JPH0830124A - 電子写真装置および電子写真方法 - Google Patents

電子写真装置および電子写真方法

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JPH0830124A
JPH0830124A JP6161343A JP16134394A JPH0830124A JP H0830124 A JPH0830124 A JP H0830124A JP 6161343 A JP6161343 A JP 6161343A JP 16134394 A JP16134394 A JP 16134394A JP H0830124 A JPH0830124 A JP H0830124A
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JP
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fixing belt
belt
intermediate transfer
fixing
roller
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Application number
JP6161343A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Asada
浩義 浅田
Jun Inagaki
潤 稲垣
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中間転写ドラムから記録媒体へのトナー像の
転写、定着を定着ベルトを使用しても安定して行うこと
ができる電子写真装置および電子写真方法を提供する。 【構成】 電子写真方法を実施する装置は、無端状の定
着ベルト54が掛け回された一対のベルトローラ51,
52と、これらベルトローラ51,52間に配置され、
定着ベルト54の走行を案内し、その一端が回動ピン1
04を介して回動自在に支持された中間ベルトローラ5
3と、定着ベルト54の蛇行量及び蛇行方向に応じて、
中間ベルトローラ53を定着ベルト54の走行方向前後
に回動させるアクチュエータ105とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザプリンタや複写
機等に適用される電子写真装置および電子写真方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置は、感光ドラム上に形成さ
れた静電潜像をトナーによって現像し、このトナー像を
紙等の記録媒体に転写、定着して印刷するものである
が、この種の電子写真装置の中には、特開昭50−23
234号公報に開示されているように、感光ドラム上の
トナー像を記録媒体に転写、定着する前に、そのトナー
像を中間転写媒体に一旦転写するようにしたものがあ
る。
【0003】このような中間転写媒体を備えていれば、
その中間転写媒体上に複数色のトナー像を順次転写する
ことでカラー像が得られることから、記録媒体へのカラ
ー印刷が可能となり、また、記録媒体に紙以外の材質を
使用できる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子写真装
置において、記録媒体上にトナー像を転写、定着するた
めには、そのトナー像に対して加圧処理および加熱処理
の少なくとも一方の処理を実施する必要がある。それ
故、電子写真装置は、一般に、中間転写媒体の間で記録
媒体を挟持する定着ローラを備えているが、この定着ロ
ーラは記録媒体に線接触するだけであるので、そのトナ
ー像の加圧または加熱が不十分になる虞がある。
【0005】このため、定着ローラに代えて無端状の定
着ベルトを使用すれば、この定着ベルトは記録媒体への
面接触が可能となり、トナー像の加圧または加熱時間を
十分に確保できると考えられる。しかしながら、定着ベ
ルトを使用する場合、その走行に蛇行が発生すると、記
録媒体が中間転写媒体との間で擦れ、トナー像の転写、
定着が安定して行えないことになる。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、定着ベルトを使用して、安定したトナ
ー像の転写、定着が可能となる電子写真装置および電子
写真方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の電
子写真装置によって達成され、その請求項1の電子写真
装置は、定着ベルトの蛇行を規制する手段を備えてい
る。請求項2の電子写真装置は、定着ベルトを加熱する
手段を更に備えている。請求項3の電子写真装置は、定
着ベルトが掛け渡される一対のベルトローラと、中間ベ
ルトローラを備えており、請求項4の電子写真装置は、
定着ベルトの蛇行を規制する手段がベルトローラおよび
中間ベルトローラのうちの1つを定着ベルトの走行方向
前後に傾動させる手段から構成されている。請求項5の
電子写真装置は、記録媒体を挟持しながら走行している
間、前記ローラの全てを定着ベルトの走行方向と直交す
る初期状態に復帰させる手段を備えている。請求項6の
電子写真装置は、定着ベルトを中間転写媒体から接離す
る手段を備えている。
【0008】上記目的は、本発明の電子写真方法によっ
ても達成され、その請求項7の電子写真方法は、転写、
定着の工程に加え、定着ベルトの蛇行を規制する工程を
含んでいる。請求項8の電子写真方法は、定着ベルトを
加熱する工程をさらに含んでいる。請求項9の電子写真
方法は、定着工程の実施にに先立ち、定着ベルトの蛇行
規制を解除するようにしており、請求項10の電子写真
方法は、規制工程の実施中、定着ベルトを中間転写媒体
から離間させている。
【0009】
【作用】本発明の請求項1,7の電子写真装置および電
子写真方法によれば、定着ベルトの走行中、その蛇行は
規制された状態にある。請求項2,8の装置および方法
によれば、定着ベルトは加熱された状態で、記録媒体に
トナー像を転写、定着する。
【0010】請求項3の装置によれば、定着ベルトは一
対のベルトローラおよび中間ベルトローラにより、その
走行が案内されており、この場合、請求項4の定着装置
によれば、定着ベルトに蛇行が発生したとき、ベルトロ
ーラおよび中間ベルトローラの1つを定着ベルトの走行
方向前後に傾動させて、定着ベルトの蛇行を規制する。
【0011】請求項5,9の装置および方法によれば、
記録媒体へのトナー像の転写、定着に先立ち、前記ロー
ラの全てが定着ベルトの走行方向と直交する初期状態に
復帰され、その定着ベルトの蛇行規制は解除された状態
にある。請求項6,10の装置および方法によれば、定
着ベルトを中間転写媒体から離間させた状態で、定着ベ
ルトの蛇行規制が行われる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の電子写真装置および電子写真
方法が適用されたレーザプリンタを添付図面を参照しな
がら説明する。レーザプリンタ1は、図1に示すよう
に、感光装置10、現像装置20、中間転写装置30、
クリーニング装置40、転写定着装置50、補助スクイ
ズローラ60、記録媒体(転写紙P)の搬送装置70お
よび矢印A方向から露光用の光を照射する露光装置80
を備えている。感光装置10、中間転写装置30、クリ
ーニング装置40および補助スクイズローラ60は、全
体として一つのプロセスユニットUPとしてまとめられ
ており、このプロセスユニットUPは、ガイドレール
5,5に沿い、図1でみて手前側へと引き出し可能であ
る。
【0013】図1は、レーザプリンタ1の正面図であ
り、以下の説明において、図示したレーザプリンタの手
前側を正面側、その裏側を背面側という。また、図1に
示した各矢印は、各部材の回転方向ならびに記録媒体の
搬送方向を示している。感光装置10は、回転される感
光ドラム11、感光ドラム11の残留電荷を除去する除
電器12および感光ドラム11を一様に帯電させる帯電
器13を有している。感光ドラム11の表面は、残留電
荷の除去に先立ち、クリーニング装置40によって清掃
される。クリーニング装置40、除電器12および帯電
器13は、中間転写装置30と現像装置20との間に感
光ドラム11の回転方向に沿って、この順序で配置され
ている。
【0014】感光ドラム11は、円筒形のドラムの表面
に有機光電材料(OPC:organic phot-oconductor) からな
る感光層が形成されている。感光層の素材としては、O
PCの他に例えば、セレン(Se)系やアモルファスシリ
コン(α−Si)等も使用できる。除電器12は、LED
アレイや小形の白熱ランプであって、感光ドラム11の
表面に光を照射して残留潜像を消去する。帯電器13
は、コロナ放電によりイオンを発生させ、このイオンに
より感光ドラム11を均一に帯電させる。
【0015】現像装置20はハウジング210を備えて
おり、このハウジング210には、第一現像ユニット2
1〜第四現像ユニット24が水平方向に並んで設けられ
ている。ハウジング210は、感光ドラム11の接線方
向となる図中矢印で示す水平方向すなわち左右方向に駆
動装置25によって移動可能となっている。したがっ
て、感光ドラム11の直下には、任意の現像ユニットを
位置付け可能となっている。駆動装置25は、ボールね
じからなるフィードスクリュー25aと駆動モータ25
bを有している 第一現像ユニット21は、ハウジング210の上部に位
置した液体トナーの液槽211と、ハウジング210の
下部に位置したトナーカートリッジ26を有している。
トナーカートリッジ26には液体トナーが充填されてい
る。トナーカートリッジ26はハウジング210に着脱
可能に装着されている。液槽211には現像ローラおよ
びスクイズローラ(共に図示せず)が内蔵されており、
これら現像ローラおよびスクイズローラは所定の間隔で
水平方向に平行に配置されている。なお、他の現像ユニ
ット22〜24も第一現像ユニット21と同様に構成さ
れている。
【0016】各現像ユニット21〜24のトナーカート
リッジ26には、液体キャリア中にイエロー、マゼン
タ、シアンおよび黒のトナー粒子を分散させた液体トナ
ーがそれぞれ充填されている。なお、現像開始前の初期
状態においては、現像装置20は、レーザプリンタ1の
正面からみて右側の待機位置にあり、いずれの現像ユニ
ットも感光ドラム11の直下にはない。
【0017】中間転写装置30は、中間転写媒体とし
て、感光ドラム11に転接しながら回転する中間転写ド
ラム31と、この中間転写ドラム31の回転方向に沿っ
て配置された帯電器32とを備えている。中間転写ドラ
ム31は、金属製のドラム本体の外周面に絶縁性を有し
た薄いシリコーン樹脂層31aを形成するか、あるい
は、シリコーン樹脂層31aを形成した導電性シートを
ドラム本体に巻き付けて構成されている。また、シリコ
ーン樹脂層の下に適当なクッション層を設けるのが好ま
しい。なお、中間転写ドラム31は、記録媒体の大きさ
に応じて適宜の直径のものが使用可能で、大きな記録媒
体を使用可能とする場合、図1に示したように感光ドラ
ム11よりも大径となる。
【0018】帯電器32は、感光装置10の帯電器13
と同様の原理で中間転写ドラム31のシリコーン樹脂層
31aを帯電させ、感光ドラム11から中間転写ドラム
31へのトナー像の転写を可能とする。クリーニング装
置40は、ケーシング41内にクリーニングローラ42
およひ回収ローラ43を備えており、クリーニングロー
ラ42にはケーシング41から僅かに突出して、感光ド
ラム11に転接されている。クリーニングローラ42
は、感光ドラム11上に残留するトナー粒子を静電的に
吸着して、これを回収ローラ43に移す。回収ローラ4
3上のトナー粒子はウレタンゴム等からなるゴムブレー
ドでかき取られて、ケーシング41内のトナー回収部に
受け取られる。また、クリーニング装置40は、スポン
ジ製のクリーニングローラとプラスチック製のブレード
を感光ドラム11に押し当てる構成でもあってもよく、
この場合には、感光ドラム11上に残留したトナー粒子
を機械的にかき取ることができる。
【0019】転写定着装置50は、一対のベルトローラ
51,52、中間ベルトローラ53、これらローラに掛
け回された無端状の定着ベルト54および後述する定着
ベルト54の押圧装置(接離手段)102を有してい
る。ベルトローラ51,52は、ヒータ100を内蔵し
た金属ローラであって、図2に示すように、中間転写ド
ラム31の周方向に離間して配置されている。矢印で示
す転写紙Pの搬送方向でみて、一方のベルトローラ51
は上流側に位置し、他方のベルトローラ52は下流側に
位置している。ベルトローラ52は、図示しない駆動系
に接続され、図中矢印方向に回転可能となっている。こ
こで、ベルト52の回転により、定着ベルト54は中間
転写ドラム31の周速とほぼ同一の速度で走行する。
【0020】中間ベルトローラ53は、一対のベルトロ
ーラ51,52よりも中間転写ドラム31から離れて配
置され、定着ベルト54に張力を付与するテンションロ
ーラとして、また、後述するように定着ベルト54の蛇
行を規制する規制ローラ(規制手段)として機能する。
これらのローラ51〜53の回転軸は、略正三角形の各
頂点に配置されている。
【0021】定着ベルト54は、厚さ60μm程度のニッ
ケルまたはステンレスからなる薄肉の金属ベルトであ
る。前記押圧装置102は図3に詳しく示されている。
押圧装置102は、支持フレーム55、一対のリンクア
ーム56およびディスクカム57を有している。支持フ
レーム55は、図3でみて右端が回動軸55aに回動自
在に支持されている。支持フレーム55の左端とレーザ
プリンタ1の筺体Hとの間には押圧ばね58が配置され
ており、この押圧ばね58は支持フレーム58の左端を
下方向に付勢している。
【0022】前述した一対のベルトローラ51,52
は、リンクアーム56の両端に回転自在に支持されてお
り、そして、一対のリンクアーム56は、ベルトローラ
52と共軸の支持軸(図示しない)を介し、支持フレー
ム58に回動自在に支持されている。なお、一方の支持
軸は前述した駆動系、つまり、電動モータなどの駆動源
に接続されており、この駆動源は支持フレーム55に固
定されている。
【0023】支持フレーム55と一対のリンクアーム5
6との間にも押圧ばね59がそれぞれ配置されており、
これら押圧ばね59は、一対のリンクアーム56の自由
端、すなわち、ベルトローラ51を中間転写ドラム31
に向けて付勢している。これらリンクアーム56の下向
きの回動は、ベルトローラ52側の端部がピン55cに
当接することで規制される。
【0024】一方、中間ベルトローラ53のロール軸の
一端は、支持フレーム55側のガイド面103に移動自
在に支持されており、ロール軸の他端は、図4に示され
ているように回動ピン104を介して支持フレーム55
側に回動自在に支持されている。さらに、ロール軸の一
端には、たとえば空圧シリンダからなるアクチュエータ
105が接続されており、このアクチュエータ105
は、回動ピン104を中心として中間ベルトローラ53
をガイド面103に沿って回動させることができる。し
たがって、中間ベルトローラ53は、一対のベルトロー
ラ51,52に対して傾動可能となっている。
【0025】なお、中間ベルトローラ53は、定着ベル
ト54のテンションローラとしても機能するため、ガイ
ド面103および回動ピン104は、その取付レベルが
調整となっている。アクチュエータ105には、コント
ローラ106が電気的に接続されており、このコントロ
ーラ106には、一対の蛇行検出センサ107a,10
7bが接続されている。これら蛇行検出センサ107
は、たとえば透過式のフォトセンサからなり、定着ベル
ト54の両方の側縁の近傍に配置されている。定着ベル
ト54の走行に蛇行が発生すると、その蛇行が一方の蛇
行検出センサ107によって検出され、この蛇行検出セ
ンサ107からコントローラ106に検出信号が供給さ
れる。
【0026】ディスクカム57はその回転に伴い、支持
フレーム材55の左端を押圧ばね58の付勢力に抗して
押し上げ、支持フレーム55を回動軸55aを中心とし
て上方に回動させる。支持フレーム55の回動は、一対
のリンクアーム56を介して一対のベルトローラ51,
52を上昇させ、これにより、定着ベルト54は図5に
示すように中間転写ドラム31から離間される。
【0027】図1に示されているように補助スクイズロ
ーラ60は、感光ドラム11の近傍において、現像装置
20と中間転写ドラム31との間に配置されている。補
助スクイズローラ60と感光ドラム11との間には、た
とえば20〜50μm程度の間隔が確保されており、補
助スクイズローラ60は、感光ドラム11と逆方向に回
転し、感光ドラム11上の余剰の液体トナー、特にその
液体キャリアを除去する。なお、補助スクイズローラ6
0に代えて、帯電器を用いたスクイズコロナを使用して
も同様の効果が得られる。
【0028】搬送装置70は、上下2段に配置されたド
ロアD1,D2と、これらドロアの一方から引き出され
た転写紙Pを中間転写ドラム31を経て搬送する主搬送
路71と、転写紙Pの両面プリントを可能とするため、
中間転写ドラム31よりも主搬送路71の下流側から転
写紙Pを反転させ、中間転写ドラム31よりも上流側の
主搬送路71へ戻すバイパス搬送路72とを備えてい
る。
【0029】主搬送路71中にはドロアD1,D2側に
位置して正逆回転可能な複数のフィードローラ71aが
配置されており、また、中間転写ドラム31の上流側お
よび下流側の主搬送路71中には正転のみが可能な複数
のフィードローラ71bが配置されている。さらに、主
搬送路71には、転写紙Pの搬送を案内するガイド板7
1cも設けられている。
【0030】一方、バイパス搬送路72の入口には、主
搬送路71上を搬送されてくる転写紙の搬送方向を切り
替える切替爪72aが配置されており、バイパス搬送路
72の中間には転写紙を搬送する複数のフィードローラ
72bが配置されている。さらに、主搬送路71と再合
流するバイパス搬送路72の出口には転写紙の搬送を案
内する案内部材72cが設けられている。
【0031】主搬送路71において、各ドロアD1,D
2からバイパス搬送路72の出口までの長さは、少なく
とも搬送方向に沿う転写紙の長さ以上に設定されてい
る。これにより、バイパス搬送路72を経て再度主搬送
路71に戻された転写紙がドロアと干渉することはな
い。なお、転写紙がバイパス搬送路72から主搬送路7
1に戻す場合、フィードローラ71aが逆転されること
は言うまでもない。
【0032】露光装置80は、現像装置20の下側から
その側方を延びるレーザ光学系であって、レーザ光源、
液晶シャッタ等を有している。露光装置80は、カラー
原稿の各色相に対応したプリント情報に基づいてレーザ
光を矢印A方向に出射して感光ドラム11を露光し、こ
の感光ドラム11の外周面に各プリント情報に対応した
静電潜像を形成する。プリント情報を感光ドラム11上
に照射する光源として、レーザ光源の代わりにLEDア
レイを使用してもよい。
【0033】レーザプリンタ1は、以下に説明する電子
写真方法により転写紙にカラー像をプリントする。先
ず、図5に示されているように転写定着装置50の押圧
装置102はその定着ベルト54を中間転写ドラム31
から離間させており、また、現像装置20においては、
前述の待機位置から、その第一現像ユニット21が感光
ドラム11の直下に位置付けられるように、駆動装置2
5が作動する。
【0034】この状態にて、感光ドラム11が回転され
ると、感光ドラム11の外周面はクリーニング装置40
で清掃された後、その残留電荷が除電器12によって除
去され、そして、帯電器13で一様に帯電される。つぎ
に、色分解されたプリント情報のうち、イエローのプリ
ント情報に基づき、図中矢印Aで示すようにレーザ光が
感光ドラム11に照射され、この感光ドラム11の外周
面に静電潜像が形成される。
【0035】この後、感光ドラム11上の静電潜像は第
一現像ユニット21の液体トナーによって現像され、感
光ドラム11上にトナー像が形成される。このトナー像
は、感光ドラム11から中間転写ドラム31に転写され
る。上述した感光ドラム11上での静電潜像の形成およ
びその現像から中間転写ドラム31へのトナー像の転写
までの一連の中間転写プロセスは、イエロー以外の他の
色のプリント情報に基づき同様にして順次繰り返され
る。このため、現像装置20の第二〜第四現像ユニット
22〜24は、駆動装置25によって感光ドラム11の
直下に順次位置付けられる。したがって、中間転写ドラ
ム31上には4色のトナー像を積層転写して得た多色ト
ナー像が形成される。
【0036】そして、中間転写ドラム31上への4色目
のトナー像の転写と並行して、あるいは、その転写終了
後に、前記押圧装置102のディスクカム57が回転さ
れ、その支持フレーム55は押圧ばね58の付勢力を受
けて下向きに回動する。したがって、図3に示されてい
るように一対のベルトローラ51,52は定着ベルト5
4を介して中間転写ドラム31に押し付けられ、そし
て、ベルトローラ51,52間の定着ベルト54は中間
転写ドラム31の外周面に湾曲して密着する。このと
き、定着ベルト54もまた所定の押圧力で中間転写ドラ
ム31に押し付けられる。
【0037】ここで、一対のベルトローラ51,52の
うち、中間転写ドラム31の回転方向でみて下流側のベ
ルトローラ51は、押圧装置102の構成上、上流側の
ベルトローラ51よりも大きな押圧力で中間転写ドラム
31に定着ベルト54を介して押し付けられることにな
る。また、一対のベルトローラ51,52および定着ベ
ルト54から中間転写ドラム31への押し付け力の合力
の作用線は、中間転写ドラム31の軸線と感光ドラム1
1の軸線とを結ぶ線分と直交している。これにより、前
記押し付け力の分力が中間転写ドラム31から感光ドラ
ム11に働くことはない。
【0038】上述した中間転写ドラム31に対する一対
のベルトローラ51,52および定着ベルト54の押し
付けは、中間転写ドラム31上の多色トナー像を避けた
位置で行われる。一方、前記中間転写プロセスの実施と
並行して搬送装置70は、一方のドロアDから転写紙P
を引き出しており、この転写紙Pは、中間転写ドラム3
1に定着ベルト54が押し付けられたとき、主搬送路7
1から中間転写ドラム31に向けて送り出される。した
がって、転写紙Pは中間転写ドラム31と定着ベルト5
4との間に挟持され、これら定着ベルト54の走行と中
間転写ドラム31の回転に伴って搬送され、この際、中
間転写ドラム31上の多色トナー像が一対のベルトロー
ラ51,52および定着ベルト54により加圧、加熱さ
れて転写紙Pに転写、定着される。
【0039】ここで、転写紙Pが一対ベルトローラ5
1,52間の定着ベルト54を通過する間において、転
写紙Pに転写された多色トナー像はそのトナー粒子が十
分に加熱、溶融されるので、転写紙P上の多色トナー像
は安定して定着される。しかも、ベルトローラ51に比
べ、ベルトローラ52は定着ベルト54を介し、中間転
写ドラム31に強く押し付けられているので、転写紙P
への溶融トナーの浸透が良好となり、その定着が確実に
なされる。
【0040】さらに、中間転写ドラム31にはイエロー
のトナー像が最初に転写されているから、中間転写ドラ
ム31から転写紙Pに多色トナー像が転写されると、転
写紙P上においてはイエローのトナー像が最上位に位置
する。イエローのトナーは他の色のトナーに比べて光透
過性が高いことから、転写紙P上のカラープリントはそ
の画像が鮮明となって印刷品質が向上する。
【0041】さらに、定着ベルト54は金属ベルトであ
るため、転写紙Pへの多色トナー像の転写、定着時、そ
の多色トナー像のトナー粒子に、ベルトローラ51,5
2からの熱エネルギを効率よく与えることができ、多色
トナー像の転写、定着性が一層向上する。多色トナー像
が転写、定着された転写紙Pは、中間転写ドラム31か
ら主搬送路71を通じてレーザプリンタ1の外部に排出
される。
【0042】転写紙Pへの多色トナー像の転写、定着が
終了すると、転写定着装置50の押圧装置102におい
て、そのディスクカム57が回転されて、図5に示され
るように支持フレーム55は押圧ばね58の付勢力に抗
して上方に回動され、一対のベルトローラ51,52お
よび定着ベルト54は中間転写ドラム31から離間す
る。
【0043】なお、転写紙Pの裏面にもカラー像をプリ
ントするときには、切替爪72aを上方へはね上げて、
その表面にプリントされた転写紙Pを主搬送路71から
バイパス搬送路72へ導いて、その表裏を反転させ、そ
して、バイパス搬送路72から主搬送路71の上流側に
戻す。この後、感光ドラム11から中間転写ドラム31
への多色トナー像の転写、また、その戻された転写紙P
に対する多色トナー像の転写、定着を同様にして行え
ば、その転写紙Pの裏面にもカラー像をプリントするこ
とができる。
【0044】前述した転写定着装置50は、その定着ベ
ルト54の蛇行を規制するために、図6に示す蛇行制御
ルーチンを実行し、以下には、この蛇行制御ルーチンに
ついて説明する。先ず、図6のステップS1では、前記
コントローラ106に定着ベルト54の蛇行量が読み込
まれる。具体的には、コントローラ106は一対の蛇行
検出センサ107a,107bからのセンサ信号に基づ
き、定着ベルト54の蛇行量を検出する。
【0045】コントローラ106は、検出した蛇行量か
ら定着ベルト54の蛇行調整が必要か否かを判別し(ス
テップS2)、ここでの判別結果が偽(No)の場合に
は、ステップS1からの蛇行制御ルーチンを繰り返す。
ステップS2の判別結果が真(Yes)の場合には、次のス
テップS3にて、コントローラ106は、現在の状況が
転写紙Pへの転写、定着モードであるか否かを判別す
る。具体的には、中間転写ドラム31への各色のトナー
像の転写が終了してから転写紙Pへの転写、定着が完了
するまでの間、コントローラ106には転写定着信号が
供給され続けており、コントローラ106は転写定着信
号の有無から、ステップS3の判別を行うことができ
る。
【0046】ステップS3の判別結果が偽であって、定
着ベルト54が中間転写ドラム31から離間している場
合、コントローラ106は定着ベルト54の蛇行量及び
その蛇行方向に基づき、アクチュエータ105を駆動す
る(ステップS4)。したがって、中間ベルトローラ5
3はその回動ピン104を中心として、図4中の原位置
Oから時計方向または反時計方向に回動し、これによ
り、定着ベルト54の蛇行が減少される。なお、定着ベ
ルト54の蛇行方向は、センサ信号を出力する蛇行検出
センサ107から特定することができる。
【0047】一方、ステップS3の判別結果が真であっ
て、定着ベルト54が中間転写ドラム31に押し付けら
れている場合にあっては、コントローラ106は、アク
チュエータ105を駆動し、中間ベルトローラ53を前
記原位置Oに復帰させる(ステップS5)。この場合、
中間ベルトローラ53は、一対のベルトローラ51,5
2と平行となる。
【0048】上述した蛇行制御ルーチンによれば、定着
ベルト54に蛇行が発生しても、その蛇行が中間ベルト
ローラ53の回動操作によって解消されるから、転写紙
Pへの転写、定着を確実かつ安定して行え、印刷品質が
低下することはない。また、定着ベルト54が中間転写
ドラム31から離れている状態で、定着ベルト54の蛇
行補正が行われるので、この蛇行補正が定着ベルト53
や中間転写ドラム31のシリコーン樹脂層31aに悪影
響を及ぼすことはない。すなわち、転写紙Pへの転写、
定着中に中間ベルトローラ53が回動されると、定着ベ
ルト54はその走行方向と直交する方向に徐々に移動す
ることから、定着ベルト54と中間転写ドラム31の外
周面の速度ベクトルが揃わず、中間転写ドラム31の薄
いシリコーン樹脂層31aに剪断応力が加わる。このた
め、シリコーン樹脂層31aの劣化を招き、中間転写ド
ラム31の寿命低下を招く。しかしながら、中間ベルト
ローラ53の回動操作による定着ベルト54の蛇行補正
は、定着ベルト54が中間転写ドラム31から離れた状
態で実施されるから、上述の不具合が発生することはな
い。
【0049】さらに、転写紙Pへの転写、定着中にある
ときには、前述したステップS5が実行されるから、中
間ベルトローラ53の回動操作が解除され、この中間ベ
ルトローラ53は一対のベルトローラ51,52と平行
な初期状態に戻される。それ故、転写紙Pへの転写、定
着時、転写紙Pにしわが発生することはない。すなわ
ち、中間ベルトローラ53が回動操作されていると、定
着ベルト54の張力がその全面で均一にならないので、
その一部が弛み、この弛みは転写紙Pにしわを発生させ
る。しかしながら、この場合、中間ベルトローラ53は
一対のベルトローラ51,52と平行になっているの
で、定着ベルト54の一部が弛むようなことはなく、し
たがって、上述の不具合を受けることはない。
【0050】本発明は、上述の一実施例に制約されるも
のではなく、種々の変形が可能である。たとえば、ベル
トローラ52にシリコーンゴム等の弾性部材を被覆すれ
ば、中間転写ドラム31への定着ベルト54の押し付け
力を調整することができる。定着ベルト54は、金属ベ
ルトの表面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂を被覆したも
のであってもよいし、シリコーン樹脂やフッ素樹脂をリ
ング状に成形した樹脂ベルトであってもよい。このよう
に定着ベルトの表面がシリコーン樹脂やフッ素樹脂から
なっていると、トナーの付着による定着ベルトの汚損を
防止でき、これは、両面プリントを行う場合に特に利点
となる。つまり、転写紙の裏面に多色トナー像を転写、
定着させるとき、その表面側の多色トナー像が定着ベル
トに付着することがなく、カラープリントの画像品質の
低下を防止できる。
【0051】中間ベルトローラ53の回動操作に関して
は、その長手方向の中央を回動中心としても、定着ベル
トの蛇行を補正することができる。中間転写ドラム31
が十分な強度を有していれば、中間転写ドラム31に定
着ベルト54を押し付けた状態で、定着ベルトの蛇行補
正を行うことも可能であり、この場合には、定着ベルト
の蛇行補正は、中間転写ドラム31にトナー像が転写さ
れる前の段階で実行されるべきである。
【0052】定着ベルトは自走式でなくてもよく、中間
転写ドラム31の回転によって走行されるものであって
よい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子写真
装置および電子写真方法によれば、中間転写媒体から記
録媒体へのトナー像の転写、定着のために、中間転写媒
体との間で記録媒体を挟持しながら走行する定着ベルト
を使用し、そして、この定着ベルトの蛇行を規制するよ
うにしたから、トナー像の転写、定着を安定して行え、
高品質な印刷が可能となる(請求項1,7)。定着ベル
トが加熱されていれば、トナー像を転写、定着をさらに
良好に行える(請求項2,8)。定着ベルトの走行が一
対のベルトローラ以外に中間ベルトローラによっても案
内されていれば、この中間ベルトローラをテンションロ
ーラとして使用でき、定着ベルトに所望の張力を簡単に
して与えることができる(請求項3)。これらローラの
うち、少なくとも1つのローラ、好ましくは中間ベルト
ローラを定着ベルトの走行方向前後に傾動させるだけ
で、定着ベルトの蛇行を簡単にして規制できる(請求項
4)。さらに、中間ベルトローラの傾動操作によって定
着ベルトの蛇行補正を行う場合、記録媒体へのトナー像
の転写、定着中にあっては、その蛇行補正を解除し、中
間ベルトローラを一対のベルトローラと平行に戻せば、
記録媒体のしわの発生を防止できる(請求項7,9)。
さらに、中間転写媒体に対し、定着ベルトを接離可能と
すれば、定着ベルトが中間転写媒体から離間している状
態で、定着ベルトの蛇行補正を行え、この蛇行補正に起
因する中間転写媒体の寿命に悪影響を及ぼすことはない
(請求項6,10)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置および電子写真方法が適
用されたレーザプリンタ全体の概略構成図である。
【図2】図1のレーザプリンタの転写定着装置を示した
概略正面図である。
【図3】定着ベルトの押圧装置が作動した状態を示す正
面図である。
【図4】図3の転写定着装置の概略平面図である。
【図5】図3の押圧装置の非作動状態を示す正面図であ
る。
【図6】定着ベルトの蛇行制御ルーチンを示したフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ 5 ガイドレール 10 感光装置 11 感光ドラム(静電潜像担持
体) 12 除電器 13 帯電器 20 現像装置 21〜24 現像ユニット 25 駆動装置 25a フィードスクリュー 25b 駆動モータ 26 トナーカートリッジ 210 ハウジング 211 液槽 30 中間転写装置 31 中間転写ドラム(中間転写媒
体) 31a シリコーン樹脂層 32 帯電器 40 クリーニング装置 41 ケーシング 42 クリーニングローラ 43 回収ローラ 50 転写定着装置 51,52 ベルトローラ 53 中間ベルトローラ 54 定着ベルト 60 補助スクイズローラ 70 搬送装置 71 主搬送路 71a フィードローラ 71b フィードローラ 71c ガイド板 72 バイパス搬送路 72a 切替爪 72b フィードローラ 72c 案内部材 80 露光装置 100 ヒータ 102 押圧装置 103 ガイド面 104 回動ピン 105 アクチュエータ 106 コントローラ 107a,107b 蛇行検出センサ P 転写紙(記録媒体) D1,D2 ドロア

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を中間転写媒体に転写した後、
    前記中間転写媒体から記録媒体に転写、定着するように
    した電子写真装置であって、前記中間転写媒体との間で
    前記記録媒体を挟持しながら走行する無端定着ベルト
    と、前記定着ベルトの蛇行を規制する手段とを設けたこ
    とを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 前記定着ベルトを加熱する手段を備えて
    いることを特徴とする、請求項1の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 前記定着ベルトが掛け渡される一対のベ
    ルトローラと、中間ベルトローラとを備えていることを
    特徴とする、請求項1または2の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 規制手段は、前記ベルトローラおよび中
    間ベルトローラの1つを前記定着ベルトの走行方向の前
    後に傾動させる手段であることを特徴とする、請求項3
    の電子写真装置。
  5. 【請求項5】 前記記録媒体を挟持しながら走行してい
    る間、前記ローラの全てを前記定着ベルトの走行方向と
    直交する初期状態に復帰させる手段を備えていることを
    特徴とする、請求項4の電子写真装置。
  6. 【請求項6】 前記定着ベルトを前記中間転写媒体から
    接離する手段を備えていることを特徴とする、請求項5
    の電子写真装置。
  7. 【請求項7】 トナー像を中間転写媒体に転写した後、
    前記中間転写媒体から記録媒体に転写、定着する電子写
    真方法であって、 前記中間転写媒体の移動方向に走行する無端定着ベルト
    と前記中間転写媒体との間に前記記録媒体を挟持してト
    ナー像を転写、定着する工程と、前記定着ベルトの走行
    中、前記定着ベルトの蛇行を規制する工程とを含むこと
    を特徴とする電子写真方法。
  8. 【請求項8】 前記定着ベルトを加熱する工程を含んで
    いることを特徴とする、請求項7の電子写真方法。
  9. 【請求項9】 前記前記定着工程の実施に先立ち、前記
    定着ベルトの蛇行規制を解除することを特徴とするき、
    請求項7または8の電子写真方法。
  10. 【請求項10】 規制工程の実施中、前記定着ベルトを
    前記中間転写媒体から離間させることを特徴とする、請
    求項7ないし9の1つの電子写真方法。
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