JPH08296555A - ピストン式流体ポンプ - Google Patents

ピストン式流体ポンプ

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JPH08296555A
JPH08296555A JP10355495A JP10355495A JPH08296555A JP H08296555 A JPH08296555 A JP H08296555A JP 10355495 A JP10355495 A JP 10355495A JP 10355495 A JP10355495 A JP 10355495A JP H08296555 A JPH08296555 A JP H08296555A
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JP
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casing
upper casing
lower casing
piston
casings
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JP10355495A
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Inventor
Kazuo Hanai
一生 花井
Hironori Tanigawa
裕紀 谷川
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Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量化を図るとともに、アッパーケーシング
とロワーケーシングとの間のシール用Oリングの圧縮量
を確保してピストン式流体ポンプとしての性能の低下を
防止する。アッパーケーシングとロワーケーシングのフ
ランジ部の隙間をなくし到達真空度性能を上げる。両ケ
ーシングの締結を簡単に行なう。ロワーケーシングのア
ルミダイカストの熱クリープによる両ケーシングの締結
の緩みを防止する。 【構成】 アッパーケーシング3の外周に垂下部を形成
するように、アッパーケーシング3を金属の薄板でプレ
ス成形する。アッパーケーシング3の周辺部上面は上方
に角度θだけ反らせる。垂下部には周方向に間隔をおい
て複数の穴31を設ける。アッパーケーシング3をロワ
ーケーシングのフランジ部50に嵌合し、穴31の下方
の垂下部分32を中心方向(図示左方)に塑性変形させ
て両ケーシングを締結する。Oリング51は圧縮量が確
保され、アッパーケーシング3はフランジ部50の上面
に密着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の車両に装備さ
れ、エンジン等により駆動されてバキュームポンプとし
て機能するピストン式流体ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のポンプとして、ディーゼルエン
ジンのブレーキブースタに用いるバキュームポンプがあ
る(例えば特開平4−134678号公報で以下第1の
従来技術という)。
【0003】このバキュームポンプは、作動ピストンの
上下に形成されたポンプ上室とポンプ下室とを有し、ピ
ストンの外周に設けた環状溝に嵌合したシール部材がピ
ストンとシリンダとの間の摺動部として機能する。そし
て車輌のエンジンによってこのポンプが駆動されるよう
に、前記ピストンのロッドの一端に設けたローラが、エ
ンジンに連動するカムによって駆動され、作動ピストン
が上下動する。
【0004】シリンダはロワーケーシングに固定され、
ロワーケーシングの上部外周のフランジ部分には、シー
ル用のOリングを挾んで、上方からアッパーケーシング
がねじ止めで締結されている。
【0005】前記ポンプ上室の上部はアッパーケーシン
グで大気と区切られ、ポンプ下室の下部はロワーケーシ
ングで仕切られている。又、アッパーケーシングは、全
体がほゞ平板状の金属製ケーシングで構成され、複数本
のねじで確実に締結できるように、変形しない程度の厚
みを有していた。又、このアッパーケーシングと、前記
ロワーケーシングのフランジ部分の外形は平面的にみて
円形ではなく非円形の複雑な異形であった。
【0006】更に又、別の従来技術として、実開昭63
−162979号公報(以下第2の従来技術という)の
燃料ポンプがある。この燃料ポンプでは、ロワーケーシ
ングの上部外周縁にダイアフラムを挾んでアッパーケー
シングの外周縁を全周カーリングして締結している。
【0007】前記二つの従来の技術のうち前者では、ア
ッパーケーシングの厚みが大きいためにポンプ全体の質
量が大きくなるばかりでなく、ロワーケーシングに複数
のねじ立てを行なうタッピングをする必要から部品の加
工費がかさむという欠点があった。又、ロワーケーシン
グにアッパーケーシングを締結するのに複数本のねじを
螺着する必要があり、組立工数がかさむという欠点もあ
った。
【0008】そこで、前記第2の従来技術で使っている
締結構造で、ピストン式流体ポンプのロワーケーシング
にアッパーケーシングを結合して、前記欠点を解消しよ
うとすると、ロワーケーシングのフランジ部分の外形が
非円形の複雑な異形であるため、アッパーケーシングの
全周をロワーケーシングのフランジ部分の裏面(下面)
までカーリングすることによって、フランジ部分の上面
とアッパーケーシングとの間に不均一な隙間が発生す
る。
【0009】そのために、シール用Oリングの圧縮量が
確保できずに、シール不良をおこすという欠点がある。
又、アッパーケーシングとロワーケーシングとの間の前
記隙間に応じてポンプ上室の容積が増加し、バキューム
ポンプとしての到達真空性能が低下するという欠点も発
生する。更に又、このような異形のフランジ全周に、異
形のアッパーケーシングの全周をカーリング締結するた
めの治具とか装置が大かがりとなり、その費用もかさむ
という欠点も生じる。
【0010】そこで、本願発明者等はこれらの欠点を解
消できるピストン式流体ポンプを特願平6−10905
号で提案した(以下これを第3の従来技術という)。第
3の従来技術における第1の例を図2〜図7に示す。1
はバキュームポンプで、ロワーケーシング2と該ロワー
ケーシング2に締結されたアッパーケーシング3とを備
え、ロワーケーシング2の下部においてエンジンのシリ
ンダヘッドカバー4に固定されている。
【0011】5はロワーケーシング2に固定されたシリ
ンダ、6はシリンダ5内を上下動するピストンで、その
外周に設けた環状溝7にはOリング8とテフロンのピス
トンリング9が嵌合されている。Oリング8はその弾力
でピストンリング9をシリンダ5の内周面に押圧すると
ともに、温度変化によるピストンリング9の寸法変化を
吸収する。
【0012】10はピストンロッドで、ロワーケーシン
グ2に設けた軸受11により上下に摺動可能に軸承さ
れ、その上端はピストン6の中央に固着されている。1
2はロッド10に嵌合するようロワーケーシング2に設
けられたテフロンのシールリングで、その内周4箇所に
オイル通路12aが形成されている。
【0013】13はシールリング12の周りに設けたO
リングで、その弾力によってシールリング12をピスト
ンロッド10の外周に押圧するとともに温度変化による
シールリング12の寸法変化を吸収する。
【0014】14と15はそれぞれピストン6の上下に
形成されたポンプ上室とポンプ下室、16はロワーケー
シング2に固定したパイプで、図示されてないブレーキ
ブースタに連通される。
【0015】17は吸入弁で、パイプ16とポンプ上室
14との間に配設されている。又、図示されてない別の
吸入弁がパイプ16とポンプ下室15との間に配設され
ている。ポンプ上室14とポンプ下室15は、夫々吐出
弁19、20を経てヘッドカバー4内の空間に連通して
いる。
【0016】21はピストンロッド10の下端部に固定
されたピン、22はピン21に回動可能に嵌合された小
径ローラ、23は小径ローラ22の外周に嵌合する大径
ローラで、ローラ23はエンジンのカムシャフトに形成
されたカム25に当接している。
【0017】26はピストンロッド10の下端近くに形
成されたフランジ、27a、27b、27cはフランジ
26とロワーケーシング2との間に配設された圧縮スプ
リングで、ピストンロッド10を下方に付勢してローラ
23をカム25に押圧当接している。
【0018】このように構成されたローラ23は、カム
25に従動するポンプ駆動部として機能する。24は軸
受11の下方に位置する軸受開口部、28はフランジ2
6に設けた連通孔である。29はオイル供給手段で、軸
受開口部24とポンプ駆動部であるローラ23の外周面
へ潤滑オイルを供給するオイルノズル29aと29bを
有する。
【0019】40は、ロワーケーシング2に圧入固定し
て、ロワーケーシング2から下方に下がるように装着さ
れた棒状の回り止めピンで、その下端が、ピストンロッ
ド10のフランジ26の外周係合部26aにゆるく嵌入
している。
【0020】オイル供給手段としてのオイルノズル29
aから噴出する潤滑オイルは、フランジ26の連通孔2
8を通過し、直接軸受開口部24に達し、さらに軸受1
1とピストンロッド10の隙間を通り、オイル通路12
aを経てポンプ下室15へ吸入される。
【0021】又、オイルノズル29bから噴出してポン
プ駆動部であるローラ23へ供給された潤滑オイルはカ
ム25に付着し、その遠心力で飛散して係合部26aと
回り止めピン40との摺動部を潤滑する。
【0022】アッパーケーシング3は外周に垂下部を有
するカップ状に金属の薄板をプレス成形して形成され、
外周の垂下部には周方向に間隔をおいて複数の穴31が
設けてある。32はアッパーケーシング3の垂下部のう
ち前記穴31の下に位置する部分を示す。
【0023】50はロワーケーシング2の上部外周に形
成されたフランジ部で、該フランジ部50の下側は、ロ
ワーケーシング2の中心に近ずく程(つまりロッド10
に近ずく程)フランジ部50の上面から離れるテーパ状
面50aに形成されている。
【0024】51はロワーケーシングのフランジ部50
の上面に設けた溝に嵌装したOリングで、該Oリング5
1を図3(a)のようにロワーケーシング2のフランジ
部50の上面の溝に嵌入し、ロワーケーシング2の上方
からアッパーケース3を嵌合する。
【0025】そして、ロワーケーシング2のフランジ部
50の上面にアッパーケーシング3の対向部分が当接す
るまでアッパーケーシング3を押し下げ、穴31の下に
位置する前記部分32をアッパーケーシング3の中心方
向(つまりロッド10の方向)に押して塑性変形させ、
フランジ部50の前記テーパ状面50aに係合させる。
【0026】このように部分32を変形させてフランジ
部50の前記テーパ状面50aに係合させることで、ア
ッパーケーシング3はロワーケーシング2のフランジ部
50の上面に当接するように呼び寄せられるから、前記
部分32を塑性変形させる以前に必ずしもアッパーケー
シング3を下方のロワーケーシング2に当接させるよう
に押し下げる必要はない。
【0027】図3(b)は、こうして、前記部分32を
凸状に塑性変形させて両ケーシング2、3を締結した状
態を示す。Oリング51は確実に圧縮されている。第3
の従来技術における上記第1の例で、エンジンに連動し
てカム25が回転すると、カム25がポンプ駆動部であ
るローラ23を駆動して、ポンプロッド10とピストン
6を上下動させる。
【0028】ピストン6が上昇すると、ポンプ上室14
内の空気が吐出弁19を経てヘッドカバー4内の空間に
吐出され、ポンプ下室15には図示されてないブレーキ
ブースタからパイプ16と図示されてない吸入弁を経て
空気が吸入される。同時に、オイル供給手段としてのオ
イルノズル29aから連通孔28を通って直接軸受開口
部24に供給された潤滑オイルが、ポンプ下室15の負
圧によって、軸受11とピストンロッド10との隙間、
及びオイル通路12aを経てポンプ下室15内に吸入さ
れ、ポンプ下室15内に拡散する。
【0029】ピストンが上下に往復動を繰り返すことに
より、ポンプ下室15内に潤滑オイルが流入し、ピスト
ンリング9とシリンダ5との摺動面に付着し、潤滑状態
を維持する。
【0030】ピストン6の下降時には、ポンプ下室15
内の空気は吐出弁20を経てヘッドカバー4内の空間へ
吐出され、ポンプ上室14には、ブレーキブースタから
パイプ16と吸入弁17を経て空気が吸入される。又、
ポンプ下室15側のシリンダ5とピストンリング9付近
に付着した潤滑オイルは、ポンプ上室14の負圧により
ポンプ下室15からポンプ上室14側へ流入し、ポンプ
上室14内に拡散する。
【0031】そしてピストン6が往復動を繰り返すこと
により、さらにポンプ上室14に潤滑オイルが流入し
て、ピストンリング9とシリンダ5の摺動面に付着し、
ピストン摺動面の潤滑が行なわれる。
【0032】ポンプ下室15に連通するオイル通路12
aは流入する潤滑オイルが付着して、このオイル通路1
2aからポンプ下室15への不要な空気の吸い込みを防
止する。
【0033】そして、アッパーケーシングは、垂下部を
有するカップ状に形成されているので、薄板でも剛性が
大きく、ロワーケーシング2のフランジ部50の上面に
全周にわたり密着するので、Oリング51の圧縮量が確
保されるとともに、アッパーケーシング3とロワーケー
シング2のフランジ部50上面との隙間が生じない。
【0034】従って、シール用Oリング51のシール作
用が確実で、かつ隙間によりポンプ上室14の空間が大
きくなることもない。又、オイルノズル29aから吐出
する潤滑オイル中の異物は、ピストンロッド10の下部
のフランジ26に設けた連通孔28を通って下方に流
れ、溜ることがないから、軸受11とピストンロッド1
0との摺動部に吸入されることはない。
【0035】図8と図9は第3の従来技術における第2
の例で、ロワーケーシング2のフランジ部50Aの下側
が、前記第1の例のテーパ状面50aとは異なり、水平
面50bに形成され、フランジ部50Aの上面と平行で
ある。
【0036】そして、アッパーケーシング3Aはその外
周に設けた穴31Aの形状が前記第1の例の場合と異な
る。この第2の例では穴31Aの下面が、穴の周方向中
央よりになる程下方に下る傾斜面34A、34Aを備え
ており、両ケーシングを締結するときは、この傾斜面3
4A、34Aが、ロワーケーシング2のフランジ部50
Aの外周下端の稜線部分に係合して、アッパーケーシン
グ3Aをフランジ部50Aの上面に当接する。32Aは
アッパーケーシング3Aの垂下部のうち前記穴31Aの
下に位置する部分である。
【0037】第3の従来技術における第3の例の組立図
は図示されてないが、ロワーケーシングに第3の従来技
術における前記第1の例のフランジ部50を備えたもの
を用い、アッパーケーシングに第3の従来技術における
前記第2の例の傾斜面34Aを備えた3Aを用い、これ
らのロワーケーシングとアッパーケーシングとを組合せ
て構成したものである。
【0038】そして、両者を締結するときに、アッパー
ケーシング3Aの部分32Aをアッパーケーシング3A
の中心方向に押し込んで凸状に塑性変形させることは、
第3の従来技術における前記第2の例の場合と同様であ
る。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】自動車等の車両に搭載
されてバキュームポンプとして使用される前記ピストン
式流体ポンプは、軽量化のためにロワーケーシング2は
アルミダイカストで構成され、アッパーケーシング3、
3Aは強度上の要求から冷間圧延鋼板(SPCC)又は
熱間圧延鋼板(SPHC)が用いられる。
【0040】そして、本願発明者らが特願平6−109
05号で提案した前記第3の従来技術を実用化すべく鋭
意研究を進めたところ、アッパーケーシング3、3Aに
用いる鉄板と、ロワーケーシング2に用いるアルミダイ
カストとの熱膨張係数の違いから、アッパーケーシング
3、3Aの部分32、32Aをロワーケーシング2のフ
ランジ部50、50Aの下側の面50a、50bに押し
込んでコーキング(かしめ)している部分のロワーケー
シング2のフランジ部50、50Aの下側の面50a、
50bが熱クリープして変形し、アッパーケーシング
3、3Aとロワーケーシング2のフランジ部50、50
Aとの間にがたが生じて、Oリング51のシール性が損
なわれて、アッパーケーシング3、3Aとロワーケーシ
ング2の間の気密性が悪くなるという問題点が残されて
いることを見出した。
【0041】そこで、本発明はかかる問題点を解消し、
第1、第2の従来技術の欠点を無くした第3の従来技術
を実用化できるように改善したピストン式流体ポンプを
提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、アッパーケーシングとロワーケ
ーシングとの間で上下動するピストンと、両ケーシング
の間に挾んだシール用Oリングとを有するピストン式流
体ポンプにおいて、 外周に垂下部を有するとともに周
辺部上面(3a)を上方に反らせたカップ状にプレス成
形され、かつ外周の垂下部に周方向に間隔をおいて設け
た複数の穴(31)を設けたアッパーケーシング(3)
と、フランジ部(50)の下側をロワーケーシング
(2)の中心に近ずく程フランジ部(50)上面から離
れるテーパ状面(50a)に形成したロワーケーシング
(2)とを具備し、ロワーケーシング(2)のフランジ
部(50)にアッパーケーシング(3)を嵌合し、アッ
パーケーシング(3)の垂下部のうち前記穴(31)の
下に位置する部分(32)をアッパーケーシング(3)
の中心方向に塑性変形させて両ケーシング(3)(2)
を締結したことを特徴とするピストン式流体ポンプであ
る。
【0043】請求項2の発明は、アッパーケーシングと
ロワーケーシングとの間で上下動するピストンと、両ケ
ーシングの間に挾んだシール用Oリングとを有するピス
トン式流体ポンプにおいて、 外周に垂下部を有すると
ともに周辺部上面(3a)を上方に反らせたカップ状に
プレス成形され、かつ外周の垂下部に周方向に間隔をお
いて設けた複数の穴(31A)を設けるとともに、該穴
の下面に前記外周の周方向に対して傾斜した傾斜面(3
4A)を設けたアッパーケーシング(3A)を具備し、
ロワーケーシング(2A)のフランジ部(50A)の下
側の水平面(50b)にアッパーケーシング(3A)を
嵌合し、アッパーケーシング(3A)の垂下部のうち前
記穴(31A)の下に位置する部分(32A)をアッパ
ーケーシング(3A)の中心方向に塑性変形させて両ケ
ーシング(3A)(2A)を締結したことを特徴とする
ピストン式流体ポンプである。
【0044】そして請求項3の発明は、アッパーケーシ
ングとロワーケーシングとの間で上下動するピストン
と、両ケーシングの間に挾んだシール用Oリングとを有
するピストン式流体ポンプにおいて、請求項2記載のア
ッパーケーシング(3A)と、請求項1記載のロワーケ
ーシング(2)とを具備し、ロワーケーシング(2A)
のフランジ部(50)にアッパーケーシング(3A)を
嵌合し、アッパーケーシング(3A)の垂下部のうち前
記穴(31A)の下に位置する部分(32A)をアッパ
ーケーシング(3A)の中心方向に塑性変形させて両ケ
ーシング(3A)(2)を締結したことを特徴とするピ
ストン式流体ポンプである。
【0045】
【作用】ロワーケーシングのフランジ部にアッパーケー
シングを嵌合し、アッパーケーシング3の垂下部のう
ち、前記穴の下に位置する部分をアッパーケーシングの
中心方向に塑性変形させることで、ロワーケーシングの
フランジ部上面にアッパーケーシングの対向する内面が
呼び寄せられ、更に弾性変形して当接する。
【0046】こうして、両ケーシングが非円形の異形同
士でも隙間なく締結され、シール用Oリングの圧縮量が
確保される。又、アッパーケーシングに外周垂下部を形
成したので、アッパーケーシングを薄板でプレス成形し
ても剛性が得やすく、その分軽量化できる。
【0047】更に又、アッパーケーシングを塑性変形し
て両ケーシングを締結する装置・治具は全周カーリング
する前記の場合に比較し、簡単となり、工数的にも短時
間ですむ。
【0048】そのうえ、アッパーケーシングの周辺部が
上方に反る弾力をもっているので、ロワーケーシングの
フランジ部下側の面が熱クリープしても、両ケーシング
の締結が緩むことがなく、Oリングによる気密が確保さ
れる。
【0049】
【実施例】本発明は、未公開である前記第3の従来技術
のアッパーケーシングの形状をわずかに変更しただけで
あるので、本発明の実施例についても、前記第3の従来
技術で説明した部分は省略し、主として新しい変更部分
について詳述する。
【0050】〔第1実施例〕図2〜図7に示す第3の従
来技術と比較して、本発明の第1実施例はアッパーケー
シング3の周辺部上面3aが図1(a)に示すように、
上方に角θだけ反らせてある。角度θは0.5°〜5°
の範囲がよく、高さHで表現すれば、0.1〜0.8m
mが好ましい。これらの範囲より反りが小さいと弾力が
弱くなり、Oリング51から空気が漏れ、バキュームポ
ンプの真空度が損なわれる。また、これらの範囲より反
りが大きいと、組付時の変形が多く、反り曲げ部から折
れる虞れがある。
【0051】図1(a)のアッパーケーシング3は組付
時、同図(b)のように部分32を変形させてロワーケ
ーシング2のフランジ部50にコーキング(かしめ)す
る。このとき、上方に角度θ(高さではH)だけ反って
いた周辺部上面3aは弾性変形してフランジ部50に同
図(b)のように当接する。
【0052】〔第2実施例〕前記第3の従来技術におけ
る第2の例を示す図8、図9において、アッパーケーシ
ング3Aの周辺部上面を自由時において、図1(a)と
同様に角θ(高さでH)だけ上方に反らせることで実現
できる。
【0053】この第2実施例は請求項2の発明に対応す
る。 〔第3実施例〕請求項3に対応する第3の実施例の組立
図は図示されていないが、ロワーケーシング2に前記本
発明の第1実施例のフランジ部50を備えたものを用
い、アッパーケーシング3に前記本発明の第2実施例の
傾斜面34Aを備えたものを用い、これらのロワーケー
シング2とアッパーケーシング3Aとを組み合わせて構
成したものである。
【0054】そして両者を締結するときに、アッパーケ
ーシング3Aの部分32Aをアッパーケーシング3Aの
中心方向に押し込んで凸状に塑性変形させることは、前
記第2実施例の場合と同様である。
【0055】
【発明の効果】本発明のピストン式流体ポンプは上述の
ように構成されているので、軽量化できるばかりでな
く、Oリングの圧縮量を確保してシール性が確保でき
る。
【0056】又、ロワーケーシングフランジ部が非円形
の異形であっても、到達真空度に大きな影響を及ぼすア
ッパーケーシングとロワーケーシングフランジ部との隙
間が生じないため、隙間に対応したポンプ上室の容積の
増加が生じない。そのため性能の良いピストン式流体ポ
ンプが軽量化して実現できる。
【0057】更に又、アッパーケーシングの締結にねじ
を用いないので、部品加工の工数や、組立工数が削減で
き、かしめ治具・装置も簡単になる。しかも、アルミダ
イカスト製ロワーケーシングの環境(温度)変化時の熱
クリープによる両ケーシングの締結の緩み(がた)が防
止されるため、Oリング(51)の気密が長時間に亘っ
て確保され、ポンプの信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の要部拡大断面図で、
(a)はコーキング前の状態を、同図(b)はコーキン
グ後の状態を示す。
【図2】第3の従来技術の第1の例の縦断面図である。
【図3】(a)は図2の例におけるアッパーケーシング
をかしめ付ける前の一部拡大図、(b)はアッパケーシ
ングをかしめ付けた後(図2の状態)の一部拡大図であ
る。
【図4】図2の第3の従来技術の第1の例に用いるアッ
パーケーシングの単体側面図である。
【図5】図2の第3の従来技術の第1の例の平面図であ
る。
【図6】図2の第3の従来技術の第1の例の下部を破断
した側面図である。
【図7】図2の第3の従来技術の第1の例の下面図であ
る。
【図8】第3の従来技術の第2の例の一部拡大縦断面図
である。
【図9】図8の第3の従来技術の第2の例に用いるアッ
パーケーシングの単体側面図である。
【符号の説明】
2、2A ロワーケーシング 3、3A アッパーケーシング 3a 周辺部上面 5 シリンダー 6 ピストン 31、31A 穴 32、32A 垂下部のうち穴31、31Aの下に位置
する部分 34A 傾斜面 50、50A フランジ部 51 Oリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アッパーケーシングとロワーケーシング
    との間で上下動するピストンと、両ケーシングの間に挾
    んだシール用Oリングとを有するピストン式流体ポンプ
    において、 外周に垂下部を有するとともに周辺部上面を上方に反ら
    せたカップ状にプレス成形され、かつ外周の垂下部に周
    方向に間隔をおいて設けた複数の穴を設けたアッパーケ
    ーシングと、 フランジ部の下側をロワーケーシングの中心に近ずく程
    フランジ部上面から離れるテーパ状面に形成したロワー
    ケーシングとを具備し、 ロワーケーシングのフランジ部にアッパーケーシングを
    嵌合し、アッパーケーシングの垂下部のうち前記穴の下
    に位置する部分をアッパーケーシングの中心方向に塑性
    変形させて両ケーシングを締結したことを特徴とするピ
    ストン式流体ポンプ。
  2. 【請求項2】 アッパーケーシングとロワーケーシング
    との間で上下動するピストンと、両ケーシングの間に挾
    んだシール用Oリングとを有するピストン式流体ポンプ
    において、 外周に垂下部を有するとともに周辺部上面を上方に反ら
    せたカップ状にプレス成形され、かつ外周の垂下部に周
    方向に間隔をおいて設けた複数の穴を設けるとともに、
    該穴の下面に前記外周の周方向に対して傾斜した傾斜面
    を設けたアッパーケーシングを具備し、 ロワーケーシングのフランジ部の下側の水平面にアッパ
    ーケーシングを嵌合し、アッパーケーシングの垂下部の
    うち前記穴の下に位置する部分をアッパーケーシングの
    中心方向に塑性変形させて両ケーシングを締結したこと
    を特徴とするピストン式流体ポンプ。
  3. 【請求項3】 アッパーケーシングとロワーケーシング
    との間で上下動するピストンと、両ケーシングの間に挾
    んだシール用Oリングとを有するピストン式流体ポンプ
    において、 請求項2記載のアッパーケーシングと、 請求項1記載のロワーケーシングとを具備し、 ロワーケーシングのフランジ部にアッパーケーシングを
    嵌合し、アッパーケーシングの垂下部のうち前記穴の下
    に位置する部分をアッパーケーシングの中心方向に塑性
    変形させて両ケーシングを締結したことを特徴とするピ
    ストン式流体ポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1327134C (zh) * 2000-07-12 2007-07-18 乔治·门卡雷利 用于活塞泵的可变形装置
WO2011089924A1 (ja) * 2010-01-25 2011-07-28 サンデン株式会社 流体機械

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