JPH0830925A - 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド

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JPH0830925A
JPH0830925A JP16394794A JP16394794A JPH0830925A JP H0830925 A JPH0830925 A JP H0830925A JP 16394794 A JP16394794 A JP 16394794A JP 16394794 A JP16394794 A JP 16394794A JP H0830925 A JPH0830925 A JP H0830925A
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Japan
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JP16394794A
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English (en)
Inventor
Mineo Yorizumi
美根生 頼住
Shuichi Haga
秀一 芳賀
Nobuhiro Sugawara
伸浩 菅原
Junichi Sugawara
淳一 菅原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、磁気抵抗効果素子膜の先端部のト
ラック幅を狭くしても、磁気的安定性を劣化させること
がなく、しかも、再生信号出力を低下させることのない
磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを提供することを目的と
する。 【構成】 磁気記録媒体との対向面に対して長手方向が
垂直となるように配された磁気抵抗効果素子25と、上
記磁気記録媒体との対向面に臨み、磁気抵抗効果素子2
5の先端側25dに積層される先端電極27Aと、磁気
抵抗効果素子25の後端側25dに積層される後端電極
27Bとを備えてなり、上記磁気抵抗効果素子25は、
金属人工格子多層膜とされると共に、磁気記録媒体との
対向面側における先端部25dの素子幅に対して後端部
25eの素子幅を広くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気抵抗効果型薄膜磁
気ヘッドに関し、特に磁気記録媒体との対向面に対して
磁気抵抗効果素子が垂直に配されてなる,いわゆる縦型
構造を持つ磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライブ装置等において
再生用磁気ヘッドとして用いられている磁気抵抗効果型
薄膜磁気ヘッド(以下、「MRヘッド」と称する。)
は、例えば図4に示すように、基板22上に磁気抵抗効
果素子(以下、「MR素子」と称する。)25をその長
手方向を媒体対向面aと垂直方向に配し、MR素子25
の両端から電極を取り出すとともに、該MR素子25の
上下に絶縁層24bを介してシールド磁性体23,29
を配して構成されている。
【0003】このMR25素子には、電極27A,27
Bが積層されるようにして接続されており、これにより
MR素子25にセンス電流を流すことが可能なようにな
されている。
【0004】また、上記MR素子25は、図5に示すよ
うに、磁壁が発生しないように、MR素子膜を磁気的絶
縁中間膜25aを介して2層の磁性体膜25b,25c
で構成されている。このような2層化により、磁壁移動
によるバルクハイゼンノイズの発生を回避するようにな
されている。
【0005】さらに、上記MRヘッド21には、検出信
号の直線性を高める為に、バイアス磁界を与えるバイア
ス導体28がMR素子25と直交させて配置されてい
る。
【0006】そして、このような従来のMRヘッドによ
って情報の再生を行う際には、MR素子25にセンス電
流を供給する。この場合、MR素子25にバイアス導体
28からのバイアス磁界を印加して所定の磁化を与えて
おく。
【0007】この状態で上記MR素子25が磁気記録媒
体からの磁束を受けると、その磁束によってMR素子2
5の磁化の向きが回転し、MR素子25内部に流れるセ
ンス電流の向きに対して磁束量に応じた角度をもつよう
になる。そのため、MR素子25の電気抵抗値が変化
し、この変化量に応じた電圧変化がMR素子25の両端
の先端電極27A、後端電極27B間に生じる。そし
て、この電圧の変化を検出することによって情報の再生
を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、高密
度磁気記録におけるMRヘッドは、記録密度を高めるこ
とが要請されているが、記録密度を高めるためには、磁
気記録媒体上の記録トラックの幅を狭くする方法と、記
録信号の波長を狭く、つまり、線記録密度を高くする方
法がある。
【0009】しかしながら、上記構成の従来のMRヘッ
ドにおいて、前者の磁気記録媒体上の記録トラックの幅
を狭くする方法を使用すると、MR素子25の幅を狭く
する必要があることから、該素子25の磁気的安定性が
劣化し、バルクハウゼンノイズが発生する現象がみられ
た。
【0010】また、上記構成の従来のMRヘッド21に
おいて、後者の線記録密度を高くする方法を使用する
と、信号波長が狭くなるために、磁気ギャップを狭く、
又、記録媒体の厚さを薄くする必要があり、信号磁界強
度が小さくなって、ヘッドの再生信号出力が小さくなる
問題があった。
【0011】そこで本発明は、高密度記録に対応し、M
R素子膜の先端部のトラック幅を狭くしても磁気的安定
性を劣化させることがなく、しかも、再生信号出力を低
下させることのないMRヘッドを提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気記録媒体
との対向面に対して長手方向が垂直となるように配され
た磁気抵抗効果素子と、上記磁気記録媒体との対向面に
臨み、磁気抵抗効果素子の先端側に積層される先端電極
と、上記磁気抵抗効果素子の後端側に積層される後端電
極とを備えてなり、上記磁気抵抗効果素子は、金属人工
格子多層膜とされると共に、磁気記録媒体との対向面側
における先端部の素子幅に対して後端部の素子幅が広い
ことを特徴とする。
【0013】また、本発明は、磁気記録媒体との対向面
に対して長手方向が垂直となるように配された磁気抵抗
効果素子と、上記磁気記録媒体との対向面に臨み、磁気
抵抗効果素子の先端側に積層される先端電極と、上記磁
気抵抗効果素子の後端側に積層される後端電極と、上記
磁気抵抗効果素子に対して先端電極と後端電極が形成さ
れる側に設けられる上部シールド磁性体と、上記磁気抵
抗効果素子に対して先端電極と後端電極が形成される側
とは反対側に設けられる下部シールド磁性体と、上記磁
気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加するバイアス導体
とを備えてなり、上記磁気抵抗効果素子は、金属人工格
子多層膜とされると共に、磁気記録媒体との対向面側に
おける先端部の素子幅に対して後端部の素子幅が広いこ
とを特徴とする。
【0014】また、上記磁気抵抗効果素子の先端部が凸
状であることを特徴とする。
【0015】さらに、上記磁気抵抗効果素子の先端部の
素子幅が再生トラック幅であることを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明においては、MR素子を金属人工格子多
層膜で構成したことから、再生トラック幅に相当するM
R素子膜の先端部の素子幅を狭くしても、金属人工格子
多層膜のいわゆる「反強磁性交換相互作用」によりバル
クハウゼンノイズに寄与する磁区が存在せず、磁気的安
定性が劣化することがない。また、信号磁界波長を狭く
した場合の信号出力の低下は、金属人工格子多層膜の高
い磁気抵抗効果率で改善される。
【0017】また、本発明においては、MR素子の平面
形状における上記後端部の素子幅を上記先端部の素子幅
よりも広く形成したことから、上記金属人工格子多層膜
による高抵抗値を低抵抗化することが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を用い
て詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明に係る第1の実施例に係る
MRヘッド21を示す断面図である。
【0020】本実施例の磁気ヘッド21は、図1に示す
ように、パーマロイ(Ni−Fe)等からなる下部シー
ルド磁性体23と上部シールド磁性体29がヘッド摺動
面yに臨む再生ギャップを構成するように対向して配さ
れ、これら下部シールド磁性体23と上部シールド磁性
体29との間にMR素子25がその一端を媒体対向面y
に臨ませるように配され構成されている。
【0021】これら下部シールド磁性体23及び上部シ
ールド磁性体29とMR素子25間には、それぞれ絶縁
層24a,24bが介在され、磁気的に分離されてい
る。
【0022】また、上記上部シールド磁性体29は、媒
体対向面y付近で屈曲した形状となされており、該上部
シールド磁性体29と下部シールド磁性体23間の距離
が媒体対向面y側において狭まるようになされ、上部シ
ールド磁性体29と下部シールド磁性体23の先端部間
に再生用ギャップが形成されている。
【0023】一方、下部シールド磁性体23は、Al2
3 −Tic等の非磁性材料からなるスライダーと称さ
れる基板22上に配置されている。上記MR素子25の
媒体対向面yと反対側には、後端電極27BがMR素子
25上に積層されるように接続されている。
【0024】上記MR素子25は、その長手方向が磁気
記録媒体、例えば磁気ディスクDとの対向する媒体対向
面yに対し垂直となるように形成されている。そして、
このMR素子25の先端部25d上と後端部25e上に
は電極27A,27Bが形成されている。このMR素子
25には、低い磁界で高い磁気抵抗変化率を示す金属人
工多層膜(Giant−MR膜)が用いられている。金
属人工多層膜は、図3に示すように、膜厚の薄い磁性金
属層51と非磁性層50をスパッタリング等の手段によ
って、交互に何層にも積層することにより形成される。
【0025】上記要件を満たす金属人工多層膜として
は、例えばFe−NiとCuとの組み合わせ、Fe−C
rとCuとの組み合わせ、CoとCuとの組み合わせ、
Fe−Ni−CoとCuの組み合わせのものが挙げられ
る。本実施例では、磁性金属層51としてFe−Ni−
Co、非磁性層50としてCuを用い、磁性金属層51
の膜厚を1.1nm、非磁性層8bの膜厚を2.2nm
としてこれらを交互にスパッタリングして、Fe−Ni
−Co層とCu層の1組を1層としてそのトータル層数
が9層となるようにした。なお、磁性金属層51と非磁
性層50を成膜する手法としては、DCマグネトロンス
パッタ装置を用いた高周波スパッタリング法又はイオン
ビームスパッタリング法が使用できる。
【0026】本実施例においては、MR素子25をこの
金属人工多層膜という超薄膜で構成されているものを用
いることにより、いわゆる「反強磁性交換相互作用」に
よる無磁界時の高抵抗の影響による発熱や消費電力の問
題を回避することが可能となる。
【0027】そして、上記MR素子25の形状は、図2
に示すように、平面形状において、トラック幅を形成す
る先端部25dが凸状に形成されて、該凸状の先端部2
5dよりも後端部25eの方が幅広とされたパターンと
して形成されてなる。このように、平面形状においてト
ラック幅を形成する先端部25dを狭くし、後端部25
eを広くする構造とすることにより、MR素子25の抵
抗値を低く制御することができる。
【0028】さらに、上記した先端電極27Aは、媒体
対向面y上にその一部が露呈されることとなるため、こ
れを構成する材料としては、Ta、Mo、W、Cr、C
u等の如き電導性を有し且つ非磁性の金属材料を用いる
ことが好ましい。
【0029】一方、上記後端電極27Bは、MR素子2
5の後端部25eに積層されてなる。これを構成する材
料としては、先端電極27Aと同様、Ta、Mo、W、
Cr、Cu等の非磁性の金属材料が用いられる。
【0030】また、上記MR素子25の感磁部上には、
MR素子25と直交して横切るように設けられ該MR素
子25に所定の向きのバイアス磁界を与えるバイアス導
体28が設けられている。このMR素子25とバイアス
導体28との間には、やはりこれらの間の絶縁性を回避
するための絶縁膜24cが介在されている。なお、この
バイアス導体28には、例えば、電導性の良いAu,C
u等を用いる。
【0031】また、MR素子25に流すセンス電流i
は、磁気ディスクDからの信号磁界と同方向に流される
ようになされている。また、先端電極27Aと上部シー
ルド磁性体29とは電気的に接続するも、MR素子25
と上部シールド磁性体29とは磁気的に絶縁されてい
る。したがって、先端電極27Aと上部シールド磁性体
29との接続は、非磁性金属の先端電極27Aを用いて
行うようになされている。これにより、MR素子25か
らみて上部シールド磁性体29と先端電極27Aは同一
電極部となり、MR素子25の先端部が電気的に安定す
る。
【0032】すなわち、先端電極27Aと上部シールド
磁性体29を電気的に導通させ媒体対向面yのMR素子
25の電位を略アース電位にして電気的信頼性を高める
構造とされている。したがって、製造プロセス中、或い
は、動作中における先端電極27Aと上部シールド磁性
体29との不安定なノイズの発生も解消される。
【0033】かかる構成の薄膜ヘッド21によれば、動
作中、もしくは立ち上げ時、停止時MRヘッド25が帯
電した磁気ディスクDの面に接触しても、ほとんどの電
荷は大面積、大容量の支持基板22を通して接地電位に
排出され、しかも接地電位がMR素子25と独立である
ため、電荷がMR素子25の回路に流れ込んで破損した
りノイズ要因となることがない。
【0034】次に、本実施例に係るMRヘッド21によ
って情報の再生を行う場合と、その結果得られた実験結
果について説明する。
【0035】まず、図1に示すように、アンプ部35内
の定電流源36によってMR素子25の電気抵抗変化を
先端電極27Aと後端電極27Bとの間の電圧変化に変
換し、この電圧変化をアンプ部35内の増幅器37を介
して出力部38より薄膜ヘッド21の出力信号として取
り出す。すなわち、上記MR素子25が磁気記録媒体か
らの漏洩磁束を受けると、その磁束によってMR素子2
5の磁化の向きが回転し、MR素子25内部に流れるセ
ンス電流iの向きに対して磁束量に応じた角度をもつよ
うになる。そのため、MR素子25の電気抵抗値が変化
し、この変化量に応じた電圧変化がMR素子25の両端
の電極27A,27Bで生じる。この電圧変化をアンプ
部35内の増幅器37を介して出力部38より薄膜ヘッ
ド1の出力信号として取り出すようになす。
【0036】このようにして、本実施例について情報の
再生を行った結果については、まず、本実施例に係るM
R素子25は、図2に示すように、その平面形状におい
てトラック幅を形成する先端部25dを狭くし、後端側
25eを広くする構造となされている。この点、従来の
MRヘッド21に係るMR素子の平面形状は、図6に示
すように、略長方形パターンとして形成されていた。そ
こで、これら両者のMR素子25の電気抵抗値を比較し
た。
【0037】なお、情報の再生を行った結果について
は、MR素子25の平面形状が、上記のような凸状のも
のに限らず、後端側25bから先端部25aが向かって
徐々に幅狭のテーパ形状のものも併せて測定した。
【0038】これらMR素子膜の平面形状とその具体的
設定寸法を表1に示す。この表1中、「A」が従来のM
R素子で、「B」が上記MR素子25の平面形状を後端
部25eから先端部25dに向かって徐々に幅狭のテー
パ形状になるように形成してなるMR素子で、「C」が
本実施例に係るMR素子である。
【0039】
【表1】
【0040】そして、上記各MR素子における電気抵抗
値を表2に示す。なお、この表2における「パーマロイ
/膜厚=25×2nm」とは、図5に示す従来のもの
で、磁気的絶縁中間膜25aの膜厚が2nmで、この磁
気的絶縁中間膜25aを介して上下に積層される2層の
磁性体膜25b,25cの膜厚が25nmであることを
示す。
【0041】
【表2】
【0042】上記表2から明らかなように、MR素子2
5の平面形状においてトラック幅を形成する先端側25
dを狭くし、後端側25eを広くする構造となされてな
る「B」及び「C」のMR素子25の電気抵抗値が低い
ことがわかる。したがって、MR素子25を金属人工格
子多層膜(Giant−MR膜)のように超薄膜で構成
すると、金属人工格子多層膜による「反強磁性交換相互
作用」による無磁界時の高抵抗の影響による発熱や消費
電力の問題を回避することが可能となる。
【0043】そして、MR素子25の平面形状は、
「B」の場合よりも、本実施例の「C」の場合の方が電
気抵抗値が低いことがわかる。したがって、MR素子2
5の平面形状は、上記MR素子25の先端部25dを凸
状に形成することが好ましい。次に、本実施例に係るM
Rヘッドと従来のMRヘッドにおけるトラック幅とバル
クハウゼンノイズの発生状態を比較した。表3に、MR
素子としてパーマロイを用いたMRヘッドと比較して金
属人工格子多層膜(Giant−MR膜)をMR素子と
して用いたMRヘッドのトラック幅とバルクハウゼンノ
イズ(表3中、「B.N」は、バルクハウゼンノイズを
表す。)の発生状態を示した。
【0044】
【表3】
【0045】表3から明らかなように、本実施例に係る
MR素子25を金属人工格子多層膜(Giant−MR
膜)により構成した場合は、いわゆる「反強磁性交換相
互作用」により1μmという狭トラック幅においても磁
区の発生によるバルクハウゼンノイズがなく安定動作が
実現することがわかる。
【0046】また、本実施例に係るMRヘッド21によ
れば、MR素子25の先端部25aの電極27Aと上部
シールド磁性体29とは電気的に接続するようにしてな
るので、MR素子25からみて上部シールド磁性体29
とは同一の電極部となる。これにより、先端電極27A
の金属層からMR素子25の電極を引き出す場合でも、
或いは、上部シールド磁性体29から同じくMR素子2
5の電極を引き出す場合でも上部シールド磁性体29と
先端電極27Aは常に同電位に近くになり、電気的にM
R素子25の先端部が安定する。したがって、従来のM
R素子25の先端電極27Aと上部シールド磁性体29
間の絶縁層24cが薄いために生じ易いMR素子25の
先端部が安定する。
【0047】また、従来のMR素子25の先端部25a
の電気的不安定性さが解消され、再生時の特性が安定
し、非定常的なノイズも解消することができる。さら
に、磁気記録媒体からの磁気信号が、MR素子25に入
り込み磁気抵抗効果を生ずる際に、金属人工多層膜によ
る大きい磁気抵抗効果により、磁気媒体からの信号磁界
を一層高効率の再生出力として得ることができる。表4
にMR素子としてパーマロイを用いたMRヘッド21と
比較して、本実施例に係るMRヘッド21の再生出力の
トラック幅依存性を示した。
【0048】
【表4】
【0049】上記表4は、ヘッド数が10個の平均値
で、再生出力の比較を示したものである(TAA(μVp
−p))。また、Is:5〜12mA,Ib:15〜2
3mA,フライングハイト(FH):0.10μm,磁
気記録媒体:250GaussμmA,周波数:1.3
3MHZ の測定条件で測定した結果である。
【0050】表4から金属人工格子多層膜の大きい磁気
抵抗効果により磁気媒体からの信号磁界をより高効率の
再生出力が得られることがわかる。
【0051】最後に、本実施例のMRヘッドの製作を工
程順に説明すると、支持基体22上に下部シールド磁性
体23、絶縁層24a、MR素子25及び絶縁層24a
を順次形成した後、絶縁層24bをパターニングし、次
いで絶縁層24b上にバイアス導体28と、MR素子2
5の先端部25dと後端部25eに接続する先端電極2
7A及び後端電極27Bを同じ導電材で同時に形成す
る。
【0052】次に、上記絶縁層24a上にスパッタ装置
により、バイアス導体28及び後端電極27Bを絶縁層
24cで被覆する。そして、上部シールド磁性体29を
形成し、その後、鎖線位置(図1中、矢印yで示す。)
まで研磨して媒体対向面aを形成して、MRヘッド21
を構成する。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、上記MR素子を金属人工格子多層膜で構成す
るとともに、このように構成されたMR素子の平面形状
における上記後端部の素子幅を上記先端部の素子幅より
も広く形成したことから、MRの先端のトラック幅を狭
くしても、再生信号の向上を図ることができるととも
に、上記金属人工格子多層膜のいわゆる「反強磁性交換
相互作用」により、磁区の発生によるバルクハウゼンノ
イズを回避し、磁気的安定性が図られる。また、信号磁
界波長を狭くした場合の信号出力の低下は、金属人工格
子多層膜の高い磁気抵抗効果率で改善される。
【0054】さらに、MR素子の平面形状における上記
後端部の素子幅を上記先端部の素子幅よりも広く形成し
たことから、上記金属人工格子多層膜による高抵抗値を
低抵抗にして、発熱や消費電力の低減を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMRヘッドの一実施例の概略構成
を示す断面図である。
【図2】上記MRヘッドのMR素子膜を示す斜視図であ
る。
【図3】上記MRヘッドに係る金属人工多層膜を用いた
MR素子を示す要部拡大断面図である。
【図4】従来のMRヘッドを示す断面図である。
【図5】上記MRヘッドのMR素子を示す要部拡大断面
図である。
【図6】上記のMRヘッドのMR素子膜を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
21 MRヘッド 22 支持基体 23,29 シールド磁性体 24a,24b,24c 絶縁層 25d MR素子の先端部 25e MR素子の後端部 27A,27B 電極 28 バイアス導体 50 非磁性膜 51 磁性膜 D 磁気ディスク a,y 媒体対向面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 淳一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体との対向面に対して長手方
    向が垂直となるように配された磁気抵抗効果素子と、 上記磁気記録媒体との対向面に臨み、磁気抵抗効果素子
    の先端側に積層される先端電極と、 上記磁気抵抗効果素子の後端側に積層される後端電極と
    を備えてなり、 上記磁気抵抗効果素子は、金属人工格子多層膜とされる
    と共に、磁気記録媒体との対向面側における先端部の素
    子幅に対して後端部の素子幅が広いことを特徴とする磁
    気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 磁気記録媒体との対向面に対して長手方
    向が垂直となるように配された磁気抵抗効果素子と、 上記磁気記録媒体との対向面に臨み、磁気抵抗効果素子
    の先端側に積層される先端電極と、 上記磁気抵抗効果素子の後端側に積層される後端電極
    と、 上記磁気抵抗効果素子に対して先端電極と後端電極が形
    成される側に設けられる上部シールド磁性体と、 上記磁気抵抗効果素子に対して先端電極と後端電極が形
    成される側とは反対側に設けられる下部シールド磁性体
    と、 上記磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加するバイア
    ス導体とを備えてなり、 上記磁気抵抗効果素子は、金属人工格子多層膜とされる
    と共に、磁気記録媒体との対向面側における先端部の素
    子幅に対して後端部の素子幅が広いことを特徴とする磁
    気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 磁気抵抗効果素子の先端部が凸状である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気抵抗効果型
    薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁気抵抗効果素子の先端部の素子幅が再
    生トラック幅であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
JP16394794A 1994-07-15 1994-07-15 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド Withdrawn JPH0830925A (ja)

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JP16394794A JPH0830925A (ja) 1994-07-15 1994-07-15 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6738234B1 (en) * 2000-03-15 2004-05-18 Tdk Corporation Thin film magnetic head and magnetic transducer

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US6738234B1 (en) * 2000-03-15 2004-05-18 Tdk Corporation Thin film magnetic head and magnetic transducer

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