JPH08295873A - 表面処理剤と表面処理された基材とその製造方法 - Google Patents
表面処理剤と表面処理された基材とその製造方法Info
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- JPH08295873A JPH08295873A JP7103953A JP10395395A JPH08295873A JP H08295873 A JPH08295873 A JP H08295873A JP 7103953 A JP7103953 A JP 7103953A JP 10395395 A JP10395395 A JP 10395395A JP H08295873 A JPH08295873 A JP H08295873A
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Abstract
4-a-b-c (Zはイソシアネート基など)とSi(NC
O)4 とを必須成分として含有する表面処理剤および該
表面処理剤で処理された基材とその製造方法。 【効果】この表面処理剤は常温処理ができ、かつ、優れ
た防汚性を基材に付与できる。
Description
性、防汚性を付与できる表面処理剤、および該表面処理
剤により処理された基材とその製造方法に関する。
材に表面処理層を施した各種基材はあらゆる分野で使用
されており、基材表面へのほこり、油汚れ等の吸着、ま
たは、水のもたらす悪影響が問題となっている。
の輸送機器における外板、窓ガラス、鏡、表示機器表面
材等の外層部材、計器盤表面材等の内層部材、その他の
物品の表面は常に清浄であることが好ましく、表面に、
雨滴、ほこり、汚れ等が付着したり、大気中の湿度、温
度の影響で水分が凝縮すると、外観が損なわれる問題が
ある。また、人の目に直接触れたり、人が直接接する表
面であると、不快感や衛生上の問題も生じる。
機能を著しく低下させることにもなる。特に、輸送機器
用物品が透明性、透視性を要求される物品(たとえば、
窓ガラス、鏡等)である場合には、透明性、透視性の減
少はその物品の本来の目的を達成できないことを意味
し、重大事故を誘発する原因ともなりうる。
めの手段(たとえば、拭き取り、ワイパーによる除去)
は、表面に微細な傷を付けることがある。ほこり、油汚
れ、水等に伴われる異物粒子によって表面の傷を一層著
しくすることもある。
には水分中にガラス成分が溶出し、表面が浸食される
(いわゆる焼けと呼ばれる現象)ことはよく知られてい
る。この焼けを除去するために強く摩擦すると微細な凸
凹を生じやすい。焼けが激しく生じたガラスや、表面に
微細な凸凹を生じたガラスからなる透視部は、本来の機
能が低下し、また、その表面で光の散乱が激しく、視野
確保の点で不都合が生じるだけでなく、安全性の点から
も問題である。
有害な影響を与え、損傷、汚染、着色、腐食等を促進さ
せ、また、輸送機器用物品の電気特性、機械的特性、光
学的特性等の変化を誘発することもある。この種の悪影
響は輸送機器用物品に限らず、建築・建装用物品、電気
・電子機器用物品等各種分野で問題となっている。
ぐ性質、あるいはこれらが付着した場合に除去を容易に
する性質(以下これらを単に防汚性という)を基材表面
に付与する技術が強く求められている。
リコーン系ワックスやオルガノポリシロキサンからなる
シリコーン油、界面活性剤等の表面処理剤を基材に直接
塗布する方法が提案されている。
の基材への付着性が低い欠点があり、防汚性の長期持続
性を満足することはできず、適用範囲が限定されてい
た。
品はもちろんのこと、既に使用されている物品、処理後
に性能の低下が認められた物品等にも付与できることが
望ましい。しかし、これらの物品すべてに適用しようと
する場合には、各部位に常温で直接処理するだけで防汚
性を付与する必要がある。たとえば、既に市販されてい
る自動車用フロントガラスに処理を行う場合、経済的な
理由から各自動車のフロントガラスを入れ替えて熱処理
することは不可能である。また、塗布後自動車全体を焼
成することも現実的には不可能である。したがって、従
来の処理剤では、対応が困難であり、費用がかかりすぎ
る、という問題がある。
性、防汚性を付与できる表面処理剤の提供を目的とす
る。本発明はまた、撥水性、防汚性を有するとともに、
耐磨耗性、耐薬品性、耐候性に優れた基材とその製造方
法の提供を目的とする。
で表される化合物AとSi(NCO)4 とを必須成分と
して含有する表面処理剤および該表面処理剤で処理され
た基材とその製造方法を提供する。
れぞれ、水素原子または有機基であり、aは、1、2ま
たは3であり、b、cは、それぞれ、0、1、2または
3であり、かつ、1≦a+b+c≦3であり、Zはイソ
シアネート基および/または加水分解性基である。
能基、連結基等を含む有機基であってもよい。有機基と
しては、炭化水素基、またはハロゲン原子を含む有機基
(以下、ハロゲン化有機基と記す。)が好ましい。有機
基の炭素数は1〜30が好ましい。
芳香族炭化水素のいずれでよく、脂肪族炭化水素基が好
ましい。1価の脂肪族炭化水素基としては、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基等が好ましく、特
にアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。芳香族炭
化水素基としてはアリール基等が好ましい。
は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子が好ましく、なか
でも、塩素原子およびフッ素原子が好ましく、特に、フ
ッ素原子が好ましい。
化水素基が好ましく、特にハロゲン化アルキル基が好ま
しい。ハロゲン化アルキル基としては、クロロアルキル
基、フルオロアルキル基、クロロフルオロアルキル基等
が挙げられる。
の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフ
ルオロ有機基が好ましい。ポリフルオロ有機基として
は、ポリフルオロ炭化水素基が好ましく、特に、上記の
炭化水素基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換さ
れたポリフルオロ炭化水素基が好ましい。
リフルオロアルキル基(以下、ポリフルオロアルキル基
をRf 基と記す)が好ましい。Rf 基は、アルキル基の
水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基を意味
する。
f 基は直鎖状でも分岐状でもよい。Rf 基中のフッ素原
子の割合としては、(Rf 基中のフッ素原子の数)/
(Rf基に対応する同一炭素数のアルキル基中の水素原
子の数)が60%以上が好ましく、特に80%以上であ
る場合が好ましい。
原子等を含んでいてもよい。たとえば、ポリフルオロオ
キサアルキル基、ポリフルオロチオアルキル基等が挙げ
られる。たとえば、ポリフルオロオキサアルキル基とし
ては、ポリフルオロエチレンオキシ部分やポリフルオロ
プロピレンオキシ部分を含む基、ポリフルオロエチルオ
キシ部分やポリフルオロプロピルオキシ部分等を含む基
等が挙げられる。ポリフルオロチオアルキル基として
は、ポリフルオロエチレンチオ部分やポリフルオロプロ
ピレンチオ部分を含む基、ポリフルオロエチルチオ部分
やポリフルオロプロピルチオ部分等を含む基等が挙げら
れる。
子のすべてがフッ素原子に置換されたペルフルオロアル
キル基、ペルフルオロアルキル部分を有する基、または
ペルフルオロアルキレン部分を有する基が好ましい。ペ
ルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキル部分
は炭素数が3〜21が好ましく、ペルフルオロアルキレ
ン部分は、炭素数が2〜18が好ましい。
ロアルキル部分とアルキレン基が連結した構造の基が好
ましく、特にCm F2m+1(CH2 )n −(ここで、m
は、3〜21の整数であり、nは1〜6の整数、特に2
が好ましい。)で表される場合のRf 基が好ましい。
いてもよく、それぞれ、イソシアネート基または加水分
解性基を示す。イソシアネート基は加水分解性基の1種
であるという考え方もあるが、本発明においては、イソ
シアネート基と加水分解性基は、異なる基であるとす
る。イソシアネート基および加水分解性基は、化合物A
を基材に処理した場合に、いずれも各種の基材との密着
性を高めるうえで非常に重要な構造単位である。ここで
の「密着」とは、化合物Aと基材との化学的、物理的結
合状態を意味する。
ロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、アシルオキシ基、
アルコキシ置換アルコキシ基、アミノキシ基、アミド
基、ケトキシメート基等が例示され、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子が好ましい。加水分解性基の炭素数は、好ま
しくは8以下、特に4以下がよい。最も好ましくは、炭
素数1〜4のアルコキシ基であり、たとえば、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等
が挙げられる。
なく、使用目的に応じて適宜選択できる。また、複数あ
る場合のZは、同一であっても異なっていてもよく、合
成しやすさの点からは同一の場合が好ましい。
イソシアネート基が共存したり、イソシアネート基と塩
素原子共存していてもよく、また、異なる加水分解性の
基が共存していてもよい。しかし、化合物Aの反応性を
考慮した場合には、化合物AのZの、少なくとも1つは
イソシアネート基である場合が好ましく、特に基材との
密着性、処理時の作業安定性等の点から、Zのすべてが
イソシアネート基である場合が好ましい。
なくとも1つのイソシアネート基が存在し、かつ、ケイ
素原子にイソシアネート基が直接結合した構造の化合物
Aを、イソシアネート化合物AI と記す。
ソシアネート基の反応性が非常に高いので、常温で処理
した場合には、大部分が化学的反応で基材表面に結合す
るものと考えられる。すなわち、結合状態においては、
イソシアネート基は変化しているものと考えられる。た
とえば、イソシアネート基はガラス表面のシラノール基
と反応していると考えられる。
たは3であり、b、cは、それぞれ、0、1、2または
3であり、かつ、1≦a+b+c≦3である。
から1つのケイ素原子に直結したイソシアネート基およ
び/または加水分解性の基の数が多い場合が好ましく、
特にイソシアネート基の数が多い場合が好ましく、Zの
数は2以上であることが望ましい。
5)に示すが、それらに限定されない。式中、Zはイソ
シアネート基および/または加水分解性基を、R’は有
機基を、Rf はRf 基を示す。
記の化合物の1種または2種以上を使用できる。また、
化合物AがRf 基を含む化合物である場合、Rf 基の炭
素数の異なる2種以上の化合物Aを用いてもよい。
化合物Aに比べさらに常温で非常に反応性が高いため、
基材との密着性を飛躍的に高めうる。Si(NCO)4
はSi(NCO)4 同士で反応したり、化合物Aとも反
応するため、得られる被膜の架橋構造性が向上し、膜の
高耐久化に通じるものと考えられる。
i(NCO)4 の重量比に特に限定はなく、好ましくは
化合物A/Si(NCO)4 の重量比が95/5〜40
/60である。
いて、Si(NCO)4 の比率が95/5より小さいと
Si(NCO)4 の添加効果が発現しにくく、Si(N
CO)4 の比率が40/60より多いと膜の耐久性能お
よび作業性が低下する。
i(NCO)4 を含有することが特徴である。表面処理
剤は、化合物AおよびSi(NCO)4 のみから構成さ
れていてもよいが、通常は、化合物AおよびSi(NC
O)4 とともに有機溶剤を含むことが好ましい。
明の化合物AおよびSi(NCO)4 を溶解または均一
に分散させる有機溶剤が好ましく、特に、アルコール、
ハロゲン(フッ素、塩素、臭素)化炭化水素類、脂肪族
炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステル類、ケトン
類、エーテル類等の各種溶剤から作業性、経済性、安全
性等を加味して選択すればよい。有機溶剤は1種または
2種以上を使用できる。具体的には以下の溶剤が例示で
きるが、これらに限定されない。
ル、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノー
ル、アリルアルコール、アミルアルコール、3−メトキ
シブチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−メチル
ペンタノール−1、オクチルアルコール、シクロヘキサ
ノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、
ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン、リグロイ
ン、塩化メチレン、クロロホルム。
2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパ
ン)、225cb(1,1,2,2,3−ペンタフルオ
ロ−1,3−ジクロロプロパン),123、124、1
25、134a、141b、142b、152a等) 、
ベンゾトリフルオリド、1,3−ジ(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン、ペルフルオロ(トリ−n−ブチルアミ
ン)、ペルフルオロ(トリ−n−ペンチルアミン)、ペ
ルフルオロアルカン類、ペルフルオロ(2−n−ブチル
テトラヒドロフラン)(化6参照)、ペルフルオロ(2
−n−プロピルテトラヒドロフラン)(化7参照)、ペ
ルフルオロトルエン、ペルフルオロベンゼン、ペルフル
オロキシレン、ペルフルオロナフタレン、ペルフルオロ
アントラセン。
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
アセチルアセトン、ブチルエーテル、1,4−ジオキサ
ン、ヘキシルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピ
オン酸ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アセト酢酸エ
チル。
ル[CH3 COOCH2 CH2 OCH3 ]、酢酸エチレ
ングリコールモノエチルエーテル[CH3 COOCH2
CH2 OC2 H5 ]、酢酸ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル[CH3 COOCH2 CH2 OCH2 CH
2 OC2 H5 ]、酢酸ジエチレングリコールモノブチル
エーテル[CH3 COOCH2 CH2 OCH2 CH2 O
C4 H9 ]、ジ酢酸グリコール[CH3 COOCH2 C
H2 OCOCH3 ]。
性等の観点から、酢酸エステル類、酪酸エステル類、エ
ーテル類、ハロゲン化(特にフッ素化)炭化水素類が好
ましい。
合、反応性の水素原子を有する有機溶剤は、化合物Aの
イソシアネート基と反応するため望ましくないが、濡れ
性向上の目的で少量添加してもよい。
業性)、安定性、被膜厚さ、経済性等の理由から、有機
溶剤の100重量部に対して化合物Aの量が0.1〜3
0重量部程度が好ましい。
合物、添加剤などを含有していてもよい。他の添加剤
は、各成分との反応性、相溶性を考慮して選択すればよ
く、各種金属酸化物の超微粒子、各種樹脂なども添加で
きる。着色が必要であれば染料、顔料等も添加できる。
これらの添加剤は化合物Aの100重量部に対して0.
1〜20重量部が好適である。添加剤の量が過剰である
と本発明の表面処理剤が有する防汚性、耐摩耗性等を低
下させるので望ましくない。
目的に応じた抵抗が得られる材料(酸化スズ、ITO、
酸化亜鉛等)を添加してもよい。これら添加剤の添加量
は目的とする抵抗値および材料に応じて決定すればよ
い。
たり、目的に応じた前処理を施してもよい。たとえば、
酸化セリウム等による研磨処理、サンドブラスト処理、
希釈したフッ酸、硫酸、硝酸、塩酸等による酸処理、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液等によるアルカ
リ処理、またはプラズマ照射等による放電処理等の前処
理を行ってもよい。また、前処理を行わずに処理しても
よい。
は、特に限定されない。通常、公知の各種処理方法が適
用できる。塗布方法としては、はけ塗り、流し塗り、回
転塗り、浸漬塗り、スプレー塗布等の各種方法が挙げら
れる。さらに、大気中または窒素雰囲気中で、乾燥させ
ることによって、被膜が形成される。
き、20〜30℃が好ましい。また、乾燥時間は10分
〜5時間程度であり、20分〜2時間が好ましい。
てもよい。加熱する場合には基材の耐熱性が保たれる温
度、時間を設定すればよい。また、湿度の高い(たとえ
ば50%以上)環境下に放置して乾燥させるのも好まし
い。
によって形成される被膜の厚さは、表面処理剤中の固形
分濃度、塗布条件、加熱条件などによって適宜制御さ
れ、特に限定されない。通常の場合、防汚性を発現する
には、理論的に被膜の膜厚は単分子層以上あればよく、
経済的観点から2μm以下が好ましい。
耐久性能を向上させる目的で一般式(B)で表される化
合物(以下、一般式(B)で表される化合物を化合物B
と記す)を必須成分とする表面処理剤を本発明の表面処
理剤により得られる被膜の上に処理できる。
れぞれ、水素原子または有機基であり、dは、1、2ま
たは3であり、e、fは、それぞれ、0、1、2または
3であり、かつ、1≦d+e+f≦3である。
能基、連結基等を含む有機基であってもよい。有機基と
しては、炭化水素基、またはハロゲン化有機基が好まし
い。有機基の炭素数は1〜30が好ましい。
芳香族炭化水素のいずれでよく、脂肪族炭化水素基が好
ましい。1価の脂肪族炭化水素基としては、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基等が好ましく、特
にアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。芳香族炭
化水素基としてはアリール基等が好ましい。
は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子が好ましく、なか
でも、塩素原子およびフッ素原子が好ましく、特に、フ
ッ素原子が好ましい。
化水素基が好ましく、特にハロゲン化アルキル基が好ま
しい。ハロゲン化アルキル基としては、クロロアルキル
基、フルオロアルキル基、クロロフルオロアルキル基等
が挙げられる。
の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフ
ルオロ有機基が好ましい。ポリフルオロ有機基として
は、ポリフルオロ炭化水素基が好ましく、特に、上記の
炭化水素基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換さ
れたポリフルオロ炭化水素基が好ましい。ポリフルオロ
炭化水素基としては、特にRf 基が好ましい。
f 基は直鎖状でも分岐状でもよい。Rf 基中のフッ素原
子の割合としては、(Rf 基中のフッ素原子の数)/
(Rf基に対応する同一炭素数のアルキル基中の水素原
子の数)が60%以上が好ましく、特に80%以上であ
る場合が好ましい。
原子等を含んでいてもよい。たとえば、ポリフルオロオ
キサアルキル基、ポリフルオロチオアルキル基等が挙げ
られる。たとえば、ポリフルオロオキサアルキル基とし
ては、ポリフルオロエチレンオキシ部分やポリフルオロ
プロピレンオキシ部分を含む基、ポリフルオロエチルオ
キシ部分やポリフルオロプロピルオキシ部分等を含む基
等が挙げられる。ポリフルオロチオアルキル基として
は、ポリフルオロエチレンチオ部分やポリフルオロプロ
ピレンチオ部分を含む基、ポリフルオロエチルチオ部分
やポリフルオロプロピルチオ部分等を含む基等が挙げら
れる。
子のすべてがフッ素原子に置換されたペルフルオロアル
キル基、ペルフルオロアルキル部分を有する基、または
ペルフルオロアルキレン部分を有する基が好ましい。ペ
ルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキル部分
は炭素数が3〜21が好ましく、ペルフルオロアルキレ
ン部分は、炭素数が2〜18が好ましい。
ロアルキル部分とアルキレン基が連結した構造の基が好
ましく、特にCm F2m+1(CH2 )n −(ここで、m
は、3〜21の整数であり、nは1〜6の整数、特に2
が好ましい。)で表される場合のRf 基が好ましい。
合物Bを、前記した本発明の表面処理剤により得られる
被膜の表面に処理する場合に、密着性を高めるうえで非
常に重要な構造単位である。ここでの「密着」とは、化
合物Bと本発明の表面処理剤より得られる被膜表面との
化学的、物理的結合状態を意味する。
反応性が非常に高いので、常温で処理した場合には、大
部分が化学的反応で結合するものと考えられる。すなわ
ち、結合状態においては、イソシアネート基は変化して
いるものと考えられる。たとえば、イソシアネート基は
本発明の表面処理剤より得られる表面のシラノール基と
反応していると考えられる。
より得られる被膜への密着性の点から1つのケイ素原子
に直結したイソシアネート基の数が多い場合が好まし
く、その数は2以上であることが望ましい。
面では化合物AおよびSi(NCO)4 の(大部分はS
i(NCO)4 の)未反応基部分(Si−NCO基)が
そのまま、または空気中の水分と反応した形(Si−O
H基)で存在するものと思われる。
れる被膜表面に化合物Bを含有する表面処理剤を処理し
た場合、このSi−NCO、Si−OH基が反応起点と
なると考えられ、化合物Bと本発明の表面処理剤より得
られる被膜は強固に密着するとともに膜の有効膜厚が厚
くなるため、膜の耐久性能が飛躍的に向上するものと思
われる。
い物質であり、被膜中にごく一部存在する遊離状態の化
合物Bが極表面層を移動することによって、表面での摩
擦抵抗を低減するために耐摩耗性が良好であると考えら
れる。
して用いるのが作業性、経済的な点から好ましい。
明の化合物Bを溶解または均一に分散させるものが好ま
しく、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素)化炭化水素類、
芳香族炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類
等の各種溶剤が採用される。有機溶剤は1種または2種
以上を使用できる。
25cb、ペルフルオロトリ−n−ブチルアミン、ペル
フルオロトリ−n−ペンチルアミン、ペルフルオロアル
カン[n−Cn F2n+2]、ペルフルオロベンゼン、ペル
フルオロキシレン、ペルフルオロナフタレン、ペルフル
オロアントラセン、ペルフルオロトルエン、ペルフルオ
ロ(2−n−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフルオ
ロ(2−n−プロピルテトラヒドロフラン)、ベンゾト
リフルオリド、1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベン
ゼン等の含フッ素系溶剤が好ましい。
合物Bのイソシアネート基と反応するため望ましくない
が、濡れ性向上の目的で少量添加してもよい。
業性)、安定性、被膜厚さ、経済性等の理由から、有機
溶剤の100重量部に対し化合物Bの量が0.1〜30
重量部程度が好ましい。
応じて他の化合物、添加剤などを含んでいてもよい。他
の添加剤としては、前述した化合物AおよびSi(NC
O)4 に対する添加剤が同様に使用できる。
理するあたり、目的に応じた前処理を本発明の表面処理
剤より得られる被膜に施してもよい。たとえば、酸化セ
リウム等による研磨処理、サンドブラスト処理、希釈し
たフッ酸、塩酸等による酸処理、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム水溶液等によるアルカリ処理、またはプラ
ズマ照射等による放電処理等の前処理を行ってもよい。
また、前処理を行わずに処理してもよい。
る被膜に処理する方法としては、特に限定されない。通
常、公知の各種処理方法が適用できる。塗布方法として
は、はけ塗り、流し塗り、回転塗り、浸漬塗り、スプレ
ー塗布等の各種方法が挙げられる。さらに、大気中また
は窒素雰囲気中で、乾燥させることによって、被膜が形
成される。
き、20〜30℃が好ましい。乾燥時間は10分〜5時
間程度であり、20分〜2時間が好ましい。しかし、乾
燥速度を早める等の目的で加熱してもよい。加熱する場
合には基材の耐熱性が保たれる温度、時間を設定すれば
よい。また、湿度の高い(例えば50%以上)環境下に
放置して乾燥させるのも好ましい。
成される被膜の厚さは、表面処理剤中の固形分濃度、塗
布条件、加熱条件などによって適宜制御され、特に限定
されない。通常の場合、防汚性を発現するには、理論的
に被膜の膜厚は単分子層以上あればよく、経済的観点か
ら2μm以下が好ましい。
れる層と化合物Bにより形成される層とをあわせた膜厚
も経済的観点から2μm以下が好ましい。
(A−35)で示した化合物においてZをイソシアネー
トとした化合物が例示できる。化合物Bは化合物Aと同
じであっても異なっていてもよい。また、化合物Bとし
ては、1種または2種以上を使用できる。また、化合物
BがRf 基を含む化合物である場合、Rf 基の炭素数の
異なる2種以上の化合物を用いてもよい。
金属、プラスチックス、セラミックス、ガラス、その他
の無機質材料や有機質材料またはその組合せ(複合材
料、積層材料等)等に適用できる。また、基材の表面
は、基材そのものの表面はもちろんのこと、塗装金属等
の塗膜表面や、表面処理ガラスの表面処理層表面(たと
えば、ゾルゲル膜、スパッタ膜、CVD膜、蒸着膜等が
設けられた表面)等の基材そのものとは異なる材質の表
面であってもよい。
とえば、平面はもちろんのこと、全面にまたは部分的に
曲率を有するものなど、目的に応じた任意の形状であっ
てもよい。
ガラス、プラスチックス等の透明な材料からなる基材が
好ましい。また、輸送機器用物品、建築・建装用物品と
して用いられることが好ましい。
ク、自動車、船舶、航空機等の輸送機器における外板、
窓ガラス、鏡、表示機器表面材等の外装部材、計器盤表
面材等の内装部材、その他の輸送機器に使用されるまた
は使用された部品、構成部材をいう。
等、自動車、バス、トラック等のボディ、フロントガラ
ス、サイドガラス、リアガラス、ミラー、バンパー等、
船舶等のボディ、窓ガラス等、航空機等のボディ、窓ガ
ラス等が例示できる。
いてもよく、表面処理された基材が組み込まれたもので
あってもよい。たとえば、前者として自動車用の窓ガラ
スがあり、後者としてガラス鏡が組み込まれた自動車用
バックミラー部材がある。
により表面に付着する水滴がはじかれ、特に、運行に伴
って、受ける風圧との相互作用によって表面上を急速に
移動し、水滴として溜ることなく、水分が誘発する悪影
響を排除できる。特に、各種窓ガラス等の透視野部での
用途では水滴の飛散により視野確保が非常に容易とな
り、車両の安全性向上に資す。
ても氷結せず、仮に、氷結したとしても解凍は著しく速
い。さらには、水滴の付着がほとんどないため定期的な
清浄作業回数を低減でき、かつ、清浄はきわめて容易
で、美観保護の点からも非常に有利である。
り付けられる物品、すでに建築物に取り付けられた物
品、建築物に取り付けられていなくてもそれとともに使
用される建築用物品、または、家具、什器などの建装用
物品などをいう。
はじめとする各種屋根、ドア用ガラス板やそれがはめ込
まれたドア、間仕切り用ガラス板、温室用ガラス板や温
室、透明プラスチックス板を用いた窓材、屋根材など、
セラミックス、セメント、金属その他の材料からなる壁
材、鏡やそれを有する家具、または、陳列棚やショーケ
ース用のガラスなどが例示される。
いてもよく、表面処理された基材が組み込まれたもので
あってもよい。たとえば、前者として窓用ガラス板があ
り、後者としてガラス鏡が組み込まれた家具がある。
水滴除去性により表面に接触した水滴がはじかれて付着
し難く、たとえ付着してもその量は少なく、また、付着
した水滴の除去が容易である。また、水滴が氷結するよ
うな環境下においても氷結せず、仮に、氷結したとして
も解凍は著しく速い。さらには、水滴の付着がほとんど
ないため定期的な清浄作業回数を低減でき、かつ、清浄
はきわめて容易で美観保護の点からも非常に有利であ
る。
発現する利点がある。また、特別な前処理や後処理を必
要としないため、手軽に処理できる。したがって、新し
い基材に処理するだけでなく、すでに何らかの用途に使
用されている基材に処理することもできる。また、本発
明の表面処理剤または他の処理剤を処理後に時間が経過
したり、問題が生じて被膜の性能が低下した場合に修復
用にも使用できる。
が、これらに限定されない。実施例における防汚性およ
び防汚耐久性の評価方法はつぎのとおりである。
の指紋を処理表面に付着し、綿布で20往復拭き取りそ
の後の外観を検査し、A:完全にきれいに油汚れが拭き
取れる、B:すこし油汚れが残る、C:かなり油汚れが
残る、という基準で評価した。 ニ)水滴残存性を以下の方法で評価した。すなわち、垂
直に立てたサンプルに20cmの距離に保持したノズル
から水を全面に約1時間スプレーした後に表面に残存す
る水滴を肉眼で観察し、A:サンプル表面に全く水が残
らない、B:サンプル表面に少し水が残る、C:サンプ
ル表面にかなり水滴が残る、D:サンプル表面で水が濡
れ広がる、という基準で評価した。
間浸漬した後のハ)指紋除去性およびニ)水滴残存性を
評価した。
ットされたフラスコに、酢酸−n−ブチル29.1g
(実施例1、2、3)、C8 F17C2 H4 Si(NC
O)3 2.4g(実施例1)または1.5g(実施例
2)または0.6g(実施例3)、Si(NCO)
40.6g(実施例1)または1.5g(実施例2)ま
たは2.4g(実施例3)、および1,3−ジ(トリフ
ルオロメチル)ベンゼン67.9g(実施例1、2、
3)をこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持
しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤1(実施例1)また
は処理剤2(実施例2)または処理剤3(実施例3)を
得た。
10cm×厚さ2mm)に処理剤1または処理剤2また
は処理剤3を1cc滴下し、JKワイパー(十條キンバ
リー社製品)にて自動車のワックスがけの要領で塗り広
げた後、1昼夜放置し、サンプルガラスを作成した。得
られたサンプルガラスの防汚性および防汚耐久性を評価
した結果を表1に示す。
のかわりにn−酪酸−n−ブチル29.1gを用い、C
8 F17C2 H4 Si(NCO)3 2.4gのかわりにC
n F2n+1C2 H4Si(NCO)3 (nが6、8、10
および12の化合物の混合物であり、nの平均値は9で
ある)2.4gを用いた他は実施例1と同様にして処理
剤4を得た。以下、処理剤1のかわりに処理剤4を用い
た他は実施例1と同様にしてサンプルガラスを作成し、
防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示
す。
されたフラスコに、酢酸エチル97.0g、C18H37S
i(NCO)3 2.4gおよびSi(NCO)4 0.6
gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持し
ながら1昼夜撹拌を継続し処理剤5を得た。以下、処理
剤1のかわりに処理剤5を用いた他は実施例1と同様に
してサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性
を評価した。結果を表1に示す。
されたフラスコに、酢酸ブチル97.0g、C8H17S
i(NCO)3 2.4gおよびSi(NCO)4 0.6
gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持し
ながら1昼夜撹拌を継続し処理剤6を得た。以下、処理
剤1のかわりに処理剤6を用いた他は実施例1と同様に
してサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性
を評価した。結果を表1に示す。
理せずに同様の評価を行った。結果を表1に示す。
されたフラスコに、酢酸エチル97.0g、C8F17C2
H4 Si(NCO)3 3.0gをこの順に加えた。こ
の溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続
し処理剤R2を得た。以下、処理剤1のかわりに処理剤
R2を用いた他は実施例1と同様にしてサンプルガラス
を作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を
表1に示す。
されたフラスコに、酢酸エチル97.0g、Si(NC
O)4 3.0gをこの順に加えた。この溶液の液温を2
5℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤R3を得
た。以下、処理剤1のかわりに処理剤R3を用いた他は
実施例1と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性
および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
されたフラスコに、N(n−C4 F9 )3 97.0g、
C8 F17C2 H4 Si(NCO)3 3.0gをこの順に
加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜
撹拌を継続し処理剤7を得た。
たガラス板(10cm×10cm×厚さ3mm)に処理
剤1の溶液を1cc滴下し、JKワイパーにて自動車の
ワックス掛けの要領にて塗り広げた。この板を25℃、
湿度50%の環境下に1時間放置した。
c滴下し、JKワイパーにて同じく自動車のワックス掛
けの要領にて塗り広げ、1昼夜放置しサンプルガラスを
作成した。以上のようにして得られたサンプルガラスの
防汚性および防汚耐久性を評価した結果を表1に示す。
されたフラスコに、N(n−C4 F9 )3 97.0g、
Cn F2n+1C2 H4 Si(NCO)3 (nが6、8、1
0および12の化合物の混合物であり、nの平均値は9
である)3.0gをこの順に加えた。この溶液の液温を
25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤8を得
た。以下、処理剤7のかわりに処理剤8を用いた他は実
施例7と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性お
よび防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
されたフラスコに、酢酸エチル97.0g、C18H37S
i(NCO)3 3.0gをこの順に加えた。この溶液の
液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤
9を得た。以下、処理剤7のかわりに処理剤9を用いた
他は実施例7と同様にしてサンプルガラスを作成し、防
汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
6を用いた他は実施例7と同様にしてサンプルガラスを
作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表
1に示す。
6を用いた他は実施例9と同様にしてサンプルガラスを
作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表
1に示す。
ガラス(実施例12)または実施例7のサンプルガラス
(実施例13)を表2に示す薬品に24時間浸漬し、取
り出して直ちに洗浄した後、このサンプルの外観変化、
指紋除去性および水滴残存性を評価した。結果を表2に
示す。
ガラス(実施例14)または実施例7のサンプルガラス
(実施例15)を荷重1kgで、ネル布にて20000
回往復摩耗した。摩耗試験後の防汚性の評価結果を表3
に示す。
(70℃)、湿潤曝露を4時間(50℃)とする工程を
1サイクルとする耐候性試験を、実施例1のサンプルガ
ラス(実施例16)または実施例7のサンプルガラス
(実施例17)に250サイクル実施した。耐候性試験
後の防汚性の評価結果を表3に示す。
ガラス(実施例18)または実施例7のサンプルガラス
(実施例19)をJIS Z2371に従い塩水噴霧試
験150時間実施した。塩水噴霧試験後のサンプルガラ
スの防汚性を評価した結果を表3に示す。
フロント合わせガラス表面に処理を行った後、該合わせ
ガラスを自動車に装着した。この自動車を日中4時間、
夜間2時間の走行テストを1ケ月間行い、日毎にフロン
ト表面への汚れ、ほこりの付着状態、また、雨天時にお
いては水滴の付着状態を肉眼で観察した。
着による水垢の発生はまったく見られず、まれにそれら
の発生が認められてもティッシュペーパーで軽く拭くこ
とにより容易に除去された。
走行による風圧との相互作用によってすみやかに移動し
てしまい、ワイパーを使用することなく視野が確保され
た。さらに未処理のフロント合わせガラスに付着してい
る水滴が氷結する、または空気中の水分が凝縮してフロ
ントガラスに氷結するような環境下(0℃〜−5℃)で
の走行テストにおいてフロントガラスでの氷結はまった
くみられなかった。
〜−15℃)ではフロントガラスでの氷結も認められる
が、その解凍も速く、未処理のフロントガラスに比し著
しく優れた性能を有することが確認された。
法を実施例1の方法から実施例7の方法に変更した以外
は実施例20と同様の試験をしたところ、実施例20と
同様の効果が確認できた。
せガラスをサイドガラス、リアガラス、サイドミラーに
変更して走行試験したところ、実施例20と同様の効果
が確認できた。
せガラスをサイドガラス、リアガラス、サイドミラーに
変更して走行試験したところ、実施例21と同様の効果
が確認できた。
した自動車のフロント合わせガラスを酸化セリウムで研
磨し、水洗し乾燥した。洗浄したフロント合わせガラス
に処理剤1の溶液を10cc滴下し、JKワイパーにて
自動車のワックス掛けの要領にて塗り広げ、1昼夜放置
した。この自動車を用いて実施例20と同様に試験した
ところ、実施例20と同様の効果が確認できた。
した自動車のフロント合わせガラスを酸化セリウムで研
磨し、水洗し乾燥した。洗浄したフロント合わせガラス
に処理剤1の溶液を10cc滴下し、JKワイパーにて
自動車のワックス掛けの要領にて塗り広げ、1時間放置
した。(このときの温度は19℃、湿度は46%であっ
た。)さらに、該処理面に処理剤7を10cc滴下し、
JKワイパーにてやはり自動車のワックス掛けの要領で
塗り広げ、1昼夜放置した。この自動車を用いて実施例
20と同様の試験を行ったところ、実施例20と同様の
効果が確認できた。
ガラスの表面に塗布し、被膜を形成した。こうして得ら
れた窓ガラスを家に取り付けた。この窓ガラス表面への
汚れ、ほこりの付着状態、また、雨天時においては水滴
の付着状態を肉眼で観察した。
着による水垢の発生はまったく見られず、まれにそれら
の発生が認められてもティッシュペーパーで軽く拭くこ
とにより容易に除去された。また、雨天時には、表面の
水滴がはじかれ転落し、特に風の強い日には風圧との相
互作用によってすみやかに移動してしまい視野が確保さ
れた。さらに未処理の窓ガラスに付着している水滴が氷
結する、または空気中の水分が凝縮して窓ガラスに氷結
するような環境下(0℃〜−5℃)でのテストにおいて
窓ガラスでの氷結はまったくみられなかった。
〜−15℃)では窓ガラスでの氷結も認められるが、そ
の解凍も速く未処理の窓ガラスに比し著しく優れた性能
を有することが確認された。
法を実施例1の方法から実施例7の方法に変更して試験
したところ、実施例26と同様の効果が確認できた。
れる皮膜を有する基材およびそれを装着した物品は、以
下のような優れた効果を有する。
能であり、かつ、優れた防汚性を基材に付与できる。し
たがって、新しく製造した物品への処理はもちろんのこ
と、既に使用された物品への処理もできる。また、熱処
理を必要としないため、物品の形状を崩すことなく、必
要な部分に適宜処理できる。
着した物品は防汚性に優れ、ほこり、汚れ、水滴の付
着、またはそれによる水垢の発生がなく、まれにそれら
の発生があっても容易に除去可能で水が誘発する悪影響
を遮断でき、洗浄の簡略化が図れる。
した物品は優れた防汚性を有するとともに、耐薬品性、
耐摩耗性、耐候性を有するので、防汚性の持続性に優
れ、かつ、半永久的に防汚性が維持される。
でなく、他の広範囲の基材に対して適用できる。また、
処理に際しては特殊な前処理の必要性がなく、連続的な
処理が可能であるため、経済的にも有利である。
きないものであり、これまで使用不可能であった分野に
までその適用範囲を拡大することが期待できる。
Claims (7)
- 【請求項1】一般式(A)で表される化合物AとSi
(NCO)4 とを必須成分として含有する表面処理剤。 【化1】 (R1 )a (R2 )b (R3 )c Si(Z)4-a-b-c ・・・(A) ただし、R1 は、有機基であり、R2 およびR3 は、そ
れぞれ、水素原子または有機基であり、 aは、1、2または3であり、b、cは、それぞれ、
0、1、2または3であり、かつ、1≦a+b+c≦3
であり、 Zはイソシアネート基および/または加水分解性基であ
る。 - 【請求項2】化合物AとSi(NCO)4 との重量比率
である化合物A/Si(NCO)4が95/5〜40/
60である請求項1の表面処理剤。 - 【請求項3】Zの少なくとも1つがイソシアネート基で
ある請求項1または2の表面処理剤。 - 【請求項4】Zのすべてがイソシアネート基である請求
項1〜3いずれか1項の表面処理剤。 - 【請求項5】請求項1〜4いずれか1項の表面処理剤に
より表面処理された基材。 - 【請求項6】少なくとも2層の表面処理層を有する基材
であって、表面処理層の最外層である第1層が一般式
(B)で表される化合物を必須成分として含有する表面
処理剤で処理して得られる層であり、最外層に接する下
層である第2層が請求項1〜4いずれか1項の表面処理
剤により処理して得られる層であることを特徴とする表
面処理された基材。 【化2】 (R4 )d (R5 )e (R6 )f Si(NCO)4-d-e-f ・・・(B) ただし、R4 は、有機基であり、R5 およびR6 は、そ
れぞれ、水素原子または有機基であり、dは、1、2ま
たは3であり、e、fは、それぞれ、0、1、2または
3であり、かつ、1≦d+e+f≦3である。 - 【請求項7】少なくとも2層の表面処理層を有する基材
の製造方法であって、基材表面を請求項1〜4いずれか
1項の表面処理剤により処理して後、該表面を一般式
(B)で表される化合物を含有する表面処理剤で処理す
ることを特徴とする表面処理された基材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10395395A JP3629755B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 表面処理された基材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10395395A JP3629755B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 表面処理された基材とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08295873A true JPH08295873A (ja) | 1996-11-12 |
JP3629755B2 JP3629755B2 (ja) | 2005-03-16 |
Family
ID=14367784
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10395395A Expired - Fee Related JP3629755B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 表面処理された基材とその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3629755B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000144097A (ja) * | 1998-01-31 | 2000-05-26 | Toppan Printing Co Ltd | 防汚剤、防汚層の形成方法、光学部材、反射防止光学部材、光学機能性部材及び表示装置 |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP10395395A patent/JP3629755B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000144097A (ja) * | 1998-01-31 | 2000-05-26 | Toppan Printing Co Ltd | 防汚剤、防汚層の形成方法、光学部材、反射防止光学部材、光学機能性部材及び表示装置 |
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