JPH08303460A - 転がり案内装置 - Google Patents

転がり案内装置

Info

Publication number
JPH08303460A
JPH08303460A JP10844895A JP10844895A JPH08303460A JP H08303460 A JPH08303460 A JP H08303460A JP 10844895 A JP10844895 A JP 10844895A JP 10844895 A JP10844895 A JP 10844895A JP H08303460 A JPH08303460 A JP H08303460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball
resin
outer shell
shell layer
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10844895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3544407B2 (ja
Inventor
Takahiro Kawaguchi
隆啓 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THK Co Ltd
Original Assignee
THK Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THK Co Ltd filed Critical THK Co Ltd
Priority to JP10844895A priority Critical patent/JP3544407B2/ja
Publication of JPH08303460A publication Critical patent/JPH08303460A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3544407B2 publication Critical patent/JP3544407B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ボールを介して案内軸に組みつけられた移動ブ
ロックの前後両端面に一対の蓋体を固定し、かかる蓋体
を用いて案内軸のボール転走面からボールを掬い挙げる
と共に移動ブロックのボール戻し孔に送り込む転がり案
内装置において、蓋体のボールに対する耐磨耗性や強度
を損なうことなく、ボールの無限循環運動に伴うボール
衝突音の発生及びその外部への伝播を可及的に防止し、
静粛性に優れた転がり案内装置を提供する。 【構成】第一の樹脂からなる密閉された外殻層8の内部
に第二の樹脂からなるコア層9を充填して所定の形状の
蓋体5を成形し、上記第一の樹脂として耐磨耗性を備え
たものを用いる一方、第二の樹脂として吸音性を備えた
ものを用いたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば直線摺動装置、
ボールスプライン、ボールブッシュあるいはボールねじ
等のように、無限循環するボールを介して移動ブロック
が案内軸に沿って運動する転がり案内装置に係り、詳細
には、移動ブロックの両端に固定されてボールの無限循
環を介助する蓋体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の転がり案内装置の一つとして、
ベッド等の固定部に配設されると共にボールの転走面が
形成された軌道レールと、多数のボールを介してこの軌
道レールに組み付けられ、テーブル等の可動体を支持し
ながら上記軌道レールに沿って移動するスライダとから
構成される直線摺動装置が知られている。
【0003】従来、この直線摺動装置のスライダは、ボ
ールを介して転走面と対向する負荷転走面及びこの負荷
転走面と平行なボール戻し孔を有し、上記ボールの転動
に伴い軌道レールに沿って移動自在な移動ブロックと、
この移動ブロックの前後両端面に夫々固定されると共
に、上記負荷転走面とボール戻し孔とを連通連結するボ
ールの方向転換路を有する一対の蓋体とから構成されて
おり、上記蓋体を移動ブロックの前後両端面に固定する
ことで上記負荷転走面とボール戻し孔の端部間とが方向
転換路で連結され、ボールの無限循環路がスライダ内に
完成するようになっている。また、上記蓋体には軌道レ
ールの転走面を転走してきたボールを上記方向転換路内
に導くボール掬い上げ部も形成されており、負荷状態か
ら解放されたボールが円滑に無負荷状態に移行するよう
に配慮されている。
【0004】このような構成のうち、上記蓋体はボール
の無限循環路の形成にのみ寄与しているので外部から大
きな荷重が作用することがなく、上記方向転換路及びボ
ール掬い上げ部の形状も複雑なことから、従来は樹脂の
射出成形によってこれを形成している。また、ボールが
蓋体の方向転換路に侵入する際にはボールと掬い上げ部
との衝突音が発生すると共に、方向転換路内ではボール
の循環運動の乱れからボール同士の衝突音が発生してし
まうが、このように蓋体を樹脂で形成することにより、
これら衝突音の発生及び外部への伝播の低減が期待され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、負荷状態か
ら解放されたボールが蓋体のボール掬い上げ部に衝突す
ること、並びにボールが蓋体に設けられた方向転換路を
高速で転走することを考慮した場合、蓋体を形成する材
料はある程度の強度を備えると共に耐磨耗性を備えてい
ることが要求される。
【0006】しかし、このような特性を備えた材料は比
較的硬質なことから、係る材料を選択して蓋体を形成し
た場合には前述した衝突音の発生及びその伝播を十分に
低減できないといった問題点があった。
【0007】一方、このような問題点を考慮した直線摺
動装置の蓋体としては、実開平4−117211号公報
に開示されたものが知られている。この蓋体は、ボール
の方向転換路及び肉抜きの空間部を備えた側板を樹脂の
射出成形で形成した後に、上記肉抜き空間部に側板とは
別の樹脂を充填したものであり、後から充填される樹脂
の材料を吸音性等の観点から選択することで、ボールの
衝突音が蓋体の外部に漏れ出すのを可及的に防止してい
る。
【0008】しかし、同公報の蓋体はその強度部材が側
板のみであり、係る側板は肉抜き空間部を大きく採るた
めに薄く形成されているので、ねじ止めによってこの蓋
体を移動ブロックに固定するとボールの方向転換路に歪
みが生じ、移動ブロックのボール戻し孔と方向転換路と
が正確に対応せず、円滑なボールの循環運動が阻害され
るといった不都合があった。また、方向転換路の歪みか
らボールの掬い上げ部が軌道レールのボール転走面に正
確に対応せず、係る掬い上げ部とボールとの衝突音が増
長されるという不都合もあった。
【0009】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、蓋体のボールに
対する耐磨耗性や強度を損なうことなく、ボールの無限
循環運動に伴うボール衝突音の発生及びその外部への伝
播を可及的に防止し、静粛性に優れた転がり案内装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の転がり案内装置は、ボールの転走面を有す
る案内軸と、上記ボールを介して転走面と対向する負荷
転走面及びこの負荷転走面に対応するボール戻し孔を有
し、上記ボールの転動に伴い案内軸に沿って移動自在な
移動ブロックと、この移動ブロックの前後両端面に固定
され、上記案内軸の転走面から掬い上げたボールを上記
ボール戻し孔に向けて円弧状に案内するボールの方向転
換路を備えた一対の蓋体とから構成される転がり案内装
置において、上記蓋体は、第一の樹脂からなる密閉され
た外殻層の内部に第二の樹脂からなるコア層を充填して
所定の形状に成形され、上記第一の樹脂が耐磨耗性を備
える一方、第二の樹脂が吸音性を備えていることを特徴
とするものである。
【0011】このような技術的手段において、上記蓋体
の外殻層を構成する第一の樹脂としては、係る外殻層が
形造る方向転換路をボールが転走し、また移動ブロック
へのねじ止めにおける蓋体の強度等を考慮した場合、耐
磨耗性を備えると共にある程度の強度を有する材料を選
択する必要があり、好ましくはガラス繊維や炭素繊維等
の補強材が添加された強化樹脂を用いるのが良い。
【0012】一方、上記蓋体のコア層を構成する第二の
樹脂としては、方向転換路におけるボールと外殻層との
接触、あるいはボール同士の接触によって発生した衝突
音が蓋体の外部に漏れ出すことを防止するという観点か
らすれば、吸音性を備える材料を選択する必要があり、
好ましくは内部に無数の気泡を含む発泡樹脂を用いるの
が良い。
【0013】
【作用】上記技術的手段よれば、蓋体に備えられたボー
ルの方向転換路は第一の樹脂からなる外殻層によって形
づくられると共に、この外殻層は耐磨耗性を備えている
ので、ボールの転走による方向転換路の磨耗を心配する
必要はない。また、上記方向転換路内で発生したボール
と外殻層との衝突音及びボール同士の衝突音は、上記外
殻層によって覆われた蓋体の内部、すなわち第二の樹脂
からなるコア層を伝播して蓋体の外部に漏れ出すことと
なるが、上記コア層は吸音性を備えているので、これら
衝突音が蓋体の外部に漏れ出すのを効果的に抑制するこ
とができる。
【0014】しかも、密閉された外殻層の内部にコア層
を充填することで蓋体を所定形状に成形し、外殻層とコ
ア層とを緊密に一体化しているので、蓋体の強度を十分
に確保することができ、ねじ止め等の外力が作用した場
合であっても、蓋体に歪みが発生するのを防止すること
ができる。
【0015】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の転がり案
内装置を詳細に説明する。図1乃至図3は本発明を適用
した直線摺動装置の実施例を示すものである。符号1は
軌道レールであり、その左右両肩部には軸方向に沿って
突条11が設けられている。各突条の上下にはボール2
が転走するボール転走面12が形成されており、各転走
面12は夫々がラシアル方向及びスラスト方向に対して
45°の角度をなしている。この軌道レール1は固定ボ
ルト(図示せず)によってベッド等の固定部(図示せ
ず)に固定される。図1中の符号13は上記固定ボルト
が挿入されるボルト孔である。
【0016】次に、符号3は上記軌道レール1に沿って
移動するスライダであり、上記軌道レール1と相俟って
多数のボール2を挟み込む移動ブロック4と、この移動
ブロック4の前後両端面に取り付けられる一対の蓋体5
とから構成されている。
【0017】図2に示すように上記移動ブロック4は軌
道レール1を跨ぐサドル状に形成され、水平部4aの両
側から垂下した一対の袖部4bの内面側には軌道レール
1のボール転走面12と相俟ってボール2を挟み込む4
条の負荷転走面41が形成されている。また、上記各袖
部4bには各ボール転走面41に対応したボール戻し孔
42が貫通している。移動ブロック4の両側面にはボル
ト取付孔43を備えた取付部44が突設されており、移
動ブロックはこの取付部44の下方から上記ボルト取付
孔43を貫通する固定ボルト(図示せず)によってテー
ブル等の可動体(図示せず)に固定される。
【0018】上記移動ブロック4の各袖部4bの下端並
びに水平部4aの下面には夫々ボール保持プレート4
5,46が取り付けられている。このボール保持プレー
ト45,46は金属板のプレス成形や硬質合成樹脂の射
出成形等により成形され、軌道レール1から摺動台3を
取り外した際に各ボール転走面41を転走するボール2
が摺動台3から脱落するのを防止している。
【0019】図4は上記蓋体5をその裏面側から観察し
た斜視図である。蓋体5も上記移動ブロック4と同様に
水平部5aの両側から一対の袖部5bが垂下したサドル
状に形成され、各袖部5bの裏面側にはブロック4側の
ボール転走面41とボール戻し孔42とを夫々連通連結
するボール方向転換路51が設けられている。
【0020】図5はこのボール方向転換路51の詳細を
示すものである。上記蓋体5には略半円形状の外周側案
内面52が形成されており、ボール戻し孔42と軌道レ
ール1のボール転走面12との間でボール2を円弧状に
案内するようになっている。また、この外周側案内面5
2の端部には軌道レール1のボール転走面12からボー
ル2を掬い上げるための掬い上げ部53が形成されてい
る。一方、この外周側案内面52に対してはRピース6
が嵌合しており、このRピース6にはボール戻し孔42
と負荷転走面41との間でボール2を案内する内周側案
内面61が形成されている。すなわち、図4に示すよう
にRピース6を蓋体5に対して嵌合させることで、上記
外周側案内面52と内周側案内面61とが対向し、ボー
ル方向転換路51が完成するようになっている。
【0021】この蓋体5は取付孔54を貫通する六角孔
付ボルト7により移動ブロック4の両端面に取付けられ
る。蓋体5裏面側の取付孔54の周囲には位置決め用の
ボス55が突設されており、このボス55を移動ブロッ
ク4の両端面に設けた凹溝(図示せず)に嵌め込むこと
で蓋体5が移動ブロック4に対して正確に位置決めされ
る。そして、このようにして蓋体5を移動ブロック4に
取付けると、蓋体5のボールリターン通路51a,51
bと移動ブロック4のボール戻し孔42とが連結され、
ボール転走面41の一端から他端へボール2を循環させ
るボール循環路51が完成する。
【0022】以上のように構成された本実施例の直線摺
動装置のうち、上記蓋体5は樹脂の射出成形によって形
成されており、図5に示すように、表皮をなす外殻層8
の内部にコア層9が充填された三層構造をなしている。
【0023】上記外殻層8をなす樹脂としては、ボール
2の転走に対する耐磨耗性を備えていることが要求さ
れ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニ
レンサルファイド(PPS)等を用いることができる。
また、蓋体5に要求される強度の殆どをこの外殻層8に
負担させるという観点からすれば、ガラス繊維や炭素繊
維等の補強材が添加されたナイロン、ポリアセタール
(POM)、ポリカーボネート等の強化樹脂を用いるの
も良い。
【0024】一方、上記コア層9をなす樹脂としては、
ボール2が方向転換路51を転走することによって生じ
たボール衝突音の吸音性を備えていることが要求され、
例えば、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン等の発
泡樹脂を用いることができる。より軟質でしかも連足気
泡構造の発泡樹脂が吸音性に優れているが、係る樹脂を
コア層9として使用する場合には、上記外殻層8が材料
及びその層厚さの観点から十分な強度を有していること
が必要である。
【0025】このような観点から、本実施例では外殻層
8として補強材入り6−6ナイロンを使用する一方、コ
ア層9としてABS樹脂を使用し、外殻層8の厚さは約
2mmとした。これにより、蓋体に十分な強度を与える
ことができ、また蓋体5の外部へ漏れ出すボール衝突音
を低減することができた。
【0026】このような三層構造を有する本実施例の蓋
体5は、図6に示すようなサンドイッチ射出成形機を用
いて製作される。このサンドイッチ射出成形機ではノズ
ル71に対して二本の射出シリンダ72a、72bが接
続されており、一次側射出シリンダ72aからは外殻層
8となる第一の樹脂73aが、二次側射出シリンダ72
bからはコア層9となる第二の樹脂73bが夫々射出さ
れ、ノズル71を通して金型74のキャビティに充填さ
れる。
【0027】図7は、このサンドイッチ射出成形機によ
る射出成形の工程を示した模式図である。先ず、金型7
4のキャビティ75に対しては一次側射出シリンダ72
aから外殻層8となる第一の樹脂73aのみを一定量だ
け射出し(分図(a)参照)、次いで二次側射出シリン
ダ72bからコア層9となる第二の樹脂73bを射出す
る(分図(b)参照)。これにより、第一の樹脂73a
は第二の樹脂73bに押されて金型壁面との境界に外殻
層8となる固化皮膜を形成しながらキャビティ内に拡が
る一方、第二の樹脂73bはキャビティ内で発泡しなが
ら第一の樹脂73aで形成された外殻層8の内部に充填
され、コア層9が外殻層8で被覆された三層構造の成形
品が完成する(分図(c)参照)
【0028】そして、このような成形方法によれは、密
閉された外殻層8の内部にコア層9が充填され、外殻層
8とコア層9とが緊密に一体化したものとなるので、本
実施例の蓋体5は強度的にも優れたものとなる。従っ
て、移動ブロック4に対するねじ止め等によって蓋体5
のボール方向転換路51が歪むのを可及的に防止するこ
とができ、ボール2の円滑な無限循環運動が促進され
て、ボール2同士の衝突音やボール2と方向転換路51
の衝突音の発生そのものが軽減される。
【0029】次に、図8乃至図10に示された本発明の
第二実施例について説明する。この実施例は本発明をボ
ールスプラインに適用したものである、かかるボールス
プラインは、円周を3等分するように突条80が形成さ
れ、この突条の両側面にボール81の転走面82が形成
されたスプライン軸83と、ボール81を介してこのス
プライン軸83に嵌合し、スプライン軸83に沿って自
在に運動可能なスプラインナット84とから構成されて
いる。
【0030】また、上記スプラインナット84は、上記
スプライン軸83のボール転走面82と対向する負荷転
走面85及びこの負荷転走面85に対応したボール戻し
孔86が形成されたナット本体87と、このナット本体
87の前後両端面に固定されると共に、上記ボール戻し
孔86に連通する円弧状の方向転換路89が形成された
一対の蓋体88,88と、上記ナット本体87の内周に
固定され、上記スプライン軸83を転走するボール81
を方向転換路89に掬い上げる板金製のボール保持器9
0とから構成されている。
【0031】上記ボール保持器90にはナット本体87
の負荷転走面85に対応した長窓91が形成されてお
り、負荷転走面85を転走するボール81はかかる長窓
91を介してスプライン軸83のボール転走面82に接
触する。また、長窓91の両端にはボール転走面82か
らボール81を掬い上げるための舌片92が形成されて
おり、ボール81の掬い上げが円滑に行われるようにな
っている。
【0032】そして、以上の構成によれば、ナット本体
87の両端に蓋体88を取り付けることにより、図10
に示すようなボールの無限循環路が形成されるが、前述
の第一実施例と同様、本実施例の蓋体88も合成樹脂の
射出成形で形成されており、且つ、表皮をなす外殻層8
8aの内部にコア層88bが充填された三層構造をなし
ている。従って、かかる外殻層88a及びコア層88b
の形成材料を第一実施例と同じ観点から選択することに
より、本実施例のボールスプラインでも蓋体88の強度
を確保しつつ、ボール81の無限循環運動に伴うボール
衝突音の外部への伝播を可及的に防止することが可能と
なる。
【0033】次に、図11に示された本発明の第三実施
例について説明する。この実施例は本発明をボールねじ
に適用したものである、かかるボールねじは、ボール転
走溝100が所定のリードで螺旋状に形成されたねじ軸
101と、ボール102を介してこのねじ軸101に螺
合したボールねじナット103とから構成されている。
【0034】また、上記ボールねじナット103は、上
記ねじ軸101のボール転走溝100と対向する負荷転
走溝104及びねじ軸101の軸方向に平行なボール戻
し孔105が形成されたナット本体106と、このナッ
ト本体106の前後両端面に固定されると共に、ねじ軸
101のボール転走溝100から掬い上げたボール10
2を上記ボール戻し孔105に送り込む方向転換路10
7一対の蓋体108,108とから構成されており、こ
のボールねじナット103と上記ねじ軸101の相対的
な回転によって、ボール102が蓋体108の方向転換
路107を介して無限循環するようになっている。
【0035】そして、以上のように構成された本実施例
のボールねじにおいても、その蓋体108は合成樹脂の
射出成形で形成されており、且つ、表皮をなす外殻層の
内部にコア層が充填された三層構造をなしている。従っ
て、かかる外殻層及びコア層の形成材料を第一実施例と
同じ観点から選択することにより、本実施例のボールね
じでも蓋体108の強度を確保しつつ、ボール102の
無限循環運動に伴うボール衝突音の外部への伝播を可及
的に防止することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の転が
り案内装置によれば、その蓋体が耐磨耗性を備えた外殻
層の内部に吸音性を備えたコア層を充填してして形成さ
れているので、蓋体のボールに対する耐磨耗性や強度を
損なうことなく、ボールの無限循環運動に伴うボール衝
突音の発生及びその外部への伝播を可及的に防止するこ
とができ、使用時における騒音の発生が少なく静粛性に
優れた転がり案内装置を提供することが可能となる。
【0037】また、ねじ止め等の外力に対する蓋体の強
度も十分に確保され、移動ブロックへの取付時における
蓋体の歪みを防止することができるので、方向転換路で
のボールの円滑な転走を確保することができ、この点に
おいても騒音の発生が少なく静粛性に優れた転がり案内
装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を直線摺動装置に適用した第一実施例
を示す斜視図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 第一実施例に係る直線摺動装置の正面図であ
る。
【図4】 第一実施例実施例に係る蓋体を示す斜視図で
ある。
【図5】 第一実施例実施例に係る蓋体に形成されたボ
ールの方向転換路を示す断面図である。
【図6】 第一実施例実施例に係る蓋体の成形に利用す
るサンドイッチ射出成形機の構造を示す断面図である。
【図7】 サンドイッチ射出成形機による射出成形の工
程を示した模式図である。
【図8】 本発明をボールスプラインに適用した第二実
施例を示す側面図である。
【図9】 図8のIX−IX線断面図である。
【図10】 第二実施例に係るボールスプラインのボー
ル無限循環路を示す断面図である。
【図11】 本発明をボールねじに適用した第三実施例
を示す側面図である。
【符号の説明】
1…軌道レール(案内軸)、2…ボール、4…移動ブロ
ック、5…蓋体、8…外殻層、9…コア層、12…ボー
ル転走面、41…負荷転走面、42…ボール戻し孔、5
1…ボール方向転換路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボールの転走面を有する案内軸と、上記
    ボールを介して転走面と対向する負荷転走面及びこの負
    荷転走面に対応するボール戻し孔を有し、上記ボールの
    転動に伴い案内軸に沿って移動自在な移動ブロックと、
    この移動ブロックの前後両端面に固定され、上記案内軸
    の転走面から掬い上げたボールを上記ボール戻し孔に向
    けて円弧状に案内するボールの方向転換路を備えた一対
    の蓋体とから構成される転がり案内装置において、 上記蓋体は、第一の樹脂からなる密閉された外殻層の内
    部に第二の樹脂からなるコア層を充填して所定の形状に
    成形され、上記第一の樹脂が耐磨耗性を備える一方、第
    二の樹脂が吸音性を備えていることを特徴とする転がり
    案内装置。
  2. 【請求項2】 上記第一の樹脂が補強剤を添加した強化
    樹脂であり、上記第二の樹脂が発泡樹脂であることを特
    徴とする請求項1記載の転がり案内装置。
JP10844895A 1995-05-02 1995-05-02 転がり案内装置 Expired - Lifetime JP3544407B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10844895A JP3544407B2 (ja) 1995-05-02 1995-05-02 転がり案内装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10844895A JP3544407B2 (ja) 1995-05-02 1995-05-02 転がり案内装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08303460A true JPH08303460A (ja) 1996-11-19
JP3544407B2 JP3544407B2 (ja) 2004-07-21

Family

ID=14485048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10844895A Expired - Lifetime JP3544407B2 (ja) 1995-05-02 1995-05-02 転がり案内装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3544407B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19841669A1 (de) * 1998-09-11 2000-03-16 Schaeffler Waelzlager Ohg Laufwagen für ein Linearwälzlager
DE102006021932A1 (de) * 2006-05-11 2007-11-15 Schaeffler Kg Linearwälzlager
JP2010014234A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Thk Co Ltd 運動案内装置
JP2015090172A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 ニッタ株式会社 リニアガイド装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19841669A1 (de) * 1998-09-11 2000-03-16 Schaeffler Waelzlager Ohg Laufwagen für ein Linearwälzlager
DE19841669B4 (de) * 1998-09-11 2009-04-09 Schaeffler Kg Laufwagen für ein Linearwälzlager
DE102006021932A1 (de) * 2006-05-11 2007-11-15 Schaeffler Kg Linearwälzlager
JP2010014234A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Thk Co Ltd 運動案内装置
JP2015090172A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 ニッタ株式会社 リニアガイド装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3544407B2 (ja) 2004-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4070265B2 (ja) 直線案内装置
JP3288961B2 (ja) 直線運動装置及びこれに使用される潤滑油供給装置
EP1048860B1 (en) Spacer for linear motion apparatus and linear motion apparatus provided with spacer
US6113274A (en) Linear guideway having spacers and spacer ball
KR19990083217A (ko) 윤활유 공급 장치
JP4062574B2 (ja) 転動体連結体の製造方法
JPH08303460A (ja) 転がり案内装置
JP3263005B2 (ja) 転がり案内装置
JP3344146B2 (ja) 潤滑剤含有ポリマ潤滑リニアガイド装置
JPH11303866A (ja) 潤滑油供給装置及びこれを用いた直線運動装置
KR100465383B1 (ko) 롤러 연결체 및 이것을 사용한 직선안내장치
US5711611A (en) Guide mechanism
JP4086960B2 (ja) 直線運動装置の保護スクレーパ及び直線運動装置
JP3256363B2 (ja) 直線案内装置
US5308165A (en) End block of a linear motion guide unit
JP4413913B2 (ja) 直線案内装置
JPH01262114A (ja) タイプライター又は類似の事務機械用のプラスチックプラテンを製造するための方法
JPH1019040A (ja) 直線案内装置
JPH1047344A (ja) 転がり運動案内装置
JPH11351252A (ja) リニア軸受ガイド構造
US4291927A (en) Integral foamed plastic sliding bearings
JP4008066B2 (ja) 転動体連結体
US5184898A (en) Ball retainer for linear bearings
JPH09250541A (ja) 送りねじ付き直線運動案内装置およびそのインナブロックの成形方法
JP3455608B2 (ja) スプラインユニットおよびスプラインユニットの外筒成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040402

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110416

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120416

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term