JPH08312831A - 緊急遮断弁 - Google Patents

緊急遮断弁

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JPH08312831A
JPH08312831A JP7145433A JP14543395A JPH08312831A JP H08312831 A JPH08312831 A JP H08312831A JP 7145433 A JP7145433 A JP 7145433A JP 14543395 A JP14543395 A JP 14543395A JP H08312831 A JPH08312831 A JP H08312831A
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光康 稲垣
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正和 福岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゼンマイバネの巻き増し量を小さくしてその
信頼性の向上を図った緊急遮断弁を提供すること。 【構成】 ガス流路を開閉するボール弁9と、ボール弁
9を取り付けるギヤシャフト15と、ギヤシャフト15
を開弁方向に回転させる油圧シリンダ23と、ギヤシャ
フト15の開弁方向の回転により巻き増しされるゼンマ
イバネ25とを有し、ゼンマイバネ25の側端面を覆う
ガイド板50と、油圧シリンダ23に印加された油圧を
開放するリリーフ弁22とを備え、ゼンマイバネ25の
内端25cをギヤシャフト15に取り付け、油圧シリン
ダ23の油圧が開放されたときにゼンマイバネ25の巻
き戻し力により閉弁動作を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緊急時にはバネに蓄え
たエネルギーで閉弁する緊急遮断弁に関し、更に詳細に
は、バネと弁軸とを直接結合してバネの信頼性の向上を
図った緊急遮断弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の緊急遮断弁の例として、実開昭6
3−150179号公報に記載されているものがある。
図11にその要部を示すこの緊急遮断弁は基本的に、弁
体を取り付ける出力軸91と、出力軸91に遊星ギヤ9
2を含むギヤ列を介して噛合する電動モータ93と、出
力軸91にギヤ94を介して噛合され出力軸91の開弁
方向の回転により巻き増しさせられるゼンマイバネ95
とにより構成される。
【0003】そして、遊星ギヤ92を偏心位置で軸支す
るアイドルギヤ96を出力軸91と同軸にかつ出力軸9
1に対し回転自在に備え、このアイドルギヤ99の回転
を許容又は阻止する電磁ロック97を設けている。ここ
で電動モータ93と出力軸91との間には、電動モータ
93の回転を50分の1程度に減速するギヤ比が与えら
れている。また出力軸91とゼンマイバネ95の中心軸
との間には、出力軸91の回転を20倍程度に増速する
ギヤ比が与えられている。
【0004】この構成で弁を開くときには電動モータ9
3と電磁ロック97とに共に通電する。このとき、電磁
ロック97が通電されることによりアイドルギヤ96の
回転を阻止するので、遊星ギヤ92の位置が固定され電
動モータ93の回転が出力軸91に伝達される状態とな
る。そして、電動モータ93が通電されることにより出
力軸91とその下端91aに取り付けたバタフライ状の
弁体(図示略)が90゜回転して全開状態となり、その
状態で停止する。この開弁動作の際に、出力軸91の回
転がギヤ94を介してゼンマイバネ95にも伝達され、
ゼンマイバネ95が5回程度巻き増しされる。これによ
りゼンマイバネ95にエネルギーが蓄えられる。
【0005】一方、弁を閉じるときには電動モータ93
と電磁ロック97との通電が共にオフされる。このと
き、電磁ロック97の通電がオフされることによりアイ
ドルギヤ96の回転が許容されるので、遊星ギヤ92の
位置がフリーとなり電動モータ93と出力軸91とが切
り離される。同時に、巻き増しされていたゼンマイバネ
95がそのエネルギーを開放して巻きを緩める方向に中
心軸が回転する。この回転がギヤ94を介して出力軸9
1に伝達され、出力軸91は閉弁方向に90゜回転し、
弁体も回転して全閉状態となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この緊
急遮断弁には以下に説明する問題点があった。第1に、
ゼンマイバネ95の信頼性が低いことが挙げられる。こ
の原因は、ゼンマイバネ95自体にあるのではなく、開
弁時に5回程度も巻き増しされるような用い方をしてい
ることにある。即ち、この巻き増しのためにバネの素板
間での接触が避け難く、摩擦による表面損傷が不可避と
なる。ゼンマイバネでは通常、強度やバネ特性の確保の
ため特殊な表面被覆を施しているので、この被覆が損傷
して破断等の故障につながるのである。
【0007】この巻き増し量は出力軸91とゼンマイバ
ネ95の中心軸との間のギヤ比に由来するものである
が、この緊急遮断弁では駆動源として電動モータ93を
用いているためにこのようなギヤ比を採らざるを得ない
のである。電動モータ93の出力は、この種の用途に適
したサイズのものでは高々数kW程度でさほど強力でな
いため、ゼンマイバネ95としてバネ定数の大きい強力
なものが使用できず、従って出力軸91を閉弁方向に回
転させる駆動力は巻き増し数でしか稼ぐことができない
からである。また、ゼンマイバネ95に側端面から外部
異物が侵入して表面被覆を傷つけ、同様の故障につなが
ることもある。
【0008】第2の問題点として、構造が複雑で部品点
数が多く、外形も大きくなってしまうことがある。上記
のように出力軸91とゼンマイバネ95の中心軸との間
のギヤ比が1:1でないので、出力軸91とは別軸にギ
ヤ94を介してゼンマイバネ95を配置しなければなら
ないからである。また、上記のように駆動源として電動
モータ93を用いているので、開弁動作時には電動モー
タ93と出力軸91とを結合させ、そして閉弁動作時に
はこれらを切り離す必要上、遊星ギヤ92と電磁ロック
97とを設けているからでもある。
【0009】本発明は、従来の緊急遮断弁が有するこの
ような問題点を解決するためになされたものであり、そ
の目的とするところは、開弁時におけるゼンマイバネの
巻き増し量を出力軸の回転角度と一致させて小さくし、
ゼンマイバネの素板の接触による損傷を防止して信頼性
を向上させると共に、ゼンマイバネを出力軸と同軸とし
て全体の小型化を図った緊急遮断弁を提供することにあ
る。そして、出力軸に開弁動作をさせる駆動手段として
十分強力な油圧機器を採用することによりゼンマイバネ
の巻き増し量を出力軸の回転角度と一致させ、また、ゼ
ンマイバネの反転力の駆動手段への伝達を防止する機構
を不要として構造の簡略化を図ることを目的とする。ま
た、ゼンマイバネへの側端面からの異物侵入によるゼン
マイバネの損傷を防止して同様に信頼性を向上させるこ
とも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)この目的を達成するため本発明の緊急遮断弁は、
流体の流路を開閉する弁体と、この弁体を取り付ける出
力軸と、この出力軸を開弁方向に回転させる駆動手段
と、前記出力軸の開弁方向の回転により巻き増しされる
ゼンマイバネとを有する緊急遮断弁であって、前記ゼン
マイバネの内端を前記出力軸に取り付けたことをその要
旨とする。
【0011】(2)また本発明の緊急遮断弁は、流体の
流路を開閉する弁体と、この弁体を取り付ける出力軸
と、この出力軸を開弁方向に回転させる駆動手段と、前
記出力軸の開弁方向の回転により巻き増しされるゼンマ
イバネとを有する緊急遮断弁であって、前記ゼンマイバ
ネの側端面を覆う保護板を備えたことをその要旨とす
る。
【0012】(3)また本発明の緊急遮断弁は、(2)
の緊急遮断弁であって、前記ゼンマイバネの内端を前記
出力軸に取り付けたことを特徴とする。
【0013】(4)また本発明の緊急遮断弁は、(1)
乃至(3)のいずれかの緊急遮断弁であって、前記駆動
手段が油圧シリンダであり、この油圧シリンダに印加さ
れた油圧を開放するリリーフ弁を備えることを特徴とす
る。
【0014】(5)また本発明の緊急遮断弁は、(4)
の緊急遮断弁であって、前記リリーフ弁を並列に2個又
はそれ以上備えることを特徴とする。
【0015】
【作用】かかる構成を有する本発明の緊急遮断弁では、
駆動手段が駆動力を発生するとその駆動力が出力軸に伝
達される。このため出力軸が開弁方向に回転し、これと
共に弁体も回転して流体の流路を開く。このときゼンマ
イバネが巻き増しされる。駆動手段の駆動力を消失させ
ると、ゼンマイバネの巻きが戻ることにより出力軸が閉
弁方向に回転し、これと共に弁体も回転して流体の流路
を閉じる。
【0019】(1)そして本発明の緊急遮断弁では、開
弁状態でのゼンマイバネの巻き増し量が出力軸の回転角
度と一致しており小さいので、ゼンマイバネの素板間の
接触が起こらない。
【0017】(2)また本発明の緊急遮断弁では、ゼン
マイバネに保護板が備えられているので、ゼンマイバネ
の損傷原因となる外部異物の側端面からの侵入が防止さ
れる。
【0018】(3)また本発明の緊急遮断弁では、ゼン
マイバネの素板間の接触と外部異物の側端面からの侵入
とが共に防止される。
【0019】(4)また本発明の緊急遮断弁では、油圧
シリンダに油圧が印加されると、油圧シリンダの発生す
る駆動力により出力軸及び弁体が回転させられ流体の流
路が開かれる。リリーフ弁が開かれると、油圧シリンダ
に供給された油圧が開放され消失する。このためゼンマ
イバネの巻き戻りにより出力軸及び弁体が回転させられ
流体の流路が閉じられる。このとき出力軸の閉弁方向の
回転が油圧シリンダにも伝達されるが、油圧が消失して
いるので動きに支障はない。
【0020】(5)また本発明の緊急遮断弁では、閉弁
動作の際に、リリーフ弁のうち容量の大きいものを開け
ば、油圧が急速に消失して出力軸及び弁体は素早く回転
し流体の流路が直ちに閉じられる。リリーフ弁のうち容
量の小さいもののみを開き残りのリリーフ弁は閉じたま
まとしておけば、油圧が次第に消失して出力軸及び弁体
はゆっくりと回転し流体の流路が穏やかに閉じられる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の緊急遮断弁を図面に示す実施
例に即して詳細に説明する。図1に断面図で示す緊急遮
断弁1は、ガスを使用するシステムにおけるガス供給ラ
インを開閉するものであり、弁部2と駆動部3とに大別
される。
【0022】弁部2は主として、ポート6、7が形成さ
れたボディ5と、その内部に回転可能に保持されるボー
ル弁9とにより構成される。ボール弁9には水平方向に
貫通する通孔10が形成されている。図1に示す状態で
は通孔10はポート6、7間のガス流路に対し垂直とな
っており、ボール弁9がボディ5の内面の弁座11に密
に接触してガス流路を閉じている。ボール弁9を回転さ
せることにより、通孔10がガス流路に平行な開状態
(図2参照)への切換が可能である。そしてボディ5の
上部には、ボール弁9を把持する円柱状のステム13が
回転可能に保持されている。このステム13は、ボール
弁9と後述する駆動部3のギヤシャフト15とを連結す
るためのものである。
【0023】駆動部3は、オイルケース17と、その上
部を封止する上蓋18と、更にその上方のスイッチケー
ス19とによりその外形をなしており、その中心部にギ
ヤシャフト15を回転可能に軸支している。この駆動部
3は、ギヤシャフト15の回転により弁部2のボール弁
9を駆動して開閉動作を行わせるためのものであり、そ
のための電磁ポンプ21、リリーフ弁22、油圧シリン
ダ23、ゼンマイバネ25を有している。
【0024】オイルケース17は上部が開放された略直
方体状の部材であり、中央部にギヤシャフト15を通す
とともにゼンマイバネ25を内蔵する部分を有し、その
両側にオイル室26、27が形成されている。オイル室
26、27は、油圧シリンダ23に供給されるオイルを
貯めるとともに電磁ポンプ21、リリーフ弁22を内蔵
する部分である。そしてオイル室26、27は互いに連
通している。電磁ポンプ21はソレノイド29を有して
おり、オイル室26のオイルを加圧して油圧シリンダ2
3に送るためのものである。一方リリーフ弁22は、油
圧シリンダ23とオイル室27との連通関係を切り換え
るものである。このオイルケース17は取付台14を介
して弁部2に取り付けられており、ギヤシャフト15は
ステム13と連結されている。
【0025】オイルケース17の上部は上蓋18により
封止され、オイル室26、27が外部から遮断されてい
る。上蓋18には、油圧シリンダ23とオイル室26、
27とを連絡する油通路31、33が設けられており、
これらは連絡路35により連通されている。また、通常
時は閉じられ、オイルの補充や交換等をするときに用い
られるメンテナンスポート34が設けられている。
【0026】上蓋18の上部には、油圧シリンダ23が
設けられている。この油圧シリンダ23は、ギヤシャフ
ト15の両側にピストン37、37と、それらの摺動面
たるライナ38とを配し、両端をヘッドカバー32、3
2で封止して圧力室41、41を設けている。そしてこ
の圧力室41、41には油通路31、33が通じてい
る。ピストン37、37とギヤシャフト15との間には
ラックピニオン機構が設けられ、ピストン37、37の
往復運動がギヤシャフト15の回転運動に変換されるよ
うになっている。また、ヘッドカバー32、32には、
ピストン37、37の動きを制限するリミッタ36、3
6が設けられている。
【0027】その詳細を図4のA−A断面図に示す。ピ
ストン37、37には、圧力室41、41の反対側にラ
ックギヤ42、42が形成されている。一方ギヤシャフ
ト15にはピニオンギヤ43が形成されており、ラック
ギヤ42、42と噛み合わされている。これにより、電
磁ポンプ21から圧力室41、41に油圧Pが印加され
たときにギヤシャフト15を図4中反時計方向に回転さ
せるようにしたものである。この回転により、弁部2の
ボール弁9を回転させ開閉動作をさせるためである。
【0028】図1に戻って油圧シリンダ23の上部に
は、スイッチケース19が取り付けられており、その内
部にはギヤシャフト15の回転角度を検知するマイクロ
スイッチ45、46が設けられている。マイクロスイッ
チ45は弁部2が全開となる位置になったときに電磁ポ
ンプ21の停止信号を発するリミットスイッチとしての
役割を有している。また、弁部2が全開であることを確
認する役割をも有している。マイクロスイッチ46は、
弁部2が全閉であることを確認する役割を有している。
そしてギヤシャフト15の上端部には、マイクロスイッ
チ45、46を作動させるためのカム47が取り付けら
れている。
【0029】次にゼンマイバネ25について説明する。
ゼンマイバネ25は、弾力性のある長尺帯状の素板25
aを渦巻状に巻いて、その外端25bを図3の拡大図に
示すようにポール51に係止し、その内端25cを図5
のB−B断面図に示すようにギヤシャフト15に組み付
けたものである。ポール51はボルト53、54により
上蓋18に固定されている。ギヤシャフト15には軸方
向に溝15aが設けられており、ゼンマイバネ25の内
端25cは溝15aに取り付けられている。また、素板
25aには潤滑剤がコーティングされている。そしてゼ
ンマイバネ25の周囲はストラップ55で保持され、他
の部材への接触が防止されている。
【0030】このゼンマイバネ25は、ギヤシャフト1
5が開弁方向に回転したときに巻き増しされエネルギー
を蓄積し(図7参照)、電磁ポンプ21の圧力印加が解
除されたときにそのエネルギーを放出し、つまり巻きを
戻してギヤシャフト15を閉弁方向に回転させるための
ものである。この巻き戻しの際にトルクが必要となるた
め、ゼンマイバネ25は巻き増しされていない状態(図
5)でも、自由状態より1回転程度巻き込まれプリロー
ドを掛けられた状態で組み付けられている。
【0031】ここでゼンマイバネ25の状態と弁部2の
開閉状態との関係は次のようになっている。まず、ゼン
マイバネ25が巻き増しされていない状態では弁部2は
閉(である(図1)。尚このとき、油圧シリンダ23に
おいてピストン37、37がヘッドカバー32、32の
リミッタ36、36に当接している。一方、ゼンマイバ
ネ25が巻き増しされた状態では弁部2は開である(図
2)。
【0032】ゼンマイバネ25の下端にはガイド板50
が設けられており、そのゼンマイバネ25側の面にはス
ラストシート49が取り付けられている。またゼンマイ
バネ25の上端にもスラストシート49が設けられてい
る。このガイド板50は、ゼンマイバネ25の素板25
a間への異物の侵入を防止するためのものである。上端
側はもともと上蓋18との間隔が狭く異物が侵入しにく
いので設けられていない。スラストシート49は図8に
示すような円板状の部材であり、その材質は低摩擦素材
(フッ素樹脂等)である。このスラストシート49は、
素板25aが工作精度等の問題によりスラスト方向に少
しせり出すことがあっても、摩擦を軽減してコーティン
グはがれが生じないようにするためのものである。
【0033】続いてリリーフ弁22について図9の断面
図により説明する。オイルケース17のオイル室27内
に保持されるリリーフ弁22は、上蓋18に固定された
ソレノイドケース57と、その内部に保持されたコア5
8及びソレノイド30と、コア58に対し上下に移動可
能な可動鉄心59とを有し、コア58の上方には弁座6
3が設けられている。そして、可動鉄心59の上端には
コア58を貫通するステム61が取り付けられており、
その先端にはバネ65を介して弁体62が取り付けられ
ている。また、弁座63の上方には油通路33からの戻
り油を受ける戻り油ポート67が設けられ、そこには小
孔を有するオリフィス板66が取り付けられている。
【0034】図9に示すのはソレノイド30に通電して
可動鉄心59を上方に移動させた状態であり、弁体62
が弁座63に当接してオイル流路を閉じた状態である。
即ち、油圧シリンダ23とオイル室27との連通を遮断
した状態である。ソレノイド30の通電を切った場合に
は、可動鉄心59が自由になるので戻り油ポート67の
油圧により弁体62が押下され弁座63から離間してオ
イル流路が開く状態となり、油圧シリンダ23とオイル
室27とが連通することとなる。
【0035】次に、緊急遮断弁1の動作を説明する。ま
ず、ガス供給を停止している状態を説明する。この場合
には電磁ポンプ21、リリーフ弁22のいずれも通電を
オフとする。電磁ポンプ21がオフであるため油圧が発
生せず、従って油圧シリンダ23に油圧が印加されな
い。このためギヤシャフト15にはゼンマイバネ25の
巻きを戻そうとする弾力のみが作用している。従ってギ
ヤシャフト15は図4及び図5に示す状態となってお
り、このとき弁部2ではボール弁9が弁座11に接触し
た閉状態となっている(図1)。これによりガスの供給
が停止されている。尚このとき、油圧シリンダ23にお
いてピストン37、37がヘッドカバー32、32のリ
ミッタ36、36に当接しており、ギヤシャフト15が
更に回転するのを防いでいる。
【0036】そして、ガス供給を行う場合には電磁ポン
プ21、リリーフ弁22のいずれも通電をオンする。す
ると、電磁ポンプ21がオンされることにより油圧が発
生し、オイル室26からオイルが圧送される。そしてリ
リーフ弁22がオンされることにより図9に示すように
油圧シリンダ23とオイル室27との連通が遮断される
ので、油圧シリンダ23の圧力室41、41には電磁ポ
ンプ21が発生する油圧が掛かりピストン37、37は
図1中内側へ向けて押し込まれる。このため、ラックピ
ニオン作用により図6及び図7のようにギヤシャフト1
5がゼンマイバネ25の弾力に抗して回転し、弁部2の
ボール弁9もこれに伴って回転する。この回転によりゼ
ンマイバネ25は巻き増しされ、エネルギーが蓄積され
る。
【0037】回転角度が90゜になると、マイクロスイ
ッチ45がこれを検知して停止信号を発する。このため
電磁ポンプ21がオフされオイルの圧送が停止される。
一方、リリーフ弁22はオンされたままで油圧シリンダ
23とオイル室27との連通は依然として遮断されてい
るので、圧力室41、41に既に印加された油圧はその
まま維持される。このためギヤシャフト15は回転でき
ずその状態を維持する。このとき弁部2においては、ボ
ール弁9の通孔10がガス流路に平行であり(図2)、
ガスの供給がなされる。このようにボール弁9及びギヤ
シャフト15は90゜しか回転しないので、ゼンマイバ
ネ25の巻き増し量も1/4回転に過ぎず、巻き増しに
よりその素板25aが相互に接触することはほとんどな
く、そのコーティング皮膜が損傷することはない。
【0038】ガス供給を停止する場合には、リリーフ弁
22の通電をオフする。すると図9に示すリリーフ弁2
2では可動鉄心59が自由になり、一方弁体62には圧
力室41、41の油圧が掛かっているので、弁体62が
弁座63から離間してオイル流路が開かれ、圧力室4
1、41の油圧はオイル室27に開放され消失する。従
ってギヤシャフト15に作用する力は巻き増しされてい
るゼンマイバネ25の弾力のみとなる。このためゼンマ
イバネ25に蓄積されたエネルギーが開放され、即ち巻
きを戻す方向にギヤシャフト15が回転させられる。こ
れにより油圧シリンダ23のピストン37、37が図2
中外側へ向けて押し出され、圧力室41、41のオイル
はリリーフ弁22を経由してオイル室27へ流出する。
【0039】ここで、リリーフ弁22の戻り油ポート6
7にオリフィス板66が設けられているので、オイルの
流出速度が規制されており、従ってピストン37、37
やギヤシャフト15等はゆっくりと動く。そしてギヤシ
ャフト15が90゜回転したところでピストン37、3
7がヘッドカバー32、32のリミッタ36、36に当
接して停止する。これにより、弁部2のボール弁9が閉
状態となり、ガスの供給が停止される。尚、オイル室2
7へ流出したオイルは、オイル室26、27が互いに連
通しているのでオイル室26にも流入し、次回の開弁動
作に備えることとなる。また、ガス供給中に停電等が起
こった場合には、自然にこの閉弁動作が行われ、ガス供
給を停止することになる。
【0040】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。この実施例の緊急遮断弁は、図10の配置図に示
すように、2基のリリーフ弁22A、22Bを並列に設
けたものであり、それ以外の部分は第1実施例のものと
同一である。以下、その相違点を説明する。
【0041】まず、リリーフ弁22Aについては、第1
実施例のリリーフ弁22と異なるところはない。これに
対しリリーフ弁22Bは、オリフィス板66が設けられ
ていない点で異なる。即ちリリーフ弁22Aとリリーフ
弁22Bとは、通電をオフされたときのオイルの流出速
度が異なり、リリーフ弁22Bのほうが速いのである。
そしてこの緊急遮断弁では、リリーフ弁22A、22B
の通電のオンオフは互いに独立にできるようにされてい
る。
【0042】この緊急遮断弁においてガス供給を停止し
ている状態では、電磁ポンプ21、リリーフ弁22A、
22Bのすべてが通電をオフされており、第1実施例の
場合と同様に弁部2が閉状態となりガスの供給が停止さ
れている。またガス供給を行う場合には、電磁ポンプ2
1、リリーフ弁22A、22Bのすべての通電をオンす
ると、第1実施例の場合と同様に弁部2が開かれ、全開
となったところで電磁ポンプ21のみ通電がオフされて
その状態を維持し、ガスが供給される。
【0043】そして、ガス供給を停止するに際しては、
スロー停止とクイック停止との2種類の停止方法があ
る。スロー停止を行う場合には、リリーフ弁22Aの通
電をオフし、リリーフ弁22Bは通電したままにしてお
く。すると、リリーフ弁22Aにおいて第1実施例の場
合と同様にオイル流路が開かれ、オリフィス板66を通
して圧力室41、41のオイルがオイル室27へゆっく
りと流出する。このため弁部2のボール弁9がゆっくり
と動いて閉状態となり、ガスの供給が停止される。そし
てボール弁9が全閉となった後、リリーフ弁22Bの通
電もオフする。このときのリリーフ弁22Bのオフ操作
については、遅延回路を用いて自動的に行うようにして
もよい。
【0044】クイック停止を行う場合には、リリーフ弁
22A、22Bを共に通電オフする。するとリリーフ弁
22A、22Bで共にオイル流路が開かれる。ここでリ
リーフ弁22Bにはオリフィス板66が設けられていな
いので、リリーフ弁22Bにおけるオイルの流出速度は
規制されておらず速い。このため、圧力室41、41か
らオイル室27へオイルが速やかに流出し、弁部2も速
やかに閉状態となりガスの供給が停止される。
【0045】このようにスロー停止とクイック停止との
2種類の停止方法が可能なので、ガス流量の急激な変化
を嫌うような場合にはスロー停止で停止し、緊急時には
クイック停止で停止する等の使い分けができる。また、
ガス供給中に停電等が起こった場合には、クイック停止
によりガス供給が停止されることになる。尚、クイック
停止は、まずリリーフ弁22Bのみ通電をオフし、弁部
2が全閉となってからリリーフ弁22Aもオフすること
としてもよい。
【0046】以上詳細に説明したとおり本実施例に係る
緊急停止弁では、閉弁時にギヤシャフト15を駆動する
ゼンマイバネ25の内端25cをギヤシャフト15に直
接取り付けたので、弁部2を開状態にしたときでもゼン
マイバネ25の巻き増し量は1/4回転にとどまり、ゼ
ンマイバネ25の素板25aの相互接触がほとんどな
く、コーティング皮膜の摩擦損傷が生じない。また、ゼ
ンマイバネ25の下端にガイド板50を設けたので、素
板25a間への異物の侵入によるコーティング皮膜の損
傷も防止されている。更に、ガイド板50のゼンマイバ
ネ25側の面及びゼンマイバネ25の上端に低摩擦のス
ラストシート49、49を設けたので、素板25aがス
ラスト方向に少しせり出しても、コーティング皮膜の摩
擦損傷に至ることはない。
【0047】また、このゼンマイバネ25を自由状態よ
り巻き込んだ状態で組み付けることとしたので、弁部2
を開状態から閉状態にするときゼンマイバネ25は十分
なトルクを発生し、リリーフ弁22における流れ抵抗に
抗してギヤシャフト15を回転させ閉弁動作を行うこと
ができる。
【0048】そして、ギヤシャフト15とラックピニオ
ン結合された油圧シリンダ23を設け、電磁ポンプ21
が発生する油圧で油圧シリンダ23を駆動して開弁動作
を行うこととしたので、ゼンマイバネ25の反力に抗す
る十分な駆動力で開弁動作を行うことができる。また、
閉弁動作の際に油圧シリンダ23の油圧を開放するリリ
ーフ弁22を設けて油圧室41、41からオイルを排出
するようにしたので、モータ駆動の場合のようなモータ
とギヤシャフトとの連結を遮断するための特別の機構を
要しない。また、ガス供給中に停電等が生じた場合に
は、ゼンマイバネ25に蓄積されたエネルギーにより確
実に弁部2を閉弁することができる。
【0049】また、リリーフ弁22にオリフィス板66
を設けてオイルの流量を規制したので、閉弁動作はガス
流量の急激な変化をさせないようにゆっくり行うことが
できる。また、ゼンマイバネ25もゆっくり巻き戻るた
め、急激な動作での慣性衝撃によるゼンマイバネ25の
素板25aの接触による損傷も防止され、信頼性がより
向上している。また、オリフィス板66の孔径を変えれ
ばその速度を変更できる。更に、リリーフ弁22を2個
設け一方のみオリフィス板66を取り付けたので、必要
に応じてスロー停止とクイック停止との2種類の閉弁速
度を選択できる。
【0050】そして、マイクロスイッチ45を設け開弁
動作によりギヤシャフト15が90゜回転するとそのこ
とを検知して電磁ポンプ21の通電をオフさせるように
したので、弁部2が全開状態になるとその状態で停止さ
れ、全開状態が維持される。また、油圧シリンダ23の
ヘッドカバー32、32にリミッタ36、36を設けた
ので、閉弁動作により弁部2が全閉状態となったときに
ピストン37、37がリミッタ36、36に当接してギ
ヤシャフト15を停止させ、全閉状態が維持される。
【0051】なお、この実施例は本発明を何ら限定する
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々の変形、改良が可能であることはもちろんであ
る。例えば実施例では、油圧源たる電磁ポンプ21やオ
イルを溜めるオイル室26、27等を内部に設けたが、
これらを外部に設けてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明の緊急遮断弁では、ゼンマイバネの内端を出力軸に取
り付けたので、開弁時におけるゼンマイバネの巻き増し
量を出力軸の回転角度と一致させて小さくし、ゼンマイ
バネの素板の接触による損傷を防止して信頼性を向上さ
せると共に、ゼンマイバネを出力軸と同軸として全体の
小型化を図った緊急遮断弁が提供されている。
【0053】また、出力軸に開弁動作をさせる駆動手段
として十分強力な油圧機器を採用したことによりゼンマ
イバネの巻き増し量を出力軸の回転角度と一致させるこ
とが可能となり、また、ゼンマイバネの反転力の駆動手
段への伝達を防止する機構が不要となり構造の簡略化が
実現されている。また、ゼンマイバネの側端面を覆う保
護板を備えたので、ゼンマイバネへの側端面からの異物
侵入によるゼンマイバネの損傷も防止され信頼性の大幅
な向上が実現されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る緊急停止弁の閉弁状態での断面図
である。
【図2】本発明に係る緊急停止弁の開弁状態での断面図
である。
【図3】ゼンマイバネの側面図である。
【図4】ラックピニオン機構を説明する断面図(閉弁状
態)である。
【図5】ゼンマイバネの平面図(閉弁状態)である。
【図6】ラックピニオン機構を説明する断面図(開弁状
態)である。
【図7】ゼンマイバネの平面図(開弁状態)である。
【図8】スラストシートの平面図である。
【図9】リリーフ弁の構成を説明する断面図である。
【図10】リリーフ弁を2基備えた場合の配置を説明す
る平面図である。
【図11】従来の緊急停止弁の主要部を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 緊急遮断弁 9 ボール弁 10 通孔 15 ギヤシャフト 21 電磁ポンプ 22 リリーフ弁 23 油圧シリンダ 25 ゼンマイバネ 25c 内端 49 スラストシート 50 ガイド板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流路を開閉する弁体と、この弁体
    を取り付ける出力軸と、この出力軸を開弁方向に回転さ
    せる駆動手段と、前記出力軸の開弁方向の回転により巻
    き増しされるゼンマイバネとを有する緊急遮断弁におい
    て、 前記ゼンマイバネの内端を前記出力軸に取り付けたこと
    を特徴とする緊急遮断弁。
  2. 【請求項2】 流体の流路を開閉する弁体と、この弁体
    を取り付ける出力軸と、この出力軸を開弁方向に回転さ
    せる駆動手段と、前記出力軸の開弁方向の回転により巻
    き増しされるゼンマイバネとを有する緊急遮断弁におい
    て、 前記ゼンマイバネの側端面を覆う保護板を備えたことを
    特徴とする緊急遮断弁。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載する緊急遮断弁におい
    て、 前記ゼンマイバネの内端を前記出力軸に取り付けたこと
    を特徴とする緊急遮断弁。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    する緊急遮断弁において、 前記駆動手段が油圧シリンダであり、 この油圧シリンダに印加された油圧を開放するリリーフ
    弁を備えることを特徴とする緊急遮断弁。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載する緊急遮断弁におい
    て、 前記リリーフ弁を並列に2個又はそれ以上備えることを
    特徴とする緊急遮断弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014181711A (ja) * 2013-03-15 2014-09-29 Frontier Wind Llc 負荷補償デバイスのためのフェールセーフデバイス

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60113036A (ja) * 1983-11-05 1985-06-19 ドクトル・インジエニエール・ハー・ツエー・エフ・ポルシエ・アクチエンゲゼルシヤフト 旋回可能な閉鎖機構
JPS63160484U (ja) * 1987-04-08 1988-10-20

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