JPH0830915A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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Publication number
JPH0830915A
JPH0830915A JP16015794A JP16015794A JPH0830915A JP H0830915 A JPH0830915 A JP H0830915A JP 16015794 A JP16015794 A JP 16015794A JP 16015794 A JP16015794 A JP 16015794A JP H0830915 A JPH0830915 A JP H0830915A
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JP
Japan
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magnetic
head
magnetic head
tape
sliding surface
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JP16015794A
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English (en)
Inventor
Ichiro Hamanaka
一郎 浜中
Kanji Kawano
寛治 川野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】良好な記録再生特性が短時間でえられ、且つ長
寿命化を実現した磁気ヘッドを提供することにある。 【構成】磁気ヘッドの磁気テープとの摺動面形状を、ヘ
ッド走査方向の曲率半径Rが、ヘッドギャップ近傍では
小、ヘッドギャップから離れるに従って大となるように
構成する。 【効果】ヘッドギャップ近傍の曲率半径は小さいので、
摩耗速度は速く、短時間のテープ走行で良好な再生包絡
線検波出力信号が得られる。そして、ヘッドギャップか
ら離れるにしたがい曲率半径は大きくなるので、摩耗速
度は遅くなり、耐摩耗特性を良好なものとすることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置に用い
る磁気ヘッドに係り、特に高速のヘッド走査が要求され
るVTRに好敵な磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、VTRでは、広帯域信号の記録
再生を行うため、回転シリンダに搭載した磁気ヘッドと
磁気テープ間の相対速度を高速としている。そのため、
磁気ヘッドを磁気テープに良好に当接させることが必要
であり、スペーシング(磁気ヘッドとテープ間の隙間)
等が発生すると磁気ヘッドの記録再生特性が損なわれる
ことになる。このような不都合を抑え、良好な記録再生
特性を得るためには、磁気テープと当接する磁気ヘッド
の形状(以下、磁気ヘッドの摺動面形状と称す)が重要
となる。
【0003】従来からの磁気ヘッドの摺動面形状を図
5,図6を用いて説明する。図5は、従来の磁気ヘッド
の摺動面形状を示す概略平面図であり、図6は、従来の
磁気ヘッドの摺動面の正面図である。図5において、一
対のフェライトコア基体5,5’を、所定の磁気ギャッ
プ長が得られるようにそれぞれのコアの突合せ面に非磁
性膜(図示せず)を形成し、磁気ギャップ3を規制して
いる。
【0004】また、図6に示すヘッド走査方向に垂直な
トラック幅Twの規制は、フェライトコア基体5,5’
に切り欠け部2を設けることにより行い、この切り欠け
部2にはフェライトコアを接合するためのガラスを充填
している。そして、良好なテープコンタクトを得るため
に、磁気ヘッドのテープ摺動面1にはヘッド走査方向の
曲率半径がRの形状加工(以下、R形状加工と称す)が
施されている。尚、この時のヘッド走査方向のテープ当
接角はθとなる。
【0005】一般に、このR形状加工は、研削加工機、
或いは研磨テープを用いて行われている。このように、
ヘッド摺動面のヘッド走査方向にR形状加工を施すこと
により、テープ摺動面近傍の磁気テープの変形がテープ
摺動面形状と略同一と成る。従って、磁気テープとの良
好な当接が得られ、スペーシングロスが小さく記録再生
特性の優れた磁気ヘッドが得られる。
【0006】なお、このような磁気テープとの良好な当
接に関するものとして、例えば1986年テレビジョン学会
全国大会予稿集第157頁〜第158頁に記載の“テー
プ浮上特性数値解析の4連ヘッドVTRへの適用”が挙
げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような磁気ヘッ
ドの摺動面形状により、磁気テープとの当接は良好とな
る。しかし、従来からの磁気ヘッドでは、磁気テープと
の当接に関する摺動面形状のみで、磁気ヘッドの摩耗寿
命に関する摺動面形状については何ら考慮されていなか
った。このテープ摺動面のR形状は、磁気ヘッドの摩耗
寿命にも影響を及ぼすことが、以下に示す検討により明
らかになった。
【0008】一般に、磁気ヘッドの摩耗寿命は、図5に
示す磁気ギャップ面の長さGdで決定される。摩耗寿命
を長くするにはGdを長く設定すればよいが、長さに応
じてギャップ部の磁気抵抗が小さくなり、記録磁界が減
少してしまう。また、ギャップ部を通る磁束が多くなる
ため、再生効率も低下してしまう。従って、Gdの長さ
のみで長摩耗寿命化を図ると記録再生特性が損なわれる
という問題がある。
【0009】一方、ヘッド走査方向の曲率半径Rと磁気
ギャップ面の長さGdの摩耗量ΔGdは、近似的に下記
(1)式のように表わされる。
【0010】
【数1】
【0011】(V:摩耗体積、θ:ヘッド走査方向のテ
ープ当接角(図5に示すθ)、W:テープ幅方向の摺動
幅) (1)式から明らかなように、摺動幅Wを一定にした場
合、摩耗寿命を長くするにはテープ走行方向の曲率半径
Rを大きくすればよい。しかし、曲率半径Rを大きくす
ると、以下に示す要因により、良好なテープ当接が得ら
れるまでに長時間を要する、と言う問題がある。
【0012】すなわち、磁気テープ走行初期において
は、磁気ヘッドの組立誤差、回転ドラムの加工誤差等に
より、磁気ヘッドのテープ摺動面形状と磁気ギャップ近
傍のテープ変形とに差が生じる。そのため、スペーシン
グロスが大となり、良好な記録再生特性が得られにく
い。そこで、このテープ摺動面形状がテープ変形になじ
むまで、すなわちテープ摺動面形状とテープ変形とが略
同一となるまで磁気テープの馴らし走行を行い、磁気ヘ
ッド摺動面の研削を行う必要がある。しかし、曲率半径
Rを大きくすると摩耗速度も遅くなるめ、テープ摺動面
形状がテープ変形になじむまでに長時間を要する。従っ
て、曲率半径Rを大きくすると、良好なテープ当接が得
られるまでに長時間を要することになる。
【0013】馴らし走行時間を短くするには、磁気ヘッ
ドのテープ摺動面形状、磁気ヘッドの組立、及び回転ド
ラムの加工等の精度を上げるか、曲率半径Rを小さくし
て磁気ヘッドを摩耗しやすくすればよい。しかし、摺動
面形状や組立加工等の精度には限界があり、また精度を
得るためには各種微調整等に時間を要する。その結果、
効率が悪くなり歩留まりも低下するため、精度を上げる
ことは量産には適さない。また、曲率半径Rを小さくす
ると、摩耗寿命が短くなるという問題がある。
【0014】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決し、短時間の馴らし走行で良好な記録再生
特性が得られ、且つ長寿命の磁気ヘッドを提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明は、磁気ヘッドの磁気テープとの摺動面のヘッ
ド走査方向の曲率半径Rを、ヘッドギャップ近傍では小
とし、ヘッドギャップから離れるに従って大とするよう
に構成する。
【0016】例えば、ヘッドギャップからの位置によ
り、磁気ヘッドの磁気テープとの摺動面の曲率半径Rを
異ならせるために、磁気テープ摺動面のヘッド走査方向
の磁気ヘッドの摺動面形状を略双曲線形状とするように
構成する。
【0017】この時、回転シリンダの高速回転により生
じる空気膜は、最初に磁気テープに当接する磁気ヘッド
の入側では厚く、反対側の磁気テープの出側では薄くな
る。すなわち、磁気ヘッドの入側よりも出側の方が摩耗
されやすい。そこで、磁気ヘッドの磁気テープとの摺動
面形状を示す双曲線の漸近線の傾き(a/b)を、最初
に磁気テープに当接する入側では小とし、反対側の磁気
テープの出側では大とするように構成しても良い。
【0018】但し、実用的に好ましい条件を示すと、曲
率半径R=3mmより小さい場合には、摩耗寿命が著し
く短くなり、逆にR=10mmより大きい場合には、磁
気ヘッド摺動面の研削が短時間では困難となる。更に、
R=20mmより大きい場合には、磁気ヘッドと磁気テ
ープ間のスペーシングロスが増加し、良好なテープ当接
が得られない。等の理由により、ヘッドギャップ近傍の
磁気テープ摺動面のヘッド走査方向の曲率半径R1を、 3mm ≦ R1 ≦ 10mm 磁気テープ摺動面のヘッド走査方向の磁気ヘッド端近
傍、すなわち、磁気ヘッドとテープとの摺動端部の曲率
半径R2を、10mm ≦ R2 ≦ 20mm
とすることが望ましい。この時、磁気ヘッドは、その主
磁気回路を金属磁性膜、或いは高透磁率を有するフェラ
イト材で構成する等、特に限定するものではない。
【0019】また、磁気ヘッドと磁気テープとの摺動面
の幅Wは、W=50μmより小さい場合には磁気ヘッド
の磁気テープとの摺動面の強度が弱くなり、テープ走行
中にゴミ等の影響でヘッドの破損が生じてしまう。逆
に、W=100μmより大きい場合には、摩耗寿命に関
しては有利であるが、検討によると、磁気テープの剛性
の違いにより良好なテープ当接が得られない等の問題が
ある。等の理由により、実用的に好ましくは、50μm
≦ W ≦ 100μm とする。
【0020】更に、ヘッド走査方向の曲率半径Rが、ヘ
ッドギャップ近傍では小で、ヘッドギャップから離れる
に従って大となる放物線形状、或いは楕円形状となるよ
うに磁気ヘッドの摺動面形状を構成してもよい。
【0021】
【作用】本発明の磁気ヘッドにおける曲率半径Rの作用
を、図1を用いて説明する。同図は、曲率半径Rが、ヘ
ッドギャップ近傍では小でヘッドギャップから離れるに
従って大となるような例えば双曲線形状とした場合と、
曲率半径Rを一定とした場合との、ヘッド走査方向のテ
ープとの摺動面形状の比較を模式的に示す磁気ヘッドの
横断面図である。但し、同図において、双曲線で表した
本発明の摺動面形状を実線9で示し、単一曲率半径で表
した従来の摺動面形状を破線10で示す。
【0022】実線9で示す双曲線は、磁気ギャップ面方
向をY軸、テープ摺動方向をX軸とした場合、下記
(2)式で表わされる。
【0023】
【数2】
【0024】ここで、a及びbは双曲線の形状を決定す
る定数であり、双曲線の二つの漸近線 Y=±(a/b)・
X の交点(X,Y軸の原点)からヘッド頂点3(ヘッ
ドギャップ)までの距離がaとなる。そして、原点から
双曲線の焦点fまでの距離をcとすると、0<a<c
及び c2=a2+b2 の関係にある。
【0025】図1において、実線9で示す双曲線で表し
た摺動面形状と、破線10で示す単一曲率半径で表され
る従来ヘッドの摺動面形状とは点A,A’で交差する。
従って、双曲線形状の磁気ヘッドは、単一曲率半径形状
の従来の磁気ヘッドに対し、図1の斜線部1s,2s,
1s’,2s’で示す横断面形状の相違を得る。
【0026】磁気ギャップ面の長さGdの摩耗量ΔGd
は、摺動幅を同一とすれば(1)式から明らかなよう
に、摩耗体積Vに比例する。すなわち、摩耗量ΔGd
は、図1に示した磁気ヘッドのテープ摺動部の断面積に
比例する。また、テープ走行初期ではヘッドギャップ近
傍にのみテープが当接し、走行するにしたがってテープ
が摺動面全体に当接するようになる。
【0027】この時、図1に示すようにテープ走行初期
においては、破線10の従来の磁気ヘッドの方が、実線
9より横断面積が1s,1s’だけ大きいため、従来ヘ
ッドの方が摩耗速度が遅くなる。そして、走行するにし
たがって研磨され、点A,A’まで摩耗されると、テー
プ走行初期とは逆に破線10より実線9の方が、横断面
積が2s,2s’だけ大きいため、本発明の双曲線形状
の磁気ヘッドの方が摩耗速度が遅くなる。
【0028】すなわち、従来の単一曲率半径形状ヘッド
に比べてテープとの摺動面形状を双曲線とした本発明の
磁気ヘッドは、テープ走行初期においては摩耗速度は速
く、走行するにしたがって摩耗速度は遅くなる。これに
より、短時間の馴らし走行で安定なヘッドテープコンタ
クト状態が得られ、且つ走行にしたがい摩耗速度が遅く
なるので長寿命の磁気ヘッドが得られる。
【0029】従って、磁気ヘッドのテープ摺動面の曲率
半径が、例えば双曲線のようにヘッドギャップ近傍では
小さく、ギャップから離れるにしたがって連続的に大き
くなるように構成する。これにより、短時間で良好な記
録再生特性が得られ、且つ磁気ヘッドの長寿命化も実現
可能となる。
【0030】また、磁気ヘッドの磁気テープとの摺動面
形状を示す双曲線の漸近線の傾き(a/b)を、初めに
磁気テープに当接する入側では小とし、反対側の磁気テ
ープの出側では大とするように構成する。これにより、
磁気テープの入側よりも出側の方が耐摩耗特性は大とな
り、磁気テープの入側と出側でのシリンダの回転により
生じる空気膜の厚さの違いによるヘッド摩耗量の差は抑
制される。従って、磁気テープの入側と出側とで磁気ヘ
ッドは略均一に摩耗され、記録再生特性が安定した磁気
ヘッドを得ることが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、図面に示した実施例を参照して、本発
明に係る磁気ヘッドを更に詳細に説明する。
【0032】〈実施例1〉図1は、磁気ヘッドの摺動面
形状を説明するための本発明の磁気ヘッドの要部横断面
を模式的に示した図で、例えば、図4に示す金属磁性膜
で主磁気回路を構成した磁気ヘッドでの線分X−X’の
横断面図である。
【0033】図4は、磁気テープ摺動面側から見た正面
図であり、2は保護及び接着剤、3は磁気ギャップ(作
動ギャップ)、5,5´は磁性基板材、6は金属磁性
膜、7はコア基体の突起部、8A,8Bは対をなすコア
半体である。
【0034】各コア半体8A,8Bは、それぞれフェラ
イト材よりなる磁性基板材5,5´と、磁性基板材5,
5´の突合せ面側に被着形成した金属磁性膜6とを備え
ており、各磁性基板材5,5´の突合わせ面側には、略
山形を呈する突起部7が機械加工によって形成されてい
る。尚、本発明で云う略山形とは、先端に行くに従って
漸次先細になる突起を示しており、図4の例では、逆V
字形の尖角山形突起であるが、尖角山形突起の頂上部が
平坦な形状もこれに含まれる。この突起部7の形成面側
に、金属磁性膜6が真空薄膜作成技術によって所定の膜
厚形成されており、また、突起部7の頂部において金属
磁性膜6はトラック幅Twを規定する平坦部をもつもの
となっている。
【0035】そして、この金属磁性膜6の平坦部同志を
ギャップ規制膜(非磁性薄膜)を介して突合せ、接合し
て磁気ギャップ3を形成すると共に、低融点ガラス等の
保護材2によって、コア半体8A,8Bを接合、一体化
した構造となっている。なお、コア半体8A,8Bの少
なくとも一方には、図2の斜視図に示すように巻線用窓
4が形成されており、この巻線用窓を利用してコイルが
巻回されている。
【0036】このような金属磁性膜で主磁気回路を構成
した磁気ヘッドは、図2に示すように、摺動面1で磁気
テープと当接して情報信号の記録再生を行う。この摺動
面1の幅Wは、良好なテープ当接が得られるように、例
えば70μmに設定している。
【0037】また、この摺動面1のヘッド摺動方向の曲
率半径Rを、ヘッドギャップ近傍では小とし、ヘッドギ
ャップから離れるに従って大とするように、磁気ヘッド
の摺動面を双曲線形状としている。本実施例では、例え
ば上記した(2)式においてa≒10μm、b≒c≒2
50μm としたときの双曲線形状としている。これに
より、ヘッドギャップ近傍の曲率半径 R1≒8mm 、
磁気ヘッド端近傍の曲率半径 R2≒15mm となる。
【0038】また、ヘッド摺動方向に直交する方向(摺
動幅W方向)の形状は摺動幅方向の摩耗体積が小さいた
めに摩耗寿命には直接影響しない。したがって、従来ヘ
ッドと同じ単一曲率半径R’で表される形状でもよく、
検討の結果、良好なテープ当接が得られるのは曲率半径
が 0.5mm≦R’≦5mm の範囲内であれば良い。
そこで、本実施例では例えば、曲率半径 R’=2mm
となるように加工されている。そして、以上のように摺
動面形状を加工した磁気ヘッドは、シリンダ上にヘッド
先端がシリンダ表面から例えば50μmとするように突
出して取り付けられている。
【0039】以上述べたように磁気ヘッドを摺動面形状
加工することにより、磁気テープ走行初期においては、
単一曲率半径 R=8mm の磁気ヘッドと同程度の速さ
で摩耗される。そして、走行経過と共に曲率半径Rは大
となり、摩耗速度は低下していく。従って、短時間のテ
ープ走行で良好なテープ当接が得られるため、安定した
記録再生特性が得られる、と共に長寿命の磁気ヘッドを
得ることができる。
【0040】以上説明した構成の本発明による磁気ヘッ
ドの走行摩耗特性を、単一曲率半径の従来の磁気ヘッド
と対比して、図3に示す。但し、従来の磁気ヘッドは、
単一曲率半径 R=10mm とし、シリンダからの突出
し量、摺動面幅Wや磁気ヘッドの構成材料は、本発明に
よる磁気ヘッドと同一とした。また、この時のテープと
ヘッドの相対速度は、VHS−VTR相当の5.8m/
sとした。
【0041】同図より明らかなように、磁気ヘッドとし
て動作する限界の摩耗量ΔGd=18μmとなるまでの
テープ走行時間は、従来ヘッドの約3200時間に対
し、本実施例のヘッドでは約4000時間となる。従っ
て、本実施例のヘッドは、従来ヘッドに比べて、約25
パーセント程度長寿命となる。
【0042】また、テープ走行時間1400時間以下で
は、本実施例のヘッドの摩耗量ΔGdは、従来のヘッド
の場合に比べて大となる。これは、ヘッドギャップ近傍
の曲率半径が小のためであり、これによりヘッドがテー
プになじむまでの走行時間も短くなる。その結果、再生
包絡線検波出力信号の波形が良好となるまでの時間は、
従来ヘッドの約35時間に対し、本実施例のヘッドでは
約15時間であった。このように、本実施例のヘッド
は、従来ヘッドの場合の1/2以下の時間で良好な記録
再生特性を得ることができる。また、本実施例では単一
曲率半径R=10mmの従来ヘッドとの比較を示した
が、他の曲率半径の場合と比較しても、本発明の優位性
は明らかである。例えば、単一曲率半径R=8mmの場
合には、再生包絡線検波出力信号の波形が良好となるま
での時間は、本実施例の場合とほとんど同じである。し
かし、摩耗量ΔGd=18μmとなるまでのテープ走行
時間は、2400時間以下となり、長寿命に関して問題
がある。このように、単一曲率半径の磁気ヘッドでは、
短時間で記録再生特性を得ることと、長寿命化とを両立
させることは困難である。
【0043】〈実施例2〉以上述べた実施例は、初めに
テープに当接する入り側と、その反対側の磁気テープの
出側の磁気ヘッドの摺動面を同じ形状とする場合につい
て述べたが、本発明はこれに限るものではない。例え
ば、磁気ヘッドの摺動面形状を双曲線形状とし、その漸
近線の傾き(a/b)を磁気テープの入り側では小と
し、磁気テープの出側では大とするように構成する。
【0044】本実施例では、図7に示すように、磁気ヘ
ッドの摺動面を、例えば上記した(2)式において、磁
気テープの入り側では a≒10μm、b≒c≒250
μmとし、磁気テープの出側では a≒10μm、b≒
c≒290μm としたときの双曲線形状としている。
【0045】VTRでは、回転シリンダは高速回転され
るため、その周辺には空気膜が発生する。この空気膜
は、最初に磁気テープに当接する磁気ヘッドの入側で
は、ヘッドがテープに突入する方向に動作するため厚く
なる。逆に、反対側の磁気テープの出側では、ヘッドが
テープから逃げる方向に動作するため空気膜は薄くな
る。そのため、磁気テープの入側よりも出側の方が摩耗
されやすいことになる。
【0046】本実施例による磁気ヘッドでは、摩耗しや
すい磁気テープの出側の曲率半径を磁気テープの入り側
に比べて大としており、磁気テープの入り側と出側での
摩耗量のバラツキを抑制している。その結果、再生包絡
線検波出力信号の波形が良好となるまでのテープ走行時
間や磁気ヘッドの長寿命化に関しては、実施例1の場合
とほとんど同じ性能を確保し、更に実施例1の場合より
も安定した再生包絡線検波出力信号を得ることができ
た。
【0047】〈実施例3〉以上述べた実施例は、磁気ヘ
ッドの摺動面を双曲線形状とした場合について述べたが
本発明はこれに限るものではない。例えば、磁気ヘッド
の摺動面を下記(3)式に示す放物線形状や、下記
(4)式に示す楕円形状の場合においても、本発明は適
用可能である。
【0048】
【数3】
【0049】(但し、磁気ギャップ面方向をY軸、テー
プ摺動方向をX軸とするため、一般の放物線の方程式の
xとyを入れ替えている。)
【0050】
【数4】
【0051】例えば、磁気ヘッドの摺動面を(3)式に
おいてp=5(mm)の放物線形状とする。或いは、
(4)式においてb=10(mm)とし、aを10(mm)
よりも若干大とした楕円のうち、Y軸上の頂点が磁気ヘ
ッドの摺動面のヘッドギャップ位置となるような楕円形
状とする。
【0052】これにより形成された磁気ヘッドの摺動面
の曲率半径Rは、ヘッドギャップ近傍ではR1=10m
mであり、ヘッドギャップから離れるに従って大となっ
ている。従って、磁気テープ走行初期においては、単一
曲率半径 R=10mm の磁気ヘッドと同程度の速さで
摩耗される。そして、走行経過と共に曲率半径Rは大と
なり、摩耗速度は単一曲率半径 R=10mm の磁気ヘ
ッドよりも低下していく。
【0053】すなわち、本実施例においても、実施例1
には若干劣るものの、短時間のテープ走行で良好な再生
検波出力信号が得られ、且つ長寿命な磁気ヘッドが得ら
れると云う、実施例1と同様な効果を得ることができ
た。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように本発明により、所期の
目的を達成することができた。すなわち、短時間のテー
プ走行で良好な再生包絡線検波出力信号が得られ、且つ
耐摩耗特性を良好なものとすることができる。従って、
良好な記録再生特性を短時間で確保し、且つ長寿命化を
実現した磁気ヘッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明用、及び実施例となる磁気ヘ
ッドの摺動面形状を説明するための磁気ヘッド要部の横
断面図。
【図2】同じく磁気ヘッドの要部斜視図。
【図3】同じく磁気ヘッドの摩耗特性図。
【図4】同じく磁気ヘッドの摺動面の正面図。
【図5】従来の磁気ヘッドの摺動面形状を示す平面図。
【図6】従来の磁気ヘッドの摺動面の正面図。
【図7】本発明の他の実施例となる磁気ヘッドの摺動面
形状を示す断面図。
【符号の説明】
1…摺動面 2…保護及び接着材 3…磁気ギャップ 4…巻線窓 5,5′…磁性基板材 6…金属磁性膜 9…双曲線形状 10…単一曲率半径形状。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転シリンダに搭載し、所定の相対速度で
    磁気テープと摺動して情報信号の記録再生を行なう磁気
    ヘッドであって、 磁気テープとの摺動面のヘッド走査方向の曲率半径R
    を、ヘッドギャップ近傍では小とし、ヘッドギャップか
    ら離れるに従って大とするように構成して成る磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】磁気テープ摺動面のヘッド走査方向の磁気
    ヘッドの先端形状を略双曲線形状として成る請求項1記
    載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】磁気ヘッドの磁気テープとの摺動面形状を
    示す双曲線の漸近線の傾き a/bを、最初に磁気テー
    プに当接する入側では小とし、反対側の磁気テープの出
    側では大として成る請求項1もしくは2記載の磁気ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】磁気テープ摺動面のヘッド走査方向の磁気
    ヘッドの先端形状を略放物線形状として成る請求項1記
    載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】磁気テープ摺動面のヘッド走査方向の磁気
    ヘッドの先端形状を略楕円形状として成る請求項1記載
    の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】ヘッドギャップ近傍の磁気テープ摺動面の
    ヘッド走査方向の曲率半径R1を、 3mm ≦ R1 ≦ 10mm
    と成し、 磁気テープ摺動面のヘッド走査方向の磁気ヘッド端近傍
    の曲率半径R2を、 10mm ≦ R2 ≦ 20mm として成る請求項1乃至5何れか一に記載の磁気ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】ヘッド走査方向の磁気テープ摺動面の幅W
    を 50μm ≦ W ≦ 100μm として成る請求項1乃至6何れか一に記載の磁気ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】逆V字状の山形突起形状を有し磁気回路を
    構成する一対の金属磁性膜が非磁性材を介してその突起
    部において互いに突き合わせて成り、逆V字状の形状の
    断面部分が磁気テープ対向面に露出し、一対の金属磁性
    膜の突起部の先端は互いに並行で且つヘッド走査方向に
    略直角な平面であり、この平面と磁気テープ対向面との
    交線で示される平面の幅はトラック幅に対応し、少なく
    とも一方の金属磁性膜はコイル巻線窓を有し、且つ金属
    磁性膜は逆V字状に対応する形状の突起部を有する磁性
    基板材上に形成されて成る請求項1乃至7何れか一に記
    載の磁気ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001037268A1 (fr) * 1999-11-15 2001-05-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede d'enregistrement sur un support d'enregistrement magnetique
US6922310B2 (en) 2002-10-15 2005-07-26 Alps Electric Co., Ltd. Rotary head apparatus with magnetic head having convex curve and magnetic playback apparatus using the same
US8032050B2 (en) 2006-10-27 2011-10-04 Ricoh Company, Ltd. Charge assembly and image formation apparatus including the same

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