JPH08301358A - 吸引装置及び袋の真空パック方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】容器に用いる場合は手で持っている必要がな
く、簡単に空気を抜くことができ、しかも袋の空気も抜
くこともできる吸引装置を提供する。 【構成】吸引装置１は、ポンプ部５１とモータ部５２よ
り構成される電動ポンプ５が、２個の電池６・６によっ
て作動し、吸引孔２３から空気を吸うものである。この
吸引装置１を逆向きにして、取り付け対象の密閉容器の
蓋の上面に吸盤２を押しつけ、そこに吸着させて仮固定
する。続いて、スイッチ４２を入れて、電動ポンプ５を
作動させ、吸引孔２３から密閉容器内の空気を吸い取
る。この時、吸盤２は密閉容器の蓋に吸着しているの
で、手で支持しなくても倒れない。また、嵌合リング２
２にノズル７を取り付けて、袋の空気を抜くこともでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食品などを保存する際
に用いる真空吸引密閉容器又は袋の空気を抜くポンプ及
び袋の真空パック方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】合成樹脂製の密閉容器に食品などを入
れ、排気口から空気を抜き取り、内部を真空に近い状態
にして、鮮度を保つ工夫は従来から行われている。これ
らの容器は、気密材の開発や成型寸法精度の向上によ
り、年々密閉性が高まり、収納したものを長期間保存す
ることが可能になっている。

【０００３】また、上記の成型容器の代わりにナイロン
袋などが用いられることも多い。すなわち、袋に食品を
入れ空気を抜いた後、封入口をシールして内部を真空に
近い状態にするものである。それに用いる袋も年ごとに
改良され、空気を通さないで鮮度を保つ材質のものが増
えている。上記の密閉容器や袋から空気を抜く真空ポン
プも、様々なものが今までに提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、密閉容器から
空気を抜く機械も、簡単な構造の手押し式真空ポンプが
用いられることが多いので、空気を抜く作業は大変であ
った。多くは、片手でポンプ本体を握ってポンプの先端
を容器の排気口に押しつけ、その力によって同時に容器
を押さえつけながら、もう一方の手で何度も真空ポンプ
の把手を上下させる必要があった。

【０００５】また、袋内から空気を抜いて封入口をシー
ルする機械は、かさばる上に取扱いも面倒で、袋の空気
抜きにしか用いることができなかった。

【０００６】本発明は、上記の問題点にかんがみて提案
されたもので、容器に用いる場合は手で持っている必要
がなく、簡単に空気を抜くことができ、しかも袋の空気
も抜くこともできる吸引装置を提供することを目的とし
ている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１の吸引装置においては、本体に取り付けら
れた吸盤を有し、吸盤に形成された吸引口から空気を吸
引する電動ポンプとこの電動ポンプの電源となる電池と
を本体に内蔵した。請求項２の吸引装置においては、請
求項１に記載の吸引装置の吸盤の外周縁の一部に吸着解
除部を形成した。

【０００８】請求項３の吸引装置においては、請求項１
に記載の吸引装置の吸盤の凹面部に、吸引ノズルの基端
部が着脱自在に嵌合する環状突出部を形成し、この環状
突出部の内方に吸引口を形成した。請求項４の吸引装置
においては、請求項３に記載の吸引装置の吸引ノズルの
外側に袋開口部を保持する外筒を設け、この外筒の先端
側に袋開口部を封止する切り込みを入れた。

【０００９】請求項５の吸引装置においては、請求項１
に記載の吸引装置の本体の内側に、電池電極が接触する
接触用金具と、この接触用金具に接離自在なスイッチ用
金具を設けた。請求項６の吸引装置においては、請求項
５に記載の吸引装置の本体内の電池の両電極の接触用金
具を同一形状に成形した。

【００１０】請求項７の袋の真空パック方法において
は、開口部に密封ファスナーを備えた袋の端に吸引ノズ
ルの先端部を差し込んで開口部を閉じ、吸引ノズルを介
して袋内から空気を抜いた後、吸引ノズルの先端部近傍
の袋部分をクリップで封止し、続いて吸引ノズルを抜き
密封ファスナーで開口部を密封した後クリップを取り去
るという方法を用いた。

【００１１】なお、電池は乾電池に限定されず、本体外
から充電できる充電池を用いても構わない。また、吸盤
の取り付け位置は、その中心軸上に吸引装置全体の重心
が位置することが望ましいが、少しくらいずれていても
使用上差し支えはない。

【００１２】

【作用】請求項１の吸引装置においては、取り付け対象
の容器上面の所定の部位に吸盤を押しつける。次に電動
ポンプを作動させて、容器上面と凹面部とが作る空間の
空気を吸引口から抜いていく。すると、吸盤は大気圧に
よって密閉容器上面に押しつけられ、よって本体も固定
される。

【００１３】請求項２の吸引装置においては、大気圧に
よって密閉容器上面に押しつけられている吸盤の吸着解
除部を引くと、凹面部に空気が入り吸盤を容器上面から
離すことができる。請求項３の吸引装置においては、吸
盤の凹面部に設けられた環状突出部に、吸引ノズルの基
端部を嵌合させて取り付ける。そして、吸引ノズルの先
端を食品等を入れた袋の開口部に差し込んで、内部の空
気を抜き取る。その後、開口部を密封する。

【００１４】請求項４の吸引装置においては、取り付け
た吸引ノズルを袋の開口部の端に差し込む。そして、吸
引ノズルの基部に設けられた外筒の切り込みまで袋の開
口部を差し入れる。この時、袋の開口部は外筒によって
保持され、切り込みによって封止されて空気の再浸入が
防がれる。請求項５の吸引装置においては、本体の内側
に設けたスイッチ用金具を電池電極接触用金具に接触さ
せることによって吸引装置が作動し、離すことによって
作動が停止する。

【００１５】請求項６の吸引装置においては、同一形状
に成形した接触用金具を本体内の電池の両極に接触させ
る。請求項７の袋の真空パック方法においては、開口部
に密封ファスナーを備えた袋の端に吸引ノズルの先端部
を差し込んで開口部を閉じ、吸引ノズルを介して袋内か
ら空気を抜いた後、吸引ノズルの先端部近傍の袋部分を
クリップで封止し、続いて吸引ノズルを抜き密封ファス
ナーで開口部を密封した後クリップを取り去る。

【００１６】

【実施例】以下に本発明を、実施例を示した図面に基づ
いて、詳細に説明する。図１は本発明に係る吸引装置の
実施例の斜視図，図２は図１のＡ−Ａ線断面図，図３は
図１の吸引装置の平面図，図４は同底面図，図５は同吸
引装置を密閉容器に使用している状態の側面図である。

【００１７】図１及び図２に示すように、本発明にかか
る吸引装置１は、内部に電動ポンプ５と２本の電池６・
６が配置された合成樹脂製のケース３と、着脱自在な蓋
４と、ケース３の上部に金属円板２５によって押さえら
れネジ止めされたゴム製の円形の吸盤２とからなるもの
である。ここで、電動ポンプ５はポンプ部５１とモータ
部５２より構成されている。

【００１８】この吸盤２の中央寄り部には、電動ポンプ
５につながる吸引孔２３が穿けられ、図５のように、吸
盤２が取り付け対象の容器８の蓋８３の上面に取り付け
られた時に、蓋８３と凹面部２４によってできる空間の
空気を抜く役割を持っている。また、吸盤２の外周縁に
はリング状のつまみ２１が成形され、凹面部２４には吸
盤２の径の半分くらいの円形の嵌合リング２２が成形さ
れている。

【００１９】電動ポンプ５と２本の電池６・６は横並び
の状態で、図３に示すように平面視で三角形に配置され
ている。吸盤２は、その中心軸が吸引装置１の重心を通
る位置に取り付けられている。また、図４に示すように
ケース３の下を閉じる蓋４には、吸引ノズル７を収納す
るノズル収納部４３と、電池６・６のための電極端子４
１・４１と、この電極端子４１・４１を短絡して電動ポ
ンプ５を作動させるスライドスイッチ４２が取り付けら
れている。

【００２０】ここで、嵌合リング２２が環状突出部に対
応している。

【００２１】次に、図２及び図５を用いて、吸引装置１
を用いて食品保存用の容器８内の空気を抜くときの説明
をする。容器８は、環状のゴムパッキン８１が取り付け
られた容器本体８２の内側に、蓋８３が嵌めこまれたも
のである。蓋８３は、蓋本体８４とパッキン８５とロッ
ク蓋８６の３つの部材から構成されている。蓋本体８４
は全体形状が盆型で、その上面中央に凹部８７と通し孔
８８を有している。また、パッキン８５はゴム製で蓋本
体８４の凹部８７の内側にはめこまれ、凹部８７の縁に
密着するように形成されている。そして、ロック蓋８６
は凹部８７の外側に刻まれたネジ溝に螺着して、パッキ
ン８５の上面を押さえてロックしている。

【００２２】まず、容器８のロック蓋８６の上面に吸引
装置１を上下逆向きにして載せる。この時、嵌合リング
２２はロック蓋８６の上面の嵌合凹部８９の内側に嵌合
し、これによって吸盤２の位置が正確に定まる。位置が
定まったら、更に吸引装置１をロック蓋８６に強く押し
つけて、吸盤２の凹面部２４内の空気を押し出す。この
状態で吸引装置１は蓋８３の上にほぼ固定される。次に
スイッチ４２を入れて電動ポンプ５を動作させる。する
と、容器８内の空気は矢印のように移動し、パッキン８
５の上面に刻まれた溝を通って、吸引孔２３を通って、
最終的には空気吹き出し口５４から排気される。電動ポ
ンプ５の作動に伴って、容器８に吸引装置１が吸い付け
られる。しかも吸盤２の中心軸上に吸引装置１の重心が
あるので、手を離しても吸引装置１は倒れないで、吸引
動作を続ける。適当なところで蓋４のスイッチ４２を切
って終わる。

【００２３】吸引装置１を用いて袋の真空パックをする
ときは、図２の仮想線で示したように、吸引ノズル７の
基端部７１を吸盤２の嵌合リング２２の内壁面に嵌合さ
せて使用する。吸引ノズル７は合成樹脂製で少し堅い
が、嵌合リング２２は吸盤２と一体に成形されたゴム製
なので弾性があって、嵌合面からの空気の漏れはない。
吸引ノズル７は、使用しないときは図２の下に見るよう
に、蓋４に設けられた収納部４３に収納されている。吸
引ノズル７の外側のスライドリング７２は、吸引ノズル
７より若干大きく、軸方向にスライド可能である。ま
た、このスライドリング７２には、吸引ノズル７の先端
方向に２つの切り込みが点対称の位置に形成されてい
る。ここで、スライドリング７２が外筒に対応する。

【００２４】次に、その使用法を、図６及び図７を用い
て説明する。先ず、食品等を入れたナイロンポリ袋９の
開口部９１に、吸引ノズル７を図６に示すようにスライ
ドリング７２の切り込み７３まで押し込む。次に、開口
部９１を密封する密封ファスナー９２を閉じる。その時
の様子が図７の断面図に示したものである。図７で分か
るように、ナイロンポリ袋９を矢印方向に引いても、切
り込み７３の密封ファスナー９２は、スライドリング７
２に挟まれているので開くことができず、開口部がほぼ
確実に閉じられたままである。

【００２５】この状態で吸引装置１を作動させると、ナ
イロンポリ袋９はノズル７の外周面に吸着し、袋内の空
気はなくなり、真空に近い状態になる。次に、図６に示
すように、クリップ９３で吸引ノズル７の先端部近傍を
閉じ、吸引ノズル７を抜く。抜いた後、すばやく吸引ノ
ズル７が差し込まれていた部分の密封ファスナーを閉じ
る。最後に、クリップ９３を外せば真空パックはできあ
がる。

【００２６】なお、吸引ノズル７の先端を開口部９１に
差し込んだ状態で、スライドリング７２を先端方向にス
ライドさせて密封ファスナー９２を挟み、開かないよう
にしてもよい。また、図２において、電動ポンプ５の空
気吹き出し口５３にアタッチメント５４をはめこみ、そ
の空気を風船やタイヤ等を膨らますことに利用してもよ
い。

【００２７】吸引装置１を容器８に用いる時、嵌合リン
グ２２は容器８への位置合わせのためだけで、別段なく
ても構わない。電動ポンプ５と２本の電池６・６は平面
視において三角形に配置されているので、本体の重心が
低く安定し、しかも握りやすく、転がりにくい。蓋４に
は吸引ノズル７を収納するノズル収納部４３が設けられ
ているので、吸引ノズル７をなくすことがなく必要なと
きにすぐ使える。

【００２８】

【発明の効果】本発明に係る吸引装置は、以上のように
構成されているので、これを真空吸引密閉容器に用いる
場合は手で持って支えている必要がなく、簡単に容器内
の空気を抜くことができる。また、空気を抜いた後は吸
盤の外周縁部の吸着解除部を使って、簡単に吸盤を取り
外すことができる。また、吸引ノズルを設けることによ
って袋の空気を抜くこともでき、更に吸引ノズルの外側
に切り込みのある外筒を設けることによって、空気を抜
く作業中に袋の開口部から袋の中に空気が入ることが少
なくなる。スイッチ用金具と接触用金具を一体に設ける
ことによって別部品のスイッチを使う必要がなく、接触
用金具を同一形状にすることによって、部品１個当たり
の価格が安くなる。

【００２９】また、袋の真空パック方法によれば、クリ
ップで一旦開口部を封止するので、袋内の真空状態をそ
のまま保つことができるので、落ちついて確実に密封フ
ァスナーを閉じることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る吸引装置の斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１の吸引装置の平面図である。

【図４】図１の吸引装置の底面図図である。

【図５】図１の吸引装置を密閉容器に使用している状態
の側面図である。

【図６】吸引ノズルの用い方の説明図である。

【図７】図６のＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１ 吸引装置 ２ 吸盤 ２１ つまみ（吸着解除部） ２２ 嵌合リング（環状突出部） ２３ 吸引口 ２４ 凹面部 ３ ケース ４ 蓋 ４１ 接触用金具 ４２ スイッチ（スイッチ用金具） ４３ ノズル収納部 ５ 電動ポンプ ５１ ポンプ部 ５２ モータ部 ５３ 空気吹き出し口 ５４ アタッチメント ６ 電池 ７ 吸引ノズル ７１ 基端部 ７２ スライドリング（外筒） ７３ 切り込み ８ 容器 ８２ 容器本体 ８３ 蓋 ９ ナイロンポリ袋 ９１ 開口部 ９２ 密封ファスナー ９３ クリップ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体に取り付けられた吸盤を有し、吸盤に
   形成された吸引口から空気を吸引する電動ポンプとこの
   電動ポンプの電源となる電池とを本体に内蔵したことを
   特徴とする吸引装置。
2. 【請求項２】吸盤の外周縁の一部に吸着解除部を形成し
   たことを特徴とする請求項１に記載の吸引装置。
3. 【請求項３】吸盤は、吸引ノズルの基端部が着脱自在に
   嵌合する環状突出部が凹面部に形成され、この環状突出
   部の内方に吸引口が形成されたことを特徴とする請求項
   １に記載の吸引装置。
4. 【請求項４】吸引ノズルは、その外側に袋開口部を保持
   する外筒が設けられ、この外筒はその先端側に袋開口部
   を封止する切り込みを入れたことを特徴とする請求項３
   に記載の吸引装置。
5. 【請求項５】本体の内側に電池電極が接触する接触用金
   具と、この接触用金具に接離自在なスイッチ用金具を設
   けたことを特徴とする請求項１に記載の吸引装置。
6. 【請求項６】本体内の電池の両電極の接触用金具を同一
   形状に成形したことを特徴とする請求項５に記載の吸引
   装置。
7. 【請求項７】開口部に密封ファスナーを備えた袋の端に
   吸引ノズルの先端部を差し込んで開口部を閉じ、吸引ノ
   ズルを介して袋内から空気を抜いた後、吸引ノズルの先
   端部近傍の袋部分をクリップで封止し、続いて吸引ノズ
   ルを抜き密封ファスナーで開口部を密封した後クリップ
   を取り去ることを特徴とする袋の真空パック方法。