JPH0830589B2 - 調理器 - Google Patents

調理器

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JPH0830589B2
JPH0830589B2 JP13883788A JP13883788A JPH0830589B2 JP H0830589 B2 JPH0830589 B2 JP H0830589B2 JP 13883788 A JP13883788 A JP 13883788A JP 13883788 A JP13883788 A JP 13883788A JP H0830589 B2 JPH0830589 B2 JP H0830589B2
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burner
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康典 金子
明雄 福田
守 礒谷
真起子 脇
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は魚や肉などの調理に用いるガステーブルやガ
スコンロなどの調理器に関し、更に詳しくは調理の際の
油煙や臭い成分の分解能力を有する触媒を用いた調理器
に関するものである。
従来の技術 従来、ガスを熱源とするガステーブル等のグリルの構
成としてはシユバンクバーナや金網式のメタリックバー
ナなどの燃焼火炎の輻射光で調理物を加熱するもの、パ
イプ式のバーナなどで金網やラス網、パンチングメタ
ル、或いは金属板表面にセラミック質層を形成したもの
などの2次輻射体を加熱し、これを赤熱させて2次輻射
体からの輻射光で調理物を加熱するものがある。グリル
内で肉や魚などを加熱調理した時に煙,油煙,臭いなど
が多量に発生し厨房が煙で充満したりするなど好ましく
ない状態となっていた。このようないやな煙,油煙,臭
い成分などを取り除くためにテーブルの上部に設けてあ
る排気口の排ガス流路にコーディエライトやアルミナ,
ムライト、或いはジルコニアなどの多孔質セラミックを
ハニカム状に成型し、このハニカムを担体として白金,
パラジウム,ロジウムなどの貴金属,遷移金属酸化物、
或いは遷移金属の一部をとり込んだペロブスカイト複合
酸化物などの触媒を担持した触媒体を組込んだものが一
般的であり、現在一部市場で販売されている。
発明が解決しようとする課題 しかし、触媒としての白金族は活性は良いがコストが
非常に高いのが欠点である。単独の遷移金属酸化物は高
温に対して不安定で活性劣化につながる。白金族触媒も
500℃以上の温度下で使用した場合には白金族の金属粒
子径が増大し、活性が劣化するという問題がある。この
ため助触媒の添加、担体の改良等の工夫がなされている
が十分な効果を得ていない。遷移金属を一部とり込んだ
ペロブスカイト複合酸化物はその粒子径を非常に小さく
すれば白金並みの活性を持つことは公知であるが、担持
させたペロブスカイト触媒の担体への付着強度が弱く脱
落しやすいという欠点を有している。担体であるコーデ
ィエライト,アルミナなどの多孔質セラミックハニカム
は熱的,機械的な衝撃に弱い。調理物等の吹きこぼれに
よる急冷で容易に割れが発生したり、物をおとしたりす
ると同じように簡単に割れるなどの課題を有しており、
これらの課題解決が強く望まれているのが現状である。
触媒コストの上昇は製品の価格アップにつながり経済性
の面で問題であり、特に家庭用調理器等に内蔵されたも
のは人の手に触れる機会が多く、手等を汚しやすいのは
好ましくない。また、浄化されにくいものが触媒体に付
着したような場合には流水中で洗浄されることもあるた
め、担持した触媒が容易にとれてしまうようでは前述の
手を汚したり、性能がなくなるようなケースも生じ実用
上大きな問題と言える。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであ
り、2次輻射体を有するグリル構成の調理器において、
加熱調理中に発生した煙や油煙、臭いの原因である炭化
水素成分を完全に分解する耐熱,耐久性に優れた触媒体
を有する調理器を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、本発明は、バーナと、前記
バーナの近傍に設けられ、バーナにより加熱される2次
輻射体により調理物を加熱する構成とし、前記2次輻射
体は無機耐熱繊維を編組したクロスを用いたものであっ
て、排気口に臨む部分にMn,Cu,Ceを含む硝酸塩,炭酸
塩,酢酸塩,アンモニウム塩から選ばれたいずれか1種
の水溶液を用いて金属の共沈澱を析出させ、熱分解によ
ってMnとCuとCeの複合酸化物を生成し、担持させた構成
とした。
作用 上記構成により、2次輻射体の排気口に臨む部分に担
持されたMnとCuとCeの複合酸化物触媒が調理に伴なう
煙,油煙,臭いを酸化分解,浄化する。
このMn,Cu,Ceは複合化することにより炭化水素化合物
に対して単独あるいは2元素系には見られない高い酸化
活性を示す。極めて強い酸化能力を有する酸化触媒であ
る。これはMnとCuとCeの3元素酸化物においては酸化物
の表面における元素が多くの原子価をとるためであり、
単一成分では見られない異元素間原子価制御が行なわれ
反応に関してより適した表面を作るからであると考えら
れる。
耐熱性無機繊維のクロスにアルカリ等を用いて共沈澱
物を生成,担持させる方法によればMn,Cu,Ceの複合酸化
物はSEM観察によれば、粒子径が0.1μmよりもはるかに
小さい粒子で、かつ担体上に均一に分散されており、こ
れによって極めて高い酸化活性が発揮されているもので
ある。Mn,Cu,Ceの共沈澱を形成する過程がアルカリ下に
おいてイオンサイズでの反応によるため、この過程で粒
子径の細かい共沈澱が得られるものと考えられる。輻射
体に関しては、2次輻射体が無機耐熱繊維のクロスから
なっているため材料的に熱容量が小さいことにより赤熱
するまでの時間も金属やセラミックのハニカス体などよ
りも極めて早く、排気口に臨む部分は排気ガスにより適
当に冷却され、更にクロスの場合は熱伝導がそれほど良
くないことが構成面でも有利に働き、排気口に臨む部分
は前述のような高温になりすぎることによる問題、すな
わち触媒微粒子の焼結がおこることもない。
実施例 以下、図面を用いて本発明の一実施例を説明する。第
2図はグリル付きガステーブルの斜視図を示す。図にお
いて、1は魚や肉などを調理するグリル、2はコンロバ
ーナ、3はコンロおよびグリル用の着火ツマミである。
第1図はグリル部要部の拡大断面図である。4は天板、
5は排気口、6は受け皿、7は無機耐熱繊維を編組した
クロスであり、かつMnとCuとCeの複合酸化物が担持され
た2次輻射体であり、8は調理物9を載せるための焼き
網、10はブンゼンバーナで燃焼して火炎11を形成する。
バーナ10の燃焼により2次輻射体7の火炎近傍はほぼ着
火と同時に赤熱する。また、この2次輻射体7の一部は
当然その一部が火炎の中に置かれることになる。
この時2次輻射体7は赤熱状態に加熱・保持される部
分があり、更に調理時には塩分や水蒸気、あるいは各種
調味料などの厳しい腐蝕環境となり、このような環境に
さらされることになるが無機耐熱繊維のクロスが用いら
れているため耐熱性,耐蝕性などは全く問題のないもの
である。無機耐熱繊維としてはシリコンカーバイト,ア
ルミナ,シリカチラノポリマーなどをはじめ各種の材料
が適用可能であり任意に選定することができる。織り方
としても平織,朱子織,もしゃ織などがあるが、特に限
定するものではない。Mn,Cu,Ceの複合酸化物の共沈澱の
生成ならびに担持は次の方法で行なった。ここではMn,C
u,Ceの硝酸塩を用いた。Mn,Cu,Ceの全量で0.1Mとなる水
溶液とし、アルカリとしてNaOHを用い0.2M水溶液を準備
した。耐熱繊維のクロスとしては、日本無機(株)のシ
リカクロス(商品名・シリグラス)を用いた。また、試
験用のサンプルとして金属板の表面にSiO2の多孔質膜を
形成したものも用いた。室温にて担体をMn,Cu,Ceを含む
水溶液に浸漬し含浸させたのち、次にNaOH水溶液に浸し
共沈澱ができたのを確認したのち純水洗し、乾燥して、
450℃で2時間の熱分解を経て各々担体上にMn,Cu,Ceの
複合酸化物を担持したものである。第3図は担持後の金
属板上のSiO2膜への触媒の担持状態を示す概略断面図で
ある。SEMによる断面の観察像を模式的に示したもので
ある。比較用のテストピースとして同様の方法,条件に
てMnOx,CuOx,CeOxを担持したものも作成した。触媒性能
の評価としてテストピースの場合には、各テストピース
を360℃にセットしたホットプレート上に保持し市販の
サラダオイルを用いてテストピース上に滴下してその経
時変化を確認した。Mn,Cu,Ceを担持したものは1時間以
内にサラダオイルは完全に消失し分解浄化されたが、そ
れ以外のものはタール状の残渣が認められた。このよう
にMn,Cu,Ceの複合酸化物の触媒は、サラダオイルのよう
なトリグリセリドを360℃位の温度で酸化分解させる。
触媒の活性が極めて高いのは、担体上で触媒表面が何に
も覆われることがなく均一に分散、反応界面への酸素の
供給が十分に行なわれていることによる。更にMnOx,CuO
x,CeOxとMu,Cu,Ceの複合酸化物について各粉末とサラダ
オイルを一定の重量比で混合し熱分解を使用して昇温に
よるサラダオイルの重量比を確認した。次にその結果を
第4図に示す。はMnOx,はCuOx,はCeOx,はMn,C
u,Ceを示す。これからもMn,Cu,Ceの複合酸化物が他の酸
化物に比べて高活性であることが明確である。
シリカクロスに担持したものを2次輻射体としてガス
テーブルに組み込み実調理実験を行なった。通常は第1
図に示す汁受け皿6に水を入れて調理するが油煙,煙が
多く発生するよう水なしで行なった。魚として「さ
ば」、肉として「とりもも」を交互に焼き、繰り返し行
なったものであるが結果は前述のテストピースでのサラ
ダオイル滴下試験、熱平秤による重量変化の結果と同様
であり、極めて良好な結果が得られ触媒担持のものは全
く煙が見えないほど完全に浄化された。調理後の厨房室
内の臭いの官能試験でも全員が臭いナシの評価であっ
た。
バーナで加熱して調理物を加熱する2次輻射体は前述
のようにその一部が火炎の中で使われ、バーナ近傍では
赤熱状態となる。温度的には900℃以上にも達するこ
と、油煙や煙,臭気は当然ながら排気口に向かって流れ
てくることなどから触媒は排気口5に臨む部分に担持さ
れていることが望ましい。赤熱している高温部分では触
媒の焼結がおこり、また前述の理由から排気口5に臨む
部分への処理の方がコスト面でも有利である。
実施例においてはMn,Cu,Ceの複合酸化物の生成,担持
においては出発物質として各々の金属の硝酸塩を用いた
が酢酸塩,炭酸塩,アンモニウム塩なども使用すること
が可能であり、いずれかを選択しても使用できる。また
アルカリについてもNaOHに限らずNa2CO3などでも良く限
定するものではない。
共沈澱を経て熱分解して得られた触媒は前述の通り、
粒径も極めて小さく、担体上へも極めて均一に分散,担
持されており、これはトリグリセリドなどの酸化分解に
適しており調理器などへの適用に優れている。
発明の効果 以上説明したように本発明の調理器は、極めて高活性
な触媒が排気口部に組み込まれているため調理に伴なう
煙や油煙,臭い成分を完全に酸化分解,浄化するため厨
房や台所を汚すことなく、また臭くすることもなく、い
つまでも清潔さを保つことができる。さらに無機耐熱繊
維のクロスからなる輻射体であるため、赤熱温度が高く
調理性能の向上や耐久性,信頼性のアップ等の効果を有
するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はグリル付ガステーブルの要部断面図、第2図は
同グリル付ガステーブルの斜視図、第3図は触媒の担持
状態を示す被覆面の断面図、第4図は各種触媒を使った
サラダオイルの熱重量変化を示す特性図である。 5……排気口、7……2次輻射体、10……バーナ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バーナと、前記バーナの近傍に設けられ、
    バーナにより加熱される2次輻射体により調理物を加熱
    する構成とし、前記2次輻射体は無機耐熱繊維を編組し
    たクロスを用いたものであって、排気口に臨む部分にM
    n,Cu,Ceを含む硝酸塩,炭酸塩,酢酸塩,アンモニウム
    塩から選ばれたいずれか1種の水溶液を用いて金属の共
    沈澱を析出させ、熱分解によってMnとCuとCeの複合酸化
    物を生成し、担持させた調理器。
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