JPH08301673A - 塗装材とその塗装方法 - Google Patents
塗装材とその塗装方法Info
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- JPH08301673A JPH08301673A JP33463995A JP33463995A JPH08301673A JP H08301673 A JPH08301673 A JP H08301673A JP 33463995 A JP33463995 A JP 33463995A JP 33463995 A JP33463995 A JP 33463995A JP H08301673 A JPH08301673 A JP H08301673A
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- coating material
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/24—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
- C04B28/26—Silicates of the alkali metals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/00474—Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
- C04B2111/00482—Coating or impregnation materials
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/90—Electrical properties
- C04B2111/94—Electrically conducting materials
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- Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】有機物を含まないため耐候性に優れた表面層塗
膜が、現場施工により得られる塗料であって、酸性雨等
腐食性の条件下でもコンクリート基材の保護が可能な塗
料を提供する。また、現場施工により発熱、硬化可能な
塗料および塗装方法も提供する。 【解決手段】塗装材は水ガラス系材料と硬化剤よりなる
ベース、またはアモルファスシリカを主成分とするベー
スに、導電性繊維を添加した塗料組成物とする。塗装方
法の特徴は前記塗料組成物を下塗り材とし、その上に水
ガラス系材料と硬化剤をベースとした表面層を設け、塗
装後通電することにより100〜200℃に加熱し、必
要な場合は断熱材にて保温し硬化させる点にある。
膜が、現場施工により得られる塗料であって、酸性雨等
腐食性の条件下でもコンクリート基材の保護が可能な塗
料を提供する。また、現場施工により発熱、硬化可能な
塗料および塗装方法も提供する。 【解決手段】塗装材は水ガラス系材料と硬化剤よりなる
ベース、またはアモルファスシリカを主成分とするベー
スに、導電性繊維を添加した塗料組成物とする。塗装方
法の特徴は前記塗料組成物を下塗り材とし、その上に水
ガラス系材料と硬化剤をベースとした表面層を設け、塗
装後通電することにより100〜200℃に加熱し、必
要な場合は断熱材にて保温し硬化させる点にある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗装材及びその塗装
方法に関し、詳しくは、建築物、構造物等、具体的には
コンクリート建物の屋上、壁面、煙突、トンネル内壁、
下水管内壁、堤防のコンクリート擁壁、橋梁、等に施
す、いわゆる現場施工に使用する無機質塗装材及びその
塗装方法に関する。
方法に関し、詳しくは、建築物、構造物等、具体的には
コンクリート建物の屋上、壁面、煙突、トンネル内壁、
下水管内壁、堤防のコンクリート擁壁、橋梁、等に施
す、いわゆる現場施工に使用する無機質塗装材及びその
塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物、構造物等の外壁に使用される塗
料には、大別して有機系塗料及び無機系塗料がある。無
機系塗料はさらに無機質を主成分とするもそのバインダ
ーとしてアクリル樹脂エマルンジョン等の有機高分子化
合物が使用されるものと、タイルの釉薬のように無機質
のみからなる塗料に分類できる。
料には、大別して有機系塗料及び無機系塗料がある。無
機系塗料はさらに無機質を主成分とするもそのバインダ
ーとしてアクリル樹脂エマルンジョン等の有機高分子化
合物が使用されるものと、タイルの釉薬のように無機質
のみからなる塗料に分類できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】有機系塗料は良く知ら
れているように、耐候性の点でなお問題を有する。即ち
紫外線、オゾン、酸・またはアルカリを含む水により分
解され、塗膜が劣化しひび割れ、剥落を起こし、長期間
の日光、大気、水、熱等への曝露により基材を保護する
性能が大きく低下するとともに、外観上も見苦しくなる
という欠点を有する。
れているように、耐候性の点でなお問題を有する。即ち
紫外線、オゾン、酸・またはアルカリを含む水により分
解され、塗膜が劣化しひび割れ、剥落を起こし、長期間
の日光、大気、水、熱等への曝露により基材を保護する
性能が大きく低下するとともに、外観上も見苦しくなる
という欠点を有する。
【0004】無機系塗料のうち有機系バインダーを使用
する塗料は、無機質材料に対する有機質バインダーの使
用量が通常25重量%以上であり、そのバインダーが劣
化すると無機物や塗膜がクラックを発生し剥落する、と
いう有機系塗料と同様な欠点を有する。
する塗料は、無機質材料に対する有機質バインダーの使
用量が通常25重量%以上であり、そのバインダーが劣
化すると無機物や塗膜がクラックを発生し剥落する、と
いう有機系塗料と同様な欠点を有する。
【0005】一方、釉薬を使用したタイルは耐候性は非
常に優れており、全く劣化しないがその焼き付けには1
400〜1500℃という高温が必要であるため、焼成
炉が必要である。そのため現場施工はできず、外壁等面
積の広い部分に施工するにはタイルを製作してこれを貼
着施工する必要がある。
常に優れており、全く劣化しないがその焼き付けには1
400〜1500℃という高温が必要であるため、焼成
炉が必要である。そのため現場施工はできず、外壁等面
積の広い部分に施工するにはタイルを製作してこれを貼
着施工する必要がある。
【0006】本発明の目的は、100℃以上200℃以
下の、無機質としては低温の加熱によって硬化し、耐候
性、防水性、耐腐食性等の特性は釉薬に匹敵する塗膜が
現場施工によって得ることができる無機質塗装材及びそ
の塗装方法を提供することにある。
下の、無機質としては低温の加熱によって硬化し、耐候
性、防水性、耐腐食性等の特性は釉薬に匹敵する塗膜が
現場施工によって得ることができる無機質塗装材及びそ
の塗装方法を提供することにある。
【0007】本発明の別の目的は、コンクリート基材に
対する密着力が良好で、かつ基材にクラックが入った場
合でも塗膜にまでクラックが及ばず、基材内部の鉄筋、
配管を保護するとともに表面層が耐候性に優れた塗膜が
得られる塗装方法を提供することである。
対する密着力が良好で、かつ基材にクラックが入った場
合でも塗膜にまでクラックが及ばず、基材内部の鉄筋、
配管を保護するとともに表面層が耐候性に優れた塗膜が
得られる塗装方法を提供することである。
【0008】また、本発明の目的は、表面が白色、また
は任意の着色を施した、美的に優れた塗膜が得られる塗
装方法を提供することにもある。
は任意の着色を施した、美的に優れた塗膜が得られる塗
装方法を提供することにもある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の特徴構成は、塗装材に水ガラス系無機物
質、硬化剤を使用し、これを加熱することにあり、その
加熱手段として当該塗装材自体、またはその下塗り層に
導電性繊維を含む塗装材を使用することにある。硬化剤
としては、水ガラス系無機材料の硬化を促進する作用を
有する薬剤、例えばトリポリ燐酸が好適である。
め、本発明の特徴構成は、塗装材に水ガラス系無機物
質、硬化剤を使用し、これを加熱することにあり、その
加熱手段として当該塗装材自体、またはその下塗り層に
導電性繊維を含む塗装材を使用することにある。硬化剤
としては、水ガラス系無機材料の硬化を促進する作用を
有する薬剤、例えばトリポリ燐酸が好適である。
【0010】また、本発明は、アモルファスシリカ含有
化合物、セメント、ケイ砂、及び合成樹脂エマルジョン
を含み、さらに必要に応じてチタン酸カリウムウィスカ
ー、酸化亜鉛ウィスカー、ガラス繊維等の無機繊維が添
加されたものであって、無機質成分に対する有機物の使
用量が20重量%以下である組成物に導電性繊維を添加
して得られる塗装材を提供することにより、塗装後、通
電することにより発熱し、該発熱により反応、硬化し、
基材であるコンクリートに対する密着力がよく、かつ基
材にクラックが入った場合でも塗膜までクラックが及ば
ず、基材内部の鉄筋、配管等を保護する機能を有するこ
とができる。
化合物、セメント、ケイ砂、及び合成樹脂エマルジョン
を含み、さらに必要に応じてチタン酸カリウムウィスカ
ー、酸化亜鉛ウィスカー、ガラス繊維等の無機繊維が添
加されたものであって、無機質成分に対する有機物の使
用量が20重量%以下である組成物に導電性繊維を添加
して得られる塗装材を提供することにより、塗装後、通
電することにより発熱し、該発熱により反応、硬化し、
基材であるコンクリートに対する密着力がよく、かつ基
材にクラックが入った場合でも塗膜までクラックが及ば
ず、基材内部の鉄筋、配管等を保護する機能を有するこ
とができる。
【0011】本発明において使用する導電性繊維は、通
電により発熱する繊維は使用できるが、特にカーボンフ
ァイバーの使用が好ましい。カーボンファイバーは、発
熱体として使用するのに適当な範囲の体積固有抵抗値を
有している。
電により発熱する繊維は使用できるが、特にカーボンフ
ァイバーの使用が好ましい。カーボンファイバーは、発
熱体として使用するのに適当な範囲の体積固有抵抗値を
有している。
【0012】本発明の塗装方法の特徴構成は、前記水ガ
ラス系塗装材を現場において建築物、構造物等に塗装
し、通電により発熱し、無機質としては釉薬の焼き付け
に必要とされる温度である1400〜1500℃よりも
遙かに低い100〜200℃にて硬化せしめることにあ
る。
ラス系塗装材を現場において建築物、構造物等に塗装
し、通電により発熱し、無機質としては釉薬の焼き付け
に必要とされる温度である1400〜1500℃よりも
遙かに低い100〜200℃にて硬化せしめることにあ
る。
【0013】さらに、本発明の塗装方法は、水ガラス系
無機物質、硬化剤及び導電性繊維を含む塗膜層の上に、
1層以上の任意の着色を施した表面塗膜層を形成し、通
電・発熱させて当該表面塗膜層を反応硬化させることに
ある。
無機物質、硬化剤及び導電性繊維を含む塗膜層の上に、
1層以上の任意の着色を施した表面塗膜層を形成し、通
電・発熱させて当該表面塗膜層を反応硬化させることに
ある。
【0014】また、本発明の塗装方法は、前記アモルフ
ァスシリカ含有化合物、セメント、ケイ砂、及び合成樹
脂エマルジョンを含み、無機繊維を含む無機質成分に対
する有機物の使用量が20重量%以下である組成物に導
電性繊維を添加して得られる塗装材を下塗り層として塗
装し、その上に水ガラス系無機材料、硬化剤及び着色剤
を含む塗装材を表面塗膜層として少なくとも1層を塗装
したのち、通電・加熱し反応硬化させることにある。
ァスシリカ含有化合物、セメント、ケイ砂、及び合成樹
脂エマルジョンを含み、無機繊維を含む無機質成分に対
する有機物の使用量が20重量%以下である組成物に導
電性繊維を添加して得られる塗装材を下塗り層として塗
装し、その上に水ガラス系無機材料、硬化剤及び着色剤
を含む塗装材を表面塗膜層として少なくとも1層を塗装
したのち、通電・加熱し反応硬化させることにある。
【0015】本発明おいては、導電性繊維を織物又は編
み物として予備成形し、これを塗装すべき基材に先に固
着し、この上に水ガラス系無機材料、硬化剤及び着色剤
を含む塗装材を塗装する方法も技術的範囲に含まれる。
み物として予備成形し、これを塗装すべき基材に先に固
着し、この上に水ガラス系無機材料、硬化剤及び着色剤
を含む塗装材を塗装する方法も技術的範囲に含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明においては、水ガラス系無
機物質、硬化剤及び導電性繊維を含む材料を媒体、特に
好ましくは水に溶解、あるいは分散させることにより塗
料を作成し使用する。
機物質、硬化剤及び導電性繊維を含む材料を媒体、特に
好ましくは水に溶解、あるいは分散させることにより塗
料を作成し使用する。
【0017】導電性繊維であるカーボン繊維は黒色であ
り、十分通電し発熱するだけ塗料に配合すれば塗料の色
は必然的に黒みを帯びる。従ってグレー系統の色調の外
装にはそのまま使用することができるが、白色や明るい
色調を得ることは困難である。本発明では、導電性繊維
を含み、通電により発熱する塗膜層の上に、導電性繊維
を含まず、白色系充填剤や希望に応じて他の着色剤を配
合した上塗り層を塗布し、通電し加熱硬化させる方法も
提供する。かかる上塗り層は1層に限らず、複数層の塗
装を施すことが出来、また全面に塗装することは必要な
条件ではなく、部分的に下層を、表面に露出する状態と
して残し、部分的に黒色の模様を形成してもかまわな
い。
り、十分通電し発熱するだけ塗料に配合すれば塗料の色
は必然的に黒みを帯びる。従ってグレー系統の色調の外
装にはそのまま使用することができるが、白色や明るい
色調を得ることは困難である。本発明では、導電性繊維
を含み、通電により発熱する塗膜層の上に、導電性繊維
を含まず、白色系充填剤や希望に応じて他の着色剤を配
合した上塗り層を塗布し、通電し加熱硬化させる方法も
提供する。かかる上塗り層は1層に限らず、複数層の塗
装を施すことが出来、また全面に塗装することは必要な
条件ではなく、部分的に下層を、表面に露出する状態と
して残し、部分的に黒色の模様を形成してもかまわな
い。
【0018】導電性繊維の添加量は、塗料組成物の固形
分中2〜5重量%であり、好ましくは3%程度である。
2%以下では発熱に充分な導電性が得られず、5%以上
になると塗膜の強度が低下する。
分中2〜5重量%であり、好ましくは3%程度である。
2%以下では発熱に充分な導電性が得られず、5%以上
になると塗膜の強度が低下する。
【0019】本発明において下塗り層と上塗り層(表面
塗膜層)の複数層を形成する場合は、その下塗り層はア
モルファスシリカ含有化合物、セメント、ケイ砂、合成
樹脂エマルジョン、および導電性繊維を含む塗装材であ
って、無機質成分に対する有機物の使用量が20重量%
以下であるもの、または水ガラス系無機物質、硬化剤及
び導電性繊維を含むものを使用する。
塗膜層)の複数層を形成する場合は、その下塗り層はア
モルファスシリカ含有化合物、セメント、ケイ砂、合成
樹脂エマルジョン、および導電性繊維を含む塗装材であ
って、無機質成分に対する有機物の使用量が20重量%
以下であるもの、または水ガラス系無機物質、硬化剤及
び導電性繊維を含むものを使用する。
【0020】この複数層構造の場合に、表面塗膜層に使
用する材料は、加熱により反応・硬化する材料を含むも
のであり、水ガラス系物質及び水ガラスの硬化反応を促
進する作用のある物質である硬化剤をベースとし、他の
添加剤を使用する。例えば、塗膜の強度増加に有効な石
英粉、ケイ砂、塗料の分散性向上、粘度調整等のため各
種界面活性剤、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等の有機高分子
系増粘剤、またベントナイト、アエロジル等の無機質系
増粘剤を使用することもできる。さらに、要求される外
観に応じ、他の充填材、たとえばケイ砂、天然石粉等を
配合して使用する。外観に白色を要求される場合は、白
色充填材、例えば酸化チタン、シリカ等の使用が好まし
い。
用する材料は、加熱により反応・硬化する材料を含むも
のであり、水ガラス系物質及び水ガラスの硬化反応を促
進する作用のある物質である硬化剤をベースとし、他の
添加剤を使用する。例えば、塗膜の強度増加に有効な石
英粉、ケイ砂、塗料の分散性向上、粘度調整等のため各
種界面活性剤、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等の有機高分子
系増粘剤、またベントナイト、アエロジル等の無機質系
増粘剤を使用することもできる。さらに、要求される外
観に応じ、他の充填材、たとえばケイ砂、天然石粉等を
配合して使用する。外観に白色を要求される場合は、白
色充填材、例えば酸化チタン、シリカ等の使用が好まし
い。
【0021】ここにおいて、使用する水ガラス系物質と
はガラスをアルカリ性物質と加熱、反応させて水に可溶
とした物質で、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム(ケ
イ酸ソーダ)、リチウムシリケート等があり、特に価格
が安いものとして、ケイ酸ソーダ1号、2号、3号、4
号等が市販されている。また硬化剤は、水ガラスの硬化
反応を促進する作用のある物質であり、例えばトリポリ
燐酸(テイカ(株))等がある。
はガラスをアルカリ性物質と加熱、反応させて水に可溶
とした物質で、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム(ケ
イ酸ソーダ)、リチウムシリケート等があり、特に価格
が安いものとして、ケイ酸ソーダ1号、2号、3号、4
号等が市販されている。また硬化剤は、水ガラスの硬化
反応を促進する作用のある物質であり、例えばトリポリ
燐酸(テイカ(株))等がある。
【0022】また、導電、発熱型下塗り層に使用するア
モルファスシリカ含有化合物としては、特開平4−18
2338号公報記載の方法による製造される活性化され
たシラスが好ましく、セメントとしては気硬性セメン
ト、水硬性セメント等(化学大辞典、共立出版記載)の
セメント類が使用可能であり、特に、ポルトランドセメ
ント、アルミナセメント等一般に広く用いられるセメン
トが使用に好適である。
モルファスシリカ含有化合物としては、特開平4−18
2338号公報記載の方法による製造される活性化され
たシラスが好ましく、セメントとしては気硬性セメン
ト、水硬性セメント等(化学大辞典、共立出版記載)の
セメント類が使用可能であり、特に、ポルトランドセメ
ント、アルミナセメント等一般に広く用いられるセメン
トが使用に好適である。
【0023】アモルファスシリカと共に使用されるケイ
砂としては、10メッシュ〜150メッシュの粗さのも
のが好ましく、10メッシュ以下では粗すぎて塗装表面
の凹凸が著しくなりすぎ、150メッシュ以上では、細
かすぎて硬化収縮による歪みを吸収できなくなる結果、
塗膜にクラックが入りやすくなる。この場合、ケイ砂は
塗膜の強度向上、硬化収縮による歪みを低減しクラック
発生を防止する作用を有する。
砂としては、10メッシュ〜150メッシュの粗さのも
のが好ましく、10メッシュ以下では粗すぎて塗装表面
の凹凸が著しくなりすぎ、150メッシュ以上では、細
かすぎて硬化収縮による歪みを吸収できなくなる結果、
塗膜にクラックが入りやすくなる。この場合、ケイ砂は
塗膜の強度向上、硬化収縮による歪みを低減しクラック
発生を防止する作用を有する。
【0024】アモルファスシリカと共に使用される合成
樹脂材料は耐候性に影響しない範囲で添加する。このよ
うな材料としては合成樹脂の水溶液、または分散液で一
般に合成樹脂エマルジョンと称されるものが使用でき、
アクリル樹脂エマルジョン、ポリスチレン樹脂エマルジ
ョンや、アクリル/スチレン共重合体エマルジョン等が
例示できる。アモルファスシリカおよびセメントが反応
硬化するため、本発明で使用する合成樹脂は補助的な役
割をするものである。
樹脂材料は耐候性に影響しない範囲で添加する。このよ
うな材料としては合成樹脂の水溶液、または分散液で一
般に合成樹脂エマルジョンと称されるものが使用でき、
アクリル樹脂エマルジョン、ポリスチレン樹脂エマルジ
ョンや、アクリル/スチレン共重合体エマルジョン等が
例示できる。アモルファスシリカおよびセメントが反応
硬化するため、本発明で使用する合成樹脂は補助的な役
割をするものである。
【0025】アモルファスシリカ使用下塗り剤の各材料
の配合比率は、アモルファスシリカ含有化合物100重
量部に対し、セメントは5〜50重量部、ケイ砂は20
〜200重量部、天然石粉等の骨材は20〜200重量
部、有機系バインダーは100重量部以下である。有機
系バインダーの使用量は、繊維を含む全無機物質に対
し、固形分として20重量%以下が好ましく、20重量
%以上になると耐候性が低下する。
の配合比率は、アモルファスシリカ含有化合物100重
量部に対し、セメントは5〜50重量部、ケイ砂は20
〜200重量部、天然石粉等の骨材は20〜200重量
部、有機系バインダーは100重量部以下である。有機
系バインダーの使用量は、繊維を含む全無機物質に対
し、固形分として20重量%以下が好ましく、20重量
%以上になると耐候性が低下する。
【0026】アモルファスシリカを使用した塗料は、ア
モルファスシリカ、セメント自体の硬化反応により強固
な塗膜を形成するとともに、アモルファスシリカが下地
基材であるコンクリートと反応し結合するため、有機系
高分子をバインダーとして使用した塗料よりはるかに強
く下地と密着する。このため、有機バインダーの使用量
を少なくして耐候性を改善するとともに、クラック、剥
離に対する耐性をも付与することができる。
モルファスシリカ、セメント自体の硬化反応により強固
な塗膜を形成するとともに、アモルファスシリカが下地
基材であるコンクリートと反応し結合するため、有機系
高分子をバインダーとして使用した塗料よりはるかに強
く下地と密着する。このため、有機バインダーの使用量
を少なくして耐候性を改善するとともに、クラック、剥
離に対する耐性をも付与することができる。
【0027】併用する導電性繊維は、通電により発熱す
るものであることが必要で発熱体として通常使用される
電気抵抗値を有するものが使用できる。このような繊維
としては、カーボンファイバーの長繊維若しくは短繊維
又はニクロム線等の金属繊維が好ましい。ガラス繊維等
の耐熱性繊維の表面に導電層をメッキや蒸着により形成
した導電性繊維であっても同じ効果が得られる。短繊維
はそのまま又は適当な表面処理をした後塗料として混合
し、使用してもよいし、2頭のスプレーガンを使用し、
一方から塗料のみを、他の一方から繊維を吐出し、吹き
付けてもよく、さらには塗料のみを薄く塗装し、導電性
の短繊維を吹き付け、さらにその上から塗料を塗る方法
を採ってもよい。長繊維は糸状のまま又は紗のような目
の荒い織物状又は編み物状として予め塗料を施工すべき
基材表面に貼り付け、その後塗料を塗る構成としてもよ
い。織物もしくは編み物に加工するため、又はこれらを
現場施工するために必要な特性、たとえば滑り性、剛性
を付与するため、薬剤で処理することも好ましい態様で
ある。
るものであることが必要で発熱体として通常使用される
電気抵抗値を有するものが使用できる。このような繊維
としては、カーボンファイバーの長繊維若しくは短繊維
又はニクロム線等の金属繊維が好ましい。ガラス繊維等
の耐熱性繊維の表面に導電層をメッキや蒸着により形成
した導電性繊維であっても同じ効果が得られる。短繊維
はそのまま又は適当な表面処理をした後塗料として混合
し、使用してもよいし、2頭のスプレーガンを使用し、
一方から塗料のみを、他の一方から繊維を吐出し、吹き
付けてもよく、さらには塗料のみを薄く塗装し、導電性
の短繊維を吹き付け、さらにその上から塗料を塗る方法
を採ってもよい。長繊維は糸状のまま又は紗のような目
の荒い織物状又は編み物状として予め塗料を施工すべき
基材表面に貼り付け、その後塗料を塗る構成としてもよ
い。織物もしくは編み物に加工するため、又はこれらを
現場施工するために必要な特性、たとえば滑り性、剛性
を付与するため、薬剤で処理することも好ましい態様で
ある。
【0028】カーボンファイバーは、製造法にかかわら
ず、適切な電気抵抗を有するものは何でも使用でき、ポ
リアクリロニトリルを主成分とした繊維を熱処理して得
られる、いわゆるPAN系のものやピッチ系カーボンフ
ァイバーが例示できるが、コストの点よりピッチ系の繊
維が好ましい。これらの繊維は、アスペクト比が5以
上、繊維長さが0.3mm以上のものが使用され、好ま
しくは、繊維の直径が10〜500μm、長さが2〜1
00mmである。カーボンファイバーの使用量は、塗膜
が通電し、均一に発熱するに十分な量であればよく、電
極の間隔や、塗膜の厚み、さらにはカーボンファイバー
自体の形状、特に繊維長にによって異なるが、一般的
に、塗料固形分中1〜20重量%程度であり、3〜25
mm長さのものを使用する場合においては、好ましくは
2〜5%であり、最も好ましくは3%程度である。
ず、適切な電気抵抗を有するものは何でも使用でき、ポ
リアクリロニトリルを主成分とした繊維を熱処理して得
られる、いわゆるPAN系のものやピッチ系カーボンフ
ァイバーが例示できるが、コストの点よりピッチ系の繊
維が好ましい。これらの繊維は、アスペクト比が5以
上、繊維長さが0.3mm以上のものが使用され、好ま
しくは、繊維の直径が10〜500μm、長さが2〜1
00mmである。カーボンファイバーの使用量は、塗膜
が通電し、均一に発熱するに十分な量であればよく、電
極の間隔や、塗膜の厚み、さらにはカーボンファイバー
自体の形状、特に繊維長にによって異なるが、一般的
に、塗料固形分中1〜20重量%程度であり、3〜25
mm長さのものを使用する場合においては、好ましくは
2〜5%であり、最も好ましくは3%程度である。
【0029】水ガラス系無機物質、硬化剤及び導電性繊
維を含む材料を使用する塗装材の場合は、塗膜の厚さと
しては、0.2mm以上10mm以下が好ましく、保護
塗膜としては0.2mmでも効果があり、これ以下の厚
みでは効果が低下する。また骨材を多く添加し、重厚感
を付与する場合は10mm程度塗装することが必要であ
り、これ以上では、垂れ等の問題が発生する。より好ま
しい塗膜の厚さは1〜5mmである。
維を含む材料を使用する塗装材の場合は、塗膜の厚さと
しては、0.2mm以上10mm以下が好ましく、保護
塗膜としては0.2mmでも効果があり、これ以下の厚
みでは効果が低下する。また骨材を多く添加し、重厚感
を付与する場合は10mm程度塗装することが必要であ
り、これ以上では、垂れ等の問題が発生する。より好ま
しい塗膜の厚さは1〜5mmである。
【0030】また、アモルファスシリカを含む材料の場
合は、チクソトロピック性が強くなるため、さらに塗膜
を厚くすることが可能であり、約20mmの塗膜を得るこ
とも可能であり、断熱性、重厚感ある塗装が得られる。
合は、チクソトロピック性が強くなるため、さらに塗膜
を厚くすることが可能であり、約20mmの塗膜を得るこ
とも可能であり、断熱性、重厚感ある塗装が得られる。
【0031】本発明にかかる水ガラス系無機材料、硬化
剤を主成分とする下塗り層、上塗り層塗料にはこれらの
成分のほか、他の無機系の材料を添加、使用することは
可能である。例えば、石英粉、ケイ砂の使用は塗膜の強
度増加に有効であって、好ましい。
剤を主成分とする下塗り層、上塗り層塗料にはこれらの
成分のほか、他の無機系の材料を添加、使用することは
可能である。例えば、石英粉、ケイ砂の使用は塗膜の強
度増加に有効であって、好ましい。
【0032】さらに、本発明にかかる塗料全般につい
て、塗料の分散性向上、粘度調整等のため各種界面活性
剤、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
(ダイセル化学工業製)、カルボキシメチルセルロース
(第一工業製薬製)、ハイメトローズ(信越化学工業
製)等の有機高分子系増粘剤、またベントナイト、アエ
ロジル等の無機質系増粘剤、さらには減水剤等を使用す
ることもできる。これら添加剤は少量の添加にて効果を
発揮するものであり、塗膜の性能には悪影響しない。
て、塗料の分散性向上、粘度調整等のため各種界面活性
剤、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
(ダイセル化学工業製)、カルボキシメチルセルロース
(第一工業製薬製)、ハイメトローズ(信越化学工業
製)等の有機高分子系増粘剤、またベントナイト、アエ
ロジル等の無機質系増粘剤、さらには減水剤等を使用す
ることもできる。これら添加剤は少量の添加にて効果を
発揮するものであり、塗膜の性能には悪影響しない。
【0033】塗膜の加熱は、塗装しつつ行ってもよい
が、塗装が完了し、ある程度水分が蒸発した後に行う方
が水の気化熱として奪われるエネルギーが少なく、好ま
しい。加熱に際しては、放熱によるエネルギー損失を防
ぐために保温材にて表面を覆うようにしてもよい。この
ような保温材としては、ポリウレタンフォームのような
有機ポリマーの発泡体やガラス繊維製断熱材が使用でき
る。
が、塗装が完了し、ある程度水分が蒸発した後に行う方
が水の気化熱として奪われるエネルギーが少なく、好ま
しい。加熱に際しては、放熱によるエネルギー損失を防
ぐために保温材にて表面を覆うようにしてもよい。この
ような保温材としては、ポリウレタンフォームのような
有機ポリマーの発泡体やガラス繊維製断熱材が使用でき
る。
【0034】通電に必要な電極は予め基材側に設置して
もよく、断熱材に設置し塗装した後、塗膜に接触させ断
熱すると同時に通電することも可能である。電極の設置
方法は、塗膜面が通電され、発熱するような状況であれ
ばいかなる方法でも良いが、好ましくは、線状又はテー
プ状の電極を、同方向に、最も好ましくは平行に、所定
の間隔、例えば20cm〜150cm程度の間隔を置い
て設置する。電極材料としては、銅、アルミニウム等の
ほか、ニクロム線も使用できる。線状電極は、発熱体で
ある導電性繊維が編み物状もしくは織物状である場合に
は、これと固着されていても良く、編み物もしくは織物
を構成する糸として使用してもよい。
もよく、断熱材に設置し塗装した後、塗膜に接触させ断
熱すると同時に通電することも可能である。電極の設置
方法は、塗膜面が通電され、発熱するような状況であれ
ばいかなる方法でも良いが、好ましくは、線状又はテー
プ状の電極を、同方向に、最も好ましくは平行に、所定
の間隔、例えば20cm〜150cm程度の間隔を置い
て設置する。電極材料としては、銅、アルミニウム等の
ほか、ニクロム線も使用できる。線状電極は、発熱体で
ある導電性繊維が編み物状もしくは織物状である場合に
は、これと固着されていても良く、編み物もしくは織物
を構成する糸として使用してもよい。
【0035】塗膜に通電し、発熱させて塗膜を硬化させ
る際に温度をコントロールする場合、塗膜面の温度を検
出する手段としてはサーミスタ、熱電対のセンサーを接
触させる方法のほか、放射温度計により非接触状態で検
出することも可能である。さらに、検出した温度に基づ
いて、電圧、電流を調節し、塗膜面の温度をコントロー
ルすることもできる。
る際に温度をコントロールする場合、塗膜面の温度を検
出する手段としてはサーミスタ、熱電対のセンサーを接
触させる方法のほか、放射温度計により非接触状態で検
出することも可能である。さらに、検出した温度に基づ
いて、電圧、電流を調節し、塗膜面の温度をコントロー
ルすることもできる。
【0036】塗装に使用する塗料は、必要なすべての成
分を含むものであり、各原料成分を使用前にそれぞれ計
量・混合してもよいが、予備的に混合し、幾つかの組成
物、好ましくは2成分タイプとし、塗装前にこの2成分
を所定比率で混合して使用することが好ましい。例えば
アモルファスシリカを含む下塗り層の場合は、アモルフ
ァスシリカ含有化合物、ケイ砂、骨材と水を混合した第
1成分(この場合第1成分は粉体となる。)、および合
成樹脂エマルジョン、増粘剤等を混合した第2成分を予
め調合し、使用直前にハンドミキサー等の攪拌装置によ
り混合し、塗装に供することができる。この際、作業性
に応じて水等を別途添加することも可能である。
分を含むものであり、各原料成分を使用前にそれぞれ計
量・混合してもよいが、予備的に混合し、幾つかの組成
物、好ましくは2成分タイプとし、塗装前にこの2成分
を所定比率で混合して使用することが好ましい。例えば
アモルファスシリカを含む下塗り層の場合は、アモルフ
ァスシリカ含有化合物、ケイ砂、骨材と水を混合した第
1成分(この場合第1成分は粉体となる。)、および合
成樹脂エマルジョン、増粘剤等を混合した第2成分を予
め調合し、使用直前にハンドミキサー等の攪拌装置によ
り混合し、塗装に供することができる。この際、作業性
に応じて水等を別途添加することも可能である。
【0037】本発明にかかる塗料の塗装には、通常使用
される塗装方法はすべて使用できる。例えば、スプレー
塗装、刷毛塗り塗装等である。特に、外壁塗装に一般的
に使用されるリシンガン、モルタルガンの使用が好まし
く、マルチヘッドタイプのガンを使用することも可能で
ある。
される塗装方法はすべて使用できる。例えば、スプレー
塗装、刷毛塗り塗装等である。特に、外壁塗装に一般的
に使用されるリシンガン、モルタルガンの使用が好まし
く、マルチヘッドタイプのガンを使用することも可能で
ある。
【0038】塗膜が1層だけである場合、本発明のカー
ボンファイバーを含む塗料には、塗装前の流動性ある状
態において、釉薬に使用される着色剤を配合し、塗膜を
着色することも可能である。
ボンファイバーを含む塗料には、塗装前の流動性ある状
態において、釉薬に使用される着色剤を配合し、塗膜を
着色することも可能である。
【0039】上記の特徴構成によれば、建築物、構造物
等、具体的にはコンクリート建物の屋上、壁面、煙突、
トンネル内壁、下水管内壁、堤防のコンクリート擁壁、
橋梁等に対し、いわゆる現場施工により耐候性、腐食防
止性、耐熱性に優れた塗装が行える。
等、具体的にはコンクリート建物の屋上、壁面、煙突、
トンネル内壁、下水管内壁、堤防のコンクリート擁壁、
橋梁等に対し、いわゆる現場施工により耐候性、腐食防
止性、耐熱性に優れた塗装が行える。
【0040】本発明は、発熱する塗膜層を構成する材料
として導電性繊維を必須成分として使用したものであ
り、得られた塗装材を塗装し、外部の熱源が利用できな
い建設現場において、塗膜自体を通電により発熱させ、
低温にて反応硬化せしめることにより、表面層の材料で
ある水ガラスよりのナトリウムイオンの溶出を止める効
果を発揮させる構成としたものである。また、通電によ
る発熱によりアモルファスシリカ系の塗料の硬化も十分
進行する。
として導電性繊維を必須成分として使用したものであ
り、得られた塗装材を塗装し、外部の熱源が利用できな
い建設現場において、塗膜自体を通電により発熱させ、
低温にて反応硬化せしめることにより、表面層の材料で
ある水ガラスよりのナトリウムイオンの溶出を止める効
果を発揮させる構成としたものである。また、通電によ
る発熱によりアモルファスシリカ系の塗料の硬化も十分
進行する。
【0041】また塗膜の厚さを得るためには塗料にチク
ソトロピック性を付与することが有効であり、このため
にはカーボンファイバー以外にさらに繊維状の充填剤の
使用が好ましく、例えばガラス繊維の短繊維やミルドフ
ァイバー、各種ウィスカー、例えばチタン酸カリウムウ
ィスカーや酸化亜鉛ウィスカー等の無機系繊維が使用で
きる。また、状況に応じ有機系繊維も使用することは可
能である。これら繊維は、塗料の粘度調整効果以外に塗
膜に柔軟性が付与される結果、クラックが入りにくい塗
膜が得られる。
ソトロピック性を付与することが有効であり、このため
にはカーボンファイバー以外にさらに繊維状の充填剤の
使用が好ましく、例えばガラス繊維の短繊維やミルドフ
ァイバー、各種ウィスカー、例えばチタン酸カリウムウ
ィスカーや酸化亜鉛ウィスカー等の無機系繊維が使用で
きる。また、状況に応じ有機系繊維も使用することは可
能である。これら繊維は、塗料の粘度調整効果以外に塗
膜に柔軟性が付与される結果、クラックが入りにくい塗
膜が得られる。
【0042】さらに、各種顔料を使用し上塗り層を着色
することができる。この場合、上塗り層の組成は下塗り
層の組成と同一である必要はない。複数の上塗り層を施
す場合においても、これらは、特に充填剤の配合につい
て、同一でなくても良い。着色に使用する顔料は、有機
系、無機系いずれの物でも使用できるが、耐熱性の点よ
り無機系顔料の使用が好ましい。かかる上塗り層は、導
電性繊維を含む下塗り層を塗布し、これを加熱したのち
に施工してもよく、また下塗り層を施工したのち未乾燥
あるいは半乾燥状態において施工してもよい。
することができる。この場合、上塗り層の組成は下塗り
層の組成と同一である必要はない。複数の上塗り層を施
す場合においても、これらは、特に充填剤の配合につい
て、同一でなくても良い。着色に使用する顔料は、有機
系、無機系いずれの物でも使用できるが、耐熱性の点よ
り無機系顔料の使用が好ましい。かかる上塗り層は、導
電性繊維を含む下塗り層を塗布し、これを加熱したのち
に施工してもよく、また下塗り層を施工したのち未乾燥
あるいは半乾燥状態において施工してもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明にかかる塗料は、下塗り層が導電
性を有し、通電により発熱するため、下塗り層、表面層
ともに現場施工により反応、硬化させることができ、そ
の表面層が有機系バインダーを用いた従来の無機系塗料
と異なり、反応性無機材料を使用したものであるため、
紫外線、オゾン、酸またはアルカリを含む水等によって
も分解され、腐食されることがなく、また熱により分解
されることもなく、さらに釉薬同様透水性がないため、
基材を保護する効果が大きい。近年のように酸性雨によ
る腐食が問題となる建築物、構造物の保護には適した塗
料が得られた。また、表面層を1層以上設けることによ
り、外観も白色、その他任意の着色、模様等を施すこと
が可能であり、美観の上でも優れた塗膜を得ることがで
きる。さらに、アモルファスシリカを成分とする塗膜
は、耐衝撃性にも優れたものであった。
性を有し、通電により発熱するため、下塗り層、表面層
ともに現場施工により反応、硬化させることができ、そ
の表面層が有機系バインダーを用いた従来の無機系塗料
と異なり、反応性無機材料を使用したものであるため、
紫外線、オゾン、酸またはアルカリを含む水等によって
も分解され、腐食されることがなく、また熱により分解
されることもなく、さらに釉薬同様透水性がないため、
基材を保護する効果が大きい。近年のように酸性雨によ
る腐食が問題となる建築物、構造物の保護には適した塗
料が得られた。また、表面層を1層以上設けることによ
り、外観も白色、その他任意の着色、模様等を施すこと
が可能であり、美観の上でも優れた塗膜を得ることがで
きる。さらに、アモルファスシリカを成分とする塗膜
は、耐衝撃性にも優れたものであった。
【0044】
〔塗装材の配合〕
【0045】
【表1】 (硬化剤) ・K−ボンド#90(テイカ) 60
【0046】〔塗装材の調製〕主剤は予めミキサーにて
均一に混合し、これに塗装材使用前に硬化剤を加えてさ
らにハンドミキサーにて混合攪拌し、塗装に供した。 〔塗装と乾燥〕コンクリート表面にモルタルガンを用い
て、厚さ3mmとなるように塗装を行った。自然乾燥した
のち、端部に電極を押し当て、電圧をかけて発熱させ、
表面温度計にて測定して140℃にて20分加熱した。
得られた塗膜は硬く、コンクリートに強固に密着してお
り、現場施工により、コンクリート面に無機質の保護塗
膜を形成するという、本発明の目的とする結果が得られ
た。この塗膜は、6か月間の屋外暴露の後にも何ら異常
は認められず、優れた耐候性を有することが判った。
均一に混合し、これに塗装材使用前に硬化剤を加えてさ
らにハンドミキサーにて混合攪拌し、塗装に供した。 〔塗装と乾燥〕コンクリート表面にモルタルガンを用い
て、厚さ3mmとなるように塗装を行った。自然乾燥した
のち、端部に電極を押し当て、電圧をかけて発熱させ、
表面温度計にて測定して140℃にて20分加熱した。
得られた塗膜は硬く、コンクリートに強固に密着してお
り、現場施工により、コンクリート面に無機質の保護塗
膜を形成するという、本発明の目的とする結果が得られ
た。この塗膜は、6か月間の屋外暴露の後にも何ら異常
は認められず、優れた耐候性を有することが判った。
【0047】〔実験例2〕 〔塗装材の配合〕 下塗り剤(通電・発熱層形成用塗料)
【0048】
【表2】
【表3】
【0049】〔塗装材の調製〕A成分、B成分はそれぞ
れ予め十分攪拌混合する。塗装前に、A、B各成分を所
定の比率で混合し、塗装に使用する。A、B各成分を所
定の比率で混合した混合物には、水を300重量部程度
を加え、塗装に供する。水の使用量は塗料の粘度、塗装
装置の吐出能力、気温等を考慮して適宜選定する。上塗
り剤としては、実験例1に使用する塗料組成物よりカー
ボンファイバーを除き、替わりに酸化チタンとシリカを
配合したものを使用した。 〔塗装と乾燥〕コンクリート表面に、所定の間隔で電極
を配置したのち、モルタルガンを用いて、厚さ4mmとな
るように下塗り剤の塗装を行った。自然乾燥した。次い
で、上塗り剤を3mmの厚さになるように塗装し、自然乾
燥した。その後、電極に電圧をかけて通電、発熱させ、
表面温度計にて測定して140℃の状態で30分加熱し
た。得られた塗膜は硬く、コンクリートに強固に密着し
ており、現場施工により、コンクリート面に無機質の保
護塗膜が形成できた。また、下塗り剤の黒灰色は、上塗
り剤により完全に隠蔽されており、白色の外観が得られ
た。この塗膜は、6か月間の屋外暴露において、何ら異
常は認められなかった。 〔実験例3〕下塗り剤としては実験例1の塗料組成物
(主材+硬化剤)を使用し、これを塗装したのち、その
塗膜の上に上塗り剤として実験例2にて使用した表面層
塗料を塗布し、電極に電圧をかけ、塗膜に通電して発熱
させ、硬化させた。得られた塗膜は硬く、コンクリート
に強固に密着しており、現場施工により、コンクリート
面に無機質の保護塗膜が形成できた。また、下塗り剤の
黒灰色は、上塗り剤により完全に隠蔽されており、白色
の外観が得られた。このようにして得られた塗膜も、6
か月の屋外暴露において何らの異常が認められなかっ
た。
れ予め十分攪拌混合する。塗装前に、A、B各成分を所
定の比率で混合し、塗装に使用する。A、B各成分を所
定の比率で混合した混合物には、水を300重量部程度
を加え、塗装に供する。水の使用量は塗料の粘度、塗装
装置の吐出能力、気温等を考慮して適宜選定する。上塗
り剤としては、実験例1に使用する塗料組成物よりカー
ボンファイバーを除き、替わりに酸化チタンとシリカを
配合したものを使用した。 〔塗装と乾燥〕コンクリート表面に、所定の間隔で電極
を配置したのち、モルタルガンを用いて、厚さ4mmとな
るように下塗り剤の塗装を行った。自然乾燥した。次い
で、上塗り剤を3mmの厚さになるように塗装し、自然乾
燥した。その後、電極に電圧をかけて通電、発熱させ、
表面温度計にて測定して140℃の状態で30分加熱し
た。得られた塗膜は硬く、コンクリートに強固に密着し
ており、現場施工により、コンクリート面に無機質の保
護塗膜が形成できた。また、下塗り剤の黒灰色は、上塗
り剤により完全に隠蔽されており、白色の外観が得られ
た。この塗膜は、6か月間の屋外暴露において、何ら異
常は認められなかった。 〔実験例3〕下塗り剤としては実験例1の塗料組成物
(主材+硬化剤)を使用し、これを塗装したのち、その
塗膜の上に上塗り剤として実験例2にて使用した表面層
塗料を塗布し、電極に電圧をかけ、塗膜に通電して発熱
させ、硬化させた。得られた塗膜は硬く、コンクリート
に強固に密着しており、現場施工により、コンクリート
面に無機質の保護塗膜が形成できた。また、下塗り剤の
黒灰色は、上塗り剤により完全に隠蔽されており、白色
の外観が得られた。このようにして得られた塗膜も、6
か月の屋外暴露において何らの異常が認められなかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:02) 103:44 103:60 111:23
Claims (8)
- 【請求項1】 水ガラス系無機材料、硬化剤及び導電性
繊維を含む塗装材。 - 【請求項2】 硬化剤がトリポリ燐酸である請求項1記
載の塗装材。 - 【請求項3】 アモルファスシリカ含有化合物、セメン
ト、ケイ砂、及び合成樹脂エマルジョンを含み、無機質
成分に対する有機物の使用量が20重量%以下である組
成物に導電性繊維を添加して得られる塗装材。 - 【請求項4】 導電性繊維がカーボンファイバーである
請求項1又は3に記載の塗装材。 - 【請求項5】 水ガラス系無機材料、硬化剤及び導電性
繊維を含む塗装材を塗装し、通電加熱し硬化させること
を特徴とする塗装方法。 - 【請求項6】 水ガラス系無機材料、硬化剤及び導電性
繊維を含む塗装材を下地層として塗装し、その上に水ガ
ラス系無機材料、硬化剤及び着色剤を含む塗装材を表面
層として少なくとも1層を塗装したのち、通電加熱し硬
化させることを特徴とする塗装方法。 - 【請求項7】 アモルファスシリカ含有化合物、セメン
ト、ケイ砂、合成樹脂エマルジョンを含み、無機質成分
に対する有機物の使用量が20重量%以下である組成物
に導電性繊維を添加して得られる塗装材を下地層として
塗装し、その上に水ガラス系無機材料、硬化剤及び着色
剤を含む塗装材を表面層として少なくとも1層を塗装し
たのち、通電加熱し硬化させることを特徴とする塗装方
法。 - 【請求項8】 導電性繊維よりなる織物又は編み物を基
材層に固着し、その上にアモルファスシリカ含有化合
物、セメント、ケイ砂、合成樹脂エマルジョンを含む塗
装材であって、無機質成分に対する有機物の使用量が2
0重量%以下である塗装材、又は水ガラス系無機材料、
及び硬化剤を含む塗装材を少なくとも1層塗装したの
ち、通電加熱し硬化させることを特徴とする塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33463995A JPH08301673A (ja) | 1994-12-28 | 1995-12-22 | 塗装材とその塗装方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-326712 | 1994-12-28 | ||
JP32671294 | 1994-12-28 | ||
JP33463995A JPH08301673A (ja) | 1994-12-28 | 1995-12-22 | 塗装材とその塗装方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08301673A true JPH08301673A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=26572275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33463995A Pending JPH08301673A (ja) | 1994-12-28 | 1995-12-22 | 塗装材とその塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08301673A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100788489B1 (ko) * | 2005-04-01 | 2007-12-24 | 금광개발 주식회사 | 유색 석영을 이용한 칼라아스콘과 그 제조방법 및 포장방법 |
CN114958044A (zh) * | 2022-06-09 | 2022-08-30 | 上海及励科技有限公司 | 一种无机环保防潮防结露涂料及其制备方法 |
CN115216163A (zh) * | 2022-07-15 | 2022-10-21 | 李开天 | 无机电发热涂层材料及制备方法和应用、导电纤维 |
-
1995
- 1995-12-22 JP JP33463995A patent/JPH08301673A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100788489B1 (ko) * | 2005-04-01 | 2007-12-24 | 금광개발 주식회사 | 유색 석영을 이용한 칼라아스콘과 그 제조방법 및 포장방법 |
CN114958044A (zh) * | 2022-06-09 | 2022-08-30 | 上海及励科技有限公司 | 一种无机环保防潮防结露涂料及其制备方法 |
CN115216163A (zh) * | 2022-07-15 | 2022-10-21 | 李开天 | 无机电发热涂层材料及制备方法和应用、导电纤维 |
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