JP2887810B2 - 強化熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

強化熱可塑性樹脂組成物

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JP2887810B2
JP2887810B2 JP2003446A JP344690A JP2887810B2 JP 2887810 B2 JP2887810 B2 JP 2887810B2 JP 2003446 A JP2003446 A JP 2003446A JP 344690 A JP344690 A JP 344690A JP 2887810 B2 JP2887810 B2 JP 2887810B2
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glass fiber
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reinforced thermoplastic
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れた物性を有するガラス繊維強化ポリス
チレン樹脂組成物に関する。
(従来の技術) 樹脂に、機械的強度を付与する手段として、ガラス繊
維等の無機充填材を配合することは一般的に行われてい
るが、ポリスチレン樹脂については、樹脂とガラス繊維
との密着性が悪く、特に衝撃強度が著しく低下すると言
う問題がある。
樹脂とガラス繊維との密着性を向上させる方法とし
て、シラン系カップリング剤などを用いてガラス繊維の
表面処理を行う方法が知られている。また、特公昭51−
29183号公報には、アクリル酸を押出機を用いて共重合
させ、変性処理を施した変性ポリスチレン樹脂を用い、
樹脂とガラス繊維との密着性を向上させることにより、
曲げ強度、引張強度及び熱変形温度が向上することが開
示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、シラン系カップリング剤などで表面処
理を施したガラス繊維を用いた場合には、密着性の著し
い改善は認められず、十分な機械的強度を有するものが
得られない。また、成形品にシルバーストリークが発生
して表面状態が悪化する等の問題がある。
一方、特公昭51−29183号公報に開示されたガラス繊
維強化ポリスチレン樹脂組成物は、その衝撃強度が低い
と言う問題がある。
本発明は、従来の技術における上記のような問題点に
鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的
は、樹脂とガラス繊維との密着性が改善され、高い機械
的強度、特に、高い衝撃強度を有するガラス繊維強化ポ
リスチレン樹脂組成物を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、予めモノマーの重合時に無水マレイン
酸を共重合させることによって変性処理を施したゴム成
分を含む変性ポリスチレン樹脂と、未変性ポリスチレン
樹脂と、アミノシラン系カップリング剤で処理したガラ
ス繊維を用いると、樹脂とガラス繊維との密着性が改善
され、高い強度を有するガラス繊維強化ポリスチレン樹
脂組成物が得られることを見出だし、本発明を完成し
た。
すなわち、本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、スチ
レン類、無水マレイン酸及びゴム成分を共重合させて得
られた変性ポリスチレン樹脂と、未変性ポリスチレン樹
脂と、アミノシラン系カップリング剤で処理したガラス
繊維系強化材とを含むことを特徴とする。この場合、未
変性ポリスチレン樹脂として、ゴム成分を含むポリスチ
レン樹脂を用いることが衝撃強度の改善の点で好まし
い。
本発明において使用する変性ポリスチレン樹脂は、予
めモノマーの重合時に無水マレイン酸を共重合させるこ
とによって変性処理を施したゴム成分を含むものであっ
て、例えば、次のようにして製造される。モノマーとし
て、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、クロロスチレン等のスチレン類50重量%以上、無水
マレイン酸0.5〜20重量%及びゴム成分としてジエン系
化合物5〜40重量%を使用し、公知の方法によって共重
合させる。共重合の条件は、特に限定されるものではな
く、公知の条件が採用される。但し、ジエン系化合物に
ついては、スチレン類と無水マレイン酸を共重合させた
後、混合してもよい。
ジエン系化合物としては、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレン等を使用することができる。
本発明において、上記マレイン酸変性ポリスチレン樹
脂と併用する未変性ポリスチレン樹脂としては、ゴム成
分を含有するもの及びゴム成分を含有しないもののいず
れも使用することができる。
ゴム成分を含む未変性ポリスチレン樹脂としては、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、クロロスチレン等のスチレン類と、ブタジエン、ク
ロロプレン、イソプレン等のジエン化合物との共重合体
を使用することができる。これらの共重合体及びそれら
の混合物において、スチレン類の含有量は60重量%以上
であるのが好ましい。
また、ゴム成分を含まない未変性ポリスチレン樹脂と
しては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジメ
チルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類の重合体
があげられる。
これらの未変性ポリスチレン樹脂は、上記マレイン酸
変性ポリスチレン樹脂に対して、0.5:9.5〜9.5:0.5の範
囲で配合することができる。
本発明において、ガラス繊維としては、アミノシラン
系カップリング剤で処理したものが使用される。処理に
使用されるアミノシラン系カップリング剤としては、例
えば、次のものをあげることができる。γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン。
ガラス繊維は、その長さが長い方が好ましく、通常3
〜6mmの繊維長を有するものが好適に使用される。
ガラス繊維の配合割合は、全樹脂に対して10〜30%の
範囲であることが好ましい。
(実施例) 以下、本発明を実施例等によってさらに詳細に説明す
る。
比較参考例1 ゴム成分を含むマレイン酸変性ポリスチレン樹脂(ダ
イラーク#700、積水化成品工業(株)製)のペレット8
0部に、20部のガラス繊維を押出機において添加した。
ガラス繊維としては、予め、アミノシラン系カップリン
グ剤を用いて処理したもの(FES−03−1243、3mmチョッ
プストランド、富士ファイバーグラス(株)製)を押出
機によって混練した後、射出成形機によって、金型温度
40℃、樹脂温度220℃、成形温度220℃、射出圧力600kg/
cm2の条件で成形し、試験片を作製した。
得られた試験片について、曲げ強度(ASTM D790)、
曲げ弾性率(ASTM D790)、引張強度(ASTM D638)、衝
撃強度(ASTM D256、ノッチ付、t=3.2mm、23℃)、及
び熱変形温度(ASTM D648、18.6kg/cm2)を測定した。
それらの結果を第1表に示す。
実施例1〜3 ゴム成分を含むマレイン酸変性ポリスチレン樹脂(ダ
イラーク#700、積水化成品工業(株)製)のペレット
と、ゴム成分を含む未変性のポリスチレン樹脂(ダイヤ
レックスHT76、三菱モンサント化成株式会社製)のペレ
ットとを、6:4(実施例1)、5:5(実施例2)、4:6
(実施例3)の割合で配合したもの80部に、比較参考例
1におけると同様のガラス繊維20部を添加し、比較参考
例1と同様にして試験片を作製した。それらについて、
比較参考例1と同様に試験を行った。結果を第1表に示
す。
実施例4〜8 ゴム成分を含むマレイン酸変性ポリスチレン樹脂(ダ
イラーク#700、積水化成品工業(株)製)のペレット
と、ゴム成分を含まない未変性のポリスチレン樹脂(ダ
イヤレックスHH102、三菱モンサント化成株式会社製)
のペレットとを、3:7(実施例4)、4:6(実施例5)、
5:5(実施例6)、6:4(実施例7)、及び7:3(実施例
8)の割合で配合したもの80部に、比較参考例1におけ
ると同様のガラス繊維20部を添加し、比較参考例1と同
様にして試験片を作製した。それらについて、比較参考
例1と同様に試験を行った。結果を第1表に示す。
比較例1 ゴム成分を含む未変性のポリスチレン樹脂(ダイヤレ
ックスHT76、三菱モンサント化成株式会社製)のペレッ
ト80部に、比較参考例1におけると同様のガラス繊維20
部を混合し、同様にして試験片を作製した。比較参考例
1と同様に試験を行った。その結果を第1表に示す。
比較例2 ガラス繊維を添加しない以外は、比較例1と同様にし
て試験片を作製し、同様に試験を行った。結果を第1表
に示す。
比較例3 ゴム成分を含まない変性ポリスチレン樹脂(ダイラー
ク#232、積水化成品工業(株)製)のペレット80部
に、比較参考例1におけると同様のガラス繊維20部を混
合し、同様にして試験片を作製した。結果を第1表に示
す。
比較例4 ガラス繊維を添加しない以外は、比較例3と同様にし
て試験片を作製し、同様に試験を行った。結果を第1表
に示す。
(発明の効果) 本発明の樹脂組成物は、ゴム成分を含むマレイン酸変
性ポリスチレン樹脂を使用し、アミノシラン系カップリ
ング剤で処理したガラス繊維を配合したので、ポリスチ
レン樹脂とガラス繊維との密着性が著しく向上し、曲げ
強度、引張強度の改善効果が大きく、また、高い衝撃強
度が得られると共に、熱変形温度も高い。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 51/04 C08L 25/00 - 25/18 C08K 9/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン類、無水マレイン酸及びゴム成分
    を共重合させて得られた変性ポリスチレン樹脂と、未変
    性ポリスチレン樹脂と、アミノシラン系カップリング剤
    で処理したガラス繊維系強化材とを含むことを特徴とす
    る強化熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記変性ポリスチレン樹脂が、スチレン類
    50重量%以上、無水マレイン酸0.5〜20重量%及びゴム
    成分5〜40重量%からなる共重合体である請求項1に記
    載の強化熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記変性ポリスチレン樹脂と未変性ポリス
    チレン樹脂との配合比が、0.5:9.5〜9.5:0.5の範囲であ
    る請求項1に記載の強化熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記ガラス繊維系強化材が、全樹脂に対し
    て10〜30重量%の範囲である請求項1に記載の強化熱可
    塑性樹脂組成物。
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