JPH08301778A - 腸疾患の治療・予防剤 - Google Patents

腸疾患の治療・予防剤

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JPH08301778A
JPH08301778A JP7109484A JP10948495A JPH08301778A JP H08301778 A JPH08301778 A JP H08301778A JP 7109484 A JP7109484 A JP 7109484A JP 10948495 A JP10948495 A JP 10948495A JP H08301778 A JPH08301778 A JP H08301778A
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Japan
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alkaloid
therapeutic
prophylactic agent
cepharanthin
enteritis
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JP7109484A
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Akikuni Yakida
旭邦 八木田
Yasushi Sukegawa
寧 助川
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KAKEN SHIYOUYAKU KK
Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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KAKEN SHIYOUYAKU KK
Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ツヅラフジ科ステファニア属の植物由来アル
カロイドを有効成分として含有する腸疾患の治療・予防
剤。 【効果】 腸疾患、特に腸炎に対して炎症を抑制し、症
状を改善する作用を有する。潰瘍性大腸炎、クローン
病、腸管型ベーチェット病などの腸疾患の治療および/
または予防に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカロイドを有効成分
とする腸疾患の治療・予防剤に関する。詳細には、ツヅ
ラフジ科ステファニア属の植物由来のアルカロイドを有
効成分として含有する腸疾患の治療・予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】タマサキツヅラフジ、トウコウツヅラフ
ジなどのツヅラフジ科ステファニア属の植物には、セフ
ァランチン、イソテトランドリン、ベルバミン、シクレ
アニン、ホモアロモリン、セファラノリンなどの植物ア
ルカロイドが含まれている。ステファニア属の植物、特
にタマサキツヅラフジから抽出されたアルカロイドを含
有する医薬製剤は、抗アレルギー作用、免疫調整作用、
抗血小板凝集作用、および抗癌剤耐性克服作用を有し、
白血球減少症、円形脱毛症、滲出性中耳炎、まむし咬傷
などに、副作用の少ない安全な薬として、広く臨床で使
用されている。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的はステファニア属の植物由
来のアルカロイドの新規医薬用途を提供することにあ
る。
【0004】
【発明の構成】本発明者らは、上記目的を達成すべく研
究を進めた結果、ステファニア属の植物由来のアルカロ
イドが腸疾患、特に腸炎の治療・予防剤の有効成分とし
て有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0005】本発明は、ツヅラフジ科ステファニア属の
植物由来のアルカロイドを有効成分として含有する腸疾
患、特に腸炎の治療・予防剤である。本発明の有効成分
であるアルカロイドは、ステファニア属の植物(例えば
タマサキツヅラフジ、コウトウツヅラフジなど)から常
法に従って抽出することができる。好ましくはタマサキ
ツヅラフジ由来のアルカロイドを用いる。本発明の有効
成分としては、ステファニア属植物からの抽出液を濃縮
したエキス、このエキスの酸性溶液をアルカリ性にした
ときに生ずる沈殿、さらにこれより分離されるアルカロ
イド含有画分、また常法により分離精製して得られる結
晶などを用いることができる。例えば、ステファニア属
植物(根茎、茎、種子、葉などが使用できるが、これら
の部分に限定されない)をメタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチル、ベンゼンなどの溶媒で抽出し、抽
出液を濃縮し、濃縮物を希塩酸、希硫酸、クエン酸水溶
液、シュウ酸水溶液などの酸性水溶液に溶解し、溶液を
アルカリ性にして生じた沈澱を採取することによりアル
カロイド画分を分離することができる。得られた画分は
さらに各種クロマトグラフィー、再結晶など公知の手段
により精製してもよい。
【0006】ステファニア属の植物由来のアルカロイド
としては、セファランチン(cepharanthine) 、イソテト
ランドリン(isotetrandrine)、ベルバミン(berbamine)
、シクレアニン(cycleanine)、ホモアロモリン(homoar
omoline) 、セファラノリン(cepharanoline) 、アロモ
リン(aromoline) 、オバメジン(obamegine) 、ノルシク
レアニン(norcycleanine) 、2-ノルセファランチン(2-n
orcepharanthine)、2-ノルセファラノリン(2-norcephar
anoline)、2-ノルベルバミン(2-norberbamine)、セコセ
ファランチン(secocepharanthine) 、オバベリン(obabe
rine) 、2-ノルイソテトランドリン(2-norisotetrandri
ne) 、オキシアカンチン(oxyacanthine)、ステフィバベ
リン(stephibaberine)、タルルゴシン(thalrugosine)な
どのビスベンジルイソキノリンアルカロイド;コクラウ
リン(coclaurine)、レチキュリン(reticuline)、ロウダ
ニジン(laudanidine) 、プロトシノメニン(protosinome
nine) 、N-メチルコクラウリン(N-methylcoclaurine)な
どのベンジルイソキノリンアルカロイド;FK−300
0、シノメニン(sinomenine)、セファモニン(cephamoni
ne) 、タンナジン(tannagine) 、セファムリン(cephamu
line) などのモルフィナンアルカロイド;ラストアワビ
リン(lastourvilline)、イソコリジン(isocorydine) 、
コリジン(corydine)などのアポルフィンアルカロイド;
ステファリン(stepharine)などのプロアポルフィンアル
カロイド;セファラミン(cepharamine)、アクナジニン
(aknadinine)、アクナジラクタム(aknadilactam)などの
ハスバサンアルカロイドが挙げられる。本発明の腸疾患
の治療・予防剤は、少なくとも1つのアルカロイドを含
有していればよく、2つ以上のアルカロイドの混合物を
含有していてもよい。
【0007】前記のビスベンジルイソキノリンアルカロ
イドは次の構造を有する化合物である。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】また前記ベンジルイソキノリンアルカロイ
ドは次の構造を有する化合物である。
【0013】
【化5】
【0014】本発明の腸疾患の治療・予防剤は、好まし
くはセファランチン、イソテトランドリン、ベルバミ
ン、シクレアニン、ホモアロモリンおよびセファラノリ
ンから選ばれる少なくとも1つのアルカロイドを含有
し、より好ましくはセファランチンを含有する。アルカ
ロイドは医薬的に許容される酸付加塩であってもよい。
医薬的に許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素
酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸の付加塩、酢酸、
コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、
フマル酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
などの有機酸の付加塩が挙げられる。
【0015】ステファニア属の植物由来のアルカロイド
を含有する医薬製剤としては、タマサキツヅラフジ抽出
アルカロイド製剤であるセファランチン(Cepharanthi
n、登録商標、化研生薬株式会社)が市販されている。
【0016】セファランチン(登録商標)はアルカロイ
ドとして、セファランチン、イソテトランドリン、ベル
バミン、シクレアニン、ホモアロモリン、セファラノリ
ン、アロモリン、オバメジン、ノルシクレアニン、2-ノ
ルセファランチン、2-ノルセファラノリン、2-ノルベル
バミン、セコセファランチン、オバベリン、2-ノルイソ
テトランドリン、オキシアカンチンおよびタルルゴシン
を含有する。これらのアルカロイドのうち、セファラン
チン(登録商標)の主なアルカロイド成分は、セファラ
ンチン、イソテトランドリン、ベルバミン、シクレアニ
ン、ホモアロモリンおよびセファラノリンである。なお
本明細書において、「セファランチン(登録商標)」と
記載するときは、タマサキツヅラフジから抽出されたア
ルカロイド製剤の市販品(化研生薬株式会社から市販さ
れている)を意味し、「セファランチン」と記載すると
きは、前記構造式(I)(式中、R1 はCH3 であり、
2 およびR3 は−CH2 −を形成し、R4 はCH3
ある)で示されるアルカロイドを意味する。
【0017】本発明の腸疾患の治療・予防剤は、アルカ
ロイド成分をそのまま用いてもよいが、通常は製薬上に
許容される添加剤、例えば賦形剤、結合剤、滑沢剤、溶
剤、希釈剤、安定化剤、等張化剤などを添加して、錠
剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤、液剤、坐剤な
どに製剤化して用いられる。賦形剤としては、例えば澱
粉、乳糖、メチルセルロース、結晶セルロース、合成珪
酸アルミニウムなど、結合剤としては、例えばヒドロキ
シプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなど、滑
沢剤としては、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウムなど、等張化剤としては塩
化ナトリウム、ブドウ糖、グリセロール、マンニトール
などが用いられる。
【0018】本発明の腸疾患の治療・予防剤は、経口、
静脈内、皮下、腹腔内または直腸投与により投与するこ
とができる。好ましくは、経口、静脈内または皮下投与
により投与する。本発明の腸疾患の治療・予防剤の投与
量は、患者の年齢、体重、病状などによって異なるが、
普通は経口投与の場合には、1日当たりアルカロイド成
分として0.1〜1000mg、好ましくは1〜300
mgである。
【0019】本発明の腸疾患の治療・予防剤は、腸疾
患、特に腸炎に対して炎症を抑制し、症状を改善する作
用を有し、当該腸疾患の治療および/または予防に有用
である。本発明において、腸炎とは小腸(十二指腸、空
腸、回腸を含む)または大腸(盲腸、結腸、直腸を含
む)における炎症性腸疾患を意味する。腸炎には、原因
が明らかな感染性腸炎、虚血性腸炎、放射線腸炎、薬剤
性腸炎、過敏性腸症候群などのほかに、原因が未だ不明
である難治性炎症性腸疾患があり、難治性炎症性腸疾患
には、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管型ベーチェット
病が含まれるほか、原因が不明であるばかりでなく未だ
疾患単位が明らかでない腸炎がある。
【0020】
【実施例・試験例】
試験例1 サイトカイン産生抑制作用 腸炎患者の末梢血モノサイト−マクロファージ系細胞
(Mo−Mφ系細胞)のサイトカイン産生に対する本発
明薬剤〔セファランチン(登録商標)〕の抑制作用を測
定した。対照薬物としてスルファサラジンおよびプレド
ニゾロンを使用した。活動期の潰瘍性大腸炎患者3例、
クローン病患者3例および腸管型ベーチェット病患者1
例のヘパリン加末梢血をそれぞれ約30ml採血し、フ
ィコール・ロンレイ・パーコール(Ficoll-Lonray Perc
oll)を用いて比重分離して、モノサイト(Mo)および
マクロファージ(Mφ)を採取した。これを、10%ウ
シ胎児血清(FCS)を加えたローズウェル・パーク記
念研究所(Rosewell Park Memorial Institute)培地(R
PMI−1640)を用いて1×104 個/mlに調整
した。上記調製した細胞に所定濃度の試験薬物〔セファ
ランチン(登録商標、化研生薬株式会社):1μg/m
l、10μg/ml、スルファサラジン:10-4M、プ
レドニゾロン:10μg/ml〕を添加し、同時に刺激
剤としてリポ多糖体(Lipopolysaccharide)10μg/m
lを添加した後、炭酸ガス下で37℃において3時間イ
ンキュベーションした。上清中のサイトカイン〔腫瘍壊
死因子α(TNFα)、インターロイキン6(IL−
6)およびインターロイキン8(IL−8)〕を固相酵
素免疫測定法(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay) で
それぞれ測定した。その結果を表1〜3に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】上記結果から明らかなように、本発明薬剤
は潰瘍性大腸炎患者とクローン病患者の末梢血Mo−M
φ系細胞のTNFα産生に対し有意な抑制効果を有し、
また腸管型ベーチェット病患者の末梢血Mo−Mφ系細
胞のTNFα産生に対し抑制傾向を有し、スルファサラ
ジンおよびプレドニゾロンと同等またはそれ以上の抑制
効果が認められた。さらに、本発明薬剤は潰瘍性大腸炎
患者とクローン病患者の末梢血Mo−Mφ系細胞におけ
る炎症性サイトカイン(IL−6およびIL−8)の産
生を有意に抑制し、スルファサラジンおよびプレドニゾ
ロンと同等の抑制効果が認められた。本発明薬剤は腸炎
患者の末梢血Mo−Mφ系細胞のサイトカイン産生を抑
制し、腸炎の炎症抑制に有効である。
【0025】試験例2 マウス大腸炎モデルに対する効果 炎症性腸疾患においてTNFαと食餌性の脂肪酸、特に
リノール酸などのω6不飽和脂肪酸が重要な因子と考え
られる。マウスをリノール酸が豊富な油脂である紅花油
を添加した食餌で飼育した後、TNFαを投与し大腸炎
モデルを作成した。詳細には、紅花油10%添加食でd
dyマウスを10〜60日間予備飼育後、TNFαを
2,500〜10,000単位/head、経肛門的に投与
し、大腸炎モデルを作成した。TNFα投与の2日後に
大腸を採取した。大腸の病理切片像でリンパ濾胞炎、腺
管構造の減少など、筋層まで及ばぬ潰瘍性大腸炎類似の
像が観察された。このモデルを潰瘍性大腸炎類似マウス
モデルとして用いた。
【0026】紅花油10%添加食でddyマウスを10
〜60日間予備飼育した後、TNFαを2,500〜1
0,000単位/head、経肛門的に投与し、TNFα投
与の2日後に大腸を採取した。薬剤投与群には、大腸採
取前10日間連日、セファランチン(登録商標)5mg
/kg/日を経口投与した。各群の大腸の病理切片像を
観察した。セファランチン(登録商標)を投与しなかっ
た群では、リンパ濾胞炎、腺管構造の減少が認められ
た。これに対し、セファランチン(登録商標)を投与し
た群ではリンパ濾胞炎の減弱が認められた。
【0027】ddyマウスをA、B、CおよびD群の4
群に分け、紅花油10%添加食を与えて18〜20日間
予備飼育した。予備飼育後、C群およびD群にはTNF
αを10,000単位/head、経肛門的に投与した。T
NFα投与の2日後に大腸を採取した。B群およびD群
には、大腸採取前3日間連日、セファランチン(登録商
標)5mg/kg/日を経口投与した。大腸採取の4時
間前に、エバンスブルー0.1g/kgを静脈注射し、
注射4時間後の大腸エバンスブルーを抽出して吸光法で
エバンスブルー漏出量を炎症の指標として測定した。結
果を表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】この結果、本発明薬剤は、潰瘍性大腸炎類
似マウスモデルにおいて、大腸病理切片像でリンパ濾胞
炎を減弱せしめ、炎症の指標である大腸エバンスブルー
漏出量を有意に抑制した。一方で、本発明薬剤はTNF
α刺激によらない生理的なレベルのエバンスブルー漏出
量は抑制しなかった。
【0030】試験例3 マウス大腸炎モデルに対するセファランチン(cepharant
hine) の効果 紅花油10%添加食でddyマウスを10〜60日間予
備飼育した後、TNFαを2,500〜10,000単
位/head、経肛門的に投与し、TNFα投与の2日後に
大腸を採取した。薬剤投与群には、大腸採取前10日間
連日、セファランチン(cepharanthine) 5mg/kg/
日を経口投与した。各群の大腸の病理切片像を観察し
た。セファランチンを投与しなかった群では、リンパ濾
胞炎、腺管構造の減少が認められた。これに対し、セフ
ァランチン投与群ではリンパ濾胞炎の減弱が認められ
た。この結果、セファランチンは潰瘍性大腸炎類似マウ
スモデルにおいて、大腸病理切片像でリンパ濾胞炎を減
弱せしめた。
【0031】試験例4 潰瘍性大腸炎患者に対する臨床効果 潰瘍性大腸炎の7例にセファランチン(登録商標)6m
gないし15mg/日を1日3回に分けて経口投与し
た。症例は男性4例、女性3例で年齢は24歳から57
歳であった。このうち、スルファサラジン3g/日を3
ヵ月経口投与しても、改善が認められなかった症例が2
例で、スルファサラジン3g/日とカモスタット・メシ
レート3g/日を経口投与しても、改善が認められなか
った症例が2例あり、初発例が3例であった。その結果
を表5および表6に示す。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】この結果、本発明薬剤の効果は、著効が2
例に認められ、有効が5例であった。さらにスルファサ
ラジン3g/日を3ヵ月投与しても、改善が認められな
かった2症例について、セファランチン(登録商標)6
mgないし15mg/日を3ヵ月投与するといずれも著
効と認められた。またスルファサラジン3g/日とカモ
スタット・メシレート3g/日を3ヵ月投与しても、改
善が認められなかった2症例について、セファランチン
(登録商標)6mgないし15mg/日を0.5ヵ月な
いし4ヵ月投与するといずれも有効と認められた。本発
明薬剤がスルファサラジンよりも優れた治療効果を有す
ることが明らかである。
【0035】試験例5 クローン病患者に対する臨床効果 クローン病の4例にセファランチン(登録商標)15m
g/日を1日3回に分けて経口投与した。症例は男性3
例、女性1例で年齢は22歳から43歳であった。この
うち、スルファサラジン3g/日を3ヵ月経口投与して
も、改善が認められなかった症例が2例で、スルファサ
ラジン3g/日とカモスタット・メシレート3g/日を
3ヵ月経口投与しても、改善が認められなかった症例が
1例であり、初発例が1例であった。その結果を表7に
示す。
【0036】
【表7】
【0037】この結果、本発明薬剤の効果は、著効が1
例に認められ、有効が3例であった。さらにスルファサ
ラジン3g/日を3ヵ月投与しても、改善が認められな
かった2症例について、セファランチン(登録商標)1
5mg/日を0.5ヵ月ないし4ヵ月投与すると著効お
よび有効が1例づつあった。またスルファサラジン3g
/日とカモスタット・メシレート3g/日を3ヵ月投与
しても、改善が認められなかった症例について、セファ
ランチン(登録商標)15mg/日を6ヵ月投与すると
有効と認められた。本発明薬剤がスルファサラジンより
も優れた治療効果を有することが明らかである。
【0038】試験例6 腸管型ベーチェット病患者に対する臨床効果 腸管型ベーチェット病の1例にセファランチン(登録商
標)15mg/日を1日3回に分けて経口投与した。症
例は男性で年齢は24歳であった。この症例は、スルフ
ァサラジン3g/日とカモスタット・メシレート3g/
日を3ヵ月経口投与しても、改善が認められなかった症
例であった。その結果を表8に示す。
【0039】
【表8】
【0040】この結果、本発明薬剤の効果は有効であっ
た。
【0041】試験例7 急性毒性試験 雄性マウスを用いた急性毒性試験におけるLD50(m
g/kg)を表9に示す。
【0042】
【表9】
【0043】製剤例1 セファランチン塩酸塩500mg、乳糖3.0g、とう
もろこし澱粉1.28g、ヒドロキシプロピルセルロー
ス200mg及びステアリン酸マグネシウム20mgを
よく混合し、造粒した後、打錠して、1錠当り100m
gの錠剤とする。
【0044】製剤例2 コウトウツヅラフジのアルカロイド画分500mg、乳
糖2.5g、ばれいしょ澱粉1.75g、結晶セルロー
ス240mg及びステアリン酸カルシウム10mgをよ
く混合し、この混合物をカプセルに充填し、1カプセル
中アルカロイド成分10mgを含有するカプセル剤とす
る。
【0045】製剤例3 タマサキツヅラフジのアルカロイド画分500mgを希
塩酸に溶解し注射用蒸留水を加え、食塩で等張化したの
ち、全量を100mlとする。この溶液を0.2μのメ
ンブランフィルターで濾過し、10mlのアンプルに分
注熔封したのち加熱滅菌して注射剤とする。
【0046】製造例 セファランチン(登録商標)の製
造 ツヅラフジ科ステファニア属植物タマサキツヅラフジの
塊根のメタノールエキスを希塩酸に溶解し、この溶液を
水酸化ナトリウムでアルカリ性にして生じた沈澱物を濾
取した。得られた沈澱物を希水酸化ナトリウム水溶液で
洗浄後、エーテルで抽出し、抽出液を減圧濃縮して製す
る。
【0047】
【発明の効果】本発明の腸疾患の治療・予防剤は、腸疾
患、特に腸炎に対して炎症を抑制し、症状を改善する作
用を有する。潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管型ベーチ
ェット病などの腸疾患の治療および/または予防に有用
である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツヅラフジ科ステファニア属の植物由来
    のアルカロイドを有効成分として含有する腸疾患の治療
    ・予防剤。
  2. 【請求項2】 ツヅラフジ科ステファニア属の植物由来
    のアルカロイドを有効成分として含有する腸炎の治療・
    予防剤。
  3. 【請求項3】 ステファニア属の植物がタマサキツヅラ
    フジである請求項2記載の治療・予防剤。
  4. 【請求項4】 セファランチン、イソテトランドリン、
    ベルバミン、シクレアニン、ホモアロモリン、セファラ
    ノリン、アロモリン、オバメジン、ノルシクレアニン、
    2-ノルセファランチン、2-ノルセファラノリン、2-ノル
    ベルバミン、セコセファランチン、オバベリン、2-ノル
    イソテトランドリン、オキシアカンチン、ステフィバベ
    リン、タルルゴシン、コクラウリン、レチキュリン、ロ
    ウダニジン、プロトシノメニン、N-メチルコクラウリ
    ン、FK−3000、シノメニン、セファモニン、タン
    ナジン、セファムリン、ラストアワビリン、イソコリジ
    ン、コリジン、ステファリン、セファラミン、アクナジ
    ニンおよびアクナジラクタムからなる群より選択される
    少なくとも1つのアルカロイドまたはその医薬的に許容
    される酸付加塩を有効成分として含有する腸炎の治療・
    予防剤。
  5. 【請求項5】 セファランチン、イソテトランドリン、
    ベルバミン、シクレアニン、ホモアロモリンおよびセフ
    ァラノリンからなる群より選択される少なくとも1つの
    アルカロイドまたはその医薬的に許容される酸付加塩を
    有効成分として含有する腸炎の治療・予防剤。
  6. 【請求項6】 セファランチンまたはその医薬的に許容
    される酸付加塩を有効成分として含有する腸炎の治療・
    予防剤。
  7. 【請求項7】 潰瘍性大腸炎の治療・予防剤である請求
    項2から6のいずれか1項に記載の治療・予防剤。
  8. 【請求項8】 クローン病の治療・予防剤である請求項
    2から6のいずれか1項に記載の治療・予防剤。
  9. 【請求項9】 腸管型ベーチェット病の治療・予防剤で
    ある請求項2から6のいずれか1項に記載の治療・予防
    剤。
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JP (1) JPH08301778A (ja)

Cited By (2)

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