JPH0831117B2 - 読取装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 本発明は光学系の歪に対するレベル補正方式の改良で
あって、レベル補正に使用する余白部の汚れ等によっ
て、その白レベルに急激な変動が生じたとき、これを検
出して予め設定した白レベル、または前回補正した白レ
ベルを使用して信号レベルの補正を行うことを特徴とす
る。

〔産業上の利用分野〕

本発明はイメージセンサを用いたマーク，文字等の読
取装置等におけるレベル補正方式の改良に関する。

固定された光源のもとに記録媒体を送りつつ、イメー
ジセンサで媒体上に印刷されたマーク，文字等を読取る
読取装置においては、ランプ光量，レンズ等光学系の歪
によるシェーディングの補正が行われている。

これはジェーディングによって生じる読取位置に基づ
くレベルの変動を、その読取位置における白レベルを基
準として補正するものであるが、上記読取装置では、媒
体が所定位置に送られてイメージセンサにより走査読取
られるため、予め余白部分を走査読取った白レベルが基
準として用いられる。

このため、余白部分に汚れがあると誤って補正され、
誤読，読取不能等の問題が生じる。

特に通帳等のごとく顧客が保管するものでは汚れを生
じることが多く、上記解決したレベル補正方式が求めら
れている。

〔従来の技術〕

従来例を自動預入払出機（ATM）等に使用される通帳
読取装置を例として説明する。

通帳の読取りは、ページマークの読取り，印字位置の
判別、印字リボン濃度の判別等の目的のために行われる
もので、第３図（ａ）に読取部のブロック図、第３図
（ｂ）に通帳走査説明図、第３図（ｃ）に白レベル補正
方式説明図を示している。

第３図（ａ）において、 通帳挿入口より挿入された通帳１は、図示矢印の方向
に送られつつランプ２に照射され、その反射光はレンズ
３を介してイメージセンサ４に入力される。

イメージセンサ４に蓄積された白黒レベルの信号は、
読出しクロック50により走査読出され、サンプルホール
ドされた後AD変換器７によりディジタル量に変換され、
データメモリ８に格納される。

上記AD変換器７の基準電圧には、通帳１より読取った
白レベルが用いられるが、前述したように、ランプ２の
光量，光学系の歪等によるシェーディング補正のため、
白レベル補正が施される。

以下第３図（ｂ），（ｃ）を参照しつつ従来の色レベ
ル補正方式を説明する。

第３図（ｂ）において、15はページマーク、16は取引
データの印字であり、通帳１はＡ方向に送られつつ、イ
メージセンサ４によりＢ方向にライン走査されて読取ら
れる。

第３図（ｃ）は、あるラインにおけるイメージセンサ
４の出力を表したもので、このラインの白レベル52は、
シェーディングにより図示のごとく歪んでいる。

黒レベルも、白レベル52が低下するとレベル差が小さ
くなり、一定の白レベルを基準にAD変換を行うと、低レ
ベルの信号読取りが不正確となる。

このため、白レベル52を基準に黒レベルを変換すれば
よいが、従来では通帳１の余白部17を読取り、その白レ
ベルのピーク値を基準に走査方向の白レベルをAD変換し
ておき、マーク15等の読取走査時に順次DA変換して、AD
変換器７の基準電圧としている。

上記動作を第３図（ａ）のブロック図で説明する。

まず余白部17を複数ライン読取り、ピークホールド回
路12により白レベルのピーク値を保持し、そのピーク値
をAD変換器７の基準電圧とし、続く余白部分の白レベル
をAD変換して白データメモリ11に格納する。

マーク15を読取るとき、読出しクロック50およびカウ
ンタ10によりその読取り位置に相当した前記AD変換され
た白レベル（白データ）が読出され、DA変換器９により
AD変換されて、AD変換器７の基準電圧に用いられる。

なお、図中、スイッチSWは上記基準電圧を切替えるた
めのものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

以上説明したように、従来の白レベル補正方式は余白
部分を基準に補正するるものであるから、余白部分が汚
れていると、誤って補正れる。

これは誤読、読取不能の原因となるもので、特に通帳
等顧客が携帯するのものでは汚れやすく、読取不能によ
る返却率が高くなるという問題点がある。

本発明は上記問題点に鑑み、上記誤動作を防止する白
補正方式を提供することを目的とすものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的のため、本発明の読取装置は、第１図原理説
明図に示すように、 光源により記録媒体上の所定余白部を走査し読み取っ
た白レベルを用いて、該記録媒体の記録部から読み取っ
た信号レベルを補正する読取装置であって、前記余白部
走査時に、当該余白部の汚れを検出する不正白データ検
出手段30と、 所定の基準白レベルを格納した基準白データメモリ31
と、を有し、前記不正白データ検出手段が余白部の汚れ
を検出しない場合、余白部を走査し読み取った白レベル
にて規則媒体の記録部の信号レベルを補正し、前記不正
白データ検出手段が余白部の汚れを検出した場合、前記
基準白データメモリに格納された基準白レベルにて記録
媒体の記録部の信号レベルを補正することを特徴とする
ものである。

〔作用〕

シェーディングによる白レベルの変動は緩やかであ
り、それに比較して汚れによる白レベルは急激に変動す
るため、これを検出する手段を設ける。

例えば、第２図（ａ）ウェハー汚れ検出動作説明図に
示すように、余白部を読取ってAD変換した信号と、その
AD変換した信号を複数読取クロック分遅延した信号との
差を演算し、この値が所定値を超えるとき、汚れと判断
する。

上記手段で汚れを検出したとき、前記使用した白レベ
ルまたは予め設定した白レベルを基準電圧として使用す
る。

以上により余白部分の汚れによる白レベル補正の誤動
作を防止することができる。

〔実施例〕

本発明の実施例を第２図を参照しつつ説明する。

第２図（ｂ）は実施例の読取装置の部分ブロック図で
ある。

実施例の読取部は、第３図（ａ）に示した従来の読取
部に、不正白データ検出回路20と、基準白データメモリ
27とを付加したもので、第２図（ｂ）はその部分ブロッ
ク図を示したものである。従って、第３図（ａ）と同一
符号は同一対象物を表している。

不正白データ検出回路20は、白レベルの急激な変動を
検出するもので、余白部の汚れを検出したとき、エラー
信号ERをデータ処理部16に送出する。

このエラー信号ERを受けたデータ処理部26は、余白部
17の所定の処理を終了した後、基準白データメモリ27に
格納されている前回の白データまたは予め設定された白
データを白データメモリ11に格納する。

この格納された白データが、余白部の白データに代わ
り、マーク等のAD変換の基準電圧となる。

以下、不正白データ検出回路20の詳細を説明する。

AD変換器７の出力は、遅延回路21により読取りクロッ
ク50N個分遅延され、AD変換器７の出力とともに、引算
器SU22に入力されて引算が行われる。

その引算値の絶対値と比較値レジスタ23に設定された
比較値とを、比較部CMP24によって比較し、 ｜引算値｜≧比較値 且つ視野内 であれば、データ処理部26にエラー信号ERを送出する。

なお、視野内を表す信号IVは、第３図（ｃ）に示すス
タートパルス54を基準として読取りクロック50を所定数
計数したゲート信号で、第２図（ａ）に示すように、エ
ラー信号ERの有効性を表すものである。

基準白データメモリ27には、その装置のシェーディン
グ特性として予め通帳を読取った白データを格納してお
くか、または前回読取った通帳の白データを格納する。

以上の構成であるから、動作は以下のようになる。

（１）通帳の挿入が検出され、余白部17を読取るととも
にピーク値をピークホールド回路12に保持する。

（２）続いて余白部17を読取り、白データを前記ピーク
ホールド回路12の出力するピーク値を基準電圧としてAD
変換し、白データメモリ11に格納する。

（３）上記白データの作成走査期間において、エラー信
号ERが発生したときは、余白部17の走査終了後、基準白
データメモリ27の白データを、白データメモリ11の所定
アドレスに格納する。

（４）マーク等の読取時には、カウンタ10の指定するア
ドレスより白データメモリ11より読出し、順次DA変換し
てAD変換器７の基準電圧として入力する。

これにより読取ったマーク等の符号データは、AD変換
された後カウンタ10の指定するデータメモリ８の領域に
格納される。

以上の結果、媒体の余白部分に汚れがあっても、これ
を検出して予め設定した基準の白データを使用して補正
するため、不正確な補正を防止するとともに、読出り不
能による返却，誤読等を減少させることができる。

なお、上記実施例において、基準白データとして前回
の白データを用いる場合は、通帳読取完了後、エラーが
発生しなかった白データを、白データメモリ11より基準
白データメモリ27に置換する。

また、エラーが発生したとき、通帳を副走査して別の
余白部分を検出し、その白データを白データメモリ11に
格納してもよい。

〔発明の効果〕

以上の説明したように、本発明は白レベル補正を行う
ための余白部の汚れを検出したとき、前回使用した白レ
ベルまたは予め設定した白レベルに切替えるものである
から、誤読、読取不能による返却等を防止する効果は極
めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理説明図、 第２図（ａ）は汚れ検出動作説明図、 第２図（ｂ）は実施例の読取部部分ブロック図、 第３図（ａ）は従来の読取部ブロック図、 第３図（ｂ）は通帳走査説明図、 第３図（ｃ）は白レベル補正方式説明図、 である。図中、 １は通帳、２はランプ、３はレンズ、４はイメージセン
サ、７はAD変換器、８はデータメモリ、９はDA変換器、
10はカウンタ、11は白データメモリ、12はピークホール
ド回路、20は不正白データ検出回路、21は遅延回路、22
は引算回路SU、23は比較値レジスタ、24比較部CMP、25
はゲート、26はデータ処理部、27は基準白データメモ
リ、 である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光源により記録媒体上の所定余白部を走査
   し読み取った白レベルを用いて、該記録媒体の記録部か
   ら読み取った信号レベルを補正する読取装置であって、 前記余白部走査時に、当該余白部の汚れを検出する不正
   白データ検出手段と、 所定の基準白レベルを格納した基準白データメモリと、 を有し、前記不正白データ検出手段が余白部の汚れを検
   出しない場合、余白部を走査し読み取った白レベルにて
   記録媒体の記録部の信号レベルを補正し、前記不正白デ
   ータ検出手段が余白部の汚れを検出した場合、前記基準
   白データメモリに格納された基準白レベルにて記録媒体
   の記録部の信号レベルを補正することを特徴する読取装
   置。