JPH08304059A - スタイラス支持装置 - Google Patents

スタイラス支持装置

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JPH08304059A
JPH08304059A JP7111687A JP11168795A JPH08304059A JP H08304059 A JPH08304059 A JP H08304059A JP 7111687 A JP7111687 A JP 7111687A JP 11168795 A JP11168795 A JP 11168795A JP H08304059 A JPH08304059 A JP H08304059A
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JP
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elastic
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JP7111687A
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English (en)
Inventor
Chihiro Marumo
千尋 丸茂
Kazuhiko Hidaka
和彦 日高
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動ヒステリシス差を小さくできるのでスタ
イラスの復帰位置誤差を小さくでき、かつ小型化も容易
なスタイラス支持装置を提供すること。 【構成】 スタイラス支持装置1は、直交2軸に関して
弾性変形回動が可能な4個の弾性ヒンジ7〜10を、固定
部材3および可動部材4と、これらの間に対角線状に配
置された第1および第2の連結部材5,6で保持して構
成される。可動部材4に保持されたスタイラス2は、各
弾性ヒンジ7〜10の回動の組合せによって3次元方向に
逃げ動作するため、摩擦の影響が無くなって作動ヒステ
リシス差が小さくなり、スタイラスの復帰位置誤差も小
さくなる。また、各弾性ヒンジ7〜10はZ軸方向に同じ
位置に配置され、小型化も容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スタイラス支持装置に
係り、例えば、検出精度が0.1μm以下の高精度の検
出が可能な三次元測定機用あるいは工作機械用のタッチ
信号プローブ等に利用できる。
【0002】
【背景技術】昨今、機械加工の分野だけを取り上げてみ
ても、加工技術の進展あるいは加工精度に対する市場の
要請を鑑みるに、形状測定の精度に対する要求は、0.
1μm以下のオーダーへと達しつつある。それに対し
て、従来の三次元測定機用あるいは工作機械用のタッチ
信号プローブの検出精度は概ね1μm以下であり、その
改善・向上は焦眉の急であると言っても決して過言では
ない状況にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のタッ
チ信号プローブは、スタイラスが測定対象に接触して力
を受けた際に傾いて逃げ動作ができ(所謂オーバー・ト
ラベル状態)、かつ測定対象から離れて力が加わらなく
なれば原点位置に復帰できるように、俗に「3点支持機
構」と呼ばれるスタイラス支持装置を採用している。し
かしながら、この3点支持機構はその作動時に於いて摩
擦の介在を許すことから、作動ヒステリシス差が発生し
てスタイラスの復帰位置精度が著しく劣化し、延いて
は、プロープそのものの検出精度の向上にとって、非常
に大きな障害となっているという問題があった。
【0004】一方、このような3点支持機構とは異なる
支持装置として、特公平5−23681号公報や特表平
3−500336号公報に開示されたヒンジ手段を用い
てスタイラスのオーバー・トラベルを実現したものも知
られている。このヒンジを用いた支持装置は、スタイラ
スが傾動した際にヒンジの回動で対応できて摩擦が生じ
ず、スタイラスの復帰位置精度を向上できるという利点
があった。
【0005】しかしながら、ヒンジを用いた支持装置の
場合、スタイラスの移動許容方向毎にヒンジを設けなけ
ればならず、例えば3次元方向にスタイラスを移動可能
とするには、最低限3個のヒンジを上下方向に重ねて配
置する必要があった。このため、支持装置が大きくな
り、タッチ信号プローブの小型化が困難という問題もあ
った。
【0006】本発明の目的は、作動ヒステリシス差を非
常に小さくできてスタイラスの復帰位置誤差を極めて小
さなものにでき、プローブの検出精度も向上することが
できるとともに、小型化も容易なスタイラス支持装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のスタイラス支持
装置は、弾性ヒンジの回動を利用した支持装置とするこ
とで摩擦の影響を無くしてスタイラスの復帰位置誤差を
小さくするとともに、そのヒンジを用いた支持装置の構
造を工夫することで支持装置の小型化も達成しようとす
るものである。具体的には、接触検知機能付スタイラス
の先端が接触対象と接触状態となった際に、スタイラス
がオーバー・トラベル状態となるように支持するスタイ
ラス支持装置において、前記スタイラスの長手方向に直
交する面内の直交2軸に関して弾性変形による回動が可
能な4個の弾性ヒンジを、前記直交2軸の回動軸を互い
に共有し合うように配置し、前記弾性ヒンジの内で前記
直交2軸のいずれかの軸方向に隣接する2個の弾性ヒン
ジの下端部を保持する固定部材と、他の2個の弾性ヒン
ジの上端部を保持する可動部材との間に、第1および第
2の連結部材を配置したものである。
【0008】前記固定部材には、弾性ヒンジを保持しな
い側等に設けられた2個の支点部材と、前記2個の弾性
ヒンジと支点部材とで囲まれる領域内にスタイラスを接
触させること無く挿通させる第1の通し穴とが設けられ
る。また、可動部材には、固定部材と同様に、2個の支
点部材と、前記2個の弾性ヒンジと支点部材とで囲まれ
る領域内にスタイラス後端部を保持するスタイラス保持
部とが設けられる。
【0009】前記第1の連結部材は、前記固定部材に保
持された2個の弾性ヒンジの一方の上端部を保持する保
持部と、その弾性ヒンジと対角を成す位置において前記
可動部材に保持された弾性ヒンジの下端部を保持する保
持部と、各保持部の反対側の面に設けられて前記可動部
材および固定部材の各支点部材と当接する当接部とを備
えるとともに、前記スタイラスをその周縁部と接触させ
ること無く挿通させる第2の通し穴を備える。また、第
2の連結部材は、前記固定部材および可動部材に保持さ
れた弾性ヒンジの内、第1の連結部材が保持しない他方
の弾性ヒンジの上端部および下端部をそれぞれ保持する
保持部と、各保持部の反対側の面に設けられて前記可動
部材および固定部材の各支点部材と当接する当接部とを
備え、さらに前記スタイラスをその周縁部と接触させる
こと無く挿通させる第3の通し穴を備える。
【0010】ここで、前記固定部材および前記可動部材
に配設された計4個の支点部材の内の少なくとも1個
は、第1および第2の連結部材の各当接部との当接状態
を調整する調整手段を備えていることが好ましい。この
際、この調整手段としては、前記支点部材を前記当接部
側に付勢するばね機構などが利用できる。
【0011】
【作用】本発明においては、スタイラスが測定対象等に
接触してスタイラスに力が加わると、スタイラスが保持
された可動部材と、第1および第2の連結部材間に保持
された2つの弾性ヒンジや、固定部材と第1および第2
の連結部材間に保持された2つの弾性ヒンジが適宜回動
してスタイラスが傾斜する。この際、固定部材および可
動部材にそれぞれ保持された2個づつの各弾性ヒンジ
は、第1および第2の連結部材といった異なる部材にそ
れぞれ保持されているため、各弾性ヒンジが異なる方向
に回動することが可能となり、かつ弾性ヒンジが配置さ
れていない部分は、固定部材および可動部材の支点部材
と、第1および第2の連結部材の当接部とが単に当接し
ているだけで、それらの間が離間することも可能なた
め、スタイラスは弾性ヒンジの回動により3次元方向に
移動可能に支持される。
【0012】これにより、スタイラスの移動時に摩擦あ
るいは機械的ロスト・モーションの介在が排除され、作
動ヒステリシス差も発生しにくくなり、スタイラスの復
帰位置誤差もきわめて小さくなる。さらに、第1および
第2の連結部材に、固定部材および可動部材に保持され
た各弾性ヒンジの内、対角位置にある各弾性ヒンジ同士
を保持させることで、従来のように各ヒンジを上下方向
に重ねて配置しなくても、スタイラスの各方向への移動
が実現され、スタイラスの支持装置ひいてはタッチ信号
プローブの小型化も容易となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。添付の図1に本発明の一実施例であるスタイラ
ス支持装置1を示す。本実施例においては、図1に示す
ように、スタイラス2の長手方向に沿った方向をZ方向
軸に設定し、このZ方向軸に直交する2軸をX方向軸お
よびY方向軸に設定した。スタイラス2は、Z方向軸下
側に形成された球状の先端部2Aと、Z方向軸上側に形
成されたねじ状の後端部2Bとを備えている。
【0014】スタイラス支持装置1は、スタイラス2が
設置されるタッチ信号プローブ等に一体に形成されある
いは固定された固定部材3と、スタイラス2の後端部2
Bがねじ込まれた可動部材4と、これら固定部材3およ
び可動部材4間に配置された第1の連結部材5および第
2の連結部材6とを備えている。
【0015】固定部材3は、ほぼ正方形状の板材で構成
され、その4頂点(4つの角部)の内、Y方向軸に沿っ
て隣接する2頂点には、Z方向軸上側に向かって保持部
3Aが突設されている。この保持部3Aの上面には、X
方向軸およびY方向軸周りに弾性変形による回動が可能
である弾性ヒンジ7、8がそれぞれ接着剤などで固定さ
れている。つまり、弾性ヒンジ7,8の下端部(Z方向
軸下側)は、固定部材3の保持部3Aで保持されてい
る。
【0016】また、固定部材3の他の2頂点には、支点
部材としての鋼球11,12が埋め込まれて固定されて
いる。この鋼球11,12は、その約半分(半球部分)
が露出するようにされている。さらに、固定部材3にお
ける4頂点(弾性ヒンジ7,8を保持する保持部3A
と、鋼球11,12部分)に囲まれた領域(中心部分)
には、スタイラス2をスタイラス2が傾動しても非接触
で挿通させる大きさの第1の通し穴20が形成されてい
る。
【0017】可動部材4は、固定部材3と同様にほぼ正
方形状の板材で構成され、その4頂点の内、Y方向軸に
沿って隣接し、かつ前記固定部材3の鋼球11,12の
上方に位置する2頂点には、Z方向軸下側に向かって保
持部4Aが突設されている。この保持部4Aの下面に
は、弾性ヒンジ7,8と同様に、X方向軸およびY方向
軸周りに弾性変形による回動が可能である弾性ヒンジ
9,10がそれぞれ接着剤などで固定され、弾性ヒンジ
9、10の上端部(Z方向軸上側)は可動部材4の保持
部4Aで保持されている。
【0018】固定部材3の保持部3Aの上方に位置する
可動部材4の他の2頂点には、支点部材としての鋼球1
3,14が、その約半分が露出するように埋め込まれて
固定されている。さらに、可動部材4の中心位置には、
スタイラス2の後端部2Bがねじ込まれて保持されるス
タイラス保持部19が形成されている。
【0019】第1の連結部材5は、固定部材3および可
動部材4のほぼ対角線に渡って配置されており、弾性ヒ
ンジ7の上端部および弾性ヒンジ9の下端部が接着剤等
で接着されて各弾性ヒンジ7,9を保持する保持部5A
が設けられている。この際、弾性ヒンジ7の保持部5A
は、弾性ヒンジ9の保持部5Aに比べてZ方向軸上側に
ずれて形成されており、第1の連結部材5で保持される
弾性ヒンジ7,9がZ方向軸において同じ高さ位置に配
置されるように構成されている。
【0020】また、第1の連結部材5において、弾性ヒ
ンジ7,9を保持した保持部5Aのそれぞれ裏面側(反
対側の面)には、弾性ヒンジ7,9に対向して配置され
る鋼球13,11との当接部17,15が設けられてい
る。さらに、第1の連結部材5には、スタイラス2をス
タイラス2が傾動しても非接触で挿通させる大きさの第
2の通し穴21が形成されている。
【0021】第2の連結部材6は、固定部材3および可
動部材4の第1の連結部材5と異なる対角線に渡って配
置されており、保持部6Aに弾性ヒンジ8の上端部およ
び弾性ヒンジ10の下端部が接着剤等で接着されて各弾
性ヒンジ8,10を保持している。この際、弾性ヒンジ
10の保持部6Aは、弾性ヒンジ8の保持部6Aに比べ
てZ方向軸下側にずれて形成されており、第2の連結部
材6で保持される弾性ヒンジ8,10がZ方向軸におい
て同じ高さ位置に配置されるように構成されている。
【0022】従って、各弾性ヒンジ7,8,9,10
は、Z方向軸において同一高さレベルに揃って配置され
ている。また、弾性ヒンジ7,8は、Y方向軸に沿った
回動軸を互いに共有しており、弾性ヒンジ8,9は、X
方向軸に沿った回動軸を互いに共有しており、弾性ヒン
ジ9,10は、Y方向軸に沿った回動軸を互いに共有し
ており、弾性ヒンジ10,7は、X方向軸に沿った回動
軸を互いに共有している。すなわち、隣り合う各弾性ヒ
ンジ7〜10同士は、直交2軸に沿った回動軸をお互い
に共有し合っている。
【0023】また、第2の連結部材6において、弾性ヒ
ンジ8,10を保持した保持部6Aのそれぞれ裏面側に
は、弾性ヒンジ8,10に対向して配置される鋼球1
4,12との当接部18,16が設けられている。さら
に、第2の連結部材6には、スタイラス2をスタイラス
2が傾動しても非接触で挿通させる大きさの第3の通し
穴22が形成されている。
【0024】なお、第1および第2の連結部材5,6
は、各々Z方向軸にずれて形成された保持部5A,6A
が各連結部材6,5と同じ高さ位置に配置されるため、
スタイラス2がオーバー・トラベルを許容される範囲で
あれば、互いに接触・衝突し合うことが無いように、そ
の形状および配置が設定されている。
【0025】このような本実施例における作用について
図2〜5を参照して説明する。なお、これらの図2〜5
においては、動作を理解しやすいように、図2(A)〜
図5(A)に示す第1の連結部材5を消去したものと、
図2(B)〜図5(B)に示す第2の連結部材6を消去
したものとに分け、かつ各連結部材5,6を図示するた
めに、固定部材3および可動部材4の一部を適宜切り欠
いて示している。
【0026】スタイラス2に力が加わっていない初期状
態では、各弾性ヒンジ7〜10も何ら回動しておらず、
第1および第2の連結部材5,6は各鋼球11,12,
13,14が当接部15,16,17,18にそれぞれ
当接した状態に維持される。これにより、スタイラス2
は原点位置に復帰した状態とされる。
【0027】ここで、スタイラス2が測定対象に接触す
ることで、図2(A),(B)に示すように、スタイラ
ス2にX方向軸左側に向かって力が加わると、可動部材
4はスタイラス2とともにY方向軸を支軸として傾斜し
ようとする。この際、鋼球13,14が第1および第2
の連結部材5,6に当接するため、第1および第2の連
結部材5,6も可動部材4とともに傾斜しようとする。
このため、弾性ヒンジ7,8がY方向軸回りに弾性によ
って回動し、鋼球11,12から第1および第2の連結
部材5,6の当接部15,16が離れ、固定部材3に対
して可動部材4、第1および第2の連結部材5,6が傾
斜してスタイラス2はオーバー・トラベル状態となる。
【0028】一方、スタイラス2にX方向軸右側に向か
って力が加わると、図3(A),(B)に示すように、
可動部材4はスタイラス2とともに弾性ヒンジ9,10
のY方向軸を支軸として傾斜し、可動部材4の鋼球1
3,14は第1および第2の連結部材5,6から離れ、
固定部材3に対して可動部材4のみが傾斜してスタイラ
ス2はオーバー・トラベル状態となる。
【0029】また、スタイラス2にY方向軸左側に向か
って力が加わると、図4(A),(B)に示すように、
可動部材4はスタイラス2とともに弾性ヒンジ10,7
のX方向軸を支軸として傾斜する。すなわち、可動部材
4の弾性ヒンジ10は、弾性変形によってX方向軸回り
に回動するが、弾性ヒンジ9は弾性ヒンジ10と同じ方
向には回動できないため、図4(B)に示すように、第
1の連結部材5を引き連れて傾斜する。この際、第1の
連結部材5は、弾性ヒンジ7が弾性ヒンジ10と同様に
回動するため、可動部材4とともに傾斜される。そし
て、固定部材3の鋼球11および可動部材4の鋼球14
が第1および第2の連結部材5,6から離れ、固定部材
3に対して可動部材4および第1の連結部材5が傾斜し
てスタイラス2はオーバー・トラベル状態となる。
【0030】逆に、スタイラス2にY方向軸右側に向か
って力が加わると、図5(A),(B)に示すように、
可動部材4はスタイラス2とともに弾性ヒンジ9,8の
X方向軸を支軸として傾斜する。すなわち、可動部材4
の弾性ヒンジ9は、図5(B)に示すように、弾性変形
によってX方向軸回りに回動するが、弾性ヒンジ10は
弾性ヒンジ9と同じ方向には回動できないため、図5
(A)に示すように、第2の連結部材6を引き連れて傾
斜する。この際、第2の連結部材6は、弾性ヒンジ8が
弾性ヒンジ9と同様に回動するため、可動部材4ととも
に傾斜される。そして、固定部材3の鋼球12および可
動部材4の鋼球13が第1および第2の連結部材5,6
から離れ、固定部材3に対して可動部材4および第2の
連結部材6が傾斜してスタイラス2はオーバー・トラベ
ル状態となる。
【0031】また、スタイラス2にZ方向軸上側に向か
って力が加わると、図6(A),(B)に示すように、
各弾性ヒンジ7,8,9,10がそれぞれ回動し、第1
および第2の連結部材5,6が共に傾斜することで固定
部材3および可動部材4間の間隔が広がり、スタイラス
2はZ方向軸上側に逃げ動作し、オーバー・トラベル状
態となる。
【0032】なお、図2〜6にはスタイラス2がX方向
軸のみ、Y方向軸のみあるいはZ方向軸のみに移動して
オーバー・トラベル状態となる例について説明したが、
X方向軸、Y方向軸さらにはZ方向軸の少なくとも2つ
以上の成分を含む方向に移動される場合には、図2〜6
に示す動作を組み合わせた状態となる。また、スタイラ
ス2が測定対象から離れれば、各弾性ヒンジ7〜10が
元の状態に戻り、各鋼球11〜14が当接部15〜18
に当接する位置、つまり初期状態に戻り、スタイラス2
も元の位置に復帰する。
【0033】以上説明したように、本実施例の構成によ
れば、可動部材4は固定部材3に対して、弾性ヒンジ
7,8の共有軸(Y方向軸)、弾性ヒンジ8,9の共有
軸(X方向軸)、弾性ヒンジ9,10の共有軸(Y方向
軸)、弾性ヒンジ10,7の共有軸(X方向軸)に関し
て弾性による回動を自在に行うことができ、固定部材3
に対する可動部材4(スタイラス2)のX,Y軸方向の
傾斜移動を行うことができる。さらに、各弾性ヒンジ7
〜10の弾性による回動を同時に引き起こさせることに
より、固定部材3に対して可動部材4(スタイラス2)
をZ方向上側の隔離方向への平行移動も行うことができ
る。従って、可動部材4に保持されたスタイラス2の先
端部2Aに接触力が作用した場合、その力のZ方向下向
き(可動部材4を固定部材3に対して平行移動により接
近させる向き)の成分以外に対しては、スタイラス2を
所謂オーバー・トラベル(逃げ動作)させることがで
き、スタイラス2や測定対象物に過剰な力が加わって破
損することを防止できる。
【0034】さらに、スタイラス2のオーバー・トラベ
ル動作は、可動部材4(スタイラス2)に所定の力が作
用した際の弾性ヒンジ7〜10での弾性変形による挙動
であるから、可動部材4への作用力が取り除かれると、
弾性ヒンジ7〜10における弾性変形は解除され、鋼球
11〜14と当接部15〜18とが当接し、可動部材4
は固定部材3に対するその初期姿勢を自動的に回復する
ことができる。
【0035】その上、可動部材4の固定部材3に対する
オーバー・トラベル動作及びその解除動作のいずれにお
いても、スタイラス支持装置1の如何なる部位において
も摩擦や機械的ロストモーションは介在しないあるいは
非常に小さいので、スタイラス2の復帰位置誤差を極め
て小さなものにできる。これにより、本実施例のスタイ
ラス支持装置1を用いたタッチ信号プローブは、検出精
度を例えば0.1μm以下のオーダーまで高めることが
でき、高精度の測定を行うことができる。
【0036】また、従来の弾性ヒンジを用いた支持装置
では、各軸方向に回動するヒンジをスタイラス軸方向
(Z軸方向)に少なくとも3段以上重ねて配置する必要
があるため、特にZ軸方向の寸法が大きなスタイラス支
持装置となって小型化が困難であったが、本実施例によ
れば、4つの弾性ヒンジ7〜10は、Z軸方向に対して
同一高さレベルに配置されるため、従来に比べてZ軸方
向の高さ寸法を小さくでき、かつX軸およびY軸方向の
寸法も従来と同様のサイズにできるため、全体としてス
タイラス支持装置1を小型化でき、小型の三次元測定機
などにも適用することができる。
【0037】さらに、本実施例のスタイラス支持装置1
は、主に固定部材3、可動部材4、第1および第2の連
結部材5,6、弾性ヒンジ7〜10で構成されて部品点
数も少なくでき、かつ第1および第2の連結部材5,6
が互いにぶつからないように多少形状を工夫する必要が
あるが、それほど複雑な形ではないため製造も容易であ
り、生産性を向上できて製造コストも低減することがで
きる。
【0038】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の
改良並びに設計の変更が可能なことは勿論である。例え
ば、前記実施例では、支点部材として鋼球11〜14を
用いていたが、鋼球の代わりに円錐状、角錐状、円筒状
等に形成された突起を設けてもよい。また、各支点部材
の設置位置も、前記実施例のように各弾性ヒンジ7〜1
0に対向する位置でなくてもよい。要するに支点部材
は、スタイラス2に接触力が作用していないときに、可
動部材4(スタイラス2)を所定の初期位置に位置決め
できる構成であればよく、その形状や設置位置は実施に
あたって適宜設定すればよい。
【0039】また、鋼球11と当接部15、鋼球12と
当接部16、鋼球13と当接部17、鋼球14と当接部
18の組み合わせの内、少なくとも1つについては、そ
れらの当接状態を調整する為の調整手段を設けてもよ
い。すなわち、固定部材3と可動部材4の相対的な初期
状態が、原理的には、前記4つの組み合わせの内の任意
の3つだけで確定するため、3つの組合せの選択のされ
方によっては固定部材3と可動部材4の相対的な初期状
態が不確定なものとなり、延いては、固定部材3と可動
部材4がその相対的な初期状態において機械的ガタを発
生させるおそれがあるため、このガタを極力防止するた
めには前記調整手段を設ければよい。但し、近年の加工
精度は高いため、機械的ガタの発生を防止したり、ガタ
を許容範囲内に抑えることができ、このような場合には
調整手段を設けなくてもよい。
【0040】調整手段の具体例を図7および図8に示
す。これらの調整手段は、鋼球11と当接部15の組み
合わせについてその当接状態を調整するものである。図
7に示す調整手段27においては、鋼球11はねじ28
の一方の端部に埋め込まれてかつ固着されている。この
ねじ28は、固定部材3に穿った雌ねじ30と螺合して
いる。そして、雌ねじ30には、ねじ28の他方の端部
と当接するようにねじ29が螺合されてねじ28の位置
を規制している。このように構成された調整手段27に
おいては、ねじ28と雌ねじ30の螺合状態を調節して
鋼球11の突出量を調整することにより、鋼球11と当
接部15の当接状態を調整することができる。さらに、
ねじ29をねじ28と当接させることによってねじ28
即ち鋼球11を所定位置に固定させることができる。
【0041】図8に、前記鋼球11と当接部15の当接
状態を調整する為の調整手段の変形例であるばね機溝3
1を示す。ばね機構31は、固定部材3に切り欠き加工
等を施すことで形成された片持ち梁(板ばね部)32
と、その先端部に埋め込まれかつ固着された鋼球11と
から構成され、鋼球11と当接部15の当接に際して
は、片持ち梁32の弾性撓みにより鋼球11と当接部1
5の当接状態が保証されるようにした機構である。な
お、その際の片持ち梁32の弾性撓みによる鋼球11お
よび当接部15の当接力は、弾性ヒンジ7〜10の弾性
力による鋼球12、13、14と、当接部16、17、
18の当接状態を阻害しない程度に設定される。また、
片持ち梁32の設定状態を調整する為に、ねじ33等の
調整手段を別途設けてもよい。
【0042】さらに、弾性ヒンジ7〜10は、少なくと
も直交2軸に関して弾性変形による回動可能であればよ
く、その具体的形状、構造は適宜設定すればよい。
【0043】また、本発明のスタイラス支持装置は、三
次元測定機のタッチ信号プローブに用いられるものに限
らず、スタイラスを支持する必要がある各種機器に広く
利用することができる。
【0044】
【発明の効果】このような本発明のスタイラス支持装置
によれば、作動ヒステリシス差を非常に小さくできてス
タイラスの復帰位置誤差を極めて小さなものにでき、検
出精度も向上することができるとともに、容易に小型化
することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスタイラス支持装置を示す
分解斜視図である。
【図2】前記スタイラス支持装置においてスタイラスが
X軸方向に傾斜した状態を示す側面図である。
【図3】前記スタイラス支持装置においてスタイラスが
X軸方向に傾斜した状態を示す側面図である。
【図4】前記スタイラス支持装置においてスタイラスが
Y軸方向に傾斜した状態を示す側面図である。
【図5】前記スタイラス支持装置においてスタイラスが
Y軸方向に傾斜した状態を示す側面図である。
【図6】前記スタイラス支持装置においてスタイラスが
Z軸方向に移動した状態を示す側面図である。
【図7】本発明の変形例にかかる調整手段を示す断面図
である。
【図8】本発明の他の変形例にかかる調整手段を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 スタイラス支持装置 2 スタイラス 3 固定部材 4 可動部材 5 第1の連結部材 6 第2の連結部材 3A,4A,5A,6A 保持部 7,8,9,10 弾性ヒンジ 11,12,13,14 支点部材である鋼球 15,16,17,18 当接部 19 スタイラス保持部 20 第1の通し穴 21 第2の通し穴 22 第3の通し穴 27 調整手段 31 調整手段であるばね機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接触検知機能を有するスタイラスの先端
    が接触対象と接触状態となった際に、前記スタイラスが
    所謂オーバー・トラベル状態となるように支持するスタ
    イラス支持装置において、 前記スタイラスの長手方向に直交する面に設けられた直
    交2軸に関して弾性変形による回動が可能であり、かつ
    前記直交2軸を互いに共有し合うように配置された4個
    の弾性ヒンジと、 前記4個の弾性ヒンジの内で前記直交2軸のいずれかの
    軸方向に隣接する2個の弾性ヒンジの下端部を保持する
    保持部、および2個の支点部材を備え、さらに前記下端
    部を保持した2個の弾性ヒンジと前記2個の支点部材に
    より囲まれる領域内に、前記スタイラスをその周縁部と
    接触させること無く挿通させる第1の通し穴を備えた固
    定部材と、 前記4個の弾性ヒンジの内で前記固定部材に保持されな
    い2個の弾性ヒンジの上端部を保持する保持部、および
    2個の支点部材を備え、さらに前記上端部を保持した2
    個の弾性ヒンジと前記2個の支点部材により囲まれる領
    域内に、前記スタイラスの後端部を保持するスタイラス
    保持部を備えた可動部材と、 前記固定部材に保持された2個の弾性ヒンジの一方の弾
    性ヒンジの上端部を保持する保持部、その弾性ヒンジと
    対角を成す位置において前記可動部材に保持された弾性
    ヒンジの下端部を保持する保持部、および各保持部の反
    対側の面に設けられて前記可動部材および固定部材の各
    支点部材と当接する当接部を備え、さらに前記スタイラ
    スをその周縁部と接触させること無く挿通させる第2の
    通し穴を備えた第1の連結部材と、 前記固定部材に保持された弾性ヒンジの内の前記第1の
    連結部材が保持しない他方の弾性ヒンジの上端部を保持
    する保持部、前記可動部材に保持された弾性ヒンジの内
    の前記第1の連結部材が保持しない他方の弾性ヒンジの
    下端部を保持する保持部、および各保持部の反対側の面
    に設けられて前記可動部材および固定部材の各支点部材
    と当接する当接部を備え、さらに前記スタイラスをその
    周縁部と接触させること無く挿通させる第3の通し穴を
    備えた第2の連結部材と、 から構成されることを特徴とするスタイラス支持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスタイラス支持装置に
    おいて、前記固定部材および可動部材に配設された計4
    個の支点部材の内の少なくとも1個について、第1およ
    び第2の連結部材の各当接部との当接状態を調整する調
    整手段を備えていることを特徴とするスタイラス支持装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のスタイラス支持装置に
    おいて、前記調整手段は、前記支点部材を前記当接部側
    に付勢するばね機構により構成されていることを特徴と
    するスタイラス支持装置。
JP7111687A 1995-05-10 1995-05-10 スタイラス支持装置 Withdrawn JPH08304059A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009536325A (ja) * 2006-05-10 2009-10-08 カール ツァイス インドゥストリーレ メステクニーク ゲーエムベーハー 加工品の表面点に接触するための方法および装置
US20140109423A1 (en) * 2012-10-18 2014-04-24 Mitutoyo Corporation Lever head

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