JPH08308790A - 立体内視鏡装置 - Google Patents

立体内視鏡装置

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JPH08308790A
JPH08308790A JP7140061A JP14006195A JPH08308790A JP H08308790 A JPH08308790 A JP H08308790A JP 7140061 A JP7140061 A JP 7140061A JP 14006195 A JP14006195 A JP 14006195A JP H08308790 A JPH08308790 A JP H08308790A
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JP
Japan
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half mirror
image
image pickup
mirror surface
angle
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Application number
JP7140061A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Fukuyo
恒雄 福与
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINKO KOKI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
SHINKO KOKI SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内視鏡の挿入部の先端部分に単一の観察窓を
設けた状態で、体腔内等の像を立体視可能な状態にして
撮影できるようにする。 【構成】 挿入部30には、対物レンズ37を装着した
単一の観察窓34が設けられ、その内視鏡観察像はリレ
ーレンズ群38により伝送されて、ペンタプリズム26
に入射される。ペンタプリズム26のハーフミラー面2
6bの後方位置には、第1の結像レンズ40Rが設けら
れ、この第1の結像レンズ40Rの結像位置に第1の固
体撮像素子41Rが配置され、また、ハーフミラー面2
6bからの反射光は全反射面26cで反射して、透過面
26dを介して第2の結像レンズ40Lに入射され、そ
の結像位置に第2の固体撮像素子41Lが配置されてい
る。ペンタプリズム26は、そのハーフミラー面26b
が接眼レンズ39からの入射光路の光軸に対して115
°の角度状態から、角度θだけ傾けて、両固体撮像素子
41R,41Lの間に視差角Δを持たせている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体腔内の検査や診断等
を行うための内視鏡において、体腔内の観察像を立体視
できるようにした立体内視鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体腔内の検査を行う内視鏡として、CC
Dその他の撮像手段を用いて、体腔内の映像を撮影し
て、モニタに表示するようにした電子内視鏡が広く用い
られている。また、2台の撮像手段を用いて、所定の視
差角を持った2種類の画像を取得し、それらを交互にモ
ニタに時分割表示を行い、この2種類の画像の切り換え
に連動させて、左右の液晶シャッタが交互に開閉する立
体視用眼鏡を介してモニタを目視することによって、モ
ニタに表示されている体腔内像を立体的に観察できる構
成としたものも知られている。
【0003】従来技術による立体内視鏡装置の概略構成
を図1に示す。図中において、1は内視鏡であって、こ
の内視鏡1は、挿入部2の基端部に操作部3を連結して
設けたものである。挿入部2は金属の円筒体からなる外
套管2aからなり、この外套管2a内には多数の細径の
光ファイバからなるライトガイド4が、その内面に沿う
ように円環状に挿通されており、このライトガイド4は
図示しない光源装置に接続されて、光源装置からの照明
光により体腔内の照明がなされる。
【0004】ライトガイド4の内側には、挿入部2の先
端部に2つの観察窓5R,5Lが設けられており、これ
ら各観察窓5R,5Lには一対の対物レンズ6R,6L
が装着されている。これら対物レンズ6R,6Lに入射
された体腔内の像はリレーレンズ群7R,7Lにより操
作部3内にまで伝送される。リレーレンズ群7R,7L
の端部には、それぞれ2組の反射ミラー8R,8Lが対
面した設けられ、これら反射ミラー8R,8Lによっ
て、光路が引き回される。さらに、このようにして引き
回された光路には、結像レンズ9R,9Lが臨み、これ
ら結像レンズ9R,9Lの結像位置には、撮像手段とし
て、CCD等からなる固体撮像素子10R,10Lが配
置されている。
【0005】以上のように構成することによって、固体
撮像素子10R,10Lで光電変換することによって、
体腔内における映像信号が生成されるが、これら固体撮
像素子10R,10Lに蓄積された信号電荷は、プロセ
ッサ11に伝送されて、所定の信号処理を行うことによ
って、カラー映像信号が生成されて、モニタ12に表示
される。ここで、対物レンズ及びそれからの光学系、さ
らに固体撮像素子は左右一対設けられおり、観察窓5R
による観察視野Rと観察窓5Lによる観察視野Lとの間
にはずれがあるために、実質的に左右の目で見た状態と
実質的に同様の視差角が生じる。
【0006】プロセッサ11においては、図2に示した
ように、固体撮像素子10R,10Lからの信号は、そ
れぞれ信号処理部13R,13Lで所定の信号処理を行
った上で、A/D変換器14R,14Lによってデジタ
ル信号に変換されて、画像メモリ15R,15Lに記憶
させる。そして、この画像メモリ15R,15Lからの
出力信号はD/A変換器16R,16Lでアナログ信号
に変換されて、モニタ12に表示されるが、D/A変換
器16R,16Lの出力側にはスイッチ17が設けられ
ており、このスイッチ17によって、モニタ12に表示
される映像の切り換えが行われる。これによって、固体
撮像素子10Rによる観察視野Rの画像と、固体撮像素
子10Lによる観察視野Lの画像、即ち右目で見た時の
画像と左目で見た時の画像とが時分割的に交互に表示さ
れる。
【0007】モニタ12に表示されている映像を目視す
るには、立体視用液晶眼鏡18を着用する。立体視用液
晶眼鏡18は、左右の眼鏡枠に液晶シャッタ18R,1
8Lを装着したものである。液晶シャッタ18R,18
Lは、モニタ12に付設した赤外線エミッタ19からの
信号に基づいて交互に開閉されるようになっている。ま
た、赤外線エミッタ19はプロセッサ11におけるスイ
ッチ17に連動しており、観察窓5Rの右目観察視野R
がモニタ12に表示される際には、液晶シャッタ18R
が開き、液晶シャッタ18Lが閉じて、右目だけでモニ
タ12の画像が視認され、また観察窓5Lの左目観察視
野Lの左目画像がモニタ12に表示する際には、液晶シ
ャッタ18Lが開き、液晶シャッタ18Rが閉じて、左
目だけでモニタ12の画像を視認するようになる。従っ
て、この切り換えが繰り返されることによって、観察者
はモニタ12に表示した映像を3次元的に捉えることが
できる。
【0008】ところで、モニタ12においては、通常の
2次元表示の場合には、垂直走査周波数は60Hzで映
像が表示されるが、左右の目による2種類の画像を時分
割的に表示することから、フリッカ防止のために、2倍
の120Hzの垂直走査周波数を有するものが使用され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来技術による立体内視鏡装置にあっては、挿入部2には
左右一対の観察窓5R,5Lを設けなければならないこ
とから、この挿入部2の細径化には限度がある。例えば
関節鏡や上顎洞鏡等のように直径が5mm以下というよ
うな極細の挿入部2に2組の対物レンズ及びリレーレン
ズ群を組み込むのは極めて困難である。
【0010】また、観察窓5R,5L間で視差角を持た
せていることから、図1に斜線で示した部位が観察視野
R,Lが相互に重なり合わない部分となる。このよう
に、2つの視野の重ならない部位は立体視できない。こ
の視野の重ならない部分に何等の被写体がない場合には
格別問題とはならないが、例えば関節鏡において、大腿
骨や脛骨等の間から前方を観察する場合には、前方の部
位は3次元的に表示され、周辺部が2次元的に表示され
ることになり、モニタ12を観察する際に、目が非常に
疲れるという問題点もある。
【0011】さらに、観察視野R,L間における視差角
は、観察窓5R,5Lの位置関係と、それらに装着され
る対物レンズ6R,6Lに依存するために、モニタ12
に表示される映像は、それを観察する者の目の視差角に
対応する視差を持ったものとすることができない場合が
あり、特に遠近感が実際の像より間延びしたものとなる
等、観察上で違和感が生じる等といった欠点もある。
【0012】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、単一の観察窓によっ
て、3次元映像を取得できるようにすることにある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述した目的を達成す
るために、本発明は、挿入部に単一の観察窓を設け、こ
の観察窓からの観察像を光学手段により伝送するように
なし、この光学手段からの光路にハーフミラー面を臨ま
せて、このハーフミラー面を透過する像を撮影する第1
の撮像手段と、ハーフミラー面で反射した像を反射面で
反射させた上で撮影する第2の撮像手段とをそれぞれ設
け、前記ハーフミラー面を所定の方向に傾けることによ
って、第2の撮像手段への入射光路を第1の撮像手段へ
の入射光路に対して非平行状態となし、これら両入射光
路の角度に相当する視差角を持った像を第1,第2の撮
像手段で撮影する構成としたことをその特徴とするもの
である。
【0014】
【作用】一般に、2台の撮像手段で被写体を撮影するに
は、観察窓からの入射光路の途中にハーフミラー面を介
在させて、第1の撮像手段によりハーフミラー面を透過
する像を撮影し、第2の撮像手段では、ハーフミラー面
からの反射光を再度全反射面で反射させた後に、第2の
撮像手段により像を撮影する。ここで、ハーフミラー面
上において、その透過光路の光軸中心と反射光路の光軸
中心とが同じ位置にあれば、ハーフミラー面の透過像
と、それからの反射像を全反射面に反射させて得た像と
は同じ像であり、従ってこれらの画像をモニタに交互に
表示しても、立体視できる映像にはならない。
【0015】そこで、ハーフミラー面を前述した透過光
路の光軸中心と反射光路の光軸中心とが一致する状態か
ら、所定の方向に傾斜させると、第1の撮像手段への入
射光路の光軸と第2の撮像手段への入射光路の光軸とが
非平行状態になり、その間に所定の角度を持つようにな
る。この両光軸間の角度が視差角となり、両撮像手段に
より撮像した像は視差角を持ったものとなる。そして、
画像をモニタに表示した時に、水平方向、即ち左右方向
に視差角を持つ方向に傾けることによって、これらの2
種類の画像を交互にモニタ上に表示して、従来技術で説
明したと同様の立体視用液晶眼鏡を介してモニタを観察
すれば、立体視が可能になる。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例につい
て説明する。まず、図3に本発明の基本原理について説
明する。
【0017】図中において、21は結像用光学系、22
はハーフミラー、23は全反射ミラー、24は第1の固
体撮像素子、25は第2の固体撮像素子である。今、結
像用光学系21からの入射光の光軸をaとした時に、ハ
ーフミラー22の透過光の光軸a1 は、光軸aの延長線
上にある。そして、ハーフミラー22がこの光軸aに対
して45°の角度に配置しておけば、このハーフミラー
22からの反射光の光路における光軸a2 は光軸a1
対して90°の角度を持つ。そして、全反射ミラー23
をハーフミラー22の光軸a2 に対して45°の角度に
配置したとすると、この全反射ミラー23によって光軸
2 がさらに90°曲折して、光軸a3となる。
【0018】第1の固体撮像素子24を、結像用光学系
21による結像位置で、しかもその光軸中心がハーフミ
ラー22の透過光の光軸a1 と一致する状態に配置す
る。また、第2の固体撮像素子25も、結像用光学系2
1による結像位置であって、その光軸中心が光軸a3
一致する状態に配置しておく。この状態では、第1の固
体撮像素子24の視野と第2の固体撮像素子25の視野
とは全く同一になり、従って共に同じ画像が得られる。
【0019】今、ハーフミラー22をこの状態から、傾
動軸Tを中心として光軸aに対する傾きがより大きくな
る方向(またはより小さくなる方向であっても良い)に
傾動させて、仮想線で示した位置に変位させたとする。
たとえハーフミラー22の位置が変わっても、光軸a1
は影響を受けないから、第1の固体撮像素子24により
撮影される像は変わらない。しかしながら、ハーフミラ
ー22における反射角が変化するために、第2の固体撮
像素子25側から見ると、光軸a3 ,光軸a2は変わら
ないものの、光軸a2 のハーフミラー22に対する角度
が45°でなくなるために、その入射角と反射角との関
係から、第2の固体撮像素子25側の光軸中心位置の延
長線は、同図に仮想線で示したように、光軸Aにシフト
する。この光軸Aは光軸aに対して、所定の角度αを持
ったものであるから、第1の固体撮像素子24の視野と
第2の固体撮像素子25の視野とが角度αだけ傾くこと
になり、その間にこの角度α分の視差角が生じる。
【0020】ここで、光路を2つに分ける光学素子とし
て、ハーフミラー22と全反射ミラー23とを用いた
が、これに代えて、図4に示したペンタプリズム26を
用いても同様である。このペンタプリズム26は、その
入射面26aとは反対側の面がほぼ50%の光を透過さ
せ、50%の光を反射させるハーフミラー面26bとな
っている。ここで、このハーフミラー面26bは、入射
光路の光軸に対して115°の角度傾斜している。ハー
フミラー面26bからの反射光路には全反射面26cが
設けられている。この全反射面26cは、入射光路の光
軸に対して20°の角度を持ったものであり、従って全
反射面26cで反射する光は、入射光路の光軸に直交す
る方向に進行する。そして、この光路は、透過面26d
からペンタプリズム26を透過するようになる。さら
に、ハーフミラー面26bは光軸aに対して角度がある
ために、このハーフミラー面26bの透過光が歪むのを
防止するために、このハーフミラー面26bには三角プ
リズム27が接合されている。従って、全体としてはペ
ンタプリズム26と三角プリズム27との接合プリズム
28が形成される。
【0021】第1の固体撮像素子24の光軸はハーフミ
ラー面26bを透過光の光軸と、また第2の固体撮像素
子25の光軸はハーフミラー面26bの反射光の光軸と
一致させた状態に配置する。これによって、第1,第2
の固体撮像素子24,25の視野が一致して、同一の画
像が得られる状態となっている。この状態から、接合プ
リズム28を図4に矢印で示した方向に角度を持たせ、
ハーフミラー面26bを点線の位置に配置すれば、図3
の構成と同様に、この傾け角度に応じた視差角が得られ
る。
【0022】以上のように構成すれば立体視が可能であ
るが、これを内視鏡として組み込んだものを図5に示
す。図中において、30は挿入部、31は操作部であっ
て、挿入部30は、それぞれ金属等からなり、円筒形の
硬質パイプで形成した外管32a及び内管32bから構
成され、この外管32aと内管32bとの間に形成され
る円環状の部位は照明窓33となっており、内管32b
内の部位は観察窓34となっている。照明窓33には照
明用レンズ35が装着されており、この照明用レンズ3
5には、ライトガイド36の出射端が臨んでいる。ライ
トガイド36は細径の光ファイバを多数本円環状に配列
したものであって、このライトガイド36は操作部31
から外部に導出されて、図示しない光源装置に接続され
る。また、観察窓34には、対物レンズ37が装着され
ており、さらに内管32bの内部には複数のリレーレン
ズから構成したリレーレンズ群38が設けられている。
【0023】リレーレンズ群38によって、内視鏡観察
像が操作部31内にまで伝送されるが、このリレーレン
ズ群38の後方位置には、接眼レンズ39が対面して設
けられており、さらにこの接眼レンズ39の後方位置
に、ペンタプリズム26と三角プリズム27とからなる
接合プリズム28が配置されている。ここで、ペンタプ
リズム26は、入射面26aが接眼レンズ39からの光
路に臨むように配置されており、そのハーフミラー面2
6bの後方位置には、第1の結像レンズ40Rが設けら
れ、この第1の結像レンズ40Rの結像位置に第1の固
体撮像素子41Rが配置され、これら第1の結像レンズ
40R,第1の固体撮像素子41Rにより第1の撮像ユ
ニット42Rが構成される。また、透過面26dの後方
位置には、第2の結像レンズ40Lが、またこの第2の
結像レンズ40Lの結像位置に第2の固体撮像素子41
Lが設けられ、これら第2の結像レンズ40Lと第2の
固体撮像素子41Lとで第2の撮像ユニット42Lが構
成される。
【0024】内視鏡における観察用の各光学素子は以上
のように配置されるが、ペンタプリズム26は、そのハ
ーフミラー面26bが接眼レンズ39からの入射光路の
光軸に対して115°の角度状態から、角度θだけ傾け
られている。このように構成することによって、第1の
結像レンズ40Rと第1の固体撮像素子41Rからなる
第1の撮像ユニット42Rの光軸は、図5に仮想線で示
したA1 であるのに対して、第2の結像レンズ40L及
び第2の固体撮像素子41Lからなる第2の撮像ユニッ
ト42Lの光軸は、同図に仮想線で示したA2 となり、
光軸A2 は光軸A1 に対して傾くことになり、この角度
が両固体撮像素子41R,41Lの間における視差角Δ
となる。従って、これら2種類の画像信号を、図2と同
様の構成を有するプロセッサで信号処理を行って、交互
にモニタに表示するようになし、このモニタを立体視用
液晶眼鏡を用いて観察することによって、観察対象部の
像を立体像として3次元的に観察できる。
【0025】ここで、立体画像を得るために必要な視差
角Δを持たせるために、体腔内に挿入される挿入部30
に2つの観察窓を設ける必要がなく、単一の観察窓34
を設ければ良いことから、この挿入部30の細径化が図
られると共に、構造が極めて簡単になる。また、2つの
固体撮像素子41R,41Lは単一の観察窓34に装着
した対物レンズ37から得られる観察視野に基づく像が
結像されているから、両固体撮像素子41R,41Lの
観察視野はそのほぼ全体が重なり合うようになる。従っ
て、モニタに表示されている観察像全体が3次元的に把
握でき、部分的に2次元表示されるような部位がなくな
るので、全体像を明瞭に観察でき、目が疲れる等といっ
た不都合を生じることはない。
【0026】ここで、モニタに表示される立体像は、実
際の体腔内の立体的構成にできるだけ近いものでなけれ
ばならない。また、この体腔内の全体像において、例え
ば鉗子等を用いた処置を施す場合には、処置が施されて
いる部位の映像がより実際的に近い遠近感を持ち、かつ
明瞭に把握できる状態になっていなければならない。こ
のためには、ハーフミラー面26b(またはハーフミラ
ー22)を一方向だけに傾けるのではなく、図6に示し
たように、ハーフミラー面26bにおいて、XY直交2
軸を設定して、これらX軸回り及びY軸回りに傾動変位
させるようにすることによって、より実際的な立体像が
得られ、またこのハーフミラー面26bを軸線Xを中心
として適宜回転させる(θ調整)ことによって、必要な
部位を最も鮮明な映像がモニタに表示されるようにな
る。なお、ハーフミラー面26b(またはハーフミラー
22)の傾動軸であるXY直交2軸は、その光軸中心を
通るように設定する場合だけでなく、例えばX′軸,
Y′軸というように、光軸中心から離れた位置に傾動軸
を設定することも可能である。
【0027】なお、図5の構成において、接合プリズム
28に代えて、ハーフミラー22と全反射ミラー23と
を、入射光路に対して図3に示した位置関係に配置する
ことによっても、同様の立体像を取得できる。また、挿
入部31の前方に視野が得られるように対物レンズ37
を設ける構成としたが、挿入部の先端にプリズム等の光
路を曲折させる光学部品を装着すれば、側視乃至斜視に
よる視野が得られる。さらに、図5において、点線で囲
んだように、接合プリズム28(またはハーフミラー2
2と全反射ミラー23との組立体)と、第1,第2の撮
像ユニット42R,42Lとを一体に組み込んでアダプ
タとして構成し、このアダプタを内視鏡本体に着脱可能
に装着できるようにすれば、各種の内視鏡に接続でき
る。さらに、図5の光学素子において、観察像の伝送手
段としてリレーレンズ群を用いるように構成したが、こ
れに代えて細径光ファイババンドルからなるイメージガ
イドを用いることも可能である。このようにイメージガ
イドを用いれば、挿入部としては、金属パイプからなる
硬性鏡ではなく、挿入経路に沿って自在に曲がる軟性鏡
として構成することも可能である。また、接眼レンズ
は、この場合においては、観察像の伝達のための機能を
発揮するものであり、従って接合プリズムまたはハーフ
ミラーと全反射ミラーとの組立体の位置等によっては、
この接眼レンズを設ける必要はない。さらに、結像レン
ズは、ハーフミラー面の後側に配置したが、このハーフ
ミラーの前面側に配置すれば、1組だけ設ければ良くな
り、しかも固体撮像素子もハーフミラー面に近接させる
ことができ、特にアダプタとして構成する場合には、よ
りコンパクトな構成となる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、挿入部
に単一の観察窓を設けて、この観察窓からの光路にハー
フミラー面を臨ませて、このハーフミラー面を透過する
像を撮影する第1の撮像手段と、ハーフミラー面で反射
した像を反射面で反射させた上で撮影する第2の撮像手
段とをそれぞれ設け、ハーフミラー面を所定の方向に傾
けることによって、第2の撮像手段への入射光路を第1
の撮像手段への入射光路に対して非平行状態となし、こ
れら両入射光路の角度に相当する視差角を持たせるよう
に構成したので、体腔内等の像を立体視可能な状態にし
て撮影するために、単一の観察窓を設ければ良いことか
ら、挿入部の構成を著しく簡略でコンパクトなものとで
き、その細径化を図ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による立体内視鏡装置における内視鏡
の構成説明図である。
【図2】立体視を可能にするためのプロセッサの回路構
成図である。
【図3】単一の観察窓により立体像を取得するための原
理を示す説明図である。
【図4】立体視を可能とするための光学素子の他の例で
ある接合プリズムの構成説明図である。
【図5】本発明の一実施例の立体内視鏡装置を構成する
内視鏡の構成を示す説明図である。
【図6】ハーフミラー面の傾動方向を示す作用説明図で
ある。
【符号の説明】
11 プロセッサ 12 モニタ 13R,13L 信号処理部 14R,14L A/D変換器 15R,15L 画像メモリ 16R,16L D/A変換器 17 スイッチ 18 立体視用液晶眼鏡 21 結像用光学計 22 ハーフミラー 23 全反射ミラー 24,41R 第1の固体撮像素子 25,41L 第2の固体撮像素子 26 ペンタプリズム 26a 入射面 26b ハーフミラー面 26c 全反射面 26c 透過面 27 三角プリズム 28 接合プリズム 30 挿入部 31 操作部 33 照明窓 34 観察窓 37 対物レンズ 38 リレーレンズ群 39 接眼レンズ 40R 第1の結像レンズ 40L 第2の結像レンズ 42R 第1の撮像ユニット 42L 第2の撮像ユニット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内等の像を所定の視差角を持つよう
    に、一対の撮像手段で撮影して、これらの画像をモニタ
    に交互に表示することにより、体腔内の観察像の立体視
    を可能とするものにおいて、挿入部に単一の観察窓を設
    け、この観察窓からの観察像を光学手段により伝送する
    ようになし、この光学手段からの光路にハーフミラー面
    を臨ませて、このハーフミラー面を透過する像を撮影す
    る第1の撮像手段と、ハーフミラー面で反射した像を反
    射面で反射させた上で撮影する第2の撮像手段とをそれ
    ぞれ設け、前記ハーフミラー面を所定の方向に傾けるこ
    とによって、第2の撮像手段への入射光路を第1の撮像
    手段への入射光路に対して非平行状態となし、これら両
    入射光路の角度に相当する視差角を持った像を第1,第
    2の撮像手段で撮影する構成としたことを特徴とする立
    体内視鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記ハーフミラー面は前記光学手段から
    の光路をほぼ直交する2方向に分けるハーフミラーであ
    り、このハーフミラーからの反射光路に前記反射面を所
    定の角度を持って対向配設したことを特徴とする請求項
    1記載の立体内視鏡装置。
  3. 【請求項3】 前記ハーフミラー面及び反射面をペンタ
    プリズムに設ける構成としたことを特徴とする請求項1
    記載の立体内視鏡装置。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2の撮像手段からの映像を
    モニタに表示した時に、水平方向に所定の視差角を持つ
    ように前記ハーフミラー面を傾けるように構成したこと
    を特徴とする請求項1,請求項2または請求項3のいず
    れかに記載の立体内視鏡装置。
  5. 【請求項5】 前記モニタの垂直方向にも視差角を生じ
    させる構成としたことを特徴とする請求項4記載の立体
    内視鏡装置。
  6. 【請求項6】 前記ハーフミラー面を回転方向に位置調
    整可能な構成としたことを特徴とする請求項5記載の立
    体内視鏡装置。
  7. 【請求項7】 前記ハーフミラー面及び第1,第2の撮
    像手段は撮像ユニットとして、前記挿入部を備えた内視
    鏡本体に着脱可能に連結されるものであることを特徴と
    する請求項1記載の立体内視鏡装置。
  8. 【請求項8】 前記ペンタプリズムのハーフミラー面に
    前記第1の撮像手段とほぼ平行な透過面を有するプリズ
    ムを接合した接合プリズムで構成したことを特徴とする
    請求項3記載の立体内視鏡装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102973238A (zh) * 2012-12-16 2013-03-20 天津大学 一种用于内窥镜装置的立体镜头
WO2013179855A1 (ja) * 2012-05-29 2013-12-05 オリンパス株式会社 立体視内視鏡システム
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WO2017111246A1 (ko) * 2015-12-24 2017-06-29 주식회사 연시스템즈 입체 이미지를 촬영하기 위한 단안식 복강경

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