JPH08310945A - 一酸化窒素合成酵素阻害剤 - Google Patents

一酸化窒素合成酵素阻害剤

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JPH08310945A
JPH08310945A JP13996095A JP13996095A JPH08310945A JP H08310945 A JPH08310945 A JP H08310945A JP 13996095 A JP13996095 A JP 13996095A JP 13996095 A JP13996095 A JP 13996095A JP H08310945 A JPH08310945 A JP H08310945A
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JP
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nos
group
compound
inhibitor
diseases
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JP13996095A
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English (en)
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Naoyuki Taniguchi
直之 谷口
Hisao Nakai
久郎 中井
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Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I)の化合物またはそれらの酸付加
塩を有効成分とする一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害
剤。 【化1】 [式中、円で示される基はC3〜7のシクロアルキル基
を表わし、R1は水素原子、C1〜6アルキル、アルケ
ニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ア
ルキニルオキシ基を表わし、R2は、水素原子、C1〜
6アルキル、アルケニルまたはアルキニル基を表わ
す。] 【効果】 一般式(I)の化合物とそれらの塩は、NO
S阻害作用を有しており、ショック、低血圧、慢性関節
リウマチ、潰瘍性大腸炎、虚血性脳障害、腫瘍、インス
リン依存性糖尿病等の治療及び/又は予防に有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一酸化窒素合成酵素阻害
剤に関する。さらに詳しくは一般式(I)
【化3】 (式中の記号は後記と同じ意味を表わす。)で示される
化合物またはそれらの酸付加塩を有効成分として含有す
る一酸化窒素合成酵素阻害剤に関する。
【0002】
【発明の背景】免疫担当細胞の一つであるマクロファー
ジが多量の硝酸塩を産生するという発見から、一酸化窒
素(NO)が生体内で生成されるということが発見され
た[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 7738-7742 (198
5) ; J. Immunol., 138, 550-565 (1987) ]。また、循
環器系分野では血管内皮細胞から放出される弛緩作用を
有する物質が発見され、血管内皮由来弛緩因子(EDR
F)と名付けられた。さらに、このEDRFの本体がN
Oであることがわかった[Nature, 327, 524-526(1987)
]。
【0003】このように生体内で産生されることが明ら
かになったNOは、L−アルギニンを基質として一酸化
窒素合成酵素(NOS)により以下の経路によって生成
される。
【0004】
【化4】
【0005】NOSには少なくとも非誘導型(血管内皮
型および神経型)および誘導型のアイソザイムが存在す
る。血管内皮型NOSは、主に血管内皮細胞に存在し、
細胞内カルシウム濃度により活性が制御されている。神
経型NOSは、中枢神経細胞、末梢神経細胞、または膵
島β細胞、消化管神経、副腎髄質、腎臓緻密斑等に存在
し、血管内皮型NOSと同様に細胞内カルシウム濃度に
より活性が制御されている。
【0006】血管内皮型NOSおよび神経型NOS(非
誘導型NOS;constitutive NOS、c−NOSと省
略される。)は細胞内に恒常的に存在し、生理的変化に
よる酵素量の変化はほとんど見られない。誘導型NOS
(inducible NOS,i−NOSと省略される。)は、
肝実質細胞、好中球、マクロファージ、平滑筋、線維芽
細胞、腎メサンギウム細胞、消化管上皮、膵島β細胞、
血管平滑筋細胞またはグリア細胞等に存在する。これは
通常細胞内で認められず、エンドトキシンや各種サイト
カイン等による刺激により誘導される。
【0007】NOSにより生成されるNOの作用は多彩
であり、ほとんど全ての細胞がNOを産生し多くの生物
作用に関与するが、そのNOの作用が非誘導型NOSに
よるのか、誘導型NOSによるのかは明確ではない。作
用としては、例えば、血管弛緩作用、血小板凝集抑制作
用、粘着抑制、白血球粘着・遊走抑制、交感神経活動抑
制、エンドトキシンショック、エンドトキシン・サイト
カインによる低血圧、神経細胞間の情報伝達物質として
の作用、虚血性脳細胞障害、抗腫瘍・殺菌作用、自己免
疫疾患、インスリン依存性糖尿病、関節炎、移植後組織
障害、拒絶反応等が挙げられる。
【0008】
【従来の技術】生体内でのNOの生理活性を解析する上
で、NO合成酵素阻害剤は有用であり、またショックや
虚血性疾患等の治療薬として用いられる可能性があるこ
とより、近年種々のNOS阻害剤の開発が現在進められ
ている。例えば、基質競合剤としてアルギニン類似体が
あり、Nω−モノメチル−L−アルギニン(L−NMM
A)、Nω−ニトロ−L−アルギニン(L−NNA)、
Nω−アミノ−L−アルギニン(L−NAA)、Nω−
イミノ−L−オルニチン(L−NIO)等がそれに当た
る。また、コファクター(Cofactor)競合阻害剤として
ジフェニレンヨードニウム(DPI)、ジ−2−チエニ
ルヨードニウム(DTI)、カルシニューリン等があ
る。また、遺伝子転写、誘導阻害するものとしては、コ
ルチコステロイド、TGFβ、IL−4、IL−10等
が挙げられる。
【0009】また、(1)PCT公開WO9324126号の
明細書中に一般式(A)
【化5】
【0010】(式中、RAは−(CH2yACH3基また
は水素原子を表わし、RA1は−CH2−または−CH
((CH2yACH3)−基を表わし、RA2は−CH2
または−CH((CH2yACH3)−基を表わし、yA
は0〜5を表わし、xAは0〜1を表わし、QAはC1
〜6のアルキル基、アミノ基またはニトロ基を表わ
す。)で示される化合物が選択的に誘導型NOSを阻害
するアルギニン拮抗剤である旨の開示がある。
【0011】(2)PCT公開WO9313055号の明細書
中に一般式(B)
【化6】
【0012】(式中、R1BはC1〜6のアルキル、C2
〜6のアルケニル、C2〜6のアルキニル、C3〜6の
シクロアルキル、C3〜6のシクロアルキル−(C1〜
6)アルキル基を表わし、QBはC1〜3のアルキル基
1個以上で置換されているかあるいは置換されていない
C3〜6のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン
基、−(CH2pB−XB−(CH2qB−または−(C
2rB−AB−(CH2sB−を表わし、pBは2また
は3を表わし、qBは1または2を表わし、XBはS
(O)xBまたはNR2Bを表わし、xBは0〜2を表わ
し、R2Bは水素原子またはC1〜6のアルキル基を表わ
し、rBおよびsBは0〜2を表わし、ABはC3〜6
の炭素環またはヘテロ環を表わす。)で示される化合物
が非誘導型NOSに対し、誘導型NOSをより選択的に
阻害する化合物である旨の開示がある。
【0013】(3)PCT公開WO9412163号の明細書
中に一般式(C)
【化7】
【0014】(式中、R1cは水素原子、C1〜6のアル
キル基、C6〜12のアリール−(C1〜4)アルキル
基等を表わし、R2cは水素原子、C1〜6のアルキル基
またはC6〜12のアリール−(C1〜4)アルキル基
を表わし、R3cはCOOR6c、CH(R7c)OR8c等を
表わし、R4cは水素原子、C1〜6のアルキル基または
C6〜12のアリール−(C1〜3)アルキル基を表わ
し、WcはC2〜4のアルキレン、アルケニレン、アル
キニレン、フェニレン基等を表わし、R9cおよびR10c
は水素原子またはC1〜6のアルキル基を表わし、Zc
は硫黄原子または置換されていてもよい窒素原子を表わ
し、R5cは置換されたフェニル基あるいはC9〜14の
二環または三環の炭素環を表わし、R6cは水素原子、C
1〜6のアルキル基、C2〜6のアルケニル基等を表わ
し、R7cは水素原子、C1〜6のアルキル基、C3〜7
のシクロアルキル基等を表わし、R8cは水素原子、C1
〜6のアルキル基等を表わす。)で示される化合物がグ
アニル酸シクラーゼまたは一酸化窒素合成酵素の阻害剤
である旨の開示がある。
【0015】(4)PCT公開WO9412165号の明細書
中に一般式(D)
【化8】
【0016】(式中、Rdは (a)C1〜14の炭化水素基、(b)5または6員の
ヘテロ環、または(c)9員の二環ヘテロ環を表わし、
d基には1または2個の置換基が置換していてもよ
く、その置換基は以下から選ばれる。
【0017】(i) ハロゲン原子、(ii)−XR1d基 (基中、Xは酸素原子、C(O)md(式中、mdは1ま
たは2を表わす。)、S(O)nd(式中、ndは0、1
または2を表わす。)またはNR2d(式中、R2dは水素
原子、C1〜6のアルキル基、C3〜6のシクロアルキ
ル基等を表わす。)を表わし、R1dは水素原子、C1〜
6のアルキル基、C2〜6のアルケニル基、C3〜6の
シクロアルキル基、C7〜9のアラルキル基、C6〜1
0のアリール基、5または6員のヘテロ環を表わすか、
または上記した各基はC1〜3のアルキル基、水酸基、
C1〜3のアルコキシ基、アミノ基、C1〜3のアルキ
ルアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、C(O)md'
2d(式中、md’は1または2を表わし、R2dは水素原
子またはC1〜4のアルキル基を表わす。)から選ばれ
る基1または2個で置換されていてもよく、あるいはN
3d4d(式中、R3dおよびR4dはそれぞれ独立して、
水素原子、C1〜4のアルキル基または一緒になって、
C2〜6のアルキレン基を表わす。)を表わす。)、(i
ii)
【化9】
【0018】(式中、Ydは酸素原子、S(O)nd(式
中、ndは前記と同じ意味を表わす。)またはNR
5d(式中、R5dは水素原子、C1〜4のアルキル基を表
わす。)を表わし、wdは0または1を表わし、Qd
C2〜4の炭化水素基を表わす。)、(iv)A基(基中、
Aは
【化10】
【0019】で置換されていてもよいヘテロ環を表わ
す。)、または(v) C1〜6のアルキル基、C2〜6の
アルケニル基またはC3〜6のシクロアルキル基。
【0020】あるいはRd基中の炭素原子1個が一般式
(D)中のイミノ基の窒素原子に結合して5または6員
のヘテロ環を表わす。)で示される化合物が一酸化窒素
合成酵素の阻害剤である旨の開示がある。
【0021】また最近、(5)シトルリン誘導体とし
て、L−チオシトルリン(L-thiocitrulline)、L−ホ
モチオシトルリン(L-thiohomocitrulline)およびS−
メチル−L−チオシトルリン(S-methyl-L-thiocitrull
ine)がNOS阻害作用を有する旨開示された[J. Med.
Chem., 37, 885-887 (1994)]。
【化11】
【0022】また、(6)アミノグアニジン、メチルア
ミノグアニジン、ジメチルアミノグアニジン、ジアミノ
グアニジンがNOS阻害活性を有することも公知である
(特開平5-255079号、特開平6-9380号、米国特許5,358,
969号)。一方で、本発明化合物は、試薬として市販さ
れている公知化合物である。また、本発明化合物は、合
成中間体として、ピリミジン等の合成に用いることは知
られているが、この化合物自体が何らかの医薬としての
活性を有することは、知られていない。
【0023】
【発明の目的】本発明者等は、一酸化窒素合成酵素(特
に誘導型NOS)を阻害する化合物を見出すべく鋭意研
究を行なった結果、一般式(I)で示される化合物が目
的を達成することを見出し、本発明を完成した。
【0024】従来技術の項で記載した化合物中、L−N
MMA、L−NNA、L−NAA、一般式(A)および
一般式(B)で示される化合物はアルギニン構造を必須
とする化合物群である。一般式(C)で示される化合物
はアミン構造を必須とする化合物であって、グアニジル
基やイソチオウレア構造は全く取り得ない。一般式
(D)で示される化合物はイソチオウレア誘導体であ
る。また、従来技術(5)で示した化合物はシトルリン
誘導体であり、いずれも末端にアミノ酸構造を有する。
一方、本発明化合物は、アミジノ誘導体であり、また環
状の炭化水素を必須とすることから、構造的に異なる化
合物群であり、従来NOS阻害剤として知られている化
合物から本発明化合物を容易に予測することはできな
い。
【0025】
【発明の開示】本発明は、一般式(I)
【化12】 [式中、式
【化13】
【0026】で示される基は、C3〜7のシクロアルキ
ル基を表わし、R1は、水素原子、C1〜6のアルキル
基、C2〜6のアルケニル基、C2〜6のアルキニル
基、C1〜6のアルコキシ基、C3〜6のアルケニルオ
キシ基またはC3〜6のアルキニルオキシ基を表わし、
2は、水素原子、C1〜6のアルキル基、C2〜6の
アルケニル基またはC2〜6のアルキニル基を表わ
す。]で示される化合物またはそれらの酸付加塩を有効
成分として含有する一酸化窒素合成酵素阻害剤に関す
る。
【0027】一般式(I)中、式
【化14】 が表わすC3〜7のシクロアルキル基とは、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
およびシクロヘプチル基を意味する。一般式(I)中、
1およびR2が表わすC1〜6のアルキル基とは、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルお
よびそれらの異性体を意味する。一般式(I)中、R1
およびR2が表わすC2〜6のアルケニル基とは、ビニ
ル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルお
よびそれらの異性体を意味する。一般式(I)中、R1
およびR2が表わすC2〜6のアルキニル基とは、エチ
ニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル
およびそれらの異性体を意味する。一般式(I)中、R
1およびR2が表わすC1〜6アルコキシ基とは、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘ
キシルオキシおよびそれらの異性体を意味する。一般式
(I)中、R1およびR2が表わすC3〜6アルケニルオ
キシ基とは、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペン
テニルオキシ、ヘキセニルオキシおよびそれらの異性体
を意味する。一般式(I)中、R1およびR2が表わすC
3〜6アルキニルオキシ基とは、プロピニルオキシ、ブ
チニルオキシ、ペンチニルオキシ、ヘキシニルオキシお
よびそれらの異性体を意味する。
【0028】一般式(I)で示される化合物のうち、特
に好ましい化合物は、下記の表1に示す化合物および実
施例に挙げた化合物である。
【0029】
【表1】
【0030】本発明においては、特に指示しない限り異
性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、ア
ルコキシ基、アルキレン基、およびアルケニル基には直
鎖のもの、分枝鎖のものが含まれ、アルケニル基中の二
重結合は、E、ZおよびEZ混合物であるものを含む。
また、分枝鎖のアルキル基が存在する場合等の不斉炭素
原子の存在により生ずる異性体も含まれる。
【0031】一般式(I)で示される本発明化合物は、
公知の方法で相当する酸付加塩に変換される。塩は、毒
性のない水溶性のものが好ましい。適当な酸付加塩とし
ては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸
塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸
塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレ
イン酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸
塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トル
エンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、
グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
【0032】一般式(I)で示される本発明化合物は、
以下のように互換異性体として表現できる。
【化15】
【0033】
【本発明化合物の製造方法】本発明における各化合物は
それ自体公知であるかまたは公知の方法により製造する
ことができる。例えば、一般式(I)で示される化合物
中、2−シクロプロピルアミジンは市販されている。
【0034】
【本発明化合物の効果】一般式(I)で示される本発明
化合物は、一酸化窒素合成酵素の阻害活性を有する。従
って、一般式(I)で示される本発明化合物、およびそ
れらの非毒性塩および酸付加塩は、ショック、低血圧、
リウマチ性炎症、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、潰
瘍性大腸炎、ストレス性胃潰瘍、クローン病、自己免疫
疾患、臓器移植後の組織障害、拒絶反応、虚血再灌流障
害、急性冠微小血管塞栓、ショック性血管塞栓(DI
C)、虚血性脳障害、動脈硬化、悪性貧血、ファンコニ
ー貧血症、鎌形赤血球性貧血病、膵炎、ネフローゼ症候
群、糸球体腎炎、インスリン依存性糖尿病、肝性ポルフ
ィリン、アルコール中毒、パーキンソン病、慢性白血
病、急性白血病、腫瘍、骨髄腫、抗癌剤副作用軽減、幼
児および成人性呼吸窮迫症候群、肺気腫、アルツハイマ
ー症、多発性硬化症、ビタミンE欠乏症、老化、サンバ
ーン、筋ジストロフィー、白内障、インフルエンザ感染
症、マラリア、AIDS、放射線障害・火傷、体外受精
効率化等の治療および/または予防に有用であることが
期待される。
【0035】
【毒性】また、一般式(I)で示される本発明化合物の
毒性は、非常に低いものであり、医薬として使用するた
めに十分安全であると判断できる。例えば、2−シクロ
ペンチルアミジンは、雄性マウスを用いた静注での毒性
(LD50)は30mg/Kg以上であった。
【0036】
【医薬品への適用】一般式(I)で示される本発明化合
物、およびそれらの非毒性塩および酸付加塩は、一酸化
窒素合成酵素を阻害する作用を有しており、特に誘導型
NOSに特異性が高いため、ショック、低血圧、リウマ
チ性炎症、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、潰瘍性大
腸炎、ストレス性胃潰瘍、クローン病、自己免疫疾患、
臓器移植後の組織障害、拒絶反応、虚血再灌流障害、急
性冠微小血管塞栓、ショック性血管塞栓(DIC)、虚
血性脳障害、動脈硬化、悪性貧血、ファンコニー貧血
症、鎌形赤血球性貧血病、膵炎、ネフローゼ症候群、糸
球体腎炎、インスリン依存性糖尿病、肝性ポルフィリ
ン、アルコール中毒、パーキンソン病、慢性白血病、急
性白血病、腫瘍、骨髄腫、抗癌剤副作用軽減、幼児およ
び成人性呼吸窮迫症候群、肺気腫、アルツハイマー症、
多発性硬化症、ビタミンE欠乏症、老化、サンバーン、
筋ジストロフィー、白内障、インフルエンザ感染症、マ
ラリア、AIDS、放射線障害・火傷、体外受精効率化
等の治療および/または予防に有用であることが期待さ
れる。
【0037】本発明に含まれる各有効成分およびその非
毒性の塩を上記の目的で用いるには、通常、全身的また
は局所的に、経口または非経口で投与される。投与量
は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間
等により異なるが、通常成人一人あたり、1回に1mg
〜1000mgの範囲で、1日1回から数回経口投与される
か、または1回に100μg〜100mgの範囲で、1
日1回から数回非経口投与(好ましくは静脈内または脳
室内投与)される。もちろん、前記したように投与量は
種々の条件で変動するので、上記投与量より少ない量で
十分な場合もあるし、また範囲を超えて投与する必要の
ある場合もある。本発明化合物を投与する際には、経口
投与のための固体組成物、液体組成物およびその他の組
成物、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤等とし
て用いられる。
【0038】経口投与のための固体組成物には、錠剤、
丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などが含まれる。この
ような固体組成物においては、ひとつまたはそれ以上の
活性物質が、少なくともひとつの不活性な希釈剤(乳
糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセル
ロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロ
リドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)と混合
して用いられる。
【0039】これらの組成物は、常法に従って、不活性
な希釈剤以外の添加物、例えば潤滑剤(ステアリン酸マ
グネシウム等)、崩壊剤(線維素グリコール酸カルシウ
ム等)、溶解補助剤(アルギニン、グルタミン酸、アス
パラギン酸等)や安定化剤(ヒト血清アルブミン、ラク
トース等)を含有していてもよい。錠剤または丸剤は、
必要により胃溶性または腸溶性物質(白糖、ゼラチン、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースフタレート等)のフィルムで被覆してい
てもよい。カプセル剤にはハードカプセルおよびソフト
カプセルが含まれる。
【0040】経口投与のための液体組成物としては、溶
液剤、乳濁剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤が含
まれる。このような液体組成物においては、一般的に用
いられる不活性な希釈剤(精製水、エタノール等)が含
まれる。これらの組成物は、不活性な希釈剤以外に、湿
潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味料、風味料、芳香
剤、防腐剤を含有していてもよい。経口投与のためのそ
の他の組成物としては、1種または2種以上の活性物質
を含み、常法により処方されるスプレー剤が含まれる。
スプレー剤は、不活性な希釈剤以外に安定化剤(亜硫酸
ナトリウム等)や等張性を与えるための緩衝剤(塩化ナ
トリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸等)を含有し
ていてもよい。スプレー剤の製造には、例えば米国特許
第2,868,691号、同第3,095,355号明細書記載の方法を用
いることができる。
【0041】非経口投与のための注射剤としては、無菌
の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤が含まれ
る。このような注射剤においては、1種または2種以上
の活性物質が少なくとも1種の不活性な水性の希釈剤
(注射用蒸留水、生理食塩水等)や不活性な非水性の希
釈剤(プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、オリーブ油、エタノール、ポリソルベート80(登
録商標)等)と混合して用いられる。これらの注射剤
は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤
(ヒト血清アルブミン、ラクトース等)、溶解補助剤
(アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリビ
ニルピロリドン等)のような補助剤を含有していてもよ
い。これらは、通常、バクテリア保留フィルター等を用
いるろ過、殺菌剤の配合または照射によって無菌化され
るか、またはこれらの処理をした後、凍結乾燥等の方法
により固体組成物とし、使用直前に無菌水または無菌の
注射用希釈剤を加えて使用される。
【0042】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、これらは本発明の範囲を制限するもので
はない。
【0043】実施例1:誘導型NOS(i−NOS)の
阻害作用 マウスマクロファージ由来の細胞RAW264.7に1
00units/mlのインターフェロン(IFN)−
γおよび10ng/mlのリポポリサッカライド(LP
S)を添加して、24時間後に細胞を超音波で破砕し、
15,000×gの遠心上清をi−NOSの酵素源とした。基
質として14C標識L−アルギニンを用い、以下のように
してNOSにより変換されるL−シトルリンの生成量か
ら2−シクロプロピルアミジンの阻害率を求めた。50
mM Hepes(N−2−ヒドロキシエチルピペラジ
ン−N′−2−エタンスルホン酸)(pH7.8)、1m
M DTT(ジチオトレイトール)、1mM CaC
2、1mM NADPH(還元型ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドリン酸)、0.1mMビオプテリン(Bio
pterin)、10μM FAD(フラビンアデニンジヌク
レオチド)を含む溶液70μlに、1.55μMのL−[U
14C]アルギニン1μl,セルホモジネート(cell h
omogenates)10μl、阻害剤(2−シクロプロピルア
ミジン)10μlを添加し、水で100μlとした。溶
液を37℃で10分間インキュベーションした後、Do
wex 50WX(Na+型,容量250μl)に供し、
100mM Hepes(500μl;pH5.4)と10
mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)をDowe
x 50WXに通し、未反応のL−アルギニンを除い
て、液体シンチレーションカウンターでNO合成酵素の
阻害活性を測定した。結果を表2に示す。
【0044】実施例2:非誘導型NOS(c−NOS)
の阻害作用 ヒト臍帯静脈由来の内皮細胞を超音波で破砕し、15,000
×gの遠心上清を血管内皮型NOS(endothelium const
itutive NOS)の酵素源とした。操作は、実施例1と
同様に行ない、結果を表2に併せて示す。
【0045】
【表2】 表2:阻害活性(IC50 化合物 i−NOS c−NOS 2−シクロプロピルアミジン <0.5μM 6.5μM
【0046】上記の表から明らかなように、2−シクロ
プロピルアミジンは、誘導型NOSおよび非誘導型NO
Sの双方に強い阻害活性を示すことが分かる。特に誘導
型に対する阻害作用は非誘導型に対する阻害活性より強
く、そのため、本発明化合物は、恒状的な一酸化窒素の
発生を抑えることなく、炎症等による一酸化窒素の産生
を抑えることができる。
【0047】製剤実施例1:錠剤の製造 以下の化合物を常法により混合し、打錠して一錠中に1
00mgの活性成分を含有する錠剤100個を得た。 ・2−シクロプロピルアミジン塩酸塩………………………………………10g ・繊維素グリコール酸カルシウム(崩壊剤)…………………………200mg ・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤)………………………………100mg ・微結晶セルロース…………………………………………………………9.7g
【0048】製剤実施例2:注射剤の製造 以下の各成分を常法により混合したのち、溶液を常法に
より滅菌し、5mlずつ、アンプルに充填し、常法によ
り凍結乾燥し、1アンプル中、20mgの活性成分を含
有するアンプル100本を得た。 ・2−シクロプロピルアミジン塩酸塩…………………………………………2g ・マンニット………………………………………………………………………5g ・蒸留水…………………………………………………………………1000ml
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/155 ADU A61K 31/155 ADU C12N 9/99 C12N 9/99

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、式 【化2】 で示される基は、C3〜7のシクロアルキル基を表わ
    し、R1 は、水素原子、C1〜6のアルキル基、C2〜
    6のアルケニル基、C2〜6のアルキニル基、C1〜6
    のアルコキシ基、C3〜6のアルケニルオキシ基または
    C3〜6のアルキニルオキシ基を表わし、R2 は、水素
    原子、C1〜6のアルキル基、C2〜6のアルケニル基
    またはC2〜6のアルキニル基を表わす。]で示される
    化合物またはそれらの酸付加塩を有効成分として含有す
    る一酸化窒素合成酵素阻害剤。
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