JPH08300092A - 温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法 - Google Patents
温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法Info
- Publication number
- JPH08300092A JPH08300092A JP14099095A JP14099095A JPH08300092A JP H08300092 A JPH08300092 A JP H08300092A JP 14099095 A JP14099095 A JP 14099095A JP 14099095 A JP14099095 A JP 14099095A JP H08300092 A JPH08300092 A JP H08300092A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- die
- hobbing
- tempering
- steel
- toughness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Forging (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)
Abstract
金型の製造を可能にする。 【構成】 熱間ダイス鋼、ハイス鋼をはじめとする工具
鋼一般を一旦850℃以上に加熱した後、降温させ30
0から800℃の間で鍛造し(ホビング)、その後適当
な速度で室温まで冷却させ、後の焼入れ処理を省略し焼
もどしのみを行う。また焼き戻し後に仕上げ放電加工を
加えることにより、金型寿命に対して更なる効果が発揮
される。 【効果】 高強度で旦つ高靭性な金型の製造が可能とな
る。またこれにより実使用における金型の初期硬さを大
幅に上げることか可能となるため型寿命が飛躍的に伸び
る。
Description
イス鋼、高速度鋼など工具鋼を、温間ホビングにより高
強度化、高靭性化させる加工方法に関するものである。
り成形する方法で、メタルフローが連続的であることか
ら切削品よりも型寿命において優れていると言われてい
る。しかしホビング成形後には通常の工程と同じ焼き入
れ、焼き戻しが入るため、メタルフローによる鍛流線を
有する部分の靭性や疲労強度が優れているものの、強度
的には切削品とほぼ同じである。また通常温間ホビング
は複雑形状品に適用されることが多く、その成形面は加
工ままに近い状態で使用されることが多いが、焼き入れ
等の工程が加工後に入ることにより成形面は荒れ、冷間
鍛造に用いられる様な表面性状は必ずしも良好ではな
い。
形と焼き戻し処理だけで通常の焼き入れ、焼き戻し品、
あるいは通常の温間ホビング品よりも高強度、高靭性
で、長寿命な金型を製造する方法を提案するものであ
る。また鍛造面の精度、及び平滑度を上げるための仕上
げ放電加工を行うことによって更に長寿命な金型を製造
する方法を提案するものである。
処理は焼き入れ、焼き戻しが行われ、2次硬化を利用し
て強度を高めている。焼き入れ、焼き戻し処理による2
次硬化後の硬さは、成分と熱処理条件によりほぼ100
%決定されてしまう。また靭性に関しては、結晶粒度と
圧延方向、及び1次炭化物の大きさ等によって決定され
る。従って金型を製造する場合、供試される材料によっ
て強度、靭性等が決定されてしまい、金型製造業者は熱
処理方法以外で特性を改善することはできない。
50℃以上に加熱した後、降温させ300から800℃
の間で鍛造し(ホビング)、その後空冷から水冷の範囲
で室温まで冷却させ、後の焼入れ処理を省略し焼もどし
のみを行うことによって、高強度、高靭性金型の製造を
可能とするものである。
き入れ、焼き戻し工程(プロセスA)と本発明の工程
(プロセスB)をそれぞれ示す。本発明のプロセスBで
は焼き入れとホビングを組み合わせた点が特徴となる。
戻し後の硬さの関係を示す。実験に用いた工程は次の通
りである。プロセスA;600℃で前方押しだし(減面
率60%)→空冷→1030℃×10分→油冷→焼き戻
し(500℃×1時間/空冷)。プロセスB;1030
℃×10分→空冷→250〜1000℃で前方押しだし
(減面率60%)→油冷→焼き戻し(500℃×1時間
/空冷)。因みに材質は、JIS−SKD62である。
プロセスB材の方が、プロセスA材よりも硬度は上昇す
ることが確認できる。また加工温度は低い方のが硬度の
上昇度は高く、プロセスBの効果が発揮されるが、加工
温度が250℃以下になるとマルテンサイト変態が始ま
るため割れが生じ加工できなくなってしまう。従って効
果のある現実的な加工温度の温度の下限は300℃とな
る。
プロセスB材の焼き戻し曲線を示す。この図より、鍛造
ままと200〜650℃焼き戻しのすべての範囲でプロ
セスB材の方が高硬度であることが確認できる。因みに
材質はそれぞれ熱間ダイス鋼JIS−SKD62、セミ
ハイス鋼MH85(0.53C−4.5Cr−3.6M
o−1.7W−1V)、ハイス鋼JIS−SKH51で
ある。
ピー衝撃値と焼き戻し温度の関係を示す。試験片の鍛造
履歴、及び温度履歴は図2と同条件である。また材質は
JIS−SKD62を、試験片にはJIS3号試験片を
用いた。
域において、プロセスB材は明らかにプロセスA材より
も高い衝撃値を示していることが確認される。
51の抗折試験結果を示す。試験片の製造履歴は次の通
りである。MH85(プロセスA);1120℃×2分
→油冷→焼き戻し(525℃〜625℃×1H 2
回)、MH85(プロセスB);1120℃×2分→6
00℃前方押しだし(減面率60%)→油冷→焼き戻し
(525℃〜625℃×1H 2回)、SKH51(プ
ロセスA);1200℃×2分→油冷→焼き戻し(52
5℃〜625℃×1H 2回)、SKH51(プロセス
B);1200℃×2分→600℃前方押しだし(減面
率30%)→油冷→焼き戻し(525℃〜650℃×1
H 2回)、
み量はプロセスA材の3倍近い値を示す。
化、高靭性化は単なる加工硬化だけでないことが確認で
きる。
処理であるオースフォーミングと同じものであるが、今
までの報告では、加工される部品を対象とされたもので
あり、また温度管理の難しさや、変形抵抗の問題などか
ら実用化された例はほとんどない。本発明では、このオ
ースフォーミングを利用したホビングにより金型を製造
することによって、従来の切削加工−焼き入れ−焼き戻
しプロセスや冷、温間ホビング−焼き入れ−焼き戻しプ
ロセスでは得られなかった高い強度、及び靭性を得るこ
とが可能となった。
施例を詳述する。熱間ダイス鋼JIS−SKD62を図
10(a)、(b)に示す工程で、ギヤ型を製造した。
りホビングした結果、割れは全く認められず、良好な形
状を示した。また焼き戻し後の硬さ分布を図12に示す
が、プロセス2Bのものは、通常のプロセスであるプロ
セス2Aのものと比較して硬さが最大HRC5ポイント
程度上昇しており、高強度化されている。
れたギヤ型の実機テスト結果を示す。プロセス2Aのダ
イスの平均寿命は約6400ショット程度であり、その
破損形態は歯のだれ、欠けである。一方プロセス2Bの
ダイスの型命数は、約19000個と3倍近い伸びを示
し、破損形態も硬度が高いにも関わらずだれのみであっ
た。
5を使用し、図13に示す形状のギヤ型を、図14に示
す工程で作成し、実機テストした結果を以下に示す。
は全く認められず、良好な形状を示した。
ギヤ型の硬さ分布を示す。MH85においてもSKD6
2のときと同様に、プロセスBにより大幅な硬さ上昇が
確認できる。
を表2に示す。プロセス3Bにより作成されたMH85
の金型は、プロセス3Aにより作成された金型の約2.
1〜2.3倍の寿命を示した。また放電仕上げ加工を施
したプロセス4Bのものは更に高い寿命を示すことか
ら、放電仕上げ加工の有効性も確認できる。
使用し、図16に示す形状のギヤ型を、図17に示す工
程で作成し、実機テストした結果を以下に示す。
れは全く認められず、多少肌荒れが生じるものの良好な
形状を示した。
ギヤ型の硬さ分布を示す。SKH51においてもSKD
62、MH85のときと同様に、プロセスBにより鍛造
部の大幅な硬さ上昇が確認できる。
に示す。因みに、それぞれのプロセスにより製造された
金型は放電仕上げ加工を行った。プロセス4Bにより作
成されたSKH51の金型は、プロセス4Aにより作成
された金型の2倍近い寿命を示した。また放電仕上げ加
工を施したプロセス4Bのものは更に高い寿命を示すこ
とから、放電仕上げ加工の有効性も確認できる。
かつ初期硬さを通常の使用条件より大幅に上げることが
可能となるため、その分寿命は大幅に改善される。
くまで一例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲
において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた態
様で実施可能である。
高い靭性と高い強度を両立させることが可能となり、金
型寿命を大幅に延長させることが可能となる。
る。
る。
た後各温度で鍛造した時の鍛造温度と焼き戻し後の硬さ
の関係を示した図である。
り前方押しだし加工した後の焼き戻し特性を示した図で
ある。
だし加工した後の焼き戻し特性を示した図である。
り前方押しだし加工した後の焼き戻し特性を示した図で
ある。
り前方押しだし加工した後の焼き戻し温度と衝撃値の関
係を示した図である。
だし加工した後の焼き戻し温度と抗折試験におけるたわ
み量の関係を示した図である。
り前方押しだし加工した後の焼き戻し温度と抗折試験に
おけるたわみ量の関係を示した図である。
スを示した図である。
状を示した図である。
布を示した図である。
状を示した図である。
スを示した図である。
布を示した図である。
状を示した図である。
スを示した図である。
布を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱間ダイス鋼、ハイス鋼をはじめとする
工具鋼を一旦850℃以上に加熱した後、降温させ30
0から800℃の間で鍛造し(ホビング)、その後空冷
から水冷の範囲で冷却させ、後の焼入れ処理を省略し焼
もどしのみを行うことによって高強度、高靭性金型を製
造する方法。 - 【請求項2】 熱間ダイス鋼、ハイス鋼をはじめとする
工具鋼を一旦850℃以上に加熱した後、降温させ30
0から800℃の間で鍛造し(ホビング)、その後上記
の速度で室温まで冷却させ、後の焼入れ処理を省略し焼
もどしのみを行い、さらに鍛造面を放電加工により仕上
げすることによって高強度、高靭性金型を製造する方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14099095A JP3716454B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14099095A JP3716454B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08300092A true JPH08300092A (ja) | 1996-11-19 |
JP3716454B2 JP3716454B2 (ja) | 2005-11-16 |
Family
ID=15281589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14099095A Expired - Fee Related JP3716454B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3716454B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009191364A (ja) * | 2008-02-15 | 2009-08-27 | Dayton Progress Corp | 工具鋼を熱機械処理する方法および熱機械処理された工具鋼から作られた工具 |
US8968495B2 (en) | 2007-03-23 | 2015-03-03 | Dayton Progress Corporation | Methods of thermo-mechanically processing tool steel and tools made from thermo-mechanically processed tool steels |
US9132567B2 (en) | 2007-03-23 | 2015-09-15 | Dayton Progress Corporation | Tools with a thermo-mechanically modified working region and methods of forming such tools |
-
1995
- 1995-05-01 JP JP14099095A patent/JP3716454B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8968495B2 (en) | 2007-03-23 | 2015-03-03 | Dayton Progress Corporation | Methods of thermo-mechanically processing tool steel and tools made from thermo-mechanically processed tool steels |
US9132567B2 (en) | 2007-03-23 | 2015-09-15 | Dayton Progress Corporation | Tools with a thermo-mechanically modified working region and methods of forming such tools |
JP2009191364A (ja) * | 2008-02-15 | 2009-08-27 | Dayton Progress Corp | 工具鋼を熱機械処理する方法および熱機械処理された工具鋼から作られた工具 |
JP2014210979A (ja) * | 2008-02-15 | 2014-11-13 | デイトン プログレス コーポレイションDayton Progress Corporation | 工具鋼を熱機械処理する方法および熱機械処理された工具鋼から作られた工具 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3716454B2 (ja) | 2005-11-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4448208B2 (ja) | ステンレス鋼ボルトの製造方法 | |
WO2009088027A1 (ja) | 冷間金型用鋼および冷間プレス用金型 | |
JP4041774B2 (ja) | β型チタン合金材の製造方法 | |
JP2000015379A (ja) | 高炭素鋼の鍛造方法 | |
JPH0949067A (ja) | プラスチック成形金型用鋼 | |
JP2001294974A (ja) | 被削性に優れ熱処理変寸が小さい工具鋼およびその製造方法 | |
JPH08300092A (ja) | 温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法 | |
JPH09316601A (ja) | 表面処理に適した冷間工具鋼及びその金型並びに工具 | |
JPS6223930A (ja) | 高強度平歯車の製造方法 | |
JPH07305139A (ja) | 非調質機械部品およびその製造方法 | |
JPH0688166A (ja) | 耐ヒートクラック性にすぐれる熱間加工用金型 | |
US3222229A (en) | Process of hardening alloy steels | |
JP2948047B2 (ja) | 水冷穴を有するダイカスト金型の製造方法 | |
JP3830030B2 (ja) | 被削性に優れた冷間加工用高硬度プリハードン鋼およびそれを用いてなる冷間加工用金型ならびに鋼の加工方法 | |
JPS58221226A (ja) | 機械構造用鋼の製造方法 | |
CN112899559B (zh) | 模具用钢以及模具 | |
JP3365624B2 (ja) | 被削性および熱処理性に優れた工具鋼およびそれを用いた金型 | |
JP2002088443A (ja) | 塑性加工用熱間工具鋼 | |
JPH1099930A (ja) | 高速度鋼の高速熱間鍛造方法 | |
JPH05209220A (ja) | 鋼製部品の製造方法 | |
JPH11254077A (ja) | 高強度、高靱性金型の製造方法 | |
JP2001523580A (ja) | 部品製造方法 | |
JP3077433B2 (ja) | 浸炭歯車の加工−熱処理法 | |
JPH05320748A (ja) | 転造加工性および切削加工性に優れた高強度軸部品の製造方法 | |
JP2003293040A (ja) | 仕上げ研磨前の焼入れ方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20041224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050222 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050222 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050809 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20050822 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |