JPH08311049A - L−スレオ−βーヒドロキシアスパラギン酸誘導体および製造法 - Google Patents

L−スレオ−βーヒドロキシアスパラギン酸誘導体および製造法

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JPH08311049A
JPH08311049A JP8030150A JP3015096A JPH08311049A JP H08311049 A JPH08311049 A JP H08311049A JP 8030150 A JP8030150 A JP 8030150A JP 3015096 A JP3015096 A JP 3015096A JP H08311049 A JPH08311049 A JP H08311049A
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JP
Japan
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threo
oxazolidone
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hydroxyaspartic acid
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JP8030150A
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English (en)
Inventor
Takashi Kurokawa
隆史 黒川
Nobuyoshi Shimada
信義 嶋田
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸誘
導体及び当該化合物を容易にかつ高収率で得る製造法を
提供すること。 【構成】下記一般式(1) 【化1】 (式中R1 およびR2 は水素原子又はカルボキシル基の
保護基を表す。)で示されるL−スレオ−β−ヒドロキ
シアスパラギン酸誘導体およびその製造法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白血病治療薬ベス
タチン等の医薬品合成中間体である(2S,3R)−3
−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸の原料と
して、また試薬として有用なL−スレオ−β−ヒドロキ
シアスパラギン酸誘導体特に、L−スレオ−β−ヒドロ
キシアスパラギン酸のオキサゾリドン誘導体およびその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】DL−セリンを出発原料としてDL−ス
レオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサゾリドン誘
導体およびそのジメチルエステルが得られること〔Bul
l.Chem.Soc.Japan,41,2148(1968) 〕、またDL−スレ
オ−β−ヒドロキシアスパラギン酸にホスゲンを作用せ
しめてDL−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オ
キサゾリドン誘導体が得られること〔Bull.Chem, Soc.J
apan, 46,3308(1973) 〕が知られている。
【0003】また現在白血病の治療薬として上市されて
いるベスタチンは〔(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フェニルブタノイル〕−L−ロイシン
の化学構造を有し、微生物の醗酵生産物として最初に見
い出された〔J.Antibiot.,29,100(1976)〕〔特公昭54
−39477〕。
【0004】またベスタチンは有機合成的には(2S,
3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪
酸(以下(2S,3R)−AHPAと称す)とL−ロイ
シンより得られることが知られている〔J.Antibiot.,2
9,600(1976)〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ベスタチン等の医薬品
合成中間体である(2S,3R)−AHPAは光学活性
体であるため、光学分割を必要とし従来法では満足すべ
き収率で得ることができない。そのため効率のよい合成
法の開発が望まれている。本発明は(2S,3R)−A
HPAの新規な合成原料として有用であり、また試薬な
どとしても有用な光学活性な後記一般式(1)で示され
るオキサゾリドン誘導体およびその製造法を提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、本発明を完成したもので、すなわち、本発明
は次の(1)〜(9)に関する。 (1)下記一般式(1)
【0007】
【化3】 (式中R1 およびR2 は水素原子またはカルボキシル基
の保護基を表わす。)で示されるL−スレオ−β−ヒド
ロキシアスパラギン酸誘導体
【0008】(2)一般式(1)においてR1 およびR
2 が水素、低級アルキル基およびベンジル型保護基のい
ずれかである上記(1)のL−スレオ−β−ヒドロキシ
アスパラギン酸誘導体 (3)一般式(1)においてR1 が炭素数1〜4の低級
アルキル基、R2 が水素原子である上記(1)のL−ス
レオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸誘導体
【0009】(4)L−スレオ−β−ヒドロキシアスパ
ラギン酸ジエステルに不活性溶媒中でホスゲンあるいは
ホスゲンダイマーを作用せしめ、L−スレオ−β−ヒド
ロキシアスパラギン酸オキサゾリドン誘導体のジエステ
ルを得るか、または次いでカルボキシル基の保護基を脱
保護することを特徴とする一般式(1)で示されるL−
スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸誘導体の製造
法。
【0010】(5)一般式(1)においてR1 が低級ア
ルキル基、R2 がベンジル基である化合物を接触還元す
ることによって、β位のカルボキシル基が低級アルキル
基で保護されたL−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギ
ン酸オキサゾリドンを得る製造法。
【0011】(6)下記一般式(5)
【化4】 (式中R1 は前記と同じ意味を表わす。)で示されるL
−スレオ−5−低級アルコキシカルボニル−4−ベンゾ
イルオキサゾリドン
【0012】(7)請求項6記載の一般式(5)におけ
るR1 がメチル基である(4S,5S)−4−ベンゾイ
ル−5−メトキシカルボニル−オキサゾリドン−2
【0013】(8)(6)の一般式(5)で示されるL
−スレオ−5−低級アルコキシカルボニル−4−ベンゾ
イルオキサゾリドンを接触還元することを特徴とする5
−低級アルコキシカルボニル−4−ベンジルオキサゾリ
ドン、または必要に応じて次いで脱保護することを特徴
とする2S,3R−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
フェニル酪酸の製造法
【0014】(9)(4S,5S)−4−ベンゾイル−
5−メトキシカルボニル−オキサゾリドン−2を出発原
料とする(8)の製造法
【0015】
【発明の実施の形態】本発明を更に詳しく説明する。一
般式(1)又は一般式(5)において、R1 およびR2
におけるカルボキシル基の保護基としては、例えば、低
級アルキル基好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル
基、フェナシル型保護基、即ち置換または非置換フェナ
シル基、またはベンジル型保護基即ち置換または非置換
ベンジル基があげられる。低級アルキル基としては炭素
数1〜6のアルキル基があげられ、好ましくは炭素数1
〜4の低級アルキル基であり、具体的にはメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基が挙げられる。ベンジル型保護基である置換ま
たは非置換ベンジル基としては、ベンジル基および置換
基としてハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基また
はヒドロキシ基を有するベンジル基が挙げられる。また
置換フェナシル基の場合も、置換ベンジル基の場合と同
様な基で置換されたフェナシル基があげられる。
【0016】本発明の一般式(1)で表わされる代表的
化合物を例示すると下記の通りである。 L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサゾリ
ドン L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサゾリ
ドンジメチルエステル L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサゾリ
ドンジエチルエステル (4S,5S)−5−メトキシカルボニル−4−カルボ
キシオキサゾリドン (4S,5S)−5−エトキシカルボニル−4−カルボ
キシオキサゾリドン (4S,5S)−5−ブトキシカルボニル−4−カルボ
キシオキサゾリドン (4S,5S)−5−メトキシカルボニル−4−ベンジ
ルオキシカルボニルオキサゾリドン (4S,5S)−5−メトキシカルボニル−4−p−ク
ロロベンジルオキシカルボニルオキサゾリドン
【0017】本発明のL−スレオ−β−ヒドロキシアス
パラギン酸オキサゾリドンおよびそのエステル類は通常
次の(1)ないし(3)の工程によって製造することが
できる。
【0018】(1)L−スレオ−β−ヒドロキシアスパ
ラギン酸ジエステルの製造 下記式(2)
【0019】
【化5】
【0020】で示される市販のL−スレオ−β−ヒドロ
キシアスパラギン酸に例えば10℃〜低級アルコールの
沸点の温度で、メタノールあるいはエタノール等の低級
アルコール中で塩酸ガスを通ずる通常のエステル化法に
よりジ低級アルキルエステルが得られる。またβ位のカ
ルボキシル基が低級アルキルエステル、α位のカルボキ
シル基がベンジル型エステルとなったジエステルの場合
には、最初にパラトルエンスルホン酸などの存在下にベ
ンジルアルコールまたは置換ベンジルアルコール等のベ
ンジルアルコール類と反応させて、対応するジベンジル
エステルとし、次いで塩酸などの酸の存在下もしくは不
存在下に通常40℃以下、好ましくは30℃以下、更に
好ましくは20℃以下で、低級アルコールと反応させる
ことにより得ることができる。このようにして得られた
該ジエステルは下記式(3)で表される
【0021】
【化6】 (式中、R'1およびR'2低級アルキル基または、置換ま
たは非置換のベンジル基を表わす)。
【0022】上記式(3)の化合物としては例えば下記
のものをあげることができる。 L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸ジメチルエ
ステル L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸ジエチルエ
ステル L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸ジブチルエ
ステル L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸モノメチル
モノベンジルエステル L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸モノメチル
モノp−クロロベンジルエステル
【0023】(2)L−スレオ−β−ヒドロキシアスパ
ラギン酸オキサゾリドンのジエステルの製造 上記(1)で得られたL−スレオ−β−ヒドロキシアス
パラギン酸ジエステルにホスゲン類を適当な溶媒中作用
せしめることにより対応するL−スレオ−β−ヒドロキ
シアスパラギン酸オキサゾリドン誘導体のジエステルを
高収率にて得ることができる。
【0024】この反応において、ホスゲン類としては、
ホスゲン、ホスゲンダイマー、ホスゲントリマー等を用
いることができる。収率等を考慮すると特に好ましくは
ホスゲンダイマーである。溶媒としては、トルエン、ア
セトニトリル環状エーテル類、脂肪酸エステル類等の不
活性有機溶媒があげられ、好ましくはジオキサンがあげ
られる。
【0025】反応温度は特に制限はないが通常20〜1
00℃、好ましくは70〜80℃であり、反応時間は、
反応条件により異なるが通常30分間〜数時間である。
【0026】(3)L−スレオ−β−ヒドロキシアスパ
ラギン酸オキサゾリドンまたはそのモノエステルの製造 上記(2)で得られたL−スレオ−β−ヒドロキシアス
パラギン酸オキサゾリドンのジエステルを、加水分解好
ましくはアルカリ加水分解、あるいは接触還元すること
によってカルボキシル基の保護基を脱保護し、L−スレ
オ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサゾリドンある
いはそのモノエステルを高収率にて容易に得ることがで
きる。即ち、該ジエステルがジ低級アルキルエステルの
とき、アルカリ加水分解することにより、L−スレオ−
β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサドリンが得られ、
該ジエステルの片方が低級アルキルエステル、他方がベ
ンジル型エステルのジエステルのときは、アルカリ加水
分解すると、L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン
酸オキサゾリドンモノベンジル型エステルが得られ、加
水分解の代りに接触還元を用いるとL−スレオ−β−ヒ
ドロキシアスパラギン酸オキサゾリドンモノ低級アルキ
ルエステルが得られる。
【0027】具体的にL−スレオ−β−ヒドロキシアス
パラギン酸オキサゾリドンのモノ低級アルキルエステル
を得る方法の1例を次に説明する。L−スレオ−β−ヒ
ドロキシアスパラギン酸をベンゼンあるいはトルエン中
でp−トルエンスルホン酸の存在下にベンジルアルコー
ルとともに還流脱水するとジベンジルエステルになる。
このジエステルを塩化水素を含むアルコール、例えばメ
タノール中に20℃以下に10数時間放置するとβ位の
ベンジルエステルがメチルエステルになる。この得られ
たα−ベンジル、β−メチルジエステルをジオキサンあ
るいはアセトニトリル中で75〜85℃、30分間から
数時間、ホスゲンダイマーを作用せしめると該ジエステ
ルに対応するオキサゾリドン誘導体が得られる。このベ
ンジルメチルジエステルをメタノールのようなアルコー
ル溶媒中でパラジウムのような通常接触還元に用いられ
る触媒を用いて接触還元すると目的とする5−メトキシ
カルボニル−4−ヒドロキシカルボニルオキサゾリドン
に導くことができる。
【0028】上記アルカリ加水分解反応において、通常
用いられる溶媒および試薬を使用することができる。具
体的には、水あるいは水を含むアセトンあるいはメタノ
ール中で水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のような水酸化アルカリで−10℃〜80℃で
反応を行なう。塩酸、硫酸等の強酸で反応液を酸性に
し、中和するか、あるいは、ダウエックス50W
(H+ )(商品名)のようなイオン交換樹脂を用いるこ
とによって、脱塩を行ない、目的物を得る。
【0029】上記接触還元において、通常用いられる溶
媒および試薬を使用することができる。具体的には、メ
タノールのようなアルコール溶媒中でパラジウム、白金
触媒、ラネーニッケル等の通常接触還元に用いられる触
媒を用い接触還元する。
【0030】本発明の一般式(1)の化合物からの(2
S,3R)−AHPAの合成は次のようにして行うこと
ができる。上記のようにして得られたL−スレオ−β−
ヒドロキシアスパラギン酸オキサゾリドンのモノエステ
ル体(β位のカルボン酸の例えば低級アルコールとのエ
ステル)を5塩化リンあるいはチオニルクロリドを用い
て酸塩化物としたのち、塩化アルミニウムのような酸触
媒の存在下にベンゼンと縮合すると一般式(5)で示さ
れるアミノケトン体に導くことができる。
【0031】一般式(5)で示されるアミノケトン体と
しては次のものが例えばあげられる。 L−スレオ−5−メトキシカルボニル−4−ベンソイル
−オキサゾリドン L−スレオ−5−エトキシカルボニル−4−ベンソイル
−オキサゾリドン L−スレオ−5−ブトキシカルボニル−4−ベンソイル
−オキサゾリドン
【0032】上記のアミノケトン体をパラジウム等のよ
うな接触還元に用いられる触媒を用いて接触還元すると
(2S,3R)−AHPAのオキサゾリドンのモノ低級
アルキルエステルが得られる。次いで、このモノ低級ア
ルキルエステルを溶媒中、好ましくはエタノールなどの
低級アルコール溶媒中、水酸化ナトリウムのような苛性
アルカリ又は塩酸、硫酸等の強酸等を用いて、通常0℃
ないし溶媒の沸点の温度で加水分解によりこのモノ低級
アルキルエステルから脱保護基を行うと(2S,3R)
−AHPAが得られる。
【0033】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を詳しく説明
するが、これのみに限定されない。
【0034】実施例1.ジメチルL−スレオ−β−ヒド
ロキシアスパルテート塩酸塩5.2gをジオキサン50
mlに溶解しホスゲンダイマー3.4gを加える。この
混合物を70〜80℃に1.5時間攪拌したのち、減圧
乾固する。得られた結晶をエーテルでロ集するとL−ス
レオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサゾリドンの
ジメチルエステルである(4S,5S)−ジメトキシカ
ルボニル−オキサゾリドン−2が4.5g(収率、9
0.8%)得られた。酢酸エチルより再結すると、無色
柱状となる。物性は以下のとおりである。
【0035】m.p. : 124 〜5 ℃ [α] 20 D :+99.0° (c 1,メタノール) FAB-MS(m/z):204 (M+H)+ 1 HNMRスペクトル(300MHz,D6 -DMSO) δ(ppm) : 8.59(1H,s), 5.24(1H,d,J=3Hz), 4.57(1H,
d,J=3Hz)3.74(3H,s), 3.73(3H,s)13 CNMRスペクトル(75MHz, D6-DMSO) δ(ppm) : 170.3, 168.7, 157.1, 73.6, 56.1, 52.9
【0036】実施例2 実施例1で得られたジメチルエステル1.02gをアセ
トン50ml−水12.5mlに溶解し、−10°〜−
5℃で1N水酸化リチウム水溶液11mlを30分間を
要して滴下する。反応液をさらにこの温度で30分間攪
拌をつづけたのち、ダウエックス50W(H+ ) 15m
lで処理する。得られた酸性を示す反応液を30℃以下
で減圧濃縮し、さらに凍結乾燥を行うと、L−スレオ−
β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサゾリドンである
(4S、5S)−ジヒドロキシカルボニル−オキサゾリ
ドン−2が無色粉末として0.85g(収率=97.8
%)得られる。物性は以下のとおりである。
【0037】m.p. : 169 〜170 ℃(decomp.) [α]20 D :+86.2°(c 1,メタノール) FAB-MS(m/z):174 (M−H)- 1 HNMRスペクトル(300MHz,D6-DMSO) δ(ppm) : 8.38(1H,s), 5.01(1H,d,J=3Hz), 4.32(1H,
d,J=3Hz)13 CNMRスペクトル(300MHz, D6-DMSO) δ(ppm) : 171.6, 170.0, 157.5, 74.2, 56.6
【0038】実施例3 L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸3.0gに
ベンジルアルコール40ml、p−トルエンスルホン酸
5.0gおよびベンゼン100mlを加え、8時間還流
脱水する。ベンゼンを留去後、エーテル80mlおよび
n−ヘキサン80mlを加え冷所に1夜放置すると、ジ
ベンジルL−スレオ−β−ヒドロキシアスパルテートp
−トルエンスルホン酸塩9.1g(収率=96.8%)
の無色結晶が析出する。
【0039】このジベンジルエステル4.0gに6%塩
化水素メタノール溶液60mlを加え室温で12時間攪
拌する。この反応液を減圧乾固後、残渣をエーテル20
mlで2回洗浄し、再び減圧乾固するとα−ベンジル−
β−メチル−L−スレオ−β−ヒドロキシアスパルテー
トp−トルエンスルホン酸塩が無色シラップ状として定
量的に得られる。このシラップをジオキサン40mlに
溶解し、ホスゲンダイマー2.8gを加え、75〜85
℃に1時間攪拌する。ジオキサンを減圧下に留去したの
ち、酢酸エチル120mlに溶解し、水、食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで処理し、減圧乾固すると2.
7gの固形物が得られる。この固形物2.3gを水−メ
タノールより結晶化すると(4S,5S)−4−ベンジ
ルオキシカルボニル−5−メトキシカルボニル−オキサ
ゾリドン−2の無色結晶が1.52g(収率=78.3
%)得られる。酢酸エチル−エーテルより再結晶すると
無色柱状晶になる。物性は以下の通りである。
【0040】m.p. : 128 〜129 ℃ [α]20 D :+86.0°(c 1,メタノール) FAB-MS(m/z):280 (M+H)+ 1 HNMRスペクトル(300MHz,D6-DMSO)) δ(ppm) : 8.64(1H,s), 7.39(5H,m),5.27(1H,d,J=3H
z),5.22(2H,m),4.64(1H,d,J=3Hz),3.73(3H,s)13 CNMRスペクトル(75MHz, D6-DMSO) δ(ppm) : 169.6, 168.6, 157.0, 135.3, 128.5, 128.
3, 128.1,73.7, 67.1, 56.2, 52.9
【0041】実施例4 実施例3で得られたオキサゾリドンジエステル0.6g
をメタノール40mlに溶解し、5%パラジウム−炭素
100mgを加え、攪拌下常圧で水素ガスを2時間通ず
る。触媒をろ別後、ろ液を減圧乾固すると(4S,5
S)−4−ヒドロキシカルボニル−5−メトキシカルボ
ニル−オキサゾリドン−2が無色シラップ状として定量
的に得られる。物性は以下の通りである。
【0042】[α]20 D:+92.3°(c 1,メタノール) FAB-MS(m/z):190 (M+H)+ 1 HNMRスペクトル(300MHz,D6-DMSO)) δ(ppm) : 8.48(1H,s), 5.17(1H,d,J=3Hz), 4.40(1H,
d,J=3Hz)37.73(3H,s)13 CNMRスペクトル(75MHz, D6-DMSO) δ(ppm) : 171.3, 168.9, 157.2, 74.0, 56.3, 52.8
【0043】実施例5 実施例4で得られた(4S,5S)−4−ヒドロキシカ
ルボニル−5−メトキシカルボニル−オキサゾリドン−
2 1.3gにジエチルエーテル20mlを加え攪拌下
5℃以下でチオニルクロリド1.32gを滴下する。そ
の後室温で30分間攪拌を続けたのち減圧にて室温以下
で濃縮する。得られた濃縮物にベンゼン10mlを加え
攪拌下5℃以下で塩化アルミニウム2.6gを加える。
室温で3時間攪拌を続けたのち反応液に希塩酸ついで酢
酸エチルを加え攪拌する。酢酸エチル層を食塩水で洗浄
さらに無水硫酸ナトリウムで処理したのち減圧にて乾固
すると(4S,5S)−4−ベンゾイル−5−メトキシ
カルボニル−オキサゾリドン−2を主成分とするシラッ
プ700mg(粗収率39.7%)が得られる。このシ
ラップをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒:n−ヘキサン−酢酸エチル=2:1)により精製す
ると以下の物性となる。
【0044】[α]20 D : +68.3°(c 1.0,メタノー
ル) FAB-MS : 190 (M+H)+ 1 HNMRスペクトル(300MHz,CDCl3) δ(ppm) : 3.93(3H,s), 5.15(1H,d,J=2.9Hz), 5.39(1
H,d,J=3.0Hz)6.40(1H,s), 7.54(2H,t,J=7.7Hz), 7.67(1
H,t,J=7.4Hz)8.03(2H,d,J=7.4Hz)
【0045】実施例6 実施例5で得られたヘンゾイル体300mgを酢酸25
mlに溶解し、10%パラジウム−炭素100mgを加
え、水素2〜3kg/cm2 ,55〜65℃で6時間攪
拌を続ける。反応ろ液を減圧乾固しシリカゲルクロマト
グラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル=
3:2)で精製すると(4R,5S)−4−ベンジル−
5−メトキシカルボニル−オキサゾリドン−2−の無色
結晶が90mg得られる。物性は以下の通りである。
【0046】m.p. :83〜88℃ [α]20 D:+60.7°(c 1.0,メタノール) FAB-MS(m/z):236 (M+H)+ 1 HNMRスペクトル(300MHz,CDCl3) δ(ppm) : 2.93(1H,dd,J=7.6,13.7Hz) 3.05(1H,dd,J=
5.6,13.7Hz),3.79(3H,s) 4.14(1H,dd,J=5.2,12.5Hz)4.7
0(1H,d,J=4.7Hz) 6.16(1H,bs)7.20 〜7.37(5H,m)
【0047】実施例7 (4R,5S)−4−ベンジル−5−メトキシカルボニ
ル−オキサゾリドン−225mgにエタノール0.5m
l,1N NaOH 0.5mlを加え1時間加熱還流
する。反応液をDowex50W(H+ )に吸着させ
2.8%アンモニア水で溶出する。この溶出液を濃縮
後、凍結乾燥すると無色結晶{ [α]22 D :28.0°(c 0.
5,1NHC1) }の(2S,3R)−AHPAが5mg得ら
れる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、医薬品合成中間体とし
て有用なL−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オ
キサゾリドンまたはそのエステル類を、容易にかつ収率
よく得ることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中R1 およびR2 は水素原子またはカルボキシル基
    の保護基を表わす。)で示されるL−スレオ−β−ヒド
    ロキシアスパラギン酸誘導体
  2. 【請求項2】一般式(1)においてR1 およびR2 が水
    素、低級アルキル基およびベンジル型保護基のいずれか
    である請求項1のL−スレオ−β−ヒドロキシアスパラ
    ギン酸誘導体
  3. 【請求項3】一般式(1)においてR1 が炭素数1〜4
    の低級アルキル基、R2が水素原子である請求項1のL
    −スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸誘導体
  4. 【請求項4】L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン
    酸ジエステルに不活性溶媒中でホスゲン類を作用せし
    め、L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸オキサ
    ゾリドン誘導体のジエステルを得るかまたは次いでカル
    ボキシル基の保護基を脱保護することを特徴とする一般
    式(1)で示されるL−スレオ−β−ヒドロキシアスパ
    ラギン酸誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】一般式(1)においてR1 が低級アルキル
    基、R2 がベンジル基である化合物を接触還元すること
    によって、β位のカルボキシル基が低級アルキル基で保
    護されたL−スレオ−5−低級アルコキシカルボニル−
    4−カルボキシルオキサゾリドンを得る製造法
  6. 【請求項6】下記一般式(5) 【化2】 (式中R1 は前記と同じ意味を表わす。)で示されるL
    −スレオ−5−低級アルコキシカルボニル−4−ベンゾ
    イルオキサゾリドン
  7. 【請求項7】請求項6記載の一般式(5)におけるR1
    がメチル基である(4S,5S)−4−ベンゾイル−5
    −メトキシカルボニル−オキサゾリドン−2
  8. 【請求項8】請求項6記載の一般式(5)で示されるL
    −スレオ−5−低級アルコキシカルボニル−4−ベンゾ
    イルオキサゾリドンを接触還元することを特徴とする5
    −低級アルコキシカルボニル−4−ベンジルオキサゾリ
    ドン、または必要に応じて次いで脱保護することを特徴
    とする2S,3R−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
    フェニル酪酸の製造法
  9. 【請求項9】(4S,5S)−4−ベンゾイル−5−メ
    トキシカルボニル−オキサゾリドン−2を出発原料とす
    る請求項8記載の製造法
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