JPH08304058A - スタイラス支持装置 - Google Patents

スタイラス支持装置

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JPH08304058A
JPH08304058A JP11295895A JP11295895A JPH08304058A JP H08304058 A JPH08304058 A JP H08304058A JP 11295895 A JP11295895 A JP 11295895A JP 11295895 A JP11295895 A JP 11295895A JP H08304058 A JPH08304058 A JP H08304058A
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stylus
support device
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elastic
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JP11295895A
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English (en)
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Kazuhiko Hidaka
和彦 日高
Chihiro Marumo
千尋 丸茂
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スタイラスの復帰位置精度を向上でき、かつ
小型化も容易なスタイラス支持装置を提供すること。 【構成】 スタイラス支持装置1を、スタイラス7を保
持する変位部3に弾性ヒンジ11〜13およびリンク31, 32
を介して中間部4を連結して構成される第1の6節運動
機構10と、中間部4に弾性ヒンジ21〜26およびリンク41
〜44を介して基準部2を連結して構成される第2の6節
運動機構20と、変位部3の着座位置を規定する鋼球6と
で構成する。スタイラス7は、各弾性ヒンジ11〜13,21
〜26の回動によって3次元的に逃げ動作し、摩擦の影響
が軽減されてスタイラスの復帰位置誤差が小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スタイラス支持装置に
係り、例えば三次元測定機において被測定物の寸法形状
をスタイラスにより接触検知を行うタッチ信号ブロープ
等に利用できる。
【0002】
【背景技術】タッチ信号ブロープでは、その支持装置に
設けたスタイラスの先端が被測定物に接触したときの信
号を用いて接触部位の座標を別の計測手段で計測し、被
測定物の形状を測定している。このため、支持装置が高
剛性である場合には、接触時にプロープ側と被測定物側
とにダメージをもたらす可能性がある。従って、タッチ
信号ブロープでは、かかるダメージを軽減するために、
接触時にスタイラスが所定位置より離脱して移動できる
逃げ機構を設けていた。
【0003】このような逃げ機構を有するタッチ信号プ
ローブでは、一旦、所定位置を離れたスタイラスが再び
この所定位置に復元する着座機構の着座性能も重要であ
る。従来の多くのタッチ信号プローブは、いわゆる「6
点支持機構」でスタイラスを支持していたため、スタイ
ラスの離脱、復元時において着座機構に摩擦が生じ、ス
タイラスの復帰位置精度を悪化させるという問題があっ
た。
【0004】一方、摩擦力の軽減を考慮した逃げ機構を
有するスタイラスの支持装置として、特表平3−500
336号公報に記載された弾性ヒンジを用いた支持装置
が知られている。この支持装置においては、弾性ヒンジ
の回動によってスタイラスの逃げ動作を実現しているた
め、摩擦力が軽減されて復帰位置精度が向上する利点が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
弾性ヒンジを用いたスタイラス支持装置では、弾性ヒン
ジを片側に設けたリンクを、各弾性ヒンジの回動軸が異
なるように順次重ねて設けてスタイラスが様々な向きに
逃げ動作可能となるように構成していた。このため、弾
性ヒンジをリンクの片側に設ける片側支持構造であった
ため、スタイラスへの作用力によって弾性ヒンジに捻り
応力が加わって複雑な弾性変形が起こり、スタイラスの
復帰位置精度が十分には向上しないという問題があっ
た。
【0006】また、従来の弾性ヒンジを用いたスタイラ
ス支持装置では、例えばスタイラスの逃げ動作を3次元
方向に可能とするには、弾性ヒンジで連結されるリンク
を少なくとも3段重ねて設けなければならないため、特
にスタイラスの軸方向における小型化が難しいという問
題もあった。
【0007】本発明の目的は、スタイラスの復帰位置精
度を向上でき、かつ小型化も容易なスタイラス支持装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のスタイラス支持
装置は、弾性ヒンジを用いかつ片側支持構造ではなく両
側での支持構造とすることで、摩擦の影響や複雑な弾性
変形を無くしてスタイラスの復帰位置精度を向上し、そ
のヒンジを用いた支持構造を工夫することで支持装置の
小型化も達成しようとするものである。具体的には、ス
タイラス支持装置は、互いに平行な6個の弾性変形回動
軸を備える第1および第2の6節運動機構と、各回動軸
の回動作用を止めてスタイラスを所定位置に着座させる
停止手段とを備えている。
【0009】第1の6節運動機構は、スタイラスが固定
された変位部と、前記スタイラスに関して互いに軸対称
となる位置にそれぞれ3個づつ設けられた互いに平行な
6個の弾性変形回動軸と、これらの各弾性変形回動軸間
に結合されたリンクと、これらのリンクおよび前記弾性
変形回動軸を介して変位部に結合された中間部とで構成
される。第2の6節運動機構は、前記第1の6節運動機
構の中間部と、前記スタイラスに関して互いに軸対称と
なる位置にそれぞれ3個づつ設けられ、かつ前記第1の
6節運動機構の各弾性変形回動軸と直角をなすように配
置された互いに平行な6個の弾性変形回動軸と、これら
の各弾性変形回動軸間に結合されたリンクと、これらの
リンクおよび前記弾性変形回動軸を介して変位部に結合
された前記基準部とで構成される。そして、各6節運動
機構の各弾性変形回動軸、変位部、中間部、基準部およ
び各リンクは同一平面内に設けられている。
【0010】ここで、前記第1および第2の6節運動機
構は、例えば一体切り出し加工等を用いることで1つの
部材により連続的構造で一体的に構成されていることが
好ましい。また、前記停止手段は、前記変位部および中
間部に当接する鋼球で構成され、かつこの鋼球は、スタ
イラス軸から等距離の位置に設けられていることが好ま
しい。さらに、前記スタイラスの軸回りに3個づつ設け
られた4組の弾性変形回動軸は、スタイラス軸から等距
離の位置に配置されていることが好ましい。
【0011】
【作用】本発明においては、スタイラスが測定対象等に
接触してスタイラスに力が加わると、スタイラスが保持
された変位部と、基準部との間に介在される第1および
第2の6節運動機構の各弾性変形回動軸が適宜回動し、
スタイラスは傾斜する。この際、各6節運動機構は、各
弾性変形回動軸の軸直交方向およびスタイラスの軸方向
へのスタイラスの移動を許容するため、各6節運動機構
の回動軸を直交させることで、スタイラスは3次元方向
に逃げ動作が可能となる。
【0012】スタイラスの動作は、各回動軸の弾性変形
による回動のみで実現されるため、摩擦の影響が軽減
し、かつ、各弾性変形回動軸は変位部、中間部、基準部
においてスタイラスの軸対称位置にそれぞれ設けられて
両側支持構造とされているので、片側支持構造に比べて
弾性変形回動軸が複雑に弾性変形することが防止され、
スタイラスの復帰位置精度が向上する。
【0013】また、各第1および第2の6節運動機構
は、同一平面上に形成されるため、特にスタイラス軸方
向の寸法が非常に短縮され、小型化が容易となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の一実施例であるスタイラス支
持装置1の構成を示す斜視図であり、図2はその平面図
である。スタイラス支持装置1は、この支持装置1を用
いたタッチ信号プローブなどを取り付ける三次元測定機
等の移動軸に取付可能な基準部2と、スタイラス7が取
り付けられる変位部3と、基準部2および変位部3を弾
性ヒンジ11〜16、21〜26を介して結合している
リンク31〜34、41〜44および中間部4と、変位
部3を着座後の所定位置に復元する停止手段5とによっ
て構成されている。
【0015】このスタイラス支持装置1の機械的構成の
詳細について以下に説明する。スタイラス7を有する略
H字状の板材からなる変位部3の一端には、スタイラス
7の軸から離隔した位置に第1の弾性変形回動軸11A
を有する弾性ヒンジ11が設けられている。この弾性ヒ
ンジ11には矩形板状の第1のリンク31の一端が取り
付けられ、このリンク31の他端には第2の弾性変形回
動軸12Aを有する弾性ヒンジ12が設けられている。
【0016】この弾性ヒンジ12には、略T字状の板材
からなる第2のリンク32の一端が第1のリンク31か
ら折り返すように取り付けられ、このリンク32の他端
には第3の弾性変形回動軸13Aを有する弾性ヒンジ1
3が設けられている。この弾性ヒンジ13は、中間部4
に連結されている。
【0017】また、これら3個の弾性ヒンジ11〜13
がそれぞれに有する回動軸11A〜13Aは、それぞれ
のリンク31,32に作用力が働かない状態においては
同一平面内に存在し、互いに平行で、しかもスタイラス
7の軸に対して直交するように配置されている。なお、
本実施例では、第1の回動軸11Aを有する弾性ヒンジ
11と第1のリンク31は、第2のリンク32を挟むよ
うにリンク32の両側に配置されているが、これは力学
的バランスを考慮した為であり、例えば弾性ヒンジ11
およびリンク31を1つだけ設けてもよく、本実施例の
構成に限定されない。また、これらの弾性ヒンジ11〜
13およびリンク31,32で1組のヒンジ要素が構成
されている。
【0018】これら3個の弾性ヒンジ11〜13と2個
のリンク31,32と同様のヒンジ要素は、図2に示す
ように、変位部3においてスタイラス7に対して軸対称
となる反対側にも配置されている。すなわち、変位部3
および中間部4は、第1の弾性変形回動軸14Aを有す
る弾性ヒンジ14、第1のリンク33、第2の弾性変形
回動軸15Aを有する弾性ヒンジ15、第2のリンク3
4、第3の弾性変形回動軸16Aを有する弾性ヒンジ1
6からなる1組のヒンジ要素を介して連結されている。
【0019】これらの各弾性ヒンジ11〜16は、各回
動軸11A〜16Aが互いに平行にかつ変位部3、中間
部4および各リンク31〜34により閉じるように連結
されている。そして、変位部3、中間部4、各弾性ヒン
ジ11〜16および各リンク31〜34によって第1の
6節運動機構10が構成されている。
【0020】一方、中間部4は、前記第1の6節運動機
構10と同様の2組のヒンジ要素を介して基準部2に連
結されている。この2組のヒンジ要素は、第1の6節運
動機構10の2組のヒンジ要素をスタイラス7の軸回り
に90度回転させた位置に設けられ、第1の弾性変形回
動軸21A,24Aを有する弾性ヒンジ21,24、第
1のリンク41,43、第2の弾性変形回動軸22A,
25Aを有する弾性ヒンジ22,25、第2のリンク4
2,44、第3の弾性変形回動軸23A,26Aを有す
る弾性ヒンジ23,26とで構成されている。そして、
これら2組のヒンジ要素と、これらによって連結される
中間部4および基準部2とで第2の6節運動機構20が
構成されている。
【0021】なお、各弾性ヒンジ11〜16,21〜2
6は、その弾性力で変位部3および中間部4を下方(ス
タイラス7の先端8側)に付勢するように設定されてい
る。
【0022】基準部2は、略円板状に形成されて、図3
にも示すように、変位部3、中間部4が配置される凹部
2Aと、スタイラス7が挿通される貫通穴2Bが形成さ
れている。この基準部2の凹部2Aには、図1,2にも
示すように、スタイラス7に対して等距離でかつスタイ
ラス7の軸回りに等角度(90度)間隔で、つまりスタ
イラス軸対称に4つの鋼球6が固定されている。この鋼
球6の内の2つは、前記変位部3が弾性ヒンジ11〜1
6で下方(スタイラス7の先端8側)に付勢された際に
変位部3の下面に当接する位置に配置され、他の2つの
鋼球6は中間部4が弾性ヒンジ21〜26で下方に付勢
された際に中間部4の下面に当接する位置に配置されて
いる。
【0023】すなわち、変位部3および中間部4は、各
弾性ヒンジ11〜16、21〜26の弾性力によって下
方に付勢され、スタイラス7の先端8が被測定物と接触
しておらずスタイラス7に外力が作用していない場合に
は、各鋼球6に当接されて回動を拘束され、所定の位置
に着座するようにされている。従って、各鋼球6によっ
て、スタイラス7が装着される変位部3を基準部2に対
して所定の静止位置に保つ停止手段5が構成されてい
る。
【0024】なお、本来、変位部3や中間部4の位置を
規制するには、各々鋼球6を3点で当接させる必要があ
るが、各弾性ヒンジ11〜16、21〜26に連結され
た変位部3、中間部4は、その回動軸11A〜16A,
21A〜26A方向には変位できないため、この回動軸
直交方向の2点のみを当接させれば位置決めすることが
できる。
【0025】また、本実施例のスタイラス支持装置1
は、例えばベリリウムカッパー等で一体成形された円板
に一体切り出し加工を施して基準部2、変位部3および
中間部4を分離形成するとともに、各弾性ヒンジ11〜
16、21〜26部分は溝加工によって薄肉にすること
で弾性変形可能に形成することで製造可能である。
【0026】次に、本実施例の動作について図4〜5も
参照して説明する。スタイラス7が被測定物に接触して
スタイラス7に外力が作用すると、第1および第2の6
節運動機構10,20が動作してスタイラス7が傾動し
て逃げ動作を行う。
【0027】例えば、スタイラス7に、第2の6節運動
機構20の長手方向(弾性変形回動軸21A〜26Aの
直交方向)に沿った方向の外力が作用すると、図4に示
すように、各弾性ヒンジ21〜26の弾性変形回動軸2
1A〜26Aが適宜に回動し、中間部4は基準部2に対
して6節運動機構20が有する6個の平行な回動軸21
A〜26Aと直交する平面内を移動する。この際、スタ
イラス7に、第1の6節運動機構10の長手方向への外
力が作用していなければ、中間部4と変位部3とは一体
的に動くため、変位部3つまりスタイラス7も基準部2
に対して6節運動機構20が有する6個の平行な回動軸
21A〜26Aと直交する平面内を移動する。
【0028】同様に、スタイラス7に、第1の6節運動
機構10の長手方向(弾性変形回動軸11A〜16Aの
直交方向)に沿った方向の外力が作用すると、各弾性ヒ
ンジ11〜16の弾性変形回動軸11A〜16Aが適宜
に回動し、変位部3(スタイラス7)は中間部4に対し
て6節運動機構10が有する6個の平行な回動軸11A
〜16Aと直交する平面内を移動する。この際、スタイ
ラス7に、第2の6節運動機構20の長手方向への外力
が作用していなければ、中間部4は基準部2に対して移
動しないため、変位部3つまりスタイラス7は基準部2
に対して6節運動機構10が有する6個の平行な回動軸
11A〜16Aと直交する平面内を移動する。
【0029】また、スタイラス7に、スタイラス7の長
手方向に外力が作用すると、図5に示すように、第1お
よび第2の6節運動機構10,20の各弾性ヒンジ11
〜16,21〜26の回動軸11A〜16A,21A〜
26Aがそれぞれ回動し、基準部2に対して中間部4が
上方に移動し、さらに中間部4に対して変位部3が上方
に移動する。これにより、基準部2に対して変位部3つ
まりスタイラス7が上方に移動する。
【0030】さらに、第1および第2の6節運動機構1
0,20の各弾性ヒンジ11〜16,21〜26の回動
軸11A〜16A,21A〜26Aが各々適宜に回動す
ることで、変位部3(スタイラス7)は基準部2に対し
て三次元空間を自由に移動し得ることになる。
【0031】一方、スタイラス7の先端8に被測定物が
接触しない状態では、プロービング動作中に起こる外乱
加速度に少なくとも打ち勝つ付勢力を弾性ヒンジ11〜
16,21〜26に与えておくことで、変位部3および
中間部4は停止手段5に対して滑ることなく付勢され、
基準部2に対し静止位置を保つ。従って、スタイラス7
が取り付けられた変位部3と中間部4とは、所定の位置
に着座して復帰する。
【0032】すなわち、スタイラス7の先端8に被測定
物が接触して作用力が働くと、スタイラス7を介して受
ける分力並びにモーメント成分に応じて、スタイラス7
が取り付けられている変位部3および中間部4は停止手
段5(鋼球6)から離れ、前記に示すようにその作用力
に応じ移動する。つまり関係する弾性ヒンジ11〜1
6,21〜26とリンク31〜34,41〜44は逃げ
機構として作動している。この時、変位部3は停止手段
5から滑ることなく(摩擦が発生することなく)離れ
る。逆に、スタイラス7が被測定物から離れる方向に移
動し始めると、その作用力に応じて変位部3は移動し、
最終的には停止手段5に固定されて所定の静止位置を保
つ。
【0033】上記の付勢力は、弾性ヒンジ11〜16,
21〜26が有する弾性力と重力により付与されている
が、この付勢力は弾性ヒンジ11〜16,21〜26の
形状、例えば溝形状やその肉厚を変えることにより任意
にかつ容易に設定可能である。なお、この付勢力は弾性
ヒンジ11〜16,21〜26と重力ばかりでなく、例
えばスプリング、マグネットのような他の手段を用いて
も与えてもよい。
【0034】以上説明したように、本実施例の構成によ
れば、弾性ヒンジ11〜16の弾性変形回動軸11A〜
16Aおよびこれらの回動軸11A〜16Aに直交する
弾性ヒンジ21〜26の弾性変形回動軸21A〜26A
の回動により、変位部3は基準部2に対して三次元方向
に自由に変位することができる。このため、変位部3に
固定されたスタイラス7の先端部8に接触力が作用した
場合、スタイラス7を三次元的に逃げ動作させることが
でき、スタイラス7や測定対象物に過剰な力が加わって
破損することを防止できる。
【0035】さらに、スタイラス7の逃げ動作は、変位
部3(スタイラス7)に所定の力が作用した際の弾性ヒ
ンジ11〜16,21〜26での弾性変形による挙動で
あるから、変位部3への作用力が取り除かれると、弾性
ヒンジ11〜16,21〜26における弾性変形は解除
され、鋼球6と変位部3および中間部4が当接して着座
し、スタイラス7(変位部3)は基準部2に対するその
初期姿勢を自動的に回復することができる。
【0036】その上、スタイラス7の逃げ動作及びその
着座動作は、弾性ヒンジ11〜16,21〜26の回動
によって行われるため、スタイラス支持装置1のいかな
る部位においても摩擦や機械的ロストモーションは介在
しないあるいは非常に小さくできるので、スタイラス7
の復帰位置誤差を極めて小さなものにできる。これによ
り、本実施例のスタイラス支持装置1を用いたタッチ信
号プローブは、高精度の測定を行うことができる。
【0037】さらに、第1および第2の6節運動機構1
0,20における3個の弾性変形回動軸11A〜16
A,21A〜26Aと2つのリンク31〜34,41〜
44とを一組とするヒンジ要素が、スタイラス7から等
距離にしかもそのスタイラス7の軸回りに等角度(90
度)間隔で配置されているため、スタイラス7の先端8
の剛性をスタイラス7の軸回りにおいて均一にすること
ができ、検出精度を向上することができる。すなわち、
一般的にセンシングの方法が力検出の場合、剛性の不均
一が検出精度を悪化させるが、本実施例では、作用力の
方向依存性までをも考慮し、特に弾性変形回動軸11A
〜16A,21A〜26Aをスタイラス7から等距離に
しかもそのスタイラス7の軸回りに等角度間隔で配置し
ているので、スタイラス7の先端の剛性を均一にでき、
検出精度を向上することができる。
【0038】また、6節運動機構10,20の一部であ
る変位部3および中間部4の各両端を、複数の弾性ヒン
ジ11〜16,21〜26を介して中間部4および基準
部2にそれぞれ支持しているため、従来の片側支持構造
の場合と比較して捻り応力に対する剛性を高くできる。
このため、作用力に対して弾性ヒンジ11〜16,21
〜26が複雑な弾性変形を起こすことを防止でき、摩擦
の発生を防止することができる。つまり、鋼球6からな
る停止手段5に対して変位部3および中間部4が滑るこ
とを防ぐことができ、スタイラス7の復帰位置誤差を極
めて小さなものにできて高精度の検出が可能となる。
【0039】さらに、基準部2、変位部3、中間部4、
弾性ヒンジ11〜16,21〜26及び各リンク31〜
34,41〜44は、一体切り出し加工によって構成さ
れているので、これまでのような各々の部品を結合する
際に生ずる剛性の不均一さを無くすことができ、この点
でもスタイラス7の復帰位置誤差をより一層低減するこ
とができる。また、本実施例のスタイラス支持装置1
は、一体切り出し加工で構成することができ、複数の部
品を接着して構成する必要がないため、部品点数も少な
くできて製造も容易であり、生産性を向上できて製造コ
ストも低減することができる。
【0040】さらに、従来の弾性ヒンジを用いた支持装
置では、各軸方向に回動するヒンジをスタイラス軸方向
(Z軸方向)に少なくとも3段以上重ねて配置する必要
があるため、特にZ軸方向の寸法が大きなスタイラス支
持装置となって小型化が困難であったが、本実施例によ
れば、弾性ヒンジ11〜16,21〜26及び各リンク
31〜34,41〜44を同一平面上に構成することが
できるため、特に従来に比べてスタイラス7の軸方向の
高さ寸法を小さくできてスタイラス支持装置1を小型化
でき、小型の三次元測定機などにも適用することができ
る。
【0041】また、変位部3は、各弾性ヒンジ11〜1
6,21〜26によって停止手段5を構成する鋼球6に
当接する側に付勢されているので、固有振動数が高まっ
て変位部3が動きにくくなり、スタイラス7が被測定物
に接触して前記付勢力以上の力を受けない限り、スタイ
ラス7を停止状態に維持することができる。このため、
本実施例のスタイラス支持装置1が組み込まれたタッチ
信号プローブ等を測定個所まで移動する場合等に、スタ
イラス7の位置がずれたりすることもなく、スタイラス
7の着座状態を確実に維持することができる。さらに、
停止手段5である鋼球6は、スタイラス7から等距離お
よびスタイラス7の軸回りに等間隔で配置されているの
で、スタイラス7を着座させた際の支持バランスも良好
にでき、スタイラス7の着座状態をより一層確実に維持
することができる。
【0042】また、変位部3を鋼球6に当接させる付勢
力は、弾性ヒンジ11〜16,21〜26の弾性力で与
えることができるため、バネなどの付勢手段を別途設け
る場合に比べて部材点数を少なくできて機構を簡略化で
きる。さらに、本実施例では、弾性ヒンジ11〜16,
21〜26を一体切り出し加工で構成しているので、そ
の付勢力も弾性ヒンジ11〜16,21〜26を構成す
る際の溝の深さなどを調整することで容易に設定するこ
とができる。
【0043】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の
改良並びに設計の変更が可能なことは勿論である。例え
ば、停止手段5は、前記実施例にものに限らず、例え
ば、鋼球6の数を変更したり、鋼球6の代わりに、円
柱、円錐、角錐等の突起を設けてもよい。この際、突起
の先端部は所定の曲率半径に形成することが望ましい。
また、停止手段5の設置位置も、前記実施例のように変
位部3および中間部4に当接する位置に限らず、リンク
31〜34,41〜44に当接する位置等に設けてもよ
い。
【0044】要するに停止手段5は、スタイラス7に作
用力が働かないときに、弾性ヒンジ11〜16,21〜
26で付勢されたスタイラス7を有する変位部3の位置
を、停止手段5に対して滑ることなくつまり摩擦を発生
することなく固定でき、基準部2に対して変位部3(ス
タイラス7)を所定の静止位置を保つことができるもの
であればよく、具体的な構成、形状、設置位置は実施に
あたって適宜設定すればよい。
【0045】さらに、基準部2、変位部3、中間部4等
の形状、材質、構造等も前記実施例に限らず、例えば円
板状ではなく矩形板状等に構成したり、1つの部材から
ではなく複数の部材、部品で構成してもよく、これらは
適宜設定すればよい。また、弾性ヒンジ11〜16,2
1〜26やリンク31〜34,41〜44の具体的構成
も適宜設定すればよい。
【0046】さらに、本発明のスタイラス支持装置は、
三次元測定機のタッチ信号プローブに用いられるものに
限らず、スタイラスを支持する必要がある各種機器に広
く利用することができる。
【0047】
【発明の効果】このような本発明のスタイラス支持装置
によれば、スタイラスの復帰位置精度を向上でき、かつ
容易に小型化することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスタイラス支持装置を示す
一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】前記実施例のスタイラス支持装置を示す平面図
である。
【図3】前記実施例のスタイラス支持装置を示す断面図
である。
【図4】前記実施例のスタイラス支持装置におけるスタ
イラスの逃げ動作状態を示す断面図である。
【図5】前記実施例のスタイラス支持装置におけるスタ
イラスの逃げ動作状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スタイラス支持装置 2 基準部 3 変位部 4 中間部 5 停止手段 6 鋼球 7 スタイラス 10 第1の6節運動機構 11〜16 弾性ヒンジ 11A〜16A 弾性変形回動軸 20 第2の6節運動機構 21〜26 弾性ヒンジ 21A〜26A 弾性変形回動軸 31〜34 リンク 41〜44 リンク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタイラスが固定された変位部と、前記
    スタイラスに関して互いに軸対称となる位置にそれぞれ
    3個づつ設けられた互いに平行な6個の弾性変形回動軸
    と、これらの各弾性変形回動軸間に結合されたリンク
    と、これらのリンクおよび前記弾性変形回動軸を介して
    前記変位部に結合された中間部とで第1の6節運動機構
    を構成し、 この第1の6節運動機構の前記中間部と、前記スタイラ
    スに関して互いに軸対称となる位置にそれぞれ3個づつ
    設けられ、かつ前記第1の6節運動機構の弾性変形回動
    軸と直角をなすように配置された互いに平行な6個の弾
    性変形回動軸と、これらの各弾性変形回動軸間に結合さ
    れたリンクと、これらのリンクおよび前記弾性変形回動
    軸を介して前記中間部に結合された基準部とで第2の6
    節運動機構を構成し、 前記第1および第2の6節運動機構の各弾性変形回動軸
    の回動作用を止めて前記変位部を所定位置に着座させる
    停止手段を設けるとともに、 前記第1および第2の6節運動機構の各弾性変形回動
    軸、変位部、中間部、基準部および各リンクを同一平面
    内に設けた、 ことを特徴とするスタイラス支持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスタイラス支持装置に
    おいて、前記第1および第2の6節運動機構は、1つの
    部材により連続的構造で一体的に構成されていることを
    特徴とするスタイラス支持装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のスタイラス支
    持装置において、前記停止手段は、前記変位部および中
    間部に当接する鋼球で構成され、かつこの鋼球は、スタ
    イラス軸から等距離の位置に設けられていることを特徴
    とするスタイラス支持装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のスタイ
    ラス支持装置において、スタイラスの軸回りに3個づつ
    設けられた4組の各弾性変形回動軸は、スタイラスから
    等距離の位置に配置されていることを特徴とするスタイ
    ラス支持装置。
JP11295895A 1995-05-11 1995-05-11 スタイラス支持装置 Withdrawn JPH08304058A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008507683A (ja) * 2004-07-23 2008-03-13 カール ツァイス インドゥストリーレ メステクニーク ゲーエムベーハー 触知三次元座標測定機の検出ヘッド用センサーモジュール
JP2008096295A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Mitsutoyo Corp 三次元センサおよび接触プローブ
DE102013215959A1 (de) * 2013-08-13 2015-02-19 Carl Zeiss Industrielle Messtechnik Gmbh Sensormodul für einen taktilen Tastkopf eines Koordinatenmessgerätes

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