JPH08313496A - 超音波探触子 - Google Patents

超音波探触子

Info

Publication number
JPH08313496A
JPH08313496A JP7145711A JP14571195A JPH08313496A JP H08313496 A JPH08313496 A JP H08313496A JP 7145711 A JP7145711 A JP 7145711A JP 14571195 A JP14571195 A JP 14571195A JP H08313496 A JPH08313496 A JP H08313496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
probe
delay
vibrator
ultrasonic waves
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7145711A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Udagawa
義夫 宇田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP7145711A priority Critical patent/JPH08313496A/ja
Publication of JPH08313496A publication Critical patent/JPH08313496A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Landscapes

  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波探触子を用いた探傷・測定に際して、
検査精度と検査能率の向上を図る。 【構成】 本願発明に係る超音波探触子は、超音波の発
射方向zに向かって凹曲面を有する振動子1と、振動子
1の少なくとも前方に配設され探触子内の超音波の伝達
媒体をなす固形のディレー2とを備える。振動子1の上
記凹曲面は、ディレー2内にて、焦点或いは焦点に近い
状態にまで超音波ビームを収束するよう湾曲したもので
ある。ディレー2は、このような超音波ビームの収束に
充分な、振動子1の前方方向への即ち超音波の発射方向
zへの、幅dを備えるものである。上記ディレー2の先
端面20は、ディレー2内部或いはこの先端面20で焦
点或いは焦点に近い状態にまで収束した上記超音波ビー
ムを、当該収束状態をほぼ維持したまま被検材内部へ伝
達するよう賦形されたものである。従って、実用感度域
(焦点深度)を極めて長い区間に渡って確保することが
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、超音波探触子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、非破壊検査による被検材の探
傷や肉厚測定を目的として、超音波が用いられた。これ
は、探触子から、被検材に向けて超音波を発射し、その
反射波を検出することによって検査を行うものである。
被検材及び探触子は、通常水等の液体中に置かれること
により、この被検材と探触子の間に、超音波の媒体とし
て、水等の液体が介される。
【0003】探触子は、その先端部に振動子を備え、振
動子が振動電圧を受けて振動することにより、超音波が
発されるものである。このような超音波を発生する振動
子は、当初平らなものが一般的であり、超音波も一定の
幅のものが、探触子より発されたのであったが、最近で
は、図10へ示すように、振動子BBに球面状のものが
採用されるようになった。即ち、発する超音波が焦点を
有するように設定された焦点型の探触子Bが見られるよ
うになったのである。これは、超音波を被検材A内部に
おいて適当に収束させることによって、感度を高め探傷
或いは肉厚測定の精度の向上を図ることが可能であると
考えられたからである。
【0004】探傷の場合について例示すると、図11へ
示すように、上記の通り、先端部の振動子BBを備える
探触子Bを用い、被検材Aに向けて超音波を発した際、
焦点位置F0付近において、実用的な感度が得られる幅
(収束幅e以下)の範囲(以降焦点深度という)f0に
て、高精度な探傷を行うことができると考えられたので
ある。尚、図11のgは、探触子Bと被検材Aとの間の
ギャップを示しており、少なくともこのギャップgに超
音波の媒体として水等の液体が介している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、実際は、探
触子の感度の向上による上記検査精度の向上は、期待ほ
ど思わしいものではなかった。これは、図12へ示すよ
うに、超音波を収束させることによって、(ビームの中
心cよりも)外側から収束する超音波s,sは、媒介液
中から被検材Aの表面に対し斜めに入射することにな
り、媒介液中と被検材中の音速の差によって屈折を生
じ、この屈折により、予定している位置(焦点位置F
0)よりも前方F1に焦点が来ることになる。このた
め、予定の焦点深度f0よりも浅い(短い)焦点深度f
1しか得られない。即ち実用的な感度が得られる収束幅
e以下の範囲が、非常に短いものとなるのである。
【0006】このような傾向は、パイプ等の管材を被検
材Aとし、このような管材の内部に探触子Aを配位し、
管材の内周面側より管材の肉厚内部を検査しようとする
場合(探触子Aが内挿型の探触子である場合)など、特
に顕著になる。即ち、図13へ示すように、管材である
被検材Aの周面の曲率に応じて屈折がより大きく起こ
り、前述の場合よりも更に手前の位置F2へ焦点が来る
ことになり、収束幅e以下の範囲、即ち焦点深度f2
が、極めて短くなってしまうのである。
【0007】これらのことを詳しく述べると、焦点型探
触子をパイプ内へ内挿して探傷を行う場合、水中に伝播
した超音波は、パイプ内面の曲率のためにより強く曲げ
られる。このため、強く焦点F2を結び、焦点F2では
反射源に対する感度が高く、その他の点では感度が低く
なり、実用感度が得られる位置はこの強く結ばれた焦点
付近の非常に狭い収束域(焦点深度)となってしまうの
である。これによって、測定範囲内の、感度の低い点
で、測定装置の感度をあわせることになるため、表面エ
コーが比較的大きくなり表面不感帯が大きくなるのであ
った。上記のことから、探触子BをパイプAの内周面に
沿って(方向rに沿って)、スパイラル状に回転(走
査)し、パイプの全長に渡って検査するのであるが、一
回の走査で、被検材Aの肉厚の全てを到底カバーできる
ものではなく、肉厚内の焦点深度f2の位置を変えて複
数回の走査を行う必要があった。又、図14へ示すよう
に、パイプ内進入の際の屈折により、有害な横波成分J
が生じてしまうという問題も検査の精度上無視できるも
のではない。
【0008】上述の通り、従来の集中型探触子を用いた
探傷或いは肉厚測定では、実用的な感度幅が得られない
という弊害が生じて、検査精度及び検査能率に多大な影
響を及ぼすものであった。本願発明は、上記課題の解決
を目的として、検査・測定精度及び検査・測定能率の向
上及びこれらの両立を図るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明に係る超
音波探触子は、水等の液体を媒体として、被検材に向け
て超音波を発する超音波探触子において下記の構成を採
るものである。即ち、超音波の発射方向zに向かって凹
曲面を有する振動子1と、振動子1の少なくとも前方に
配設され探触子内の超音波の伝達媒体をなす固形のディ
レー2とを備える。振動子1の上記凹曲面は、ディレー
2内にて、焦点或いは焦点に近い状態にまで超音波ビー
ムを収束するよう湾曲したものである。ディレー2は、
このような超音波ビームの収束に充分な、振動子1の前
方方向への即ち超音波の発射方向zへの、幅dを備える
ものである。上記ディレー2の先端面20は、ディレー
2内部或いはこの先端面20で焦点或いは焦点に近い状
態にまで収束した上記超音波ビームを、当該収束状態を
ほぼ維持したまま被検材内部へ伝達するよう賦形された
ものである。
【0010】本願第2の発明に係る超音波探触子は、上
記第1の発明に係る超音波探触子にあって、上記振動子
1は、自身が発する超音波の発射方向zと略直交する一
方向yについてのみその表面が凹曲面をなし、自身が発
する超音波をその発射方向zと交差する上記一方向yに
ついてのみ収束させるものであり、上記発射方向zと略
直交する少なくとも他の一方向xについてはほぼ発射当
初の幅wを維持するものである。
【0011】本願第3の発明に係る超音波探触子は、上
記第1又は第2の発明に係る超音波探触子にあって、デ
ィレー2の先端面20は、超音波の進行方向zと交差す
る少なくとも一方向xについて、被検材の表面の形状に
沿った形状に賦形されたものである。
【0012】本願第4の発明に係る超音波探触子は、上
記第1間は第2又は第3の発明に係る超音波探触子にあ
って、振動子1は、セラミック複合素材にて形成された
ものである。
【0013】
【作用】本願第1の発明に係る超音波探触子は、振動子
1が、湾曲して極めて短距離に超音波の焦点を持つもの
であり、他方、振動子1の前方に設けられた固形のディ
レー2が、超音波の発射方向に対して、充分な幅dを有
して、ディレー2の内部にて、焦点或いは焦点に近い状
態、即ち実用感度が得られる状態にまで収束させるもの
である。そして、探触子の超音波の外部への発射部とな
るディレー2先端面20は、それ以上超音波が収束・拡
散をなさないように、賦形されたものであるため、この
ような実用感度域(焦点深度)を極めて長い区間に渡っ
て確保することが可能である。
【0014】本願第2の発明に係る超音波探触子は、上
記第1の発明に係る超音波探触子の作用即ち超音波の発
射方向zに沿った焦点深度を得ることに加えて、実用感
度を得るのは、一方向yのみとして、この方向yにのみ
超音波を収束させるものであり、他にこのような収束を
させない方向xを持つものであるため、発射方向zに略
直交する平面(x−y平面)における実用感度(超音波
の収束)は、方向yで得るものとし、同じ平面に属する
他の方向xによって、有効な検査範囲を確保する。従っ
て、必要な検査感度を得るために収束状態を得つつも、
必要以上に検査範囲を狭めることがなく、第1の発明に
よる焦点深度の確保と相まって検査効率を向上した。
【0015】本願第3の発明に係る超音波探触子は、被
検材の表面の形状に拘らず、超音波ビームの各部を被検
材の表面に対して、少なくとも一方向xについては垂直
に入射させることが可能であるため、少なくともこの方
向xと直交する方向について媒介液と被検材間での屈折
を生じさせず、被検材の表面が平らでない場合も、上記
第1又は2の発明に係る作用を得ることが可能である。
又このような直進性の確保により(少なくともこの方向
xと直交する方向について媒介液と被検材間での屈折を
生じさせないことにより)、被検材表面での屈折により
生じる有害な横波の発生を低減することができる。
【0016】本願第4の発明に係る超音波探触子は、上
記第1又は第2又は第3の発明に係る超音波探触子の作
用に加えて、セラミック複合素材を採用することによ
り、共振度(Q値)が低くなり、リンギングが生じにく
い。
【0017】
【実施例】以下、本願発明の実施例について具体的に説
明する。
【0018】図1及び図2へ本願発明に係る超音波探触
子の一実施例を掲げる。この超音波探触子100は、水
等の液体を媒体として、被検材に向けて超音波を発する
水浸型のものである。超音波探触子は、振動子1が、湾
曲して極めて短距離に超音波の焦点を持つものであり、
超音波の発射方向zに向かって凹曲面を有する振動子1
と、振動子1の少なくとも前方に配設され探触子内の超
音波の伝達媒体をなす固形のディレー2と、振動子1の
後方に配設されたダンパー3とを備える。
【0019】上記振動子1は、振動電圧を受けて振動
し、超音波を発生するものである。この振動子1は、探
触子100内部に配設され、セラミック複合体にて上記
凹曲面を持つように湾曲された略矩形の薄板である。こ
のような曲面を持つよう湾曲されることによって、振動
子1は、極めて短距離に超音波の焦点を持ち、探触子1
00内で、超音波を焦点或いは焦点に近い状態まで収束
させる。
【0020】具体的には、上記振動子1は、図3へ示す
ような円筒を縦割した形状に湾曲され、図1へ示すよう
に、自身が発する超音波の発射方向zと略直交する一方
向yについてのみその表面が凹曲面をなし、自身が発す
る超音波をその発射方向zと交差する上記方向yについ
てのみ収束させるものである。そして、図2へ示すよう
に上記発射方向zと略直交する少なくとも他の一方向x
については、振動子1は湾曲せず平らであり、この方向
xについてほぼ発射当初の幅wを維持するものである
(各図の方向x,y,zは、仮想線である)。
【0021】上記振動子1を形成するのに、プラスチッ
クとセラミックの複合素材を採用することにより、共振
度(Q値)が抑えられ、リンギングを抑制することがで
きる。この場合特にプラチック中にセラミック粉が均一
に分布する03コンポジット(3−0コンポジット)な
る複合素材が最適であり、この外1−1コンポジットや
3−1コンポジットなどもほぼ同様の効果が得られる。
このような素材を採用する利点について説明すると、こ
のようなセラミック素材は、柔軟であり、曲げることに
よって振動子1に所望の形状を付与することができるか
らである。これは、曲げたりせずに、当初から、所望の
曲面を有するようにセラミック素材を成形しておいて
も、製造工程中炉で焼き入れたときに歪むからである。
又、カッティングによって振動子を形成する場合、薄い
ものが成形しにくい。このため若し厚みのあるものを振
動子として使用しようとすれば、電圧をかけた際に分極
が生じて変形してしまう。結局03コンポジットのよう
な各方向に柔軟な素材を曲げて、所望の形状の振動子を
得るのが最も好ましいのである。1−1コンポジットや
3−1コンポジットも方向x,y,zのうち2方向につ
いて柔軟性が確保できるので、03コンポジットに準じ
た効果が得られる。柔軟性のない方向を曲げる必要のな
い方向と一致させればよいからである(参考文献「電子
セラミックスへの招待」岡崎清著、森北出版株式会社1
986年6月10日第1版発行。特に200頁〜の「コ
ンポジットの分類」について参考とした)。
【0022】ディレー2は、アクリル樹脂等の合成樹
脂、或いは、その他のプラスチックによって形成された
ものであり、探触子100の振動子1より前方の部分を
構成する。振動子1は、強度が弱く、検査を行う者が探
触子を被検材の表面に配置した際、硬い被検材の表面と
接触することによって破損しやすいものである。このた
め、ディレー2は、上記事態に備えて探触子の保護を行
うものである。このようなディレー2に、超音波の発射
方向zに対する充分な幅dを持たせて、既述の通り、極
めて短距離に超音波の焦点を持つ振動子1により、探触
子100内、即ちディレー2内で、超音波を焦点或いは
焦点に近い状態まで収束させるのである。上記の幅d
は、振動子1の曲率に対応して、適切な長さを選択す
る。即ち、実用感度が得られる、(方向yに沿った)収
束幅eに達するに充分な方向zへの長さを持つように設
定する。
【0023】ディレー2の先端面20、即ち、探触子1
00の超音波を外部に放つ部分は、図1及び図2へ示す
ように、超音波を発散方向へ屈折させることが可能なレ
ンズ状の凸部21を形成しておく。この凸部21をディ
レー2先端面20に賦形しておくことにより、ディレー
2内で収束した超音波ビームを平行なビームとして、外
部へ放つ。このとき、被検材Aの表面が平らなものであ
るとき、超音波ビームは、垂直に被検材A内へ入射す
る。このように垂直に入射することにより、被検材A表
面でのビームの屈折が生じにくく、ビームの平行は維持
され、焦点深度fに影響を与えない。
【0024】ダンパー3は、吸音部材(ダンピング材)
によって形成されたものであり、探触子100内にて反
射する不要な超音波を吸収する。このようなダンピング
材の採用と共に、上記ディレー2と振動子1の素材を適
当に選択することによって、パルス幅の狭い超音波パル
スを発生することができると共に、受信時に反射波の低
周波成分も受信可能な広帯域の感度を備えることができ
る。広帯域の探触子とすることによって、狭帯域のもの
で生じるリンギングを排除することができる。
【0025】上記の通り、超音波ビームを、実用感度が
得られる幅eまで収束すれば、本来目的とする感度は得
られるのであるが、このように一旦収束した超音波ビー
ムをその幅を維持すること即ち各位置が平行なビームと
して進行させることによって焦点深度fを確保すること
が可能であるため、この幅eを焦点或いはこの焦点に極
限まで近い状態に薄く収束させても、十分な探傷が行え
る(他に屈折の要因が存在しなければ、理論的には、焦
点深度fは無限大である)。従って、このように極限ま
で収束させることによって、極めて高精度の探傷が広範
に行える。
【0026】又、上述の、実用感度が得られる幅eとい
う観念そのものが、従来の、焦点は「点」であり唯一の
この焦点に到るまでビームは平行ではなく先細りになる
という前提のものであり、このために、焦点付近に焦点
とほぼ同等な感度が得られる実用的許容範囲として幅e
の設定を必要としたが、本願発明に係る探触子100の
実施によって、焦点を(方向zに伸びる)「線」とする
ことが可能となった。従って、このような幅eに拘泥せ
ずに、更に(焦点まで)薄く収束させて感度の向上を図
っても、検査範囲を狭めることがないのである。又、超
音波ビームが収束するのは、方向yについてのみとし、
この方向y及び上記方向zと直交する方向xについて
は、収束せずに一定の幅wを維持するものとすることに
より、フォーカスを線とするのみならず、「面」(x−
z平面)とするものであり、より一層検査範囲を拡大
し、検査の高速化に貢献する。
【0027】上記実施例において、ディレー2の先端面
20の一部にレンズ状の凸部21を持つものとしたが、
図4へ示すように、先端面20全体が凸状になったもの
であってもよい。又、ディレー2内で収束したビーム
が、ディレー2と媒介液との間で生じる屈折によって、
平行なビームとなるものであれば、上記以外の形状を有
するものであっても実施可能である。又、被検材Aの表
面が平らでない場合、振動子1から発された超音波ビー
ムは、ディレー2と媒介液との間での屈折では、完全に
平行にならなくとも、媒介液と被検材A表面との間での
屈折を経て最終的に被検材A内に垂直に入射するものと
なるように設定するものであれば、上記と同様の効果が
得られる(媒介液、被検材等内の、音速及び音響インピ
ーダンス等の屈折要因、減衰特性、超音波パルスの低周
波成分の拡散などを考慮して設定する)。但し、被検材
Aの表面が平らでない場合、通常は、ビームの各位置
が、被検材Aに垂直に入射するように、ディレー2の先
端面20は、被検材の表面にほぼ沿う形状を有するよう
に形成するのが適切である。
【0028】又方向xへの感度幅(幅w)の拡張が不要
であれば、上述の図1〜図4に示す実施例と異なり、振
動子1は、図10へ示すものと同様の球面状のものと
し、方向xについても収束するようにして実施すること
も可能である(図示しない)。このように方向xについ
ても収束させることにより、著しく感度が高められるた
め、何にも増して精度の高い検査が要求される場合に
は、このような球面状の振動子1を用いて対応すればよ
いのである。
【0029】次に、内挿型の探触子100に本願発明を
実施するものとし、図4に示す実施例のものを例を採っ
て、実際に、パイプ等の管材内部に探触子を配位した状
態を図6及び図7へ示す。図7は、図6を平面視した状
態を示している(被検材Aに付すべきハッチングは図面
の煩雑化を避けるために省略する)。図中kは、探触子
100の走査方向を示している。このような走査は、通
常、探触子100を方向kに沿ってスパイラル状に走査
するとによってなされるのであるが、逆に、探触子10
0を固定し、被検材Aの方を動かすことによって、探触
子100の走査を行うようにしても実施可能である。
又、被検材Aは回転のみ行い探触子100は方向xにの
み(図6)移動するものとして実施することも可能であ
り、逆に、探触子100は回転のみ行い被検材Aが直線
的に移動するものとして実施することも可能である。
尚、図5に示すように、超音波ビームが被検材表面での
屈折が生じないこと即ちビームが直進性を持つことによ
り、図14に示した従来の有害な横波の発生が抑制され
る。この内挿型の探触子100を肉厚測定に使用する場
合を例に採り、その具体的な効果について説明する。図
15に掲げたグラフを用いて、従来例(図14)の場合
と上記図5の実施例の場合との、得られる反射波形の比
較を行う。スケール上方の波形が従来例(図14)のも
のであり、スケール下方の波形が図5の状態にて得られ
た波形を示している。スケールは、縦軸が波形電圧、横
軸が時間を示している。双方M1は、探触子から発射さ
れ被検材の内周面から被検材内に入って被検材内部を進
み被検材の外周面で反射して再び内周面側に戻り、内周
面から被検材外部へ出、探触子にて受信されたビームの
波形を示している。又M2は、探触子から発射され被検
材の内周面から被検材内に入って被検材内部を進み被検
材の外周面で反射して再び内周面側に戻り、被検材の内
周面に到達するとそのまま被検材外部に出ずに内周面で
反射し再び被検材外周面へ向かい、外周面で再び反射
し、最後に内周面を突き抜けて、被検材外部の探触子に
受信されたビームの波形を示している。波形M1と波形
M2との時間差が被検材の肉厚内部を、内周面から外周
面へ一往復するに要した時間である。これに超音波の速
度を勘案して、肉厚の算出を行うことができる。ところ
が、スケール上方の従来の波形を見ると、波形M1と波
形M2との間に横波Jによる振幅の大きな乱れ(波形J
1)が表れている。他方、スケール下方の、直進性を確
保している図5の実施例の波形を見ると、波形M1と波
形M2との間にあって、横波Jによる波形J2は、その
振幅が穏やかになっている。即ち、スケール下方の波形
の方が、スケール上方の波形に比して、遙かに変化が少
なく、スケール上方の波形は、被検材内への入射時の屈
折が大きいことにより横波成分がより多く発生している
ことが分かる。このように、図5の実施例の場合は、横
波Jのために波形M1と波形M2の検出がやりにくくな
るということがなく、図14に示した横波Jによる悪影
響が低減されているのである。
【0030】又、他の実施例を、図7及び図8を用いて
説明する。これは、パイプ等の管材を、その外周面側か
ら探傷するのに適したものであり、斜角探傷を行う場合
を例示してある。図7は、被検材Aであるパイプをその
長手方向に沿って断面した状態を示し、図8は、長手方
向と交差する方向に沿って断面を示している(両図の被
検材Aの肉厚部に付すべきハッチングは省略する)。こ
の図8へ示すように、被検材Aの外周面に沿うよう、探
触子100全体を扇型に形成し、これに従って振動子
1、ディレー2先端面20を、被検材Aとほぼ同心とな
るように、曲面を持たせたものである(図9)。このよ
うに被検材Aとほぼ同心の曲面をディレー2が備えるこ
とによって、少なくと被検材Aのラジアル方向に対する
屈折による超音波の拡散を生じさせない。x−z平面に
ついては、超音波ビームは垂直に被検材に入射するから
である。図8に示すように、ここでは、ディレー2先端
面20と振動子1は、被検材Aの外周面の約1/4〜1
/3をカバーすることが可能な角度を持った弧を描いて
いる。図7に示すように、p1はディレー2内で収束す
る超音波ビームを示し、p2はギャップgの媒介液中を
進行する超音波ビームを示し、p3は、被検材Aである
パイプ中(その肉厚内部)を進行する超音波ビームを示
している。図8のpは、x−y平面によるパイプ内を進
行中の超音波ビームp3の横断面形状を示している。v
は、被検材Aの傷を示している。図8に示すように、被
検材Aであるパイプのラジアル方向に対し充分に広い幅
を設定して傷vを少ない探触子の移動により検出するこ
とができ、又このように広範な検査範囲を確保しても、
図7へ示すように、パイプのスラスト方向(探触子1か
らの発射時方向y)について、(ディレー2の方向zに
対する幅dの設定により)充分に絞り込まれたビームを
進行させるものであるため、感度を低下させず、確実に
傷vや欠陥の検出が行える。図7に示すように、上述の
実施例のものも、被検材Aの長手方向に対してディレー
2の先端面20の形状が、図1及び図2の実施例ものと
ほぼ同様のものであるが、図8へ示すように、被検材A
の外周の曲面に沿った方向については、ディレー2の先
端面20は、上述の通り、被検材Aの同心となるように
アールがつけられている。又上記図示の通り、探触子1
00全体も、パイプ等の管材である被検材Aの曲面に合
わせて、扇形の形状を有するものであるが、この扇型の
角度を大きくすることによって、探傷を行う範囲をより
広範に確保できる。又図9へ示したように、探触子10
0内の振動子1の形状は、方向yについては、図1及び
図2へ示す実施例のものと同様ビームのディレー2内で
の実用感度幅への収束を目的として湾曲し、この方向y
と直交する方向xについては、ディレー2先端面20と
共に、被検材Aと同心となるように湾曲する。このよう
に振動子1とディレー2先端面20が、上記方向xにつ
いて被検材Aの表面の形状に沿って湾曲することによっ
て、少なくとも上記方向xについては、被検材Aの外周
面に対しビームの各位置を垂直に入射させることが可能
となり、この方向xと直交する方向についての被検材A
表面での散乱を生じさせない。
【0031】このように探触子1を形成することによっ
て、被検材Aのラジアル方向の検査範囲を広範にし、検
査能率を向上することが可能である。又、この実施例に
おいても、このような広範な検査範囲を確保しつつも、
方向yについて(或いは被検材Aのスラスト方向につい
て)充分絞り込み適切な収束を行わせるものであるた
め、感度を低下させず、高感度な検査が可能である。
【0032】上述してきた各実施例では、被検材Aが表
面が平ら或いは円筒状のものである場合を例に採って説
明したが、被検材Aは、これ以外の形状を持つ場合、デ
ィレー2の先端面20の形状も、このような被検材の表
面の形状に沿った形状を有するものとし、被検材内へ、
収束したビームを垂直に入射することができるのであ
る。又、このように、ディレー2の先端面20の形状を
被検材の表面形状に沿ったものとすることによって、ギ
ャップgを低減することが可能であり、ギャップgで生
じる減衰を低減することが可能である。即ち、このよう
に表面が平らでない被検材Aの表面形状に沿った形状を
デイレー2先端面20に持たせることによって、ギャッ
プgを小さくすることが可能であり、このことも、ディ
レー2と媒介液間及び、媒介液と被検材間で生じる屈折
を最小限に抑えることから、極めて有効である。
【0033】
【発明の効果】本願第1の発明の実施によって、実用感
度域を極めて長い区間に渡って確保することが可能であ
る。即ち、焦点深度を極めて長く確保した。超音波ビー
ムをより収束させ感度を向上させても、上記検査範囲の
拡大を阻害することなく、感度向上と検査範囲の拡張と
いう従来相反するものを両立させた。特に感度を極めて
高く設定しても、検査範囲が影響を受けることがなく、
高感度な検査が可能となった。
【0034】本願第2の発明の実施によって、上記第1
の発明の効果に加えて、必要な検査感度を得るために収
束状態を得つつも、更に広範な検査範囲を確保し、検査
・測定能率を著しく向上する。
【0035】本願第3の発明の実施によって、被検材の
表面の形状に左右されることなく、上記第1又は第2の
発明の効果を奏することが可能である。即ち、被検材の
表面が平らでない場合も、上記第1又は第2の発明の効
果を充分に得ることが可能である。又直進性の確保によ
り(屈折させないことにより)、従来の被検材表面での
屈折により生じる有害な横波の発生を低減することがで
きる。
【0036】本願第4の発明の実施によって、上記第1
又は第2又は第3の発明の効果に加えて、上述のような
素材を振動子に用いるものであるため、共振度(Q値)
を抑え、リンギングを低減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施例の原理を示す説明図であ
る。
【図2】本願発明に係る探触子100の一実施例を示す
略斜視図である。
【図3】本願発明に係る振動子1の一実施例を示す斜視
図である。
【図4】本願発明に係る探触子100の他の実施例を示
す略斜視図である。
【図5】図4の実施例の探触子100を、走査している
状態を示す略側面図である。
【図6】図4の実施例の探触子100を、走査している
状態を示す略側面図である。
【図7】本願発明の他の実施例の略縦断面図である。
【図8】図7の断面と交差する方向の略断面図である。
【図9】図7に示す実施例の探触子100に用いられる
振動子1の斜視図である。
【図10】従来の集中型探触子に用いられる振動子の略
斜視図である。
【図11】従来の集中型探触子の原理を示す説明図であ
る。
【図12】上記従来の集中型探触子の実際の使用状態を
示す説明図である。
【図13】従来の集中型探触子で、管材等の内部からの
検査を行っている状態を示す説明図である。
【図14】従来の集中型探触子で、管材等の内部からの
検査を行っている状態を示す説明図である。
【図15】本願発明の実施によって得られ効果の説明図
である。
【符号の説明】
1 振動子 2 ディレー 3 ダンパー 20 (ディレー2の)先端面 100 探触子 d (ディレー2の超音波ビームの進行方向zに対す
る)幅 e (超音波ビームの方向yについての収束後の)幅 x (超音波ビームの発射方向zと直交する)方向 y (超音波ビームの発射方向zと上記xと直交す
る)方向 z (超音波ビームの発射)方向 w (超音波ビームの方向xの)幅

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水等の液体を媒体として、被検材に向け
    て超音波を発する超音波探触子において、 超音波の発射方向(z) に向かって凹曲面を有する振動子
    (1) と、振動子(1) の少なくとも前方に配設され探触子
    内の超音波の伝達媒体をなす固形のディレー(2) とを備
    えてなり、 振動子(1) の上記凹曲面は、ディレー(2) 内にて、焦点
    或いは焦点に近い状態にまで超音波ビームを収束するよ
    う湾曲したものであり、 ディレー(2) は、このような超音波ビームの収束に充分
    な、振動子(1) の前方方向への即ち超音波の発射方向
    (z) への、幅(d) を備えるものであり、 上記ディレー(2) の先端面(20)は、ディレー(2) 内部或
    いはこの先端面(20)で焦点或いは焦点に近い状態にまで
    収束した上記超音波ビームを、当該収束状態をほぼ維持
    したまま被検材内部へ伝達するよう賦形されたものであ
    ることを特徴とする超音波探触子。
  2. 【請求項2】 上記振動子(1) は、自身が発する超音波
    の発射方向(z) と略直交する一方向(y) についてのみそ
    の表面が凹曲面をなし、自身が発する超音波をその発射
    方向(z) と交差する上記一方向(y) についてのみ収束さ
    せるものであり、上記発射方向(z) と略直交する少なく
    とも他の一方向(x) についてはほぼ発射当初の幅(w) を
    維持するものであることを特徴とする請求項1記載の超
    音波探触子。
  3. 【請求項3】 ディレー(2) の先端面(20)は、超音波の
    進行方向(z) と交差する少なくとも一方向について、被
    検材の表面の形状に沿った形状に賦形されたものである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の超音波探触子。
  4. 【請求項4】 振動子(1) は、セラミック複合素材にて
    形成されたものである請求項1又は2又は3記載の超音
    波探触子。
JP7145711A 1995-05-19 1995-05-19 超音波探触子 Pending JPH08313496A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7145711A JPH08313496A (ja) 1995-05-19 1995-05-19 超音波探触子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7145711A JPH08313496A (ja) 1995-05-19 1995-05-19 超音波探触子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08313496A true JPH08313496A (ja) 1996-11-29

Family

ID=15391363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7145711A Pending JPH08313496A (ja) 1995-05-19 1995-05-19 超音波探触子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08313496A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000329755A (ja) * 1999-05-18 2000-11-30 Hitachi Ltd 超音波探触子
JP2006003150A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Nippon Steel Corp 斜角探触子及び超音波探傷装置
JP2008051557A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Kansai Electric Power Co Inc:The 超音波探触子及び超音波探傷装置
JP2009222701A (ja) * 2008-02-19 2009-10-01 Jfe Steel Corp 管体の肉厚形状測定装置、その方法および管体の製造方法
JP2020056724A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 三菱日立パワーシステムズ株式会社 超音波検査装置および超音波検査方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000329755A (ja) * 1999-05-18 2000-11-30 Hitachi Ltd 超音波探触子
JP2006003150A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Nippon Steel Corp 斜角探触子及び超音波探傷装置
JP2008051557A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Kansai Electric Power Co Inc:The 超音波探触子及び超音波探傷装置
JP2009222701A (ja) * 2008-02-19 2009-10-01 Jfe Steel Corp 管体の肉厚形状測定装置、その方法および管体の製造方法
JP2020056724A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 三菱日立パワーシステムズ株式会社 超音波検査装置および超音波検査方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7874212B2 (en) Ultrasonic probe, ultrasonic flaw detection method, and ultrasonic flaw detection apparatus
US5094108A (en) Ultrasonic contact transducer for point-focussing surface waves
ES2592517T3 (es) Ensayos no destructivos por ultrasonidos
Deutsch et al. Self-focusing of Rayleigh waves and Lamb waves with a linear phased array
US3379902A (en) Ultrasonic testing apparatus
KR101716997B1 (ko) 초음파 탐촉자
JPH08313496A (ja) 超音波探触子
JPH0529064B2 (ja)
Bernhardt et al. Integrated defect sensor for the inspection of fiber-reinforced plastics using air-coupled ultrasound
JP2008216125A (ja) 超音波探触子
JPH08261997A (ja) 表面波探触子
US4760304A (en) Dark field coaxial ultrasonic transducer
US4787126A (en) Method of fabricating dark field coaxial ultrasonic transducer
JP2007263956A (ja) 超音波探傷方法および装置
JP3753567B2 (ja) 超音波プローブ
JPS59180456A (ja) 超音波探触子
JPH04157360A (ja) 超音波探融子
KR20200105327A (ko) 초음파를 이용한 콘크리트 구조물의 균열 깊이 측정용 탐촉자
KR101558922B1 (ko) 빔크기 조절이 가능한 분할형 초음파 센서
Mažeika et al. Comparison of several techniques of ultrasonic Lamb waves velocities measurements
RU2813144C1 (ru) Способ настройки ультразвукового дефектоскопа при контроле керамических изделий
JP2001124746A (ja) 超音波検査方法
JPS6144349A (ja) 超音波探傷方法及びその装置
Kauppinen et al. Characterization of ceramic coatings with large-aperture low-frequency transducers
JPH11316216A (ja) 超音波探触子