JPH08315339A

JPH08315339A - 記録装置及び記録方法

Info

Publication number: JPH08315339A
Application number: JP7122608A
Authority: JP
Inventors: Tadashi Osue; 匡尾末; Keishin Kono; 敬信河野; Kazuya Koseki; 和哉小関
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1995-05-22
Filing date: 1995-05-22
Publication date: 1996-11-29

Abstract

(57)【要約】【目的】記録密度を向上させることができ、パイロッ
ト信号の周波数を高くすることにより、重ね書き記録を
良好に行なうことができる記録装置、記録方法を提供す
る。【構成】トラックピッチＴｐの３倍程度のヘッド幅を
有する磁気ヘッドＨｗ１により、トラッキング制御を行
なうためのパイロット信号と、前回の記録時に磁気ヘッ
ドＨｗ１でパイロット信号を記録した位置に対応するマ
スクパターンと、記録データとを記録して記録トラック
を形成し、この記録トラックからトラックピッチＴｐ離
れた位置にトラックピッチＴｐの２倍程度のヘッド幅を
有する磁気ヘッドＨｗ２により、磁気ヘッドＨｗ１で新
たにパイロット信号を記録した位置に対応するマスクパ
ターンと、記録データとを記録する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばパーソナルコン
ピュータ、ワークステーション等の情報処理装置から供
給されるデータを磁気テープに記録するデータストリー
マ等のいわゆるストレージデバイスに設けて好適な、記
録密度を向上させた記録装置、記録方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、パーソナルコンピュータ、ワ
ークステーション等の情報処理装置から供給されるデー
タを磁気テープに記録するデータストリーマが知られて
いる。このようなデータストリーマでは、磁気ヘッドと
磁気テープの相対速度の向上による周波数特性の向上
と、記録再生時の磁気テープの使用量の減少を両立させ
るために、磁気ヘッドを磁気テープに対して傾斜させて
回転させる回転ドラムを用いている。

【０００３】そして、記録時には、磁気テープを回転ド
ラムに斜めに巻き付けて一定の速度で走行させ、回転ド
ラムを一定の速度で回転させる。このとき、磁気ヘッド
は、磁気テープの表面を斜めに走査する。この状態で磁
気ヘッドに記録データを供給すると、磁気テープ上に
は、傾斜した記録トラックが所定のトラックピッチで隣
接して形成される。

【０００４】このようなデータストリーマにおいて、記
録密度を向上させるために、トラックピッチを小さくす
ると、隣接する記録トラックからのクロストーク量が大
きくなる。このため、一般的には、ヘッドギャップのア
ジマス角が異なる２つの磁気ヘッドを用い、この２つの
磁気ヘッドによって交互に記録を行なって、アジマス角
の異なる記録トラックを交互に形成する。

【０００５】隣接する記録トラック間のクロストーク量
は、アジマス角の差が大きくなると減少するため、アジ
マス角の異なる記録トラックを交互に形成することによ
り、隣接する記録トラック間のクロストーク量を減少さ
せることができ、トラックピッチを小さくして記録密度
を向上させることができる。

【０００６】また、このようなデータストリーマでは、
再生時に磁気ヘッドにより記録トラックを正確に走査す
るために、記録時に磁気テープの長手方向にトラッキン
グ制御用のコントロールトラック信号（以下、ＣＴＬ信
号という。）を記録する。そして、再生時にこのＣＴＬ
信号を再生し、再生したＣＴＬ信号に基づいて磁気テー
プの走行及び回転ドラムの回転数を制御してトラッキン
グの制御を行なう。これにより、再生時の磁気ヘッドの
走査軌跡を記録トラックに正確に一致させることがで
き、安定した再生を行なうことができるようになってい
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにＣＴＬ信号を用いてトラッキング制御を行なうた
めには、データを記録する磁気ヘッドの他にＣＴＬ信号
を記録再生する磁気ヘッドを設ける必要があり、装置の
構成が複雑化する問題がある。また、磁気テープの幅方
向にＣＴＬ信号を記録する領域を必要とするため、記録
トラック用の領域が狭くなり、特に磁気テープの幅が狭
い場合には、記録トラックの形成が困難になる問題があ
る。

【０００８】このため、トラッキング制御用のパイロッ
ト信号を周波数多重により記録データに重畳させて記録
しておき、再生時の磁気ヘッドの再生出力からパイロッ
ト信号を分離し、分離したパイロット信号に基づいてト
ラッキング制御を行なうことにより、テープの長手方向
にＣＴＬ信号を記録する必要を無くすことができる。

【０００９】しかしながら、このようにパイロット信号
を周波数多重により記録データに重畳すると、記録デー
タを変調しないでベースバンドで記録する場合には、記
録データの帯域が広いためにパイロット信号を重畳、分
離することが困難となるなる問題がある。

【００１０】このため、記録データをベースバンドで記
録する場合には、記録時にトラッキング制御用のＡＴＦ
（Automatic Track Finding ）用パイロット信号を記録
トラックの所定区間に記録しておく。このような記録を
行なった磁気テープを再生すると、再生用の磁気ヘッド
は、走査軌跡上にある記録トラックのＡＴＦ用パイロッ
ト信号を再生する。これらのＡＴＦ用パイロット信号の
再生レベルは、磁気ヘッドの走査軌跡の位置に応じて変
化する。そして、この隣接する記録トラックのＡＴＦ用
パイロット信号の再生レベルと、再生しようとする記録
トラックのＡＴＦ用パイロット信号の再生レベルとの差
からトラッキングエラーを検出してトラッキング制御を
行なう。

【００１１】ところで、上述のように隣接する２本の記
録トラックをアジマス角の異なる磁気ヘッドで記録して
いる場合には、隣接する記録トラックのＡＴＦ用パイロ
ット信号を再生するためには、ＡＴＦ用パイロット信号
をアジマスロスの少ない低い周波数とする必要がある。

【００１２】しかしながら、一般的に低い周波数の信号
は磁気テープの深部まで記録されるため、ＡＴＦ用パイ
ロット信号を低い周波数とすると、再度記録を行なう際
に、単に上書き記録するだけではＡＴＦ用パイロット信
号が消去されにくく、特に、記録データのような高い周
波数の信号を上書き記録しただけでは、消去することが
できない。したがって、既に記録が行なわれている磁気
テープに再度記録を行なうときには、先の記録によるパ
イロット信号を消去する必要があり、記録データより低
い周波数の消去信号あるいは消去用のヘッドを必要とす
る。このため、装置の構成が複雑化する問題がある。

【００１３】本発明は、上述のような問題点に鑑みてな
されたものであり、記録密度を向上させることができ、
また、パイロット信号の周波数を高くすることにより、
重ね書き記録を良好に行なうことができる記録装置、記
録方法の提供を目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明に係る記録装置
は、回転ドラムの周縁に設けられ、トラックピッチの３
倍以上ののヘッド幅を有する第１の磁気ヘッドと、該第
１の磁気ヘッドと異なるアジマス角を有し、回転ドラム
の周縁の上記第１の磁気ヘッドからトラック幅方向にト
ラックピッチ分離れた位置に設けられた位置に設けら
れ、トラックピッチの２倍から３倍までのヘッド幅を有
する第２の磁気ヘッドとを有する。また、この記録装置
は、上記第１の磁気ヘッドにより、トラッキング制御を
行なうためのパイロット信号と、前回の記録時に第１の
磁気ヘッドでパイロット信号を記録した位置に対応する
マスクパターンと、記録データとを記録し、上記第２の
磁気ヘッドにより、上記第１の磁気ヘッドで新たにパイ
ロット信号を記録した位置に対応するマスクパターン
と、記録データとを記録する記録制御手段を有する。ま
た、この記録装置では、記録制御手段が上記第１及び第
２の磁気ヘッドによって各１回の記録を行なう間に磁気
テープを上記トラックピッチの２倍に相当する距離走行
させる走行制御手段を有する。

【００１５】また、本発明に係る記録装置は、第１の磁
気ヘッドのヘッドギャップと磁気テープの走行方向との
間の角度が、第２の磁気ヘッドのヘッドギャップと磁気
テープの走行方向との間の角度より小さくなるようにし
たことを特徴とする。

【００１６】本発明に係る記録方法は、回転ドラムの周
縁に設けられ、トラックピッチの３倍以上ののヘッド幅
を有する第１の磁気ヘッドにより、トラッキング制御を
行なうためのパイロット信号と、前回第１の磁気ヘッド
によりパイロット信号を記録した位置に対応するマスク
パターンと、記録データとを記録する。また、この記録
方法は、第１の磁気ヘッドと異なるアジマス角を有し、
回転ドラムの周縁の上記第１の磁気ヘッドからトラック
幅方向にトラックピッチ分離れた位置に設けられた位置
に設けられ、トラックピッチの２倍から３倍までのヘッ
ド幅を有する第２の磁気ヘッドにより、上記第１の磁気
ヘッドにより新たにパイロット信号を記録した位置に対
応するマスクパターンと、記録データとを記録する。ま
た、この記録方法は、上記第１及び第２の磁気ヘッドに
よって各１回の記録を行なう間に磁気テープを上記トラ
ックピッチの２倍に相当する距離走行させる。

【００１７】

【作用】本発明に係る記録方法は、本発明の記録装置に
適用されている。この本発明に係る記録装置では、走行
制御手段は、記録制御手段が上記第１及び第２の磁気ヘ
ッドによって各１回の記録を行なう間に磁気テープが記
録トラック２本分走行する速度で磁気テープを走行させ
る。

【００１８】まず、記録制御手段は、第１の磁気ヘッド
によって、トラックピッチの３倍以上の幅で、パイロッ
ト信号と、マスクパターンと、記録データとを記録して
記録トラックを形成する。次に、記録制御手段は、この
第１の磁気ヘッドによる記録トラックからトラックピッ
チ分離れた位置に、第２の磁気ヘッドによって、トラッ
クピッチの２倍から３倍の幅で、記録データと、マスク
パターンとを記録して記録トラックを形成する。このと
き、直前に第１の磁気ヘッドにより記録されたパイロッ
ト信号は、マスクパターンによって保護されて消去され
ずに残る。

【００１９】さらに、記録制御手段は、この第２の磁気
ヘッドによる記録トラックからトラックピッチ分離れた
位置に、第１の磁気ヘッドによって、トラックピッチの
３倍以上の幅で、パイロット信号と、記録データと、マ
スクパターンとを記録して記録トラックを形成する。こ
のとき、前回の記録時に第１の磁気ヘッドにより記録さ
れたパイロット信号は、新たに記録するマスクパターン
によって保護されて消去されずに残る。そして、記録制
御手段は、この第１の磁気ヘッドによる記録トラックか
らトラックピッチ分離れた位置に、第２の磁気ヘッドに
よって、トラックピッチの２倍から３倍の幅で、記録デ
ータと、マスクパターンとを記録して記録トラックを形
成する。これにより、最初の記録時に記録されたパイロ
ット信号のトラックピッチの３倍以上の部分が上書きさ
れて消去される。

【００２０】したがって、この記録装置では、磁気テー
プ上にヘッド幅以下の記録トラックを形成すると共に、
３トラック分のパイロット信号を１トラック分重複させ
て形成することができる。

【００２１】ここで、例えば既に記録が行なわれている
磁気テープに上書きして記録を行なう際には、第１の磁
気ヘッドによって記録される記録トラックは、先行する
第１及び第２の磁気ヘッドで記録を行なった後記録を行
なって、以前に記録した記録データを３回上書きして形
成される。また、第２の磁気ヘッドによって記録される
記録トラックは、先行する第１の磁気ヘッドで記録を行
なった後記録を行なって、以前に記録した記録データを
３回上書きして形成される。

【００２２】以前に記録した記録データのレベルは、上
書き回数が多い程低下するため、上述のように少なくと
も２回上書きして新たな記録トラックを形成することに
より、確実に消去される。

【００２３】また、上述のように記録された磁気テープ
を再生する際には、第１の磁気ヘッドと同じアジマス角
を有する磁気ヘッドにより磁気テープを走査してパイロ
ット信号を再生する。このとき、この磁気ヘッドの再生
出力には、複数のパイロット信号を再生する。この複数
のパイロット信号の再生レベルは、当該磁気ヘッドの位
置に応じて変化するため、この複数のパイロット信号の
再生レベルの差からトラッキングエラーを求め、このト
ラッキングエラーに基づいてトラッキング制御を行なう
ことができる。

【００２４】このような再生を行なう際には、パイロッ
ト信号を記録した第１の磁気ヘッドと同じアジマス角を
有する再生用の磁気ヘッドによりパイロット信号を再生
するため、パイロット信号の周波数を高くしておいても
問題なくパイロット信号を再生することができる。

【００２５】このため、上記記録装置において、磁気テ
ープの再生に影響を与えずにパイロット信号の周波数を
高くすることができる。パイロット信号を高くすると、
既に記録を行なった磁気テープにさらに記録を行なう際
に、新たな記録データを単に上書き記録するだけで、以
前に記録したパイロット信号を消去することができる。

【００２６】ところで、既に記録を行なった磁気テープ
にさらに記録を行なうときに、第２の磁気ヘッドのヘッ
ド幅をトラックピッチの３倍以上としている場合には、
新たな記録の終了位置において、最後の第２の磁気ヘッ
ドの記録により前回の記録時の記録トラックを３本以上
上書きしてしまう。

【００２７】これに対し、この記録装置では、第２の磁
気ヘッドのヘッド幅をトラックピッチの２倍から３倍と
しているため、最後の第２の磁気ヘッドの記録により上
書きする前回の記録時の記録トラックを最大で２本に留
めることができる。

【００２８】すなわち、この記録装置では、上書き記録
を行なう際に、前回の記録時の記録トラックの上書き量
を低減することができる。このため、新たな記録の終了
位置から、前回の記録時に記録された記録トラックの内
の再生可能な領域までの間の再生不可能な領域を低減さ
せることができる。

【００２９】ところで、一般に磁気ヘッドの再生特性
は、ヘッドギャップが磁気テープの走行方向に垂直であ
るときに最良となり、ヘッドギャップと走行方向の間の
角度が小さくなるにしたがって劣化する。このため、第
１及び第２の磁気ヘッドのアジマス角を異ならせると、
一方の磁気ヘッドによって記録したトラックの再生特性
が相対的に劣化することになる。

【００３０】また、このような２つの磁気ヘッドにより
記録した磁気テープを再生する際には、上記第１及び第
２の磁気ヘッドと同様のアジマス角を有する２つの磁気
ヘッドを使用し、一方の磁気ヘッドにより上記パイロッ
ト信号を再生してトラッキング制御を行なう。しかしな
がら、磁気ヘッドの取り付け誤差等により、他方の磁気
ヘッドの走査軌跡が、記録トラックと完全には一致しな
くなり、この磁気ヘッドの再生出力が劣化する。

【００３１】したがって、この磁気ヘッドのアジマス角
を磁気テープの走行方向に対して小さな角度とすると、
更に再生特性が劣化し、一方の磁気ヘッドの再生出力の
みが著しく劣化することになる。

【００３２】このため、この記録装置では、パイロット
信号の記録を行なう第１の磁気ヘッドのアジマス角が、
記録再生特性上で比較的不利な磁気テープの走行方向に
対して小さな角度となるようにしている。これにより、
第２の磁気ヘッドにより記録した記録トラックを再生す
る磁気ヘッドの再生特性を比較的有利とすることがで
き、取り付け誤差等よりこの磁気ヘッドの走査軌跡が第
２の磁気ヘッドにより記録したトラックから若干ずれて
も再生出力の劣化を低減することができる。

【００３３】

【実施例】以下、本発明に係る記録装置及び記録方法の
好適な実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。こ
の実施例は、本発明をパーソナルコンピュータ、ワーク
ステーション等の情報処理装置から供給されるデータを
磁気テープに記録するデータストリーマに適用したもの
である。

【００３４】このデータストリーマは、例えば図１に示
すように、外部とのデータの授受を行うためのインタフ
ェースコンローラ１０と、このインタフェースコントロ
ーラ１０を介して入力されたデータに信号処理を施して
所定のフォーマットに変換する記録データ処理系２０
と、この記録データ処理系２０から供給される信号を磁
気テープに記録すると共に、磁気テープを再生する記録
再生部３０とを備えている。また、このデータストリー
マは、該記録再生部３０からの再生出力に信号処理を施
して、磁気テープに記録されたデータを再生する再生デ
ータ処理系４０と、上記記録再生部３０のテープ走行系
を制御するトラッキング制御系５０とを備えている。

【００３５】上記インターフェースコントローラ１０
は、いわゆるＳＣＳＩ（Small Computor System Interf
ace ）からなる。

【００３６】上記記録再生部３０は、各々アジマス角が
異なる２つの記録用の磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２と、各
々アジマス角が異なる２つの再生用の磁気ヘッドＨｒ
１、Ｈｒ２とを磁気テープ３２に対して傾斜して回転さ
せる回転ドラム３１を備えている。磁気ヘッドＨｗ１
は、図２に示すように、トラックピッチＴｐの３倍程度
のヘッド幅Ｔｗ（Ｔｗ＝３Ｔｐ＋ｍ、ｍ：マージン）を
有し、磁気ヘッドＨｗ２とは、例えば図２に示すよう
に、トラックピッチＴｐの２倍程度のヘッド幅Ｔｎ（Ｔ
ｎ＝２Ｔｐ＋ｍ）を有する。

【００３７】また、これらの磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２
は、回転ドラム３１の円周方向に近接して、回転ドラム
３１の軸方向（すなわち、トラック幅方向）にトラック
ピッチＴｐ分の間隔を有するように取り付けられてい
る。

【００３８】また、磁気ヘッドＨｒ１、Ｈｒ２は、各々
トラックピッチＴｐの２倍以下のヘッド幅Ｔｎ（Ｔｐ≦
Ｔｎ≦２Ｔｐ）を有し、磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２と同
様に、回転ドラム３１の軸方向にトラックピッチＴｐ分
の間隔を有するように取り付けられている。

【００３９】各々の磁気ヘッドのヘッドギャップのアジ
マス角は、磁気ヘッドＨｗ１と磁気ヘッドＨｒ１とが同
一のアジマス角で、磁気ヘッドＨｗ２と磁気ヘッドＨｒ
２とが同一のアジマス角となっている。

【００４０】そして、記録再生時に、回転ドラム３１に
は、磁気テープ３２が傾斜させて約１８０度程度の範囲
に巻き付けられるようになっている。

【００４１】上記記録データ処理系２０は、上記インタ
フェースコントローラ１０を介して供給された記録デー
タにインデックス情報を付加するインデックス付加部２
１と、サブコードを発生するサブコード発生部２２と、
上記インデックス付加部２１からの記録データを誤り訂
正符号化する誤り訂正符号生成部２３と、誤り訂正符号
化した記録データに上記サブコード発生部２２からのサ
ブコード及びブロックアドレスを付加するサブコード付
加部２４とを備えている。

【００４２】上記サブコード発生部２２は、第１及び第
２のサブコード発生部２２Ａ，２２Ｂと、システムログ
生成部２２Ｃとからなる。また、上記誤り訂正符号生成
部２３は、メモリ４９、Ｃ３エンコーダ２３Ａ、Ｃ２エ
ンコーダ２３Ｂ及びＣ１エンコーダ２３Ｃからなる。

【００４３】また、この記録データ処理系２０は、サブ
コード付加部２４からの記録データにヘッダパリティを
付加するヘッダパリティ付加部２５と、このヘッダパリ
ティ付加部２５から供給される記録データを８／１０変
調（Eight to Ten Moduration ）する８／１０変調部２
６と、この８／１０変調部２６から供給される記録デー
タに同期信号を付加する同期信号付加部２７と、この同
期信号付加部２７から供給される記録データにトラッキ
ング制御用のＡＴＦ（Automatic Track Finding ）用パ
イロット信号を付加するパイロット信号付加部２８と、
このパイロット信号付加部２８から供給される記録デー
タを増幅するアンプ２９とを備えている。

【００４４】上記パイロット信号付加部２８は、図３に
示すように、上記磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２に対応する
２系統のパイロット信号付加部２８Ａ、２８Ｂと、パイ
ロット信号を発生するパイロット信号発生部２８Ｃとか
らなる。また、アンプ２９は、パイロット信号付加部２
８Ａ、２８Ｂの出力を増幅するアンプ２９Ａ、２９Ｂと
からなる。

【００４５】また、上記再生データ系４０は、上記記録
再生部３０から供給される上記磁気テープ３２の傾斜ト
ラックの再生出力を増幅するアンプ４１と、アンプ４１
から供給される再生出力から同期信号を検出すると共
に、再生出力を２値化して出力する同期信号検出部４２
と、この同期信号検出部４２からの２値化された再生デ
ータを８／１０復調（Eight to Ten Demoduration ）す
る８／１０復調部４３と、この８／１０復調部４３から
の再生データのヘッダパリティをチェックするヘッダパ
リティチェック部４４とを備えている。

【００４６】また、上記ヘッダパリティチェック部４４
からの再生データからサブコードを分離するサブコード
分離部４５と、このサブコード分離部４５からのサブコ
ードが分離された再生データに誤り訂正処理を行なう誤
り訂正処理部４６と、この誤り訂正処理部４６により誤
り訂正された再生データからインデックスを分離するイ
ンデックス分離部４７とを備えている。上記誤り訂正処
理部４６は、メモリ４９、Ｃ１デコーダ４６Ａ、Ｃ２デ
コーダ４６Ｂ及びＣ３デコーダ４６Ｃからなる。

【００４７】上記トラッキング制御系５０は、上記記録
再生部３０から回転ドラム３１の回転に応じたＰＧパル
スが供給されるＰＧ検出部５１と、該ＰＧ検出部５１の
検出出力から速度エラーを検出する速度エラー検出部５
２と、上記記録再生部３０の再生出力からＡＴＦ用パイ
ロット信号を検出するパイロット信号検出部５３と、速
度エラー検出部５２とパイロット信号検出部５３の各検
出出力を加算する加算部５４と、該加算部５４の加算出
力に基づいてトラッキングサーボ信号を発生するトラッ
キングサーボ回路５５と、このトラッキングサーボ信号
に基づいて上記記録再生部３０のテープ走行系を制御す
るキャプスタン駆動回路５６とを備えている。

【００４８】上記パイロット信号検出部５３は、図４に
示すように、磁気ヘッドＨｒ１の再生出力を増幅するア
ンプ６１と、該アンプ６１の再生出力から上記ＡＴＦ用
パイロット信号の再生出力を抽出するフィルタ６２と、
該フィルタ６２からのＡＴＦ用パイロット信号の再生出
力のエンベロープを抽出するエンベロープ検波部６３
と、ＡＴＦ用パイロット信号の再生位置を検出する位置
検出部６４と、該位置検出部６４の検出出力に基づいて
ＡＴＦ用パイロット信号のサンプリングタイミングを発
生するサンプリングタイミング部６５とを備えている。
また、このパイロット信号検出部５３は、アナログ／デ
ィジタル変換（以下、Ａ／Ｄ変換）するＡ／Ｄ変換部６
６と、該Ａ／Ｄ変換部６６の出力を保持するメモリ６７
と、該メモリ６７に保持したＡ／Ｄ変換部６６の出力か
らトラッキングエラーを求める減算部６８とを備えてい
る。

【００４９】ところで、このデータストリーマでは、記
録再生時に所定の走行速度で磁気テープ３２を走行させ
るようになっている。この磁気テープの走行速度は、回
転ドラムが１回転する間に磁気テープが記録トラック２
本分走行するようになされている。このような状態でデ
ータの記録を行なうと、図５に示すように、トラック幅
方向にＴｐ分の間隔を有する磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２
によってトラックピッチＴｐ毎に記録トラックＴ_A 、Ｔ
_B が交互に形成される。

【００５０】また、このデータストリーマでは、記録ト
ラックの記録データを記録するメインデータ領域の前後
にマージン領域を設けている。また、このデータストリ
ーマでは、１９５バイトを１ブロックとして１つのメイ
ンデータ領域を６４ブロックに分割し、さらに、１ブロ
ックを同期信号を記録する１バイトの第１区間と、サブ
コードとブロックアドレスを記録する６バイトの第２区
間と、ヘッダパリティを記録する２バイトの第３区間
と、データを記録する１８６バイトの第４区間に分割し
て、各ブロック毎にサブコードとブロックアドレスをデ
ータと共に記録する。

【００５１】上記第４区間に記録する１８６バイトのデ
ータは、図６に示すように、２次元構成の誤り訂正符号
Ｃ２，Ｃ１が付加されている。そして、上記誤り訂正符
号Ｃ１はブロック毎のメインデータに付加されて記録さ
れ、また、上記誤り訂正符号Ｃ２は各トラックの上記メ
インデータ領域の両端部分に２分割されて記録される。

【００５２】また、このデータストリーマでは、２トラ
ックすなわち１２８ブロック分の１フレームとして、４
６トラックすなわち２３フレームを１単位（グループ）
としたエラー訂正用の符号構成を採用し、図７に示すよ
うに、トラック方向に対応するデータ列のエラー訂正符
号Ｃ２をトラックの両側に配置して記録し、トラック幅
方向に対応するデータ列のエラー訂正符号Ｃ３を上記４
６トラックの最終の２トラックに割り当てて記録する。
なお、上記１単位毎に、１連のデータを識別するための
インデックス情報が付加されている。

【００５３】そして、上記サブコードとして、メインデ
ータの区切りを示す区切り情報であるセパレータカウン
ト、記録数を示すレコードカウント、テープフォーマッ
ト上で定義された各領域を示すエリアＩＤ、記録単位の
絶対位置を示すフレーム番号、記録単位数を示すグルー
プカウントやチェクサムなどを記録する。

【００５４】ここで、このデータストリーマでは、テー
プフォーマットとして、図８に示すように、磁気テープ
のローディングとアンローディングを行うための領域と
して、リーダテープに続く先頭領域に物理的なテープ開
始位置（PBOT: Physical Beginning of Tape) から論理
的なテープ開始位置（LBOT: Logical Beginning of Tap
e)までのデバイス領域が規定されており、このデバイス
領域の次にリファレンス領域及びシステム領域が設けら
れている。上記リファレンス領域は、上記システム領域
にシステムログ（履歴情報）を記録する際の物理的な基
準として使用される。そして、上記システム領域の次に
データを記録するためのデータ領域が設けら、このデー
タ領域の次にＥＯＤ（EOD: End of Data) 領域が設けら
ている。

【００５５】以下、このデータストリーマの動作を説明
する。このデータストリーマでは、記録を行なう際に上
記インタフェースコントローラ１０を介して、パーソナ
ルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置
から記録データが供給される。インタフェースコントロ
ーラ１０は、バス１１を介して記録データが供給される
と、該供給された記録データをインデックス付加部２１
とサブコード発生部２２に供給する。

【００５６】上記インデックス付加部２１は、上記イン
タフェースコントローラ１０から記録データが供給され
ると、該供給された記録データに、上述の４６トラック
すなわち２３フレームを単位とする１単位毎に１連の記
録データを識別するためのインデックス情報を付加して
誤り訂正符号生成部２３に供給する。

【００５７】誤り訂正符号生成部２３は、上記インデッ
クス付加部２１から供給された記録データを１単位毎に
上記メモリ４９に一時記憶する。そして、上記Ｃ３エン
コーダ２３Ａは、上記メモリ４９に記憶された１単位毎
の記録データについて、上述のトラック幅方向に対応す
るデータ列のエラー訂正符号Ｃ３を生成し、このエラー
訂正符号Ｃ３を上記１単位４６トラックの最終の２トラ
ックに割り当てる。また、上記Ｃ２エンコーダ２３Ｂ
は、上述のトラック方向に対応するデータ列のエラー訂
正符号Ｃ２を生成し、このエラー訂正符号Ｃ２を２分割
して各トラックの上記記録データ領域の両端部分に割り
当てる。さらに、上記Ｃ１エンコーダ２３Ｃは、上述の
ブロック毎の誤り訂正符号Ｃ１を生成する。

【００５８】一方、上記サブコード発生部２２の第１の
サブコード発生部２２Ａは、上記インタフェースコント
ローラ１０を介して入力された記録データに基づいて、
記録データの区切りを示す区切り情報であるセパレータ
カウントや記録数を示すレコードカウントなどを発生す
る。また、上記第２のサブコード発生部２２Ｂは、テー
プフォーマット上で定義された各領域を示すエリアＩ
Ｄ、フレーム番号、記録単位数を示すグループカウント
やチェクサムなどをブロックアレスとともに自動的に発
生する。さらに、上記システムログ生成部２２Ｃは、上
記テープフォーマットとして規定されている各パーティ
ションＰ１，Ｐ２毎のシステムログ（履歴情報）を生成
する。

【００５９】また、上記サブコード付加部２４は、上記
誤り訂正符号生成部２３により誤り訂正符号Ｃ３，Ｃ
２，Ｃ１が付加された記録データに上記サブコード発生
部２２から供給されるサブコード及びブロックアドレス
を付加する。これにより、上記サブコード及びブロック
アドレスを上述の各ブロックの第２区間に割り付ける。

【００６０】上記ヘッダパリティ付加部２５は、上記サ
ブコード付加部２４により記録データに付加されたサブ
コード及びブロックアドレスについてエラー検出のため
の２バイトパリティを生成し、この２バイトパリティを
上記記録データに付加する。これにより、上記２バイト
パリティを上述の各ブロックの第３区間に割り付ける。

【００６１】上記８／１０変調部２６は、上記ヘッダパ
リティ付加部２５によりヘッダパリティ及びブロックア
ドレスが付加された記録データを１バイト単位で８ビッ
トを１０ビットに変換して、記録する信号の直流レベル
を略々０に保つようにする。

【００６２】また、上記同期信号付加部２７は、上記８
／１０変調部２６により１０ビッドデータに変換された
記録データに１ブロック毎に同期信号を付加する。これ
により、上記同期信号を上述の各ブロックの第１区間に
割り付ける。そして、このように形成した記録データ
を、１トラック分の記録データ毎に、パイロット信号付
加部２８Ａ、２８Ｂに切り換えて供給する。

【００６３】一方、パイロット信号発生部２８Ｃは、Ａ
ＴＦ用パイロット信号を発生してパイロット信号付加部
２８Ａに供給する。このＡＴＦ用パイロット信号の周波
数は、例えば記録データの最高周波数を２６ＭＨｚとし
たときに、この４分の１の６．５ＭＨｚとする。このＡ
ＴＦ用パイロット信号の周波数は、重ね書きをする際に
単に上書きするだけで消去できる程度に高い周波数とな
っている。

【００６４】また、パイロット信号付加部２８Ａは、記
録データにパイロット信号発生部２８ＣからのＡＴＦ用
パイロット信号と、マスクパターンを付加してアンプ２
９Ａを介して磁気ヘッドＨｗ１に供給する。

【００６５】具体的には、パイロット信号付加部２８Ａ
は、図９（ａ）に示すように、期間Ｔ１、Ｔ２の間、ラ
イトイネーブル信号ＷＥＮ１をハイレベルとし、期間Ｔ
３の間、ライトイネーブル信号ＷＥＮ１をローレベルと
する。また、パイロット信号付加部２８Ａは、期間Ｔ１
の間、同期信号付加部２７からの記録データをアンプ２
９Ａに供給し、期間Ｔ２の間、同図（ｂ）に示すパイロ
ット信号発生部２８ＣからのＡＴＦ用パイロット信号を
をアンプ２９Ａに供給し、期間Ｔ３の間は、アンプ２９
Ａに何も供給しない。

【００６６】アンプ２９Ａは、ライトイネーブル信号Ｗ
ＥＮ１がハイレベルである期間Ｔ１、Ｔ２にパイロット
信号付加部２８Ａからの記録データ、ＡＴＦ用パイロッ
ト信号を磁気ヘッドＨｗ１に供給し、ライトイネーブル
信号ＷＥＮ１がローレベルである期間Ｔ３に磁気ヘッド
Ｈｗ１に何も供給しない、これにより、磁気テープ上に
は、記録データが記録された領域と、ＡＴＦ用パイロッ
ト信号が記録された領域と、何も記録されずマスクパタ
ーンが形成される領域とからなる記録トラックが形成さ
れる。

【００６７】一方、パイロット信号付加部２８Ｂは、記
録データにマスクパターンを付加してアンプ２９Ｂを介
して磁気ヘッドＨｗ２に供給する。すなわち、パイロッ
ト信号付加部２８Ｂは、図９（ｃ）に示すように、上述
のライトイネーブル信号ＷＥＮ１と同様のライトイネー
ブル信号ＷＥＮ２を時間τ遅延させてアンプ２９Ａに供
給すると共に、ライトイネーブル信号ＷＥＮ１の期間Ｔ
１に相当するタイミングで、同期信号付加部２７からの
記録データをアンプ２９Ｂに供給し、ライトイネーブル
信号ＷＥＮ１の期間Ｔ２、Ｔ３に相当する期間には、ア
ンプ２９Ｂに何も供給しない。

【００６８】これにより、アンプ２９Ｂは、記録データ
のみを磁気ヘッドＨｒ２に供給し、磁気テープ上には、
記録データが記録された領域と、何も記録されずマスク
パターンが形成される領域とからなる記録トラックが形
成される。

【００６９】記録再生部３０は、上述したように記録再
生時に、回転ドラム３１が一定の回転数で回転するよう
に回転ドラム３１の回転を制御をすると共に、磁気テー
プ３２が回転ドラム３１が１回転する間に記録トラック
２本分走行するように磁気テープ３２の走行を制御す
る。したがって、磁気ヘッドＨｗ１は、磁気テープ３２
上を所定の角度で走査する。また、磁気ヘッドＨｗ２
は、磁気ヘッドＨｗ１からトラック幅方向にトラックピ
ッチＴｐ離れた位置を所定の角度で走査する。この状態
で、各磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２は、上述のようにアン
プ２９Ａ、２９Ｂを介して供給される記録データを磁気
テープ３２に記録する。これにより、磁気テープ３２上
には、記録トラックがトラックピッチＴｐで隣接して形
成される。

【００７０】ここで、パイロット信号付加部２８Ｂは、
上述のように、磁気ヘッドＨｗ２に供給する記録データ
を、パイロット信号付加部２９Ａが磁気ヘッドＨｗ１に
供給する記録データに対してディレイ時間τ遅延させて
出力する。

【００７１】これにより、図１０（ｂ）に示す磁気ヘッ
ドＨｗ２に供給される記録データのマスク区間が同図１
０（ａ）に示す磁気ヘッドＨｗ１に供給される記録デー
タのパイロット区間に相当する。このため、まず磁気ヘ
ッドＨｗ１により３Ｔｐの幅で記録を行なった後に、磁
気ヘッドＨｗ２によりＴｐの幅で記録を行なったとき
に、同図（ｃ）に示すように磁気ヘッドＨｗ１により記
録されたＡＴＦ用パイロット信号が消去されずに残る。

【００７２】次に、磁気ヘッドＨｗ１により記録を行な
うと、同図（ｄ）に示すように新たに記録した記録トラ
ックのマスク区間が前回の記録時のパイロット区間に相
当し、前回記録されたＡＴＦ用パイロット信号が３Ｔｐ
の幅に亘って残る。

【００７３】ここで、磁気ヘッドＨｗ１の幅が３Ｔｐ＋
ｍ（ｍ＜Ｔｐ）である場合、ＡＴＦ用パイロット信号が
３Ｔｐ＋ｍの幅で記録されるが、磁気ヘッドＨｗ２によ
って、続く記録トラックを記録すると、同図（ｅ）に示
すように、ＡＴＦ用パイロット信号の３Ｔｐを越える部
分が上書きされて消去される。

【００７４】ここで、例えば既に記録が行なわれている
磁気テープに上書きして記録を行なう際には、上述の図
１０（ａ）〜同図（ｅ）に示すように、以前に記録した
記録トラックのデータを磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２、Ｈ
ｗ１によって３回上書きして記録トラックＴ_A が記録さ
れ、以前に記録した記録トラックのデータを磁気ヘッド
Ｈｗ１、Ｈｗ２によって２回上書きして記録トラックＴ
_B が記録される。

【００７５】例えば信号周波数が４．３ＭＨｚの記録デ
ータを記録した磁気テープに、２６ＭＨｚのＡＴＦ用パ
イロット信号を１回上書き記録する場合に、記録データ
の記録電流とＡＴＦ用パイロット信号の記録電流の振幅
をそれぞれ４４．７ｍＡから７５．５ｍＡの間で変化さ
せると、上書き前後の記録データのレベルの変化である
消去率は以下の表１に示すように変化する。

【００７６】

【表１】

【００７７】この場合、消去率は、この表１を鳥瞰図と
して表わした図１１に示すように、ＡＴＦ用パイロット
信号の記録電流が高く、記録データの記録電流が低いと
きに最大となり、ＡＴＦ用パイロット信号の記録電流の
減少あるいは記録データの記録電流の増加に従って低下
する。

【００７８】また、記録データを記録した磁気テープ
に、ＡＴＦ用パイロット信号を２回上書き記録する場合
に、上述と同様に記録データの記録電流とＡＴＦ用パイ
ロット信号の記録電流の振幅をそれぞれ４４．７ｍＡか
ら７５．５ｍＡの間で変化させると、消去率は以下の表
２に示すように変化する。

【００７９】

【表２】

【００８０】この場合、消去率は、この表２を鳥瞰図と
して表わした図１２に示すように、上述の図１１と同様
に、ＡＴＦ用パイロット信号の記録電流が高く、記録デ
ータの記録電流が低いときに最大となり、ＡＴＦ用パイ
ロット信号の記録電流の減少あるいは記録データの記録
電流の増加に従って低下する。

【００８１】ここで、１回の上書き記録を行なったとき
の消去率と、２回の上書き記録を行なったときの消去率
とを比較すると、２回の上書き記録を行なったときの消
去率の方が高くなっている。例えば記録データの記録電
流と、ＡＴＦ用パイロット信号の記録電流を共に６０ｍ
Ａとした場合には、１回あるいは２回の上書き記録を行
なったときの消去率は、上述の表１及び表２から、それ
ぞれ１８．４ｄＢ、２９．３ｄＢとなる。

【００８２】このデータストリーマでは、上述したよう
に、以前に記録した記録トラックのデータを少なくとも
２回記録して新たな記録トラックを形成しているため、
以前に記録した記録データを確実に消去することができ
る。

【００８３】これにより、図１３に示すように、磁気テ
ープ上には、トラックピッチＴｐ毎に記録トラックが形
成され、該記録トラック３本に亘るＡＴＦ用パイロット
信号が記録トラック１本分重複して形成される。この記
録トラックは、長さａのマージン領域、長さｂのＡＴＦ
区間、長さｃのデータ区間、長さｄのＡＴＦ区間、長さ
ｅのデータ区間、長さｆのＡＴＦ区間、長さｇのデータ
区間及び長さｈのマージン領域からなる。そして、ＡＴ
Ｆ用パイロット信号は、磁気ヘッドＨｗ１によって記録
された記録トラックのＡＴＦ区間において、磁気ヘッド
Ｈｗ１の前回の走査によって記録されたＡＴＦ用パイロ
ット信号の直前に記録される。

【００８４】したがって、このデータストリーマでは、
記録トラックのトラックピッチＴｐを記録用の磁気ヘッ
ドＨｗ１、Ｈｗ２以下の幅とすることができ、記録密度
を向上させた記録を行なうことができる。

【００８５】なお、上述の説明では、磁気ヘッドＨｗ
１、Ｈｗ２による記録を分離して説明したが、上述の図
２に示すように磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２を隣接して形
成しているため、実際の記録は略同時に行なわれるよう
になっている。

【００８６】また、このデータストリーマでは、上述の
ように記録された磁気テープを再生する際に、上記記録
再生部３０は、回転ドラム３１の回転数が記録時と同じ
になるように回転ドラム３１の回転を制御すると共に、
磁気テープ３２が一定の速度で走行するように磁気テー
プ３２の走行を制御する。これにより、再生用の記録ヘ
ッドＨｒ１、Ｈｒ２が磁気テープ上を傾斜して走査し、
磁気ヘッドＨｒ１、Ｈｒ２は、記録トラックの走査に応
じた再生出力をアンプ４１Ａ、４１Ｂに供給する。

【００８７】このとき、磁気ヘッドＨｒ１の再生出力に
は、再生しようとする記録トラックのＡＴＦ用パイロッ
ト信号の再生出力の他に、前回の走査時に記録したＡＴ
Ｆ用パイロット信号の再生出力が含まれる。これらのＡ
ＴＦ用パイロット信号の再生レベルは、磁気ヘッドＨｒ
１のトラック幅方向の位置に応じて変化する。このた
め、このデータストリーマでは、再生レベルの差からト
ラッキングエラーを求めてトラッキング制御を行なうよ
うになっている。

【００８８】すなわち、例えば図１４に示すように、記
録トラックＴｉを再生するときに、磁気ヘッドＨｒ１が
記録トラックＴｉと、記録トラックＴｉ_-1の一部を走査
した場合、磁気ヘッドＨｒ１の再生出力中には、図１５
（ｂ）に示すように、記録トラックＴｉのＡＴＦ用パイ
ロット信号Ｓｐ２と、記録トラックＴｉ_-2のＡＴＦ用パ
イロット信号とが含まれる。

【００８９】このとき、上記パイロット検出部５３は、
図１５（ａ）に示すように、記録再生部３０から供給さ
れるリードイネーブル信号（ＲＥＮ）がハイレベルとな
ると、アンプ６１によって増幅した磁気ヘッドＨｒ１の
再生出力を、同図（ｂ）に示すように、フィルタ６２に
よって帯域制限した後、上記エンベロープ検波６３、位
置検出部６４に供給する。エンベロープ検波部６３は、
再生出力のエンベロープを検出し、ＡＴＦ用パイロット
信号の再生レベルである同図（ｄ）に示すパイロットエ
ンベロープ信号をＡ／Ｄ変換部６６に供給する。

【００９０】また、位置検出部６４は、記録トラックの
再生出力から、ＡＴＦ用パイロット信号の位置を検出し
て、同図（ｃ）に示す位置検出信号をサンプリングタイ
ミング検出部６５に供給する。サンプリングタイミング
検出部６５は、位置検出部６４からの位置検出信号に基
づいてＡ／Ｄ変換部６６にＡ／Ｄ変換を指示するための
図面（ｅ）に示すパイロットサンプリング信号を発生し
てＡ／Ｄ変換部６６に供給する。

【００９１】Ａ／Ｄ変換部６６は、サンプリングタイミ
ング検出部６５からのパイロットサンプリング信号に同
期して、パイロットエンベロープ信号をＡ／Ｄ変換し、
Ａ／Ｄ変換結果をメモリ６７に供給する。

【００９２】すなわち、Ａ／Ｄ変換部６６は、パイロッ
トサンプリング信号Ｓ１によって、ＡＴＦ用パイロット
信号ＳＰ２のパイロットエンベロープ信号ＴＥ１をＡ／
Ｄ変換してメモリ６７に供給し、パイロットサンプリン
グ信号Ｓ２によって、ＡＴＦ用パイロット信号ＳＰ１の
パイロットエンベロープ信号ＴＥ２をＡ／Ｄ変換してメ
モリ６７に供給する。

【００９３】また、減算部６８は、メモリ６７からパイ
ロットエンベロープ信号ＴＥ１のＡ／Ｄ変換結果とパイ
ロットエンベロープ信号ＴＥ２のＡ／Ｄ変換結果を読み
出し、これらの差を求めてトラッキングエラー信号とし
て加算部５４に供給する。

【００９４】ここで、この加算部５４には、上述のよう
に速度エラー検出部５２から速度エラー信号が供給され
ている。そして、トラッキングサーボ回路５５は、上述
のようにトラッキングエラー信号と速度エラー信号の加
算出力に応じたトラッキングサーボ信号をキャプスタン
駆動回路５６に供給する。キャプスタン駆動回路５６
は、トラッキングサーボ信号に基づいて磁気テープの走
行を制御する。これにより、再生されたＡＴＦ用パイロ
ット信号に基づいてトラッキング制御を行なって、磁気
ヘッドＨｒ１、Ｈｒ２の走査軌跡を記録トラックに一致
させて、記録トラックに記録された記録データを確実に
再生することができる。

【００９５】そして、磁気ヘッドＨｒ１、Ｈｒ２は、こ
のような記録トラックの走査に応じた再生出力をアンプ
４１を介して同期信号検出部４２に供給する。同期信号
検出部４２は、供給される再生出力から同期信号を検出
し、この同期信号に同期したクロックにより再生出力を
２値化し、再生データを生成して８／１０復調部４３に
供給する。

【００９６】また、上記８／１０復調部４３は、上記同
期信号検出部４２からの再生データを１０ビットデータ
から８ビットデータに変換してヘッダパリティチェック
部４４に供給する。ヘッダパリティチェック部４４は、
上述の２バイトのヘッダパリティを用いてサブコード及
びブロックアドレスのパリティチェックを行う。そし
て、サブコード分離部４５は、上記ヘッダパリティチェ
ック部４４によりパリティチェックされた正しいサブコ
ードを再生データから分離して、図示しないシステムコ
ントローラなどに供給し、サブコードを分離した再生デ
ータをメモリ４９に供給する。

【００９７】メモリ４９は、上記４６トラックすなわち
２３フレーム分の再生データを１単位として、上記イン
デックス情報が付加された再生データを１単位毎に一時
記憶する。そして、Ｃ１デコーダ４６Ａは、メモリ４９
に記憶された１単位毎の再生データに基づいて、上述の
各ブロック毎に付加されている誤り訂正符号Ｃ１を用い
て、各ブロックの再生データに誤り訂正処理を施す。

【００９８】また、上記Ｃ２デコーダ４６Ｂは、上記Ｃ
１デコーダ４６Ａにより誤り訂正処理が施された１単位
毎の再生データについて、上述の各トラックの再生デー
タ領域の両端部分に付加されているエラー訂正符号Ｃ２
を用いて、トラック方向に対応するデータ列にエラー訂
正処理を施す。さらに、上記Ｃ３デコーダ４６Ｃは、上
記Ｃ２デコーダ４６Ｂにより誤り訂正処理が施された１
単位毎の再生データについて、上述の１単位４６トラッ
クの最終の２トラックに割り当てられているエラー訂正
符号Ｃ３を用いて、トラック幅方向に対応するデータ列
にエラー訂正処理を施す。

【００９９】インデックス分離部４７は、上述のように
エラー訂正処理部４６によりエラー訂正処理が施された
１単位毎の再生データから、インデックス情報を分離し
て、図示しないシステムコントローラなどに供給し、イ
ンデックス情報を分離し再生データをインターフェース
コントローラ１０に供給する。

【０１００】そして、インターフェースコントローラ１
０は、インデックス分離部４７からの再生データをパー
ソナルコンピュータ、ワークステーション等に送信す
る。

【０１０１】このデータストリーマでは、上述のよう
に、エラー訂正処理部４６において、ブロック毎のエラ
ー訂正符号Ｃ１、トラック毎のエラー訂正符号Ｃ２及び
１単位毎の誤り訂正符号Ｃ３に基づいてエラー訂正処理
を行うことにより、確実に再生データのエラーを訂正す
ることができ、極めて信頼性の高い再生データを得るこ
とができる。

【０１０２】ところで、一般に磁気ヘッドの記録再生特
性は、ヘッドギャップが磁気テープの走行方向に垂直で
あるときに最良となり、ヘッドギャップと走行方向の間
の角度が小さくなるにしたがって劣化する。このため、
上述のように、１対の磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２（Ｈｒ
１、Ｈｒ２）のアジマス角を異ならせた場合、一方の記
録再生特性が特に劣化する。

【０１０３】また、回転ヘッドの作成時の誤差によって
磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２の間の間隔と、磁気ヘッドＨ
ｒ１、Ｈｒ２間の間隔は形成時の誤差により正確には一
致していない。また、異なるデータストリーマによって
記録した磁気テープを再生する場合等にも、機器毎に磁
気ヘッドＨｒ１、Ｈｒ２間の誤差が異なる。したがっ
て、磁気ヘッドＨｒ１を基準としてトラッキング制御を
行なうと、磁気ヘッドＨｒ２は、磁気ヘッドＨｗ２によ
って記録された記録トラックから若干離れた位置を走査
することになり、磁気ヘッドＨｒ２の再生出力が劣化す
ることになる。この磁気ヘッドＨｒ２のアジマス角を磁
気テープの走行方向に対して小さな角度とすると、上述
したように、記録再生特性が劣化するために磁気ヘッド
Ｈｒ２の再生出力のみが著しく劣化する。

【０１０４】このため、このデータストリーマでは、磁
気ヘッドＨｗ１、Ｈｒ１のアジマス角を記録再生特性上
で比較的不利な磁気テープの走行方向に対して小さな角
度としている。これにより、磁気ヘッドＨｒ２の記録再
生特性が比較的有利となる。

【０１０５】したがって、このデータストリーマでは、
記録再生特性が不利なアジマス角を有する磁気ヘッドＨ
ｒ１によってトラッキング制御を行なうことにより、磁
気ヘッドＨｒ２の取り付け位置に若干の誤差があって
も、磁気ヘッドＨｒ２の再生出力の劣化を低減すること
ができる。

【０１０６】ところで、例えば図１６に示すように、記
録用の磁気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２のヘッド幅Ｔｗ、Ｔｎ
を共にトラックピッチＴｐの３倍程度（３Ｔｐ＋ｍ）と
した場合、既に記録を行なった磁気テープにさらに記録
を行なうと、新たな記録の終了位置の記録トラックは、
最後に記録を行なう磁気ヘッドＨｗ２のヘッド幅Ｔｎが
トラックピッチの３倍程度であるため、図１７に示すよ
うに、前回の記録時に形成した記録トラックを２トラッ
ク分程度（２Ｔｐ＋ｍ）上書きして形成される。したが
って、最後の磁気ヘッドＨｗ２の記録により、前回の記
録トラックは、３トラック分侵害される。すなわち、磁
気ヘッドＨｗ１、Ｈｗ２により形成される２トラックを
１フレームとすると、前回の記録トラックが２フレーム
分侵害される。

【０１０７】このような記録を行なった磁気テープを再
生すると、新たに記録した記録データの終了位置から前
回の記録データが再生可能な位置までの間に２フレーム
分の再生不可能な領域が生じる。

【０１０８】これに対し、このデータストリーマでは、
磁気ヘッドＨｗ１のヘッド幅ＴｗをトラックピッチＴｐ
の３倍程度（３Ｔｐ＋ｍ）とし、磁気ヘッドＨｗ２のヘ
ッド幅ＴｎをトラックピッチＴｐの２倍程度（３Ｔｐ＋
ｍ）としている。このデータストリーマを用いて既に記
録を行なった磁気テープにさらに記録を行なう場合、新
たな記録の終了位置の記録トラックは、最後に記録を行
なう磁気ヘッドＨｗ２のヘッド幅Ｔｎがトラックピッチ
の２倍程度であるため、図１８に示すように、前回の記
録時に形成された記録トラックを１トラック分程度（Ｔ
ｐ＋ｍ）上書きして形成される。

【０１０９】したがって、このデータストリーマでは、
前回の記録トラックが侵害される領域を２トラック分と
することができる。これにより、このデータストリーマ
では、新たに記録した記録データの終了位置から前回の
記録データが再生可能な位置までの間の再生不可能な領
域を１フレーム分に低減することができる。このため、
このデータストリーマでは、既に記録を行なった磁気テ
ープにさらに記録を行なう重ね記録あるいはつなぎ記録
を良好に行なうことができる。

【０１１０】これにより、記録データとして例えば音声
データ、映像データ等をリアルタイムで記録再生する場
合には、再生不能領域を低減することにより、再生音
声、再生画像が途切れる時間を減少させることができ
る。

【０１１１】ここで、上述の磁気ヘッドＨｗ２のヘッド
幅Ｔｎは、トラックピッチの２倍程度（２Ｔｐ＋ｍ）以
上であれば、先行する磁気ヘッドＨｗ１により形成され
た記録トラックのトラックピッチＴｐを越える部分を上
書きすることができる。

【０１１２】また、磁気ヘッドＨｗ２のヘッド幅Ｔｎ
は、３Ｔｐ以下であれば前回の記録トラックを侵害する
領域を１フレームとすることができるため、トラック曲
がりあるいはトラック傾斜角の変動等を考慮して、３Ｔ
ｐを越えない幅とすればよい。

【０１１３】なお、本発明は上述の実施例では、本発明
をデータストリーマに適用した場合について説明した
が、本発明の適用対象は、回転ヘッドを用いてディジタ
ルデータを磁気テープに記録する記録装置であれは、映
像をディジタル的に記録再生するディジタルビデオテー
プレコーダあるい音声をディジタル的に記録再生するは
ディジタルオーディオテープレコーダ等でもよい。

【０１１４】その他、先行ヘッドよりヘッド幅の小さい
後行ヘッドを用いてヘッド幅より小さいトラックピッチ
でデータの記録を行なうという本発明の技術的思想を逸
脱しない範囲であれば適宜変更することができる。

【０１１５】

【発明の効果】本発明に係る記録装置及び記録方法で
は、既に記録を行なった磁気テープにさらに上書きして
記録を行なう場合に、以前に記録した記録データを少な
くとも２回上書きして新たな記録トラックを形成するこ
とができるため、以前に記録した記録データを確実に消
去することができる。

【０１１６】また、この記録装置及び記録方法では、磁
気テープの再生に影響を与えずにパイロット信号の周波
数を高くすることができ、既に記録を行なった磁気テー
プに上書き記録を行なう際に、単に上書き記録するだけ
で、以前に記録したパイロット信号を消去することがで
きる。

【０１１７】また、この記録装置及び記録方法では、既
に記録を行なった磁気テープにさらに上書きして記録を
行なう場合に、前回の記録時に記録した記録トラックの
上書き量を低減することができる。このため、新たな記
録の終了位置から、前回の記録時に記録された記録トラ
ックの内の再生可能な領域までの間の再生不可能な領域
を低減させることができ、重ね書き記録を良好に行なう
ことができる。

【０１１８】また、本発明に係る記録装置では、パイロ
ット信号の記録を行なう第１の磁気ヘッドのアジマス角
を記録再生特性上で比較的不利な磁気テープの走行方向
に対して小さな角度とすることにより、第２の磁気ヘッ
ドにより記録した記録トラックを再生する磁気ヘッドの
再生特性を比較的有利とすることができ、取り付け誤差
等によりこの磁気ヘッドの走査軌跡が第２の磁気ヘッド
から若干ずれても再生出力の劣化を低減することができ
る。これにより、再生の確実性を向上させた記録を行な
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る記録装置及び記録方法をデータス
トリーマに適用した実施例のデータストリーマの構成を
示すブロック図である。

【図２】上記データストリーマを構成する回転ドラム上
に設けられた磁気ヘッドの具体的な配置を示す拡大斜視
図である。

【図３】上記データストリーマを構成するパイロット信
号付加部の具体的な構成を示すブロック図である。

【図４】上記データストリーマを構成するパイロット信
号検出部の具体的な構成を示すブロック図である。

【図５】上記データストリーマにより磁気テープに記録
するデータの１トラック分のデータ構成を示す図であ
る。

【図６】上記データストリーマにより磁気テープに記録
するデータの１単位４６トラック分のデータ構成を示す
図である。

【図７】上記データストリーマにより磁気テープに記録
するデータの１単位４６トラック分のデータ構成を示す
図である。

【図８】上記データストリーマによりデータを記録する
磁気テープのテープフォーマットを示す図である。

【図９】上記データストリーマの記録動作を説明するた
めの図である。

【図１０】上記データストリーマの記録動作を説明する
ための図である。

【図１１】記録データとパイロット信号の記録電流を変
化させて、記録データが記録された磁気テープにパイロ
ット信号を１回上書き記録した際の消去率を示すグラフ
である。

【図１２】記録データとパイロット信号の記録電流を変
化させて、記録データが記録された磁気テープにパイロ
ット信号を２回上書き記録した際の消去率を示すグラフ
である。

【図１３】上記データストリーマによりデータを記録す
る磁気テープのトラックフォーマットを示す図である。

【図１４】上記データストリーマの再生動作を説明する
ための図である。

【図１５】上記データストリーマの再生動作を説明する
ための図である。

【図１６】従来のデータストリーマを構成する回転ドラ
ムに設けられた磁気ヘッドの具体的な配置を示す拡大斜
視図である。

【図１７】上記従来のデータストリーマにより重ね書き
記録を行なった磁気テープの記録フォーマットを示す図
である。

【図１８】上記実施例のデータストリーマにより重ね書
き記録を行なった磁気テープの記録フォーマットを示す
図である。

【符号の説明】

２０記録データ処理系２８、２８Ａ、２８Ｂパイロット信号付加部２８Ｃパイロット信号発生部２９、２９Ａ、２９Ｂアンプ３０記録再生部３１回転ドラム５０トラッキング制御系Ｈｗ１、Ｈｗ２磁気ヘッド

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転ドラムの周縁に設けられ、トラック
ピッチの３倍以上ののヘッド幅を有する第１の磁気ヘッ
ドと、該第１の磁気ヘッドと異なるアジマス角を有し、回転ド
ラムの周縁の上記第１の磁気ヘッドからトラック幅方向
にトラックピッチ分離れた位置に設けられ、トラックピ
ッチの２倍から３倍までのヘッド幅を有する第２の磁気
ヘッドと、上記第１の磁気ヘッドにより、トラッキング制御を行な
うためのパイロット信号と、前回の記録時に第１の磁気
ヘッドでパイロット信号を記録した位置に対応するマス
クパターンと、記録データとを記録し、上記第２の磁気
ヘッドにより、上記第１の磁気ヘッドで新たにパイロッ
ト信号を記録した位置に対応するマスクパターンと、記
録データとを記録する記録制御手段と、記録制御手段が上記第１及び第２の磁気ヘッドによって
各１回の記録を行なう間に磁気テープを上記トラックピ
ッチの２倍に相当する距離走行させる走行制御手段とを
有する記録装置。
【請求項２】前記第１の磁気ヘッドのヘッドギャップ
と磁気テープの走行方向との間の角度が、前記第２の磁
気ヘッドのヘッドギャップと磁気テープの走行方向との
間の角度より小さくなるようにしたことを特徴とする請
求項１に記載の記録装置。
【請求項３】回転ドラムの周縁に設けられ、トラック
ピッチの３倍以上ののヘッド幅を有する第１の磁気ヘッ
ドにより、トラッキング制御を行なうためのパイロット
信号と、前回の記録時に第１の磁気ヘッドによりパイロ
ット信号を記録した位置に対応するマスクパターンと、
記録データとを記録し、第１の磁気ヘッドと異なるアジマス角を有し、回転ドラ
ムの周縁の上記第１の磁気ヘッドからトラック幅方向に
トラックピッチ分離れた位置に設けられた位置に設けら
れ、トラックピッチの２倍から３倍までのヘッド幅を有
する第２の磁気ヘッドにより、上記第１の磁気ヘッドに
より新たにパイロット信号を記録した位置に対応するマ
スクパターンと、記録データとを記録し、上記第１及び第２の磁気ヘッドによって各１回の記録を
行なう間に磁気テープを上記トラックピッチの２倍に相
当する距離走行させる記録方法。