JPH083011B2 - ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物

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JPH083011B2
JPH083011B2 JP62150378A JP15037887A JPH083011B2 JP H083011 B2 JPH083011 B2 JP H083011B2 JP 62150378 A JP62150378 A JP 62150378A JP 15037887 A JP15037887 A JP 15037887A JP H083011 B2 JPH083011 B2 JP H083011B2
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glass fiber
resin composition
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styrene resin
styrene
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一記 山口
俊弘 植田
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物に関
するものである。更に詳しくは、種々の射出成形材料と
して極めて有用であり、かつ成形した時、表面が平滑で
外観の優れた、かつ、強度等も優れた成形品が得られる
ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物に関するものであ
る。
「従来の技術」 従来、成形材料として使用されるスチレン系樹脂にガ
ラス繊維は、成形性が優れているので各種成形品の成形
用基材として広く使用されている。しかし、強度、剛
性、耐熱性、寸法安定性等が要求される成形品を成形し
ようとする場合には、基材のスチレン系樹脂にガラス繊
維を加えた組成物とし、これら特性を改良する手法が採
られている。
ところが、このようにガラス繊維を加えたスチレン系
樹脂組成物から得られた成形品は、上記のような種々の
特性は向上し、工業的に極めて有用であるが、一方成形
品の素地表面にガラス繊維が浮出しやすいために、成形
品の表面の平滑性が損われ、従って外観が極端に低下す
るという欠点がある。
このような成形品の外観低下を防ぐだめに、基体樹脂
に加えるガラス繊維の形状を変えたり、繊維の長さ、直
径を調節したり、バインダーを改良するなど種々の試み
がなされてはいるが、その効果はいずれも極めてわずか
であり、逆に強度、剛性、耐熱性、寸法安定性等の特性
を著しく低下させてしまうという欠点があり、未だ満足
しうる改良は完成されていない。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明の目的は、上記のような基体樹脂にガラス繊維
を加えることによって発現される優れた特性を著しく低
下させることなく、外観の優れた成形品が得られるガラ
ス繊維強化スチレン系樹脂組成物を提供することにあ
る。
「問題点を解決するための手段」 本発明の要旨とするところは、スチレン系単量体とこ
れと共重合可能な他の単量体との共重合体および/また
はゴム成分にスチレン系単量体とこれと共重合可能な他
の単量体との混合物をグラフトさせたグラフト共重合体
からなるスチレン系樹脂100重量部に対して、ガラス繊
維1〜100重量部、並びにカプロラクトン型、アジピン
酸型および/またはPTMG型の熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー0.5〜50重量部を含有してなることを特徴とす
るガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてスチレン系樹脂とは、スチレン系単量
体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体および
/またはゴム成分にスチレン系単量体とこれと共重合可
能な他の単量体との混合物をグラフトさせたグラフト共
重合体からなるものをいう。
本発明におけるスチレン系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロ
スチレン等があげられる。これらは1種でも、また2種
以上の混合物であってもよい。
スチレン系単量体と共重合可能な他の単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
酸、アクリル酸アルキルエステル類、メタアクリル酸ア
ルキルエステル類、無水マレイン酸、N−フェニルマレ
イミド等があげられる。共重合させる単量体成分は1種
でも、2種以上の混合物であってもよい。
グラフト共重合体を得る際の基体ゴム成分としては、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、
スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体、ポ
リブチルアルキレート等のゴム状のアクリル系重合体等
があげられる。
本発明におけるスチレン系樹脂の代表的な例示として
は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(AB
S樹脂)、スチレン−アクリロニトリル樹脂(SAN樹脂)
等があげられる。
本発明においてガラス繊維とは、単繊維の直径が数ミ
クロン〜数十ミクロンのガラスの長繊維を単独でまたは
集束して破砕または切断したものをいう。集束する場合
は、単繊維のものを複数本ストランド状に集束させたも
のであっでもよい。破砕または切断したガラス繊維の長
さは特に制約はなく、10ミクロン〜数ミリメートルの範
囲で適宜選ぶことができる。
ガラス繊維の組成については特に限定されるものでは
ない。一般にはEガラスが用いられるが、更に、これを
濃硫酸で処理し、酸可溶性成分を除去したリーチドガラ
ス、耐酸性の強いCガラス、更にはAガラス、Sガラ
ス、Mガラス、ARガラス、Lガラス等の公知のガラスを
用いることができる。
本発明に係る熱可塑性ポリウレタンエラストマーとし
ては、次のようなものがあげられる。
カプロラクトン型:カプロラクトンを開環して得ら
れるポリラクトンエステルポリオールに短鎖ポリオール
の存在下、ポリイソシアネートを付加重合したタイプ、 アジピン酸型:アジピン酸とグリコールとのアジピ
ン酸エステルポリオールに短鎖ポリオールの存在下ポリ
イソシアネートを付加重合したタイプ、または PTMG型:テトラヒドロフランの開環重合で得られた
ポリテトラメチレングリコールに短鎖ポリオールの存在
下、ポリイソシアネートを付加重合したタイプ 本発明では、上に例示したいずれのタイプのものも使
用することができる。これらの中では特に、カプロラク
トン型のものがその特性がすぐれ、本発明の目的が効果
的に達成される。
本発明に係るガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物に
おける各成分の配合割合は、スチレン系樹脂100重量部
に対し、ガラス繊維は1〜100重量部、好ましくは1〜4
0重量部の割合で用いられる。すなわち、1重量部より
少ないと効果が少ないために組成物から得られる成形物
の剛性が低く、かえって脆くなり好ましくない。
また、熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、スチレ
ン系樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜50重量部の範
囲で使用される。ここで0.5重量部より少ないと、本発
明の目的が効果的に達成することができず、一方50重量
部より多くなると、組成物の耐熱性が低下するので好ま
しくない。
本発明に係るガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物
は、通常上記の成分をスクリュー押出機、バンバリーミ
キサー、ニーダーミキシングロールなどの混練り機械を
用いる方法、プレス成形機によって積層する方法、溶液
含浸法、粉末含浸法などによって調製することができ
る。
本発明に係るガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物
は、上記の三成分だけでなく、スチレン系樹脂に通常配
合されている種々の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線
吸収剤、着色剤、充填剤、有機過酸化物、難燃剤、また
は難燃相乗剤などを配合することができる。
「発明の効果」 本発明は、次のように特別に顕著な効果を奏するので
その産業上の利用価値は極めて大である。
(1) 本発明に係るガラス繊維強化スチレン系樹脂組
成物より得られる成形品の表面は平滑であり、ガラス繊
維を加えることによって損なわれやすい外観が、熱可塑
性ポリウレタンエラストマーの添加によって著しく向上
するので、成形材料として極めて有用である。
(2) 本発明に係るガラス繊維強化スチレン系樹脂組
成物より得られる成形品の従来有する特性、例えば引張
り強度、剛性、耐熱性、寸法安定性などは殆ど損われる
ことがない。
「実施例」 次に本発明を、実施例および比較例によって具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
例に制約されるものではない。
実施例1 アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(商品
名TFX−450、三菱モンサント化成社製品)100重量部、
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(ポリ−ε−カプロ
ラクトンをベースとするもの:商品名ペレセン2102−80
A、化成アップジョン社製品)14重量部およびガラス繊
維(商品名T34G:直径9μ、長さ3mm、日本電子硝子社製
品)28重量部をそれぞれ秤量し、これらをタンブラーミ
キサーで混合してガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物
を得た。
この組成物をダイ直径40mmのベント付押出機でペレッ
ト化し、次いで射出成形機で試験片を作製し、その物性
を測定した。また、外観を検定するべく、小型バッテリ
ーケース用金型(4点ピンゲート)を用い、成形品にお
けるガラス繊維の浮出し状態などを、肉眼で観察し判定
を行った。
これらの結果を表1に示す。
なお、表1中の物性は、次の方法に従って測定した。
物性 測定方法 引張り強さ JIS K 7113 曲げ強さ JIS K 7203 曲げ弾性率 JIS K 7203 アイゾット衝撃強さ(ノッチ式) JIS K 7110 実施例2 スチレン−アクリロニトリル樹脂(商品名SAN−F、
三菱モンサント化成社製品)100重量部、熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマー14重量部、およびガラス繊維28重
量部を実施例1におけると同様にして秤量、配合してガ
ラス繊維強化スチレン系樹脂組成物を得た。
この組成物についても、実施例1におけると同様にし
て、その物性を測定し、外観を判定した。その結果を表
1に示す。
実施例3 実施例1に記載の例において、熱可塑性ポリウレタン
エラストマーの配合量を23重量部に変えた他は同例にお
けると同様にして、ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成
物を得た。
この組成物についても実施例1におけると同様にし
て、その物性を測定し、外観を判定した。その結果を表
1に示す。
実施例4 実施例1に記載の例において、熱可塑性ポリウレタン
エラストマーの配合量を8重量部に変えた他は同例にお
けると同様にして、ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成
物を得た。
この組成物についても実施例1におけると同様にし
て、その物性を測定し、外観を判定した。その結果を表
1に示す。
比較例1 実施例1に記載の例において、熱可塑性ポリウレタン
エラストマーを使用しなかったほかは、同例におけると
同様にして、ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物を得
た。
この組成物についても実施例1におけると同様にして
その物性を測定し、外観を判定した。その結果を表1に
併記する。
比較例2 実施例2に記載の例において、熱可塑性ポリウレタン
エラストマーを使用しなかったほかは、同例におけると
同様にして、ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物を得
た。
この組成物についても実施例1におけると同様にして
その物性を測定し、外観を判定した。その結果を表1に
併記する。
表1から、本発明の組成物から得られる成形品は、そ
の物性は殆ど低下することなく、外観が著しく改善され
ることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 75:00) (C08L 51/04 75:00)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系単量体とこれと共重合可能な他
    の単量体との共重合体および/またはゴム成分に上記ス
    チレン系単量体とこれと共重合可能な他の単量体との混
    合物をグラフトさせたグラフト共重合体からなるスチレ
    ン系樹脂100重量部に対して、ガラス繊維1〜100重量
    部、並びにカプロラクトン型、アジピン酸型および/ま
    たはPTMG型の熱可塑性ポリウレタンエラストマー0.5〜5
    0重量部を、含有してなることを特徴とするガラス繊維
    強化スチレン系樹脂組成物。
JP62150378A 1987-06-17 1987-06-17 ガラス繊維強化スチレン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH083011B2 (ja)

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JPS63314260A JPS63314260A (ja) 1988-12-22
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