JPH083093A - アクロレインおよびアクリル酸の製造方法 - Google Patents
アクロレインおよびアクリル酸の製造方法Info
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- JPH083093A JPH083093A JP6137048A JP13704894A JPH083093A JP H083093 A JPH083093 A JP H083093A JP 6137048 A JP6137048 A JP 6137048A JP 13704894 A JP13704894 A JP 13704894A JP H083093 A JPH083093 A JP H083093A
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Abstract
相接触酸化し、アクロレインおよびアクリル酸を製造す
るに際し、原料ガス入り口部のホットスポットを抑制す
ることによって、生産性を向上し、触媒寿命を延長する
ための、より簡便で、確実な方法を提供することを目的
とする。 【構成】 触媒としてMo−Bi系複合酸化物を充填し
た固定床多管式反応器を用いて、プロピレンを分子状酸
素で気相接触酸化してアクロレインおよびアクリル酸を
製造する方法において、各反応管を複数の層に分割し、
原料ガス入口側ほどより高温で焼成して調製した触媒を
順次充填することを特徴とする。
Description
用いてプロピレンを分子状酸素を用いて気相接触酸化し
アクロレインおよびアクリル酸を製造する方法に関す
る。
化物触媒を用いた気相接触酸化によるプロピレンからの
アクロレインおよびアクリル酸の製造技術はよく知られ
ているところである。
を用いて行われるが、大きな発熱を伴う反応のため、特
に原料ガス入り口側にホットスポットを生じ易く、この
ため過度の酸化反応による収率の低下と、触媒劣化が加
速されることによる触媒寿命の問題がある。特に単位触
媒あたりの生産性を高めるために原料プロピレン濃度を
高くしたり、空間速度を大きくしようとするとこの問題
はより重大な問題となる。
を改善するために過去にいくつかの提案がなされてい
る。例えば、特公昭57−30688号公報に開示され
ているように、ホットスポットの生じやすい部分の触媒
を反応に不活性な物質で希釈する方法である。同様に特
開昭51−127013号公報には、原料ガス入り口側
にいわゆる担持型触媒を置き、出口側を通常の成形触媒
とする方法が開示されている。
は、モリブデン−ビスマス系多元触媒の成分中のアルカ
リ金属とタリウム群元素の種類又は(および)量を変え
ることにより、活性を制御された複数種の触媒を用意
し、原料ガス入口側より出口側に向かって活性のより高
い触媒を配置する方法が提案されている。
は、モリブデン−ビスマス系多元触媒の成分中のアルカ
リ土類金属の種類又は(および)量を変えることによ
り、活性を制御し、上記と同様に配置する方法が、特開
平4−217932号公報には、触媒の大きさを変えて
活性を制御し、同様に配置する方法が開示されている。
式反応器を用いて本気相接触酸化反応を行う際に、原料
ガス入り口部のホットスポットを抑制することによって
生産性を向上し、触媒寿命の延長を図る方法としては、
触媒活性を何らかの方法で制御し、反応管に分割して充
填する方法が採用されている。これらはいずれも有効な
方法であるが、不活性希釈材を用いる方法は、あらかじ
め触媒と希釈材を混合する作業が必要であるばかりでな
く、反応管に充填できる触媒成分の量が少なくなり、単
位触媒あたりの負荷が大きくなるため触媒寿命の点から
は必ずしも有利な方法ではない。
る方法はより優れた方法であるが、組成の異なる複数の
触媒を用意しなければならず、また組成が異なると活性
の経時変化の挙動が異なることがあるため、長期に運転
している間に初期の適当な活性の分布が崩れ、反応の継
続が困難になる恐れがある。また、触媒の大きさを変え
る方法は、形状を工夫し例えばリング状の触媒を用いた
としても形状が同じであれば大きなサイズの触媒ほどア
クロレインおよびアクリル酸の収率が悪くなるので、反
応収率の点からみて有利な方法とはいえない。
式反応器を用いて気相接触酸化し、アクロレインおよび
アクリル酸を製造するに際し、原料ガス入り口部のホッ
トスポットを抑制することによって、生産性を向上し、
触媒寿命を延長するためのより簡便で、確実な方法を提
供することにある。
題を解決するため、触媒の活性を制御し、長期にわたっ
て安定した高い生産性を維持する方法について鋭意検討
を重ねた結果、単に触媒の焼成温度を変えることによっ
て活性を制御でき、反応管に分割充填することによって
上記の課題を達成できることを見いだし、本発明に至っ
た。
x (Mo、Bi、Feはそれぞれモリブデン、ビスマスお
よび鉄を表し、Aはニッケルおよび/またはコバルトを
表し、Bはマンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウ
ム、スズおよび鉛からなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素を表し、Cはリン、ホウ素、ヒ素、テルル、タ
ングステン、アンチモンおよびケイ素からなる群より選
ばれた少なくとも1種の元素を表し、Dはカリウム、ル
ビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ば
れた少なくとも1種の元素を表し、a=12としたとき
0<b≦10、0<c≦10、1≦d≦10、0≦e
≦10、0≦f≦20、0<g≦2であり、xは各元素
の酸化状態により定まる値である)で示される複合酸化
物を充填した固定床多管式反応器を用いて、プロピレン
を分子状酸素で気相接触酸化してアクロレインおよびア
クリル酸を製造する方法において、各反応管を複数の層
に分割し、原料ガス入口側ほどより高温で焼成して調製
した触媒を順次充填することを特徴とするアクロレイン
およびアクリル酸の製造方法。 (2) 少なくとも原料ガス入り口部に充填する触媒と
して、前項(1)記載の複合酸化物と本反応にはそれ自
身は実質的に不活性な酸化モリブデンとを混合成形した
ものを用いる前項(1)記載の方法。
おいて使用される触媒としては、いわゆる多成分複合酸
化物系触媒として公知の、一般式Moa −Bib −Fe
c −Ad −Be −Cf −Dg −Ox(Mo、Bi、Fe
はそれぞれモリブデン,ビスマスおよび鉄を表し、Aは
ニッケルおよび/またはコバルトを表し、Bはマンガ
ン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、スズおよび鉛か
らなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、C
はリン、ホウ素、ヒ素、テルル、タングステン、アンチ
モンおよびケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素を表し、Dはカリウム、ルビジウム、セシウム
およびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素を表し、a=12としたとき 0<b≦10、0
<c≦10、1≦d≦10、0≦e≦10、0≦f≦2
0、0<g≦2であり、xは各元素の酸化状態により定
まる値である)で示されるものであり、例えば特公昭4
7−27490号公報、特公昭47−32044号公
報、特公昭47−32051号公報、特公昭47−42
241号公報に記載されている。
子を除く)の触媒等が挙げられる。 Mo12Bi0.1-5 Fe0.5-5 Co5-10Cs0.01-1Si
0.1-20 Mo12W0.1-2 Bi0.1-5 Fe0.5-5 Co5-10Cs
0.01-1Si0.1-20 Mo12W0.1-2 Bi0.1-5 Fe0.5-5 Co5-10K0.01-1
Si0.1-20 Mo12Bi0.1-5 Fe0.5-5 Co5-10Tl0.01-1P
0.01-2Si0.1-20 Mo12Bi0.1-5 Fe0.5-5 Ni5-10Tl0.01-1P
0.01-2Si0.1-20
製方法、および混合成形するために用いる酸化モリブデ
ン以外の原料については特に限定されるものではなく、
一般に用いられている方法および原料を採用することが
できる。触媒の形状についても特に限定されず、球状、
円柱状、円筒状などとすることができ、成形方法も担持
成形、押し出し成形、打錠成形などを用いることができ
る。
しくは2ないし3個の領域に分割し、原料ガスの入り口
側から出口側に向かってより活性が高くなるように配置
するが、この活性の制御を主として触媒の最終焼成温度
を変えた触媒を配置するという簡単な手法により行う。
本系触媒は成形した後、あるいは成形する前に通常空気
中または不活性ガス中400℃〜600℃の温度で、2
〜20時間焼成することによって活性化され反応に使用
されるが、好ましい焼成温度は触媒の組成によって定ま
り、従来は反応収率が最高になるように決められてい
た。高温で焼成するほどその活性は低下するが、選択率
はむしろ向上することがわかった。従って出口側に充填
する触媒として従来の比較的低温で焼成した高活性触媒
を用い、入り口側にそれより高温で焼成し活性の低い触
媒を充填する。
成温度にもよるが2時間以上であれば良く、上記の範囲
で適宜決めることができる。高温で焼成した触媒は、出
口部の触媒より選択性も高くなるので従来の希釈法によ
るよりも反応収率が高くなり、また触媒の実質使用量も
多いので触媒寿命の点でも有利である。
は、基本的に焼成温度だけであり、すなわち、例えば、
500℃、480℃、450℃で焼成した触媒を原料ガ
スの入り口側から出口側に向かって順次充填するだけで
あり、触媒の組成は混合成形する不活性な希釈材または
酸化モリブデンを用いる場合を除いて変更しない。アル
カリ金属などの種類または量を変えて活性を変えた触媒
は、長期の運転による活性変化の挙動が異なり、例えば
入り口側に充填したアルカリ金属の多い触媒は出口側の
アルカリ金属の少ない触媒に比べ活性の低下速度が大き
く、長期の運転によって、入り口側の活性のみが低下
し、出口側の層に新たなホットスポットが出現してしま
うという問題が、起こる可能性がある。
のは基本的に活性の経時変化の挙動が同じであり、その
ような問題は起こりにくい。焼成温度を高くすることに
よって活性が低下する原因は主として触媒の比表面積の
減少によるものであり、反応によっては比表面積は殆ど
変化しないことがわかった。従って本発明による方が長
期にわたって安定的に高い生産性で運転の継続が可能で
ある。
性を制御し分割充填する方法によっても、非常に長期の
運転では触媒の劣化は避けられない。本発明者らは先
に、この触媒劣化の抑制方法として、本反応に実質的に
不活性な酸化モリブデンを少なくとも原料ガス入り口側
の触媒と共存させる方法を提案した。(特願平5−15
4885号)
部のモリブデン成分の揮散によってもたらされること、
反応収率を落とさないためには本反応に実質的に不活性
な酸化モリブデンのかたちで共存させる必要があること
を見いだしたものである。酸化モリブデンはそれ自身不
活性希釈材であるので入り口側にこれを用いれば、入り
口側の活性を低く抑える方法の一つとなることを主張し
ているが、活性を制御するにはかなり大量たとえば20
〜60%の酸化モリブデンを共存させる必要があり、一
方劣化を抑えるためには比較的少量例えば2〜20%の
共存で十分である。
ンを混合成形した触媒を焼成温度を変えて活性を制御
し、分割充填することによってホットスポットの抑制
と、触媒劣化の抑制という目的を達成しようとするもの
である。酸化モリブデンを混合成形した触媒は少なくと
もガス入り口側に充填する必要があるが、全層にわたっ
て共存させてもよく、分割した層によってその濃度を変
えてもかまわない。酸化モリブデンは、本反応に実質的
に不活性なものであればよいが、例えば市販のモリブデ
ン酸アンモニウムを空気中で550℃から700℃で熱
処理する事により得られる。熱処理温度がこれより低温
であると、オレフィンの完全酸化活性があり、これを触
媒と共存させた場合、反応の選択性を悪くする原因とな
る。また市販の三酸化モリブデンの中から反応に不活性
なものを選ぶこともできる。
化反応の条件は、従来公知の方法で行うことができる。
例えば原料ガス中のプロピレン濃度は3〜15%、プロ
ピレンに対する分子状酸素の比は1〜3であり、残りは
窒素、水蒸気、酸化炭素、プロパンなどである。分子状
酸素の供給源としては空気が有利に用いられるが、必要
により酸素富化空気、純酸素を用いることもでき、ワン
パス法あるいはリサイクル法が用いられる。反応温度は
250℃〜450℃、反応圧力は常圧から5気圧、空間
速度500〜3000h-1(STP)の範囲で行われ
る。
明する。なお、本明細書における反応率(%)、選択率
(%)、収率(%)は、次の如く定義する。 反応率(%)=(反応したプロピレンモル数/供給したプ
ロピレンのモル数)×100 選択率(%)=(生成物のモル数/反応したプロピレン
モル数)×100 収 率(%)=(生成物のモル数/供給したプロピレンの
モル数)×100
Mo7 O24・4H2 O〕11500gを温水37.6L
に溶解し、さらに20%シリカゾル(SiO2 )163
0gを加え、これをA液とする。硝酸コバルト〔Co
(NO3 )2 ・6H2 O〕11080gおよび硝酸第二
鉄〔Fe(NO3 )3 ・9H2 O〕4400gおよび硝
酸セシウム(CsNO3 )53gを温水20Lに溶解
し、これをB液とする。純水3.2Lに60%硝酸75
0gを加え、硝酸ビスマス〔Bi(NO3 )3・5H2
O〕2640kgを溶解し、これをC液とする。次にB
液とC液を混合する。
を添加してスラリーを得る。これを濃縮乾燥後、空気流
通下200〜250℃で塩分解する。その後粉砕し、5
mmφ×2mmφ×6mmHの円筒状に押し出し成形し、46
0℃で6時間焼成して触媒Aとした。酸素を除く触媒組
成は、Mo12Bi1 Fe2 Co7 Cs0.05Si1 であ
る。
としたものを触媒Bとする。 〔反応〕内径30mmφ×6000mmの反応管に、原料ガ
ス入口側の触媒として、触媒Bを1.15L、その後に
触媒Aを2.3L充填し、塩浴温度325℃でスタート
し、プロピレン:空気:窒素:スチーム=1:8:3:
1.5のモル比でSV=1300h-1、入口圧力2.8
atmの条件で反応を行った。結果を表1に示す。
触媒A0.8Lと磁性ラシヒリング0.35Lを混合し
実施例1と同様に原料ガス入り口側に充填し、出口側に
は触媒Aを2.3L充填して、実施例1と同様に反応を
行った。結果を表2に示す。比較例1の方がアクロレイ
ンとアクリル酸の総合収率の低下が大きい。
のみ変えて、酸素を除く触媒組成がMo12Bi1 Fe2
Co7 Cs0.3 Si1 なる触媒Cを作った。同様に触媒
C1.15Lを原料ガス入り口側に充填し、出口側には
触媒A2.3Lを充填し実施例1と同様に反応を行っ
た。結果を表3に示す。
速い速度で塩浴温度を上げていく必要がある。250日
後この層のホットスポットの温度は低下しているが、触
媒A層にある第2のホットスポットが上昇し温度が逆転
した。実施例1に比べさらに長期の運転には耐えられな
い可能性が大きい。
H2 Oを空気中630℃で3時間焼成しMoO3 を得
た。実施例1で得られた塩分解後の触媒前駆体粉末90
部とこのMoO3 10部を混合し、同じ形状に押し出し
成形した。これを490℃で6時間焼成し触媒Dを得
た。この触媒D1.15Lをガス入り口側に充填、出口
側には触媒A2.3Lを充填し、実施例1と同様に反応
を行った。結果を表4に示す。塩浴温度の変化もごく僅
かであり、反応収率の低下も全く見られなかった。
Claims (2)
- 【請求項1】 触媒として一般式、 Moa −Bib −Fec −Ad −Be −Cf −Dg −O
x (Mo、Bi、Feはそれぞれモリブデン、ビスマスお
よび鉄を表し、Aはニッケルおよび/またはコバルトを
表し、Bはマンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウ
ム、スズおよび鉛からなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素を表し、Cはリン、ホウ素、ヒ素、テルル、タ
ングステン、アンチモンおよびケイ素からなる群より選
ばれた少なくとも1種の元素を表し、Dはカリウム、ル
ビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ば
れた少なくとも1種の元素を表し、a=12としたとき
0<b≦10、0<c≦10、1≦d≦10、0≦e
≦10、0≦f≦20、0<g≦2であり、xは各元素
の酸化状態により定まる値である)で示される複合酸化
物を充填した固定床多管式反応器を用いて、プロピレン
を分子状酸素で気相接触酸化してアクロレインおよびア
クリル酸を製造する方法において、各反応管を複数の層
に分割し、原料ガス入口側ほどより高温で焼成して調製
した触媒を順次充填することを特徴とするアクロレイン
およびアクリル酸の製造方法。 - 【請求項2】 少なくとも原料ガス入り口部に充填する
触媒として、請求項1記載の複合酸化物と本反応にはそ
れ自身は実質的に不活性な酸化モリブデンとを混合成形
したものを用いる請求項1記載の方法。
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JP06137048A JP3139285B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | アクロレインおよびアクリル酸の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06137048A JP3139285B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | アクロレインおよびアクリル酸の製造方法 |
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JPH083093A true JPH083093A (ja) | 1996-01-09 |
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ID=15189661
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JP06137048A Expired - Lifetime JP3139285B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | アクロレインおよびアクリル酸の製造方法 |
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