JP2008216125A - 超音波探触子 - Google Patents

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拓 加藤
Shigeyuki Tanaka
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Abstract

【課題】被検査体内で超音波が散乱せずに、高精度で被検査体内部の欠陥を検出できる超音波探触子を提供する。
【解決手段】導波体3を介して振動子2から送信される超音波を被検査体4の内部に送信し、被検査体4からの反射波を受信して被検査体の欠陥を探傷する超音波探触子であって、導波体3は、伝搬音速の異なる複数の材質で構成されていると共に、振動子2から該振動子2の中心軸7と平行に超音波が入射され、かつ、被検査体4側の端部は、被検査体4の表面形状に合致する形状を有し、振動子2から送信される超音波を被検査体4の内部で所望の方向に伝搬するように構成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検査体内部へ超音波を送信し、被検査体内部からの反射波により被検査体内部の欠陥を検出するための超音波探触子に関するものである。
超音波探傷法は、超音波探触子から送信される超音波を被検査体表面から被検査体内に入射させ、被検査体内部の欠陥から反射される超音波を超音波探触子で受信し、被検査体内の欠陥を非破壊で検出する方法として広く用いられている。
この超音波探傷法は、発電プラントや自動車、機械の部品などの健全性を確認(評価)するために用いられている。
このような検査では、超音波探触子と被検査体表面の間に接触媒質を介在させ、超音波探触子と被検査体表面の隙間を接触媒質により充填することより、超音波探触子が被検査体表面と接触する部分における空隙をなくし、超音波を被検査体内に適切に送信するようにしている。
しかし、被検査体の表面の形状が平坦でない場合(例えば、被検査体の表面に超音波探触子よりも小さい凹凸がある場合)は、超音波探触子と被検査体の間に大きな隙間を生じ、その隙間を接触媒質で充填することができない。
この問題点を解決する超音波探傷技術として、例えば特開2002−90384号公報(特許文献1)に示された超音波探触子が提案されている。
図7は、特開2002−90384号公報で提案されている従来の超音波探触子の構造を示す図である。
超音波を送受信する探触子本体(即ち、振動子)100の先端部には、超音波を伝搬する楔(くさび)部200が取り付けられている。
この楔部200は、被検査体表面の曲率に合致する曲率面200aを有しており、探触子本体100からの超音波を伝搬して被検査体に送信すると共に、被検査体からの反射波を伝搬して探触子本体100に受信させる。
また、楔部200には吸音材300が取り付けられており、この吸音材300により、被検査体と楔部200との接触面で反射してきた超音波を吸音する。
楔部200の上端部には、探触子本体100と楔部200とを着脱自在に取り付けるためのねじ込み部400が取り付けられている。
このように、特開2002−90384号公報には、被検査体に超音波を送信すると共に、該被検査体からの反射波を受信する探触子本体と、探触子本体の先端部に装着され、被検査体表面の曲率に合致する曲率面を有し、超音波を伝搬する楔部とを備えた超音波探触子が示されている。
図7に示した従来の超音波探触子では、被検査体の表面の形状(曲率)に合致した楔によって、超音波探触子と被検査体表面の隙間をなくすことが可能となり、被検査体の検査対象部位に効率よく超音波を送受信できる。
探触子本体100からは、図7中の実線矢印で示すように、常に探触子本体100の表面に対して垂直方向に超音波が発信される。
しかし、従来の超音波探触子では、楔部200と被検査体の界面が平面でないため、被検査体表面へ入射する超音波の入射角度が箇所により異なり(図7参照)、また、楔内部では伝搬音速が一様であるため、被検査体表面で超音波が様々な角度に屈折・散乱する。
その結果、被検査体内での超音波の伝搬方向が不規則となり、被検査体内での音圧が低下し、欠陥の検出能力が低下する。
従って、被検査体表面の凹凸の影響を解消し、更に、被検査体内で超音波が散乱せずに高精度で被検査体の欠陥を検出できる超音波探触子の開発が望まれていた。
なお、被検査体表面に超音波探触子よりも大きい凹凸がある場合(即ち、被検査体の表面に超音波探触子の接触面よりも大きい平坦部がある場合)は、楔部を被検査体の平坦部に密着して接触できるので、超音波の被検査体への入射角は一定となり、上述したような問題は生じない。
特開2002−90384号公報(図1、段落0016)
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、被検査体表面が超音波探触子よりも小さい凹凸形状を有する場合においても、被検査体表面の凹凸の影響を解消でき、更に、被検査体内で超音波が散乱せずに、高精度で被検査体内部の欠陥を検出できる超音波探触子を提供することを目的とする。
本発明に係わる超音波探触子は、導波体を介して振動子から送信される超音波を被検査体の内部に送信し、前記被検査体からの反射波を受信して前記被検査体の欠陥を探傷する超音波探触子であって、前記導波体は、伝搬音速の異なる複数の材質で構成されていると共に、前記振動子から該振動子の中心軸と平行に超音波が入射され、かつ、前記被検査体側の端部は、前記被検査体の表面形状に合致する形状を有し、前記振動子から送信される超音波を前記被検査体の内部で所望の方向に伝搬するように構成したものである。
本発明によれば、被検査体表面の凹凸の影響を解消でき、更に、被検査体内で超音波が散乱せずに高精度で被検査体の欠陥を検出することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態例について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わる超音波探触子の構造を説明するための断面図であり、被検査体に設置された振動子および導波体の断面を示している。
図において、板状あるいは直方体状をした被検査体4は、室温での伝搬音速が5900m/sの鋼材であり、被検査体4の表面には、中心軸7に対して対称に中心軸7の垂直方向に(即ち、中心軸7と直交する面に対して)角度β(例えば、角度β=10°)の切り欠きが設けられている。
なお、この切り欠きは、被検査体表面の凹凸を形成する凹部である。
また、被検査体4は、超音波探傷を実施すべき箇所である探傷箇所5を有している。
この探傷箇所5の中心は、振動子2の中心を通り振動子2の表面に直交する中心軸7の上に存在する。
導波体3は、図に示すように、エポキシ樹脂の導波体3aおよびアクリル樹脂の導波体3bで構成されている。
なお、導波体3aは、例えば常温で伝搬音速が3180m/sのエポキシ樹脂を使用しており、導波体3bは、例えば常温で伝搬音速が2730m/sのアクリル樹脂を使用している。
振動子2は、その中心が中心軸7上にある円板状(例えば、薄い円柱状)であり、振動子2の被検査体4側の端面には、導波体3aが設置されている。
この導波体3aの被検査体4側の端部は、中心軸7に対して対称な円錐状である。
導波体3aの先端には導波体3bが密着して設置されており、この導波体3bの被検査体4側は、被検査体4の表面形状(即ち、切り欠き)に合致する形状としている。
導波体3aと導波体3bの界面である界面3cは、中心軸7と直交する面に対して角度α=34.3°をなしている。
なお、振動子2からは、被検査体の方向とこれと反対の方向の2方向に発信されるが、ダンパー1は、被検査体4の方向とは反対の方向に発信された超音波が界面で反射され、再び振動子2に入射するのを防ぐ。
導波体3bの先端は、被検査体4の表面形状(即ち、被検査体4の表面の切り欠き)に合致する形状となっており、導波体3bと被検査体4とが隙間なく完全に密着し、超音波を適切に被検査体4へ送信できる。
このような超音波探触子では、超音波は、図中の実線矢印で示すように伝搬する。
振動子2から発信した超音波は、導波体3aの表面に対して直交する方向に進入し、導波体3a内では中心軸7に平行な方向に伝搬する。
界面3cに達した超音波は、入射角34.3°で界面3cに入射する。
界面3cでは、導波体3a内の伝搬音速と導波体3b内の伝搬音速の違いにより、スネルの法則に従って超音波が屈折角28.9°で屈折する。
更に、超音波は、導波体3bと被検査体4の界面である界面6に入射角4.5°で入射する。
界面6では、界面3cと同様に超音波が屈折角10°で屈折する。
これにより、被検査体4の内部に入射した超音波は、散乱することなく中心軸7と平行な方向に一様に伝搬する。
このように、導波体3は、被検査体4の表面に導波体3bを隙間なく密着させ、かつ、被検査体4内に入射した超音波が散乱することなく、中心軸7と平行な方向で一様に伝搬するように構成されている。
従って、被検査体4の表面が超音波探触子よりも小さい凹凸形状を有する場合(即ち、被検査体4の表面に超音波探触子を密着して接触させることができる平坦部がない場合)でも、被検査体表面の凹凸の影響を解消でき、通常の垂直探傷と同等の効果が得られる。
また、被検査体4内に入射した超音波は、散乱することなく中心軸7と平行な方向に伝搬する。
そのため、散乱した超音波によるノイズを減少できると共に、被検査体4内の深い位置まで高い音圧を維持することが可能であり、欠陥エコー(即ち、探傷箇所5で反射される超音波)が顕著になる。従って、被検査体4内の欠陥の位置やサイズを正確に求め易い。
以下、振動子2から発信される超音波の伝搬方向と被検査体4内部での超音波の伝搬方向が等しくなるように、導波体3aおよび導波体3bの材質および角度αを設定する方法について説明する。
図2は、図1のAで示した部分の拡大図であり、導波体3a、導波体3bおよび被検査体4の界面部分の拡大図である。
振動子2から中心軸7に平行に発信された超音波は、屈折することなく導波体3aに入射し、界面3cに角度αで入射する。
導波体3aおよび導波体3b内部での超音波の伝搬音速をC3a、C3bとすると、入射角α、屈折角α′には以下の関係式が成立する。
Sin α/C3a = sin α′/C3b (1)
被検査体4の内部での超音波の伝搬方向を、振動子2から発信される超音波の伝搬方向と等しくするには、界面6での屈折角が角度βに等しくなる必要があり、界面6への入射角をβ′、被検査体4の内部での伝搬音速をC4とすると、以下の関係式が成立する。
sin β′/C3b = sin β/C4 (2)
被検査体4の内部での超音波の伝搬方向と振動子2から発信される超音波の伝搬方向が等しいので、角度α、α′、β′、βには以下の関係式が成立する。
α−α′ = β−β′ (3)
C4およびβは被検査体によって決定されているため、式(1)、式(2)、式(3)の関係を満たすC3a、C3bおよびαが決定される。
即ち、C3a、C3bおよびαを適宜設定することによって、被検査体4の内部での超音波の伝搬方向を、振動子2から導波体3aに発信される超音波の伝搬方向と一様に等しくすることができる。
つまり、C3a、C3bおよびαを適宜設定することによって、被検査体4の内部で超音波を所望の方向に伝搬させることができる。
なお、ここでは、導波体3は2つの材質(即ち、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂)からなり、接触媒質を用いていないが、導波体が3つ以上の材質であり、接触媒質を被検査体の表面に塗布したとしても、スネルの法則から同様に計算することで、被検査体内部での超音波の伝搬方向を振動子2から発信される超音波の伝搬方向と一様にできる。
また、導波体の材質についても、上述の関係を満たせば、導波体に例えばアルミニウム、銅、金、鉄、マグネシウム、ニッケル、チタン、タングステンのどの金属類、ガラス、グリセリン、水、樹脂、油、クォーツなどの非金属類を用いても構わない。
以上説明したように、本実施の形態による超音波探触子は、導波体3を介して振動子2から送信される超音波を被検査体4の内部に送信し、被検査体4からの反射波を受信して被検査体の欠陥を探傷する超音波探触子であって、導波体3は、伝搬音速の異なる複数の材質で構成されていると共に、振動子2から該振動子2の中心軸7と平行に超音波が入射され、かつ、その(即ち、導波体3の)の被検査体4側の端部は、被検査体4の表面形状に合致する形状を有し、振動子2から送信される超音波を被検査体4の内部で所望の方向に伝搬するように構成している。また、前記所望の方向は、振動子2の中心軸7と平行な方向である。
従って、本実施の形態によれば、被検査体4の表面の凹凸の影響を解消できると共に、更に、被検査体4内で超音波が散乱しないので、高精度で被検査体の欠陥を検出することができる。
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係わる超音波探触子の構造を説明するための図であり、図3(a)は被検査体に設置された振動子および導波体の断面図であり、図3(b)は正面図である。
図において、長方形の板状あるいは直方体の形状をした被検査体11の材質は、室温での伝搬音速が5900m/sの鋼材であり、超音波探傷をすべき箇所である探傷箇所12を有している。
探傷箇所12の中心は、被検査体11の表面と振動子9の中心を通り振動子9の表面に直交する中心軸14とが交差する点(P1)を通り、中心軸14に対してδ=80°傾いた直線上にある。
導波体10は、アクリル樹脂からなる導波体10aと銀からなる導波体10bとで構成される。
アクリル樹脂の伝搬音速は、常温で2730m/s、銀の伝搬音速は、常温で3600m/sのものを使用した。
振動子9は、振動子9の中心を通り振動子9の表面に平行な軸15に対称な正方形あるいは長方形の板状であり、被検査体11側の面にはアクリル樹脂の導波体10aが設置されている。
導波体10aは、振動子9と接触する面の形状は振動子9と同様の正方形あるいは長方形であり、振動子9と接触する面と対向する面は振動子9と接触する面に対して平行ではなく傾いている。また、一対の対向する面は図3(a)に示しているように台形であり、他の対向する一対の面は長方形である。
また、実施の形態1と同様に、被検査体の方向と反対の方向に発信された超音波が界面で反射され、再び振動子9に入射するのを防ぐためのダンパー8が設置されている。
アクリル樹脂の導波体10aの先端には、被検査体11の表面に合致する形状を有する銀の導波体10bが設置されている。
導波体10bは断面がV字型の楔形をしており、被検査体11側の面は振動子9と同様の正方形あるいは長方形である。
アクリル樹脂の導波体10aと銀の導波体10bの界面である界面10cは、中心軸14と直交する面に対し角度γ=49.4°傾斜して設置してある。
このような、超音波探触子では、超音波は図中の実線矢印で示すように伝搬する。
振動子9から発信した超音波は、導波体10aに対して直交する方向に進入し、導波体10aでは中心軸14に平行な方向に伝搬する
界面10cに達した超音波は、入射角49.4°で界面10cに入射する。
界面10cでは、導波体10aと導波体10bの伝搬音速の違いにより、スネルの法則に従って超音波が屈折角86.3°で屈折する。
更に、超音波は、導波体10bと被検査体11の界面である界面13に入射角36.9°で入射し、屈折角80°で屈折する。
これにより被検査体11の内部における超音波は、中心軸14に対して80°傾斜した互いに平行な超音波となって伝搬し、探傷箇所12に入射する。
このような導波体(即ち、図3に示した形状のアクリル樹脂の導波体10aおよび銀の導波体10bとで構成された導波体10)を振動子9の先端に設置することにより、一般の垂直探触子でも斜角探触子と同等に斜角探傷を実施できる。
これにより、被検査体の表面近傍の欠陥を探傷できる。加えて、板厚の薄い材料(即ち、被検査体)でも探傷が可能となる。
なお、スネルの法則により適切に屈折角を制御できれば、導波体が3つ以上の材質であっても接触媒質を被検査体の表面に塗布しても構わない。
また、導波体に例えばアルミニウム、銅、金、鉄、マグネシウム、ニッケル、チタン、タングステンのどの金属類、ガラス、グリセリン、水、樹脂、油、クォーツなどの非金属類を用いても構わない。
以上説明したように、本実施の形態による超音波探触子は、導波体10の少なくとも一つの異材界面は、振動子9の表面に対して傾斜した傾斜面を有し、超音波が被検査体11の内部を伝搬させる方向(所望の方向)は、振動子9の中心軸14が被検査体11の表面と交差する点P1から中心軸14に対して所定角度の方向である。また、この所定角度の方向は、被検査体11の表面に略平行な方向である。
従って、本実施の形態によれば、超音波が被検査体の内部を伝搬させる方向である所定角度を大きく設定することにより、被検査体の板厚が薄い場合の欠陥や、被検査体表面近傍の欠陥の探傷が可能となる。
実施の形態3.
図4は、実施の形態3に係わる超音波探触子の構造を説明するための図であり、図4(a)は被検査体に設置された振動子および導波体の断面図であり、図4(b)は正面図である。
図において、板状あるいは直方体状をした被検査体19の材質は、室温での伝搬音速が5900m/sの鋼材であり、被検査体19の表面には、中心軸23に対して対称に、該中心軸23と直交する面に対して、η=10°となる切り欠きが設けられている。
なお、この切り欠きは、被検査体表面の凹凸を形成する凹部である。
また、被検査体19は、超音波探傷を実施すべき箇所である探傷箇所20を有しており、探傷箇所20の中心は、中心軸23と振動子17の外形線の中間にある中心軸24の上に存在し、中心軸24の中心軸23に対称な中心軸25と被検査体19の表面とが交差する点(P2)から中心軸25に対して角度θ=70°をなす直線上に存在する。
図に示すように、本実施の形態においては、導波体18は、エポキシ樹脂の導波体18aおよびアクリル樹脂の導波体18bからなる第1の導波体と、エポキシ樹脂の導波体18dおよび銀の導波体18eからなる第2の導波体とで構成されている。
エポキシ樹脂の伝搬音速は常温で3180m/s、アクリル樹脂の伝搬音速は常温で2730m/s、銀の伝搬音速は常温で3600m/sのものを使用した。
また、振動子17は、軸26(即ち、振動子17の中心を通り振動子17の表面に平行な軸)に対して対称な正方形の板状(例えば、薄い立方柱状)であり、振動子17の先端には、導波体18aおよび導波体18dが設置されている。
導波体18aの振動子17と接触する面の形状は、振動子17の表面を2分割した長方形状であり、振動子17と接触する面と対向する面(即ち、被検査体19側の面)は、振動子17と接触する面に対して平行ではなく傾いている。
また、一対の対向する面は図4(a)に示しているように台形であり、他の対向する一対の面は長方形である。
同様に、導波体18dの振動子17と接触する面の形状は、振動子17の表面を2分割した長方形状であり、振動子17と接触する面と対向する面は、振動子17と接触する面に対して平行ではなく傾いている。
また、一対の対向する面は図4(a)に示しているように台形であり、他の対向する一対の面は長方形である。
また、実施の形態1等と同様に、被検査体19の方向と反対の方向に発信された超音波が界面で反射され、再び振動子17に入射するのを防ぐためのダンパー16が設置されている。
導波体18aの先端には、断面がV字型の楔形をした導波体18bが設置され、導波体18aと導波体18bの界面である界面18cは、中心軸23の垂直方向に対して(即ち、中心軸23と直交する面に対して)角度ε=34.3°をなしている。
一方、導波体18dの先端には、断面がV字型の楔形をした導波体18eが設置され、導波体18dと導波体18eの界面である界面18fは中心軸23の垂直方向に対して(即ち、中心軸23と直交する面に対して)角度ζ=47.0°をなしている。
導波体18bおよび導波体18eの先端は、被検査体19の表面形状に合致する形状となっており、これにより導波体18と被検査体19が完全に密着し、超音波を適切に被検査体19へ送信できる。
このような超音波探触子では、超音波は図中の実線矢印で示すように伝搬する。
即ち、振動子17から発信した超音波は、導波体18aと導波体18dの表面に対して直交する方向に進入し、導波体18aと導波体18dでは中心軸23に平行な方向に伝搬する。
界面18cに達した超音波は、入射角34.3°で界面18cに入射する。
界面18cでは、導波体18aと導波体18bの伝搬音速の違いにより、スネルの法則に従って超音波が屈折し、屈折角は28.9°となる。
更に、超音波は、導波体18bと被検査体19の界面である界面21に入射角4.5°で入射する。界面21では、界面18cと同様に、超音波が屈折角10°で屈折する。
これにより導波体18aを伝搬した超音波は、被検査体19の内部において中心軸23に平行な方向に伝搬する。
そのため、被検査体19の表面に凹凸があっても、的確に探傷箇所20に入射する。
一方、界面18fに達した超音波は、入射角47.0°で界面18fに入射し、73.9°の角度で屈折する。
更に、超音波は、導波体18eと被検査体19の界面である界面22に入射角36.9°で入射する。
界面22では、界面18fと同様に、超音波が屈折角80°で屈折する。
つまり、導波体18dを伝搬した超音波は、軸25に対して70°傾斜して伝搬し、探傷箇所20に入射する。
即ち、振動子17から発信された超音波は、導波体18aと導波体18dを伝搬することにより、探傷箇所20に的確に入射する。
更に、導波体を振動子の表面に直交する方向で分割することにより、振動子17から発信される超音波を分割し、その伝搬方向を変化させることで、分割された超音波を所望の箇所に集中させ、欠陥の検出精度を向上できる。
また、分割された超音波を被検査体内で異なる方向に伝搬させることにより広範囲の欠陥の探傷が可能となる。
更に、欠陥からの反射波のSN比が良くなるので、微細な欠陥も検出することが可能となり、高精度な探傷を実現できる。
また、分割された超音波を被検査体内で異なる方向に伝搬させることが可能となるので、広範囲の欠陥の探傷ができる。
なお、スネルの法則により適切に屈折角を制御できれば、導波体が3つ以上の材質であっても接触媒質を被検査体の表面に塗布しても構わない。
また、導波体に例えばアルミニウム、銅、金、鉄、マグネシウム、ニッケル、チタン、タングステンのどの金属類、ガラス、グリセリン、水、樹脂、油、クォーツなどの非金属類を用いても構わない。
以上説明したように、本実施の形態による超音波探触子の導波体18は、振動子17と直交する方向で、導波対18aと導波対18bからなる第1の導波体および導波対18dと導波対18eからなる第2の導波体に分割されており、第1の導波体は、振動子17から送信される超音波を被検査体19の内部で第1の方向(例えば、振動子の中心軸と平行な方向)に伝搬するように構成され、第2の導波体は、振動子17から送信される超音波を被検査体19の内部で第1の方向とは異なる第2の方向(例えば、振動子の中心軸が被検査体の表面と交差する点から中心軸に対して所定角度の方向)に伝搬するように構成されている。
従って、本実施の形態によれば、第1の導波体と第2の導波体によって分割されて異なる方向に伝搬する超音波が、再び探傷箇所に集中するため、探傷箇所の音圧を高めることができ、欠陥からの反射波の音圧も高くなり、欠陥エコーの検出が容易となる。
更に、超音波を被検査体内で異なる方向に伝搬させることが可能となるので、広範囲に欠陥の探傷をすることができる。
実施の形態4.
図5は、実施の形態4に係わる超音波探触子の構造を説明するための図である。
振動子28は、中心軸33に対して対称な直径20mmの円板状(例えば、薄い円柱状)であり、被検査体30側の面には導波体29aが設置されており、導波体29aは中心軸33に対称である。
振動子28からは、被検査体の方向とこれと反対の方向の2方向に発信されるが、ダンパー27は、被検査体の方向と反対の方向に発信された超音波が界面で反射され、再び振動子28に入射するのを防ぐ。
板状あるいは直方体状をした被検査体30は、室温での伝搬音速が5900m/sの鋼であり、超音波探傷を実施すべき箇所である探傷箇所31を有している。
探傷箇所31は、中心軸33上の被検査体30の表面から、例えば、深さ50mmの箇所に存在する。
導波体29は、導波体29aおよび導波体29bで構成されている。
導波体29aはアクリル樹脂、導波体29bは伝搬音速傾斜材料であって、導波体29bは中心軸33から離れるに従い伝搬音速が小さくなる伝搬音速傾斜材料である。
図6は、本実施の形態で用いられる伝搬音速傾斜材料の伝搬音速分布例を示す図であり、導波体29bは、図6に示すように、中心軸33から軸34に離れるに従って伝搬音速が小さくなる伝搬音速傾斜材料で形成されている。
なお、導波体29aは、常温で伝搬音速が2730m/sのアクリル樹脂を使用した。
図5に示すように、導波体29aの先端には、中心軸33に対称な導波体29bが設置されており、導波体29aと導波体29bの界面である界面29cは、中心軸33と直交する面に対して角度ι=10°をなしている。
なお、導波体29bは、例えば円柱の上に円錐が一体的に形成された形状をしている。
導波体29bの被検査体30側の端部は、被検査体30の表面の形状に合致する形状となっており、導波体29bと被検査体30が完全に密着し、超音波を適切に被検査体30へ送信できる。
このような超音波探触子では、超音波は図中の実線矢印で示すように伝搬する。
振動子28から発信した超音波は、導波体29aの表面に対して直交する方向に進入し、導波体29aでは中心軸33に平行な方向に伝搬する。
界面29cに達した超音波は、入射角10°で界面29cに入射する。
界面29cでは、導波体29aと導波体29bの伝搬音速の違いにより、スネルの法則に従って超音波が屈折する。
界面29cでの屈折角は、導波体29bの伝搬音速により異なり、伝搬音速が小さいほど、被検査体30中での超音波の伝搬方向は中心軸33に接近する方向となる。
即ち、図6に示すように、導波体29bは中心軸33から遠いほど伝搬音速が小さくなるので、中心軸33から遠いほど、被検査体30内部での超音波は中心軸33に接近する方向に伝搬する。即ち、被検査体30内部で超音波を中心軸33上にある探傷箇所31に収束させることができる。
伝搬音速傾斜材料において、伝搬音速を傾斜させるためには、例えば、伝搬音速が室温で1530m/s程度のポリエチレンと、伝搬音速が室温で6770m/s程度のガラスを混合し、所望の伝搬音速となるよう混合する割合を変化させればよい。
このように形成した伝搬音速傾斜材料29bを装着し、超音波を被検査体30内の所望の箇所に集束させることで、所望の探傷箇所の音圧を高くすることができる。
従って、欠陥エコーの検出が容易となる。加えて、小さな欠陥の検出が可能となる。
つまり、探傷の精度が向上する。
また、集束型の探触子などを特別用意する必要もなく、一般的な垂直探触子でも集束型の探触子と同様の効果が得られる。
なお、スネルの法則により適切に屈折角を制御できれば、導波体が3つ以上の材質であっても接触媒質を被検査体の表面に塗布しても構わない。
また、導波体の材質としてアクリル樹脂に変わり、例えばアルミニウム、銅、金、鉄、マグネシウム、ニッケル、チタン、タングステンのどの金属類、ガラス、グリセリン、水、樹脂、油、クォーツなどの非金属類を用いても構わない。
以上説明したように、本実施の形態による超音波探触子の導波体29の少なくとも一部は伝搬音速傾斜材料で構成され、振動子28から送信される超音波を被検査体30の内部で所望の方向に集束するように構成している。
従って、超音波を被検査体内の所望の位置(例えば、探傷箇所のある位置)に集束することが可能となり、探傷箇所の音圧を高くでき、欠陥を更に高精度に検出できる。
この発明は、被検査体内で超音波が散乱せずに高精度で被検査体の欠陥を検出することができる超音波探触子の実現に有用である。
実施の形態1に係わる超音波探触子の構造を説明するための図である。 図1のAで示した部分の拡大図である。 実施の形態2に係わる超音波探触子の構造を説明するための図である。 実施の形態3に係わる超音波探触子の構造を説明するための図である。 実施の形態4に係わる超音波探触子の構造を説明するための図である。 伝搬音速傾斜材料の伝搬音速分布例を示す図である。 従来の超音波探触子の構造を示す図である。
符号の説明
1、8、16、27 ダンパー
2、9、17、28 振動子
3、10、18、29 導波体
4、11、19、30 被検査体
5、12、20、31 探傷箇所
3a、18a、18d、 エポキシ樹脂導波体
3b、10a、18b、29a アクリル樹脂導波体
10b、18e 銀導波体
29b 伝搬音速傾斜材料
7、14、23、24、25、33 中心軸

Claims (6)

  1. 導波体を介して振動子から送信される超音波を被検査体の内部に送信し、前記被検査体からの反射波を受信して前記被検査体の欠陥を探傷する超音波探触子であって、
    前記導波体は、伝搬音速の異なる複数の材質で構成されていると共に、前記振動子から該振動子の中心軸と平行に超音波が入射され、かつ、前記被検査体側の端部は、前記被検査体の表面形状に合致する形状を有し、前記振動子から送信される超音波を前記被検査体の内部で所望の方向に伝搬するように構成したことを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記所望の方向は、前記振動子の中心軸と平行な方向であることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記導波体の少なくとも一つの異材界面は、前記振動子の表面に対して傾斜した傾斜面を有し、前記所望の方向は、前記振動子の中心軸が前記被検査体の表面と交差する点から前記中心軸に対して所定角度の方向であることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  4. 前記所定角度の方向は、前記被検査体の表面に略平行な方向であることを特徴とする請求項2に記載の超音波探触子。
  5. 前記導波体は、前記振動子と直交する方向で、第1の導波体および第2の導波体に分割されており、
    前記上記第1の導波体は、前記振動子から送信される超音波を前記被検査体の内部で第1の方向に伝搬するように構成され、
    前記上記第2の導波体は、前記振動子から送信される超音波を前記被検査体の内部で前記第1の方向と異なる第2の方向に伝搬するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  6. 前記導波体の少なくとも一部は伝搬音速傾斜材料で構成され、前記振動子から送信される超音波を前記被検査体の内部で所望の方向に集束するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
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