JPH08308203A - ステッピングモータ - Google Patents

ステッピングモータ

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Publication number
JPH08308203A
JPH08308203A JP26197595A JP26197595A JPH08308203A JP H08308203 A JPH08308203 A JP H08308203A JP 26197595 A JP26197595 A JP 26197595A JP 26197595 A JP26197595 A JP 26197595A JP H08308203 A JPH08308203 A JP H08308203A
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JP
Japan
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yoke
stator
stepping motor
magnetic pole
comb
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Application number
JP26197595A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Watanabe
和幸 渡辺
Hirofumi Nakano
廣文 中野
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率で加工可能なステッピングモータを提
供すること 【解決手段】 多極着磁された永久磁石からなるロータ
部4と同軸上で対向するように複数個の櫛歯状磁極部5
b,6b,7b,8bを有するステータヨーク5,6,
7,8を配設し、さらに、そのステータヨークの櫛歯状
磁極部の外周囲には、励磁コイル9を装着し、かつ、励
磁コイル,ステータヨークをフレームヨーク10で囲繞
することによりステッピングモータが構成される。ステ
ータヨークをSi添加量が2wt%以下のFe−Si系
合金でプレス加工により形成し、フレームヨークをSi
添加量が1wt%以下のFe−Si系合金で絞り加工に
より形成する。Si添加量を制御することにより、加工
を可能とし、交流磁場での渦電流の発生を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PM型のステッピ
ングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ステッピングモータには、省電力
化、高出力化の要求がなされている。ところで従来のス
テッピングモータは、ステータヨークやフレームヨーク
を、電磁軟鉄板(SUY),冷間圧延鋼板(SPC),
亜鉛メッキ鋼板(SEC)等を用いて構成している。し
かし、これら各種の材料は、直流磁場特性は良好なもの
の、実際のモータの駆動時における交流磁気特性は悪い
ことがわかった。すなわちこれらの鋼材は、変動磁場中
では電気抵抗率が低いため、多くの渦電流が発生し、そ
の結果鉄損が著しく大きくなる。そしてこれは駆動周波
数が高くなるほど顕著となる。従って、効率が低下する
原因となり、OA機器の電池駆動にともなう、ステッピ
ングモータの効率向上の要求を満たすためのネックとな
っている。
【0003】そこで、従来係る問題を解決するため、例
えばステータヨークやフレームヨークにケイ素鋼板やソ
フトフェライトを用いるもの(実開平3−10407
7,実開昭62−135577等)や、ステータヨーク
の一部(渦電流の流路)に貫通孔を設けるもの(特開平
3−283049)等、種々の提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のステッピングモータでは、それぞれ以下に示す
問題を有し、いずれも渦電流による効率低下の問題を十
分に解消することはできなかった。
【0005】すなわち、一般に用いられるケイ素鋼板の
場合には、ヨーク材として使用される上記SUYやSP
Cと比べて曲げ加工や絞り加工が困難であり、実用化さ
れていない。
【0006】また、ソフトフェライトを用いた場合に
は、SUYやSPCに比べて飽和磁束密度が1/3以下
と低く十分な出力トルクが得られないばかりか、曲げ加
工ができないとともに機械強度も弱く、しかも寸法精度
が粗くなるという問題がある。
【0007】さらにまた、貫通孔を設ける構成のもので
は、貫通孔を形成するにつれて出力トルクが減少すると
いう傾向があり、しかも、加工工程が増えるとともにコ
スト高となる。さらに、貫通孔は櫛歯状磁極部以外の部
位に形成されるが、櫛歯状磁極部以外では磁束の変化が
少なく、もともと渦電流損が小さいために貫通孔を形成
した効果がさほどあらわれない。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、渦電流の発生を可及的に抑制し、高効率で安定し
た特性が得られるとともに大きなトルクが得られ、しか
も加工性も良好なステッピングモータを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係るステッピングモータでは、多極着磁
された永久磁石からなるロータ部と、前記ロータ部と同
軸上で対向するように設けられた複数個の櫛歯状磁極部
を有するステータヨーク部と、前記ステータヨーク部の
前記櫛歯状磁極部の外周囲に装着した励磁コイルと、前
記励磁コイル並びに前記ステータヨーク部を囲繞する筒
状のフレームヨーク部とを備えたステッピングモータを
前提とし、所定のヨークにFe−Si系合金を用いて構
成することにより、渦電流の発生を抑制するようにし
た。
【0010】そして、Fe−Si系合金の場合、Siの
添加量を多くし過ぎると加工性が悪くなる。そこで各ヨ
ークの加工方法の相違に基づき、折り曲げ加工で行うス
テータヨークの場合には、Siの添加量が2.0wt%
以下のFe−Si系合金を用いるようにした(請求項
1)。また、絞り加工で行うフレームヨークの場合に
は、Siの添加量が1.0wt%以下のFe−Si系合
金を用いるようにした(請求項2)。
【0011】そして、係るFe−Siを用いて形成する
ヨークは、少なくとも1つのヨークについて行われれば
良い。すなわち、ステータヨーク部の一部または全部に
使用しても良く、また、フレームヨーク部の一部または
全部に使用しても良い。但し、特性の向上のためには、
すべてのヨークをFe−Si系合金で使用するのが好ま
しい(請求項3)。
【0012】さらに、特性の向上を図るためには、ステ
ータヨークをFe−Siを用いて構成し、フレームヨー
クをFe−Cr系合金で構成するのがよい(請求項
4)。ここでCrの含有量としては、10〜20wt%
としているが、これは、10wt%未満であると、錆が
発生してしまい長期にわたって使用することができなく
なるからである。また、20wt%より大きくすると、
剛性が増し、加工が困難となるためである。
【0013】次に、上記の作用について説明する。ヨー
クに所望の組成比からなるFe−Si系合金を用いるた
め、電気抵抗率ρがSUYやSPCと比べ、2〜4倍と
高くなる。そして、渦電流はヨークの電気抵抗率に反比
例するため、本発明のステッピングモータでは、例え
ば、モータ駆動中、交流磁場が生じているとき渦電流の
発生が可及的に抑制される。その結果、損失が少なくな
り、低消費電力のステッピングモータが実現できる。そ
して、このように渦電流を流れにくくすることから、渦
電流による逆磁場も減少し入力電流を一定とすると総磁
束量が増加し、出力トルクが増大する。換言すれば、同
一出力トルクを得るためには、励磁コイルに流す電流も
少なくてすみ、その結果銅損も低減できる。このように
鉄損並びに銅損が低減すると、それにともないモータ自
身の発熱も低く抑えられる。
【0014】さらに、各ヨークの形状及びそれを製造す
る際の加工方法に着目し、それぞれ加工可能なSiの最
大添加量を定めたので、その範囲内の添加量であれば、
折り曲げ加工や絞り加工が行えるため、従来の加工設備
をそのまま用いて所望形状からなるヨークを製造するこ
とができる。
【0015】また、Fe−Cr系合金の電気低効率は6
0μΩcmで、Fe−Si系合金のそれ(25μΩc
m)よりも大きくなる。従って、Fe−Si系合金に替
えてFe−Cr系合金を用いると、渦電流をさらに抑え
ることができ、効率並びにトルクが向上する。また、F
e−Cr系合金は、Fe−Si系合金に比べて剛性も小
さいので、加工性も良好で深絞り加工も容易に行える。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るステッピング
モータの好適な実施例を添付図面を参照にして詳述す
る。図1,図2は本発明に係るステッピングモータの第
1の実施の形態を示している。同図に示すように、シャ
フト1の周囲に連結部材2を介して筒状の永久磁石3が
固着一体化されてロータ4が形成されている。この永久
磁石3の外周囲は、円周方向に多極分割着磁されてい
る。
【0017】そして本例では2相タイプのステッピング
モータであるため、上記ロータ4の周囲には、第1〜第
4のステータヨーク5〜8が同心円状に配置されてい
る。具体的には、第1,第2のステータヨーク5,6で
第1相を構成し、第3,第4のステータヨーク7,8で
第2相を構成している。そして、各ステータヨーク5〜
8は、平板のリング状のフランジ部5a〜8aの内周囲
を、所定方向に90度折り曲げることにより、櫛歯状磁
極部5b〜8bを形成している。この対となるステータ
ヨーク(5と6,7と8)は、ともに、櫛歯状磁極部
(5bと6b,7bと8b)の先端側を向い合わせると
ともに、互いの櫛歯状磁極部の各歯の未形成部位に挿入
配置する。そして、第1相側と第2相側の電気角は90
度ずれるようにする。
【0018】さらに、このステータヨーク対(5と6,
7と8)の外周囲に、コイルボビン9aに巻き付けたコ
イル部9bからなる励磁コイル9を装着する。これによ
り、励磁コイル9は、フランジ部(5aと6a,7aと
8a)間に介在する。
【0019】そして、上記ロータ4,ステータヨーク5
〜8並びに励磁コイル9を囲繞するように、その外周囲
に同心円上に有底のカップ状のフレームヨーク10を配
置する。換言すれば、フレームヨーク10内に上記各部
品を挿入配置する。その状態で、フレームヨーク10の
開放側をキャップ11で被覆する。
【0020】なお、シャフト1の両端は、フレームヨー
ク10の底面中央に形成された透孔10aとキャップ1
1に形成した透孔11aにそれぞれ挿入され回転可能に
軸受け支持され、キャップ11側のシャフト1の端部は
透孔11a内を貫通して所定長さ分だけ外部に突出し、
出力軸として機能する。なおまた、キャップ11の外側
面には、ステッピングモータを他の装置の所定位置に固
定するためのフランジ12が一体に形成されている(図
1参照)。なお、上記した各部品の形状構成は、従来の
ものと基本的に同じであるので、各部についての詳細な
説明は省略する。そして、本例では、ロータ部,ステー
タヨーク部,フレームヨーク部がそれぞれ独立した部品
で形成される。
【0021】ここで本発明では、上記4つのステータヨ
ーク5〜8をいずれも所定の組成比(曲げ加工可能でし
かも特性が良好となるSi添加量2.0%)からなるF
e−Si系合金を用いて形成している。さらに、本実施
の形態では、Si添加量を少なくすると、絞り加工が可
能となるので、フレームヨーク10も所定の組成比(絞
り加工可能でしかも特性が良好となるSi添加量1.0
%)からなるFe−Si系合金を用いて形成している。
【0022】これにより、モータ駆動中の交流磁場にと
もないヨーク中で発生しようとする渦電流を可及的に抑
制することができ、効率が向上する。換言すれば、同一
出力トルクを得るためのステッピングモータは、本発明
品を用いることにより、効率向上分だけ小型化を図るこ
ともできる。そして、加工性はSi添加量を調整するこ
とにより従来のFe系合金を用いて形成したヨークと何
等変わらないものとすることができるので、プレス加工
等を行うに際し同一の金型,プレス装置を用いて製造す
ることができる。
【0023】本発明の効果を実証するため、Siの添加
量と加工の可否の相関関係を調べた。その結果を表1に
示す。下記表1から明らかなように、折り曲げ加工(9
0度折り曲げる)の場合にはSi添加量が2wt%まで
は加工が可能で、2.5wt%添加すると、亀裂が発生
した。また、絞り加工の場合にはSi添加量が1.0w
t%までは加工が可能で、2.0wt%添加すると亀裂
が発生し、さらにSi添加量を2.5wt%にすると、
破断する。
【0024】
【表1】 また、このことは下記表2に示す、Si添加量に対する
機械特性の傾向と一致する。すなわち、この表2は、S
iの添加量に対する引っ張り強度,伸び率,硬さの相関
を示す表で、本データは、「METALS HANDBOOK VOL.1 8t
h EDITION 」(AMERICAN SOCIETY FOR METALS )から引
用したもので、添加量が増加するほど伸び率が低くなる
ので絞り加工しにくくなり、また硬さも増すので亀裂な
どが発生しやすくなる。そして、実験の結果、加工可能
な臨界点が上記表1に示す点となる。
【0025】
【表2】 なお、上記した実施の形態では、全てのヨークを所定の
混合比からなるFe−Siから構成したが、全てのヨー
クにFe−Si系合金を使用することなく、部分的に使
用してもよい。例えば、磁束密度の変化の少ないフレー
ムヨークは従来のFe系合金を用いてもよい。また、複
数のステータヨーク5〜8のうちの一部をFe−Si系
合金を使用し、残りはその他の材質(従来のFe系な
ど)で製造するようにしてもよい。
【0026】すなわち、図3に示すように、フレームヨ
ーク10′をFe系合金としたり、さらには、一部のス
テータヨーク(図示の例では、ステータヨーク5′,
6′)をFe系合金とし、他のステータヨーク7,8の
みを所定のFe−Si系合金で製造していも良い。ま
た、このように一部のステータヨークのみをFe−Si
系合金で製造する場合、その使用箇所は、図示の例に限
ることなく、その組み合わせは任意である。さらには、
図示省略するが、フレームヨークをFe−Si系合金で
製造し、ステータヨークをFe系合金で製造するように
してもよい。
【0027】*実験結果 本発明の効果を実証するため、上記した第1の実施の形
態(図2に示す)及び2種類の変形例のモータと、同一
形状からなる従来のモータ(相違点はステータヨークの
材質)を製造し、それぞれのモータ特性を評価した。駆
動条件は、2相励磁バイポーラ定電流チョッパ駆動であ
る。そしてその結果を図4、図5に示す。図中白抜き四
角形のマークは従来品を、黒塗り四角形のマークは本発
明品1(全てのヨークをFe−Si)を、菱形のマーク
は本発明品2(全てのステータヨークをFe−Si)
を、三角のマークは本発明品3(フレームヨークをFe
−Si)をそれぞれ示し、本発明品2,3における残り
ヨークはFe系合金を使用して製造した。また、Fe−
Siの添加量は、それぞれ添加可能な最大値とした。
【0028】図4は周波数に対するプルアウトトルク特
性で、図5はその時の効率である。図4から明らかなよ
うに、本発明のステッピングモータが高トルクとなり、
そのトルク比は2000rpmで従来品に対し1.3倍
となり、大幅な向上がみられた。また、図5から明らか
なように効率もトルク同様な傾向を示し、最大で10%
の向上となる。
【0029】さらに、Fe−Siを使用して製造するヨ
ークと、各特性の相関は、全てのヨークをFe−Siで
構成した本発明品1が最も高性能となり、次がステータ
ヨークのみをFe−Siで構成した本発明品2が若干性
能が低下し、それよりもさらにフレームヨークのみをF
e−Siで構成した本発明品3の性能が低下する。この
ことからFe−Siは特性向上に寄与することがわか
る。また、一部のヨークにFe−Siを使用した本発明
品2と3で図示のように性能に差が生じたのは、まずス
テータヨーク(櫛歯状磁極部)が最も交流磁場が大きい
ため、当該部分にFe−Siを使用することにより効率
良く渦電流の発生を抑制できるためである。また、ステ
ータヨークの方がSi添加量を多くしていることも一因
である。
【0030】一方、フレームヨーク側にも磁路が形成さ
れるため、その部分もFe−Siで構成すると、当該部
分で発生しようとした渦電流を抑制できるので、すべて
のヨークをFe系合金で製造した従来品よりも本発明品
3の方が性能がよくなる。
【0031】図6は本発明の第2の実施の形態を示して
いる。この実施の形態は、上記したの実施の形態と相違
し、フレームヨーク部が各相毎に軸方向に分割された構
成のステッピングモータに適用した例を示している。す
なわち、絞り加工で形成されるカップヨーク15の開口
部に、それと対応する第2のステータヨーク6(第3の
ステータヨーク7)を嵌合し、両ヨークにより形成され
る空間内に励磁コイル9を装着する。そして、上下のカ
ップヨーク15,15同士を所定の角度位置で付き合わ
せるとともに溶接して一体化する。
【0032】また、カップヨーク15の底部中心部位は
開口されるため、係る部位にフランジ12,12′を装
着することにより閉塞する。そして、ロータ4は、両フ
ランジ12,12′に形成された軸受に回転自在に支持
される。
【0033】すなわち、カップヨーク15は、図示のご
とくリング状のフランジ15aの内周縁に櫛歯状磁極部
15bが立ち上げ形成されてステータヨーク部が構成さ
れ、またそのフランジ15aの外周縁には円筒状の側壁
すなわちフレームヨーク部15cが形成される。つまり
本例では、ステータヨーク部とフレームヨーク部とが同
一部品(カップヨーク15)で形成される。本発明で
は、この実施の形態のように、ステータヨーク部,フレ
ームヨーク部等が必ずしも別個の部品で構成される必要
はなく、1つの部品で複数のヨーク部を構成したり、逆
に複数の部品で1つのヨーク部を構成するなど種々の態
様のものを用いることができ、従来ある各種の構成のス
テッピングモータに適用することができる。
【0034】ここで本発明では、第2,第3のステータ
ヨーク6,7及びカップヨーク15を上記所定の組成比
からなるFe−Si系合金で形成している。これによ
り、モータ作動時に交流磁界の磁路を形成する第2,第
3のステータヨーク6,7及びカップヨーク15の部分
での交流磁気特性が改善され、モータ全体での特性の向
上が図れる。但し、このカップヨーク15は、絞り加工
により製造されるため、Si添加量は、1.0wt%以
下の所定値となる。
【0035】また、この第2の実施の形態のタイプで
も、図7に示すように、カップヨーク15′をFe系合
金で形成し、中間のステータヨーク6,7のみをFe−
Si系合金で形成するようにしてもよい。係る構成にし
ても、ステータヨークの一部をFe−Si系合金を用い
ることにより、その用いた部位での渦電流の発生を抑制
できるため、従来品に比べて特性が向上する。
【0036】さらには、Fe−Siを用いて形成される
ヨークは、上記した実施の形態及び変形例に示すものに
限ることなく、少なくとも1つのヨーク(ステータヨー
ク及びまたはフレームヨーク)を所定のFe−Si系合
金で形成すればよく、そのときの残りのヨークの材質は
任意のものとすることができる。とくに第2の実施の形
態構造では、カップヨークによりフレームヨークも2分
割されているので、一方のカップヨークのみをFe−S
i系合金で製造するようにしても良い。
【0037】図8は本発明の第3の実施の形態を示して
いる。この実施の形態では、ステッピングモータの構造
(タイプ)としては、図1〜図3に示す第1の実施の形
態と同様で、ステータヨーク5〜8とフレームヨーク1
0″とがそれぞれ別部材で構成されている。
【0038】そして本例では、4つのステータヨーク5
〜8をいずれも所定の組成比(曲げ加工可能でしかも特
性が良好となるSi添加量2.0%)からなるFe−S
i系合金を用いて形成している。さらに、フレームヨー
ク10″をFe−Cr系合金を用いて形成している。こ
のフレークヨーク10″で使用するCrの添加量は10
〜20wt%の範囲内の所定の値を取り、この例では1
2wt%としている。
【0039】なお、その他の構成並びに作用効果は上記
した第1の実施の形態と同様であるので、同一符号を付
し詳細な説明を省略する。なおまた、この実施の形態で
も、ステータヨーク5〜8のすべてをFe−Si系合金
で構成する必要はなく、所定のステータヨークのみをF
e−Si系合金で形成し、他のステータヨークを従来と
同様にFe系で構成してもよい。
【0040】そして、上記実施の形態のステッピングモ
ータ(すべてのステータヨークをFe−Si(Si含有
量が2wt%)系合金,フレームヨークをFe−Cr系
合金(Cr含有量か12wt%))を製造し、そのモー
タの周波数に対するプルアウトトルク特性並びに効率特
性を測定した。その結果を図4,図5に重ねて示す(本
発明品4)。図から明らかなように、特性は最もよく、
特に高周波領域で高効率,高トルクを発揮しているのが
確認できた。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るステッピン
グモータでは、ヨークの一部を所定のSi添加量からな
るFe−Si系合金で形成したため、折り曲げ加工並び
に絞り加工のいずれの加工方法も採用でき、ステータヨ
ーク,フレームヨークのいずれもが、従来から用いられ
ているヨークの製造プロセス・設備をそのまま使用して
製造することができる。
【0042】そして、Fe−Si系合金を用いたことに
より渦電流の発生を可及的に抑制することができ、その
結果、渦電流により生じる鉄損の軽減を図り、効率が向
上する。よって、高出力のステッピングモータを実現す
ることができる。
【0043】さらに、フレームヨークにFe−Cr系合
金を用いると(請求項4)、渦電流の発生をさらに抑制
でき、より高性能なステッピングモータとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステッピングモータの第1の実施
の形態を示す一部破断斜視図である。
【図2】本発明に係るステッピングモータの第1の実施
の形態を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係るステッピングモータの第1の実施
の形態の変形例を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の効果を実証した特性図である。
【図5】本発明の効果を実証した特性図である。
【図6】本発明に係るステッピングモータの第2の実施
の形態を示す分解斜視図である。
【図7】本発明に係るステッピングモータの第2の実施
の形態の変形例を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係るステッピングモータの第3の実施
の形態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
3 永久磁石 4 ロータ 5〜8 ステータヨーク 5b〜8b,15b 櫛歯状磁極部 9 励磁コイル 10,10″ フレームヨーク 15 カップヨーク 15c フレームヨーク部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多極着磁された永久磁石からなるロータ
    部と、 前記ロータ部と同軸上で対向するように設けられた複数
    個の櫛歯状磁極部を有するステータヨーク部と、 前記ステータヨーク部の前記櫛歯状磁極部の外周囲に装
    着した励磁コイルと、 前記励磁コイル並びに前記ステータヨーク部を囲繞する
    筒状のフレームヨーク部とを備えたステッピングモータ
    において、 前記ステータヨーク部の一部または全部が、Siの添加
    量が2.0wt%以下のFe−Si系合金を用い、前記
    櫛歯状磁極部の折り曲げ加工を含むプレス加工により形
    成されてなることを特徴とするステッピングモータ。
  2. 【請求項2】 多極着磁された永久磁石からなるロータ
    部と、 前記ロータ部と同軸上で対向するように設けられた複数
    個の櫛歯状磁極部を有するステータヨーク部と、 前記ステータヨーク部の前記櫛歯状磁極部の外周囲に装
    着した励磁コイルと、 前記励磁コイル並びに前記ステータヨーク部を囲繞する
    筒状のフレームヨーク部とを備えたステッピングモータ
    において、 前記フレームヨーク部の一部または全部が、Siの添加
    量が1.0wt%以下のFe−Si系合金を用い、絞り
    加工を含むプレス加工により形成されてなることを特徴
    とするステッピングモータ。
  3. 【請求項3】 多極着磁された永久磁石からなるロータ
    部と、 前記ロータ部と同軸上で対向するように設けられた複数
    個の櫛歯状磁極部を有するステータヨーク部と、 前記ステータヨーク部の前記櫛歯状磁極部の外周囲に装
    着した励磁コイルと、 前記励磁コイル並びに前記ステータヨーク部を囲繞する
    筒状のフレームヨーク部とを備えたステッピングモータ
    において、 前記ステータヨーク部の一部または全部が、Siの添加
    量が2.0wt%以下のFe−Si系合金を用い、前記
    櫛歯状磁極部の折り曲げ加工を含むプレス加工により形
    成され、 かつ、前記フレームヨーク部の一部または全部が、Si
    の添加量が1.0wt%以下のFe−Si系合金を用
    い、絞り加工を含むプレス加工により形成されてなるこ
    とを特徴とするステッピングモータ。
  4. 【請求項4】 多極着磁された永久磁石からなるロータ
    部と、 前記ロータ部と同軸上で対向するように設けられた複数
    個の櫛歯状磁極部を有するステータヨーク部と、 前記ステータヨーク部の前記櫛歯状磁極部の外周囲に装
    着した励磁コイルと、 前記励磁コイル並びに前記ステータヨーク部を囲繞する
    筒状のフレームヨーク部とを備えたステッピングモータ
    において、 前記ステータヨーク部の一部または全部が、Siの添加
    量が2.0wt%以下のFe−Si系合金を用い、前記
    櫛歯状磁極部の折り曲げ加工を含むプレス加工により形
    成され、 かつ、前記フレームヨーク部が、Crの添加量が10w
    t%以上,20wt%以下のFe−Cr系合金を用い、
    絞り加工を含むプレス加工により形成されてなることを
    特徴とするステッピングモータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002199682A (ja) * 2000-12-26 2002-07-12 Toshiba Corp 中空モータおよび光波距離計
CN102649158A (zh) * 2011-02-25 2012-08-29 山东金聚粉末冶金有限公司 一种齿轭及其制造方法

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