ガス分離膜の分離活性層は、高い分離能と高
い透過性能を有しており、例えば、天然ガスや産業排ガ
スの脱炭酸ガス等に好適に用いることができる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明に従って、分子力
学法を用いて分離活性層を構成するポリマーと酸性ガス
又は非酸性ガスとが共存する分子モデル系の安定状態を
求めたときに、ポリマーの慣性半径とエネルギーの絶対
値に関する前記所定の条件を満たすポリマー構造を構成
するように単量体を選択し、そのような単量体からなる
ポリマーからなる分離活性層を有する分離膜を調製する
ことによって、高性能の酸性ガス分離膜を得ることがで
きる。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0025】実施例1 モレキュラー・シミュレイションズ(Molecular Simula
tions )社製計算ソフトである「ポリグラフ」(Polygr
af)を用い、分離活性層を構成するポリマーの安定状態
を分子力学計算にて求めた。分子力場は、DREIDING II
を用いた。分離活性層を構成するポリマーのためのモノ
マーとしては、5,5'−2,2'−トリフルオロ−1−(トリ
フルオロメチル)エチリデン−ビス−1,3−イソベンゾ
フランジオン(以後、6FDAという。)と2,2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以
後、BAAFという。)を用いた。また、酸性ガス分子
としては炭酸ガスを、非酸性ガス分子としてはメタンを
用いた。
【0026】先ず最初に、6FDAとBAAFからなる
オリゴマー構造の最安定化を行なった。その方法として
は、6FDAとBAAFとの縮合反応により合成される
下式
【0027】
【化1】
【0028】で表わされるポリイミドの繰り返し単位と
なる分子構造を形成し、分子力学法にて最適化した後、
電荷平衡(Charge Equilibration)法にて各原子に電荷
を割り振った。この後、再度、分子力学法にて最適化を
行ない、電荷平衡法にて各原子に電荷を再度、割り振っ
た。
【0029】このようにして、立体エネルギーに変化が
見られない状態まで、分子学力法と電荷の割り振りを繰
り返して行なうことによって、総エネルギーが最も低い
状態を求め、その構造をもとにして、総原子数が約30
0原子となるまで、その繰り返し単位を発生させた。そ
の構造に、再度、繰り返し単位構造の最適化と同様な方
法を適用して、最も立体エネルギーが低い状態の安定な
ポリマー構造を得た。
【0030】かかるポリマー構造を囲むようにして、炭
酸ガス分子を約400分子発生させ、ポリマーと炭酸ガ
スが共存する分子モデル系を作成した。このような分子
モデル系に、再度、繰り返し単位構造の最適化と同様の
方法を適用して、総エネルギーが最小値をとるような安
定状態を求めた。次に、炭酸ガス分子の代わりに、メタ
ン分子を用いて、上記と同様な方法で分子モデル系の安
定状態を求めた。
【0031】このように安定状態とされた分子モデル系
について、ポリマーの慣性半径を求めたところ、13〜
18オングストロームの範囲であり、また、ポリマーと
炭酸ガスとが相互作用により安定するエネルギーの絶対
値を、分子モデル系の総エネルギーからポリマー単独の
エネニギーと炭酸ガス単独のエネルギーをそれぞれ差し
引いた値の絶対値から求めたところ、862kcal/mol
であった。
【0032】一方、炭酸ガス分子の代わりにメタン分子
を用いた場合に、同様な方法により、ポリマーとメタン
との相互作用により安定するエネルギーの絶対値を求め
たところ、97kcal/mol であった。
【0033】従って、上記ポリマーと酸性ガスとの相互
作用により安定するエネルギーの絶対値は、ポリマーと
非酸性ガスとの相互作用により安定するエネルギーの絶
対値の8.5倍であった。そこで、かかるボリマーは、ポ
リマーの慣性半径とエネルギーの絶対値に関する本発明
による条件を満足しているため、炭酸ガス分離膜の分離
活性層のポリマー素材として用いることができる。
【0034】次に、実際に、上記構成単位からなる均質
膜を調製し、その膜性能を調べた。即ち、6FDA0.1
モルとBAAF0.1モルとをN−メチル−2−ピロリド
ン溶液中で4時間、反応させて、ポリアミック酸を溶液
として得た。次に、この溶液にピリジン0.3モルと無水
酢酸0.3モルとを加え、15時間、イミド化反応を行な
った。反応終了後、更に、溶液にN−メチル−2−ピロ
リドンを加えて、8重量%に希釈した後、過剰量の水中
に滴下して、ポリマーを沈殿させ、これを分離、精製し
て、前記式で表わされる繰返し単位を有するポリイミド
を得た。
【0035】このポリイミド18重量部をN−メチル−
2−ピロリドン92重量部に加え、100℃で6時間、
攪拌して溶解させた。得られた溶液を濾過し、静置し
て、十分に脱泡して、製膜溶液を調製した。この製膜溶
液をアプリケーターを用いてガラス板上に幅20cm、厚
さ200μmに流延塗布し、110℃で1時間加熱乾燥
させて、溶媒を除去した後、190℃で3時間加熱処理
して、均質膜を得た。
【0036】かくして得られた均質膜を用いて、温度2
5℃、圧力3kg/cm2 の条件下にガス透過性能を測定し
たところ、炭酸ガス透過係数PCO2 は、5.5 ×10-9cm
3 (STP)/cm2 ・秒・cmHgであり、メタン透過速度
PCH4 は、1.3 ×10-10cm3(STP)/cm2 ・秒・cm
Hgであり、従って、分離係数PCO2 /PCH4 は4
2であった。
【0037】比較例1 実施例1において、6FDAとBAAFとの縮合反応に
より得られたポリイミドに代えて、下式
【0038】
【化2】
【0039】で表わされる繰返し単位を有するポリスル
ホンを用いた以外は、実施例1と同様な方法を用いて、
分子力学計算を行なった。
【0040】その結果、ポリマーと炭酸ガスとが相互作
用により安定するエネルギーの絶対値は381kcal/mo
l であり、ポリマーとメタンとが相互作用により安定す
るエネルギーの絶対値は120kcal/mol であった。従
って、ポリマーと酸性ガスとの相互作用により安定する
エネルギーの絶対値は、ポリマーと非酸性ガスとの相互
作用により安定するエネルギーの絶対値の3.2倍であ
り、本発明による条件を満足するものではなかった。
【0041】上記式で表わされる繰返し単位を有するポ
リスルホン18重量部をN−メチル−2−ピロリドン9
2重量部に加え、100℃で6時間、攪拌して溶解させ
た。得られた溶液を濾過し、静置して、十分に脱泡し
て、製膜溶液を調製した。この製膜溶液をアプリケータ
ーを用いてガラス板上に幅20cm、厚さ200μmに流
延塗布し、110℃で1時間加熱乾燥させて、溶媒を除
去した後、150℃で3時間加熱処理して、均質膜を得
た。
【0042】このポリスルホンからなる均質膜を用い
て、実施例1と同様にして、ガス透過性能を測定とこ
ろ、炭酸ガス透過係数PCO2 は、5.0×10-10 cm
3 (STP)/cm2 ・秒・cmHgであり、メタン透過係数
PCH4 は、2.4×10-11cm3(STP)/cm2 ・秒・cm
Hgであり、従って、分離係数PCO2 /PCH4 は21
であった。即ち、実施例1の膜と比べて、分離能、透過
性能ともに劣るものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南崎 喜博 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性ガス分離膜の分離活性層のためのポリ
    マーの選択方法において、上記分離活性層が、分子力学
    法を用いて、ポリマーと酸性ガスとが共存する分子モデ
    ル系の安定状態及びポリマーと非酸性ガスとが共存する
    分子モデル系の安定状態をそれぞれ求めたときに、ポリ
    マーの慣性半径が10〜200オングストロームの範囲
    にあり、且つ、ポリマーと酸性ガスとの相互作用により
    安定するエネルギーの絶対値が、ポリマーと非酸性ガス
    との相互作用により安定するエネルギーの絶対値の4〜
    80倍となるような分子構造からなるポリマーを選択す
    ることを特徴とする酸性ガス分離膜の分離活性層のため
    のポリマーの選択方法。
  2. 【請求項2】ポリマーと酸性ガスとが共存する分子モデ
    ル系及びポリマーと非酸性ガスとが共存する分子モデル
    系のそれぞれ安定状態を求めるに際して、それぞれの分
    子モデル系の総原子数を200〜20000の範囲とす
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】酸性ガスを選択的に透過する分離活性層を
    備えたガス分離膜において、上記分離活性層が、分子力
    学法を用いて、ポリマーと酸性ガスとが共存する分子モ
    デル系の安定状態及びポリマーと非酸性ガスとが共存す
    る分子モデル系の安定状態をそれぞれ求めたときに、ポ
    リマーの慣性半径が10〜200オングストロームの範
    囲にあり、且つ、ポリマーと酸性ガスとの相互作用によ
    り安定するエネルギーの絶対値が、ポリマーと非酸性ガ
    スとの相互作用により安定するエネルギーの絶対値の4
    〜80倍となるような分子構造からなるポリマーである
    ことを特徴とする酸性ガス分離膜。
  4. 【請求項4】ポリマーと酸性ガスとが共存する分子モデ
    ル系及びポリマーと非酸性ガスとが共存する分子モデル
    系のそれぞれ安定状態を求めるに際して、それぞれの分
    子モデル系の総原子数を200〜20000の範囲とす
    る請求項3記載の酸性ガス分離膜。
  5. 【請求項5】非対称構造を有する請求項3又は4記載の
    酸性ガス分離膜。
  6. 【請求項6】分離活性膜が多孔性支持体上に形成されて
    なる請求項3又は4記載の酸性ガス分離膜。
  7. 【請求項7】請求項1に従って選択されたポリマーから
    なる分離活性層を有する非対称膜を相転換法によって製
    造する酸性ガス分離膜の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1に従って選択されたポリマーから
    なる分離活性層を多孔性支持体上に形成させる酸性ガス
    分離膜の製造方法。
JP12799595A 1995-05-26 1995-05-26 酸性ガス分離膜の分離活性層のためのポリマーの選択方法及びそのようなポリマーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜 Pending JPH08318140A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12799595A JPH08318140A (ja) 1995-05-26 1995-05-26 酸性ガス分離膜の分離活性層のためのポリマーの選択方法及びそのようなポリマーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12799595A JPH08318140A (ja) 1995-05-26 1995-05-26 酸性ガス分離膜の分離活性層のためのポリマーの選択方法及びそのようなポリマーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08318140A true JPH08318140A (ja) 1996-12-03

Family

ID=14973854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12799595A Pending JPH08318140A (ja) 1995-05-26 1995-05-26 酸性ガス分離膜の分離活性層のためのポリマーの選択方法及びそのようなポリマーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08318140A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015053102A1 (ja) * 2013-10-11 2015-04-16 富士フイルム株式会社 ガス分離膜およびガス分離膜モジュール

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015053102A1 (ja) * 2013-10-11 2015-04-16 富士フイルム株式会社 ガス分離膜およびガス分離膜モジュール
JP2015073980A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 富士フイルム株式会社 ガス分離膜およびガス分離膜モジュール
US9975092B2 (en) 2013-10-11 2018-05-22 Fujifilm Corporation Gas separation membrane and gas separation membrane module

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU611474B2 (en) Polyamide reverse osmosis membranes
Soroko et al. The effect of membrane formation parameters on performance of polyimide membranes for organic solvent nanofiltration (OSN). Part C. Effect of polyimide characteristics
US20090173694A1 (en) Isoporous membrane and method of production thereof
Islam et al. Preparation and gas separation performance of flexible pyrolytic membranes by low-temperature pyrolysis of sulfonated polyimides
KR20030032652A (ko) 실리콘이 함유된 내유기용매성 폴리아미드 나노복합막과이의 제조방법
JPH0551331B2 (ja)
JPH06269650A (ja) 複合ガス分離膜とその製造法
JPH03193126A (ja) スルホン化ヘキサフルオロビス―aポリスルホン膜と流体分離方法
Okamoto et al. Pervaporation of aromatic/non-aromatic hydrocarbon mixtures through crosslinked membranes of polyimide with pendant phosphonate ester groups
JPH09103663A (ja) ポリエーテルイミド膜
JPH0768143A (ja) 新規なポリイミドおよびそれから製造した気体分離膜
JPH08318140A (ja) 酸性ガス分離膜の分離活性層のためのポリマーの選択方法及びそのようなポリマーからなる分離活性層を備えた酸性ガス分離膜
CN116672886A (zh) 一种耐酸纳滤膜片及其制造方法
JPH0112530B2 (ja)
Mohammadi et al. Gas separation by silicone-coated dry asymmetric aromatic polyamide membranes
Fritzsche et al. The separation of gases by membranes
KR100817450B1 (ko) 순수광학이성질체 제조용 분자각인 고분자 분리막 및 이의제조방법
Rao et al. Gas separation properties of siloxane/polydimethylsiloxane hybrid membrane containing fluorine
KR101441344B1 (ko) 고투과 고선택성 공중합체 폴리이미드 소재 및 그의 합성 방법
JP3238873B2 (ja) 二酸化炭素の選択的分離膜および選択的分離方法
JPH04317731A (ja) 半透過性合成膜およびその製造方法および当該膜を用いた有機液相または蒸気相での成分の分離方法
JP2827212B2 (ja) ポリアミドイミド分離膜
RU2623776C1 (ru) Гибридная полимерная мембрана для разделения смеси метанола и гексана
JPS59112803A (ja) 選択性気体透過膜
JPS6125605A (ja) 選択性透過膜