JPH08304395A - ヒト酸化リポタンパク質の測定法 - Google Patents

ヒト酸化リポタンパク質の測定法

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JPH08304395A
JPH08304395A JP10615395A JP10615395A JPH08304395A JP H08304395 A JPH08304395 A JP H08304395A JP 10615395 A JP10615395 A JP 10615395A JP 10615395 A JP10615395 A JP 10615395A JP H08304395 A JPH08304395 A JP H08304395A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡単な手順により、循環血液中の酸化
LDL 等の酸化リポタンパク質を高感度にかつ定量的に検
出するヒト酸化リポタンパク質の測定法を提供する。 【構成】 リン脂質の酸化により生成する抗原を認識す
る抗体を用いて血漿中の酸化リポタンパク質を測定する
ヒト酸化リポタンパク質の測定法である。この抗体とし
て、ペプチドの共存下にホスファチジルコリンの酸化に
より生成する抗原を認識するもの、もしくは、粥状硬化
病巣により適当な動物を感作して得られたものを使用し
た場合には、特に良好な結果が得られるものである。ま
た、本発明においてはハイブリドーマセルラインFOH1a
/DLH3 (受託番号 FERM P-14153 )により産生される
抗体が特に好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト酸化リポタンパク
質の測定法に関するものである。詳しく述べると、本発
明は、血液成分を酸化リン脂質を認識する抗体と接触さ
せ、該抗体の試料に対する反応性を測定することによっ
て血液成分中に含まれる酸化リポタンパク質を測定する
ことを特徴とする血液中のヒト酸化リポタンパク質の測
定法に関するものである。本発明はまた、上記測定法を
用いて心筋梗塞や狭心症などの冠動脈系疾患、脳梗塞や
脳血管系痴呆などの脳動脈系疾患、あるいは腎症、糖尿
病性腎症などの腎動脈系疾患および末梢動脈閉塞症のよ
うな末梢動脈系疾患などの各種循環器系疾患を診断する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動脈硬化症は大動脈、冠状動脈、脳動脈
及び頚動脈などの筋型動脈に多く発生し、狭心症、心筋
梗塞、脳梗塞などの主因となる疾患である。その原因と
して血清コレステロールの上昇、血小板凝集、内皮傷害
などが提唱されているが、その成因はほとんど解析され
ていないのが現状である。
【0003】変性リポタンパク質の一つである酸化リポ
タンパク質と粥状硬化病巣の進展との関連性が、スタイ
ンバーグ(Steinberg) らにより指摘されて以来、動脈硬
化の進展における酸化リポタンパク質の問題は脚光を浴
びるようになっている(例えば Steinberg,D., Partha
sarathy,S., Carew,T.E., Khoo,J.C., and Witztum,J.
L.,(1989) N. Engl. J. Med. 320:915 )。
【0004】スカベンジャー受容体など酸化を受けたリ
ポタンパク質に対する受容体の存在が明らかにされ、酸
化LDL が、これらの受容体を介して細胞内に取り込まれ
ることによって、泡沫細胞となり粥腫形成のイニシエー
ションが起こるという仮説、また酸化LDL が内皮細胞を
傷害することで、血小板の粘着凝集や、白血球の集結、
血漿成分の血管内への浸潤がおこり、これらが引き金に
なって、平滑筋細胞の遊走や増殖を引き起こすといった
仮説が提唱されている。
【0005】酸化LDL が病巣に確かに蓄積しているかど
うかについては、例えば1988年にハーバーランド(Haber
land) 等がマロンジアルデヒドで修飾したLDL に対する
抗体;抗MDA-LDL 抗体により動脈硬化病巣部が染色され
ることを示し(Herberland,M. E., Fong ,D., and Chen
g, L., (1988) Science 241:215)、また1989年にイラ
−ハーテュアラ(YLa-Herttuala) 等は、やはり抗MDA-ap
oB抗体によるイムノブロッティング法により、病巣部か
ら抽出されたアポB(apoB)を検索し、酸化変性を受けた
LDL が確かに病巣部から抽出されたと報告している(Yl
a-Herttuala ,S., Parinski ,W., Rosenfeld, M. E., P
arthasarathy, S., Carew, T. E., Butler, S., Witztu
m, J. L., and Steinberg, D., (1989) J. Clin. Inves
t. 84:1086)。しかしここで用いられた抗体はマロンジ
アルデヒドを用いて人工的に修飾したLDL を抗原として
得られたものであるが、LDL の酸化生成物だけでなく他
の酸化蛋白、例えば酸化アルブミンなどとも交叉反応を
示すという性質を有している。
【0006】しかるに、粥状硬化病巣のホモジネートを
抗原としてハイブリドーマを作成し、その中から、酸化
LDL を特異認識する抗体を産生するハイブリドーマを選
択すると、特異性の高いモノクロナル抗体が得られるこ
とが開示されている(Itabe,H., Takeshima, E., Iwasa
ki, H., Kimura, J., Yoshida, Y., Imanaka, T., Taka
no, T., (1994) J. Biol.Chem. 269 (21):15274) 。こ
の抗体は、クローンFOH1a/DLH3が産生することから、FO
H1a/DLH3と名付けられているが、同抗体が、酸化リポタ
ンパク質と特異的に反応し、正常なリポタンパク質、マ
ロンジアルデヒド化LDL 、アセチル化LDL などとは、交
叉反応を示さないことや、同抗体の認識するエピトープ
は、リポタンパク質の構成成分であるフォスファチジル
コリンというリン脂質が酸化されたときに生成すること
が開示されている。また、同抗体が、ヒト粥状硬化病巣
内の泡沫細胞を特異的に認識する抗体であることも開示
されている。
【0007】一方、これまでの研究ではLDL の酸化は、
血管組織への沈着後の二次的な化学修飾によって引き起
こされると考えられているが、炎症部位で発生する活性
酵素などにより循環血液中に酸化変成を受けたリポタン
パク質が存在する可能性もある。実際に、ヒト血液ある
いはそのLDL 画分から脂質を抽出し、その中に過酸化リ
ン脂質の存在を立証し、心虚血、糖尿病や肝炎などの疾
患時に上昇するとする報告がある(Miyazawa, T., (198
9) Free Radical Biology 7: 209、Hodis, H.N., Krams
ch, D. M., Avogaro, P., Bittolo-Bon, G., Cazzolat
o, G., Hwang,J., Peterson, H., and Sevanian, A.,
(1994) J. Lipids Res. 35: 669)。しかしながら、その
測定法は複雑であり、多数の臨床検体を測定して、血中
酸化リポタンパク質の臨床診断的な意義を明らかにする
には不向きであるため、血液中の酸化リポタンパク質と
疾病との関りについては未だ明確になっていない現状で
ある。酸化LDL が粥状効果病巣の進展と深く関わってい
るならば、循環血液中の酸化LDL 等の酸化リポタンパク
質を高感度にかつ定量的に検出することが、病態進展の
早期診断に役立つことは明らかであり、そのような方法
の開発は強く望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、新
規なヒト酸化リポタンパク質の測定法を提供することを
目的とする。本発明はさらに、比較的簡単な手順によ
り、循環血液中の酸化LDL等の酸化リポタンパク質を高
感度にかつ定量的に検出するヒト酸化リポタンパク質の
測定法を提供することを目的とするものである。本発明
はまた、血液中のヒト酸化リポタンパク質を測定するこ
とにより、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈系疾患、脳梗
塞や脳血管系痴呆などの脳動脈系疾患、あるいは腎症、
糖尿病性腎症などの腎動脈系疾患、末梢動脈閉塞症のよ
うな末梢動脈系疾患などを含む、粥状硬化症を主因とす
る各種循環器系疾患を診断する方法を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、リン脂質
の酸化により生成する抗原を認識する抗体を用いて血漿
中の酸化リポタンパク質を測定するヒト酸化リポタンパ
ク質の測定法によって達成される。
【0010】本発明はまた、抗体が、ペプチドの共存下
にホスファチジルコリンの酸化により生成する抗原を認
識するものであるヒト酸化リポタンパク質の測定法であ
る。本発明はまた、リン脂質の酸化により生成する抗原
を認識する抗体が、粥状硬化病巣のホモジネートで適当
な哺乳動物及び/または哺乳動物の抗体産生担当リンパ
球を免疫し、該動物の抗体産生リンパ球とミエローマ細
胞を融合させ、形成された抗ヒト粥腫抗体産生融合細胞
群を単離し、該細胞群の中から酸化したヒトリポタンパ
ク質と特異的に反応するものとして選別された融合細胞
が産生するものであるヒト酸化リポタンパク質の測定法
である。本発明はまた、抗体が、ハイブリドーマセルラ
インFOH1a /DLH3(受託番号 FERM P-14153 )により産
生されるものであるヒト酸化リポタンパク質の測定法で
ある。本発明はさらに、血漿および/またはこれより分
離したリポタンパク質画分を至適な濃度に希釈した後、
リン脂質の酸化により生成する抗原を認識する抗体と接
触させ、当該抗体と結合した酸化リポタンパク質をさら
に当該リポタンパク質を認識する抗体と接触させること
を特徴とするヒト酸化リポタンパク質の測定法である。
本発明はさらに、リン脂質の酸化により生成する抗原を
認識する抗体が、担体に固相化されていることを特徴と
するヒト酸化リポタンパク質の測定法である。
【0011】
【作用】上記したような問題を解決するためには、エピ
トープが明確でかつ酸化LDL に対する特異性が高く、ま
た各種のリポタンパク質を別々に定量する方法が必要で
ある。本発明者らは、粥状硬化病巣を抗原として得られ
た抗体FOH1a/DLH3は、リン脂質の酸化により生成するエ
ピトープを認識し、酸化リポタンパク質へ特異的に結合
する性質を有することを明らかにした(特許出願番号平
6−51,209号、Itabe, H., Takeshima, E., Iwas
aki, H., Kimura, J., Yoshida, Y., Imanaka, T., Tak
ano, T., (1994) J. Biol.Chem. 269 (21):15274) )。
【0012】本発明者らは、このような抗体について鋭
意研究を進めた結果、このような抗体こそが、上記した
要求される測定法を提供できる最も優れた抗体であるこ
とを発見し、本発明に至ったものである。
【0013】すなわち、上記したように、酸化リポタン
パク質を高感度にかつ定量的に検出することは、リン脂
質の酸化により生成する抗原を認識する抗体を用いるこ
とによって行ない得るものである。特に、その抗体が、
実際に粥状硬化病巣を適当な動物に感作させて得られた
ものである場合、また、その認識するエピトープがペプ
チドの共存下にホスファチジルコリンの酸化により生成
する構造に由来する場合、その効果はより確実になる。
【0014】このような抗体が上記課題を解決するに優
れていることは以下のような性質を持つ抗体が得られる
ことによる。このような抗体の抗原は、実際にヒト組織
中で起こるリポタンパク質の生成によって発現し、しか
も血漿蛋白質の中でペプチドとリン脂質を両方備えたリ
ポタンパク質の酸化によって生じる可能性が非常に高
い。ハイブリドーマFOH1a/DLH3の産生する抗体は、まさ
にその性質を備えている。
【0015】なお、このような抗体を用いて測定する場
合、血漿および/または血清を直接抗体と接触させるこ
とで目的は達成されるが、後述するサンドイッチELI
SA法などを用いる場合、その測定法に起因する非特異
的な吸着などを防ぐため、前もって試料を適当な方法
(例えば、超遠心分離)により、あらかじめリポタンパ
ク質画分まで分画して用いてもよい。
【0016】第二に、このような抗体は、その認識する
エピトープがアポ蛋白に依存しないため、血液中の異な
るリポタンパク質の酸化物を別々に評価するための方法
を提供することができる。このためには、酸化リン脂質
特異抗体と当該リポタンパク質特異的な抗体の2種類の
組み合わせによることが必要である。この際、どちらか
の抗体をプラスチックプレートやガラスビーズなどの平
板状または球状等の担体に固相化した、いわゆるサンド
イッチELISA法とするのが簡便である。
【0017】この際、どちらかの抗体を固相化するかに
制限はないが、酸化リン脂質を認識する抗体の抗体価が
高い場合、そちらを固相化した方が抗原を濃縮でき、高
感度化できる点で有利である。実施例には、ハイブリド
ーマFOH1a/DLH3の産生する抗体を固相化して作製したE
LISA法の例を示すが、本発明がこの実施例に限定さ
れるものではないことはいうまでもないことである。
【0018】第三に、このような抗体を用いることによ
って、実施例に示すように、例えば、人工的に作製した
酸化LDL を標準物質として用いることにより、その値
を、例えば、LDL 蛋白1μg当たりの酸化LDL のng量
などの形で定量的に評価することができる。
【0019】このように、特異性が高く、高感度で、個
々のリポタンパク質毎の酸化度を識別可能であり、定量
化が可能な血液中の酸化LDL の測定をELISA法のよ
うな簡便な、それ故、多数の臨床検体について測定可能
な形で提供し得たのは、本発明が初めてのことである。
【0020】以下、本発明を実施態様に基づきより詳細
に説明する。
【0021】本発明の測定法は、被験体の血液成分を上
記したようなリン脂質の酸化により生成する抗原を認識
する抗体と接触させ、該抗体と特異的に反応した抗原量
を定量することにより血液中に含まれる酸化リポタンパ
ク質を特徴とするものである。測定は、RIA法、EL
ISA法、イムノブロット法、免疫沈降法等の公知の方
法に基づき行なうことができる。
【0022】さらに、前記したように本発明に係る上記
したようなリン脂質の酸化により生成する抗原を認識す
る抗体が認識するエピトープがアポ蛋白に依存しないた
め、当該リポタンパク質に特異的な抗体を組合せること
により、血液中の異なるリポタンパク質の酸化物を別々
に評価することできる。このようなリポタンパク質に特
異的な抗体としては、特にカイロミクロン、VLDL、LDL
、HDL2、HDL3、Lp(a)などの1つないし2つ以上を認識
する抗体を用いることができる。特にこの中で、酸化LD
L の評価は、酸化LDL と粥状硬化症との関連から重要で
あるが、これに加えて最近、動脈硬化の独立した危険因
子として注目されているLp(a) (例えば、Scanu,A.M.,L
awn,R.M.,and Berg,K.,(1991) Lipoprotein(a) and ath
erogenesis, Ann, Int. Med. 115:209-218) の酸化変成
の有無を評価することは重要である。これらのリポタン
パク質に対する抗体は市販品として、あるいは公知の手
法により容易に入手ないし調製可能である。このように
血液中の異なるリポタンパク質の酸化物を別々に評価す
る場合には、上記したような酸化リン脂質特異抗体とリ
ポタンパク質特異抗体のいずれか、望ましくは抗体価が
高い方を、平板状または球状等に固相化することが望ま
しく、特にサンドイッチELISA法を用いることが好
ましい。例えば、固相化において用いられる担体として
は、多穴プレートなどのプレートやビーズといったこれ
らの分野において常用されるプラスチック製ないしガラ
ス製の器具等が例示できる。
【0023】被測定試料としての血液成分は、被験体よ
り採血、好ましくはヘパリン等の抗凝固剤を添加して採
血して得た血液試料を、遠心分離法等の常法に基づき成
分分離して得られた血漿ないし血清成分である。また、
測定法に起因する非特異的吸着を抑制し、より高精度の
測定とするために、この血漿成分をさらに超遠心分離に
より分離してリポタンパク質画分としてもよい。
【0024】また、測定に当っては、このような血漿お
よび/またはリポタンパク質画分を、至適な濃度に希釈
する。その濃度は測定条件によっても左右されるため一
概には規定できないが、例えば、0〜500μg/m
l、より好ましくは0〜100μg/mlへと希釈す
る。希釈媒体としては、特に限定されるものではない
が、例えば、生理食塩水、EDTAを含むリン酸緩衝液
(PBS)等が用いられ得る。
【0025】至適な濃度とされた血漿および/またはリ
ポタンパク質画分と上記したような酸化リン脂質特異抗
体との接触は、このような血液成分中に含まれる酸化リ
ン脂質と酸化リン脂質特異抗体との特異的反応が十分に
進行するものであればよく特に限定されるものではない
が、例えば、4〜30℃、より好ましくは25℃の下、
1〜24時間、より好ましくは1〜2時間程度静置反応
させることが望ましい。また、その際の酸化リン脂質特
異抗体の濃度としては、血液試料中に存在すると思われ
るリン脂質の量よりも十分に過飽和な量であればよく、
またこの抗体の抗体価、測定方法のタイプによっても左
右されるが、例えば、血漿1μg当りに存在する酸化LD
L 量が0〜1ng程度であると想定される場合にあっ
て、酸化リン脂質特異抗体として後述するようなDLH
3抗体を用いる場合、当該血漿1μg当りに0.2〜
1.0μg、より好ましくは0.5μg前後であること
が望ましい。
【0026】次に本発明の測定法において用いられるリ
ン脂質の酸化により生成する抗原を認識する抗体につい
て詳述する。
【0027】このような抗体を得る方法としては、特に
限定されるものではないが、好ましくは以下に述べるよ
うに粥状硬化病巣を適当な動物に感作する方法であり、
一般的な細胞融合法に基づき次のような手法により得ら
れるハイブリドーマセルラインにより産生される。
【0028】ハイブリドーマ作製に用いられる動物種と
しては、特に限定されるものではなく、従来使用されて
いるマウス、ラット、ハムスター等が使用可能である
が、特に入手および取扱いの容易性からBalb/cマ
ウスが好ましく、主にこれらの動物の脾細胞が用いられ
る。また、ヒトのリンパ節細胞や末梢リンパ球を用いる
こともできる。
【0029】これらの動物に対する免疫用の抗原は、粥
状硬化病巣より調製される。例えば、動脈硬化症患者の
死亡直後における剖検あるいはバイパス手術等において
取出された病変血管を入手し、この病変血管から粥状硬
化病巣を含む血管部を切出し、緩衝液中で血管外膜部を
剥離除去した後、病巣の内膜と中膜部(intima and med
ia) をホモジナイザーを用いて冷却下、好ましくは氷冷
下にホモジナイズし、静置後得られる上清を抗原液とす
る。さらに必要に応じて、静置後に遠心処理を行ない、
得られたペレットに緩衝液を加えて同様の操作を行な
い、得られる上清を前の上清と合せて抗原液とすること
もできる。このようにして調製された抗原液は、例えば
アルゴン等の不活性ガスで置換の後、使用直前まで凍結
保存することが望ましい。
【0030】次いで、このようにして調製された粥状硬
化病巣のホモジェネートからなる抗原を、所定蛋白(抗
原)濃度として、前記したような動物種に免疫する。な
おこの際、必要に応じて、フロイント完全アジュバン
ト、フロイント不完全アジュバント等のアジュバントを
添加してもよい。
【0031】投与量は、動物種によって左右されるが、
マウスの場合、初回免疫で2.0〜60μg(蛋白)/
匹、より好ましくは40μg(蛋白)/匹程度である。
【0032】さらに、初回免疫の後、例えば、2週間お
よび4週間程度の間隔で、初回免疫と同量ないしそれ以
下の蛋白量で、追加免疫を行なうことが望ましい。
【0033】最終免疫の後、2〜3日後に免疫動物から
採血し、ELISA(enzyme-linkedimmunosorbent assa
y) 法、イムノブロット法等の検定法により、血清抗体
価上昇の確認を行ない、抗体価上昇の認められた免疫動
物をスクリーニングする。
【0034】スクリーニングされた免疫動物から脾細
胞、あるいはリンパ節などから抗体産生細胞を採取し、
約37℃に加温したRPMI培地、DMEM培地等の維
持培地で洗浄、懸濁し、生細胞数を計測する。
【0035】一方、HGPRT(hypoxanthine-guanine
phosphoribosyl transferase) 欠損株の腫瘍細胞を、胎
児ウシ血清(FCS)添加RPMI培地、FCS添加DME
M培地等の増殖培地において増殖させ、対数増殖期にな
るように培養しておく。なお、HGPRT 欠損株の腫瘍細胞
としては、例えば、P3/X63-Ag8(X63) (カッコ内は略名
以下同じ)、P3/NSI-1-Ag4-1(NS-1)、P3/X63-Ag8.U1
(P3/U1)、Sp2/O-Ag14(Sp2/O) 、FO、210.RCY3.Ag 1.2.
3.(Y3)、U-266AR1(SKO-007) 、LICR-LON-HMy2(HMy2) 、
8226AR/NIP4-1(NP41)などの公知の腫瘍細胞を、使用す
る動物種に応じて用いることができる。対数増殖期にあ
る腫瘍細胞を、前記抗体産生細胞の細胞数に対して腫瘍
細胞の細胞数が1:1〜1:10となるように調整し、
約37℃に加温したRPMI培地、DEME培地等の維持培地で
洗浄して細胞融合を阻害するFCS 成分を除去する。
【0036】そして、細胞数を調整された抗体産生細胞
と腫瘍細胞を、例えばガラスチューブ等の容器内で混和
し、遠心してペレットを得、上清をなるべく除去する。
なお、この操作を含めて以下の操作は、20〜37℃、
より好ましくは約37℃の温度条件下で行なうことが望
ましい。
【0037】次いで、得られたペレットに対して、0〜
37℃、より好ましくは約37℃に加温された細胞凝集
性媒体を、ペレットをほぐしながら、ゆっくりと添加す
る。細胞凝集性媒体としては、ポリエチレングリコール
(PEG)、リゾレシチン、グリセロールオレイン酸エ
ステルなどの化合物、あるいは不活化されたセンダイウ
ィルス(HVJ)、麻疹ウィルス、ニューカッスル病ウ
ィルス等のパラミクソウィルスなどが使用可能である
が、このうち特にPEG が好ましい。PEG を使用する場合
には、例えば、RPMI培地、DMEM培地等で、その平均分子
量にもよるがPEG4000 の場合は45〜50重量%程度の
濃度に希釈して用いることが望ましい。
【0038】細胞凝集性媒体の添加後、さらに1〜2分
間程度攪拌した後、RPMI培地等の維持培地を、2〜3回
に別けてゆっくりと添加する。
【0039】その後、PEG 等の細胞凝集性媒体を除去す
るため、例えば800〜1200×g、3〜5分間とい
う弱い条件で遠心し、上清を除去する。
【0040】続いて、得られたペレットをほぐしなが
ら、FCS 添加HAT 培地等の選択培地を、脾臓細胞濃度が
1×106 〜1×107 細胞/mlとなるように、ゆっ
くりと添加し、96穴プレートのような多穴プレートの
各ウェルに分注し、温度約37℃、CO2 濃度約7%、
湿度100%の条件下で培養する。なお、培養期間中、
細胞の状態にもよるが、2〜3日程度の間隔で、液替え
を行なう。なお、培地条件としては、上記に例示したよ
うなものに限定されるものではなく、これ以外にも、例
えば、最初にFCS 添加RPMI培地等の増殖培地をペレット
に添加し、培養開始後、選択培地を各ウェルに添加する
といった態様とすること等も可能である。融合しなかっ
た細胞は、3日目あたりから急速に死滅しはじめ、7日
程度で完全に死滅する。一方、融合に成功した細胞、す
なわち、ハイブリドーマはこのころよりコロニーを形成
しはじめる。ハイブリドーマコロニーの形成が認められ
たウェルより次に述べるようなスクリーンニングを開始
し、必要に応じて24穴プレート等のより大きなプレー
トに継代していく。
【0041】スクリーニングは、RIA法、ELISA
法、イムノブロット法等によって行なうことができる
が、このうち好ましくはELISA法である。抗原とし
ては、CuSO4 と3時間以上反応させることにより得
られた酸化LDL を使用する。必要に応じて、未変性のLD
L を併用してもよい。特に好ましくはホスファチジルコ
リンの酸化により生成する抗原であり、これをペプチド
の共存下に認識するものが望ましい。各アッセイ法に基
づき、ハイブリドーマコロニーの形成が認められたウェ
ルから採取した培養上清を、スクリーニングし、酸化LD
L との反応で陽性(かつ未変性LDL との反応で陰性)と
なる細胞株を選択する。
【0042】そして、スクリーニングで陽性となったウ
ェルから直ちにクローニングを行なう。クローニング
は、限界希釈法(limiting dilution) 、単個細胞マニピ
ュレーション法(single cell manipulation)などを用い
て行なうことができるが、限界希釈法の方が技術的に容
易であるため好ましい。
【0043】クローニングした細胞が再び増殖してきた
ら、上記と同様にしてスクリーニングを行ない、再度ク
ローニングを繰り返し、未変性LDL とは反応せず、酸化
LDLとのみ反応する高産生細胞株を同定する。
【0044】なお、得られたハイブリドーマの保存法と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、凍結
保存用のバイアルになるべく多くの細胞、例えば1×1
〜2×107 個程度を、90%FCS 、10%ジメチ
ルスルフォキシド(DMSO)1〜2ml程度に懸濁して、液
体窒素中に凍結保存する方法が適当である。
【0045】Balb/cマウスを用いて上記したような細胞
融合操作により、未変性のLDL とは反応せず、酸化LDL
とのみ反応する細胞株を得ることができることが、前述
の論文(Itabe, H., Takeshima, E., Iwasaki, H., Kim
ura, J., Yoshida, Y., Imanaka, T., Takano, T., (19
94) J. Biol.Chem. 269 (21):15274) に開示されてい
る。特に、同論文に記載されている抗体FOH1a/D
LH3は、マロンジアルデヒド修飾LDL(MDA-LDL)、アセ
チル化LDL(AcLDL)とは、反応しない点で、特に好ましい
モノクローナル抗体である。この抗体を産生するマウス
−マウス ハイブリドーマセルライン FOH1a/DLH3は、
工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託し、受託番号
FERM P-14153を付与されている。
【0046】モノクローナル抗体FOH1a/DLH3
は、LDL を銅イオンを用いて人工的に酸化したLDL に反
応するが、未変性のLDL には反応せず、他の方法(たと
えばマロンジアルデヒド化や、アセチル化など)でLDL
を修飾したものにも反応しない。また他の血清蛋白質た
とえばアルブミンやグロブリンを酸化させたものにも反
応しない。しかし、LDL とは異なるリポタンパク質であ
る高比重リポタンパク質質(HDL )を酸化したものには
反応する。
【0047】しかしながら、本発明に係るリン脂質の酸
化により生成する抗原を認識する抗体を得る方法として
は、上記のごとき粥状硬化病巣を適当な動物に感作する
方法に限定されるものではなく、これ以外にも例えば酸
化LDL を免疫源とする方法、アポタンパク質あるいは、
その構成ペプチドの一部の共存下で、リン脂質を酸化さ
せたものを免疫源とする方法などが考えられる。
【0048】なお、本発明の測定方法、ないし測定方法
に用いられる抗体を産生するハイブリドーマを得るにお
いて必要とされる人工的な酸化リポタンパク質の生成条
件としては、次のようなものが考えられる。すなわち、
ヒト正常血清から、例えば遠心沈降法などによりリポタ
ンパク質分画を得、この分画を必要により透析、脱塩に
よって精製処理した後、蛋白濃度0.1〜1mg/m
l、より好ましくは0.2mg/ml、CuSO4 濃度
2.5〜25μM、より好ましくは5μMの割合で、リ
ポタンパク質分画にCuSO4 を添加し、約37℃の下
に、3〜24時間反応させるものである。
【0049】
【実施例】次に、実施例を示して本発明による酸化リポ
タンパク質のサンドイッチELISA分析法をより具体
的に説明する。
【0050】実施例1 酸化LDL のサンドイッチELISA分析法 (1)ヒト血漿中のLDL画分の調製 ヘパリン採血で得られたヒト血漿に最終濃度で0.25
mMとなるようにEDTAを加えて、その0.75ml
ずつを超遠心分離用試験管(1〜4ml容)に採り、
0.3mM EDTAを含む0.15M NaClを2
50μl重層して185,000×gにて10℃で2.
5時間遠心する。上層150μlを捨て、下層750μ
lを分取して、KBr溶液(50w/v%)150μl
を加えて、比重1.063とする。超遠心分離用試験管
(1〜4ml容)の底に比重調整した血漿を移して24
4,000×gにて10℃で16時間遠心する。上層の
橙色バンド(約100〜150μl)を注意深く回収
し、0.25mM EDTAを含むPBSに対して4
℃、6時間(3リットルを2時間間隔で2回交換)透析
する。得られたLDL試料は、蛋白質およびコレステロ
ールの定量を行なう。
【0051】(2)サンドイッチELISA分析 プレートにPBSで希釈下DLH3抗体および非免疫マ
ウスIgM抗体(各0.6μg/ウェル)を加えて、室
温で2時間放置する。続けて、1%BSA−TBS溶液
(pH7.4)200μlを加えて、室温で2時間放置
してブロッキングする。ブロッキング溶液を捨て、その
まま酸化LDL標準品およびヒトLDL画分を分注(酸
化LDL標準品は0.1〜20ng LDL蛋白質/ウ
ェル、ヒトLDL画分は2μg LDL蛋白質/ウェ
ル)し、4℃,18時間放置する。0.05% ツィー
ン20−TBS(pH7.4)で3回洗浄した後、5,
000倍希釈ヒツジ抗ヒトアポB抗体(Bindind Site
社)100μlを加えて、室温で2時間放置する。0.
05% ツィーン20−TBS(pH7.4)で3回洗
浄した後、2%スキムミルク−TBSで2,000倍に
希釈したアルカリホスファターゼ標識ロバ抗ヒツジIg
G抗体(ケミコン(Chemicon)社製)100μlを加え、
室温で2時間放置した後、0.05% ツィーン20−
TBS(pH7.4)で3回洗浄した。0.1%p−ニ
トロフェニルリン酸溶液(pH8.8)100μlを加
えて発色させ、10〜60分後の405nmの吸光度を
測定する。 (3)ヒト血漿(健常人および腎透析患者)を用いた分
析結果 酸化LDLを標準品とした典型的な検量線および臨床検
体について分析した結果を図1および図2にそれぞれ示
した。
【0052】実施例2 酸化Lp(a)のサンドイッチELISA分析法 (1)ペルオキシダーゼ標識抗Lp(a)抗体の調製 ヘパリン採血で得たヒト血漿に最終濃度で0.25mM
となるようにEDTAを加え、0.3mM EDTA
を含む0.15M NaCl 250μlを重層して
105,000×g にて8℃で20時間遠心する。上
層を捨て、下層に予め乳鉢で粉末化したKBrを加え
て、4℃にて泡立てないようにして溶解し、比重を1.
125に調製し105,000×g にて8℃で20時
間遠心する。上層の橙色バンドを注意深く回収しバイオ
ゲルA−5mを用いて1MNaCl,2mMEDTA,
10mMリン酸緩衝液を展開溶媒として、ゲル濾過す
る。得られた各フラクションをテルモ株式会社製Lp
(a)測定キットにより測定しLp(a)画分を回収す
る。この画分をファルマシア製リジンセファロース4B
にかけ、吸着画分を0.2Mε−アミノカプロンサンを
含む緩衝液により溶出させ、0.25mM EDTAを
含むPBSに対して透析して、Lp(a)画分を得た。
得られたLp(a)0.5mgをウサギに免疫して抗血
清を作成した。得られた抗Lp(a)血清をファルマシ
ア製プロテインGカラムを用いて、IgGに精製し、別
に調製した、LDLカラムを通して、抗LDL抗体を除
去し、抗Lp(a)抗体とした。精製した抗Lp(a)
抗体をマレイミド法を用いてペルオキシダーゼで標識し
た。
【0053】(2)ヒト血漿中のリポプロテイン画分の
調製 ヘパリン採血で得たヒト血漿に最終濃度で0.25 m
MとなるようにEDTAを加え、その0.75mlずつ
を超遠心分離用試験管(1ml容)に採り、0.3mM
EDTA を含む0.15M NaClを250μl
重層して185,000×g にて10℃で2.5時間
遠心する。上層150μlを捨て、下層750μlを分
取して予め乳鉢で粉末化したKBr(70.0mg)を
加えて、4℃にて泡立てないようにして溶解する。超遠
心分離用試験管(1ml容)の底に比重調整した血漿
(d=1.12)を移して244,000×gにて10
℃で16時間遠心する。上層の橙色バンド(約100〜
150μl)を注意深く回収し、0.25mM EDT
Aを含むPBSに対して4℃、6時間(3リッターを2
時間間隔で2回交換)透析する。得られたリポプロテイ
ン画分は、タンパク質およびコレステロールの定量を行
う。
【0054】(3)サンドイッチELISA分析 プレ−トにPBSで希釈した部分精製したFOH1a/
DLH3抗体および非免疫ラットIgM 抗体(各0.
6μg/well)を加えて、室温で2時間放置する。
続けて、1%BSA−TBS溶液(pH7.4)200
μlを加えて室温で2時間放置してブロッキングする。
ブロッキング溶液を捨て、そのまま酸化Lp(a)標準
品およびヒトリポプロテイン画分を分注し(酸化Lp
(a)標準品は0.1〜10ng/well、ヒトリポ
プテイン画分はPBS20倍希釈液)、室温で2時間放
置する。0.05%Tween20−TBS(pH7.
4)で3回洗浄した後、2% スキムミルク溶液で20
00倍希釈したペルオキシダーゼ標識抗Lp(a)ポリ
クローナル抗体100μlを加えて、室温で1時間放置
する。0.05%Tween20−TBS(pH7.
4)で3回洗浄した後、o−フェニレンジアミン 3m
g/mlを含む0.03%過酸化水素水100μlを加
えて発色させ、10〜15分後に2N硫酸 50μlで
反応を停止させて492nmの吸光度を測定する。
【0055】(4)ヒト血漿(腎血管系疾患患者)を用
いた分析結果 酸化Lp(a)を標準品とした典型的な検量線および臨
床検体について分析した結果を図3および図4にそれぞ
れ示した。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、血液成分と
酸化リン脂質を認識する抗体を接触させ、該抗体の該試
料に対する反応性を測定することを特徴とする血液中の
酸化リポタンパク質の検出法に関し、また、その検出法
を用いて、粥状硬化症を主因とする各種循環器系疾患を
診断する方法に関するものである。このような循環器系
疾患としては、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈系疾患、
脳梗塞や脳血管系痴呆などの脳動脈系疾患、あるいは腎
症、糖尿病性腎症などの腎動脈系疾患、末梢動脈閉塞症
のような末梢動脈系疾患まで、全ての循環器系疾患があ
る。実施例に示すように、本発明により、糖尿病性腎症
により血液透析に移行した患者の血液中に高濃度の酸化
LDL 及び酸化Lp(a) が検出され、このような疾患と酸化
LDL 酸化Lp(a) の因果関係が明確になった。しかし、本
発明の効果は、これに限定されるものではなく、およそ
酸化リポタンパク質が関与する全ての疾患が適用になる
のであり、その疾患の範囲は、本発明を用いた今後の臨
床的検討により拡大するものであることはいうまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1において得られた酸化LDL
を標準品とした検量線、
【図2】 本発明の実施例1において臨床検体について
分析した結果を示すグラフ、
【図3】 本発明の実施例2において得られた酸化Lp
(a) を標準品とした検量線、
【図4】 本発明の実施例2において臨床検体について
分析した結果を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島村 京子 東京都町田市旭町3丁目6番6号 株式会 社ベッセルリサーチ・ラボラトリー内 (72)発明者 高野 達哉 東京都八王子市寺田町432番地 グリーン ヒル寺田 44−3

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン脂質の酸化により生成する抗原を認
    識する抗体を用いて血漿中の酸化リポタンパク質を測定
    するヒト酸化リポタンパク質の測定法。
  2. 【請求項2】 抗体が、ペプチドの共存下にホスファチ
    ジルコリンの酸化により生成する抗原を認識するもので
    ある請求項1に記載のヒト酸化リポタンパク質の測定
    法。
  3. 【請求項3】 リン脂質の酸化により生成する抗原を認
    識する抗体が、粥状硬化病巣のホモジネートで適当な哺
    乳動物及び/または哺乳動物の抗体産生担当リンパ球を
    免疫し、該動物の抗体産生リンパ球とミエローマ細胞を
    融合させ、形成された抗ヒト粥腫抗体産生融合細胞群を
    単離し、該細胞群の中から酸化したヒトリポタンパク質
    と特異的に反応するものとして選別された融合細胞が産
    生するものである請求項1に記載のヒト酸化リポタンパ
    ク質の測定法。
  4. 【請求項4】 抗体が、ハイブリドーマセルラインFOH1
    a /DLH3(受託番号FERM P-14153 )により産生される
    ものである請求項1に記載のヒト酸化リポタンパク質の
    測定法。
  5. 【請求項5】 血漿および/またはこれより分離したリ
    ポタンパク質画分を至適な濃度に希釈した後、リン脂質
    の酸化により生成する抗原を認識する抗体と接触させ、
    当該抗体と結合した酸化リポタンパク質をさらに当該リ
    ポタンパク質を認識する抗体と接触させることを特徴と
    する請求項1に記載のヒト酸化リポタンパク質の測定
    法。
  6. 【請求項6】 リン脂質の酸化により生成する抗原を認
    識する抗体が、担体に固相化されていることを特徴とす
    る請求項5に記載のヒト酸化リポタンパク質の測定法。
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