JPH08315821A - リチウム二次電池用負極材とその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用負極材とその製造方法

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JPH08315821A
JPH08315821A JP7141301A JP14130195A JPH08315821A JP H08315821 A JPH08315821 A JP H08315821A JP 7141301 A JP7141301 A JP 7141301A JP 14130195 A JP14130195 A JP 14130195A JP H08315821 A JPH08315821 A JP H08315821A
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negative electrode
fine particles
carbon
secondary battery
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JP7141301A
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Chomei Yamada
朝明 山田
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Tokai Carbon Co Ltd
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Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高水準のリチウム吸蔵容量と繰り返し充放電
サイクルにおける容量保持性に優れた長期安定性能を有
するリチウム二次電池用負極材とその製造方法を提供す
る。 【構成】 DBP吸油量100ml/100g以上のカーボンブラ
ックが分散する樹脂炭の球状微粒子をフッ素系結着剤に
含有させてなるリチウム二次電池用負極材。製造方法
は、DBP吸油量100ml/100g以上のカーボンブラック 1
00重量部に炭化残留率40%以上の熱硬化性樹脂5〜120
重量部を混合した分散溶液を調製し、この分散溶液をス
プレードライ法により粒径5〜50μm の微粒子に造粒成
形したのち、非酸化性雰囲気中で 700〜1200℃の温度に
より焼成炭化してカーボンブラックが分散する樹脂炭の
球状微粒子を形成し、得られた球状微粒子をフッ素系結
着剤に混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーボンブラックを含
有する樹脂炭をリチウム担持体とした電池性能に優れる
リチウム二次電池用負極材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型電子機器の電源あるいは電力
貯蔵用の電池として、高エネルギー密度のリチウム二次
電池が注目されている。しかしながら、金属リチウムを
負極とした電池構成では充電時のデンドライト生成など
の影響でサイクル寿命が短いという欠点があるうえ、金
属リチウムの単体使用は安全性の面でも問題がある。
【0003】このような問題の解消を図る電池構成とし
て、負極活物質であるリチウムをある種の炭素質材料に
担持させて負極材とする試みが盛んにおこなわれてお
り、担持炭素材の性状を対象とした提案も数多くなされ
ている(特開昭62-90863号公報、特開昭62-193463 号公
報、特開昭63-236259 号公報、特開昭64-2258 号公報、
特開平1-274360号公報、特開平1-44644 号公報、特開平
2-66856 号公報、特開平2-230660号公報、特開平3-9316
2 号公報)。これらの先行技術は、概ね金属リチウムを
ドープさせる炭素担持体における黒鉛結晶面の層間距離
を主要な規制対象とするものである。
【0004】このほか、フラン樹脂のような有機材料を
焼成して得られる特定粒子性状を備える難黒鉛化炭素材
料を負極活物質とした非水電解液二次電池(特開平5−
335017号公報) や、芳香族ポリイミドの薄膜フィルム状
成形体を焼成黒鉛化するリチウム二次電池負極体の製造
方法(特開平6−223821号公報)も提案されている。
【0005】上記とは異質の炭素質材料を負極体とする
ものとしては、特定性状を備えるカーボンブラックをリ
チウム担持体としたリチウム二次電池の負極体が本出願
人らによって開発されている。すなわち、BET法によ
る窒素吸着比表面積が85m2/g以下のカーボンブラック
をリチウム担持体としたリチウム二次電池の負極体(特
開平6−68867 号公報)、DBP吸油量が100ml/100
g 以上で算術平均一次粒子径が40nm以上の粒子特性を
有するカーボンブラックに負極活物質を担持させて負極
体とするリチウム二次電池(特開平6−68868 号公
報)、DBP吸油量と24M4DBP吸油量の差が少な
くとも40ml/100g の粒子性状を備えるカーボンブラッ
クに負極活物質となるリチウムを担持させて負極体とす
るリチウム二次電池(特開平6−68869 号)等である。
これらの発明は、負極担持体として十分な黒鉛層間距離
と同時にカーボンブラック粒子のもつ特異な配向構造や
粒子凝集性状をリチウムのドープ・アンドープに活用し
たもので、リチウム担持容量および電池の充放電電圧を
有意に改善することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、カーボンブ
ラックは極めてフラフィーな微細粒子である関係で、電
極形態を整えるために用いる粘着剤成分に対する分散性
が悪く、均一混合が困難となる欠点がある。とくにスト
ラクチャーの発達したDBP吸油量が高いカーボンブラ
ックの分散性は良くなく、均一な分散組織を得るために
は極めて長時間の混合分散処理が必要となる。これら成
分間に分散不良が生じると、電池性能の低下を招いた
り、成形材質にクラックが発生してカーボンダストが集
電体から脱落する現象が起きる。またカーボンブラック
は本質的に粒子凝集構造を呈していて、黒鉛粉末など他
の単一粒子系の炭素質粉末に比べて嵩密度が低いため、
電池という限られたスペースに充填する場合に量的な制
約を受けて電池容量を高めることができなくなるうえ、
相対的に結着剤の配合量を高くしないと成形が困難とな
る等の問題がある。
【0007】本発明者はカーボンブラックを負極材成分
とする場合に生じる上記のような問題点を解消するため
に鋭意研究を重ねた結果、カーボンブラックを樹脂炭中
に分散させて微細粒状化した状態で結着剤成分と混合す
ると分散性が効果的に改善され、同時に充填密度が増し
て電池容量の向上と安定した充放電サイクルを発現する
ことを確認した。
【0008】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的とするとこは、高水準のリチウム吸蔵
容量と繰り返し充放電サイクルにおける容量保持性に優
れた長期安定性能を有するリチウム二次電池用負極材と
その工業的な製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるリチウム二次電池用負極材は、DBP
吸油量100ml/100g 以上のカーボンブラックが分散す
る樹脂炭の球状微粒子をフッ素系結着剤に含有させてな
ることを構成上の特徴とする。
【0010】本発明に用いられるカーボンブラックは、
製造履歴や生成機構に制約を受けることなく、ファーネ
スブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、
アセチレンブラックなど各種のものを用いることができ
るが、粒子性状としてDBP吸油量が100ml/100g 以
上のものを選択使用することが重要な要件となる。DB
P吸油量はカーボンブラックのストラクチャーの発達度
合、すなわち粒子凝集体(Aggregate)の大きさを示す指
標となるものであるが、このDBP吸油量が100ml/1
00g 未満のカーボンブラックでは、粒子内部へのリチウ
ムの拡散が円滑に進まなくなって担持容量が小さくな
る。なお、DBP吸油量はJIS K−6221「ゴム
用カーボンブラックの試験方法」6.1.1項で規定さ
れている吸油量A法(機械法)により測定された値を指
す。
【0011】本発明に係る負極材は、上記のカーボンブ
ラックを樹脂炭に分散した球状微粒子としてリチウム担
持体が構成される。樹脂炭とは、炭化性の熱硬化性樹脂
を焼成炭化して得られる嵩密度が1.45g/cc以上の緻
密質組織を備える炭素質物である。したがって、カーボ
ンブラック(嵩密度; 0.9〜1.0g/cc )は樹脂炭の組織
中に分散して一体に結合し、密度が高められた複合組織
に転化する。このカーボンブラックが分散した樹脂炭は
球状微粒子であり、好ましくは粒径30μm 以下の実質
的に単一球状形態を呈する微粒子である。
【0012】結着剤としては、例えばテトラフルオロエ
チレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが用い
られるが、本発明の目的には後者のポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)が好ましく適用される。本発明に係るリチウム
二次電池用負極材は、これら粘着剤成分にカーボンブラ
ックが分散する樹脂炭の球状微粒子を含有させて形成さ
れる。
【0013】上記のリチウム二次電池用負極材は、DB
P吸油量100ml/100g 以上のカーボンブラック100
重量部に炭化残留率40%以上の熱硬化性樹脂5〜12
0重量部を混合した分散溶液を調製し、該分散溶液をス
プレードライ法により粒径5〜50μm の微粒子に造粒
成形したのち、非酸化性雰囲気中で700〜1200℃
の温度により焼成炭化してカーボンブラックが分散する
樹脂炭の球状微粒子を形成し、得られた球状微粒子をフ
ッ素系結着剤に混合する方法により工業的に製造するこ
とができる。
【0014】まず、DBP吸油量100ml/100g 以上の
カーボンブラックを予め熱硬化性樹脂を適宜な有機溶媒
に溶解した溶液に均一に分散させた分散溶液を調製す
る。熱硬化性樹脂としては、炭化残留率が40%以上の
ものが選択される。この要件を満たす熱硬化性樹脂とし
ては、フラン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルベンゼン、ポリスチレ
ン等を挙げることができ、これらは1種または2以上の
混合物として使用に供される。熱硬化性樹脂の配合量
は、カーボンブラック100重量部に対して5〜120
重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲である。熱
硬化性樹脂の量が5重量部未満では造粒成形した微粒子
の強度が弱くて破砕され易く、他方、120重量部を越
えるとカーボンブラック本来のリチウム担持機能が失わ
れる。有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノー
ル、アセトンなど熱硬化性樹脂を溶解する揮発性のもの
が用いられ、カーボンブラック100重量部に対し20
0〜300重量部の比率で配合される。分散処理にはボ
ールミル等を用い、カーボンブラックが均一分散する状
態の溶液を調製する。
【0015】ついで、上記の分散溶液をスプレードライ
法を用いて霧化乾燥して、単一の微粒子に造粒成形す
る。造粒成形する微粒子は、5〜50μm の粒径範囲に
制御する必要がある。粒径が5μm 未満では嵩密度が低
下して結着剤成分に対する分散性が改善されず、50μ
m を越えると微粒子としての成形性が悪くなるうえ、形
成する負極体の材質組織がポーラスとなって電極容量の
低下を招く。
【0016】造粒成形した微粒子は、不活性雰囲気中で
700〜1200℃の温度域で焼成炭化する。焼成温度
が、700℃を下回ると樹脂成分の炭化が十分に進行し
なくなり、1200℃を越えるとカーボンブラックの充
放電容量が低下するようになる。この焼成炭化処理の過
程で、樹脂成分が炭化収縮してカーボンブラックの嵩密
度が上昇改善されるとともに、粒形が球状に転化する。
【0017】上記の工程で得られたカーボンブラックが
分散する樹脂炭の球状微粒子をフッ素系結着剤成分と混
合してペースト状のリチウム二次電池用負極材を調製す
る。混合操作は、例えば2本ロール、バンバリーミル、
ドウミルなどの混練装置を用い、ガーボンブラック分散
樹脂炭の球状微粒子が粘着剤成分に均一に分散するペー
ストを形成する。
【0018】この際、カーボンブラック含有樹脂炭の球
状微粒子のみではなく、DBP吸油量100ml/100g 以
上のカーボンブラックとともに結着剤成分と混合する
と、球状微粒子単独混合の場合に生じ易い粒子相互間の
微細な間隙が併用するカーボンブラックにより目詰めさ
れて密度の低下を防止することができる。併用するカー
ボンブラックの配合量は、カーボンブラック含有樹脂炭
の球状微粒子に対して10〜70重量%、好ましくは1
0〜50重量%の範囲である。結着剤には例えばテトラ
フルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)
などが用いられ、カーボンブラックが分散する樹脂炭の
球状微粒子またはこれと併用するカーボンブラックを結
着剤成分に対して10〜30重量%の量比で混合する。
【0019】負極体の製造は、前記の混合物を適宜な有
機溶剤と共に均一に混合したペーストを金属集電体上に
塗布したのち、被覆電極に成形する方法で行われる。こ
の場合の有機溶剤としては、例えばプロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジ
メトキシフラン、アセトニトリル等が用いられるが、結
着剤としてポリフッ化ビニリデンを用いる場合にはN−
メチル−2−ピロリドンが好適に使用される。なお、使
用した溶剤は成形後に適温で乾燥処理することにより容
易に除去できる。金属集電基材としては、銅、ニッケル
などリチウム二次電池に使用される有機電解液に対して
安定な金属板が有効に用いられる。
【0020】
【作用】高い粒子凝集性状をもつDBP吸油量100ml
/100g 以上のカーボンブラックはリチウム担持容量およ
び電池の充放電電圧を有意に改善し得る有利な負極担持
体として機能するが、そのフラフィーの微細粒子性状と
特異な粒子凝集性状が災いして結着剤成分と混合する場
合の分散性を損ね、かつ嵩密度が高いため電池容量の増
大化が制約される難点がある。本発明によれば、カーボ
ンブラックを予め樹脂炭に分散結合した球状微粒子に転
化させることにより、カーボンブラックの物性を損ねる
ことなく分散性を改善することができ、同時に嵩密度の
低下を図ることができる。すなわち、カーボンブラック
は高い粒子凝集構造を維持したまま樹脂炭中に圧縮分散
して嵩密度の低下をもたらし、形状が流動性に優れる球
状微粒子であるため粘着剤成分に配合した場合の分散性
が著しく向上し、分散時に再凝集することがない。
【0021】このような作用に基づいて、高水準のリチ
ウム吸蔵容量と繰り返し充放電サイクルにおける容量保
持性に優れた長期安定性能を有するリチウム二次電池用
負極材の提供が可能となる。
【0022】また、本発明に係る製造方法によれば、高
ストラクチャー性のカーボンブラックと炭化残留率40
%以上の熱硬化性樹脂とを特定範囲の配合比率で混合し
た分散液をスプレードライ法で単一微粒子に造粒成形
し、これを特定温度域で焼成炭化する方法によりカーボ
ンブラックが分散する樹脂炭からなる球状微粒子の負極
担持体を容易に得ることができる。この工程において、
造粒成形された微粒子は焼成炭化過程で揮発性樹脂成分
の揮散により収縮して高密度の組織になるとともに、球
形化する。負極材は、このカーボンブラック分散樹脂炭
の球状微粒子をフッ素系結着剤と混合するプロセスで行
われるが、この際前記の球状微粒子とともにカーボンブ
ラックを併用すると組織が緻密となって一層放電容量を
高めることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0024】実施例1〜4、比較例1 (1) カーボンブラック分散樹脂炭の調製 DBP吸油量145ml/100g のファーネスカーボンブラ
ックを、熱硬化性樹脂およびアセトンと共にボールミル
に投入し、30分間混練処理を施して均一な分散溶液を
調製した。熱硬化性樹脂としては炭化残留率50%のフ
ェノール樹脂初期縮合物およびフラン樹脂初期縮合物を
用い、カーボンブラック100重量部に対し熱硬化性樹
脂20重量部の割合で配合した。アセトンは250重量
部配合した。ついで、分散溶液をスプレードライヤーに
より、アトマイザー回転数1600rpm 、溶媒注入速度
1000ml/min、系内温度100℃の条件で粒径5〜4
0μm の微粒子に造粒成形した。得られた造粒成形体を
窒素雰囲気に保持された電気炉に入れ、800℃の温度
で焼成炭化処理してカーボンブラックが分散する樹脂炭
の球状微粒子を調製した。
【0025】(2) リチウム二次電池用負極体の作製 上記で得られたカーボンブラックが分散する樹脂炭の球
状微粒子、およびこれと原料に用いたと同一のカーボン
ブラックを配合してリチウム担持体とし、ポリフッ化リ
フッ化ビニリデン粉末(結着剤)を所定の比率で配合し
たのち、適量のN−メチル−2−ピロリドン(有機溶
剤)と共にロール混練処理して均質な混合ペーストを調
製した。これらのペーストを、厚さ0.05mmのNi板
上に均一に塗布し、有機溶剤を加熱除去したのちプレス
して厚さ0.1mmの負極体を作製した。なお、比較のた
めに同一カーボンブラックを窒素気流中で800℃の温
度に熱処理したものをリチウム担持体とし、同様に負極
体を作製した(比較例1)。
【0026】(3) 負極体の特性評価 作製した各負極体を試料極とし、単極での電気化学的試
験により充放電容量およびサイクル特性を評価した。条
件として、プロピレンカーボネート(PC)と1,2−ジメ
トキシエタン(DME) の1:1混合溶媒を電解液とし、1
mol/l のLiPF6 を電解質とした。電気化学的測定
は、対極および参照極を共に金属リチウムとし、リチウ
ムの試料極中への電気化学的ドープ挙動を各電解液中で
定電流充放電試験法により測定した。測定は充放電終止
電位を0VVS Li/Li +(充電時)、1.5VVS Li/Li +
(放電時)とし、電流密度は0.5mA/cm2とした。得ら
れた電解化学的評価結果(5サイクル目、50サイクル目
のカーボンブラック1g 当たりの放電電気量)を各負極
体の組成と対比させて表1に示した。
【0027】
【表1】 〔表注〕Ph;フェノール樹脂、FR;フラン樹脂、CB分散樹脂球微粒子;カ ーボンブラックが分散する樹脂炭の球状微粒子、CB;併用したカーボン ブラック。
【0028】表1の結果から、実施例による各負極体は
比較例品に比べて高水準の放電電気量を示し、充放電を
繰り返しても低下が少なく優れた容量保持特性を示すこ
とが認められた。特にカーボンブラックが分散する樹脂
炭の球状微粒子とカーボンブラックを併用した実施例
2、4において良好な結果を示した。
【0029】実施例5、比較例2〜3 DBP吸油量の異なるファーネスカーボンブラックを用
い、炭素含有率50%のフラン樹脂を成形用樹脂として
実施例1と同一条件によりカーボンブラックが分散する
樹脂炭の球状微粒子を調製した。この球状微粒子60重
量%を、原料に用いたと同一のカーボンブラック25重
量%およびポリフッ化リフッ化ビニリデン粉末15重量
%を配合し、適量のN−メチル−2−ピロリドン(有機
溶剤)と共にロール混練処理して均質な混合ペーストを
調製した。これらのペーストを、厚さ0.05mmのNi
板上に均一に塗布し、有機溶剤を加熱除去したのちプレ
スして厚さ0.1mmの負極体を作製した。得られた各負
極体を試料極とし、実施例1と同様にして試験した電解
化学的評価結果を、用いたカーボンブラックのDBP吸
油量およびカーボンブラック分散樹脂炭の球状微粒子の
嵩密度と対比させて表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】表2の結果から、用いたカーボンブラック
のDBP吸油量が100ml/100g 未満では放電電気量が
大きく低下することが認められる。
【0032】実施例6〜10、比較例4〜5 DBP吸油量145ml/100g のファーネスカーボンブラ
ックを用い、炭素含有率50%のフラン樹脂の配合量を
変えたほかは実施例1と同一条件によりカーボンブラッ
クが分散する樹脂炭の球状微粒子を調製した。この球状
微粒子60重量%を、原料に用いたと同一のカーボンブ
ラック25重量%およびポリフッ化リフッ化ビニリデン
粉末15重量%を配合し、適量のN−メチル−2−ピロ
リドン(有機溶剤)と共にロール混練処理して均質な混
合ペーストを調製した。これらのペーストを、厚さ0.
05mmのNi板上に均一に塗布し、有機溶剤を加熱除去
したのちプレスして厚さ0.1mmの負極体を作製した。
得られた各負極体を試料極とし、実施例1と同様にして
試験した電解化学的評価結果を、成形樹脂配合量(カー
ボンブラック 100重量部当たりの重量部)およびカーボ
ンブラック分散樹脂炭の球状微粒子の嵩密度と対比させ
て表3に示した。
【0033】
【表3】
【0034】樹脂配合量が5重量部未満の比較例4では
嵩密度が上がないうえ、粒子が破壊して50サイクル後
の放電電気量が極端に低下している。また、樹脂配合量
が120重量部を上回る比較例5では、充放電の容量が
低下している。
【0035】実施例11〜12、比較例6〜7 DBP吸油量145ml/100g のファーネスカーボンブラ
ックを用い、炭素含有率50%のフラン樹脂を用いて造
粒成形した微粒子の焼成炭化温度を変動させたほかは実
施例1と同一条件によりカーボンブラックが分散する樹
脂炭の球状微粒子を調製した。この球状微粒子60重量
%を、原料に用いたと同一のカーボンブラック25重量
%およびポリフッ化リフッ化ビニリデン粉末15重量%
を配合し、適量のN−メチル−2−ピロリドン(有機溶
剤)と共にロール混練処理して均質な混合ペーストを調
製した。これらのペーストを、厚さ0.05mmのNi板
上に均一に塗布し、有機溶剤を加熱除去したのちプレス
して厚さ0.1mmの負極体を作製した。得られた各負極
体を試料極とし、実施例1と同様にして試験した電解化
学的評価結果を、焼成炭化温度およびカーボンブラック
分散樹脂炭の球状微粒子の嵩密度と対比させて表4に示
した。
【0036】
【表4】
【0037】表4の結果から明らかなように、焼成炭化
温度が700℃を下回ると樹脂の炭化が十分に進行しな
いため放電電気量が低下し、逆に1200℃を越えると
カーボンブラックの物性が改質して放電容量が減退す
る。
【0038】実施例13〜16 実施例4の態様において、カーボンブラックが分散する
樹脂炭の球状微粒子と原料に用いたと同一のカーボンブ
ラックとの配合比率を変動させ、その他は実施例4と同
一の条件により負極体を作製した。得られた各負極体を
試料極とし、実施例1と同様にして試験した電解化学的
評価結果を前記の変動配合比率と対比させて表5に示し
た。
【0039】
【表5】
【0040】表5の結果から、カーボンブラックが分散
する樹脂炭の球状微粒子と原料に用いたと同一のカーボ
ンブラックを併用する場合には、特に配合するカーボン
ブラックの配合比率を10〜50重量%の範囲に設定す
ることが好ましいことが認められる。
【0041】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればDBP吸
油量が100ml/100g 以上のカーボンブラックが分散す
る樹脂炭の球状微粒子あるいはこれに同一カーボンブラ
ックを配合して負極担持体とし、これをフッ素系結着剤
に含有させることにより、高いリチウム吸蔵容量と苛酷
な繰り返し充放電サイクルに際しても優れた容量保持特
性を発揮するリチウム二次電池用負極材を提供すること
ができる。また、本発明の製造方法に従えば、上記の負
極材を工業的に有利に製造することができるから、長期
安定性能を備えるリチウム二次電池の負極材を生産する
方法として有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DBP吸油量100ml/100g 以上のカー
    ボンブラックが分散する樹脂炭の球状微粒子をフッ素系
    結着剤に含有させてなることを特徴とするリチウム二次
    電池用負極材。
  2. 【請求項2】 DBP吸油量100ml/100g 以上のカー
    ボンブラック100重量部に炭化残留率40%以上の熱
    硬化性樹脂5〜120重量部を混合した分散溶液を調製
    し、該分散溶液をスプレードライ法により粒径5〜50
    μm の微粒子に造粒成形したのち、非酸化性雰囲気中で
    700〜1200℃の温度により焼成炭化してカーボン
    ブラックが分散する樹脂炭の球状微粒子を形成し、得ら
    れた球状微粒子をフッ素系結着剤に混合することを特徴
    とするリチウム二次電池用負極材の製造方法。
  3. 【請求項3】 カーボンブラックを含む樹脂炭の球状微
    粒子を、DBP吸油量100ml/100g 以上のカーボンブ
    ラックとともに、フッ素系結着剤に混合する請求項2記
    載のリチウム二次電池用負極材の製造方法。
  4. 【請求項4】 フッ素系結着剤として、ポリフッ化ビニ
    リデンを用いる請求項2又は3記載のリチウム二次電池
    用負極材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000299105A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用電極の製造方法
JP2000331672A (ja) * 1999-04-15 2000-11-30 Mitsubishi Chemicals Corp ナノサイズの混在物を含有する炭素粒子を有する電池用電極および電池ならびにそれらの製造方法および電解方法
JP2002151069A (ja) * 2000-11-06 2002-05-24 Kansai Coke & Chem Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極材料、その製造法、およびリチウムイオン二次電池

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