JPH08313923A - 液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子Info
- Publication number
- JPH08313923A JPH08313923A JP23307095A JP23307095A JPH08313923A JP H08313923 A JPH08313923 A JP H08313923A JP 23307095 A JP23307095 A JP 23307095A JP 23307095 A JP23307095 A JP 23307095A JP H08313923 A JPH08313923 A JP H08313923A
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- Japan
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- liquid crystal
- comb
- electrode
- shaped wall
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低駆動電圧で動作し、しかも十分なコントラ
ストを得ることができる液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 互いに対向する2枚の基板1、5と、一
方の基板1面上に形成された縦方向配線および横方向配
線により規定される複数の画素の各々に、主面が前記2
枚の基板1、5面と直交し、かつ隣接する主面が互いに
対極11、12をなすように設けられた櫛型壁電極10
と、前記2枚の基板間に設けられた櫛型壁電極の間隙に
充填された液晶とを有する。
ストを得ることができる液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 互いに対向する2枚の基板1、5と、一
方の基板1面上に形成された縦方向配線および横方向配
線により規定される複数の画素の各々に、主面が前記2
枚の基板1、5面と直交し、かつ隣接する主面が互いに
対極11、12をなすように設けられた櫛型壁電極10
と、前記2枚の基板間に設けられた櫛型壁電極の間隙に
充填された液晶とを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、パーソナルコンピュー
ターの表示、カーナビゲーションなどの表示、家庭用お
よび携帯用マルチメディアの表示などあらゆる表示端末
への応用が今後よりいっそう拡大すると予想されてい
る。
ターの表示、カーナビゲーションなどの表示、家庭用お
よび携帯用マルチメディアの表示などあらゆる表示端末
への応用が今後よりいっそう拡大すると予想されてい
る。
【0003】これまで開発されている反射型液晶表示素
子は低消費電力であるが、偏光板のために表示画面が暗
く、コントラストも十分ではない。バックライト方式の
透過型液晶表示素子は、バックライトの光を液晶のシャ
ッターで制御して画像を構成するが、偏光板による光量
の減少を補うために大電力を消費して初期光量を大きく
する。このため携帯用の機器では大きな電池を搭載する
必要があり、このような用途には適さない。
子は低消費電力であるが、偏光板のために表示画面が暗
く、コントラストも十分ではない。バックライト方式の
透過型液晶表示素子は、バックライトの光を液晶のシャ
ッターで制御して画像を構成するが、偏光板による光量
の減少を補うために大電力を消費して初期光量を大きく
する。このため携帯用の機器では大きな電池を搭載する
必要があり、このような用途には適さない。
【0004】一方、液晶に2色性色素を添加し、液晶の
配列により2色性色素の配列を制御するいわゆるゲスト
・ホスト方式の液晶表示素子では、偏光板を不要にでき
る。しかし、この方式ではコントラストを上げるために
液晶層がある程度厚い必要があるので、印加電圧を高く
しなければならない。2色性色素の性能を補うためにホ
ストにカイラルネマティック液晶を用い、そのコレステ
リック・ネマティック相転移を利用するホワイト−テー
ラー型のゲスト・ホスト方式の液晶表示素子でも、全く
同様な問題を有する。
配列により2色性色素の配列を制御するいわゆるゲスト
・ホスト方式の液晶表示素子では、偏光板を不要にでき
る。しかし、この方式ではコントラストを上げるために
液晶層がある程度厚い必要があるので、印加電圧を高く
しなければならない。2色性色素の性能を補うためにホ
ストにカイラルネマティック液晶を用い、そのコレステ
リック・ネマティック相転移を利用するホワイト−テー
ラー型のゲスト・ホスト方式の液晶表示素子でも、全く
同様な問題を有する。
【0005】さらに、液晶分子が高分子材料中に分散さ
れてなる高分子分散型液晶表示素子(PDLC)も偏光
板が不要であるが、やはり十分なコントラストを得るた
めに液晶層厚を厚くすると、印加電圧も大きくしなけれ
ばならない。
れてなる高分子分散型液晶表示素子(PDLC)も偏光
板が不要であるが、やはり十分なコントラストを得るた
めに液晶層厚を厚くすると、印加電圧も大きくしなけれ
ばならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたものであり、低駆動電圧で動作
し、しかも十分なコントラストを得ることができる液晶
表示素子を提供することを目的とする。
解決するためになされたものであり、低駆動電圧で動作
し、しかも十分なコントラストを得ることができる液晶
表示素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、互いに対向する2枚の基板と、これら基板面上に形
成された縦方向配線および横方向配線により規定される
複数の画素の各々に対応して形成された複数の素電極を
有し各素電極の主面が前記2枚の基板面と略直交し、か
つ隣り合う素電極の主面が互いに対極をなす櫛型壁電極
と、前記2枚の基板間に設けられた櫛型壁電極の間隙に
充填された液晶とを具備したことを特徴とするものであ
る。
は、互いに対向する2枚の基板と、これら基板面上に形
成された縦方向配線および横方向配線により規定される
複数の画素の各々に対応して形成された複数の素電極を
有し各素電極の主面が前記2枚の基板面と略直交し、か
つ隣り合う素電極の主面が互いに対極をなす櫛型壁電極
と、前記2枚の基板間に設けられた櫛型壁電極の間隙に
充填された液晶とを具備したことを特徴とするものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
する。
【0009】本発明の液晶表示素子の原理を図1を参照
して説明する。図1は1つの画素上に形成された櫛型壁
電極の一部を示す斜視図である。画素100は、互いに
対向する2枚の基板(図示せず)のうち一方の基板面上
に形成された縦方向配線および横方向配線によって規定
される複数の画素のうちの1つである。各々の画素に対
応して薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜ダイオード
(TFD、MIM素子)などの能動素子(図示せず)が
設けられている。図1に示した矢印は画素に対する法線
方向を示し、人はこの矢印の先端方向からディスプレイ
を見る。各々の画素内には、主面が2枚の基板面と略直
交し、かつ隣接する主面が互いに対極をなすように、そ
れぞれ複数の壁状の素電極11および素電極12が交互
に配置され、かつこれらが1つおきに接続部で結合され
て櫛型をなす櫛型壁電極10が設けられる。素電極1
1、12は、例えば高さ15μm、幅2μmで、隣接す
るもの同士の間隔が5μmというパターンに形成され
る。100μm角の画素に上記のようなディメンション
で櫛型壁電極10を設ける場合、画素内に合計15本の
素電極11、12が形成されることになる。さらに、2
枚の基板間に設けられた櫛型壁電極10の間隙には液晶
13が充填される。なお、本発明の液晶表示素子におい
て、素電極11、12間を1つおきに結合する接続部に
ついては壁状であってもなくてもかまわない。
して説明する。図1は1つの画素上に形成された櫛型壁
電極の一部を示す斜視図である。画素100は、互いに
対向する2枚の基板(図示せず)のうち一方の基板面上
に形成された縦方向配線および横方向配線によって規定
される複数の画素のうちの1つである。各々の画素に対
応して薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜ダイオード
(TFD、MIM素子)などの能動素子(図示せず)が
設けられている。図1に示した矢印は画素に対する法線
方向を示し、人はこの矢印の先端方向からディスプレイ
を見る。各々の画素内には、主面が2枚の基板面と略直
交し、かつ隣接する主面が互いに対極をなすように、そ
れぞれ複数の壁状の素電極11および素電極12が交互
に配置され、かつこれらが1つおきに接続部で結合され
て櫛型をなす櫛型壁電極10が設けられる。素電極1
1、12は、例えば高さ15μm、幅2μmで、隣接す
るもの同士の間隔が5μmというパターンに形成され
る。100μm角の画素に上記のようなディメンション
で櫛型壁電極10を設ける場合、画素内に合計15本の
素電極11、12が形成されることになる。さらに、2
枚の基板間に設けられた櫛型壁電極10の間隙には液晶
13が充填される。なお、本発明の液晶表示素子におい
て、素電極11、12間を1つおきに結合する接続部に
ついては壁状であってもなくてもかまわない。
【0010】この液晶表示素子では、対極の一方の電極
となる素電極11は能動素子に接続され、対極の他方の
電極となる素電極12は例えば対向基板に形成された共
通電極に接続される。すなわち、電圧印加時にはこれら
の対極をなす素電極11、12がそれぞれ従来の液晶表
示素子の画素電極および共通電極に対応するものとして
機能する。ここで、能動素子は基板面上に形成された縦
方向配線および横方向配線、具体的には例えばゲート線
(走査線)と信号線を通じて制御が行なわれる。なお、
能動素子の構造を改良して一方の基板側からのみ櫛型壁
電極の素電極11、12に電圧を印加し、対向する基板
上の共通電極をなくしてもよい。そして、櫛型壁電極1
0の素電極11と素電極12に印加する電圧のオン・オ
フを制御してこれらの間に充填された液晶分子の配向を
制御することにより表示が可能になる。
となる素電極11は能動素子に接続され、対極の他方の
電極となる素電極12は例えば対向基板に形成された共
通電極に接続される。すなわち、電圧印加時にはこれら
の対極をなす素電極11、12がそれぞれ従来の液晶表
示素子の画素電極および共通電極に対応するものとして
機能する。ここで、能動素子は基板面上に形成された縦
方向配線および横方向配線、具体的には例えばゲート線
(走査線)と信号線を通じて制御が行なわれる。なお、
能動素子の構造を改良して一方の基板側からのみ櫛型壁
電極の素電極11、12に電圧を印加し、対向する基板
上の共通電極をなくしてもよい。そして、櫛型壁電極1
0の素電極11と素電極12に印加する電圧のオン・オ
フを制御してこれらの間に充填された液晶分子の配向を
制御することにより表示が可能になる。
【0011】本発明の液晶表示素子では、櫛型壁電極が
上述したディメンションを有し、櫛型壁電極に5Vの対
極間電圧を印加する場合を想定すると、セルギャップ1
5μmの液晶セルに106 V/mの電界強度を与えるこ
とができる。したがって、低電圧駆動で十分なコントラ
ストを得ることができる。また、櫛型壁電極は液晶セル
を構成する際にスペーサーの機能を果たすのでスペーサ
ー散布工程を不要にするとともに、スペーサーを用いる
場合よりもセルギャップの精度を上げることができる。
しかも、画素内にスペーサーがないので、スペーサーに
基づく画像欠陥をなくすことができる。
上述したディメンションを有し、櫛型壁電極に5Vの対
極間電圧を印加する場合を想定すると、セルギャップ1
5μmの液晶セルに106 V/mの電界強度を与えるこ
とができる。したがって、低電圧駆動で十分なコントラ
ストを得ることができる。また、櫛型壁電極は液晶セル
を構成する際にスペーサーの機能を果たすのでスペーサ
ー散布工程を不要にするとともに、スペーサーを用いる
場合よりもセルギャップの精度を上げることができる。
しかも、画素内にスペーサーがないので、スペーサーに
基づく画像欠陥をなくすことができる。
【0012】本発明において、櫛型壁電極の材料として
は、不純物をドープしたシリコンなどの半導体;Al、
Cu、Niなどの金属もしくは合金;ITOなどの透明
導電性酸化膜;導電性ポリマーなどを用いることができ
る。
は、不純物をドープしたシリコンなどの半導体;Al、
Cu、Niなどの金属もしくは合金;ITOなどの透明
導電性酸化膜;導電性ポリマーなどを用いることができ
る。
【0013】櫛型壁電極を形成するには、例えば不純物
をドープしたシリコン層をレジストをマスクとして反応
性イオンエッチング(RIE)によりエッチングしてト
レンチを掘る技術を利用することができる。このように
RIE処理を施せば、異方性エッチングの方向性によ
り、液晶に対してある程度の配向規制力を及ぼすことが
期待できる。このRIEの際に、櫛型壁電極の主面に2
枚の基板面と略直交する方向に沿って複数の溝を形成
し、溝によって液晶に対して配向規制力を及ぼすように
してもよい。このような溝の形状は特に限定されず、溝
の断面は、例えば角型でも三角形でも波型でもよい。
をドープしたシリコン層をレジストをマスクとして反応
性イオンエッチング(RIE)によりエッチングしてト
レンチを掘る技術を利用することができる。このように
RIE処理を施せば、異方性エッチングの方向性によ
り、液晶に対してある程度の配向規制力を及ぼすことが
期待できる。このRIEの際に、櫛型壁電極の主面に2
枚の基板面と略直交する方向に沿って複数の溝を形成
し、溝によって液晶に対して配向規制力を及ぼすように
してもよい。このような溝の形状は特に限定されず、溝
の断面は、例えば角型でも三角形でも波型でもよい。
【0014】また、櫛型壁電極を形成するには、感光性
を付与した導電性ポリマーまたは導電材料を混入した感
光性ポリマーを所定のマスクを介して感光した後、現像
する方法を用いることもできる。このほか、後に詳述す
るように、シリコンブロックをKOH溶液を使用して異
方性エッチングする方法を用いてもよい。さらに、基板
上にめっき電極となる下地金属を形成し、その上に厚膜
レジストを塗布し、厚膜レジストに櫛型壁電極に対応す
るパターンの開孔を形成し、電気めっき法により厚膜レ
ジストの開孔中に金属を成長させた後、厚膜レジストお
よび不要な下地金属を除去する方法を用いてもよい。ま
た、LIGA(Lithographie Galva
noformung Abformung)プロセスを
利用してもよい。
を付与した導電性ポリマーまたは導電材料を混入した感
光性ポリマーを所定のマスクを介して感光した後、現像
する方法を用いることもできる。このほか、後に詳述す
るように、シリコンブロックをKOH溶液を使用して異
方性エッチングする方法を用いてもよい。さらに、基板
上にめっき電極となる下地金属を形成し、その上に厚膜
レジストを塗布し、厚膜レジストに櫛型壁電極に対応す
るパターンの開孔を形成し、電気めっき法により厚膜レ
ジストの開孔中に金属を成長させた後、厚膜レジストお
よび不要な下地金属を除去する方法を用いてもよい。ま
た、LIGA(Lithographie Galva
noformung Abformung)プロセスを
利用してもよい。
【0015】本発明の液晶表示素子において、液晶材料
としては、偏光板を不要にできるという観点から、ゲス
ト・ホスト型液晶、または高分子分散型液晶やポリマー
ネットワーク液晶(自己支持型液晶)を用いることが好
ましい。
としては、偏光板を不要にできるという観点から、ゲス
ト・ホスト型液晶、または高分子分散型液晶やポリマー
ネットワーク液晶(自己支持型液晶)を用いることが好
ましい。
【0016】まず、ゲスト・ホスト型液晶を用いる場合
について説明する。例えば、液晶として負の誘電異方性
を示すn型液晶を用い、これに対して分子の長軸方向で
偏光の吸収が大きいp型2色性色素を添加し、上述した
ようにRIEにより溝を形成した櫛型壁電極を用いるこ
とが好ましい。この場合、液晶分子に櫛型壁電極の溝に
よる規制力がそれほど働かない程度の液晶配向規制力を
電極の溝に付与しておくと、電圧無印加時には液晶分子
も色素分子もランダムな方向を向いているため、画面上
で色素分子の色を認識できる。一方、電圧印加時には液
晶分子は溝に沿って電極に平行すなわち画面に垂直に配
列し、色素分子もそれにならって画面に垂直に配列し分
子の長軸方向が画面に垂直に配向するので、色素分子の
色が見えなくなる。
について説明する。例えば、液晶として負の誘電異方性
を示すn型液晶を用い、これに対して分子の長軸方向で
偏光の吸収が大きいp型2色性色素を添加し、上述した
ようにRIEにより溝を形成した櫛型壁電極を用いるこ
とが好ましい。この場合、液晶分子に櫛型壁電極の溝に
よる規制力がそれほど働かない程度の液晶配向規制力を
電極の溝に付与しておくと、電圧無印加時には液晶分子
も色素分子もランダムな方向を向いているため、画面上
で色素分子の色を認識できる。一方、電圧印加時には液
晶分子は溝に沿って電極に平行すなわち画面に垂直に配
列し、色素分子もそれにならって画面に垂直に配列し分
子の長軸方向が画面に垂直に配向するので、色素分子の
色が見えなくなる。
【0017】また、液晶として正の誘電異方性を示すp
型液晶を用い、これに対して分子の短軸方向で偏光の吸
収が大きいn型2色性色素を添加し、溝のない櫛型壁電
極を用いてもよい。この場合、電圧無印加時には液晶分
子も色素分子もランダムな方向を向いているため、画面
上で色素分子の色を認識できる。一方、電圧印加時には
液晶分子は電極に垂直すなわち画面に平行に配列し、色
素分子もそれにならって平行に配列し分子の短軸方向が
画面に垂直に配向するため、色素分子の色が見えなくな
る。
型液晶を用い、これに対して分子の短軸方向で偏光の吸
収が大きいn型2色性色素を添加し、溝のない櫛型壁電
極を用いてもよい。この場合、電圧無印加時には液晶分
子も色素分子もランダムな方向を向いているため、画面
上で色素分子の色を認識できる。一方、電圧印加時には
液晶分子は電極に垂直すなわち画面に平行に配列し、色
素分子もそれにならって平行に配列し分子の短軸方向が
画面に垂直に配向するため、色素分子の色が見えなくな
る。
【0018】さらに、液晶として正の誘電異方性を示す
p型液晶を用い、これに対して分子の長軸方向で偏光の
吸収が大きいp型2色性色素を添加し、溝を形成した櫛
型壁電極を用いてもよい。この場合、電圧無印加時には
液晶分子も色素分子も溝に沿って画面に垂直に配列し分
子の長軸方向が画面に垂直に配向するため、画面上で色
素分子の色が見えない。一方、電圧印加時には液晶分子
は電極に垂直すなわち画面に平行に配列し、色素分子も
それにならって画面に平行に配列するので、色素分子の
色が見えるようになる。
p型液晶を用い、これに対して分子の長軸方向で偏光の
吸収が大きいp型2色性色素を添加し、溝を形成した櫛
型壁電極を用いてもよい。この場合、電圧無印加時には
液晶分子も色素分子も溝に沿って画面に垂直に配列し分
子の長軸方向が画面に垂直に配向するため、画面上で色
素分子の色が見えない。一方、電圧印加時には液晶分子
は電極に垂直すなわち画面に平行に配列し、色素分子も
それにならって画面に平行に配列するので、色素分子の
色が見えるようになる。
【0019】ゲスト・ホスト型液晶を用いる場合、セル
ギャップに相当する櫛型壁電極の壁の高さは15〜40
μmであることが好ましい。これは、壁の高さが15μ
m未満であると、コントラスト比が不十分となる恐れが
あり、壁の高さが40μmを超えると櫛型壁電極の形成
が困難となるからである。また、電極間隔は10μm以
下であることが好ましい。電極間隔が10μmを超える
と、高電圧駆動が必要となる傾向があるので好ましくな
い。
ギャップに相当する櫛型壁電極の壁の高さは15〜40
μmであることが好ましい。これは、壁の高さが15μ
m未満であると、コントラスト比が不十分となる恐れが
あり、壁の高さが40μmを超えると櫛型壁電極の形成
が困難となるからである。また、電極間隔は10μm以
下であることが好ましい。電極間隔が10μmを超える
と、高電圧駆動が必要となる傾向があるので好ましくな
い。
【0020】以上のような原理に基づいて、本発明の液
晶表示素子を、バックライト付きの透過型液晶表示素子
や投射型の光シャッターに応用することができる。ま
た、黒色2色性色素を用い、背景を反射板またはペーパ
ーホワイトの白地にしておけば、反射型液晶表示素子と
してもコントラストのよい表示が得られる。また、RG
Bの3原色に対応する3層の液晶層を形成し、3層とも
電界が印加された場合に黒、電界が印加されない場合に
白、その他の電界の印加のしかたを組み合わせることに
より多色のカラー表示を実現できる。
晶表示素子を、バックライト付きの透過型液晶表示素子
や投射型の光シャッターに応用することができる。ま
た、黒色2色性色素を用い、背景を反射板またはペーパ
ーホワイトの白地にしておけば、反射型液晶表示素子と
してもコントラストのよい表示が得られる。また、RG
Bの3原色に対応する3層の液晶層を形成し、3層とも
電界が印加された場合に黒、電界が印加されない場合に
白、その他の電界の印加のしかたを組み合わせることに
より多色のカラー表示を実現できる。
【0021】次に、液晶材料として高分子分散型液晶や
ポリマーネットワーク液晶を用いる場合について図2を
参照して説明する。図2は1つの画素に形成された櫛型
壁電極の一部を示す斜視図であり、その基本構成は図1
に示す櫛型壁電極と同じである。2枚の基板間に設けら
れた櫛型壁電極10の間隙には、高分子材料例えばポリ
エチルヘキシルアクリレート(PEHA)中に液晶分子
を分散させた高分子分散型液晶15などが充填される。
なお、この液晶表示素子における素電極11、12と能
動素子および共通電極との接続については、図1に示す
液晶表示素子の場合と同様である。図2に示す液晶表示
素子の場合においては、櫛型壁電極10の素電極11と
素電極12に印加する電圧のオン、オフを制御してこれ
らの間に充填された高分子分散型液晶やポリマーネット
ワーク液晶の光散乱・光透過を制御することにより表示
が可能になる。また、3つの画素を並設し、それぞれの
画素に対応してカラーフィルターを設けることによりカ
ラー液晶表示素子を製造できる。
ポリマーネットワーク液晶を用いる場合について図2を
参照して説明する。図2は1つの画素に形成された櫛型
壁電極の一部を示す斜視図であり、その基本構成は図1
に示す櫛型壁電極と同じである。2枚の基板間に設けら
れた櫛型壁電極10の間隙には、高分子材料例えばポリ
エチルヘキシルアクリレート(PEHA)中に液晶分子
を分散させた高分子分散型液晶15などが充填される。
なお、この液晶表示素子における素電極11、12と能
動素子および共通電極との接続については、図1に示す
液晶表示素子の場合と同様である。図2に示す液晶表示
素子の場合においては、櫛型壁電極10の素電極11と
素電極12に印加する電圧のオン、オフを制御してこれ
らの間に充填された高分子分散型液晶やポリマーネット
ワーク液晶の光散乱・光透過を制御することにより表示
が可能になる。また、3つの画素を並設し、それぞれの
画素に対応してカラーフィルターを設けることによりカ
ラー液晶表示素子を製造できる。
【0022】なお、高分子分散型液晶やポリマーネット
ワーク液晶を用いた場合、セルギャップに相当する櫛型
壁電極の壁の高さを30〜40μmに設定し、電極間隔
を10μm以下に調整することが好ましい。これは、櫛
型壁電極の壁の高さが30μm以上であると電圧印加時
に十分な光散乱を得ることができるものの、壁の高さが
40μmを超えると櫛型壁電極の形成が困難となるから
である。また、電極間隔が10μmを超えると高電圧駆
動が必要となる傾向があるので好ましくない。本発明に
おいて、高分子分散型液晶やポリマーネットワーク液晶
を用いる場合には、高分子と液晶との屈折率、および液
晶の分散状態を適当に調整することが好ましい。
ワーク液晶を用いた場合、セルギャップに相当する櫛型
壁電極の壁の高さを30〜40μmに設定し、電極間隔
を10μm以下に調整することが好ましい。これは、櫛
型壁電極の壁の高さが30μm以上であると電圧印加時
に十分な光散乱を得ることができるものの、壁の高さが
40μmを超えると櫛型壁電極の形成が困難となるから
である。また、電極間隔が10μmを超えると高電圧駆
動が必要となる傾向があるので好ましくない。本発明に
おいて、高分子分散型液晶やポリマーネットワーク液晶
を用いる場合には、高分子と液晶との屈折率、および液
晶の分散状態を適当に調整することが好ましい。
【0023】高分子分散型液晶表示素子では、一般的に
高分子材料と液晶の屈折率の差を利用して表示を行う。
ここで、液晶は常光と異常光に対する2種類の屈折率n
o 、ne を有している。電界が印加されていないとき
は、液晶分子は高分子マトリクス中でランダムな方向に
向いており、液晶分子の屈折率と高分子材料の屈折率と
が整合しないために、光散乱が生じて系は白く濁って見
える。電界が印加されると、正の誘電異方性を示すp型
液晶の場合、電界方向すなわちパネル面に対して法線方
向に液晶分子の分子軸が揃う。このとき常光における屈
折率no の成分の方向はパネル面と平行な方向にあるた
め、常光屈折率の方向しか見えない。この常光における
屈折率no と高分子材料の屈折率np とがほぼ一致する
ように設定された場合には系は透明になる。このとき、
背景が黒色であればコントラストが得られる。
高分子材料と液晶の屈折率の差を利用して表示を行う。
ここで、液晶は常光と異常光に対する2種類の屈折率n
o 、ne を有している。電界が印加されていないとき
は、液晶分子は高分子マトリクス中でランダムな方向に
向いており、液晶分子の屈折率と高分子材料の屈折率と
が整合しないために、光散乱が生じて系は白く濁って見
える。電界が印加されると、正の誘電異方性を示すp型
液晶の場合、電界方向すなわちパネル面に対して法線方
向に液晶分子の分子軸が揃う。このとき常光における屈
折率no の成分の方向はパネル面と平行な方向にあるた
め、常光屈折率の方向しか見えない。この常光における
屈折率no と高分子材料の屈折率np とがほぼ一致する
ように設定された場合には系は透明になる。このとき、
背景が黒色であればコントラストが得られる。
【0024】これに対して、上述したように櫛型壁電極
の間隙に高分子分散型液晶を充填した場合には、櫛型壁
電極に電界が印加されると、電界方向すなわちパネル面
に対して平行方向に液晶分子の分子軸が揃う。この場
合、パネル面から見える光は常光屈折率および異常光屈
折率の両成分の影響を受ける。したがって、一方の屈折
率だけを高分子材料の屈折率に整合させても、もう一方
の屈折率が高分子材料の屈折率と整合しないために、全
体としての透明度は落ちる。そこで、高分子材料の屈折
率に対して液晶分子の常光屈折率および異常光屈折率の
両者を整合させる必要がある。したがって、高分子材料
の屈折率の値が、液晶の屈折率ne およびno の中間の
値となるような材料系を選択することが望ましい。より
具体的には、液晶分子の異常軸方向における屈折率ne
と高分子材料の屈折率との差および液晶分子の通常軸方
向における屈折率no と高分子材料の屈折率との差が
0.05以下であることが望ましい。
の間隙に高分子分散型液晶を充填した場合には、櫛型壁
電極に電界が印加されると、電界方向すなわちパネル面
に対して平行方向に液晶分子の分子軸が揃う。この場
合、パネル面から見える光は常光屈折率および異常光屈
折率の両成分の影響を受ける。したがって、一方の屈折
率だけを高分子材料の屈折率に整合させても、もう一方
の屈折率が高分子材料の屈折率と整合しないために、全
体としての透明度は落ちる。そこで、高分子材料の屈折
率に対して液晶分子の常光屈折率および異常光屈折率の
両者を整合させる必要がある。したがって、高分子材料
の屈折率の値が、液晶の屈折率ne およびno の中間の
値となるような材料系を選択することが望ましい。より
具体的には、液晶分子の異常軸方向における屈折率ne
と高分子材料の屈折率との差および液晶分子の通常軸方
向における屈折率no と高分子材料の屈折率との差が
0.05以下であることが望ましい。
【0025】また、通常の高分子分散型液晶表示素子の
ように光散乱の起こる原因が主に高分子材料とp型液晶
の屈折率の差に依存するような場合には、液晶の屈折率
と高分子材料の屈折率との差がなるべく大きいことが好
ましい。この点のみを考慮すると、上記のように液晶と
高分子材料との間の屈折率差を小さくした場合には、透
明・白濁を明確に表示することができなくなることも考
えられる。ただし、高分子分散型液晶やポリマーネット
ワーク液晶においては、光散乱は液晶分子と高分子材料
との間の界面の形状にも依存して起こる。したがって、
液晶と高分子材料との間の界面の形状を制御することに
より、両者の屈折率差が小さい場合でも、透明・白濁を
明確に表示することが可能になる。具体的には、液晶分
子と高分子材料との間の界面の形状が、可視光の波長に
近い長さの辺を有する微小面を多数有する形状であるこ
とが望ましい。このような界面形状が形成されていれ
ば、可視光線を十分に散乱させることができる。またこ
の場合には、電界が印加されたときに、液晶分子の配向
により界面状態が崩れて透明な状態になる。
ように光散乱の起こる原因が主に高分子材料とp型液晶
の屈折率の差に依存するような場合には、液晶の屈折率
と高分子材料の屈折率との差がなるべく大きいことが好
ましい。この点のみを考慮すると、上記のように液晶と
高分子材料との間の屈折率差を小さくした場合には、透
明・白濁を明確に表示することができなくなることも考
えられる。ただし、高分子分散型液晶やポリマーネット
ワーク液晶においては、光散乱は液晶分子と高分子材料
との間の界面の形状にも依存して起こる。したがって、
液晶と高分子材料との間の界面の形状を制御することに
より、両者の屈折率差が小さい場合でも、透明・白濁を
明確に表示することが可能になる。具体的には、液晶分
子と高分子材料との間の界面の形状が、可視光の波長に
近い長さの辺を有する微小面を多数有する形状であるこ
とが望ましい。このような界面形状が形成されていれ
ば、可視光線を十分に散乱させることができる。またこ
の場合には、電界が印加されたときに、液晶分子の配向
により界面状態が崩れて透明な状態になる。
【0026】上記のような微小面を多数有するような液
晶分子と高分子材料との界面を形成する方法としては、
例えばポリマーの前駆体であるモノマーとして液晶分子
との相溶性が良好なものを用いる方法が挙げられる。こ
の方法によれば、モノマーが重合してポリマーが液晶と
相分離する際に、残存するモノマー部分と液晶分子とが
良好に混合される結果、上記界面が形成される。また、
重合反応時に、超音波をかけて液晶分子とモノマー部分
とをよく混合するようにしてもよい。
晶分子と高分子材料との界面を形成する方法としては、
例えばポリマーの前駆体であるモノマーとして液晶分子
との相溶性が良好なものを用いる方法が挙げられる。こ
の方法によれば、モノマーが重合してポリマーが液晶と
相分離する際に、残存するモノマー部分と液晶分子とが
良好に混合される結果、上記界面が形成される。また、
重合反応時に、超音波をかけて液晶分子とモノマー部分
とをよく混合するようにしてもよい。
【0027】本発明において、高分子分散型液晶やポリ
マーネットワーク液晶を用いて反射型液晶表示素子を作
製するにあたっては、例えば櫛型壁電極を形成したガラ
ス基板などの裏面を黒色にするか、あるいはTFT等の
能動素子を形成する際に基板をあらかじめ黒色にし、そ
の上に櫛型壁電極を形成する。この状態で重合前のモノ
マーと液晶の混合物を注入し、モノマーを重合させて液
晶分子と高分子材料との混合物からなる液晶層を櫛型壁
電極内の間隙に構成する。この場合には、液晶表示素子
に電圧を印加すると液晶分子が配向し、液晶の屈折率が
高分子マトリクスの屈折率と一致するために、黒色の基
板が見える。一方、電圧印加を解除すると、液晶分子が
ランダムな方向に向き、光散乱により反射が起こり画素
は白く見える。
マーネットワーク液晶を用いて反射型液晶表示素子を作
製するにあたっては、例えば櫛型壁電極を形成したガラ
ス基板などの裏面を黒色にするか、あるいはTFT等の
能動素子を形成する際に基板をあらかじめ黒色にし、そ
の上に櫛型壁電極を形成する。この状態で重合前のモノ
マーと液晶の混合物を注入し、モノマーを重合させて液
晶分子と高分子材料との混合物からなる液晶層を櫛型壁
電極内の間隙に構成する。この場合には、液晶表示素子
に電圧を印加すると液晶分子が配向し、液晶の屈折率が
高分子マトリクスの屈折率と一致するために、黒色の基
板が見える。一方、電圧印加を解除すると、液晶分子が
ランダムな方向に向き、光散乱により反射が起こり画素
は白く見える。
【0028】次に、本発明の液晶表示素子における櫛型
壁電極を形成するのに適した方法について詳しく説明す
る。櫛型壁電極構造を形成するには、上述したようにシ
リコン等の反応性イオンエッチング(RIE)を用いた
ドライプロセスによる方法がある。この方法は、電極を
どのような形状にも形成できるという長所を有するが、
現在の技術では20μmのトレンチを掘るのに約30分
程度かかり、装置も大型でコストがかかる。
壁電極を形成するのに適した方法について詳しく説明す
る。櫛型壁電極構造を形成するには、上述したようにシ
リコン等の反応性イオンエッチング(RIE)を用いた
ドライプロセスによる方法がある。この方法は、電極を
どのような形状にも形成できるという長所を有するが、
現在の技術では20μmのトレンチを掘るのに約30分
程度かかり、装置も大型でコストがかかる。
【0029】これに対して、不純物をドープしたシリコ
ンの結晶面を揃え、KOH水溶液等を用いて異方性エッ
チングすれば、櫛型壁電極を高効率かつ低コストで作製
することができる。本発明者らは、本発明の液晶表示素
子における櫛型壁電極に最も適した結晶面の選び方とし
て、例えば液晶パネル面に(110)面を合わせ、電極
の壁面に(111)面を合わせればよいことを見出し
た。
ンの結晶面を揃え、KOH水溶液等を用いて異方性エッ
チングすれば、櫛型壁電極を高効率かつ低コストで作製
することができる。本発明者らは、本発明の液晶表示素
子における櫛型壁電極に最も適した結晶面の選び方とし
て、例えば液晶パネル面に(110)面を合わせ、電極
の壁面に(111)面を合わせればよいことを見出し
た。
【0030】ただし、この方法で、櫛型壁電極を構成す
る素電極とその一端を電気的に接続する部分とを一体的
な箱型の構造に形成しようとしたときには問題が生じる
ことがある。すなわち、素電極とそれらの接続部とを同
時に形成する場合、接続部の最上部から画素開口部に向
って傾斜する(111)面が残ってしまうおそれがあ
る。この現象が隣接する画素どうしで生じると、画素間
で電極が繋がってしまう。したがって、電極構造を箱型
の構造にすべきではないことが分かる。また、素電極の
接続部を形成しないようにしても、素電極の端面が(1
11)面に対して90度の面である場合には、端面の最
上部から素電極の長軸方向に沿って傾斜する(111)
面が残ってしまうおそれがある。この場合も、この現象
が隣接する画素どうしで生じると、画素間で電極が繋が
ってしまう。
る素電極とその一端を電気的に接続する部分とを一体的
な箱型の構造に形成しようとしたときには問題が生じる
ことがある。すなわち、素電極とそれらの接続部とを同
時に形成する場合、接続部の最上部から画素開口部に向
って傾斜する(111)面が残ってしまうおそれがあ
る。この現象が隣接する画素どうしで生じると、画素間
で電極が繋がってしまう。したがって、電極構造を箱型
の構造にすべきではないことが分かる。また、素電極の
接続部を形成しないようにしても、素電極の端面が(1
11)面に対して90度の面である場合には、端面の最
上部から素電極の長軸方向に沿って傾斜する(111)
面が残ってしまうおそれがある。この場合も、この現象
が隣接する画素どうしで生じると、画素間で電極が繋が
ってしまう。
【0031】そこで、本発明者らは、これを回避する手
段を鋭意検討した結果、基板面と略平行な平面において
図3に示すような平行四辺形の断面形状を有し、その4
つの側面がシリコン(111)面であり、基板面と略直
交する方向に<110>配向した柱状シリコンブロック
で素電極を設計すれば良いことを見出した。なお、この
場合、各素電極を等電位にするための接続部、例えば電
極間結合線等を設ける必要がある。したがって、このよ
うな構造を採用した場合の液晶表示素子の櫛型壁電極
は、図4に示すようになる。すなわち、4つの側面が
(111)面である柱状シリコンブロック8が電極間結
合線7および共通電極6を接続部として等電位となるよ
うに結合され、これにより櫛型壁電極が構成される。さ
らに、この櫛型壁電極の一方はTFT4のソースと接続
されている。
段を鋭意検討した結果、基板面と略平行な平面において
図3に示すような平行四辺形の断面形状を有し、その4
つの側面がシリコン(111)面であり、基板面と略直
交する方向に<110>配向した柱状シリコンブロック
で素電極を設計すれば良いことを見出した。なお、この
場合、各素電極を等電位にするための接続部、例えば電
極間結合線等を設ける必要がある。したがって、このよ
うな構造を採用した場合の液晶表示素子の櫛型壁電極
は、図4に示すようになる。すなわち、4つの側面が
(111)面である柱状シリコンブロック8が電極間結
合線7および共通電極6を接続部として等電位となるよ
うに結合され、これにより櫛型壁電極が構成される。さ
らに、この櫛型壁電極の一方はTFT4のソースと接続
されている。
【0032】このような柱状シリコンブロックは、レジ
ストマスクパターンを平行四辺形に設計することにより
形成することができる。また、電極形状を所望の素子モ
ードに合わせる必要上から、エッチング条件が過酷にな
り、端部の最上部エッジが侵される可能性のある場合に
は、適当なダミーパターンを設けてこの部分を保護して
もよい。なお、ゲート線と信号線が完全に直交する長方
形の画素の場合には、素子を駆動する上で問題はない。
しかし、(111)面を最優先かつ最大効率でエッチン
グする場合には、図5に示すように画素も平行四辺形に
することが望ましいため、素子の駆動方法を工夫する必
要がある。一方、この態様においては、素電極の配置を
種々変更することにより、画素内で視野角を調整し、拡
大することができる。
ストマスクパターンを平行四辺形に設計することにより
形成することができる。また、電極形状を所望の素子モ
ードに合わせる必要上から、エッチング条件が過酷にな
り、端部の最上部エッジが侵される可能性のある場合に
は、適当なダミーパターンを設けてこの部分を保護して
もよい。なお、ゲート線と信号線が完全に直交する長方
形の画素の場合には、素子を駆動する上で問題はない。
しかし、(111)面を最優先かつ最大効率でエッチン
グする場合には、図5に示すように画素も平行四辺形に
することが望ましいため、素子の駆動方法を工夫する必
要がある。一方、この態様においては、素電極の配置を
種々変更することにより、画素内で視野角を調整し、拡
大することができる。
【0033】また、上記のようなシリコンブロックを用
いた櫛型壁電極は、アクティブマトリクス方式の液晶表
示素子だけでなく、単純マトリクス方式の液晶表示素子
にも適用することができる。この場合の画素の駆動方式
は従来と同様でよく、単に配線をそれぞれの櫛型壁電極
に施すだけでよい。図6に本発明に係る単純マトリクス
方式の液晶表示素子を示す。すなわち図6に示すよう
に、画素領域全面にシリコンブロック8と、シリコンブ
ロック8を1つおきに結合する電極間結合線7および横
方向の信号線3とからなる櫛型壁電極が設けられてお
り、画素領域の端部に沿って縦方向の信号線3が形成さ
れている。すなわちここでは横方向の信号線3は、シリ
コンブロック8の接続部を兼ねている。この場合、信号
線3および電極間結合線7は、対向する2枚の基板上に
それぞれ形成してもよい。
いた櫛型壁電極は、アクティブマトリクス方式の液晶表
示素子だけでなく、単純マトリクス方式の液晶表示素子
にも適用することができる。この場合の画素の駆動方式
は従来と同様でよく、単に配線をそれぞれの櫛型壁電極
に施すだけでよい。図6に本発明に係る単純マトリクス
方式の液晶表示素子を示す。すなわち図6に示すよう
に、画素領域全面にシリコンブロック8と、シリコンブ
ロック8を1つおきに結合する電極間結合線7および横
方向の信号線3とからなる櫛型壁電極が設けられてお
り、画素領域の端部に沿って縦方向の信号線3が形成さ
れている。すなわちここでは横方向の信号線3は、シリ
コンブロック8の接続部を兼ねている。この場合、信号
線3および電極間結合線7は、対向する2枚の基板上に
それぞれ形成してもよい。
【0034】本発明の液晶表示素子を製造するのに適し
た他の方法を図7を参照して説明する。ガラス基板1に
は櫛型壁電極10を形成する。一方、対向基板17には
櫛型壁電極10のうちTFTと接続すべき素電極と同一
のパターンを有する平面電極16およびTFT4、さら
に図示しないゲート線や信号線などを形成する。この場
合、平面電極16は金属等の導電性材料により形成する
ことができる。これらのガラス基板1と対向基板17と
を張り合わせて圧着して導通をとる。さらに櫛型壁電極
10の間隙に硬化前のモノマーおよび液晶などを注入
し、紫外線照射等により硬化させて高分子分散型液晶を
形成する。
た他の方法を図7を参照して説明する。ガラス基板1に
は櫛型壁電極10を形成する。一方、対向基板17には
櫛型壁電極10のうちTFTと接続すべき素電極と同一
のパターンを有する平面電極16およびTFT4、さら
に図示しないゲート線や信号線などを形成する。この場
合、平面電極16は金属等の導電性材料により形成する
ことができる。これらのガラス基板1と対向基板17と
を張り合わせて圧着して導通をとる。さらに櫛型壁電極
10の間隙に硬化前のモノマーおよび液晶などを注入
し、紫外線照射等により硬化させて高分子分散型液晶を
形成する。
【0035】なお、ガラス基板1と対向基板17とを張
り合わせる際に、櫛型壁電極10に応力が加わるので、
櫛型壁電極10の素電極に図8(a)〜(d)に示すよ
うな応力分散領域10aを形成しておくことが好まし
い。このような作り込み方法によれば、製造工程を単純
化させることができ、歩留りを向上させることができ
る。
り合わせる際に、櫛型壁電極10に応力が加わるので、
櫛型壁電極10の素電極に図8(a)〜(d)に示すよ
うな応力分散領域10aを形成しておくことが好まし
い。このような作り込み方法によれば、製造工程を単純
化させることができ、歩留りを向上させることができ
る。
【0036】また、2枚の基板を貼り合わせて接着固定
する際に、電極上部の形状が平坦で角度が90°の形状
の断面を有する場合、応力集中部などで電極の上端部が
基板面と接触して折れ曲がったり、つぶれて変形するな
どの現象が起こることがある。さらに、この変形により
電極頭部が開口部を塞ぐと、ショートなどが発生し不良
となる。これを解消するためには、電極上端の隅部に丸
み付けした構造が最適である。電極をこのような形状に
すると、対向基板を接合する際に過剰な圧力がかかった
場合にも変形が最小限に抑えられる。また、電極の根元
にもこのような形状の隅肉が形成されている場合には、
安定性が増し、強度の大きい電極になる。
する際に、電極上部の形状が平坦で角度が90°の形状
の断面を有する場合、応力集中部などで電極の上端部が
基板面と接触して折れ曲がったり、つぶれて変形するな
どの現象が起こることがある。さらに、この変形により
電極頭部が開口部を塞ぐと、ショートなどが発生し不良
となる。これを解消するためには、電極上端の隅部に丸
み付けした構造が最適である。電極をこのような形状に
すると、対向基板を接合する際に過剰な圧力がかかった
場合にも変形が最小限に抑えられる。また、電極の根元
にもこのような形状の隅肉が形成されている場合には、
安定性が増し、強度の大きい電極になる。
【0037】本発明において、反射型液晶表示素子を作
製する場合には、ゲート線、信号線やTFTを黒色の背
景となる絶縁層で覆い、その上に櫛型壁電極を形成して
もよい。このようにゲート線、信号線やTFTの上に絶
縁層を設ければ、櫛型壁電極をゲート線、信号線やTF
Tに重なる領域まで広げて形成することができるので、
開口率を上げることができ、より明るい表示を行うこと
ができる。同様に、例えばSiO2 基板上にTFTおよ
びゲート線、信号線を形成し、この基板にスルーホール
を開孔して反対面(櫛型壁電極側)に配線を形成する。
配線が形成された反対面は、研磨処理を施して平滑度を
向上させておく。この反対面にシリコン(110)面を
熱処理で張り付け、研磨処理を施して所定の厚さにした
後、フォトリソグラフィーおよびKOHエッチングによ
り櫛型壁電極を形成する。なお、TFT等は研磨処理や
KOHエッチング等の処理に耐久性のある材料で構成す
ることが好ましい。
製する場合には、ゲート線、信号線やTFTを黒色の背
景となる絶縁層で覆い、その上に櫛型壁電極を形成して
もよい。このようにゲート線、信号線やTFTの上に絶
縁層を設ければ、櫛型壁電極をゲート線、信号線やTF
Tに重なる領域まで広げて形成することができるので、
開口率を上げることができ、より明るい表示を行うこと
ができる。同様に、例えばSiO2 基板上にTFTおよ
びゲート線、信号線を形成し、この基板にスルーホール
を開孔して反対面(櫛型壁電極側)に配線を形成する。
配線が形成された反対面は、研磨処理を施して平滑度を
向上させておく。この反対面にシリコン(110)面を
熱処理で張り付け、研磨処理を施して所定の厚さにした
後、フォトリソグラフィーおよびKOHエッチングによ
り櫛型壁電極を形成する。なお、TFT等は研磨処理や
KOHエッチング等の処理に耐久性のある材料で構成す
ることが好ましい。
【0038】また、TFTやTFDを使用しない場合の
単純マトリクスでも、上記と同様にして基板の裏側に信
号線等を隠すことができる。また、スルーホールを有す
る構造を用いれば、上記処理順序を入れ替えてもよい。
すなわち、櫛型壁電極構造をあらかじめ作製した後、背
面に信号線やTFTを作り込む。この場合、RIE等を
用いることができる。
単純マトリクスでも、上記と同様にして基板の裏側に信
号線等を隠すことができる。また、スルーホールを有す
る構造を用いれば、上記処理順序を入れ替えてもよい。
すなわち、櫛型壁電極構造をあらかじめ作製した後、背
面に信号線やTFTを作り込む。この場合、RIE等を
用いることができる。
【0039】また、本発明の原理は、バックライト付き
の透過型液晶表示素子や、投射型の光シャッター部分に
応用することもできる。すなわち、十分なコントラスト
が得られるだけの高さに櫛型壁電極を構成し、透過する
光を制御することにより、透過型または投射型液晶表示
素子にすることができる。このように本発明によれば、
作製方法や適用可能な液晶表示素子タイプの選択の幅を
広げることができる。そのほかに、本発明の液晶表示素
子において表示性能を向上させるためには、櫛型壁電極
の平面的なパターンを工夫することが好ましい。
の透過型液晶表示素子や、投射型の光シャッター部分に
応用することもできる。すなわち、十分なコントラスト
が得られるだけの高さに櫛型壁電極を構成し、透過する
光を制御することにより、透過型または投射型液晶表示
素子にすることができる。このように本発明によれば、
作製方法や適用可能な液晶表示素子タイプの選択の幅を
広げることができる。そのほかに、本発明の液晶表示素
子において表示性能を向上させるためには、櫛型壁電極
の平面的なパターンを工夫することが好ましい。
【0040】例えば、1画素内において櫛型壁電極を構
成する素電極の厚みが均一であるとグレーティング効果
により画面が虹色に見えるおそれがある。これを防止す
るためには、櫛型壁電極を構成する互いに隣接した素電
極の厚みが異なるようにし、1画素内で素電極の厚みを
不規則に変化させればよい。同様に、上述したように、
櫛型壁電極の上端の隅部に丸み付けする場合には、グレ
ーティング効果を避けるために、電極ごとに丸み半径が
異なるようにすることが好ましい。また、視野角を拡大
するために、1画素内を複数のドメインに分割し、それ
ぞれのドメインで櫛型壁電極を構成する素電極が異なる
方向へ延びるようにしてもよい。さらに、反射型液晶表
示素子の場合には、基板面を適当に粗らし、乱反射する
ようにしてコントラストを上げてもよい。
成する素電極の厚みが均一であるとグレーティング効果
により画面が虹色に見えるおそれがある。これを防止す
るためには、櫛型壁電極を構成する互いに隣接した素電
極の厚みが異なるようにし、1画素内で素電極の厚みを
不規則に変化させればよい。同様に、上述したように、
櫛型壁電極の上端の隅部に丸み付けする場合には、グレ
ーティング効果を避けるために、電極ごとに丸み半径が
異なるようにすることが好ましい。また、視野角を拡大
するために、1画素内を複数のドメインに分割し、それ
ぞれのドメインで櫛型壁電極を構成する素電極が異なる
方向へ延びるようにしてもよい。さらに、反射型液晶表
示素子の場合には、基板面を適当に粗らし、乱反射する
ようにしてコントラストを上げてもよい。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0042】実施例1 図9および図10に本実施例に係る液晶表示素子を示
す。ガラス基板1にはゲート線2および信号線3が互い
に直交して形成され、これらによって複数の画素が規定
される。各画素にはゲート線2と接続されたゲート電
極、信号線3と接続されたドレイン領域、およびソース
領域を有する薄膜トランジスタ(TFT)4が形成され
ている。各々の画素内には、主面が2枚の基板面と直交
し、かつ隣接する主面が互いに対極をなすように、それ
ぞれ複数の素電極11および素電極12が交互に配置さ
れ、かつこれらが1つおきに接続部で結合されて櫛型を
なす櫛型壁電極10が設けられる。すなわち、素電極1
1は一端側で共通接続され、同様に素電極12は他端側
で共通接続される。素電極11、12は、高さ15μ
m、幅2μmで、隣接するものどうしの間隔が5μmと
いうパターンに形成される。対極の一方の電極となる素
電極11はTFT4のソース領域に接続される。この櫛
型壁電極10上にITOからなる共通電極6が形成され
た他方のガラス基板5が固定される。この共通電極6は
ガラス基板5上で、ガラス基板1上のゲート線2および
信号線3にほぼ対応する形状にパターニングされ、素電
極12の共通接続部にのみ接続される。さらに、2枚の
ガラス基板1、5間に設けられた櫛型壁電極10の間隙
にゲスト・ホスト効果を利用する液晶が充填される。
す。ガラス基板1にはゲート線2および信号線3が互い
に直交して形成され、これらによって複数の画素が規定
される。各画素にはゲート線2と接続されたゲート電
極、信号線3と接続されたドレイン領域、およびソース
領域を有する薄膜トランジスタ(TFT)4が形成され
ている。各々の画素内には、主面が2枚の基板面と直交
し、かつ隣接する主面が互いに対極をなすように、それ
ぞれ複数の素電極11および素電極12が交互に配置さ
れ、かつこれらが1つおきに接続部で結合されて櫛型を
なす櫛型壁電極10が設けられる。すなわち、素電極1
1は一端側で共通接続され、同様に素電極12は他端側
で共通接続される。素電極11、12は、高さ15μ
m、幅2μmで、隣接するものどうしの間隔が5μmと
いうパターンに形成される。対極の一方の電極となる素
電極11はTFT4のソース領域に接続される。この櫛
型壁電極10上にITOからなる共通電極6が形成され
た他方のガラス基板5が固定される。この共通電極6は
ガラス基板5上で、ガラス基板1上のゲート線2および
信号線3にほぼ対応する形状にパターニングされ、素電
極12の共通接続部にのみ接続される。さらに、2枚の
ガラス基板1、5間に設けられた櫛型壁電極10の間隙
にゲスト・ホスト効果を利用する液晶が充填される。
【0043】この液晶表示素子の櫛型壁電極10は、図
11に示すような方法で製造することができる。まず、
ガラス基板1上にシート抵抗約4Ω/□のシリコン基板
21を載せて焼成して接合するか、または単に接着剤を
用いて接着する(図11(a))。次に、シリコン基板
21を研磨してその厚みを約20μmにする(図11
(b))。次いで、シリコン基板21の表面を熱酸化し
て膜厚約2μmのシリコン酸化膜22を形成する(図1
1(c))。さらに、シリコン酸化膜22上に所定のパ
ターンを有するレジストを形成し、これをマスクとして
反応性イオンエッチング(RIE)によりシリコン酸化
膜22およびシリコン基板21を順次ガラス基板1が露
出するまで異方性エッチングし、櫛型壁電極10を形成
する(図11(d))。その後、所定の領域にTFTを
形成する。なお、TFTは櫛型壁電極10の形成前に形
成してもよい。
11に示すような方法で製造することができる。まず、
ガラス基板1上にシート抵抗約4Ω/□のシリコン基板
21を載せて焼成して接合するか、または単に接着剤を
用いて接着する(図11(a))。次に、シリコン基板
21を研磨してその厚みを約20μmにする(図11
(b))。次いで、シリコン基板21の表面を熱酸化し
て膜厚約2μmのシリコン酸化膜22を形成する(図1
1(c))。さらに、シリコン酸化膜22上に所定のパ
ターンを有するレジストを形成し、これをマスクとして
反応性イオンエッチング(RIE)によりシリコン酸化
膜22およびシリコン基板21を順次ガラス基板1が露
出するまで異方性エッチングし、櫛型壁電極10を形成
する(図11(d))。その後、所定の領域にTFTを
形成する。なお、TFTは櫛型壁電極10の形成前に形
成してもよい。
【0044】なお、櫛型壁電極は以下のような方法によ
っても形成することができる。まず、シリコン基板に酸
素をイオン注入して表面から約2μmの部分にシリコン
酸化膜を形成した後、シリコン基板表面にシリコン層を
シリコン酸化膜からの厚みが約15μmになるまでエピ
タキシャル成長させ、その後上記と同様にRIEにより
異方性エッチングして櫛型壁電極を形成できる。
っても形成することができる。まず、シリコン基板に酸
素をイオン注入して表面から約2μmの部分にシリコン
酸化膜を形成した後、シリコン基板表面にシリコン層を
シリコン酸化膜からの厚みが約15μmになるまでエピ
タキシャル成長させ、その後上記と同様にRIEにより
異方性エッチングして櫛型壁電極を形成できる。
【0045】このような液晶表示素子ではセルギャップ
を規定する櫛型壁電極10の高さが約15μmと大き
く、しかも液晶に印加される電界強度を決定する要因と
なる櫛型壁電極10の素電極11、12間の間隔が5μ
mと小さいので、低電圧駆動でコントラスト比の高い液
晶表示を実現できる。また、ゲスト・ホスト方式の液晶
表示であるため偏光板が不要であり、上述したように画
素の中央部には共通電極(ITO透明電極)が存在しな
いうえに、上述したディメンションで櫛型壁電極10を
形成した場合には櫛型壁電極10が不透明であるにもか
かわらず60%以上の開口率を確保できるので、明るい
表示を得ることができる。さらに、櫛型壁電極10は液
晶セルを構成する際にスペーサーの機能を果たすのでス
ペーサー散布工程を不要にするとともに、スペーサーよ
りもセルギャップの精度を上げることができ、スペーサ
ーに基づく画像の欠陥もできなくなる。
を規定する櫛型壁電極10の高さが約15μmと大き
く、しかも液晶に印加される電界強度を決定する要因と
なる櫛型壁電極10の素電極11、12間の間隔が5μ
mと小さいので、低電圧駆動でコントラスト比の高い液
晶表示を実現できる。また、ゲスト・ホスト方式の液晶
表示であるため偏光板が不要であり、上述したように画
素の中央部には共通電極(ITO透明電極)が存在しな
いうえに、上述したディメンションで櫛型壁電極10を
形成した場合には櫛型壁電極10が不透明であるにもか
かわらず60%以上の開口率を確保できるので、明るい
表示を得ることができる。さらに、櫛型壁電極10は液
晶セルを構成する際にスペーサーの機能を果たすのでス
ペーサー散布工程を不要にするとともに、スペーサーよ
りもセルギャップの精度を上げることができ、スペーサ
ーに基づく画像の欠陥もできなくなる。
【0046】実際に、上記のような方法でガラス基板上
に櫛型壁電極の部分のみを形成し、素電極11、12の
末端の共通接続部にAl電極を接続した後、その上部に
対向するガラス基板を載せて接着した。その内部に、n
型液晶である4’−メトキシベンジリデン−4−ブチル
アニリン(MBBA、東京化成製)に、p型2色性色素
としてLCD465(日本化薬製)を1wt%添加した
ものをアイソトロピック液体として真空注入して実験用
液晶セルを作製した。この実験用液晶セルを用い、両端
のAl電極間に1〜10Vの範囲で電圧を印加し、物理
的コントラスト比を測定した。その結果、3.5Vにお
いて1:50の物理的コントラスト比を有する反射型表
示が得られた。
に櫛型壁電極の部分のみを形成し、素電極11、12の
末端の共通接続部にAl電極を接続した後、その上部に
対向するガラス基板を載せて接着した。その内部に、n
型液晶である4’−メトキシベンジリデン−4−ブチル
アニリン(MBBA、東京化成製)に、p型2色性色素
としてLCD465(日本化薬製)を1wt%添加した
ものをアイソトロピック液体として真空注入して実験用
液晶セルを作製した。この実験用液晶セルを用い、両端
のAl電極間に1〜10Vの範囲で電圧を印加し、物理
的コントラスト比を測定した。その結果、3.5Vにお
いて1:50の物理的コントラスト比を有する反射型表
示が得られた。
【0047】なお、図12に示すように、対向基板面の
共通電極6と櫛型壁電極10を構成する素電極12との
接続を確実にするために、素電極12の高さを素電極1
1よりも高くしてもよい。図12に示す櫛型壁電極10
は、レジストを用いて素電極11の部分を露出させて短
時間のRIE処理を行うことにより形成できる。このよ
うな構成の場合、液晶の注入が容易になるため、注入工
程を短縮できる。なお、低くする素電極11の部分は画
素の端部であることが効果的である。
共通電極6と櫛型壁電極10を構成する素電極12との
接続を確実にするために、素電極12の高さを素電極1
1よりも高くしてもよい。図12に示す櫛型壁電極10
は、レジストを用いて素電極11の部分を露出させて短
時間のRIE処理を行うことにより形成できる。このよ
うな構成の場合、液晶の注入が容易になるため、注入工
程を短縮できる。なお、低くする素電極11の部分は画
素の端部であることが効果的である。
【0048】また、図13に示すように、櫛型壁電極を
構成する各素電極11、12の主面に溝30を形成する
ことにより液晶の配向制御に利用してもよい。上述した
ように液晶分子13’および2色性色素分子14を用い
た場合、液晶分子13’は分子長軸が素電極11、12
主面に形成された溝に沿うように配列し、液晶分子1
3’にならって2色性色素分子14も溝に沿って配列す
る。
構成する各素電極11、12の主面に溝30を形成する
ことにより液晶の配向制御に利用してもよい。上述した
ように液晶分子13’および2色性色素分子14を用い
た場合、液晶分子13’は分子長軸が素電極11、12
主面に形成された溝に沿うように配列し、液晶分子1
3’にならって2色性色素分子14も溝に沿って配列す
る。
【0049】また、1画素内において櫛型壁電極を構成
する素電極の厚みが均一であるとグレーティングとして
働き、干渉効果により画面が虹色に見えるおそれがあ
る。これを防止するために、図14に示すように櫛型壁
電極10を構成する互いに隣接した素電極11、12の
厚みが異なるようにし、1画素内で素電極11、12の
厚みを不規則に変化させればよい。
する素電極の厚みが均一であるとグレーティングとして
働き、干渉効果により画面が虹色に見えるおそれがあ
る。これを防止するために、図14に示すように櫛型壁
電極10を構成する互いに隣接した素電極11、12の
厚みが異なるようにし、1画素内で素電極11、12の
厚みを不規則に変化させればよい。
【0050】さらに、図15に示すように、視野角を拡
大するために、1画素内を例えば4つのドメインに分割
し、それぞれのドメインで櫛型壁電極10を構成する素
電極11、12が異なる方向へ延びるようにしてもよ
い。このような構造の櫛型壁電極はRIE技術により1
回の工程で形成できるので、マスクラビング工程を複数
回行っていわゆる複数ドメイン構造を形成する方法と比
較して有利である。そして、このような櫛型壁電極を形
成すれば液晶画面の視野角を70度程度まで広げること
ができ、CRTの視野角と比較しても遜色がなくなる。
大するために、1画素内を例えば4つのドメインに分割
し、それぞれのドメインで櫛型壁電極10を構成する素
電極11、12が異なる方向へ延びるようにしてもよ
い。このような構造の櫛型壁電極はRIE技術により1
回の工程で形成できるので、マスクラビング工程を複数
回行っていわゆる複数ドメイン構造を形成する方法と比
較して有利である。そして、このような櫛型壁電極を形
成すれば液晶画面の視野角を70度程度まで広げること
ができ、CRTの視野角と比較しても遜色がなくなる。
【0051】実施例2 図16および図17に本実施例に係る液晶表示素子を示
す。石英基板1’にはゲート線2および信号線3が互い
に直交して形成され、これらによって複数の画素が規定
される。各画素にはゲート線2と接続されたゲート電
極、信号線3と接続されたドレイン領域、およびソース
領域を有する薄膜トランジスタ(TFT)4が形成され
ている。各々の画素内には、主面が2枚の基板面と直交
し、かつ隣接する主面が互いに対極をなすように、それ
ぞれ複数の素電極11および素電極12が交互に配置さ
れ、かつこれらが1つおきに接続部で結合されて櫛型を
なす櫛型壁電極10が設けられる。すなわち、素電極1
1は一端側で共通電極6により共通接続され、同様に素
電極12は他端側で電極間結合線7により共通接続され
る。素電極11、12は、高さ15μm、幅2μmで、
隣接するものどうしの間隔が5μmというパターンに形
成される。対極の一方の電極となる素電極11はTFT
4のソース領域に接続される。この櫛型壁電極10上に
ITOからなる共通電極6が形成された他方のガラス基
板5が固定される。この共通電極6はガラス基板5上
で、石英基板1’上のゲート線2および信号線3にほぼ
対応する形状にパターニングされ、素電極12の共通接
続部にのみ接続される。さらに、石英基板1’とガラス
基板5間に設けられた櫛型壁電極10の間隙に液晶分子
が高分子材料中に分散されてなる高分子分散型液晶が充
填される。
す。石英基板1’にはゲート線2および信号線3が互い
に直交して形成され、これらによって複数の画素が規定
される。各画素にはゲート線2と接続されたゲート電
極、信号線3と接続されたドレイン領域、およびソース
領域を有する薄膜トランジスタ(TFT)4が形成され
ている。各々の画素内には、主面が2枚の基板面と直交
し、かつ隣接する主面が互いに対極をなすように、それ
ぞれ複数の素電極11および素電極12が交互に配置さ
れ、かつこれらが1つおきに接続部で結合されて櫛型を
なす櫛型壁電極10が設けられる。すなわち、素電極1
1は一端側で共通電極6により共通接続され、同様に素
電極12は他端側で電極間結合線7により共通接続され
る。素電極11、12は、高さ15μm、幅2μmで、
隣接するものどうしの間隔が5μmというパターンに形
成される。対極の一方の電極となる素電極11はTFT
4のソース領域に接続される。この櫛型壁電極10上に
ITOからなる共通電極6が形成された他方のガラス基
板5が固定される。この共通電極6はガラス基板5上
で、石英基板1’上のゲート線2および信号線3にほぼ
対応する形状にパターニングされ、素電極12の共通接
続部にのみ接続される。さらに、石英基板1’とガラス
基板5間に設けられた櫛型壁電極10の間隙に液晶分子
が高分子材料中に分散されてなる高分子分散型液晶が充
填される。
【0052】この素電極11、12は、次のようにして
作製した。表面が(110)面である3インチのシリコ
ンウエハを石英基板1’上に張り付け400℃で焼き付
けて接着した後、ケミカルメカニカルポリッシングして
厚さ30μmとした。このシリコンの表面にシリコン酸
化膜を形成した。その後、この上にレジスト層を形成し
露光・現像してパターニングした。このパターンは、素
電極の厚さに相当するライン幅を2μm、素電極間の間
隔に相当するスペース幅を10μmとした。また、パタ
ーンの形状は、素電極の形状が基板面と平行な断面にお
いて(111)面がつくる平行四辺形になるように形成
した。このパターンをマスクとしてシリコン酸化膜をR
IE処理した後、KOHの15wt%水溶液を用いて8
0℃でシリコンをエッチングして素電極11、12を形
成した。また、素電極11、12を形成した後、石英基
板1’上に素電極11の共通接続部となる電極間結合線
7を形成した。
作製した。表面が(110)面である3インチのシリコ
ンウエハを石英基板1’上に張り付け400℃で焼き付
けて接着した後、ケミカルメカニカルポリッシングして
厚さ30μmとした。このシリコンの表面にシリコン酸
化膜を形成した。その後、この上にレジスト層を形成し
露光・現像してパターニングした。このパターンは、素
電極の厚さに相当するライン幅を2μm、素電極間の間
隔に相当するスペース幅を10μmとした。また、パタ
ーンの形状は、素電極の形状が基板面と平行な断面にお
いて(111)面がつくる平行四辺形になるように形成
した。このパターンをマスクとしてシリコン酸化膜をR
IE処理した後、KOHの15wt%水溶液を用いて8
0℃でシリコンをエッチングして素電極11、12を形
成した。また、素電極11、12を形成した後、石英基
板1’上に素電極11の共通接続部となる電極間結合線
7を形成した。
【0053】反応性モノマーとしてエチルヘキシルアク
リレート(EHA)を、反応性オリゴマーとしてKAY
ARAD HX−620(日本化薬社製、商品名)を用
い、これらの光重合開始剤としてダロキュア1173
(メルク社製、商品名)を用いた。また、液晶材料に
は、屈折率異方性の比較的大きな材料であるE−8(メ
ルク社製、商品名)を用いた。なお、ここでは、モノマ
ーおよびオリゴマーと液晶材料とを重量比2:8で混合
し、モノマーとオリゴマーの重量比は1:1とした。そ
の後、この混合物中に光重合開始剤を0.01wt%添
加した。これを櫛型壁電極10の間隙に注入し、共通電
極6を形成したガラス基板5を載置した後、エポキシ樹
脂で封止し、さらに紫外線で露光してモノマーおよびオ
リゴマーを重合させた。
リレート(EHA)を、反応性オリゴマーとしてKAY
ARAD HX−620(日本化薬社製、商品名)を用
い、これらの光重合開始剤としてダロキュア1173
(メルク社製、商品名)を用いた。また、液晶材料に
は、屈折率異方性の比較的大きな材料であるE−8(メ
ルク社製、商品名)を用いた。なお、ここでは、モノマ
ーおよびオリゴマーと液晶材料とを重量比2:8で混合
し、モノマーとオリゴマーの重量比は1:1とした。そ
の後、この混合物中に光重合開始剤を0.01wt%添
加した。これを櫛型壁電極10の間隙に注入し、共通電
極6を形成したガラス基板5を載置した後、エポキシ樹
脂で封止し、さらに紫外線で露光してモノマーおよびオ
リゴマーを重合させた。
【0054】このようにして作製した液晶表示素子につ
いて、櫛型壁電極に電圧を印加して透過率を測定したと
ころ、印加電圧5Vで95%の透過率が得られた。ま
た、ガラス基板の裏面に黒色の背景層を設け、電圧無印
加で反射率を測定したところ55%であった。これは上
質紙の反射率65%と比較して十分高い値であった。
いて、櫛型壁電極に電圧を印加して透過率を測定したと
ころ、印加電圧5Vで95%の透過率が得られた。ま
た、ガラス基板の裏面に黒色の背景層を設け、電圧無印
加で反射率を測定したところ55%であった。これは上
質紙の反射率65%と比較して十分高い値であった。
【0055】実施例3 本実施例では、実施例2と同一の構造を有するが、別の
液晶材料を使用した液晶表示素子を作製し、その表示特
性を評価した。
液晶材料を使用した液晶表示素子を作製し、その表示特
性を評価した。
【0056】高分子材料には、反応性モノマーとしてE
HAを、反応性オリゴマーとしてR−551(日本化薬
社製、商品名)を用い、これらの光重合開始剤としてダ
ロキュア1173を用いた。また、液晶材料には、屈折
率異方性の比較的大きな材料であるE−7(メルク社
製、商品名)を用いた。これらの高分子材料と液晶材料
を実施例2と同様にして櫛型壁電極10の間隙に注入し
て高分子材料を重合させた。
HAを、反応性オリゴマーとしてR−551(日本化薬
社製、商品名)を用い、これらの光重合開始剤としてダ
ロキュア1173を用いた。また、液晶材料には、屈折
率異方性の比較的大きな材料であるE−7(メルク社
製、商品名)を用いた。これらの高分子材料と液晶材料
を実施例2と同様にして櫛型壁電極10の間隙に注入し
て高分子材料を重合させた。
【0057】このようにして作製した液晶表示素子につ
いて、櫛型壁電極に電圧を印加して透過率を測定したと
ころ、印加電圧5Vで95%の透過率が得られた。ま
た、ガラス基板の裏面に黒色の背景層を設け、電圧無印
加で反射率を測定したところ60%であり、上質紙の反
射率65%と比較して十分高い値であった。
いて、櫛型壁電極に電圧を印加して透過率を測定したと
ころ、印加電圧5Vで95%の透過率が得られた。ま
た、ガラス基板の裏面に黒色の背景層を設け、電圧無印
加で反射率を測定したところ60%であり、上質紙の反
射率65%と比較して十分高い値であった。
【0058】また、この液晶表示素子の電圧−透過率特
性を調べたところ、いわゆる高分子分散型液晶表示素子
において良く見られるヒステリシス現象が非常に小さく
なっていた。具体的には、通常はヒステリシス幅が約1
Vであるが、本実施例の液晶表示素子では100〜30
0mVと小さくなっている。
性を調べたところ、いわゆる高分子分散型液晶表示素子
において良く見られるヒステリシス現象が非常に小さく
なっていた。具体的には、通常はヒステリシス幅が約1
Vであるが、本実施例の液晶表示素子では100〜30
0mVと小さくなっている。
【0059】実施例4 素電極厚さが5μmであり、素電極間隔が10μmであ
る櫛型壁電極を電鋳法により作製した。すなわち、ガラ
ス基板上にリフトオフで所定のパターンのCrを蒸着
し、フォトリソグラフィー技術を利用してそのパターン
以外の領域をレジスト層で覆い、Cr上にNiを電鋳法
により高さ25μmで成長させた後、レジスト層を除去
した。液晶材料および反応性モノマーなどは、実施例2
において使用したものと同じものを用い、実施例2と同
様にしてこれらを櫛型壁電極の間隙に注入して重合さ
せ、高分子分散型液晶を形成した。
る櫛型壁電極を電鋳法により作製した。すなわち、ガラ
ス基板上にリフトオフで所定のパターンのCrを蒸着
し、フォトリソグラフィー技術を利用してそのパターン
以外の領域をレジスト層で覆い、Cr上にNiを電鋳法
により高さ25μmで成長させた後、レジスト層を除去
した。液晶材料および反応性モノマーなどは、実施例2
において使用したものと同じものを用い、実施例2と同
様にしてこれらを櫛型壁電極の間隙に注入して重合さ
せ、高分子分散型液晶を形成した。
【0060】このようにして作製した液晶表示素子につ
いて、ガラス基板の裏面に黒色の背景層を設け、電圧無
印加で反射率を測定したところ45%であり、上質紙の
反射率65%と比較して十分高い値であった。
いて、ガラス基板の裏面に黒色の背景層を設け、電圧無
印加で反射率を測定したところ45%であり、上質紙の
反射率65%と比較して十分高い値であった。
【0061】実施例5 本実施例では、実施例2と同一の構造を有するが、種々
の高分子分散型液晶をを使用した液晶表示素子を作製
し、表示特性を評価した。
の高分子分散型液晶をを使用した液晶表示素子を作製
し、表示特性を評価した。
【0062】EHAモノマーと下記表1に示すそれぞれ
の液晶材料とを重量比1:1で混合し、実施例2と同様
にして櫛型壁電極10の間隙に注入して重合させ、PE
HA中に液晶を分散させた高分子分散型液晶を形成し
た。なお、PEHAの屈折率1.54である。
の液晶材料とを重量比1:1で混合し、実施例2と同様
にして櫛型壁電極10の間隙に注入して重合させ、PE
HA中に液晶を分散させた高分子分散型液晶を形成し
た。なお、PEHAの屈折率1.54である。
【0063】ここでは、作製された液晶表示素子につい
て実施例2と同様に、反射/透過特性を測定すると共
に、SEM観察を行った。その結果を下記表1に併記す
る。なお、表中、Δopは液晶分子の通常軸方向における
屈折率no と高分子材料の屈折率との差を示し、Δepは
液晶分子の異常軸方向における屈折率ne と高分子材料
の屈折率との差を示し、Δnは液晶分子の屈折率異方性
を示す。
て実施例2と同様に、反射/透過特性を測定すると共
に、SEM観察を行った。その結果を下記表1に併記す
る。なお、表中、Δopは液晶分子の通常軸方向における
屈折率no と高分子材料の屈折率との差を示し、Δepは
液晶分子の異常軸方向における屈折率ne と高分子材料
の屈折率との差を示し、Δnは液晶分子の屈折率異方性
を示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1に示す液晶材料のうちZLl−411
9(屈折率異方性0.061)を用いた場合には、液晶
分子と高分子材料との間の界面において、可視光の波長
(400〜800nm)よりも大きい、1〜3μm前後
の微細な不定形粒子が多数形成されていた。このとき、
ガラス基板の裏面に黒色の背景層を設け、電圧無印加で
反射率を測定したところ52%であり、上質紙の反射率
65%と比較して十分高い値であった。また、背景なし
で印加電圧5Vにおいて透過率が85%であり優れた特
性を示した。
9(屈折率異方性0.061)を用いた場合には、液晶
分子と高分子材料との間の界面において、可視光の波長
(400〜800nm)よりも大きい、1〜3μm前後
の微細な不定形粒子が多数形成されていた。このとき、
ガラス基板の裏面に黒色の背景層を設け、電圧無印加で
反射率を測定したところ52%であり、上質紙の反射率
65%と比較して十分高い値であった。また、背景なし
で印加電圧5Vにおいて透過率が85%であり優れた特
性を示した。
【0066】他の液晶材料と高分子材料との組み合わせ
では、反射率は40〜50%程度と高いが、透過率が7
0%前後まで下がり、全体としての特性が劣っている。
これらの組み合わせのうちK15およびE7について
は、液晶の屈折率異方性の差が大きいとしても、櫛型壁
電極を用いて基板面と平行な方向に電界を印加している
ために、通常軸方向における屈折率の整合だけでは十分
な特性を発揮することができなかったと考えられる。一
方、ZLl−5092では、その高分子材料との屈折率
との差はZLl−4119と同程度であるものの、高分
子材料との間での光散乱が非常に大きい界面形状が形成
されていることが、SEM観察の結果判明した。
では、反射率は40〜50%程度と高いが、透過率が7
0%前後まで下がり、全体としての特性が劣っている。
これらの組み合わせのうちK15およびE7について
は、液晶の屈折率異方性の差が大きいとしても、櫛型壁
電極を用いて基板面と平行な方向に電界を印加している
ために、通常軸方向における屈折率の整合だけでは十分
な特性を発揮することができなかったと考えられる。一
方、ZLl−5092では、その高分子材料との屈折率
との差はZLl−4119と同程度であるものの、高分
子材料との間での光散乱が非常に大きい界面形状が形成
されていることが、SEM観察の結果判明した。
【0067】実施例6 本実施例では、実施例2と同一の構造を有するが、さら
に別の高分子分散型液晶を使用した液晶表示素子を作製
し、その表示特性を評価した。
に別の高分子分散型液晶を使用した液晶表示素子を作製
し、その表示特性を評価した。
【0068】ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)モノマーと下記表2に示す液晶材料(ZLl−50
92)とを重量比1:1で混合し、実施例2と同様にし
て櫛型壁電極10の間隙に注入して重合させ、PHEH
A中に液晶を分散させた高分子分散型液晶を形成した。
なお、PHEMAの屈折率は1.509である。ここで
も、作製された液晶表示素子についてSEM観察を行っ
た。
A)モノマーと下記表2に示す液晶材料(ZLl−50
92)とを重量比1:1で混合し、実施例2と同様にし
て櫛型壁電極10の間隙に注入して重合させ、PHEH
A中に液晶を分散させた高分子分散型液晶を形成した。
なお、PHEMAの屈折率は1.509である。ここで
も、作製された液晶表示素子についてSEM観察を行っ
た。
【0069】
【表2】
【0070】表2から、ZLl−5092の屈折率no
およびne は、高分子材料の屈折率を基準として上下
0.05の範囲にあることが分かる。このとき、電圧無
印加での反射率が55%であり、上質紙の反射率65%
と比較して十分高い反射率であった。また、印加電圧5
Vにおいて背景なしの透過率が90%であり優れた特性
を示した。なお、液晶材料と高分子材料との界面の状態
をSEM観察したところ、電圧印加時には液晶/高分子
材料界面がそれほど複雑にはならず、可視光線を著しく
散乱させる界面形状ではなかった。
およびne は、高分子材料の屈折率を基準として上下
0.05の範囲にあることが分かる。このとき、電圧無
印加での反射率が55%であり、上質紙の反射率65%
と比較して十分高い反射率であった。また、印加電圧5
Vにおいて背景なしの透過率が90%であり優れた特性
を示した。なお、液晶材料と高分子材料との界面の状態
をSEM観察したところ、電圧印加時には液晶/高分子
材料界面がそれほど複雑にはならず、可視光線を著しく
散乱させる界面形状ではなかった。
【0071】すなわち、実施例5の場合のように、液晶
の一方向の屈折率とマトリクスである高分子材料の屈折
率との差が大き過ぎると、電圧印加で液晶分子を基板面
と平行方向に配列させても光散乱が生じ、高い透過特性
が得られにくい。これに対して、液晶の屈折率と高分子
材料の屈折率との差が十分で、かつ高分子材料の屈折率
を基準にして上下0.05の範囲にno とne が収まれ
ば、液晶/高分子材料界面を可視光線を散乱させるうえ
で適切な形状に制御することで、高い透過特性が得られ
ることが確認された。
の一方向の屈折率とマトリクスである高分子材料の屈折
率との差が大き過ぎると、電圧印加で液晶分子を基板面
と平行方向に配列させても光散乱が生じ、高い透過特性
が得られにくい。これに対して、液晶の屈折率と高分子
材料の屈折率との差が十分で、かつ高分子材料の屈折率
を基準にして上下0.05の範囲にno とne が収まれ
ば、液晶/高分子材料界面を可視光線を散乱させるうえ
で適切な形状に制御することで、高い透過特性が得られ
ることが確認された。
【0072】実施例7 本実施例ではTFTと櫛型壁電極との良好なコンタクト
を確保するとともに、開口率を増大させるのに有利な方
法を図18(a)〜(e)および図19を参照して説明
する。
を確保するとともに、開口率を増大させるのに有利な方
法を図18(a)〜(e)および図19を参照して説明
する。
【0073】まず、ガラス基板1上に、TFT、信号
線、ゲート線を形成した。これらの全面に感光性の着色
ポリイミド前駆体を塗布した。TFTのソース電極S以
外の部分を露光して硬化させ、次いで未露光部を現像除
去してソース電極に対応する位置にコンタクトホールを
開孔した後、アフターベークを行って着色絶縁層30を
形成した(図18(a))。この絶縁層30の上にIT
O膜を形成し、格子状にパターニングして共通電極6を
形成した。なお、共通電極6は対向基板に設けてもよ
い。
線、ゲート線を形成した。これらの全面に感光性の着色
ポリイミド前駆体を塗布した。TFTのソース電極S以
外の部分を露光して硬化させ、次いで未露光部を現像除
去してソース電極に対応する位置にコンタクトホールを
開孔した後、アフターベークを行って着色絶縁層30を
形成した(図18(a))。この絶縁層30の上にIT
O膜を形成し、格子状にパターニングして共通電極6を
形成した。なお、共通電極6は対向基板に設けてもよ
い。
【0074】次に、全面にめっき電極となる0.02μ
mのCu層31を蒸着した。このCu層31はソース電
極と接続される(図18(b))。次いで、全面に厚膜
レジスト32(ヘキスト社、商品名AZ LP−10)
を塗布し、プリベークし、マスクを介してg線で露光
し、現像して、形成すべき櫛型壁電極の形状に相当する
開孔部を設け、80℃でポストベークした(図18
(c))。つづいて、下地のCu層31をめっき電極と
して利用し、NiまたはCuめっきを施して櫛型壁電極
10を形成した(図18(d))。最後に、レジスト3
2をアセトンで溶解して除去した後、RIEにより下地
Cu層31の不要部分を除去した(図18(e))。
mのCu層31を蒸着した。このCu層31はソース電
極と接続される(図18(b))。次いで、全面に厚膜
レジスト32(ヘキスト社、商品名AZ LP−10)
を塗布し、プリベークし、マスクを介してg線で露光
し、現像して、形成すべき櫛型壁電極の形状に相当する
開孔部を設け、80℃でポストベークした(図18
(c))。つづいて、下地のCu層31をめっき電極と
して利用し、NiまたはCuめっきを施して櫛型壁電極
10を形成した(図18(d))。最後に、レジスト3
2をアセトンで溶解して除去した後、RIEにより下地
Cu層31の不要部分を除去した(図18(e))。
【0075】なお、図19に示すように、この櫛型壁電
極10は格子状の共通電極6と接続されている。櫛型壁
電極10は、幅2μm、間隔8μm、高さ30μmとし
た。ここで、別の実験によれば、厚さ16μmのレジス
トを塗布して所定の開孔を形成し、櫛型壁電極を形成す
るめっき工程でCuをめっきした場合、Cuはレジスト
の厚みを超えて45μmまで垂直に成長し、しかもその
幅が広がることはなかった。
極10は格子状の共通電極6と接続されている。櫛型壁
電極10は、幅2μm、間隔8μm、高さ30μmとし
た。ここで、別の実験によれば、厚さ16μmのレジス
トを塗布して所定の開孔を形成し、櫛型壁電極を形成す
るめっき工程でCuをめっきした場合、Cuはレジスト
の厚みを超えて45μmまで垂直に成長し、しかもその
幅が広がることはなかった。
【0076】上述した図18(a)〜(e)の方法のよ
うにガラス基板上のTFTおよび配線を絶縁層で覆い、
その上に櫛型壁電極10を形成すると、櫛型壁電極10
の面積を広げることができ、開口率を向上できる。ま
た、めっき法を採用しているので、TFT(ソース電
極)と櫛型壁電極とのコンタクトを確実にすることがで
きる。
うにガラス基板上のTFTおよび配線を絶縁層で覆い、
その上に櫛型壁電極10を形成すると、櫛型壁電極10
の面積を広げることができ、開口率を向上できる。ま
た、めっき法を採用しているので、TFT(ソース電
極)と櫛型壁電極とのコンタクトを確実にすることがで
きる。
【0077】さらに、図19に示すような格子状の共通
電極6を、下地の信号線およびゲート線の上方に対応し
て絶縁膜30上に壁状に形成すれば、開口率をより一層
向上できる。同時に、共通電極と櫛型壁電極とのコンタ
クトも確実にすることができる。
電極6を、下地の信号線およびゲート線の上方に対応し
て絶縁膜30上に壁状に形成すれば、開口率をより一層
向上できる。同時に、共通電極と櫛型壁電極とのコンタ
クトも確実にすることができる。
【0078】すなわち図19と図9とで、櫛型壁電極の
外周で囲まれ、かつ対極どうしが重なっている部分の面
積を比較すると、図19の方が大きいことは明らかであ
る。図19の構造で計算すると開口率は81%になる。
外周で囲まれ、かつ対極どうしが重なっている部分の面
積を比較すると、図19の方が大きいことは明らかであ
る。図19の構造で計算すると開口率は81%になる。
【0079】実施例8 本実施例では櫛型壁電極の望ましい形状について説明す
る。上述したように櫛型壁電極の上端の隅部が直角な形
状であると、2枚の基板をはり合わせる際に変形が生じ
やすく、不良の原因となることがある。そこで、櫛型壁
電極の上端の隅部に丸み付けすることが好ましい。
る。上述したように櫛型壁電極の上端の隅部が直角な形
状であると、2枚の基板をはり合わせる際に変形が生じ
やすく、不良の原因となることがある。そこで、櫛型壁
電極の上端の隅部に丸み付けすることが好ましい。
【0080】具体的には、実施例7で説明した図18
(e)の工程でレジストをアセトンで溶解して除去した
後、さらにpH12のリンス液でリンスすることにより
図20に示すような形状の櫛型壁電極を形成することが
できる。実際に、幅5μm、幅2μmの櫛型壁電極を形
成し、リンスし、洗浄・乾燥後、この電極を顕微鏡で観
測すると、上端部の隅部が丸くなっていることが確認さ
れた。また、その底部にも隅肉が形成され、安定性の向
上に有利な形状であった。
(e)の工程でレジストをアセトンで溶解して除去した
後、さらにpH12のリンス液でリンスすることにより
図20に示すような形状の櫛型壁電極を形成することが
できる。実際に、幅5μm、幅2μmの櫛型壁電極を形
成し、リンスし、洗浄・乾燥後、この電極を顕微鏡で観
測すると、上端部の隅部が丸くなっていることが確認さ
れた。また、その底部にも隅肉が形成され、安定性の向
上に有利な形状であった。
【0081】また、ガラス基板上に幅2μm、間隔10
μm、高さ30μmの櫛型壁電極で、上記のようにリン
ス工程を施したものと、リンス工程を施していないもの
を作製した。次に、それぞれの櫛型壁電極を有するガラ
ス基板に実施例2と同様に液晶材料およびモノマーなど
を流し込み、その上に対向基板を載せ、UV露光して重
合させ、重合したポリマーで接着した。このようにして
形成されたそれぞれの液晶表示素子について実施例2と
同様に表示性能を評価した。その結果、リンス工程を経
ていない櫛型壁電極を有する素子では、対向基板をつけ
る際に電極のつぶれが原因でショートして作動しなかっ
たセルが約60%生じたのに対し、リンス工程を経た本
実施例の素子では不良セルは生じなかった。
μm、高さ30μmの櫛型壁電極で、上記のようにリン
ス工程を施したものと、リンス工程を施していないもの
を作製した。次に、それぞれの櫛型壁電極を有するガラ
ス基板に実施例2と同様に液晶材料およびモノマーなど
を流し込み、その上に対向基板を載せ、UV露光して重
合させ、重合したポリマーで接着した。このようにして
形成されたそれぞれの液晶表示素子について実施例2と
同様に表示性能を評価した。その結果、リンス工程を経
ていない櫛型壁電極を有する素子では、対向基板をつけ
る際に電極のつぶれが原因でショートして作動しなかっ
たセルが約60%生じたのに対し、リンス工程を経た本
実施例の素子では不良セルは生じなかった。
【0082】なお、櫛型壁電極の上端の隅部の丸み半径
Rは電極幅xの1/10以上であることが好ましい。何
となればRがxの1/10未満だと、電極の変形による
ショートなどを十分に防止することが困難となるためで
ある。さらに、このような丸み付けした櫛型壁電極を良
好に形成するのに適する構造的な条件について説明す
る。ここで、電極の高さをa、電極間隔に対応するレジ
ストの開孔部の間隔をb、電極幅に対応するレジストの
開孔幅をc、めっき電極となる下地金属の厚さをdとす
る。なお、cはエッチングにより電極幅が減少すること
を考慮して、形成すべき電極幅より大きな値に設定する
ことが好ましく、これに伴ってbの値も実際の電極間間
隔とは異なる。この場合、 a/b>5/2、b/c>2、a/d>10 という条件を満たすことが好ましい。
Rは電極幅xの1/10以上であることが好ましい。何
となればRがxの1/10未満だと、電極の変形による
ショートなどを十分に防止することが困難となるためで
ある。さらに、このような丸み付けした櫛型壁電極を良
好に形成するのに適する構造的な条件について説明す
る。ここで、電極の高さをa、電極間隔に対応するレジ
ストの開孔部の間隔をb、電極幅に対応するレジストの
開孔幅をc、めっき電極となる下地金属の厚さをdとす
る。なお、cはエッチングにより電極幅が減少すること
を考慮して、形成すべき電極幅より大きな値に設定する
ことが好ましく、これに伴ってbの値も実際の電極間間
隔とは異なる。この場合、 a/b>5/2、b/c>2、a/d>10 という条件を満たすことが好ましい。
【0083】また、グレーティングの効果を避けるため
には、それぞれの電極ごとに丸み半径がバラついている
ことが好ましい。このような構造を実現するためには、
リンス液を不規則に撹拌すればよい。
には、それぞれの電極ごとに丸み半径がバラついている
ことが好ましい。このような構造を実現するためには、
リンス液を不規則に撹拌すればよい。
【0084】実施例9 本実施例においては、反射型カラー液晶表示素子の反射
率を高めることができる構造について説明する。
率を高めることができる構造について説明する。
【0085】通常の液晶表示素子ではカラーフィルター
は対向基板に設けられる。しかし、このような構造で
は、液晶セルのON/OFFにかかわらず、反射光がカ
ラーフィルターを通過するので、反射率は20%程度に
まで下がる。
は対向基板に設けられる。しかし、このような構造で
は、液晶セルのON/OFFにかかわらず、反射光がカ
ラーフィルターを通過するので、反射率は20%程度に
まで下がる。
【0086】これを解決するためには、図21に示すよ
うに、TFTおよび櫛型壁電極10が形成されたガラス
基板1と対向基板5とで素子を形成し、ガラス基板1の
裏面側にカラーフィルター40および反射板41を設け
た構造を採用すればよい。このような素子では、液晶セ
ルがONの場合だけ反射光がカラーフィルターを通過す
るので、反射率を60%程度にすることができる。
うに、TFTおよび櫛型壁電極10が形成されたガラス
基板1と対向基板5とで素子を形成し、ガラス基板1の
裏面側にカラーフィルター40および反射板41を設け
た構造を採用すればよい。このような素子では、液晶セ
ルがONの場合だけ反射光がカラーフィルターを通過す
るので、反射率を60%程度にすることができる。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、低
電圧駆動、高コントラストで明るく、スペーサーによる
欠陥も除去できる液晶表示素子が得られる。
電圧駆動、高コントラストで明るく、スペーサーによる
欠陥も除去できる液晶表示素子が得られる。
【図1】本発明の液晶表示素子の原理を示す説明図。
【図2】本発明の他の液晶表示素子の原理を示す説明
図。
図。
【図3】本発明の他の液晶表示素子における櫛型壁電極
に使用するシリコンブロックを示す拡大図。
に使用するシリコンブロックを示す拡大図。
【図4】シリコンブロックを用いた櫛型壁電極を具備し
たアクティブマトリクス方式の液晶表示素子の画素の一
部を示す平面図。
たアクティブマトリクス方式の液晶表示素子の画素の一
部を示す平面図。
【図5】シリコンブロックを用いた櫛型壁電極を具備し
たアクティブマトリクス方式の液晶表示素子の画素の他
の例を示す平面図。
たアクティブマトリクス方式の液晶表示素子の画素の他
の例を示す平面図。
【図6】シリコンブロックを用いた櫛型壁電極を具備し
た単純マトリクス方式の液晶表示素子の一部を示す平面
図。
た単純マトリクス方式の液晶表示素子の一部を示す平面
図。
【図7】本発明の液晶表示素子を作製する方法を示す
図。
図。
【図8】(a)〜(d)は図7に示す櫛型壁電極の素電
極の形状を示す図。
極の形状を示す図。
【図9】本発明の実施例における液晶表示素子の平面
図。
図。
【図10】本発明の実施例における液晶表示素子の櫛型
壁電極の構造を示す正面図。
壁電極の構造を示す正面図。
【図11】(a)〜(d)は本発明の実施例における液
晶表示素子の櫛型壁電極の製造工程を示す断面図。
晶表示素子の櫛型壁電極の製造工程を示す断面図。
【図12】本発明の他の実施例における液晶表示素子の
櫛型壁電極の構造を示す正面図。
櫛型壁電極の構造を示す正面図。
【図13】本発明の他の実施例における液晶表示素子の
櫛型壁電極を構成する素電極の形状を示す平面図。
櫛型壁電極を構成する素電極の形状を示す平面図。
【図14】本発明の他の実施例における液晶表示素子の
櫛型壁電極のパターンを示す平面図。
櫛型壁電極のパターンを示す平面図。
【図15】本発明のさらに他の実施例における液晶表示
素子の櫛型壁電極のパターンを示す平面図。
素子の櫛型壁電極のパターンを示す平面図。
【図16】本発明の他の実施例における液晶表示素子の
平面図。
平面図。
【図17】本発明の他の実施例における液晶表示素子の
櫛型壁電極の構造を示す正面図。
櫛型壁電極の構造を示す正面図。
【図18】(a)〜(d)は本発明の他の実施例におけ
る液晶表示素子の櫛型壁電極の製造工程を示す断面図。
る液晶表示素子の櫛型壁電極の製造工程を示す断面図。
【図19】本発明の他の実施例における櫛型壁電極およ
び共通電極を示す平面図。
び共通電極を示す平面図。
【図20】本発明の他の実施例における櫛型壁電極の素
電極の構造を示す平面図。
電極の構造を示す平面図。
【図21】本発明の他の実施例における液晶表示素子の
断面図。
断面図。
1…ガラス基板、1’…石英基板、2…ゲート線、3…
信号線、4…薄膜トランジスタ、5…ガラス基板、6…
共通電極、7…電極間結合線、8…シリコンブロック、
10…櫛型壁電極、10a…応力分散領域、11、12
…素電極、13…液晶、13’…液晶分子、14…2色
性色素分子、15…液晶分子と高分子材料との混合物、
16…平面電極パターン、17…対向基板、21…シリ
コン層、22…シリコン酸化膜、30…着色絶縁層、3
1…Cu層、40…カラーフィルター、41…反射板、
100…画素。
信号線、4…薄膜トランジスタ、5…ガラス基板、6…
共通電極、7…電極間結合線、8…シリコンブロック、
10…櫛型壁電極、10a…応力分散領域、11、12
…素電極、13…液晶、13’…液晶分子、14…2色
性色素分子、15…液晶分子と高分子材料との混合物、
16…平面電極パターン、17…対向基板、21…シリ
コン層、22…シリコン酸化膜、30…着色絶縁層、3
1…Cu層、40…カラーフィルター、41…反射板、
100…画素。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】(a)〜(e)は本発明の他の実施例におけ
る液晶表示素子の櫛型壁電極の製造工程を示す断面図。
る液晶表示素子の櫛型壁電極の製造工程を示す断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関村 雅之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 本宮 明典 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 浦野 妙子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 町田 茂 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 浅川 鋼児 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内
Claims (10)
- 【請求項1】 互いに対向する2枚の基板と、これら基
板面上に形成された縦方向配線および横方向配線により
規定される複数の画素の各々に対応して形成された複数
の素電極を有し各素電極の主面が前記2枚の基板面と略
直交し、かつ隣り合う素電極の主面が互いに対極をなす
櫛型壁電極と、前記2枚の基板間に設けられた櫛型壁電
極の間隙に充填された液晶とを具備したことを特徴とす
る液晶表示素子。 - 【請求項2】 櫛型壁電極を構成する複数の素電極は交
互に、それぞれ一画素に対応して形成された能動素子と
共通電極とに接続されていることを特徴とする請求項1
記載の液晶表示素子。 - 【請求項3】 能動素子と共通電極とが絶縁膜を挟んで
同一の基板上に形成されていることを特徴とする請求項
2記載の液晶表示素子。 - 【請求項4】 前記櫛型壁電極を構成する素電極の電極
間隔が10μm以下であることを特徴とする請求項1記
載の液晶表示素子。 - 【請求項5】 前記櫛型壁電極を構成する素電極の主面
に、2枚の基板面と略直交する方向に沿って複数の溝が
形成されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表
示素子。 - 【請求項6】 1つの画素内で前記櫛型壁電極を構成す
る互いに隣接した素電極の厚みが異なることを特徴とす
る請求項1記載の液晶表示素子。 - 【請求項7】 前記櫛型壁電極を構成する素電極の、前
記基板と当接する上端の隅部が丸み付けされていること
を特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。 - 【請求項8】 前記液晶としてn型液晶を用い、該n型
液晶中にp型2色性色素を添加したことを特徴とする請
求項1記載の液晶表示素子。 - 【請求項9】 前記液晶が高分子分散型液晶およびポリ
マーネットワーク液晶のいずれか1種であることを特徴
とする請求項1記載の液晶表示素子。 - 【請求項10】 前記櫛型壁電極の間隙に、p型液晶を
分散させた高分子材料が充填されており、液晶分子の異
常軸方向における屈折率ne と前記高分子材料の屈折率
との差および前記液晶分子の通常軸方向における屈折率
no と前記高分子材料の屈折率との差が0.05以下で
あることを特徴とする請求項9記載の液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23307095A JPH08313923A (ja) | 1994-09-17 | 1995-09-11 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24846294 | 1994-09-17 | ||
JP5777295 | 1995-03-16 | ||
JP7-57772 | 1995-03-16 | ||
JP6-248462 | 1995-03-16 | ||
JP23307095A JPH08313923A (ja) | 1994-09-17 | 1995-09-11 | 液晶表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08313923A true JPH08313923A (ja) | 1996-11-29 |
Family
ID=27296376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23307095A Pending JPH08313923A (ja) | 1994-09-17 | 1995-09-11 | 液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08313923A (ja) |
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO1999031545A1 (fr) * | 1997-12-17 | 1999-06-24 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Panneau d'affichage a cristaux liquides de type dispersion de polymere et son procede de fabrication |
US6281953B1 (en) | 1998-08-24 | 2001-08-28 | Hyundai Electronics Industries Co., Ltd. | Liquid crystal display having high aperture ratio and high transmittance and method of manufacturing the same |
JP2002023171A (ja) * | 2000-07-11 | 2002-01-23 | Nec Corp | 液晶表示装置及びその製造方法 |
US6476900B1 (en) | 1997-12-17 | 2002-11-05 | Hyundai Display Technology Inc. | Liquid crystal display |
US6583839B2 (en) | 1996-11-06 | 2003-06-24 | Nec Corporation | In-plane-switching liquid crystal display unit having tinting compensation |
US6704083B1 (en) | 1997-05-30 | 2004-03-09 | Samsung Electronics, Co., Ltd. | Liquid crystal display including polarizing plate having polarizing directions neither parallel nor perpendicular to average alignment direction of molecules |
US6862063B2 (en) | 1997-05-30 | 2005-03-01 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Liquid crystal display |
JP2005321705A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | 液晶光変調器および液晶表示装置 |
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