JPH083174A - ポリシロキサンオリゴマーおよびその製造法 - Google Patents

ポリシロキサンオリゴマーおよびその製造法

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JPH083174A
JPH083174A JP9529295A JP9529295A JPH083174A JP H083174 A JPH083174 A JP H083174A JP 9529295 A JP9529295 A JP 9529295A JP 9529295 A JP9529295 A JP 9529295A JP H083174 A JPH083174 A JP H083174A
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polysiloxane oligomer
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tetraalkoxysilane
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alcohol
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JP9529295A
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Hanako Katou
波奈子 加藤
Hozumi Endo
穂積 遠藤
Akihide Imazato
彰秀 今里
Nobuyuki Matsuzoe
信行 松添
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不純物が少なくポットライフの長い皮膜用組
成物に用いることのできるポリシロキサンオリゴマーを
得る。 【構成】 テトラアルコキシシランモノマーの含有量が
1重量%、塩素量が10ppm以下で、且つトリウム及
びウランの量が0.1ppm以下であるポリシロキサン
オリゴマー並びにテトラアルコキシシランモノマーを金
属珪素とアルコールを反応させて得られたテトラアルコ
キシシランを加水分解脱水重縮合して塩素量が10pp
m以下、トリウム、ウランが0.1ppm以下であるポ
リシロキサンオリゴマーを得ることを特徴とするポリシ
ロキサンオリゴマーの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリシロキサンオリゴ
マー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来テトラアルコキシシランを加水分解
脱水重縮合してポリシロキサンオリゴマーを得る際、ま
ずフェロシリコン、ケイ砂等と塩素ガスを反応させ塩化
珪素を得、引き続きアルコールと反応させて得られたテ
トラアルコキシシランモノマーを加水分解脱水縮合する
ことにより得ていた。こうして得られるポリシロキサン
オリゴマー(式1)は、水と反応させると
【0003】
【化1】
【0004】シリカ(SiO2 )を生じるため、プラス
チック材料、セラミック材料などのハードコート剤、半
導体の電気絶縁皮膜材として利用されている。これらハ
ードコート剤等は、ポリシロキサンオリゴマーをアルコ
ールの様な水溶性の有機溶剤で希釈し、必要量の水およ
び硬化剤(主として、鉱酸、有機酸等の酸類)を加えて
調合されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ハードコート剤はポットライフが短いという難点を有
し、通常数時間、長くても1日間程度でゲル化(固型
化)するという問題があった。このため、ポリシロキサ
ンオリゴマーと水を、使用の都度混合調製するハードコ
ート剤の2液化や、調合液を冷却してポットライフを延
ばすなどの方法が採られているが、いずれも使用上極め
て不便であった。また不純物として塩素、トリウム、ウ
ラン等が半導体の電気絶縁皮膜に残存すると誤操作の原
因となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これら問
題点に鑑み、ハードコート剤、電気絶縁皮膜剤のポット
ライフ、及び塩素、トリウム(Th)、ウラン(U)の
不純物の低減について検討した結果、金属珪素とアルコ
ールの直接反応により得られたテトラアルコキシシラン
を用いることにより、塩素、トリウム、及びウラン量を
著しく低減でき、またポリシロキサンオリゴマー中に残
存するモノマー即ちテトラアルコキシシランの含有量を
減らすことで該ポットライフが著しく伸びる事を見出し
本発明に達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、テトラアルコ
キシシランモノマーの含有量が1重量%以下、塩素量が
10ppm以下で、且つトリウム及びウランの量が各々
0.1ppm以下であるポリシロキサンオリゴマー、及
びテトラアルコキシランモノマーを金属珪素とアルコー
ルを反応させて得られたテトラアルコキシシランを加水
分解脱水重縮合して、塩素量が10ppm以下、トリウ
ム及びウランの量が各々0.1ppm以下であるポリシ
ロキサンオリゴマーを得ることを特徴とするポリシロキ
サンオリゴマーの製造法に存する。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明で用
いるテトラアルコキシシランは、下式(II)で表される
化合物であり、本発明においては金属珪素とアルコール
とを反応させることにより得られる。反応は、通常塩化
銅等の触媒下で200℃以上、2時間以上直接反応さ
せ、引き続きアルコールを更に添加し、40℃以上、1
時間以上反応させる。ついで蒸留でアルコールを分離
し、塩素、トリウム、ウラン等の不純物除去が行われ、
高純度のテトラアルコキシシランモノマーが得られる。
【0009】
【化2】
【0010】(ここで、Rはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等のC1〜6のアルキル基である) このようなテトラアルコキシシランモノマーの製造例と
して次のような方法があげられる。まず金属珪素を粉砕
し反応面積を増やす。粉砕された粒径は10〜300μ
mとするのが好ましい。ついで触媒として塩化物等を金
属珪素量に対し1〜10重量%、好ましくは3〜6重量
%添加する。触媒としては塩化銅が特に好ましい。次い
でドテシルベンゼン等の溶媒を添加する。添加量は、金
属珪素量に対し、100〜500重量部、好ましくは1
00〜300重量部添加し、通常100℃以上、好まし
くは150〜250℃とする。更に、アルコールを金属
珪素に対し、100〜500重量部、好ましくは200
〜300重量部添加し、1時間以上、好ましくは6時間
以上反応させる。
【0011】アルコールとしてはメタノール、エタノー
ル、ブタノール、イソプロパノール等或いはこれらの混
合物等を用いることができる。このようにして得られた
トリアルコキシシランを含む反応混合物にアルカリ土類
金属酸化物、例えば酸化カルシウム等を金属珪素に対
し、0.1〜5%添加、好ましくは1〜2%添加すると
反応の進行に望ましい。この反応混合物にアルコールを
更に添加することができる。添加量は反応混合物に対し
50〜500重量部、好ましくは50〜100重量部で
ある。再び1時間以上、好ましくは3時間以上反応させ
ることが好ましい。次いで蒸留を行い、脱アルコール、
不純物除去を行う。このように原料として金属珪素及び
アルコールを用いれば容易に純度が99%以上のテトラ
アルコキシシランモノマーを得ることができる。
【0012】また、テトラアルコキシシランの加水分解
脱水重縮合により得られるポリシロキサンオリゴマー
は、式(I)で示される化合物である。
【0013】
【化3】
【0014】(ここでR1 :C1〜6のアルキル基、
n:2〜10) ポリシロキサンオリゴマーは、重合度nの異なるオリゴ
マーの混合物である。本発明のポリシロキサンオリゴマ
ーは、該オリゴマー中に未反応のまま残存するテトラア
ルコキシシランを1重量%以下、塩素量は10ppm以
下、トリウム量及びウラン量は各々0.1ppm以下と
することが特徴である。また、これら塩素量、トリウム
量、ウラン量は金属珪素及びアルコールを原料として使
用することにより著しく抑えられるが、これらの原料と
して高純度のものを用いることにより更に抑えることが
できる。半導体絶縁材に使用する場合、塩素量は1pp
m以下、トリウム量、ウラン量は各々0.01ppm以
下とするのが望ましい。
【0015】ポリシロキサンオリゴマーの製造は、前記
のテトラアルコキシシランモノマー中に必要量の水と触
媒を加え、反応によって生じるアルコール(加えた水の
2倍モル生じる)を除去することによって行なわれる。
ここで必要な水の量は、希望する加水分解率から決定さ
れる。加水分解率とは(III),(IV)式に従って計算され
る値である。
【0016】
【化4】
【0017】即ち、テトラアルコキシシランの全てのア
ルコキシ基が分解したものは、加水分解率100%、2
つのアルコキシ基が分解したものは加水分解率50%と
して表す。加水分解は100%まで可能であるが、10
0%加水分解品は完全なSiO2 の固体であり、加水分
解率が70%をこえるものはゼラチン状のゲルもしくは
固体であり、また加水分解率が65〜70%までのもの
は粘度が高く、さらに空気中の僅かな水分と反応しゲル
化してしまい貯蔵安定性が悪く取扱いが非常に困難であ
る。したがって、加水分解率は0〜65%までが適当で
あり、好ましくは、10〜65%、さらに好ましくは3
0〜60%である。
【0018】テトラアルコキシシランと水を反応させる
際には溶媒を使用するとよい。溶媒としては、アルコー
ル、エーテル、ケトン等の水溶性の有機溶媒を用いる
が、加水分解により生じるアルコールと同じアルコール
を溶媒として用いるのが最も好ましい。溶媒の使用量と
しては、テトラアルコキシシランに対して0.1〜10
重量倍、好ましくは、0.1〜0.5重量倍である。加
水分解脱水重縮合には、反応を円滑に進めるために触媒
を用いることもできるが、これは必ずしも必須ではな
い。
【0019】触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸
等の無機酸、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸、また
アンモニア、苛性ソーダ、アミン等の塩基性物性などが
用いられるが反応終了後、蒸留操作によりポリシロキサ
ンオリゴマーから除去できるという利点から塩酸が好適
である。塩酸の使用量は、HClとして、テトラアルコ
キシシランの1×10-6〜1×10-1モル倍量、好まし
くは1×10-5〜1×10-2モル倍量である。テトラア
ルコキシシランとしてテトラメトキシシランを用いた場
合は、テトラメトキシシランの1×10-6〜1×10-2
モル倍量、好ましくは1×10-5〜1×10-3モル倍量
である。
【0020】次に、低モノマー含有率のポリシロキサン
オリゴマーの製造方法を説明する。撹拌機付の反応器に
テトラアルコキシシランモノマーと溶媒のアルコール
(モノマーのアルコキシと同じアルコール)を加え、十
分撹拌しながら、所定量の水と触媒の混合物を加える。
その後、その溶液を加熱して昇温し、還流状態で加水分
解脱水重縮合反応を進行させる。還流温度は溶媒の沸点
を近い温度となる。還流状態での反応時間は、触媒の種
類にもよるが通常0.5〜10時間、好ましくは、1〜
5時間である。
【0021】次に、この加水分解脱水重縮合時よりも高
温として、反応で生じたアルコールを反応器外へ留出さ
せる。この方法としては、各種の蒸留、蒸発操作が適用
できる。すなわち、常圧又は減圧下で溶媒と反応で生じ
たアルコールの沸点以上に溶液を加熱して留出させる方
法、又は沸点未満であっても窒素、炭酸ガス、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガスを導入して留出させる方法
などがある。工業的には、常圧で80〜200℃、好ま
しくは120〜180℃まで溶液で加熱、留去させる方
法が適している。テトラアルコキシシランとしてテトラ
メトキシシランを用い、ポリメトキシポリシロキサンと
する場合は、この際の温度は80〜130℃、好ましく
は100〜120℃である。また、この留去の時間は、
特に制限はないが通常1〜5時間である。工業的実施を
行う場合は、この範囲の温度まで昇温し、その後、その
ままの温度で0.5〜10時間、好ましくは、1〜5時
間保ち、反応を完結させることとすれば、反応系の温度
を均一にすることができ、生成物の組成を均一とするこ
とができ、好適である。この際、モノマーの残存量は加
水分解率10〜50%の時5〜10%濃度となる。
【0022】次に、このモノマーを留去する事により、
ポリシロキサンオリゴマー中のモノマー濃度を下げる。
方法としては、該反応溶液中でモノマーが最も低沸点物
であるため、溶媒留去と同じく、各種の蒸留、蒸発操作
が適用できる。すなわち、常圧又は減圧下でモノマー沸
点以上に溶液を加熱して留出させる方法、又は沸点未満
の加熱であっても窒素、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウム
等の不活性ガスを導入して留去させる方法などがある。
しかし、工業的にはモノマーを1重量%以下の濃度とす
るには、モノマー沸点以上の濃度でかつ不活性ガスをS
V1〜100(1/Hr)で吹き込む方法が最も適して
いる。この際の温度は200℃以上とすると、ポリシロ
キサンオリゴマーが解重合反応を起こし、モノマーが生
成するため、100〜250℃好ましくは、120〜2
00℃である。テトラアルコキシシランとしてテトラメ
トキシシランを用い、ポリシロキサンオリゴマーとして
ポリメトキシポリシロキサンオリゴマーとする場合は、
この際の温度は130〜200℃、好ましくは140〜
170℃である。
【0023】この様にしてテトラアルコキシシランの含
有量が1重量%以下のポリシロキサンオリゴマーを得
る。尚、前記製造方法はその代表的な手法を示したもの
であり、他の手法で低モノマーのポリシロキサンオリゴ
マーを得ても良い事は言うまでもない。又、本発明にお
けるポリシロキサンオリゴマーのテトラアルコキシシラ
ンのテトラアルコキシシラン含有量は、好ましくは0.
001〜0.2重量%以下である。上記値が0.2重量
%以下において、本発明の効果は以下実施例にも示した
ように良好であり、又、0.001以下にした場合は、
その効果の向上を見ないばかりか工業的には煩雑で不都
合が生じる。
【0024】以上の様な方法でモノマーを除去した後の
溶液は、塩素、トリウム、ウラン等の不純物が少なく、
そのままポリシロキサンオリゴマーとして、ハードコー
ト剤、半導体等の電気絶縁皮膜材等の原料に用いる事が
できる。
【0025】また、本発明のポリシロキサンオリゴマー
は、アルコールOH換算OH基の含有量が0.5重量%
以下、好ましくは0.1重量%以下、アルキル基の含有
量が0.01〜0.2重量%、好ましくは0.012〜
0.17重量%とするのが望ましい。ここで、アルコー
ルOH換算OH基における「アルコール」は、ポリシロ
キサンオリゴマーの有するアルコキシ基に対応するアル
コール、すなわち前記式(I)におけるRと同じRを有
するR−OHで表されるアルコールである。アルコール
OH換算OH基をこの範囲とすることにより、ポリシロ
キサンオリゴマーの貯蔵安定性が特に優れたものとな
る。また、アルキル基の含有量が0.2重量%を超える
と、ポリシロキサンオリゴマーをハードコートとした時
の基板との密着性、硬度、耐熱性等の特性に問題が生じ
ることがある。一方、アルキル基の含有量が0.01重
量%未満の場合、貯蔵安定性がやや劣る傾向にある。な
お、ケイ素とアルコールとの反応により得られるテトラ
アルコキシシランであってしかもアルキル基含有量が
0.1〜1重量%のテトラアルコキシシランを用いるこ
とにより、得られるポリシロキサン中のアルキル基の含
有量を上記の範囲とすることにより、特に貯蔵安定性向
上の効果に優れたものとすることができる。ここでアル
コールOH換算OH基の含有量は、以下のようにして測
定することができる。OH基の含有量の測定に際して
は、正確を期すためには感度の高いフーリエ変換型赤外
吸収スペクトル測定装置(FT−IR)を使用して、ポ
リシロキサンオリゴマーの吸収スペクトルから含有アル
コールの吸収スペクトルを差し引く、差スペクトル法を
用いて、シラノール基の吸光係数としてアルコールの水
酸基の吸光係数を用いて計算することができる。また、
アルキル基の含有量は、NMR等公知の方法により測定
することもできるが、例えばテトラアルコキシシランを
加水分解脱水重縮合してポリシロキサンオリゴマーとす
る場合はテトラアルコキシシラン中のアルキル基含有量
を求め換算すれば、容易に求めることができる。
【0026】本発明のポリシロキサンオリゴマーはま
た、20℃での粘度が60cp(センチポイズ)以下、
好ましくは40cp以下とすることが望ましい。60c
pを超えるものは、増粘、ゲル化しやすい傾向にあるた
めである。このような本発明のポリシロキサンオリゴマ
ーは、非常に貯蔵安定性に優れ、−5℃〜60℃、乾燥
窒素ガス等の不活性ガスで容器内の気体を置換し密閉下
で6カ月保持した場合、粘度の増加は100cp以下、
更には50cp以下とすることもできる。また室温密閉
下で1年以上も実質的に粘度変化のないものとすること
もできる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例によってその範囲を制約されるものではない。 〔実施例1〕「テトラアルコキシシランの製造」 金属製(JIS SUS304)の冷却器を有する抽出
管、アルコール導入管、金属製(JIS SUS30
4)の撹拌機及び温度計を有する1リットル金属製(J
IS SUS304)反応器に金属珪素粉末(粒径20
〜100μm、純度99%)210g、触媒として塩化
第一銅3.7gおよびドテシルベンゼン410mlを仕
込んだ。次いで反応器を加熱して内液温が220℃に達
した時に300ml/時間の速度でメチルアルコールを
導入し、反応温度220℃で6時間反応させ、抽出液を
ガラス容器に集合したところ、総量1720gの抽出物
(反応混合物)が得られた。
【0028】このようにして得られた反応混合物172
0gを、ジムロートコンデンサー及び撹拌機をそなえた
3リットルガラスコルベンに仕込み、酸化カルシウム2
gを添加した。ついでメチルアルコールを1000ml
添加し、反応混合物と反応させた。反応時間は3時間、
還流状態(60℃)で行った。次いで内径3cmの10
段オルダショウ型蒸留塔を上記コルベンに付け、常圧
化、還流比2の条件で蒸留を行い、沸点120〜121
℃の成分1008gを得た。
【0029】これをガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、純度99%のテトラメトキシシランモノマーで
あり、メチルトリメトキシシランが0.5%含有されて
いた。これはメチル基に換算すると0.055重量%に
相当する。ガスクロマトグラフィーの分析条件は以下の
通りである。
【0030】装置:島津製作所 GC−7A カラム:J&W社製 ヒューズドシリカメガポアカラム
DB−5(内径0.53mm×長さ30mm) キャリヤーガス:ヘリウム 8ml/min(マスフロ
ーコントロール) 温度:カラム槽 50℃から250℃まで8℃/min
で昇温 注入口 250℃ 検出器 270℃ 検出器:FID検出器 ピークの拡がりを抑えるためカラム出口にヘリウムガス
を60ml/minでメークアップガスとして導入し
た。 内標:m−キシレン(サンプル/内標=10/1重量
比) 注入量:0.5μl(ダイレクト注入法)
【0031】「ポリシロキサンオリゴマーの製造」撹拌
器、ジムロートコンデンサー、温度計および窒素吹き込
み管を備えた3リットル5ツ口コルベンにテトラメトキ
シシラン1520g、メタノール480gを仕込み5分
間撹拌した後、水144g(加水分解率40%)、20
%塩酸0.36gを加えた。その後、還流状態(65
℃)となるまで加熱し、65℃で4時間反応させた。次
に、ジムロートコンデンサーをリ−ビッヒコンデンサー
と受器を付けたト字管に取り換え、内温度が130℃に
なるまで加熱しながらメタノールを留去させ、ポリメト
キシポリシロキサンを得た。2時間かけてメタノールを
留去させた。この段階で、内容液を一部サンプリングし
て、ガスクロマトグラフィーでモノマー濃度を分析した
ところ5.7%であった。その後、この内容液を130
℃に加熱したフラスコに入れ、150℃まで昇温し、内
温を150℃に保ちながら、吹き込み管より、窒素ガス
をSV50の条件で導入し、モノマーの留去を行なっ
た。
【0032】3時間窒素ガスを吹き込んだ後、内容液を
一部サンプリングし、モノマー濃度を分析したところ
0.1%以下であった。この様にして得られたポリメト
キシポリシロキサンは、密度1.2g/cm3 、粘度5
cp、SiO2 含有量52.0%であった。ガスクロマ
トグラフィーで、重合度2〜8のオリゴマーが確認さ
れ、標準ポリスチレン換算GPCによる重量平均分子量
は550であった。
【0033】また塩素量は1ppmの検出限界以下、ト
リウム量、ウラン量は共に0.001ppmであった。
更に、このポリメトキシポリシロキサンのメタノールO
H換算OH基含有量を、フーリエ変換型赤外吸収スペク
トル測定装置(FT−IR)を用い、以下の測定条件に
より測定した。
【0034】 FT−IR装置:Analect AQS−20M 測定条件:サンプル走査回数 64 ブランク走査回数 64 検出器 TGS(triglycerine sulf
ate) サンプル調製法:サンプルを四塩化炭素で10倍希釈
(重量/容量)する。 計算式:メタノールOH換算OH基含有量(重量%)=
(吸光度×希釈率(ml/g))/(セル長(cm)×
2.8(L/g・cm)×10)
【0035】この結果、ポリメトキシポリシロキサン中
のメタノールOH換算OH基含有量は、0.02重量%
であった。同様の方法によりポリメトキシポリシロキサ
ンを15kg製造した。これをポリエチレン内袋の18
リットル石油缶に入れ、内部の空気を乾燥窒素ガスで置
換してから封印した。これを1年間倉庫内で保管した。
倉庫内の温度は1年間で−5〜35℃にわたり変化した
が、1年後取り出したポリメトキシポリシロキサンに
は、粘度変化は見られず5cpであった。
【0036】〔実施例2〕水の量を151g(加水分解
率50%)とした以外は、〔実施例1〕「ポリシロキサ
ンオリゴマーの製造」と同様の方法により、ポリメトキ
シポリシロキサンを得た。得られたポリメトキシポリシ
ロキサンは、密度1.3g/cm3 、粘度36cp、S
iO2 含有量57.1%であった。ガスクロマトグラフ
ィーで、重合度2〜8のオリゴマーが確認され、標準ポ
リスチレン換算GPCによる重量平均分子量は1060
であった。また塩素量は2ppm、トリウム量、ウラン
量は共に0.001ppmであった。メタノールOH換
算OH基含有量は、0.09重量%であった。
【0037】
【発明の効果】本発明により、不純物が少なく、保存安
定性に優れ、半導体の電気絶縁皮膜等の用途に適したポ
リシロキサンオリゴマーを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松添 信行 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 三 菱化学株式会社新規事業開発室内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラアルコキシシランモノマーの含有
    量が1重量%以下、塩素量が10ppm以下で、且つト
    リウム及びウランの量が各々0.1ppm以下であるポ
    リシロキサンオリゴマー。
  2. 【請求項2】 テトラアルコキシシランがテトラメトキ
    シシランであることを特徴とする請求項1記載のポリシ
    ロキサンオリゴマー。
  3. 【請求項3】 アルコールOH換算OH基含有量が0.
    5重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記
    載のポリシロキサンオリゴマー。
  4. 【請求項4】 アルキル基の含有量が0.01〜0.2
    重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のポリシロキサンオリゴマー。
  5. 【請求項5】 20℃での粘度が60cp以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリシ
    ロキサンオリゴマー。
  6. 【請求項6】 −5〜60℃、密閉下で6カ月保持した
    時の粘度の増加が100cp以下であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載のポリシロキサンオリ
    ゴマー。
  7. 【請求項7】 金属珪素とアルコールを反応させて得ら
    れたテトラアルコキシシランを加水分解脱水重縮合し
    て、塩素量が10ppm以下、トリウム及びウランの量
    が各々0.1ppm以下であるポリシロキサンオリゴマ
    ーを得ることを特徴とするポリシロキサンオリゴマーの
    製造法。
  8. 【請求項8】 テトラアルコキシシランの加水分解脱水
    重縮合後、加水分解脱水重縮合時より高温に加熱してテ
    トラアルコキシシランモノマーを除去することを特徴と
    する請求項7記載のポリシロキサンオリゴマーの製造
    法。
  9. 【請求項9】 加熱がテトラアルコキシシランの沸点以
    上の温度で行なわれることを特徴とする請求項7又は8
    記載のポリシロキサンオリゴマーの製造法。
  10. 【請求項10】 加水分解脱水縮合時より高温に加熱す
    る際の加熱温度が140〜170℃であることを特徴と
    する請求項7〜9のいずれかに記載のポリシロキサンオ
    リゴマーの製造法。
  11. 【請求項11】 加熱が減圧下で行なわれることを特徴
    とする請求項7〜10のいずれかに記載のポリシロキサ
    ンオリゴマーの製造法。
  12. 【請求項12】 加熱が溶液に不活性ガスを吹き込みな
    がら行なわれることを特徴とする請求項7〜11のいず
    れかに記載のポリシロキサンオリゴマーの製造法。
  13. 【請求項13】 金属珪素とアルコールを反応させて得
    られたテトラアルコキシシランが、アルキル基の含有量
    が0.1〜1重量%のものであることを特徴とする請求
    項7〜14のいずれかに記載のポリシロキサンオリゴマ
    ーの製造法。
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