JPH08311028A - 2−アミノピリジン誘導体及びそれら化合物を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害剤 - Google Patents

2−アミノピリジン誘導体及びそれら化合物を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害剤

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JPH08311028A
JPH08311028A JP14413595A JP14413595A JPH08311028A JP H08311028 A JPH08311028 A JP H08311028A JP 14413595 A JP14413595 A JP 14413595A JP 14413595 A JP14413595 A JP 14413595A JP H08311028 A JPH08311028 A JP H08311028A
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acceptable salt
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methyl
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Hisashi Shinkai
久 新海
Shinji Yada
伸二 矢田
Yukikiyo Wakitani
之清 脇谷
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Japan Tobacco Inc
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一又は異なっ
て水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されて
もよいアルケニル基又は置換されてもよいアルキニル基
を表す。)で示される2−アミノピリジン誘導体又はそ
の薬理上許容される塩を含有してなる一酸化窒素合成酵
素阻害剤、及び新規2−アミノピリジン誘導体。 【効果】 本発明に係る化合物は、優れた一酸化窒素合
成酵素阻害活性を有し、梗塞や虚血に起因する脳障害及
び心臓障害の治療剤、抗炎症剤等として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2−アミノピリジン骨
格を有する新たな一酸化窒素合成酵素阻害剤、一酸化窒
素合成酵素阻害活性に基づく抗炎症剤、ショック治療
剤、虚血性脳障害治療剤等の医薬、及び優れた一酸化窒
素合成酵素阻害活性を有する新規2−アミノピリジン誘
導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一酸化窒素合成酵素(Nitric Oxide Syn
thase:NOS)によって合成される一酸化窒素(N
O)は、生体内で極めて多用な生物学的反応過程に関与
しているといわれている。
【0003】1980年にファーチゴット(Forchgot
t)らは、内皮由来血管拡張因子(EDRF:Endotheli
um derived relaxing factor)が強力な血管拡張作用と
血小板凝集抑制作用を有することを報告した。そして、
1987年にパルマー(Palmer)らは、これらEDRF
の本体が一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)であること
を報告した。
【0004】その後、NOは血管内皮細胞以外にも小
脳、血小板、末梢神経、マクロファージ、多核白血球、
肝細胞、クッパー細胞、腎臓メサンジウム細胞、肺実質
細胞、副腎血管平滑筋、繊維芽細胞等の全身の各種組織
細胞においても産生されていることがわかった。又、N
Oの作用も当初考えられていた血管平滑筋弛緩作用以外
にも、神経伝達物質としての作用や、細菌、腫瘍細胞に
対する細胞障害等の作用を有することも解明された。
【0005】一方、NOが生体内で過剰に産生、放出さ
れた場合、その血管弛緩作用に加えて、NOそのものの
化学的不安定性に基づく高い反応性により、様々な細胞
や組織に障害を引き起こすことも報告されている〔ジャ
ーナル オブ ナショナルキャンサー インスティテュ
ート,84巻,27頁(1992年)[J. Natl. Cancer
Inst., 84, 27(1992)]、ランセット,338巻,15
55頁(1991)[Lancet, 338, 1555(1991)]〕。
【0006】NOは、L−アルギニンを基質としてNO
合成酵素(NOS)によって産生されるものであり、現
在までに数種類の細胞からNOSが精製され、cDNA
配列が明らかにされつつある。これらNOSは発現様式
や補因子要求性の違いなどから構成型NOS(constitu
tive NOS,いわゆるcNOS)、誘導型NOS(induci
ble NOS,いわゆるiNOS)の二つに大きく分類さ
れ、さらにcNOSは神経組織に分布する神経型NOS
(nNOS)と血管内皮細胞に分布する血管内皮型NO
S(eNOS)に分類される。
【0007】血管内皮や小脳などの細胞内に分布するc
NOSはCa2+/カルモジュリン依存性であって、アゴ
ニストによる刺激に対して短時間のあいだNOを産生す
る。このNOは様々な生理的反応のもとで情報伝達の働
きを行う。これに対して、マクロファージ、グリア細
胞、白血球、肝細胞、血管平滑筋細胞等に分布するiN
OSはエンドトキシン(LPS)や各種サイトカイン
(IFNγ、TNF、ILs等)等によって産生され
る。
【0008】一旦発現されたiNOSは長期間にわたっ
てNOを産生するが、cNOSと異なりCa2+/カルモ
ジュリン非依存性であって、細胞のサイトトキシティに
関与していると考えられている。このようなiNOSに
より過剰に産生されたNOは、エンドトキシン/出血性
ショックなどの発症病態に深く関わっていると考えられ
ている。
【0009】又、近年に至り、NOS阻害剤としてのL
−アルギニン類縁体が、脳虚血動物モデルにおいて脳浮
腫、脳梗塞の改善作用を有することも確認されている
〔ニューロサイエンス レターズ,147巻,159〜
162頁(1992年)[Neurosci. Lett., 147, 159-1
62(1992)〕。
【0010】従って、これらNOSを効率よく阻害する
化合物が得られるならば、これら化合物、即ちNOS阻
害剤は、過剰に産生、放出されたNOが原因と考えられ
る疾患、例えば梗塞、虚血等に起因する各種心臓障害及
び脳障害、とりわけ虚血に起因する脳障害;内毒性及び
出血性あるいは心臓性のショック;急性炎症,及びリウ
マチ等の自己免疫疾患等に基づく慢性炎症等の炎症性疾
患の治療に有益である。特に、脳虚血性障害、即ち脳虚
血に伴う諸障害及び虚血後の再灌流傷害の治療に有益で
ある。
【0011】かくのごときNOS阻害剤としては例えば
各種L−アルギニン類縁体(特開平4−270255号
公報、特開平5−286916号公報、特表平5−50
0659号公報、WO93/13055号公報等)やイ
ミダゾリン誘導体(特開平6−211805号公報)が
知られている。
【0012】又、ごく最近に至り直鎖のイソチオウレア
誘導体や5員の複素環である2−アミノチアゾール化合
物、2−アミノチアゾリン化合物あるいは2−アミノ−
5,6−ジヒドロ−6−メチル−4H−1,3−チアジ
ンがNOS阻害活性を有することも見いだされた〔WO
94/12165号明細書、ジャーナル オブ バイオ
ロジカル ケミストリー,269巻43号,26669
〜26676頁(1994年)[J. Biol. Chem., 269(4
3), 26669-26676(1994)]、バイオケミカル アンド バ
イオフィジカル リサーチ コミュニケーションズ,2
06巻2号,511〜517頁(1995年)[Bioche
m. Biophys. Res. Commun., 206(2), 511-517(199
5)]〕。
【0013】一方、6員の複素環である2−アミノピリ
ジン誘導体としては各種技術分野において下記のごとき
化合物が知られているが、これらはいずれもNOS阻害
剤を示唆するようなものではない。例えば、2−アミノ
−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジ
ン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6
−メチルピリジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリ
ジン又は2−アミノ−3−エチルピリジン等が免疫抑制
剤の中間体として特開昭48−57978号公報に記載
されており、2−アミノ−4−エチルピリジンが感光感
熱組成物として特開昭58−53485号公報に記載さ
れており、又、2−アミノ−6−エチル−4−メチルピ
リジン、2−アミノ−5,6−ジエチルピリジン又は2
−アミノ−5−エチニル−6−エチルピリジンが特開平
4−234365号公報に殺菌剤の中間体として記載さ
れている。
【0014】更に、2−アミノ−4,6−ジメチルピリ
ジンについては、特開昭52−62279号公報に胃酸
分泌抑制剤の中間体として、特開昭54−59299号
公報に鎮痛剤の中間体として、特開昭58−12127
4号公報に消炎、鎮痛剤の中間体として、特開平6−2
98771号公報にエンドセリン受容体拮抗剤等の中間
体として、米国特許4293330号明細書に植物成長
調節剤の中間体として記載されているが、これらはいず
れも上記したようにNOS阻害剤を示唆するものでな
い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来公知のL−アルギ
ニン類縁体や2−アミノチアゾール化合物あるいは2−
アミノチアゾリン化合物からなるNOS阻害剤は、活性
面あるいは副作用の点で実用に耐え得るものではなかっ
た。例えば、L−アルギニン類縁体は必須アミノ酸であ
L−アルギニンと構造的に類似しているため、NO合
成系以外の生体内の正常な代謝系に対する影響が懸念さ
れ、2−アミノチアゾール化合物はほとんど期待される
NOS阻害活性を有さず、又、2−アミノチアゾリン化
合物は後述の比較試験例の結果からも明らかな通り必ず
しも活性面で十分といえないため、より高活性であり、
且つL−アルギニン、イソチオウレア誘導体とは全く構
造の異なる新規なNOS阻害剤が望まれている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、驚くべきこと
に下記一般式〔I〕で示されるごとき6員の複素環であ
る2−アミノピリジン誘導体が極めて優れたNOS阻害
活性を有することを見いだし、本発明を完成した。
【0017】即ち、本発明は2−アミノピリジン誘導体
又は2−アミノピリジン誘導体を含有してなるNOS阻
害剤及びそれら作用を有する新規2−アミノピリジン誘
導体に関するものであり、より詳しくは下記(1)乃至
(18)に示す通りである。
【0018】(1) 一般式〔I〕
【化1】(式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一又
は異なって水素原子、置換されてもよいアルキル基、置
換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキ
ニル基、アルコキシ基又は隣接する2つが一緒になって
【化2】(nは3乃至6の整数を表す。)を表す。但
し、R1、R2、R3、R4が同時に水素原子である場合を
除く。)で示される医薬的に有効な量の2−アミノピリ
ジン誘導体又はその塩と、医薬的に許容可能な量のキャ
リアーを含んでなる医薬組成物。
【0019】(2) 上記(1)に記載される2−アミ
ノピリジン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有し
てなる一酸化窒素合成酵素阻害剤。
【0020】(3) R1、R3がそれぞれ同一又は異な
ってハロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換されても
よいアルキル基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基で
置換されてもよいアルケニル基又はハロゲン原子若しく
はアルコキシ基で置換されてもよいアルキニル基であ
り、R2、R4がそれぞれ同一又は異なって水素原子、シ
アノ基若しくはハロゲン原子で置換されてもよいアルキ
ル基、シアノ基若しくはハロゲン原子で置換されてもよ
いアルケニル基又はシアノ基若しくはハロゲン原子で置
換されてもよいアルキニル基である上記(2)記載の2
−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許容される塩を
含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害剤。
【0021】(4) R1がハロゲン原子若しくはアル
コキシ基で置換されてもよいアルキル基である上記
(3)記載の2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上
許容される塩を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害
剤。
【0022】(5) R3がメチル基又はエチル基であ
る上記(4)記載の2−アミノピリジン誘導体又はその
薬理上許容される塩を含有してなる一酸化窒素合成酵素
阻害剤。
【0023】(6) R2、R4が共に水素原子である上
記(5)記載の2−アミノピリジン誘導体又はその薬理
上許容される塩を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害
剤。
【0024】(7) 2−アミノ−4−メチル−6−プ
ロピルピリジン、2−アミノ−4−メチル−6−イソプ
ロピルピリジン、2−アミノ−6−エチル−4−メチル
ピリジン、2−アミノ−6−ブチル−4−メチルピリジ
ン、2−アミノ−6−イソブチル−4−メチルピリジ
ン、2−アミノ−4−エチル−6−ブチルピリジン、2
−アミノ−4−エチル−6−プロピルピリジン、2−ア
ミノ−4,6−ジエチルピリジンから選ばれる上記
(6)記載の2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上
許容される塩を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害
剤。
【0025】(8) 上記(2)記載の2−アミノピリ
ジン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有してなる
抗炎症剤。
【0026】(9) 上記(3)乃至(7)のいずれか
1つに記載される2−アミノピリジン誘導体又はその薬
理上許容される塩を含有してなる抗炎症剤。
【0027】(10) 上記(2)記載の2−アミノピ
リジン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有してな
るショック治療剤。
【0028】(11) 上記(3)乃至(7)のいずれ
か1つに記載される2−アミノピリジン誘導体又はその
薬理上許容される塩を含有してなるショック治療剤。
【0029】(12) 上記(2)記載の2−アミノピ
リジン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有してな
る虚血性脳障害治療剤。
【0030】(13) 上記(3)乃至(7)のいずれ
か1つに記載される2−アミノピリジン誘導体又はその
薬理上許容される塩を含有してなる虚血性脳障害治療
剤。
【0031】(14) 一般式〔I〕
【化1】(式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ前記と
同様の意味を表す。但し、R1乃至R4のうちの1つがメ
チル基又はエチル基で、他の3つが同時に水素原子を表
す場合、R1乃至R4の任意の2つが同時にメチル基で他
の2つが同時に水素原子である場合、及びR1がエチル
基で、R2又はR3の一方がメチル基、エチル基又はエチ
ニル基で且つ他の2つが同時に水素原子である場合を除
く。)で示される2−アミノピリジン誘導体又はその薬
理上許容される塩。
【0032】(15) R1がハロゲン原子若しくはア
ルコキシ基で置換されてもよい炭素数3乃至6のアルキ
ル基である上記(14)記載の2−アミノピリジン誘導
体又はその薬理上許容される塩。
【0033】(16) R3がメチル基又はエチル基で
ある上記(15)記載の2−アミノピリジン誘導体又は
その薬理上許容される塩。
【0034】(17) R2、R4が共に水素原子である
上記(16)記載の2−アミノピリジン誘導体又はその
薬理上許容される塩。
【0035】(18) 2−アミノ−4−メチル−6−
プロピルピリジン、2−アミノ−4−メチル−6−イソ
プロピルピリジン、2−アミノ−6−ブチル−4−メチ
ルピリジン、2−アミノ−6−イソブチル−4−メチル
ピリジン、2−アミノ−4−エチル−6−ブチルピリジ
ン、2−アミノ−4−エチル−6−プロピルピリジンか
ら選ばれる上記(17)記載の2−アミノピリジン誘導
体又はその薬理上許容される塩。
【0036】次に、本明細書において使用する用語の意
味は、以下の通りである。「アルキル基」とは、炭素数
1乃至6の直鎖又は分枝してもよいアルキル基であり、
例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチ
ル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−ペ
ンチル基、3−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキ
シル基又は2−ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭
素数1乃至4のメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基又はイソブチル基等の低
級アルキル基である。R1として好ましくはエチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基等の炭素2乃至4の低級アルキル基であり、特
に好ましくはn−プロピル基、イソプロピル基又はイソ
ブチル基等の炭素数3乃至4の低級アルキル基である。
2乃至R4として好ましくはメチル基、エチル基又はプ
ロピル基等の炭素数1乃至3の低級アルキル基であり、
特に好ましくは炭素数1乃至2のメチル基又はエチル基
等である。
【0037】「置換されてもよいアルキル基」とは上記
に定義したアルキル基が以下の置換基で置換されてもよ
いものである。その置換基としては、水酸基、チオール
基、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、一級若しくは
二級アルキルアミノ基、シアノ基、シクロアルキル基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボキシ基、アルコ
キシカルボニル基、イソチオウレア基又はアミジノ基等
が挙げられ、R1、R3の置換基として好ましくは水酸
基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、シクロアルキ
ル基、アルコキシ基、カルボキシ基又はアルコキシカル
ボニル基等であり、特に好ましくはハロゲン原子又はア
ルコキシ基等である。R2、R4の置換基として好ましく
は水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、シ
アノ基、シクロアルキル基、カルボキシ基又はアルコキ
シカルボニル基であり、特に好ましくはシアノ基又はハ
ロゲン原子である。なお、アルキル基に対する置換基の
置換位置及び数については、特に制限されるものではな
い。
【0038】「アルケニル基」とは、炭素数2乃至6の
直鎖又は分枝してもよいアルケニル基を表し、例えばエ
テニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−
ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メ
チル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペン
テニル基、3−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニ
ル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−ヘキセニル
基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセ
ニル基、5−ヘキセニル基、2−メチル−1−ペンテニ
ル基、3−メチル−1−ペンテニル基、4−メチル−1
−ペンテニル基、2,3−ジメチル−1−ブテニル基又
は3,3−ジメチル−1−ブテニル基等である。好まし
くは炭素数1乃至4のエテニル基、1−プロペニル基、
2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、
3−ブテニル基又は2−メチル−1−プロペニル基等で
あり、特に好ましくはエテニル基、1−プロペニル基、
2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基又
は3−ブテニル基である。
【0039】「置換されてもよいアルケニル基」とは、
前記「置換されてもよいアルキル基」で示した置換基を
有するアルケニル基であり、好ましい置換基はハロゲン
原子、シアノ基、アルコキシ基又はアルコキシカルボニ
ル基等であり、R1、R3の置換基として特に好ましくは
ハロゲン原子又はアルコキシ基等であり、R2、R4の置
換基として特に好ましくはシアノ基又はアルコキシ基で
ある。なお、アルケニル基に対する置換基の置換位置及
び数については、特に制限されるものではない。
【0040】「アルキニル基」とは、炭素数2乃至6の
直鎖又は分枝してもよいアルキニル基を表し、例えばエ
チニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−
ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メ
チル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペン
チニル基、3−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニ
ル基、1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−
ブチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3
−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル
基、3−メチル−1−ペンチニル基、4−メチル−1−
ペンチニル基、1−メチル−2−ペンチニル基、1−メ
チル−3−ペンチニル基、1−メチル−4−ペンチニル
基、1,1−ジメチル−3−ブチニル基又は3,3−ジ
メチル−1−ブチニル基等であり、好ましくは炭素数1
乃至4のエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニ
ル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル
基又は1−メチル−2−プロピニル基等であり、特に好
ましくはエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニ
ル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基又は3−ブチニ
ル基等である。
【0041】「置換されてもよいアルキニル基」とは、
前記「置換されてもよいアルキル基」で示した置換基を
有するアルキニル基であり、好ましい置換基はハロゲン
原子、シアノ基、アルコキシ基又はアルコキシカルボニ
ル基等であり、R1、R3の置換基として特に好ましくは
ハロゲン原子又はアルコキシ基等であり、R2、R4の置
換基として特に好ましくはシアノ基又はアルコキシ基で
ある。なお、アルキニル基に対する置換基の置換位置及
び数については、特に制限されるものではない。
【0042】「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好ましくはフッ
素原子、塩素原子又は臭素原子であり、特に好ましくは
フッ素原子である。但し、中間体における脱離基として
のハロゲン原子としては塩素原子又は臭素原子が好まし
い。
【0043】「アルコキシ基」とは、炭素数1乃至6の
直鎖又は分枝してもよいアルコキシ基であり、例えばメ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブ
トキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、
イソペントキシ基、tert−ペントキシ基、ネオペン
トキシ基、n−ヘキソキシ基又はイソヘキソキシ基等が
挙げられ、好ましくは炭素数1乃至4のメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−
ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基又は
tert−ブトキシ基等の低級アルコキシ基であり、特
に好ましくは1乃至3のメトキシ基、エトキシ基、n−
プロポキシ基又はイソプロポキシ基等である。R1、R3
の置換基として好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基又はイソプロポキシ基等の低級アルコキ
シ基であり、特に好ましくはメトキシ基である。R2
4の置換基として好ましくはメトキシ基又はエトキシ
基等の低級アルコキシ基である。
【0044】「薬理上許容される塩」とは、上記一般式
〔I〕で示される2−アミノピリジン誘導体と無毒の塩
を形成するものであればいかなるものでもよく、例えば
塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、硝酸等の無機酸塩;
酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、
乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイ
ン酸、グリコール酸、メタンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸等の有機酸塩を挙げることができ
る。又、場合によっては含水物あるいは水和物であって
もよい。
【0045】「アミノ保護基」とは、通常アミノ基の保
護基として用いられるものであればいかなる保護基でも
よく、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボ
ニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカル
ボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−
ブトキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボ
ニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル
基、ベンジルオキシカルボニル基又は9−フルオレニル
メトキシカルボニル基等のカルバメート;ホルミル基、
アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、バレリル
基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリクロロアセ
チル基、トリフルオロアセチル基又はベンゾイル基等の
アシル基;メチル基、tert−ブチル基又はベンジル
基等のアルキル基又はアラルキル基等が挙げられ、好ま
しくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベ
ンゾイル基又はtert−ブチル基等であり、特に好ま
しくはアセチル基等である。
【0046】次に、本発明に係る化合物の製造方法につ
いて述べるが、本発明化合物の製造方法は必ずしも以下
に述べる方法に限定されるものではない。
【0047】製造方法A
【化3】
【0048】第1工程 一般式(ii)(R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、置
換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニ
ル基又は置換されてもよいアルキニル基を表す。)で表
される化合物をアセトニトリル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等、反応を妨げることのない不活性
溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン又はN−メチルモルホリン等の塩
基存在下で、トリメチルシリルシアニドを、加熱下、好
ましくは60℃以上で反応させることにより、一般式
(iii)(R2、R3、R4はそれぞれ前記と同様の意味を
表す。)で表される化合物が得られる。
【0049】第2工程 この工程は、一般式(iii)で表される化合物の6位に
1を導入する工程であり、公知のラジカル置換反応に
よる(置換)アルキル化を行えばよい。R1が水素原子
である化合物を所望の場合はこの工程は行わず、次の工
程に進めばよい。R1が水素原子以外の置換基である場
合は、一般式(iv)
【化4】 (R1’は置換されてもよいアルキル基、置換されても
よいアルケニル基又は置換されてもよいアルキニル基を
表す。)で表される化合物を水及びベンゼン、トルエ
ン、クロロベンゼン、キシレン等の溶媒中、過硫酸アン
モニウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸及び
硝酸銀並びに硫酸、トリフルオロ酢酸等の酸存在下で一
般式(iii)で表される化合物と反応させることによ
り、一般式(v)(R1、R2、R3、R4はそれぞれ前記
と同様の意味を表す。)で表される化合9物が得られ
る。
【0050】第3工程 一般式(iii)又は一般式(v)で表される化合物をジ
メチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、
水等あるいはこれらの混合溶媒中、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、過
酸化水素と反応させることにより、一般式(vi)
(R1、R2、R3、R4はそれぞれ前記と同様の意味を表
す。)で表される化合物が得られる。
【0051】第4工程 この工程は、公知のホフマン転位反応により、2位にア
ミノ基を形成させ、一般式〔I〕に導く工程である。一
般式(vi)で表される化合物を水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等の
溶液中、次亜塩素酸を用いて転位反応を行うことによ
り、一般式〔I〕(R1、R2、R3、R4はそれぞれ前記
と同様の意味を表す。)で表される化合物が得られる。
【0052】製造方法B ここでは、化合物〔I〕の別の製造方法を示す。
【化5】
【0053】第5工程 この工程は一般式(vii)(R2、R3、R4はそれぞれ前
記と同様の意味を表す。)で表される化合物のアミノ基
を保護する工程であり、通常用いられる保護基を用いる
ことができるが、ここではアセチル基を用いる場合の例
を示す。一般式(vii)で表される化合物をジクロロメ
タン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒中、あるい
は無溶媒であってもよいが、無水酢酸、塩化アセチル等
のアセチル化剤を用いてアセチル化を行う。又、他の保
護基で保護する場合は、該保護基で保護するために通常
行われる方法を用いることにより、一般式(viii)(R
aはアセチル基等のアミノ保護基を表し、R2、R3、R4
はそれぞれ前記と同様の意味を表す。)で表される化合
物が得られる。他の保護基を用いて保護する場合は、該
保護基を導入するために通常行われる方法を用いればよ
い。
【0054】第6工程 この工程は、一般式(viii)で表される化合物の6位に
1を導入する工程であり、第2工程に示した方法と同
様の方法を行うことにより、一般式(ix)(R1、R2
3、R4、Raはそれぞれ前記と同様の意味を表す。)
で表される化合物が得られる。
【0055】第7工程 この工程は、一般式(ix)のアミノ保護基を除去し、一
般式〔I〕に導く工程であり、通常行われる方法を用い
ることができる。Raが例えばアセチル基である場合の
例を示せば、以下の通りである。一般式(ix)で表され
る化合物をメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、アセトン、水等あるいはこれらの混合溶媒
中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブト
キシド等の塩基存在下で、脱保護反応を行うことによ
り、一般式〔I〕(R1、R2、R3、R4はそれぞれ前記
と同様の意味を表す。)で表される化合物が得られる。
他の保護基で保護している場合は、該保護基を除去する
ために通常行われる方法を用いればよい。
【0056】製造方法C ここで示す方法は、R4がメチル基である化合物の製造
方法として特に好適である。
【化6】
【0057】第8工程 一般式(x)(R2、R3はそれぞれ前記と同様の意味を
表す。)で表される化合物をジクロロメタン、1,2−
ジクロロエタン、ベンゼン等の溶媒中、塩化チオニル、
塩化オキザリル等のハロゲン化剤と反応させることによ
り、一般式(xi)(Xはハロゲン原子を表し、R2、R3
はそれぞれ前記と同様の意味を表す。)で表される化合
物が得られる。
【0058】第9工程 テトラヘドロン レターズ,44号,4303頁(19
79年)[TetrahedronLett., No.44, 4303(1979)]に記
載の方法に従い、一般式(xi)で表される化合物をジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン等の溶媒中で
【化7】 (R1、Xはそれぞれ前記と同様の意味を表す。)で表
されるグリニヤール試薬と反応させることにより、一般
式(xii)(R1、R2、R3はそれぞれ前記と同様の意味
を表す。)で表される化合物が得られる。
【0059】第10工程 一般式(xii)で表される化合物をメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール等の溶媒中、加熱下、好ましく
は加熱還流下で式
【化8】 で表される化合物及び酢酸アンモニウムと反応させるこ
とにより、一般式(xiii)(R1、R2、R3はそれぞれ
前記と同様の意味を表す。)で表される化合物が得られ
る。
【0060】第11工程 この工程は、3位のシアノ基をメチル基に変換し、一般
式〔I〕のうちR4がメチル基である一般式〔I−1〕
に導く工程である。一般式(xiii)で表される化合物を
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、
酢酸エチル、酢酸等あるいはこれらの混合溶媒中で、パ
ラジウム炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム炭素、
酸化白金、白金黒等の触媒存在下水素による接触還元を
行うことにより、一般式〔I−1〕(R1、R2、R3
それぞれ前記と同様の意味を表す。)が得られる。又、
水素による接触還元以外にも、メチル基に変換できる公
知の方法を用いることができる。
【0061】製造方法D ここで示す方法は、R4が水素原子である化合物を製造
するのに好適である。
【化9】
【0062】第12工程 第9工程で得られる一般式(xii)をメタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセト
ン、メチルエチルケトン等の溶媒中、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウムtert−ブトキシド、トリエチルアミン、N,
N−ジイソプロピルエチルアミン、モルホリン、N−メ
チルモリホリン、ピペリジン等の塩基存在下、加熱、好
ましくは加熱還流下で式
【化10】 で表される化合物と反応させることによって、一般式
(xiv)(R1、R2、R3はそれぞれ前記と同様の意味を
表す。)で表される化合物が得られる。
【0063】第13工程 一般式(xiv)で表される化合物をメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、酢酸等及び水の混合溶媒中、塩酸、硫
酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸等の酸の存在下で加
水分解反応を行うことにより、一般式(xv)(R1
2、R3はそれぞれ前記と同様の意味を表す。)で表さ
れる化合物が得られる。
【0064】第14工程 一般式(xv)で表される化合物をN,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等及び水の混合溶媒中
又は無溶媒で、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸等の酸
存在下又は非存在下で、加熱、好ましくは100℃以上
で脱炭酸反応を行うことにより、一般式(xvi)(R1
2、R3はそれぞれ前記と同様の意味を表す。)で表さ
れる化合物が得られる。
【0065】第15工程 一般式(xvi)で表される化合物をN,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラ
ン等の溶媒中、オキシ塩化リンと反応させることによ
り、一般式(xvii)(R1、R2、R3はそれぞれ前記と
同様の意味を表す。)で表される化合物が得られる。
【0066】第16工程 この工程は、2位にアミノ基を導入して、一般式〔I〕
のうちR4が水素原子である一般式〔I−2〕に導く工
程である。一般式(xvii)で表される化合物をN,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラ
ヒドロフラン等の溶媒中、加熱下でアンモニアガスを吹
き込みながら反応を行う、あるいはオートクレーブ中で
アンモニアガス雰囲気下反応を行うことにより、一般式
〔I−2〕(R1、R2、R3はそれぞれ前記と同様の意
味を表す。)で表される化合物が得られる。
【0067】
【医薬品への適応】かくして得られた一般式〔I〕で示
される本発明化合物は、NO合成酵素阻害活性に基づく
抗炎症、血管障害抑制、血圧上昇等の作用を有し、過剰
に産生、放出されたNOが原因と考えられる疾患、例え
ば梗塞、虚血等に起因する各種心臓障害及び脳障害、と
りわけ虚血に起因する脳障害;内毒性及び出血性あるい
は心臓性のショック;急性炎症;及びリウマチ等の自己
免疫疾患等に基づく慢性炎症等の炎症性疾患の治療に有
益である。特に、脳虚血性障害、即ち脳虚血に伴う諸障
害及び虚血後の再灌流傷害の治療に有益である。本発明
化合物を抗炎症剤、ショック治療剤、虚血再灌流傷害を
含めた虚血性脳障害治療剤として用いる場合、通常全身
的、あるいは局所的に、経口または非経口で投与され
る。
【0068】投与量は年齢、体重、症状、治療効果、投
与方法、処理時間等により異なるが、通常成人ひとり当
たり虚血性脳障害治療剤としては0.1mg乃至1gの
範囲で、抗炎症剤としては10mg乃至1gの範囲で、
ショック治療剤としては0.01mg乃至100mgの
範囲で1日1回から数回経口あるいは非経口投与され
る。
【0069】本発明化合物を経口投与のための固体組成
物にする場合、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤等の剤形が可
能である。このような固体組成物においては、一つ又は
それ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈
剤、分散剤又は吸着剤等、例えば乳糖、マンニトール、
ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性セル
ロース、デンプン、ポリビニルヒドリン、メタケイ酸ア
ルミン酸マグネシウム又は無水ケイ酸末等と混合され
る。又、組成物は常法に従って、希釈剤以外の添加剤を
混合させてもよい。
【0070】錠剤又は丸剤に調製する場合は、必要によ
り白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース又は
ヒドロキシメチルセルロースフタレート等の胃溶性ある
いは腸溶性物質のフィルムで皮膜してもよいし、又二以
上の層で皮膜してもよい。さらに、ゼラチン又はエチル
セルロースのような物質のカプセルにしてもよい。
【0071】経口投与のための液体組成物にする場合
は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶解剤、懸濁剤、シロ
ップ剤又はエリキシル剤等の剤形が可能である。用いる
希釈剤としては、例えば精製水、エタノール、植物油又
は乳化剤等がある。又、この組成物は希釈剤以外に浸潤
剤、懸濁剤、甘味剤、風味剤、芳香剤又は防腐剤等のよ
うな補助剤を混合させてもよい。
【0072】非経口のための注射剤に調製する場合は、
無菌の水性若しくは非水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁剤
又は乳化剤を用いる。水溶性の溶液剤、可溶化剤、懸濁
剤としては例えば、注射用蒸留水、生理食塩水シクロデ
キストリン及びその誘導体、トリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエチル
アミン等の有機アミン類あるいは無機アルカリ溶液等が
ある。
【0073】水溶性の溶液剤にする場合、例えばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコールあるいはオリ
ーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール
類等を用いてもよい。又、可溶化剤として、例えばポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油、庶糖脂肪酸エステル等の
界面活性剤(混合ミセル形成)、又はレシチンあるいは
水添レシチン(リポソーム形成)等も用いられる。又、
植物油等非水溶性の溶解剤と、レシチン、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレングリコール等から成るエマルジョン製剤にす
ることもできる。
【0074】非経口投与のためのその他の組成物として
は、一つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方される外用液剤、軟膏のような塗布
剤、座剤又はペッサリー等にしてもよい。
【0075】
【実施例】次に、本発明に係る一般式〔I〕で示される
化合物及びその製造方法を、実施例によって具体的に説
明する。しかしながら、本発明はこれら実施例によって
限定されるものではないことは勿論である。
【0076】参考例1(第1工程) 2−シアノ−4−メチルピリジン
【化11】 γ−ピコリン N−オキシド(13.0g)、トリメチルシリ
ルシアニド(35.4g)及びトリエチルアミン(24.0g)をアセ
トニトリル(150ml)に溶解し、80℃で10時間加熱し
た。溶媒を減圧留去して得られた残渣に水(200ml)を加
え、ジクロロメタン(100ml)で2回抽出した。有機層を
水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮すること
により、表記化合物(12.5g)を得た。
【0077】参考例2(第2工程) 2−シアノ−4−メチル−6−プロピルピリジン
【化12】 参考例1で得られた2−シアノ−4−メチルピリジン
(8.0g)、酪酸(16.7g)、硝酸銀(0.91g)、過硫酸アンモニ
ウム(46.4g)及びトリフルオロ酢酸(7.7g)を水(300ml)及
びクロロベンゼン(300ml)の混合液に加え、150℃で
1時間加熱還流した。水層を2規定水酸化ナトリウム水
溶液で塩基性とし、有機層を分離した。水層をジクロロ
メタン(200ml)で2回抽出し、先の有機層と合わせて水
洗して、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供
し、n−ヘキサン:酢酸エチル 8:1溶出部より、表
記化合物(3.2g)を得た。1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 1.75(2H,quintet,J=6.0H
z), 0.96(3H,t,J=6.0Hz), 2.39(3H,s), 2.75(2H,t,J=6.
0Hz), 7.18(1H,s), 7.34(1H,s)
【0078】参考例3(第3工程) 2−(4−メチル−6−プロピルピリジン)カルボキサ
ミド
【化13】 参考例2で得られた2−シアノ−4−メチル−6−プロ
ピルピリジン(1.4g)をジメチルスルホキシド(3.0ml)に
溶解し、氷冷下30%過酸化水素水(1.2ml)と無水炭酸
カリウム(0.20g)を加えて、室温で攪拌した。反応温度
が急激に上昇し、反応が終了したことを確認した後、反
応液に水(50ml)を加え、析出した淡黄色結晶を濾取する
ことにより、表記化合物(1.36g)を得た。 融点
【0079】実施例1(第4工程) ビス(2−アミノ−4−メチル−6−プロピルピリジ
ン) フマレート
【化14】 参考例3で得られた2−(4−メチル−6−プロピルピ
リジン)カルボキサミド(1.18g)を氷冷下で10%水酸
化カリウム水溶液(20ml)及び10%次亜塩素酸水溶液(3
0ml)の混合液中に加え、45℃で1時間攪拌した。反応
液をジクロロメタン(100ml)で2回抽出し、有機層を水
洗して、硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーに供し、クロロホルム:メタノール
20:1溶出部より、2−アミノ−4−メチル−6−
プロピルピリジン(393mg)を茶褐色の油状物として得
た。これを小量のエタノールに溶解し、フマル酸(152m
g)を加えた後、ジエチルエーテルを加えて析出した結晶
を濾取することにより、表記化合物(387mg)を得た。 融点 159.5〜165.5℃
【0080】参考例4(第5工程) 2−アセトアミド−4−メチルピリジン
【化15】 2−アミノピコリン(100g)に無水酢酸(200ml)を加え、
130℃で1.5時間攪拌した。反応液を6規定水酸化
ナトリウム水溶液で塩基性とし、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得
られた粗結晶を酢酸エチル−n−ヘキサンより再結晶す
ることにより、表記化合物(107.5g)を得た。 1H NMR(3
00MHz,δppm,CDCl3) 2.17(3H,s), 2.35(3H,s), 6.85(1
H,dd,J=0.7and 5.1Hz), 8.05(1H,s), 8.10(1H,d,J=5.2H
z), 9.23(1H,broad s)
【0081】参考例5(第6工程) 2−アセトアミド−6−イソプロピル−4−メチルピリ
ジン
【化16】 参考例4で得られた2−アセトアミド−4−メチルピリ
ジン(11.3g)より、参考例2と同様の方法を行うことに
より、表記化合物(545mg)を得た。但し、酪酸の代わり
にイソ酪酸(20.9ml)を用いた。1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 1.24(6H,d,J=9.0Hz), 2.1
3(3H,s), 2.33(3H,s),2.88(1H,m), 6.73(1H,s), 7.85(1
H,s), 8.29(1H,broad s)
【0082】実施例2(第7工程) ビス(2−アミノ−4−メチル−6−イソプロピルピリ
ジン) フマレート
【化17】 参考例5で得られた2−アセトアミド−6−イソプロピ
ル−4−メチルピリジン(535mg)を10%水酸化ナトリ
ウム水溶液(20ml)に懸濁し、2時間加熱還流した。反応
液を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧濃縮することにより、2−アミノ−4−メチ
ル−6−イソプロピルピリジン(408mg)を得た。このも
の(208mg)を小量のメタノールに溶解し、フマル酸(153m
g)を加えた後、ジエチルエーテルを加えて析出した結晶
を濾取することにより、表記化合物(165mg)を得た。 融点 174〜178℃1 H NMR(300MHz,δppm,CD3OD) 1.27(6H,d,J=6.9Hz), 2.2
9(3H,s), 2.91(1H,m),6.46(1H,s), 6.50(1H,s), 6.69(1
H,s) FAB(+) MS(低分解能) 151
【0083】参考例6(第6工程) 2−アセトアミド−6−エチル−4−メチルピリジン
【化18】 参考例4で得られた2−アセトアミド−4−メチルピリ
ジン(11.3g)より、参考例2と同様の方法を行うことに
より、表記化合物(250mg)を得た。但し、酪酸の代わり
にプロピオン酸(16.8ml)を用いた。1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 1.25(3H,t,J=7.5Hz), 2.1
8(3H,s), 2.33(3H,s),2.64(2H,m), 6.73(1H,s), 7.83(2
H,broad s)
【0084】実施例3(第7工程) ビス(2−アミノ−6−エチル−4−メチルピリジン)
フマレート
【化19】 参考例6で得られた2−アセトアミド−6−エチル−4
−メチルピリジン(250mg)より、実施例2と同様の方法
を行うことにより、表記化合物(76mg)を得た。 融点 166〜170℃1 H NMR(300MHz,δppm,CD3OD) 1.27(3H,t,J=7.7Hz), 2.3
1(3H,s), 2.63(2H,q,J=7.6Hz), 6.52(2H,s), 6.69(1H,
s) FAB(+) MS(低分解能) 137
【0085】参考例7(第6工程) 2−アセトアミド−6−ブチル−4−メチルピリジン
【化20】 参考例4で得られた2−アセトアミド−4−メチルピリ
ジン(3.75g)より、参考例2と同様の方法を行うことに
より、表記化合物(250mg)を得た。但し、酪酸の代わり
に吉草酸(8.2ml)を用いた。1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 0.93(3H,t,J=7.5Hz), 1.3
5(2H,m), 1.64(2H,m),2.17(3H,s), 2.32(3H,s), 2.62(2
H,t,J=7.5Hz), 6.71(1H,s), 7.83(1H,s), 7.92(1H,broa
d s)
【0086】実施例4(第7工程) ビス(2−アミノ−6−ブチル−4−メチルピリジン)
フマレート
【化21】 参考例7で得られた2−アセトアミド−6−ブチル−4
−メチルピリジン(220mg)より、実施例2と同様の方法
を行うことにより、表記化合物(84mg)を得た。 融点 150〜152℃1 H NMR(300MHz,δppm,CD3OD) 0.96(3H,t,J=7.5Hz), 1.4
0(2H,m), 1.65(2H,m),2.32(3H,s), 2.66(2H,t,J=7.5H
z), 6.55(2H,s), 6.69(2H,s) FAB(+) MS(低分解能) 165
【0087】参考例8(第6工程) 2−アセトアミド−6−イソブチル−4−メチルピリジ
【化22】 参考例4で得られた2−アセトアミド−4−メチルピリ
ジン(7.51g)より、参考例2と同様の方法を行うことに
より、表記化合物(620mg)を得た。但し、酪酸の代わり
にイソ吉草酸(16.4ml)を用いた。1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 0.87(6H,d,J=6.0Hz), 1.9
8(1H,m), 2.13(3H,s),2.29(3H,s), 2.45(2H,d,J=6.0H
z), 6.65(1H,s), 7.81(1H,s), 8.05(1H,broad s)
【0088】実施例5(第7工程) ビス(2−アミノ−6−イソブチル−4−メチルピリジ
ン) フマレート
【化23】 参考例8で得られた2−アセトアミド−6−イソブチル
−4−メチルピリジン(600mg)より、実施例2と同様の
方法を行うことにより、表記化合物(120mg)を得た。 融点 177〜182℃1 H NMR(300MHz,δppm,CD3OD) 0.93(6H,d,J=6.6Hz), 1.9
9(1H,m), 2.27(3H,s),2.48(2H,d,J=7.5Hz), 6.44(2H,
s), 6.69(1H,s) FAB(+) MS(低分解能) 165
【0089】参考例9(第5工程) 2−アセトアミド−4−エチルピリジン
【化24】 オーガニック リアクションズ,1巻,91頁(194
2年)[Org. Reactions, 1, 91(1942)]に記載の方法に
より得られる2−アミノ−4−エチルピリジン(28.0g)
より、参考例4と同様の方法を行うことにより、表記化
合物(9.60g)を得た。1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 1.21(3H,t,J=7.6Hz), 2.1
4(3H,s), 2.62(2H,q,J=7.8Hz), 6.85(1H,d,J=5.2Hz),
8.07(1H,s), 8.11(1H,d,J=5.2Hz), 9.51(1H,broad s)
【0090】参考例10(第6工程) 2−アセトアミド−6−ブチル−4−エチルピリジン
【化25】 参考例9で得られた2−アセトアミド−4−エチルピリ
ジン(9.0g)より、参考例2と同様の方法を行うことによ
り、表記化合物(250mg)を得た。但し、酪酸の代わりに
吉草酸(17.9ml)を用いた。1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 0.93(3H,t,J=6.0Hz), 1.2
4(3H,t,J=7.5Hz), 1.37(2H,m), 1.62(2H,m), 2.17(3H,
s), 2.62(4H,m), 6.73(1H,s), 7.86(1H,s), 7.90(1H,br
oad s)
【0091】実施例6(第7工程) ビス(2−アミノ−4−エチル−6−ブチルピリジン)
フマレート
【化26】 参考例10で得られた2−アセトアミド−6−ブチル−
4−エチルピリジン(515mg)より、実施例2と同様の方
法を行うことにより、表記化合物(358mg)を得た。融点
153〜157℃1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 0.95(3H,t,J=7.2Hz), 1.2
2(3H,t,J=7.7Hz), 1.38(2H,m), 1.65(2H,m), 2.59(4H,
m), 6.47(1H,s), 6.49(1H,s), 6.69(1H,s) FAB(+) MS(低分解能) 179
【0092】参考例11(第6工程) 2−アセトアミド−4−エチル−6−プロピルピリジン
【化27】 参考例9で得られた2−アセトアミド−4−エチルピリ
ジン(9.0g)より、参考例2と同様の方法を行うことによ
り、表記化合物(620mg)を得た。1 H NMR(300MHz,δppm,CD3OD) 0.95(3H,t,J=7.4Hz), 1.2
4(3H,t,J=7.6Hz), 1.69(2H,m), 2.17(3H,s), 2.62(4H,
m), 6.73(1H,s), 7.86(1H,s), 7.93(1H,broad s)
【0093】実施例7(第7工程) ビス(2−アミノ−4−エチル−6−プロピルピリジ
ン) フマレート
【化28】 参考例11で得られた2−アセトアミド−4−エチル−
6−プロピルピリジン(615mg)より、実施例2と同様の
方法を行うことにより、表記化合物(272mg)を得た。 融点 163〜168℃1 H NMR(300MHz,δppm,CD3OD) 0.97(3H,t,J=7.4Hz), 1.2
2(3H,t,J=7.7Hz), 1.68(2H,quintet,J=7.4Hz), 2.58(4
H,m), 6.46(1H,s), 6.49(1H,s), 6.68(1H,s) FAB(+) MS(低分解能) 165
【0094】参考例12(第6工程) 2−アセトアミド−4,6−ジエチルピリジン
【化29】 参考例9で得られた2−アセトアミド−4−エチルピリ
ジン(12.0g)より、参考例2と同様の方法を行うことに
より、表記化合物(505mg)を得た。但し、酪酸の代わり
にプロピオン酸(15.4ml)を用いた。1 H NMR(300MHz,δppm,CDCl3) 1.24(6H,m), 2.18(3H,s),
2.64(4H,m), 6.75(1H,s), 7.86(2H,broad s)
【0095】実施例8(第7工程) ビス(2−アミノ−4,6−ジエチルピリジン) フマ
レート
【化30】 参考例12で得られた2−アセトアミド−4−エチル−
6−プロピルピリジン(500mg)より、実施例2と同様の
方法を行うことにより、表記化合物(310mg)を得た。 融点 154〜156℃1 H NMR(300MHz,δppm,CD3OD) 1.24(3H,t,J=7.5Hz), 1.2
9(3H,t,J=7.7Hz), 2.64(2H,q,J=7.6Hz), 2.73(2H,q,J=
7.6Hz), 6.58(1H,s), 6.59(1H,s), 6.70(2H,s) FAB(+) MS(低分解能) 151
【0096】本発明は、上記の実施例に限定されるもの
でないことは勿論であり、例えば次のような化合物も本
発明に属するものである。
【表1】
【0097】(試験例)次に、本発明に係る一般式
〔I〕で示されるチアジン又はチアゼピン化合物のNO
合成酵素阻害作用について、試験した。
【0098】試験例1 ラット小脳由来の構成型NO合成酵素(cNOS)に対
する阻害活性 ブッシュ(P. A. Bush)らの方法〔バイオケミカル アン
ド バイオフィジカルリサーチ コミュニケーション
ズ,185巻,960〜966頁(1992年)[Bioch
em. Biophys. Res. Commun., 185, 960-966(1992)]〕に
準じ、[3H]−L−アルギニンを基質とし[3H]−L
シトルリンへの変換を酵素活性の指標とした。すなわ
ち、ラット小脳より50mMトリス−塩酸緩衝液{pH
7.4、0.1mM EDTA(エチレンジアミン 四
酢酸)、0.1mM EGTA(エチレングリコール
ビスβ−アミノエチルエーテル 四酢酸)、0.5mM
DTT(ジチオスレイトール)、1μM PMSF
(フェニルメチルスルホニルフルオリド)、1μMペス
タチンA及び1μMロイペプチンを含む}で抽出した構
成型NO合成酵素に10μM L−アルギニン、10μ
M NADPH、2mM塩化カルシウム及び0.1μg
カルモデュリンを含有する50mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.4)、被験物質及び[3H]−L−アルギニン
を添加し、25℃で10分間インキュベートした。反応
は20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5、1mM
L−シトルリン、2mM EDTA及び0.2mM
EGTAを含む)を加えて停止させた。反応液を陽イオ
ン交換樹脂に通し、出てきた流液とその後水で溶出した
液とを併せ、液体シンチレーションカクテルを加えてそ
の放射活性(A)を測定した。尚、被験物質を加えない
場合の放射活性(B)及び酵素画分を加えない場合の放
射活性(C)も測定し、構成型NO合成酵素に対する阻
害率を次式により算出した。被験物質の50%阻害に必
要な濃度(IC50)を求め、表2に示した。
【数1】
【0099】なお、公知の2−アミノチアゾリン
【化31】 についても同様の試験を行い、その結果を比較例1とし
て表2中に示した。
【0100】
【表2】
【0101】試験例2 ラットマクロファージ由来の誘導型NO合成酵素(iN
OS)に対する阻害活性 ユイ(Y. Yui)らの方法〔ジャーナル オブ バイオロジ
カル ケミストリー,266巻19号,12544〜1
2547頁(1991年)[J. Biol. Chem., 266(19),
12544-12547(1991)]〕を一部変更し、腹腔マクロファー
ジにリポ多糖及びインターフェロン−γを処理すること
により誘導型NO合成酵素の画分を調製した後、前記構
成型NO合成酵素の活性測定と同様に、[3H]−L−ア
ルギニンから[3H]−L−シトルリンへの変換を指標と
してその酵素活性を測定した。すなわち、リポ多糖及び
インターフェロン−γ処理したマクロファージより50
mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、0.1mM E
DTA、0.1mMEGTA、0.5mM DTT、1
μM PMSF、1μMペスタチンA及び1μMロイペ
プチンを含有。)で抽出した誘導型NO合成酵素に15
0μM L−アルギニン、5mM NADPH、5mM
DTT、0.5mM 5,6,7,8−テトラヒドロ
L−ビオプテリン、5μM FADを含む50mMト
リス−塩酸緩衝液(pH7.4)、被験物質及び
3H]−L−アルギニンを添加し、37℃で30分間イ
ンキュベートした。反応は25mM酢酸ナトリウム緩衝
液(pH5.5、1.25mM L−シトルリン、2.
5mM EDTA、0.25mM EGTAを含む。)
を加えて停止させた。反応液を陽イオン交換樹脂に通
し、出てきた流液とその後水で溶出した液とを併せ、そ
の放射活性を測定し、試験例1と同様にして誘導型NO
合成酵素に対する被験物質の阻害率を算出した。被験物
質の50%阻害に必要な濃度(IC50)を求め表3に示
した。
【0102】なお、公知の2−アミノチアゾリン
【化31】についても同様の試験を行い、その結果を比
較例1として表3中に示した。
【0103】
【表3】
【0104】試験例3 ラット小脳のNO合成酵素(cNOS)に対する阻害作
用 ラットに被験物質(1mg/kg)を静脈内投与し、30分後に
小脳を摘出した。その小脳NO合成酵素活性を前記試験
例1の方法を用いて測定した。被験物質を投与していな
いラットの酵素活性を100%として被験物質を投与し
たときの阻害率を算出し、50%阻害に必要な用量(E
50)を求め、表4に示した。
【0105】
【表4】
【0106】試験例4 血管内皮型NO合成酵素(eNOS)阻害によるラット
血圧上昇活性 ラットをバルビタールナトリウム(300mg/kg,腹腔内投
与)で麻酔し、大腿動脈および大腿静脈にカテーテルを
挿入した。 血圧は大腿動脈に挿入したカテーテルより
測定し、被験化合物は、大腿静脈に挿入したカテーテル
より投与した。平均血圧が25mmHg上昇する用量
(ED25mmHg)を算出し、これを表5に示した。
【0107】
【表5】
【0108】
【発明の効果】上記試験例からも明らかなように、本発
明に係る一般式〔I〕で示されるチアジン又はチアゼピ
ン化合物は、優れたNO合成酵素阻害作用を有する。従
って、これらの化合物は一酸化窒素過剰産生に関連する
疾患、例えば梗塞、虚血等に起因する各種心臓障害及び
脳障害、とりわけ虚血に起因する脳障害;内毒性及び出
血性あるいは心臓性のショック;急性炎症;及びリウマ
チ等の自己免疫疾患等に基づく慢性炎症等の炎症性疾患
の治療において使用することができる。特に、脳虚血性
障害、即ち脳虚血に伴う諸障害及び虚血後の再灌流傷害
の治療において使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/47 ABR A61K 31/47 ABR C07D 215/38 C07D 215/38 217/22 217/22

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一又は異なっ
    て水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されて
    もよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、
    アルコキシ基又は隣接する2つが一緒になって 【化2】 (nは3乃至6の整数を表す。)を表す。但し、R1
    2、R3、R4が同時に水素原子である場合を除く。)
    で示される医薬的に有効な量の2−アミノピリジン誘導
    体又はその塩と、医薬的に許容可能な量のキャリアーを
    含んでなる医薬組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される2−アミノピリジ
    ン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有してなる一
    酸化窒素合成酵素阻害剤。
  3. 【請求項3】 R1、R3がそれぞれ同一又は異なってハ
    ロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換されてもよいア
    ルキル基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換さ
    れてもよいアルケニル基又はハロゲン原子若しくはアル
    コキシ基で置換されてもよいアルキニル基であり、
    2、R4がそれぞれ同一又は異なって水素原子、シアノ
    基若しくはハロゲン原子で置換されてもよいアルキル
    基、シアノ基若しくはハロゲン原子で置換されてもよい
    アルケニル基又はシアノ基若しくはハロゲン原子で置換
    されてもよいアルキニル基である請求項2記載の2−ア
    ミノピリジン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有
    してなる一酸化窒素合成酵素阻害剤。
  4. 【請求項4】 R1がハロゲン原子若しくはアルコキシ
    基で置換されてもよいアルキル基である請求項3記載の
    2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許容される塩
    を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害剤。
  5. 【請求項5】 R3がメチル基又はエチル基である請求
    項4記載の2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許
    容される塩を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害剤。
  6. 【請求項6】 R2、R4が共に水素原子である請求項5
    記載の2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許容さ
    れる塩を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害剤。
  7. 【請求項7】 2−アミノ−4−メチル−6−プロピル
    ピリジン、2−アミノ−4−メチル−6−イソプロピル
    ピリジン、2−アミノ−6−エチル−4−メチルピリジ
    ン、2−アミノ−6−ブチル−4−メチルピリジン、2
    −アミノ−6−イソブチル−4−メチルピリジン、2−
    アミノ−4−エチル−6−ブチルピリジン、2−アミノ
    −4−エチル−6−プロピルピリジン、2−アミノ−
    4,6−ジエチルピリジンから選ばれる請求項6記載の
    2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許容される塩
    を含有してなる一酸化窒素合成酵素阻害剤。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の2−アミノピリジン誘導
    体又はその薬理上許容される塩を含有してなる抗炎症
    剤。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至7のいずれか1項に記載さ
    れる2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許容され
    る塩を含有してなる抗炎症剤。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の2−アミノピリジン誘
    導体又はその薬理上許容される塩を含有してなるショッ
    ク治療剤。
  11. 【請求項11】 請求項3乃至7のいずれか1項に記載
    される2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許容さ
    れる塩を含有してなるショック治療剤。
  12. 【請求項12】 請求項2記載の2−アミノピリジン誘
    導体又はその薬理上許容される塩を含有してなる虚血性
    脳障害治療剤。
  13. 【請求項13】 請求項3乃至7のいずれか1項に記載
    される2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許容さ
    れる塩を含有してなる虚血性脳障害治療剤。
  14. 【請求項14】 一般式〔I〕 【化1】(式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ前記と
    同様の意味を表す。但し、R1、R2、R3、R4が同時に
    水素原子である場合、R1乃至R4のうちの1つがメチル
    基又はエチル基で、他の3つが同時に水素原子を表す場
    合、R1乃至R4の任意の2つが同時にメチル基で他の2
    つが同時に水素原子である場合、及びR1がエチル基
    で、R2又はR3の一方がメチル基、エチル基又はエチニ
    ル基で且つ他の2つが同時に水素原子である場合を除
    く。)で示される2−アミノピリジン誘導体又はその薬
    理上許容される塩。
  15. 【請求項15】 R1がハロゲン原子若しくはアルコキ
    シ基で置換されてもよい炭素数3乃至6のアルキル基で
    ある請求項14記載の2−アミノピリジン誘導体又はそ
    の薬理上許容される塩。
  16. 【請求項16】 R3がメチル基又はエチル基である請
    求項15記載の2−アミノピリジン誘導体又はその薬理
    上許容される塩。
  17. 【請求項17】 R2、R4が共に水素原子である請求項
    16記載の2−アミノピリジン誘導体又はその薬理上許
    容される塩。
  18. 【請求項18】 2−アミノ−4−メチル−6−プロピ
    ルピリジン、2−アミノ−4−メチル−6−イソプロピ
    ルピリジン、2−アミノ−6−ブチル−4−メチルピリ
    ジン、2−アミノ−6−イソブチル−4−メチルピリジ
    ン、2−アミノ−4−エチル−6−ブチルピリジン、2
    −アミノ−4−エチル−6−プロピルピリジンから選ば
    れる請求項17記載の2−アミノピリジン誘導体又はそ
    の薬理上許容される塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999010339A1 (en) * 1997-08-27 1999-03-04 Pfizer Products Inc. 2-aminopyridines containing fused ring substituents as nos inhibitors
US7012078B2 (en) 1997-08-27 2006-03-14 Pfizer Inc. 2-aminopyridines containing fused ring substituents

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WO1999010339A1 (en) * 1997-08-27 1999-03-04 Pfizer Products Inc. 2-aminopyridines containing fused ring substituents as nos inhibitors
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