JPH08299770A - ポリフッ化ビニリデン中空糸膜およびその製造法 - Google Patents
ポリフッ化ビニリデン中空糸膜およびその製造法Info
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- JPH08299770A JPH08299770A JP12915395A JP12915395A JPH08299770A JP H08299770 A JPH08299770 A JP H08299770A JP 12915395 A JP12915395 A JP 12915395A JP 12915395 A JP12915395 A JP 12915395A JP H08299770 A JPH08299770 A JP H08299770A
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- JP
- Japan
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- polyvinylidene fluoride
- hollow fiber
- fiber membrane
- fluoride hollow
- void layer
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリフッ化ビニリデンを25〜35重量%の濃度
で溶解させた無機塩含有非プロトン性極性溶媒溶液を、
水性芯液と乾湿式紡糸することにより、内、外両表面の
少なくとも内表面側にスキン層を有し、内部がボイド層
を有しない多孔質体よりなる構造のポリフッ化ビニリデ
ン中空糸膜が製造される。 【効果】 このポリフッ化ビニリデン中空糸膜は内部に
ボイド層を有しないので当然機械的強度にもすぐれ、し
かも十分なる限外ロ過性能を有している。
で溶解させた無機塩含有非プロトン性極性溶媒溶液を、
水性芯液と乾湿式紡糸することにより、内、外両表面の
少なくとも内表面側にスキン層を有し、内部がボイド層
を有しない多孔質体よりなる構造のポリフッ化ビニリデ
ン中空糸膜が製造される。 【効果】 このポリフッ化ビニリデン中空糸膜は内部に
ボイド層を有しないので当然機械的強度にもすぐれ、し
かも十分なる限外ロ過性能を有している。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフッ化ビニリデン
中空糸膜およびその製造法に関する。更に詳しくは、限
外ロ過膜として有効に用いられるポリフッ化ビニリデン
中空糸膜およびその製造法に関する。
中空糸膜およびその製造法に関する。更に詳しくは、限
外ロ過膜として有効に用いられるポリフッ化ビニリデン
中空糸膜およびその製造法に関する。
【０００２】
【従来の技術】ポリフッ化ビニリデン樹脂は、耐薬品
性、耐熱性にすぐれているので、分離膜の素材として好
適に用いられている。しかしながら、これ迄に提案され
ているポリフッ化ビニリデン中空糸膜は、特にそれの内
部構造との関係で機械的強度の点で劣っており、実際に
は上市されていないのが現状である。
性、耐熱性にすぐれているので、分離膜の素材として好
適に用いられている。しかしながら、これ迄に提案され
ているポリフッ化ビニリデン中空糸膜は、特にそれの内
部構造との関係で機械的強度の点で劣っており、実際に
は上市されていないのが現状である。
【０００３】例えば、内、外両表面にスキン層を有し、
その内部は1〜10μmの多孔質層で形成されており、スキ
ン層近傍にはボイド層もみられるポリフッ化ビニリデン
中空糸膜も提案されているが(特公平1-22003号公報)、
これをミクロフィルターなどの用途に用いると、そのス
キン層がロ過抵抗を増大させ、また内部ボイド層の存在
は機械的強度を低下させる原因ともなっている。
その内部は1〜10μmの多孔質層で形成されており、スキ
ン層近傍にはボイド層もみられるポリフッ化ビニリデン
中空糸膜も提案されているが(特公平1-22003号公報)、
これをミクロフィルターなどの用途に用いると、そのス
キン層がロ過抵抗を増大させ、また内部ボイド層の存在
は機械的強度を低下させる原因ともなっている。
【０００４】また、ポリフッ化ビニリデン多孔質層の上
に限外ロ過膜層を設けた中空糸膜なども提案されている
が(特開昭63-23703号公報)、かかる複合膜は作製に手間
がかかるばかりではなく、全体が一体構造ではなくてし
かも限外ロ過膜層がスキン層とフィンガー構造のため、
機械的強度に乏しいなどの欠点もみられる。
に限外ロ過膜層を設けた中空糸膜なども提案されている
が(特開昭63-23703号公報)、かかる複合膜は作製に手間
がかかるばかりではなく、全体が一体構造ではなくてし
かも限外ロ過膜層がスキン層とフィンガー構造のため、
機械的強度に乏しいなどの欠点もみられる。
【０００５】更に、ポリフッ化ビニリデン中空糸膜を脱
気用などの用途に使用する場合には、中空糸膜構造中に
ボイド層があるとそこに水などが溜り、脱気性能が低下
するようになる。
気用などの用途に使用する場合には、中空糸膜構造中に
ボイド層があるとそこに水などが溜り、脱気性能が低下
するようになる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中空
糸膜構造中にボイド層を存在させず、そのため機械的強
度にもすぐれた限外ロ過膜用のポリフッ化ビニリデン中
空糸膜およびその製造法を提供することにある。
糸膜構造中にボイド層を存在させず、そのため機械的強
度にもすぐれた限外ロ過膜用のポリフッ化ビニリデン中
空糸膜およびその製造法を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明により、内、外両
表面の少なくとも内表面側にスキン層を有し、内部がボ
イド層を有しない多孔質体よりなる構造のポリフッ化ビ
ニリデン中空糸膜が提供される。かかる構造を有するポ
リフッ化ビニリデン中空糸膜は、ポリフッ化ビニリデン
を25〜35重量%の濃度で溶解させた無機塩含有非プロト
ン性極性溶媒溶液を、水性芯液と乾湿式紡糸することに
より製造される。
表面の少なくとも内表面側にスキン層を有し、内部がボ
イド層を有しない多孔質体よりなる構造のポリフッ化ビ
ニリデン中空糸膜が提供される。かかる構造を有するポ
リフッ化ビニリデン中空糸膜は、ポリフッ化ビニリデン
を25〜35重量%の濃度で溶解させた無機塩含有非プロト
ン性極性溶媒溶液を、水性芯液と乾湿式紡糸することに
より製造される。
【０００８】ポリフッ化ビニリデンは、25〜35重量%、
好ましくは28〜32重量%の濃度で無機塩含有非プロトン
性極性溶媒に溶解され、ドープ液(紡糸原液)を形成させ
る。非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
N-メチルピロリドン、トリエチルホスフェート等が用い
られる。これらの溶媒中にはまた、多孔質層の孔径を調
整するための無機塩、例えば塩化リチウム、硝酸リチウ
ム等が約0.3〜5重量%、好ましくは約0.8〜2重量%の割合
で添加されている。
好ましくは28〜32重量%の濃度で無機塩含有非プロトン
性極性溶媒に溶解され、ドープ液(紡糸原液)を形成させ
る。非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
N-メチルピロリドン、トリエチルホスフェート等が用い
られる。これらの溶媒中にはまた、多孔質層の孔径を調
整するための無機塩、例えば塩化リチウム、硝酸リチウ
ム等が約0.3〜5重量%、好ましくは約0.8〜2重量%の割合
で添加されている。
【０００９】かかる無機塩含有非プロトン性極性溶媒中
に溶解させるポリフッ化ビニリデンの濃度が上記割合の
範囲に限定されるのは、これ以下の濃度ではボイド層の
発現が起こり易くなり、それに伴う機械的強度の低下も
みられ、一方これより高濃度で用いられると、多孔質膜
の透過流量が低下するようになる。また、膜厚もボイド
層形成をある程度左右し、膜厚が約50μm以上になると
ボイド層が形成され易くなる傾向がみられる。なお、ド
ープ液中には、ポリエチレングリコールによって代表さ
れるモノオール系、ジオール系、トリオール系等の造孔
用添加剤を添加することも一般的に行われているが、か
かる添加剤の添加は均一なスキン層の形成を阻害するた
め好ましいものではない。
に溶解させるポリフッ化ビニリデンの濃度が上記割合の
範囲に限定されるのは、これ以下の濃度ではボイド層の
発現が起こり易くなり、それに伴う機械的強度の低下も
みられ、一方これより高濃度で用いられると、多孔質膜
の透過流量が低下するようになる。また、膜厚もボイド
層形成をある程度左右し、膜厚が約50μm以上になると
ボイド層が形成され易くなる傾向がみられる。なお、ド
ープ液中には、ポリエチレングリコールによって代表さ
れるモノオール系、ジオール系、トリオール系等の造孔
用添加剤を添加することも一般的に行われているが、か
かる添加剤の添加は均一なスキン層の形成を阻害するた
め好ましいものではない。
【００１０】芯液には、水または水を主成分とする水溶
性有機溶媒との混合物水溶液が用いられ、形成される多
孔質膜の内表面側にスキン層を形成させる。乾湿式紡糸
は通常の方法に従って行われ、ドープ液および芯液を２
重環状ノズルから吐出させた後空走させ、然る後に凝固
浴中に浸漬させる。凝固浴としては、芯液と同じ水性液
または水溶性有機溶媒が用いられ、水性液が用いられた
場合には、中空糸膜の外表面側にもスキン層を形成させ
る。
性有機溶媒との混合物水溶液が用いられ、形成される多
孔質膜の内表面側にスキン層を形成させる。乾湿式紡糸
は通常の方法に従って行われ、ドープ液および芯液を２
重環状ノズルから吐出させた後空走させ、然る後に凝固
浴中に浸漬させる。凝固浴としては、芯液と同じ水性液
または水溶性有機溶媒が用いられ、水性液が用いられた
場合には、中空糸膜の外表面側にもスキン層を形成させ
る。
【００１１】
【発明の効果】本発明により、内、外両表面の少なくと
も内表面側にスキン層を有し、内部がボイド層を有しな
い多孔質体よりなる構造のポリフッ化ビニリデン中空糸
膜が提供され、このポリフッ化ビニリデン中空糸膜は内
部にボイド層を有していないので当然機械的強度にもす
ぐれ、しかも十分なる限外ロ過性能を有している。
も内表面側にスキン層を有し、内部がボイド層を有しな
い多孔質体よりなる構造のポリフッ化ビニリデン中空糸
膜が提供され、このポリフッ化ビニリデン中空糸膜は内
部にボイド層を有していないので当然機械的強度にもす
ぐれ、しかも十分なる限外ロ過性能を有している。
【００１２】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【００１３】実施例 ポリフッ化ビニリデン30重量部、塩化リチウム1重量部
およびジメチルアセトアミド69重量部から調製されたド
ープ液を、芯液としての水と共に２重環状ノズルから吐
出させ、空走させた後水凝固浴で凝固させ、外径0.30m
m、内径0.21mmのポリフッ化ビニリデン中空糸膜(膜厚45
μm)を得た。得られた中空糸膜は、内、外両表面にスキ
ン層を有し、内部はボイド層のみられない多孔質体であ
ることが、ＳＥＭ写真によって確認された。また、その
分画分子量は約20,000であった。 比較例 ポリフッ化ビニリデン23重量部、塩化リチウム1重量部
およびジメチルアセトアミド76重量部から調製されたド
ープ液を、芯液としての水と共に２重環状ノズルから吐
出させ、空走させた後水凝固浴で凝固させ、外径0.32m
m、内径0.20mmのポリフッ化ビニリデン中空糸膜(膜厚60
μm；40〜75μの範囲内でのバラツキがみられる)を得
た。得られた中空糸膜は、内、外両表面にスキン層を有
し、内部はボイド層のある多孔質体であることが、ＳＥ
Ｍ写真によって確認された。
およびジメチルアセトアミド69重量部から調製されたド
ープ液を、芯液としての水と共に２重環状ノズルから吐
出させ、空走させた後水凝固浴で凝固させ、外径0.30m
m、内径0.21mmのポリフッ化ビニリデン中空糸膜(膜厚45
μm)を得た。得られた中空糸膜は、内、外両表面にスキ
ン層を有し、内部はボイド層のみられない多孔質体であ
ることが、ＳＥＭ写真によって確認された。また、その
分画分子量は約20,000であった。 比較例 ポリフッ化ビニリデン23重量部、塩化リチウム1重量部
およびジメチルアセトアミド76重量部から調製されたド
ープ液を、芯液としての水と共に２重環状ノズルから吐
出させ、空走させた後水凝固浴で凝固させ、外径0.32m
m、内径0.20mmのポリフッ化ビニリデン中空糸膜(膜厚60
μm；40〜75μの範囲内でのバラツキがみられる)を得
た。得られた中空糸膜は、内、外両表面にスキン層を有
し、内部はボイド層のある多孔質体であることが、ＳＥ
Ｍ写真によって確認された。
【図１】実施例で得られたポリフッ化ビニリデン中空糸
膜の断面ＳＥＭ写真である。
膜の断面ＳＥＭ写真である。
【図２】比較例で得られたポリフッ化ビニリデン中空糸
膜の断面ＳＥＭ写真である。
膜の断面ＳＥＭ写真である。
Claims (2)
- 【請求項１】 内、外両表面の少なくとも内表面側にス
キン層を有し、内部がボイド層を有しない多孔質体より
なる構造のポリフッ化ビニリデン中空糸膜。 - 【請求項２】 ポリフッ化ビニリデンを25〜35重量%の
濃度で溶解させた無機塩含有非プロトン性極性溶媒溶液
を、水性芯液と共に乾湿式紡糸することを特徴とする、
内、外両表面の少なくとも内表面側にスキン層を有し、
内部がボイド層を有しない多孔質体よりなる構造のポリ
フッ化ビニリデン中空糸膜の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12915395A JPH08299770A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | ポリフッ化ビニリデン中空糸膜およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12915395A JPH08299770A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | ポリフッ化ビニリデン中空糸膜およびその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08299770A true JPH08299770A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=15002459
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12915395A Pending JPH08299770A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | ポリフッ化ビニリデン中空糸膜およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08299770A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997028891A1 (en) * | 1996-02-06 | 1997-08-14 | Koch Membrane Systems, Inc. | Self supporting hollow fiber membrane and method of construction |
| KR100447946B1 (ko) * | 2001-07-31 | 2004-09-08 | 한국화학연구원 | 분리막 접촉기용 비대칭 미세다공성 폴리비닐리덴디플루오라이드 중공사막 제조방법 |
| WO2010070505A2 (en) * | 2008-12-18 | 2010-06-24 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Moisture sensitive auxetic material |
| CN103111189A (zh) * | 2013-02-05 | 2013-05-22 | 江苏苏净集团有限公司 | 高通量聚偏氟乙烯中空纤维膜 |
| CN104667764A (zh) * | 2015-01-30 | 2015-06-03 | 华南理工大学 | 由纳米微晶纤维素增强的聚偏氟乙烯膜及制备方法和应用 |
-
1995
- 1995-04-28 JP JP12915395A patent/JPH08299770A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997028891A1 (en) * | 1996-02-06 | 1997-08-14 | Koch Membrane Systems, Inc. | Self supporting hollow fiber membrane and method of construction |
| US6074718A (en) * | 1996-02-06 | 2000-06-13 | Koch Membrane Systems, Inc. | Self supporting hollow fiber membrane and method of construction |
| KR100447946B1 (ko) * | 2001-07-31 | 2004-09-08 | 한국화학연구원 | 분리막 접촉기용 비대칭 미세다공성 폴리비닐리덴디플루오라이드 중공사막 제조방법 |
| WO2010070505A2 (en) * | 2008-12-18 | 2010-06-24 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Moisture sensitive auxetic material |
| WO2010070505A3 (en) * | 2008-12-18 | 2010-10-07 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Moisture sensitive auxetic material |
| CN103111189A (zh) * | 2013-02-05 | 2013-05-22 | 江苏苏净集团有限公司 | 高通量聚偏氟乙烯中空纤维膜 |
| CN104667764A (zh) * | 2015-01-30 | 2015-06-03 | 华南理工大学 | 由纳米微晶纤维素增强的聚偏氟乙烯膜及制备方法和应用 |
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