JPH08302252A - 活性エネルギー線硬化型塗料組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型塗料組成物

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JPH08302252A
JPH08302252A JP7105259A JP10525995A JPH08302252A JP H08302252 A JPH08302252 A JP H08302252A JP 7105259 A JP7105259 A JP 7105259A JP 10525995 A JP10525995 A JP 10525995A JP H08302252 A JPH08302252 A JP H08302252A
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JP
Japan
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coating composition
fatty acid
coating
acid ester
parts
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Pending
Application number
JP7105259A
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English (en)
Inventor
Kazumi Fukutome
和美 福留
Seiji Takami
誠司 高見
Masanori Murase
正紀 村瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照
射によって硬化でき、塗面状態、高温殺菌処理前後の滑
り性に優れ、且つ加工性、硬度などの塗膜性能に優れた
塗膜を形成できる活性エネルギー線硬化型塗料組成物を
得る。 【構成】 分子中に水酸基を2個以上有するポリオール
化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステル
ワックスを、塗膜形成成分100重量部中に、0.01
〜10重量部含有することを特徴とする活性エネルギー
線硬化型塗料組成物、及びこの塗料組成物を金属板に塗
装し活性エネルギー線を照射して硬化させた塗装金属板
を缶とする塗装金属缶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線、電子線などの
活性エネルギー線の照射によって硬化でき、塗面状態、
高温殺菌処理前後の滑り性に優れ、且つ加工性、硬度な
どの塗膜性能に優れた塗膜を形成できる活性エネルギー
線硬化型塗料組成物、及びこの塗料組成物を使用した塗
装金属缶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、得られる塗膜に滑り
性を付与するために、塗料中にワックスを配合すること
が行われている。塗料に配合するワックスの選択は重要
であり、塗料中に配合するワックスの種類、添加量を誤
ると、得られる塗膜にハジキ、ヘコミなどが発生して塗
面外観を劣化させたり、塗膜表面に配向せず滑り性が改
良されず塗膜硬度が低下することが起こる。塗料用のワ
ックスとしては、ポリエチレンワックス、シリコーンワ
ックス、ラノリン系ワックス、カルナウバろうなどが知
られている。
【0003】しかしながら、紫外線、電子線などの活性
エネルギー線の照射によって硬化する塗料中に、ポリエ
チレンワックスを配合した場合には、得られる塗膜の塗
面状態が悪く、滑性も十分ではない。またシリコーンワ
ックス、ラノリン系ワックス、カルナウバろうを配合し
た場合には、得られる塗膜を高温殺菌処理すると滑り性
が損なわれ易くなるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、塗
面状態、高温殺菌処理前後の滑り性に優れ、且つ加工
性、硬度などの塗膜性能に優れた塗膜を形成できる活性
エネルギー線硬化型塗料組成物を得るべく鋭意研究の結
果、活性エネルギー線硬化型塗料組成物中にワックス成
分として、特定の脂肪酸エステルワックスを所定量配合
することによって上記目的を達成できることを見出し本
発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち本発明は、1. 分子中に水酸基
を2個以上有するポリオール化合物と脂肪酸とのエステ
ル化物である脂肪酸エステルワックスを、塗膜形成成分
100重量部中に、0.01〜10重量部含有すること
を特徴とする活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供
するものである。
【0006】また本発明は、2. 上記項1に記載の活
性エネルギー線硬化型塗料組成物を金属板に塗装し活性
エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする塗
装金属缶の製造方法を提供するものである。
【0007】
【作用】本発明組成物における、活性エネルギー線硬化
型塗料組成物は、紫外線、電子線などの活性エネルギー
線の照射によって、カチオン重合又はラジカル重合を起
こして硬化可能な塗料組成物である。
【0008】上記カチオン重合を起す塗料組成物は、塗
膜形成バインダー成分として、例えば下記(a)〜
(d)で示すカチオン重合性化合物の1種または2種以
上を必須成分として含有する。
【0009】(a)エポキシ基を有する化合物:ジシク
ロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、
4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシク
ロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)アジペート、フェニルグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、o−、m−、p−クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多
価アルコールのポリグリシジルエーテル等のエポキシ化
合物など。
【0010】(b)ビニル化合物:スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどの芳香族ビニル化合物;n−ブチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニル
エーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルなどの置換
又は非置換のアルキルビニルエーテル類;アリルビニル
エーテル、エテニルビニルエーテル、1−メチル−2−
プロペニルビニルエーテルなどのアルケニルビニルエー
テル類;フェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニ
ルビニルエーテルなどのアリールビニルエーテル類;ブ
タンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコー
ルジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールビニルエ
ーテルなどのアルキルジビニルエーテル類;1,4−ベ
ンゼンジメタノールジビニルエーテル、N−m−クロロ
フェニルジエタノールアミンジビニルエーテル、m−フ
ェニレンビス(エチレングリコール)ジビニルエーテル
などのアラルキルジビニルエーテル類;ハイドロキノン
ジビニルエーテル、レゾルシノールジビニルエーテルな
どのアリールジビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾ
ール、N−ビニルピロリドンなどのカチオン重合性窒素
含有化合物。
【0011】(c)ビシクロオルソエステル化合物:1
−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ−〔2,2,2〕−オクタン、1−エチル−4−ヒ
ドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ−
〔2,2,2〕−オクタン等。
【0012】(d)スピロオルソカーボネート化合物:
1,5,7,11−テトラオキサスピロ−〔5,5〕−
ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11−
テトラオキサスピロ−〔5,5〕−ウンデカン、1,
4,6−トリオキサスピロ−〔4,4〕−ノナン、2−
メチル−1,4,6−トリオキサスピロ−〔4,4〕−
ノナン、1,4,6−トリオキサスピロ−〔4,5〕−
デカンなど。
【0013】上記(a)〜(d)の化合物のうち、エポ
キシ基を有する化合物(a)が特に好ましい。
【0014】上記カチオン重合性化合物のカチオン重合
を紫外線、可視光によって行う場合には、紫外線、可視
光によってカチオンを発生して重合を開始させる光カチ
オン重合開始剤を併用することが必要であり、光カチオ
ン重合開始剤としては、例えば下記式で表されるヘキサ
フルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシ
アンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘ
キサフルオロアルゼネート塩、およびその他の光カチオ
ン重合開始剤などを挙げることができる。
【0015】Ar2+ ・X- (I) 〔式中、Arはアリール基、例えばフェニル基を表し、
- はPF6 -、SbF 又はAsF を表す〕 Ar3+ ・X- (II) 〔式中、Ar及びX- は上記と同じ意味を有する〕
【0016】
【化1】
【0017】〔式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基
又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、nは0〜3
を表し、X- は上記と同じ意味を有する〕
【0018】
【化2】
【0019】〔式中、Y- はPF6 -、SbF6 -、AsF
6 -又はSbF5(OH)-を表す〕
【0020】
【化3】
【0021】〔式中、X- は上記と同じ意味を有する〕
【0022】
【化4】
【0023】〔式中、X- は上記と同じ意味を有する〕
【0024】
【化5】
【0025】〔式中、X- は上記と同じ意味を有する〕
【0026】
【化6】
【0027】〔式中、R1 は炭素原子数7〜15のアラ
ルキル基又は炭素原子数3〜9のアルケニル基、R2
炭素原子数1〜7の炭化水素基又はヒドロキシフェニル
基、R3 は酸素原子又は硫黄原子を含有していてもよい
炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、X- は上記と同
じ意味を有する〕
【0028】
【化7】
【0029】〔式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に炭
素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコ
キシ基を表す〕
【0030】
【化8】
【0031】〔式中、R1 及びR2 は上記と同じ意味を
有する〕
【0032】
【化9】
【0033】光カチオン重合開始剤の市販品としては、
例えば、サイラキュアUVI−6970、同UVI−6
974、同UVI−6990(以上、いずれも米国、ユ
ニオン カーバイド社製)、イルガキュア264(チバ
ガイギー社製)、CIT−1682(日本曹達
(株))製などを挙げることができる。光カチオン重合
開始剤の配合量は、カチオン重合性化合物100重量部
に対して、通常1〜10重量部の範囲で使用される。
【0034】前記ラジカル重合を起す塗料組成物は、塗
膜形成バインダー成分として、活性エネルギー線照射に
よってラジカル重合可能な重合性不飽和基を有する、ラ
ジカル重合性樹脂およびラジカル重合性ビニルモノマー
の1種または2種以上を必須成分として含有する。
【0035】上記ラジカル重合性樹脂としては、エチレ
ン性不飽和基含有樹脂が包含され、具体的には次に例示
するものを挙げることができる。
【0036】上記エチレン性不飽和基含有樹脂として
は、例えば、ポリエステルに(メタ)アクリル酸を縮合
させた樹脂、エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹
脂、エチレン性不飽和基含有エポキシ樹脂、エチレン性
不飽和基含有含リンエポキシ樹脂、エチレン性不飽和基
含有アクリル樹脂、エチレン性不飽和基含有シリコン樹
脂、エチレン性不飽和基含有メラミン樹脂などが挙げら
れる。
【0037】前記ラジカル重合性ビニルモノマーとして
は、ラジカル重合性不飽和モノマーのみではなく、ラジ
カル重合性不飽和オリゴマーも包含され、具体的には次
に例示するものを挙げることができる。
【0038】ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸
ブチル(n−,i−,t−)、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル
(n−,i−,t−)、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル又はシクロア
ルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリ
ル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、
メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタク
リル酸のアルコキシアルキルエステルなどのアクリル酸
またはメタクリル酸と炭素原子数1〜28個の1価アル
コールとのエステル化物:スチレン、ビニルトルエン、
メチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンな
どのビニル芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸な
どのカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有モノマ
ー;ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネートな
どのポリイソシアネートと上記水酸基含有モノマーとの
付加物、リン酸と上記水酸基含有モノマーとの付加物;
ビニルピロリドン、ビニルピリジンなどの含窒素複素環
を有する不飽和モノマー;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビ
ニルイソブチルエーテル、メチルビニルエーテル、アク
リロニトリル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなど
のその他のビニル化合物などが挙げられる。
【0039】またラジカル重合性不飽和オリゴマーとし
ては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、グリセリンジ(メタ)
アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソシア
ヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリ
レート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタ
ンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒド
ロキシメチル)エタントリ(メタ)アクリレート〔本発
明において、各化合物の語尾の「(メタ)アクリレー
ト」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味す
る。〕などのジ−、トリ−、テトラ−ビニル化合物など
のポリビニル化合物;エチレングリコール、グリセリ
ン、ブチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオールなどの多価アルコールとエチレンオ
キシドまたはプロピレンオキシドとの付加物に、アクリ
ル酸および/又はメタクリル酸を反応せしめた生成物;
上記多価アルコールとε−カプロラクトンとの付加物
に、アクリル酸および/又はメタクリル酸を反応せしめ
た生成物;含リン重合性不飽和オリゴマーなどが挙げら
れる。
【0040】ラジカル重合性不飽和モノマー及びラジカ
ル重合性不飽和オリゴマーは単独で又は2種以上混合し
て使用できる。
【0041】上記ラジカル重合を起す塗料組成物は、電
子線照射によって硬化させる場合には必要ないが、可視
光、紫外線の照射によって硬化させる場合には、組成物
中に可視光、紫外線の照射によって励起されてラジカル
を発生する光重合開始剤を配合する必要がある。
【0042】上記光重合開始剤としては、例えばベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、2−メチルベンゾイン、ベンジル、ベンジルジ
メチルケタール、ジフェニルスルフィド、テトラメチル
チウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオシン、チ
オニン、ミヒラーケトン、アントラセン、アントラキノ
ン、クロルアントラキノン、メチルアントラキノン、ア
セトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p
−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、
α・α′−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、
1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メ
チルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1−〔4−
(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパ
ノン−1、チオキサントン、ベンゾフェノンなどを挙げ
ることができる。これらの光重合開始剤は単独で又は2
種以上を混合して使用でき、上記ラジカル重合性樹脂と
ラジカル重合性ビニルモノマーとの和100重量部に対
して、0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0043】また、これらの光重合開始剤による光重合
反応を促進させるために、光増感促進剤を光重合開始剤
と併用してもよい。併用し得る光増感促進剤として、例
えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルアミノエタノール等の3級アミン系;トリフェニルホ
スフィン等のアルキルホスフィン系;β−チオジグリコ
ール等のチオエーテル系の光増感促進剤が挙げられる。
これらの光増感促進剤は、それぞれ単独で又は2種以上
混合して使用でき、その配合量は、上記ラジカル重合性
樹脂とラジカル重合性ビニルモノマーとの和100重量
部に対して、0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0044】本発明組成物においては、活性エネルギー
線の照射によって、カチオン重合を起す塗料組成物及び
ラジカル重合を起す塗料組成物のいずれにおいても、脂
肪酸エステルワックスを含有する。この脂肪酸エステル
ワックスは、分子中に水酸基を2個以上有するポリオー
ル化合物と脂肪酸とのエステル化物である。
【0045】上記ポリオール化合物の具体例としては、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−
又は1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ジ又はそ
れ以上のポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどを挙
げることができる。これらのうち、1分子中に3個以上
の水酸基を有するポリオール化合物が好ましく、中でも
ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトールが好適である。
【0046】上記脂肪酸としては、飽和又は不飽和の脂
肪酸を挙げることができ、炭素原子数6〜32の脂肪酸
であることが好ましい。好適な脂肪酸の具体例として
は、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン
酸などの飽和脂肪酸;カプロレイン酸、ウンデシレン
酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸、エレオステアリン酸、セトレイン酸、エルカ
酸、リカン酸、リシノール酸、アラキドン酸などの不飽
和脂肪酸を挙げることができる。
【0047】上記脂肪酸エステルワックスは、塗料組成
物中の塗膜形成成分100重量部中に、0.01〜10
重量部配合されることが好ましい。脂肪酸エステルワッ
クスの配合量が、0.01重量部未満では滑り性が十分
でなく、一方、10重量部を超えると得られる塗膜の塗
膜硬度、加工性が低下する。
【0048】本発明における活性エネルギー線硬化型塗
料組成物は、活性エネルギー線の照射によって、カチオ
ン重合を起す塗料組成物及びラジカル重合を起す塗料組
成物のいずれにおいても、上記必須成分である塗膜形成
バインダー成分、脂肪酸エステルワックス以外に、必要
に応じて、スベリ性付与剤、シリコーン系、フッ素系な
どの添加剤を使用したり、硬化を著しく阻害しない量の
着色顔料、体質顔料、染料、フェノール樹脂などの改質
樹脂、樹脂微粒子、溶剤などを含有していてもよい。
【0049】本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成
物は、ブリキ、アルミニウム、ティンフリースチール、
鉄、亜鉛、銅、亜鉛メッキ鋼板、合金メッキ鋼板などの
金属、これらの金属にリン酸塩処理やクロメート処理を
施した化成処理金属、木材、プラスチックス、コンクリ
ートなどに塗布することができる。塗膜厚は用途によっ
て適宜選択すればよいが、通常、乾燥塗膜厚として約2
〜20μm となる量であり、缶用途に用いる場合には、
約2〜8μm の範囲が好ましい。
【0050】本発明の塗料組成物は、ロールコート塗
装、スプレー塗装、ハケ塗り、ローラー塗り、シルクス
クリーン印刷などによって塗装することができる。塗装
後、塗膜が溶剤を含有する場合は加熱などにより溶剤を
除去した後、本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成
物の塗膜は活性エネルギー線照射によって硬化される
が、照射条件は塗装された塗料組成物の種類に応じて適
宜選択すればよい。
【0051】紫外線や可視光線の照射源としては、高圧
水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カー
ボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げ
ることができ、塗膜への照射条件は通常、線量が1〜3
00mj/cm2となる範囲が適している。
【0052】また電子線発生源としては、コッククロフ
ト型、コッククロフトワルトン型、ファン・デ・グラー
フ型、共振変圧器型、変圧器型、絶縁コア変圧器型、ダ
イナミトロン型、リニアフィラメント型及び高周波型な
どの電子線発生装置を挙げることができ、塗膜への照射
条件は通常、1〜20メガラッドの範囲内の線量が適し
ている。
【0053】
【発明の効果】本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組
成物は、ワックス成分として脂肪酸エステルワックスが
配合されており、塗面状態、高温殺菌処理前後の滑り性
に優れ、且つ加工性、硬度などの塗膜性能に優れた塗膜
を形成できる。
【0054】
【実施例】実施例により本発明をより具体的に説明す
る。なお、以下、「部」及び「%」は、いずれも重量基
準によるものとする。
【0055】実施例1 サイラキュアUVR−6110〔米国、ユニオン カー
バイド(株)製、脂環式エポキシ基含有カチオン重合性
化合物〕100部に対して、サイラキュアUVI−69
70〔米国、ユニオン カーバイド(株)製、光カチオ
ン重合開始剤〕4部を配合し50℃に保持し、この中
に、トリメチロールプロパン1モルにオレイン酸1モル
とステアリン酸1モルとを反応させてなる脂肪酸エステ
ルワックス(a)5重量部を攪拌下にて徐々に添加して
カチオン重合性塗料組成物(A)を得た。
【0056】実施例1において、脂肪酸エステルワック
ス(a)5重量部のかわりに、重合度が6のポリグリセ
リンであるヘキサグリセリンエーテル(1分子中に水酸
基を8個有する)1モルとラウリン酸6モルとを反応さ
せてなる脂肪酸エステルワックス(b)3重量部を使用
する以外は実施例1と同様に行いカチオン重合性塗料組
成物(B)を得た。
【0057】実施例3 実施例1において、脂肪酸エステルワックス(a)5重
量部のかわりに、重合度が10のポリグリセリンである
デカグリセリンエーテル(1分子中に水酸基を12個有
する)1モルとラウリン酸10モルとを反応させてなる
脂肪酸エステルワックス(c)3重量部を使用する以外
は実施例1と同様に行いカチオン重合性塗料組成物
(C)を得た。
【0058】実施例4 3リットルの四つ口フラスコに、コンデンサ、温度計、
攪拌機、窒素ガス流通器、滴下装置を取り付け、1kgの
エチルアルコールを添加し、攪拌しながら80℃に昇温
した。窒素を流通し温度を80℃に保持しながら以下の
混合物を3時間かけて滴下した。
【0059】 メチルメタクリレート 100部 スチレン 100部 n−ブチルアクリレート 498部 メタクリル酸 172部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 130部 t−ブチルパーオクトエート 5部 滴下終了後、80℃に2時間保持して熟成し、その後、
以下に示す追加触媒溶液を30分間かけて滴下した。
【0060】 t−ブチルパーオクトエート 1.0部 エタノール 1.0部 滴下終了後、さらに80℃に3時間保持して熟成し、ベ
ース樹脂を合成した。次に以下に示す化合物の混合物を
添加し80℃で反応させ、樹脂酸価が50になったとこ
ろで、同温度で真空ポンプにて減圧してエタノールを除
去し、冷却して固形分97%の樹脂溶液を得た。
【0061】 グリシジルメタクリレート 142部 テトラエチルアンモニウムクロライド 2部 パラベンゾキノン 1部 上記で得た固形分97%の樹脂溶液100部に、ペンタ
エリスリトール1モルに対してオレイン酸2モルとステ
アリン酸2モルとを反応させてなる脂肪酸エステルワッ
クス(d)2重量部を攪拌下にて徐々に添加してラジカ
ル重合性塗料組成物(D)を得た。
【0062】実施例5 実施例4において、脂肪酸エステルワックス(d)2重
量部のかわりに脂肪酸エステルワックス(c)3重量部
を使用する以外は実施例4と同様に行いラジカル重合性
塗料組成物(E)を得た。
【0063】実施例6 実施例4において、脂肪酸エステルワックス(d)2重
量部とともに、さらに2−メチル−1−〔4−(メチル
チオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパノン−1
を2重量部を配合する以外は実施例4と同様に行いラジ
カル重合性塗料組成物(F)を得た。
【0064】比較例1 実施例1において、脂肪酸エステルワックス(a)5重
量部のかわりに、T−15P−2〔岐阜セラック(株)
製、ポリエチレンワックス液、固形分15%〕を1.0
重量部使用する以外は実施例1と同様に行いカチオン重
合性塗料組成物(G)を得た。
【0065】比較例2 実施例4において、脂肪酸エステルワックス(d)2重
量部のかわりにByk−300(BYK Chemie社製、シリ
コンワックス)を0.1重量部使用する以外は実施例4
と同様に行いラジカル重合性塗料組成物(H)を得た。
【0066】比較例3 実施例1において、脂肪酸エステルワックス(a)5重
量部のかわりに、ペインタッドM〔ダウコーニング社
製、シリコーンワックス〕を0.2重量部使用する以外
は実施例1と同様に行いカチオン重合性塗料組成物
(I)を得た。
【0067】比較例4 実施例4において、脂肪酸エステルワックス(d)2重
量部のかわりにマルチワックス180M(Witoco Chemie
社製、パラフィン系マイクロクリスタリンワックス)を
5重量部使用する以外は実施例4と同様に行いラジカル
重合性塗料組成物(J)を得た。
【0068】比較例5 実施例1において、脂肪酸エステルワックス(a)5重
量部のかわりに、パラフィンワックス1.0重量部を使
用する以外は実施例1と同様に行いカチオン重合性塗料
組成物(K)を得た。
【0069】試験塗板の作成 上記実施例及び比較例で得た各塗料組成物を、厚さ0.
20mmのティンフリースチール板に乾燥膜厚が5μm と
なるように塗装し、紫外線照射または電子線照射を以下
の条件にて行い塗膜を硬化させて試験塗板とした。
【0070】(1)紫外線照射条件 メタルハライドランプ(160W)を用い、塗装板とラ
ンプとの距離15cmでエネルギー線量200mj/cm2とな
るように照射した。
【0071】(2)電子線照射条件 電子線照射装置(エレクトロカーテンCB250/15
/180L、岩崎電気(株)製)を用いて電子線を照射
した。電子線の照射条件は電子エネルギー165KeV 、
電子線量7Mradであった。
【0072】得られた各試験塗板に下記の試験方法に基
づいて試験を行った。試験結果を後記表1に示す。表1
において、紫外線照射を行った場合にはUV、電子線照
射を行った場合にはEBと表示する。
【0073】
【表1】
【0074】試験方法 塗面状態:塗面の均一性とツヤビケ状態を目視評価し
た。
【0075】○:全く異常が認められない △:ハジキ、ツヤビケなどの異常がわずかに認められる ×:ハジキ、ツヤビケなどの異常が著しく認められる 滑り性:20℃において、EGAN SLIP TESTER (Thwing A
lbert Instrument Company, USA)を用い、鋼球3点接触
式の荷重1kgの分銅を試験塗板上に設置し移動速度10
cm/分における動摩擦係数を測定した。オートクレーブ
を用い、試験塗板を水中にて加圧下125℃で30分間
レトルト処理した塗板についても同様に動摩擦係数を測
定した。
【0076】密着性:試験塗板の塗膜面にナイフを使用
して約1.5mm間隔で縦、横それぞれ11本の切目をゴ
バン目状に入れる。ついでゴバン目部にセロハン粘着テ
ープを密着させ、瞬時に剥離した時のゴバン目部の剥離
程度を目視観察する。
【0077】○:全く剥離が認められない △:剥離がわずかに認められる ×:剥離が著しい 鉛筆硬度:試験塗板の塗膜に、JIS K5400
8.4.2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を
行った。評価はやぶれ法で行った。
【0078】デュポン衝撃加工性:デュポン衝撃試験機
を用い試験塗板に塗膜面の反対側から、撃芯の直径3/
8インチ、落錘荷重500g 、落錘高さ50cmの条件で
衝撃加工を行い、加工部を硫酸銅水溶液に浸漬し、銅の
析出程度により以下の基準によって評価した。
【0079】◎:全く銅の析出が認められない ○:わずかに銅の析出が認められる △:かなりの銅の析出が認められる ×:加工部全面に銅の析出が認められる

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に水酸基を2個以上有するポリオ
    ール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エス
    テルワックスを、塗膜形成成分100重量部中に、0.
    01〜10重量部含有することを特徴とする活性エネル
    ギー線硬化型塗料組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪酸エステルワックスが、3個以上の
    水酸基を含有するポリオール化合物と炭素原子数が6〜
    32の脂肪酸とのエステル化物であることを特徴とする
    請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 脂肪酸エステルワックスを構成するポリ
    オール化合物が、ポリグリセリン、ペンタエリスリトー
    ル及びトリメチロールプロパンから選ばれる少なくとも
    1種の化合物であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 カチオン重合性化合物及び紫外線照射に
    よりカチオンを発生するカチオン重合開始剤を含有し、
    紫外線照射によりカチオン重合して硬化する請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 カチオン重合性化合物がエポキシ基を有
    する化合物であることを特徴とする請求項4記載の塗料
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活
    性エネルギー線硬化型塗料組成物を金属板に塗装し活性
    エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする塗
    装金属缶の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001684A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Dic Graphics Corp 紫外線硬化型金属印刷インキ組成物及びそれを用いた被覆方法

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