JPH08314070A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レンズ付きフイルムユニットの更なる薄形化
を達成する。 【構成】 後カバー７に、パトローネ２５の外形に倣っ
て突出した突出部２８と、写真フイルム２６のロール形
態に倣って突出した突出部２９とを形成し、写真フイル
ム２６とパトローネ２５が一部入り込むようにして、パ
トローネ室２２とフイルム室２３とを覆っている部分を
除いて薄形化している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、全体的な厚みをパトロ
ーネの外径以下にしたレンズ付きフイルムユニットに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】「写ルンですＨｉ」，「写ルンですフラ
ッシュ」，（いずれも商品名）等のレンズ付きフイルム
ユニットは、購入したその場ですぐに写真撮影ができ、
また撮影後にもそのまま現像取り扱い店に出せばよいと
いう手軽さから一般に広く利用されている。よく知られ
るように、レンズ付きフイルムユニットには１３５フイ
ルム用のパトローネが組み込まれており、撮影を行うご
とに露光済みのフイルムをパトローネを巻き込むように
している。したがって、レンズ付きフイルムユニットを
コンパクト化しようとする際にはパトローネの外径が制
約となり、これまではレンズ付きフイルムユニットの全
体的な厚みをパトローネの外径以下にすることができな
かった。

【０００３】ところが、最近ではレンズ付きフイルムユ
ニットの全体的な厚みをパトローネの外径以下にした薄
型タイプのものが種々試みられている。例えば、パトロ
ーネをスペース効率よく収納するために、ユニット本体
の平坦な前面の一部にパトローネの外形に倣って半円筒
状に突出させた隆起部と、焦点距離に対応した位置に組
み込んだ撮影レンズの周囲を覆うための隆起部とを形成
し、ユニット本体を全体的にパトローネの外径以下の厚
みにした「写ルンですスーパー８００」（商品名）が本
出願人から販売されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したものでは、従
来のものと比較して外観的にかなりの薄型化が達成さ
れ、携帯性を改善することができたとは言え、例えば気
軽にポケットに入れ携帯できるようにするには未だコン
パクト化が不足しており、更に薄形でコンパクトな外観
形状のレンズ付きフイルムユニットが望まれていた。

【０００５】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、従来のものよりも更に全体的に薄形化して
コンパクト化と個性的な外観を得られるようにしたレン
ズ付きフイルムユニットを提供することを目的とするも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項１記載の発明では、後カバーでパトローネ
の一部を収納するために、後カバーの一部をパトローネ
の外形に倣って突出させるようにしたものである。請求
項２記載の発明では、後カバーで写真フイルムの一部を
収納するために、後カバーの一部を写真フイルムのロー
ル形に倣って突出させたものである。請求項３記載の発
明では、前カバーの一部をフイルム室に倣って突出させ
たものである。ユニット本体を全体的に薄形化すること
ができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図３は、本発明を実施したレンズ付きフイルムユ
ニットを前方から見た斜視図を示すもので、図２は、図
３で示すレンズ付きフイルムユニットを後方から見た斜
視図を示すものであり、図１は、図３，図２で示された
ユニット本体を破断して上面から見た平面図である。

【０００８】図３に示すように、レンズ付きフイルムユ
ニット２は、ユニット本体３とその表面中央を帯状に覆
っている紙箱４とで構成されている。このユニット本体
３は、本体基部５とその前後を覆うように取り付けられ
た前カバー６と後カバー７とから構成されている。

【０００９】前カバー６の前面中央には、撮影レンズ１
２と撮影機構を含めて覆うために突出された突出部１４
が形成されており、紙箱４の各部に設けた開口からファ
インダ１１とともに露呈している。前カバー６の左側に
は、前カバー６の前面から突出したグリップ部１５が形
成されており、他方にはストロボ発光部１８が露呈して
いる。このグリップ部１５は、後述するパトローネ室１
７の外形に倣って半円筒形に突出したもので、撮影時に
はグリップとして使用される。

【００１０】図１に示すように、本体基部５の中央に設
けた露光室１９には、撮影レンズ１２と撮影機構とが組
み付けられており、この両側にはパトローネ室２２とフ
イルム室２３とが形成されており、パトローネ室２３に
パトローネ２５を収納され、パトローネ２５から引き出
された写真フイルム２６はロール形態にしてフイルム室
２３に収納されている。

【００１１】このパトローネ２５と写真フイルム２６と
からなる写真フイルムパトローネは、米国特許第４８３
２２７５号明細書等に記載されているように、スプール
２５ａを回転することで写真フイルム２６を外部に送り
出せるようにした構造である。こうした写真フイルムパ
トローネは現像所に提出されると、写真フイルムがスプ
ールの回転を利用して送り出される。そして、現像及び
焼付処理後、スプール２５ａを回転して写真フイルム２
６をパトローネ２５に巻き取り収納した状態でユーザー
に返却されるもので、写真フイルム２６の先端に強い巻
き癖がついてしまうと写真フイルム２６の先端がパトロ
ーネ２５の内部で引っ掛かって送り出しが不能になって
しまう。したがって、そうならないように、写真フイル
ム２６の先端のフイルム巻き芯部２１は径ｄ＝１１ｍｍ
以上にされており、この場合のフイルム室２３は径Ｄ＝
１８．６ｍｍとなっている。

【００１２】後カバー７は、パトローネ２５と写真フイ
ルム２６とをそれぞれ収納したパトローネ室２２とフイ
ルム室２３とを覆うように、本体基部５の背後から取り
付けられている。後カバー７の中央には、撮影レンズ１
２の収差に対応して、本体基部５のアパーチャ３１に対
応する部分がＲ１＝８０ｍｍの円弧で形成されたフイル
ム支持面３２が形成されている。フイルム支持面３２の
両側には凸部３２ａ，３２ｂが形成されており、フイル
ム支持面３２と凸部３２ａ，３２ｂとの凹凸によって、
写真フイルム２６のテンションが張られるようになって
いる。写真フイルム２６には８０〜９０ｇ重の引張荷重
がかかるため、フイルム支持面３２上の写真フイルム２
６は平面性が保たれるようになっている。

【００１３】図２にも示しているように、後カバー７の
うち、パトローネ室２２を覆っている部分には、パトロ
ーネ２５の外形に倣って半円筒状に突出した突出部２８
が形成されており、この突出部２８にはパトローネ２５
が一部入り込んでいる。また、フイルム室２３を覆って
いる部分には、写真フイルム２６のロール形態に倣って
半円筒状に突出した突出部２９が形成されており、この
突出部２９には写真フイルム２６が一部入り込んでい
る。

【００１４】突出部２９は、写真フイルム２６の巻き取
りがスムーズに行われるように円弧状に突出されて曲面
で構成されている。この突出部２９の曲面はＲ２＝１０
ｍｍで形成されている。

【００１５】このような構成の作用について説明する。
本発明のレンズ付きフイルムユニット２では、後カバー
７の背面に形成した突出部２８，２９にパトローネ２
５，写真フイルム２６の一部を入り込ませているので、
従来のパトローネの外形に倣って前カバーの一部を突出
したレンズ付きフイルムユニットと比較して薄形化が達
成されている。また、それに伴って携帯性も向上し、視
覚的にも大幅にコンパクトになった印象を与えることが
でき、個性的な外観形状を得ることができる。このレン
ズ付きフイルムユニットで撮影する際に、前述したグリ
ップ部１５と突出部２８，２９とを併用して保持する
と、撮影時の安定感が大幅に向上する。

【００１６】なお、本実施例では、後カバー７のフイル
ム室２３を覆っている部分とパトローネ室２２を覆って
いる部分とに突出部２８，２９をそれぞれ形成している
が、パトローネ室２２を覆っている部分のみに形成する
ようにしてもよい。また、図４で示しているように、フ
イルム室２３の外形に倣って前カバー５を前方に突出し
て突出部５０を形成してフイルム室の一部が入り込むよ
うにし、ユニット本体３の全体を更に薄形化してもよ
い。また、各突出部は半円筒形に限られるものではな
く、直方体形等でもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、本発明のレンズ付きフイ
ルムユニットによれば、後カバーの一部をパトローネの
外形に倣って突出させて、後カバーでパトローネの一部
を収納するようにしたので、従来のものと比較して、パ
トローネを収納している部分を除いて全体的に薄形な形
状となり、携帯性が向上するとともに視覚的に大幅にコ
ンパクトになった印象を与えることができ、個性的な外
観形状を得られることから、他のレンズ付きフイルムユ
ニットとの差別化を図ることができる。また、この突出
部を保持することで良好にグリップ感を得ることがで
き、撮影時の安定感が増す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
を示す要部断面図である。

【図２】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
を示す背面側斜視図である。

【図３】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
を示す前面側斜視図である。

【図４】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
の他の例を示す前面側斜視図である。

【符号の説明】

２ レンズ付きフイルムユニット ３ ユニット本体 ４ 紙箱 ５ 本体基部 ６ 前カバー ７ 後カバー １５ グリップ部 ２２ パトローネ室 ２３ フイルム室 ２５ パトローネ ２６ 写真フイルム ２８，２９ 突出部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影レンズ及びシャッタ機構を挟んでパ
   トローネ室及びフイルム室とを形成した本体基部と、こ
   の本体基部の前面を覆うように取り付けられ、その一部
   が前記パトローネ室の外形に倣って突出した前カバー
   と、本体基部の背後に、パトローネとロール状の写真フ
   イルムをそれぞれ収納した前記パトローネ室とフイルム
   室とを覆うように取り付けられる後カバーとで構成した
   レンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記後カバーで前記パトローネの一部を収納するため
   に、前記後カバーの一部を前記パトローネの外形に倣っ
   て突出させたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニ
   ット。
2. 【請求項２】 前記後カバーで前記写真フイルムの一部
   を収納するために、前記後カバーの一部を写真フイルム
   のロール形に倣って突出させたことを特徴とする請求項
   １記載のレンズ付きフイルムユニット。
3. 【請求項３】 前記前カバーの一部を前記フイルム室に
   倣って突出させたことを特徴とする請求項１又は２記載
   のレンズ付きフイルムユニット。