JPH08311226A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート

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JPH08311226A
JPH08311226A JP11863495A JP11863495A JPH08311226A JP H08311226 A JPH08311226 A JP H08311226A JP 11863495 A JP11863495 A JP 11863495A JP 11863495 A JP11863495 A JP 11863495A JP H08311226 A JPH08311226 A JP H08311226A
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JP
Japan
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foamed sheet
sheet
thermoplastic polyester
resin
polyester resin
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JP11863495A
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Masaaki Nakamura
正明 中村
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷適性、接着性に優れた熱可塑性ポリエス
テル系樹脂発泡シートをうる。 【構成】 熱可塑性ポリエステル系樹脂を基材樹脂とす
る発泡シートにおいて、シートの少なくとも一方の面の
中心線平均粗さが2μm以下であり、好ましくは該表面
の結晶化度が20%以下であることを特徴とする熱可塑
性ポリエステル系樹脂発泡シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷適性、接着性に優
れた熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂を素材とするシート
状の発泡体を容器状に成形したものは、軽量で断熱性の
ある容器として広く用いられている。
【0003】しかし、ポリスチレン系樹脂の発泡シート
やその積層シートなどからの容器は、耐熱性に劣るた
め、電子レンジやオーブンなどの加熱調理器具に直接収
納して食品を調理することができない。
【0004】前記ポリスチレン系樹脂発泡シートからの
容器を用いたばあいの問題を解決する技術として、特開
昭59−135237号公報には、ポリエステル樹脂の
発泡体について開示されており、さらに該発泡体のシー
トを成形して食品容器とすることにより、オーブン加熱
可能な容器がえられることが記載されている。
【0005】一方、発泡シートから成形した容器には、
意匠性を高めるために多種多様な模様が施されている。
これらの模様は、一般に、印刷や予め模様を印刷した化
粧フィルムの貼り合わせなどの方法により施されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
ステル系樹脂発泡シートに前記のごとき印刷や化粧フィ
ルムの接着を行なおうとしても、印刷インクの付着むら
などにより良好に印刷することができない、あるいは、
化粧フィルムの接着性が充分でない、などの問題があ
る。
【0007】なお、特公平5−47570号公報には、
表面と裏面との結晶化度が1%以上相違している熱可塑
性ポリエステル系樹脂の発泡シートが開示されており、
発泡シートの結晶化度が印刷適性や接着適性と関連する
ことが記載されているが、充分な印刷適性や接着適性を
付与するための方法は明確にされていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂の発泡シートの表面平滑性が、印刷適性
や接着適性に関連していること、および熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂発泡シートの表面平滑性が押出後の発泡シ
ートの冷却方法によって調節されうることが本発明者に
より見出され、表面平滑性を制御した発泡シートを提供
することによって、2次加工を行なううえで種々の利便
性を有する発泡シートを提供するためになされたもので
あり、熱可塑性ポリエステル系樹脂を基材樹脂とする発
泡シートにおいて、シートの少なくとも一方の面の中心
線平均粗さが2μm以下であることを特徴とする熱可塑
性ポリエステル系樹脂発泡シート(請求項1)、および
熱可塑性ポリエステル系樹脂を基材樹脂とする発泡シー
トにおいて、シートの少なくとも一方の面の中心線平均
粗さが2μm以下、該表面の結晶化度が20%以下であ
ることを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シ
ート(請求項2)に関する。
【0009】
【実施例】本発明に用いられる熱可塑性ポリエステル系
樹脂とは、230〜300℃で熱可塑性を有し、この範
囲の温度域から選ばれる加工温度における溶融粘度が1
000〜100000ポイズ、好ましくは5000〜1
00000ポイズである、たとえば多価カルボン酸と多
価アルコールとからなるポリエステルを主たる成分とす
るものである。その具体例としては、たとえば芳香族ジ
カルボン酸成分とジオール成分との重縮合によりえられ
る線状ポリエステルおよび(または)該線状ポリエステ
ルと少なくとも3個、好ましくは3〜6個のエステル生
成基を有する分岐生成性成分とを共重合させた分岐状ポ
リエステルなどがあげられる。
【0010】前記芳香族ジカルボン酸成分としては、た
とえばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニル
スルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン
酸などがあげられる。
【0011】また、前記ジオール成分としては、たとえ
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ネオペンチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジ
メチロール、トリシクロデカンジメチロール、2,2−
ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパ
ン、4,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ジフェニ
ルスルホンなどがあげられる。
【0012】前記線状ポリエステルのなかでも、工業的
利用価値の高さや取扱いやすさなどの観点からポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート
が好適に用いられる。
【0013】また、前記線状ポリエステルの固有粘度
は、溶融成形の容易性を損うことなく溶融粘弾性を発現
させることを考慮すると、0.4〜1.1dl/g、好
ましくは0.5〜1.0dl/gであることが好まし
い。
【0014】なお、本明細書における樹脂の固有粘度と
は、フェノールとテトラクロロエタンとの混合物(重量
比1/1)を溶媒として23℃で測定した値をいう。
【0015】前記分岐生成性成分は、線状ポリエステル
の主鎖に分岐構造を生成させやすくするために用いられ
る成分であって、該分岐生成性成分が水酸基および(ま
たは)カルボキシル基を少なくとも3個有することによ
って前記目的が達成される。線状ポリエステルの主鎖に
分岐を導入することにより、熱可塑性ポリエステル系樹
脂の溶融粘度や溶融弾性を高めることができ、微細な気
泡を有する発泡シートが製造しやすくなる。
【0016】前記分岐生成性成分の具体例としては、た
とえばトリメリット酸、ピロメリット酸などのトリまた
はテトラカルボン酸類、それらの低級アルキルエステ
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロ
ールエタン、ペンタエリスリトールなどのトリまたはテ
トラオール類、ジヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシジ
カルボン酸、それらの誘導体などがあげられる。これら
は単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
【0017】前記分岐生成性成分のなかでは、分岐状ポ
リエステルの重合度を調節しやすいという観点から、グ
リセリンがとくに好適に用いられる。
【0018】なお、前記分岐状ポリエステルにおいて、
分岐生成性成分によって分岐状ポリエステルに付与され
る溶融粘弾性の保持安定性を充分に向上させるために
は、芳香族ジカルボン酸単位の総モル数100モルに対
して分岐生成性成分単位が0.1モル以上、好ましくは
0.3モル以上となるように調整することが望ましく、
また、分岐状ポリエステルなどの樹脂組成物の溶融混合
物の加工をより容易にするためには、芳香族ジカルボン
酸単位の総モル数100モルに対して分岐生成性成分単
位が5モル以下、好ましくは3モル以下となるように調
整することが望ましい。
【0019】また、前記分岐状ポリエステルの固有粘度
は、溶融成形の容易性を損わず、溶融粘弾性を発現させ
ることを考慮すると、0.4〜1.1dl/g、好まし
くは0.5〜1.0dl/gであることが好ましい。
【0020】前記熱可塑性ポリエステル系樹脂には、発
泡時の樹脂溶融特性調節剤として、ピロメリット酸二無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物のよう
な1分子中に2個以上の酸無水物基を有する化合物や、
ジグリシジルフタレートのような1分子中に2個以上の
エポキシ基を有する化合物などを配合することができ
る。
【0021】前記樹脂溶融特性調節剤の配合量は、かか
る樹脂溶融特性調節剤を用いたことによるたとえば押出
発泡成形に適した溶融粘弾性を付与する効果を充分に発
現させるためには、熱可塑性ポリエステル系樹脂100
部(重量部、以下同様)に対して0.05部以上、なか
んずく0.1部以上であることが好ましく、また熱可塑
性ポリエステル系樹脂や樹脂溶融特性調節剤からえられ
る樹脂組成物のゲル化の進行を充分に防ぐためには、熱
可塑性ポリエステル系樹脂100部に対して5部以下、
なかんずく3部以下であることが好ましい。
【0022】さらに、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂
には、発泡時の気泡調節剤として、タルクのような造核
剤を配合することができ、その他必要に応じて安定剤、
顔料、充填剤、難燃剤、帯電防止剤などをその配合量を
適宜調節して配合することができる。
【0023】なお、本発明においては、たとえば押出発
泡成形をより容易に行なえる樹脂の溶融粘弾性特性の好
ましい範囲として230〜300℃の範囲の温度域から
選ばれる加工温度における溶融粘度が1000〜100
000ポイズ、好ましくは5000〜100000ポイ
ズとすることがあげられるが、このような溶融粘弾性特
性を目的に応じて容易に調節しやすいという点から、発
泡シート用の熱可塑性ポリエステル系樹脂として線状ポ
リエステルと分岐生成性成分との共重合によってえられ
る分岐状ポリエステルを用いることが好ましく、さらに
付与された溶融粘弾性特性を安定的に保持でき、より均
一微細な気泡を有する発泡シートを製造しやすいという
点から、前記分岐状ポリエステルに樹脂溶融特性調節剤
を加えて用いるのが好ましい。
【0024】本発明では、前記熱可塑性ポリエステル系
樹脂を基材樹脂として発泡シートが製造される。
【0025】前記発泡シートを製造する方法としては、
簡便な工業的生産方法として連続的に発泡シートを製造
することができるという観点から押出発泡法が適してい
るが、他の製法、たとえば予め発泡剤を含有させた基材
樹脂からなる未発泡シートを適宜加熱などの手段によっ
て発泡させるバッチ式の製造方法などにより製造しても
よい。
【0026】押出発泡法により発泡シートを製造するば
あい、たとえば前記熱可塑性ポリエステル系樹脂を基材
樹脂とする樹脂(組成物であってもよい)を押出機に供
給して溶融し、押出機の途中から発泡剤を圧入して、発
泡剤を含ませた発泡性樹脂組成物にしたのち、押出機の
先端に付設した直線状または円環状の断面形状を有する
押出孔を設けた口金からシート状に押し出して発泡させ
ることにより製造される。発泡剤が固体の分解型発泡剤
のばあい、熱可塑性ポリエステル系樹脂を基材樹脂とす
る樹脂組成物として押出機に供給するのが好ましい。
【0027】押出発泡法に用いる押出機としては、単軸
押出機、多軸押出機、タンデム押出機などの押出成形機
を用いることができる。
【0028】前記発泡剤としては、加熱によって分解し
てガスを発生する固体の分解型発泡剤、加熱によって気
化する液体の揮発型発泡剤、加圧下で樹脂に溶解しうる
気体のガス型発泡剤のいずれも用いることができる。
【0029】前記分解型発泡剤の具体例としては、たと
えばアゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、ヒドラゾジカルボンアミド、重炭酸ナトリ
ウムなどがあげられる。
【0030】また、前記揮発型発泡剤の具体例として
は、たとえばブタン、ペンタン、ヘキサンのような飽和
脂肪族炭化水素、シクロヘキサンのような飽和脂環族炭
化水素、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素、
塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素、フレオン
(商品名)のようなフルオロクロロ置換炭化水素などが
あげられる。
【0031】さらに、前記ガス型発泡剤の具体例として
は、チッ素、二酸化炭素などがあげられる。
【0032】前記方法を用いて少なくとも一方の面の中
心線平均粗さが2μm以下である本発明の発泡シートと
するには、たとえば押出機の口金から押し出された発泡
シートの表面がまだ高温で可塑性を保持している間に、
中心線平均粗さが1.1μm以下、好ましくは0.6μ
m以下の平滑な表面を有する固体の表面に該シート表面
を接触させながら、該シートが安定した固化状態となる
までの間冷却を継続する方法などにより行なうことがで
きる。
【0033】前記発泡シートの表面がまだ高温で可塑性
を保持している間というのは、発泡シートが押出機の口
金から押し出されたのち、発泡シートの表面温度が常温
近くまで下がり、指でかるく押しても変形しない状態に
なる前の間のことである。押し出した雰囲気温度によっ
ても異なるが、たとえば雰囲気温度が10〜30℃程度
のばあい、押出直後から約1〜10秒程度経過するまで
の間であるのが一般的である。
【0034】また、前記平滑な表面を有する固体の具体
例としては、たとえば発泡シートとの接触によって物理
的変化や化学的変化がおこらず、熱伝導率が高く、冷却
効率が高いなどの点から、ステンレス鋼、アルミニウム
などの金属製のロールやプラグ、板などがあげられる
が、これらに限定されるものではない。
【0035】また、前記固体の表面に発泡シートの表面
を接触させながら該シートが安定した固化状態となるま
での間冷却を継続するための方法としては、たとえば押
出機の先端に付設した口金の押出孔の断面形状が直線状
で押し出される発泡シートが平板状であるばあいには、
押出機の前方に前記範囲の平滑な表面を有する複数の冷
却ロールを各中心軸方向がシートの進行方向に対して直
角となるように組合わせて配置することによって行なう
ことができる。この際、押し出された発泡シートの表面
は、冷却ロールに導かれたのち該シートの進行速度に合
わせて回転する冷却ロールの表面に密着した状態で該シ
ートを冷却する。また、押出孔の断面形状が円環状で、
押し出される発泡シートが円筒状であるばあいには、押
出機の前方に前記範囲の平滑な表面を有する円筒状の冷
却プラグを中心軸方向がシートの進行方向と平行となる
ように配置することによって行なうことができる。この
際、冷却プラグの外径を押出直後の発泡シートの内径よ
りも大きくすることによって、押し出された円筒状の発
泡シートを径方向に一様に引き延ばしながら冷却プラグ
に導き、そののち発泡シートの内側表面と冷却プラグの
外側表面との接触状態を保持しながら冷却プラグ上を進
行させて該シートを冷却する。
【0036】また、前記方法で目的とする平滑性をうる
ために冷却時の冷却ロールや冷却プラグなどの表面とシ
ートの表面との密着性をより高める目的で、冷却ロール
や冷却プラグの周囲、すなわち発泡シートが前記のよう
な冷却ロールや冷却プラグと接触している面とは反対の
面側から高圧の空気を吹き付けるなどの方法を併用する
ことが好ましい。さらに、冷却プラグの表面に真空ポン
プなどの減圧装置に接続するエア抜き孔を設けることに
よって冷却プラグの表面と発泡シートの表面との密着性
を高めることができる。
【0037】また、前記固体の表面に発泡シートの表面
を接触させながら該シートが安定した固化状態となるま
での間冷却を継続するというのは、発泡シートが安定し
た固化状態となるまで冷却を行なうことおよびその間固
体表面とシート表面とを連続的または断続的に接触させ
た状態に保つことを意味し、発泡シートが安定した固化
状態となるというのは、シートが冷却されることによっ
て、発泡シートの気泡成長が止められ、かつシートがほ
ぼ一定の温度になることによりシートの収縮がそれ以上
進まなくなることをいう。
【0038】なお、発泡シートの表面温度がすでに下が
ってしまっているばあいには、表面が可塑性を有するよ
うになるまで電熱ヒーター、蒸気加熱などによる雰囲気
加熱の方法、熱板などの高温体に接触させる方法、高周
波誘電加熱による方法などで加熱したのち、冷却用の固
体に密着させ、表面を固化させればよい。
【0039】本発明において用いる中心線平均粗さと
は、JIS B 0601「表面粗さの定義と表示」に
おける「3.定義と表示」の「3.1中心線平均粗さ
(Ra)の定義」および「3.2中心線平均粗さ(R
a)の表示」に準拠した値のことである。
【0040】本発明の発泡シートにおいて、少なくとも
一方の面の中心線平均粗さは2μm以下であるが、この
理由は、たとえば発泡シートの表面に印刷用ロールによ
ってインクを転写しようとしたときに、発泡シート表面
の中心線平均粗さが2μm以下であれば印刷インクが表
面全体にわたって均一に塗布させることができるが、中
心線平均粗さが2μmをこえ、表面平滑性が劣るばあい
には、印刷インクを均一に塗布することが困難になるた
めである。印刷時の均一性をより高めるためには、中心
線平均粗さを1μm以下にするのがより好ましい。そし
て、これらのことは本発明者によってはじめて見出され
たことである。
【0041】本発明の発泡シートは、たとえばその表面
に印刷を施すなどの加工をしたのち、所望の形状に成形
することによって耐熱性に優れた容器として利用するこ
とができる。このように2次成形を行なうようなばあい
には、加熱などによる賦形のしやすさを考慮すると、本
発明の発泡シートの結晶化度は小さくしておく方が好ま
しいばあいがある。また、本発明の発泡シートの表面の
結晶化度の大小は、印刷適性や接着適性とも無関係では
なく、本発明の発泡シートにおいて中心線平均粗さが2
μm以下、さらには1μm以下とした面の結晶化度が2
0%をこえると、印刷インクを塗布したのちの定着性が
わるくなってくる傾向がみられるため、該表面の結晶化
度は20%以下にするのが好ましく、10%以下にする
のがさらに好ましい。
【0042】本発明の発泡シートは、その用途に応じて
さまざまな厚さとして用いられるが、高温での強度や剛
性を充分に発現するためにはその厚さを0.5mm以上
にするのが好ましい。厚さの上限としては、工業的に利
用価値の高い成形性をえやすいという点から、5mm程
度である。また、その密度を0.7g/cm3以下、好
ましくは0.5g/cm3以下にすることによって、発
泡体の利点である軽量性などを実現することができる。
なお、密度の下限は通常0.05g/cm3程度であ
る。さらに、発泡シート中に存在する気泡の独立気泡率
を80%以上、好ましくは90%以上とすることで断熱
性をより高めることができる。
【0043】以下に本発明の発泡シートを実施例をあげ
てさらに具体的に説明をするが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0044】実施例1 固有粘度が0.65dl/gのポリエチレンテレフタレ
ート樹脂とグリセリンとを、常法にしたがって共重合さ
せ、グリセリン単位をテレフタル酸単位の総モル数10
0モルに対して1モルの割合で含有する固有粘度0.7
0dl/gの分岐状ポリエステル系樹脂をえた。
【0045】えられた分岐状ポリエステル系樹脂を14
0℃の除湿乾燥機で4時間乾燥させたのち、該分岐状コ
ポリエステル系樹脂100部にピロメリット酸無水物
0.3部を加えた混合物をクリアランス0.4mm、口
径75mmのサーキュラーダイを取り付けた押出機に供
給して溶融混合し、その溶融混合物に対して1.9g/
100gの割合でイソペンタンを注入して、下記の条件
のもとサーキュラーダイより円筒状に押し出し、発泡さ
せた。そののち、ただちに表面温度を20℃に保った、
表面の中心線平均粗さが0.3μmで外径210mm、
長さ1mのアルミ製円筒状の冷却用プラグ上に導き、周
囲から空気を吹き付けることによって発泡シートを冷却
用プラグに密着させながら1.3m/分の速さで進行さ
せて発泡シートを冷却させた。えられた冷却した円筒状
の発泡シートを切り開いて平坦な発泡シートをえた。
【0046】押出機温度:270〜300℃ 押出機ヘッド温度:275〜285℃ 押出量:13Kg/hr えられた発泡シートは、厚さ1.5mm、発泡倍率8倍
の発泡シートであった。また、えられた発泡シートの冷
却用プラグに密着していた面(以下、これを表面とい
う)の中心線平均粗さおよび結晶化度を以下の方法によ
って調べたところ、それぞれ0.64μm、7.2%で
あった。
【0047】(中心線平均粗さ)JIS B 0601
「表面粗さの定義と表示」に準拠し、表面粗さ測定装置
((株)東京精密製のサーフコム1500A)を用いて
測定長さ10mmで中心線平均粗さを測定した。
【0048】(結晶化度)発泡シートの表面から約15
0μmの厚さの表皮層をはぎ取り、示差走査熱量計(セ
イコー電子工業(株)製のDSC200)を用いて冷結
晶化熱量および融解熱量を測定し、次の数式に従って算
出した。
【0049】(グラム当たりの融解熱量−グラム当たり
の冷結晶化熱量)÷140.1×100=結晶化度
(%) 実施例2 実施例1において、表面の中心線平均粗さが0.3μm
のアルミ製円筒状の冷却用プラグにかえて、表面の中心
線平均粗さが0.5μmのアルミ製円筒状の冷却用プラ
グを用い、表面温度を30℃にした以外は、実施例1と
同様にして、厚さ1.5mm、発泡倍率8倍の発泡シー
トをえた。
【0050】えられた発泡シートの冷却用プラグに密着
していた面(表面)の中心線平均粗さおよび結晶化度を
実施例1と同様にして調べたところ、それぞれ0.97
μm、8.3%であった。
【0051】実施例3 実施例1における分岐状ポリエステル系樹脂にかえて、
固有粘度が0.65dl/gのポリエチレンテレフタレ
ート樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ
1.5mm、発泡倍率8倍の発泡シートをえた。
【0052】えられた発泡シートの冷却用プラグに密着
していた面(表面)の中心線平均粗さおよび結晶化度を
実施例1と同様にして調べたところ、それぞれ1.24
μm、7.6%であった。
【0053】比較例1 実施例1における表面の中心線平均粗さが0.3μmの
アルミ製円筒状の冷却用プラグにかえて、表面の中心線
平均粗さが1.2μmのアルミ製円筒状の冷却用プラグ
を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5m
m、発泡倍率8倍の発泡シートをえた。
【0054】えられた発泡シートの冷却用プラグに密着
していた面(表面)の中心線平均粗さおよび結晶化度を
実施例1と同様にして調べたところ、それぞれ2.12
μm、7.8%であった。
【0055】比較例2 実施例1における表面の中心線平均粗さが0.3μmで
外径210mm、長さ1mのアルミ製円筒状の冷却用プ
ラグにかえて、表面の中心線平均粗さが0.3μmで外
径210mm、長さ40cmのアルミ製円筒状の冷却用
プラグを用い、周囲から空気を吹き付けることによる発
泡シートを冷却用プラグに密着させる操作を行なわなか
った以外は、実施例1と同様にして、厚さ1.5mm、
発泡倍率8倍の発泡シートをえた。
【0056】えられた発泡シートの冷却用プラグに接し
ていた面(表面)の中心線平均粗さおよび結晶化度を実
施例1と同様にして調べたところ、それぞれ2.24μ
m、9.4%であった。
【0057】実施例4 実施例1でえられた発泡シートの表面に、ゴム製ローラ
ーを用いてインクを転写し、下記方法により印刷適性を
評価した。結果を表1に示す。
【0058】(印刷適性)40mmφ、幅13cmのゴ
ム製ローラーに、印刷用インク(大阪印刷インキ製造
(株)製DR黒SPA)を0.5g/cm2の割合で付
着させたのち、約1kgfの荷重をかけながら発泡シー
ト上に転写したインクのむらを、100cm2あたりの
インク抜けの大きさと数によって評価した。長径3mm
以上の大きさのインク抜けがみられるものおよび長径3
mm以上の大きさのインク抜けはないが、それ未満の大
きさのインク抜けが6箇所以上みられるものを×、長径
3mm以上の大きさのインク抜けがなく、それ未満の大
きさのインク抜けが5箇所以下であるものを○と判定し
た。
【0059】実施例5 実施例4と同様にして、実施例2でえられた発泡シート
を用いて印刷適性を評価した。結果を表1に示す。
【0060】実施例6 実施例4と同様にして、実施例3でえられた発泡シート
を用いて印刷適性を評価した。結果を表1に示す。
【0061】比較例3 実施例4と同様にして、比較例1でえられた発泡シート
を用いて印刷適性を評価した。結果を表1に示す。
【0062】比較例4 実施例4と同様にして、比較例2でえられた発泡シート
を用いて印刷適性を評価した。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1の結果から、表面の中心線平均粗さが
小さいばあいには印刷適性がよくなるが、中心線平均粗
さが大きいばあいには印刷適性がわるくなり、中心線平
均粗さによって印刷適性に大きな相違があることがわか
る。
【0065】実施例7 実施例1でえられた発泡シートの表面にPETフィルム
を貼り合わせ、表面接着性を評価した。PETフィルム
としては帝人(株)製の厚さ50μmのフィルム(FF
L)を用いた。
【0066】まず、発泡シートの裏面に前記フィルムを
重ね、一対のロール間に挟んで貼り合わせた。そのとき
のロール温度は、発泡シート側を常温とし、フィルム側
を135℃とし、3.6m/分の速度で間隔1.35m
mのロール間を通過させた。つぎに、発泡シートの表面
に前記フィルムを重ね同様にして貼り合わせた。
【0067】こうして貼り合わせたフィルムを用いて剥
離強度を測定した。測定はJISK 6301に規定さ
れる90度の剥離試験に準じて行なった。試験片の幅は
25mmとした。
【0068】剥離荷重は4.4kgfであって、上から
指または鋭い刃先で擦っても剥がれなかった。
【0069】比較例4 比較例1でえられた発泡シートの表面に実施例5と同様
にしてPETフィルムを貼り合わせ、実施例7と同様に
剥離強度を測定した。剥離荷重は0.4kgfであっ
て、上から指で擦ると簡単に剥離した。
【0070】前記結果から、表面の中心線平均粗さの大
きさによって接着性が大きく相違することがわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明の発泡シートは、たとえば押出発
泡法によって製造することができ、その製造過程で、少
なくとも一方の面の中心線平均粗さを一定値以下とする
ことにより、該表面が優れた印刷適性や接着適性などの
2次加工を行なううえでの利便性を有するものである。
【0072】また、本発明の発泡シートは、耐熱性に優
れた熱可塑性ポリエステル系樹脂を基材樹脂とした発泡
シートであり、種々の印刷や化粧フィルムの貼付を容易
に施すことができるため、容器として成形することによ
って、意匠性、耐熱性、断熱性などに優れた種々の用途
に好適に利用できる容器をうることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル系樹脂を基材樹脂
    とする発泡シートにおいて、シートの少なくとも一方の
    面の中心線平均粗さが2μm以下であることを特徴とす
    る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル系樹脂を基材樹脂
    とする発泡シートにおいて、シートの少なくとも一方の
    面の中心線平均粗さが2μm以下、該表面の結晶化度が
    20%以下であることを特徴とする熱可塑性ポリエステ
    ル系樹脂発泡シート。
JP11863495A 1995-05-17 1995-05-17 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート Pending JPH08311226A (ja)

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