JPH08316033A - 磁性積層体 - Google Patents

磁性積層体

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JPH08316033A
JPH08316033A JP7145533A JP14553395A JPH08316033A JP H08316033 A JPH08316033 A JP H08316033A JP 7145533 A JP7145533 A JP 7145533A JP 14553395 A JP14553395 A JP 14553395A JP H08316033 A JPH08316033 A JP H08316033A
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JP
Japan
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layer
magnetic
ferromagnetic
film
bulk
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Pending
Application number
JP7145533A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Matsui
正顯 松井
Masaaki Doi
正晶 土井
Yutaka Yoshida
吉田  裕
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
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Publication of JPH08316033A publication Critical patent/JPH08316033A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer

Abstract

(57)【要約】 【目的】 20%以上の高い値の磁気抵抗変化率を得ら
れるようにすることのできる磁性積層体を提供する。又
そのような高い値の磁気抵抗変化率をもった磁性積層体
を、コストの安い銅を用いて製造することを可能にでき
て、安価な提供ができるようにする。 【構成】 磁性積層体は、バルクでfcc構造をとる金属
で形成された非磁性導電体層を備え、その両面が、バル
クでbcc構造をとる金属で形成された強磁性体層によっ
て挟まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】磁気抵抗(MR)効果を利用した
磁気センサ(MRセンサ)や磁気ヘッド(MRヘッド)
は、磁界に対する感度が従来から広く用いられているコ
イルの誘導起電力を利用するインダクティブセンサやイ
ンダクティブヘッドに比べて大きく、高感度のセンサ、
あるいは高記録密度を実現する磁気ヘッドとして有望視
されている。本発明は上記の如きMR効果を利用した磁
気センサや磁気ヘッドに利用することの出来る磁性積層
体に関する。
【0002】
【従来の技術】上記の如き磁性積層体としては、磁性膜
Fe-Ni合金(パーマロイ)やNi-Co合金の異方性磁気抵抗
効果を用いた素子がある。これらのMR素子はすでに磁
気ヘッドとしての実用化が始まっているが、その磁気抵
抗変化率は室温で2〜5%と比較的小さい。
【0003】これに対し、分子線エピタキシー(MB
E)技術を利用した人工格子の研究は、自然界にない構
造を持った新しい物質を創製するための有効な手段とな
っており、これを用いて鉄FeとクロムCrを交互に積層し
た(本件明細書中においては、そのような積層を斜線/
を用いてFe/Crと表記する)人工格子は、室温で非常に
高い磁気抵抗変化率を示すことが見つかっている(例え
ば、Physical Review Letters Vol.61, 1988, P247
2)。Fe/Cr人工格子はCrをはさんだFe薄膜の磁気モーメ
ントが交換相互作用によって反平行(反強磁性的)に結
合しており、外部磁界によってこれが徐々に平行にそろ
っていくことによって電気抵抗が減少していくものであ
る。
【0004】又上記のような人工格子の磁性積層体の他
の例として、Co及びFeを含む磁性薄膜とAg薄膜とを積層
した磁性積層体が提案されている(例えば特開平5−2
75232号公報参照)。このものにあっても非常に高
い磁気抵抗変化率が示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記前者の磁性
積層体では磁気抵抗変化率は室温で16%程度で限界で
あり、又後者でも室温で20%程度で限界があるという
問題点があった。また後者にあっては銀を用いる関係
上、材料のコストが高く、提供価格が高価になるという
問題点もあった。
【0006】本願発明の磁性積層体は上記従来技術の問
題点(技術的課題)を解決する為に提供するものであ
る。第1の目的は、20%以上の高い値の磁気抵抗変化
率を得られるようにすることのできる構造の磁性積層体
を提供することである。第2の目的は、上記高い値の磁
気抵抗変化率をもった磁性積層体を、コストの安い銅を
用いて製造することを可能にできて、安価な提供ができ
るようにすることである。他の目的及び利点は図面及び
それに関連した以下の説明により容易に明らかになるで
あろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本願発明における磁性積層体は、非磁性導電体層と
それを両面側から挟む強磁性体層とから成り、上記非磁
性導電体層はバルクでfcc構造をとる銅又はその合金で
形成する一方、上記強磁性体層はバルクでbcc構造をと
る鉄コバルト、鉄ニッケル、又は鉄コバルトニッケル合
金で形成したものである。
【0008】
【作用】バルクでfcc構造をとる銅又は銅を主体とした
合金で形成された非磁性導電体層を、バルクでbcc構造
をとる平均磁気モーメントの大きい鉄コバルト、鉄ニッ
ケル、又は鉄コバルトニッケル合金で形成された強磁性
体層によって挟んだ構成は、磁気抵抗変化率を向上させ
る。
【0009】
【実施例】以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。磁気センサや磁気ヘッドに用いることの出来る磁気
抵抗効果素子の断面構造が模式的に示される図1におい
て、1は強磁性体層や非磁性導電体層の成膜のためのベ
ースとなる基板、2は磁性積層体を示し、多数の単位積
層体2a,2a,2a・・・を繰り返し積み重ねた構造となっ
ている。各単位積層体2aは非磁性導電体層3とそれを両
面側から挟む強磁性体層4とから構成されている。隣接
する単位積層体2a相互間においては強磁性体層4を共用
しており、磁性積層体2の全体としては非磁性導電体層
3と強磁性体層4とが交互に積層された構造となってい
る。尚基板1と接する強磁性体層4は、基板1と強磁性
体層4との間の格子定数の変化を緩やかにする為のバッ
ファー層5となっている。6は保護層である。上記各層
3〜6は何れも例えば薄膜形成技術によって形成され、
非磁性導電体層3は非磁性薄膜或いは単に非磁性膜とも
呼ばれ、強磁性体層4は強磁性薄膜或いは単に強磁性膜
とも呼ばれ、保護層6は保護膜とも呼ばれる。7,8は
該磁気抵抗効果素子に及ぼされる磁界の大きさに応じて
変化する信号即ち上記導電体層3の電気抵抗を取り出す
為の電極を示す。
【0010】次に上記各部材について更に説明する。上
記基板1としては強磁性薄膜4の磁化容易方向に対する
磁歪の符号と対応して強磁性薄膜の磁気モーメントが面
内に安定に配向するような格子定数を持っているものを
用いるのが良く、好ましくはMgO(100)、SrTiO3(100)な
どが選ばれる。
【0011】上記磁性積層体2は磁気抵抗効果素子とし
ての感度を向上させるために多数の単位積層体2aを積み
重ねている。その積み重ねの回数は必要とする感度に応
じて決められるが好ましくは5回以上100回以下であ
る。しかし上記磁性積層体2は一つの単位積層体2aのみ
から構成してあっても良い。
【0012】非磁性導電体層3はバルクではfcc構造
(面心立方構造)を持つ非磁性の金属で形成する。該金
属は単体の金属であっても合金の金属であっても良い。
単体の金属としては例えば銅Cuが好ましく、銅を主成分
とする合金としては、銅に20at.%以下のAl,Ag,Au,Pt,P
d,Rh,Ir,Ru,Osの内の何れか一つ又は二つ以上が含まれ
ているものが好ましい。非磁性薄膜3の膜厚t3は好まし
くは10〜30オングストロームで、さらに好ましくは12〜
18オングストロームまたは22〜28オングストロームの範
囲にある。その理由としては他の多層膜型の巨大磁気抵
抗効果薄膜と同様に、非磁性のスペーサー層となる該非
磁性薄膜3の厚みによって、それを挟む強磁性体層4,
4のモーメントの交換相互作用が平行、反平行と周期的
に振動し、上記の膜厚範囲でより効果的に反平行状態が
実現され、その結果として高いMR変化率が達成される
ためである(図4参照)。尚このCuはバルクではfcc構
造をとるが、このような磁性積層体2の中にあってはMg
Oから成る基板1や強磁性体層から成るバッファー層5
の格子定数の影響を受けて、格子がひずんだ体心正方晶
(bct)構造をとっていると考えられる。
【0013】強磁性体層4はバルクではbcc構造(体心
立方構造)を持つ金属で形成する。該金属は単体の金属
であっても合金の金属であっても良い。単体の金属とし
ては例えば鉄Feがあり、合金の金属としては例えば鉄コ
バルト合金Fe-Coがある。強磁性薄膜4は基板1の結晶
方位を反映して膜面内に(100)配向をし、即ち結晶構造
としての(100)面が強磁性体層4の機械的な面方向4aと
平行となっており、格子定数が面内に延び(面方向4aと
平行な方向に延び)、これによってその磁化が膜面内に
向きやすく(面方向4aと平行な方向に向きやすく)なっ
ているものである。強磁性薄膜4は好ましくは飽和磁化
が大きくなる鉄コバルト合金、鉄ニッケル合金、又は鉄
コバルトニッケル合金で、その組成がFe1-x-yCoxNiy(x
≦0.7,y≦0.3,但しx,yの少なくとも一方は0.01以
上)であり、さらに好ましくは0.01≦x≦0.5,0.01≦y
≦0.1のものである。なお、Fe1-x-yCoxNiy合金中にはC
r,Mn,Ti,V,Al,Si,B,C等が5at.%以下含まれ
ていてもよい。強磁性薄膜4の膜厚t4は好ましくは100
オングストローム以下、さらに好ましくは50オングスト
ローム以下1オングストローム以上である。その理由
は、膜厚が100オングストローム以上になると層間の反
強磁性的結合が相対的に弱くなり、巨大磁気抵抗効果を
示さなくなり、膜厚が1オングストローム以下になると
連続膜とならず、強磁性は著しく弱くなるからである。
【0014】バッファー層5は上記の強磁性膜4と同様
の組成を持つものが望ましい。該バッファー層5の膜厚
t5は10オングストローム〜100オングストローム、好ま
しくは20〜70オングストロームである。該強磁性薄膜の
バッファー層4は非磁性膜3の成膜に先駆けて成膜する
ことが望ましい。
【0015】保護層6は酸化防止等の為のものである。
該保護膜6はまた電極引き出しの目的をかねてCuなどを
用いるとよい。
【0016】電極7,8は周知の如く上記非磁性導電体
層3に対してその膜面方向3aに電流(センス電流)を流
すように設ける。
【0017】上記磁気抵抗効果素子の製造にあたっては
各種の薄膜形成技術(真空蒸着、分子線エピタキシー(M
BE)、二極スパッタ、マグネトロンスパッタなど)を用
いることが出来る。好ましくは次のような利点を得る為
に、イオンビームスパッタ(IBS)法を用いるとよい。即
ちイオンビームスパッタ法は真空蒸着法に比べ物質の選
択範囲が広く、また生産性もよい。また、通常のスパッ
タ法に比べると成膜中の真空度を高く保つことができ、
膜中への不純物の混入を防ぎ得ること、膜厚の制御が行
いやすいこと、基板温度を低く保ち得ることなどの利点
があるからである。
【0018】上記磁気抵抗効果素子の各膜3〜6を形成
する為のターゲットは、成膜用のチャンバーの真空を破
ることなく成膜作業を行う為に、同一のチャンバー内に
設置し、シャッターの開閉のコントロールによってその
成膜時間をコントロールすることが望ましい。強磁性膜
4のターゲットは同組成の合金ターゲットを用いること
ができるが、Feのターゲット上にCoやNiのチップを貼り
付けた構造のものを用いることも出来る。
【0019】尚上記磁気抵抗効果素子の各薄膜の成膜
は、MRセンサやMRヘッドとして使用するために必要
に応じて磁界中で行ってもよい。又上記のような磁気抵
抗効果素子は、インダクティブ型の書き込みヘッド等と
組み合わせた構造体として製造してもよい。
【0020】上記のような構成の磁気抵抗効果素子にお
いては、基板1として鉄Feの(100)面との格子のミスフ
ィットが小さく、しかも格子定数がFeのそれよりもわず
かに大きなマグネシアMgOの(100)面を用いるので、bcc
構造のFe(Co)、Fe(Ni)等の合金から成る強磁性体層4
は、その磁化容易方向である(100)方向を膜面内に配向
させて積層させることができる。しかも強磁性体層の(1
00)方向の磁歪定数が正であるために、ミスフィットに
よって膜面内方向に延びた格子との関係によって、図2
の(A)に示す如く、強磁性体層4の磁気モーメント10
を膜面内に安定化(面方向4aと平行な方向に安定化)さ
せることができる。これにより図2の(A)に示す如
く、無磁場での非磁性導電体層3を挟む強磁性体層4,
4の磁気モーメント10の反平行状態を安定化させること
ができ、図2の(B)の如く磁気モーメント10’の方向
が乱れているものに比べて、磁気抵抗変化率を大きくす
ることができる。例えば図5に示す如く非常に大きくす
ることができる。
【0021】巨大磁気抵抗効果については理論的考察が
なされている。例えば、界面近傍で隣の原子層の原子位
置を置換することによって生ずる不規則性が考えられ
て、それによるスピン依存不規則ポテンシャルが電気伝
導に寄与するとして磁気抵抗変化率が計算されている。
これによるとTM/Cu系の多層膜(TMはMn,Fe,Co,Ni或
いはそれらの合金)ではMR変化率には飽和磁化と同じ
様な強磁性体層の電子数依存性が認められ、電子数26の
Feと27のCoとの間で最大値をとることが予測されている
(図3参照)。また、強磁性層の飽和磁化の大きさにつ
いてはスレーター・ポーリング曲線として知られている
ように同じく電子数26のFeと27のCoとの間で最大値をと
ることが知られている。従って上記のような非磁性導電
体層3の両面を強磁性体層4で挟んだ構成の磁性積層体
2を有する磁気抵抗効果素子にあっては、強磁性体層4
として用いる鉄コバルト合金の組成を適切に選び(例え
ばFe0.65Co0.35)、強磁性体層4の膜構造、特に界面構
造、結晶性配向性をより適切に選定することにより、磁
気抵抗変化率が80%近くに達する磁気抵抗効果素子を
形成することを可能にできると考えられる。
【0022】次に、上記磁気抵抗効果素子においては、
動作磁界強度を必要に応じた値にコントロールする為
に、例えば動作磁界強度を小さくする為に、公知のスピ
ンバルブ構造としても良い。そうすることによって磁界
感度(MR変化率の零磁界付近での傾き)を上げることが
できる。この場合には一つの強磁性体層4に隣接して反
強磁性膜、又は保磁力の大きい強磁性膜を積層する。こ
の強磁性体層4と反強磁性層や高保磁力層との交換相互
作用によって強磁性体層4の磁気モーメントがピン止め
され、その結果、MR曲線をシフトさせて外部磁界に対
するMR曲線の傾きの大きいところを使えるようにする
ことができる。
【0023】次に具体例について説明する。 [具体例1]基板1としてマグネシア(MgO)の単結晶
膜(12.5mm×4.5mm×1mm)の(100)面を多数準備し、各々
に以下のような手順でイオンビームスパッタ(IBS)法に
よる成膜を行い多数の磁気抵抗効果素子を試作した。ま
ず各基板1の表面の吸着ガスを除くためのアニールを行
った後、バッファー層5としてFe0.75Co0.25合金50オン
グストロームを夫々成膜した。この上に非磁性導電体層
3としてCuを、又強磁性体層4としてFe0.75Co0.25を、
Cuから先に夫々20回繰り返して成膜した。Fe0.75Co
0.25の強磁性体層4の膜厚は約10オングストロームに固
定し、Cuの非磁性導電体層3の膜厚は各試作品毎に10オ
ングストローム〜20オングストロームまで夫々異ならし
めた。各試作品の最上層には酸化防止の為のCuの保護層
6を50オングストローム積んだ。各膜厚の制御はあらか
じめ測定した成膜速度に応じた時間だけシャッターを開
けることによって行い、その成膜速度はFe0.75Co0.25
よびCuについて夫々0.9オングストローム/s、1.9オング
ストローム/sであった。使用したIBS装置の到達真空度
は10-8Torr台、基板温度は50℃である。尚強磁性体層4
として他の組成の鉄コバルト合金(Fe0.95Co0.05)を成
膜した磁気抵抗効果素子も同様に試作した。
【0024】製造した試作品の膜の評価は、X線回折に
よる配向性の測定、振動試料型磁力計による磁化測定、
および四端子法による磁気抵抗測定によって行った。M
R変化率は測定電流10mA、電流を試料の長手方向(図1
の矢印3aと平行な方向)に流し、無磁場の場合と印加磁
界(図1の矢印4aと平行な方向に印加)が18kOeの場合
の抵抗率の値をそれぞれρ0、ρとし、MR変化率(%)
=(ρ0−ρ)/ρ×100として求めた。
【0025】この時のMR変化率と非磁性Cu層3の膜
厚、強磁性合金4中のCo量との関係を図5に示す(尚、
25at%CoはFe0.75Co0.25の強磁性体層4を成膜した試作
品のグラフ、5at%CoはFe0.95Co0.05の強磁性体層4を成
膜した試作品のグラフを夫々示す)。MR変化率はCu層
3の厚みによって変化し、Fe0.75Co0.25の強磁性体層4
を成膜した試作品の場合、Cu層厚14.3オングストローム
において、室温、77゜K、4.2゜Kでの夫々のMR変化率
はそれぞれ15.6、28.6、29.1%と最大値をとった。この
時のFeCo膜4はX線回折の結果からよく(100)配向して
おり、またCu層3はbct構造をとっていた。FeCo膜4の
格子定数は膜面内方向でバルクの値よりも約1%延びて
おり、膜面に垂直の方向ではほとんど変わっていない。
これによって磁気モーメントが面内に向き、層間の交換
相互作用が有効に作用して高いMR変化率が実現された
と考えられる。またFeCo層4の飽和磁化は室温で235emu
/gとFeよりも大きい値をとる。
【0026】[比較例1]具体例1と同様の磁性積層体
をSi基板、ガラス基板上にそれぞれ形成したところ、そ
のMR変化率は1〜2%と低い値であった。
【0027】
【発明の効果】以上のように本願発明にあっては、バル
クでfcc構造をとる金属で形成された非磁性導電体層3
を、バルクでbcc構造をとる金属で形成された強磁性体
層4,4によって挟んだ構成なので、前記したように非
常に高い磁気抵抗変化率を示すようにできる特長があ
る。しかも上記非磁性導電体3としては安価な銅を用い
ることができるので、上記のような高い磁気抵抗変化率
を示す磁性積層体を安価に提供することを可能にできる
効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気抵抗効果素子の断面構造を模式的に示す
図。
【図2】(A)は強磁性体層の磁気モーメントが反平行
状態で安定している状態を模式的に示す図、(B)は磁
気モーメントの方向が乱れている状態を模式的に示す
図。
【図3】TM/Cu積層膜のMR変化率の理論予測を示す
図。
【図4】非磁性導電体層の膜厚とMR変化率との関係を
示すグラフ
【図5】非磁性導電体層の膜厚及び強磁性体層を鉄コバ
ルト合金とした場合のCo量と、MR変化率との関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
1 基板 2 磁性積層体 2a 単位積層体 3 非磁性導電体層 4 強磁性体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 正顯 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字熊田3の 1 (72)発明者 土井 正晶 名古屋市名東区名東本町140ジョイフル本 町301号 (72)発明者 吉田 裕 尾張旭市柏井町弥栄167番地の3

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性導電体層とそれを両面側から挟む
    強磁性体層とから成り、上記非磁性導電体層はバルクで
    fcc構造をとる金属で形成する一方、上記強磁性体層は
    バルクでbcc構造をとる金属で形成したことを特徴とす
    る磁性積層体。
  2. 【請求項2】 上記非磁性導電体層が銅又は銅を主成分
    とする合金であり、上記強磁性体層が鉄と、コバルト又
    はニッケルの何れか一方又は両方とから成る合金で、そ
    の組成がFe1-x-yCoxNiy(x≦0.7,y≦0.3,但しx,y
    の少なくとも一方は0.01以上)であることを特徴とする
    請求項1の磁性積層体。
  3. 【請求項3】 上記強磁性体層が膜面内に(100)配向を
    し、格子定数が面内に延びていることを特徴とする請求
    項1の磁性積層体。
  4. 【請求項4】 上記強磁性体層の厚みが1〜100オングス
    トロームの範囲にあり、非磁性導電体層の厚みが10〜30
    オングストロームの範囲にあることを特徴とする請求項
    1の磁性積層体。
JP7145533A 1995-05-19 1995-05-19 磁性積層体 Pending JPH08316033A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6891368B2 (en) 2002-04-19 2005-05-10 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Magnetoresistive sensor device
JP2007335788A (ja) * 2006-06-19 2007-12-27 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv 磁気シールド及びその製造方法、薄膜磁気ヘッド
DE10160637B4 (de) * 2001-05-28 2020-06-10 Mitsubishi Denki K.K. Fahrzeugmontiertes Magnetoresistenz-Sensorelement und Verfahren zur Herstellung

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