JPH08294353A - パンの製造法 - Google Patents

パンの製造法

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JPH08294353A
JPH08294353A JP14103495A JP14103495A JPH08294353A JP H08294353 A JPH08294353 A JP H08294353A JP 14103495 A JP14103495 A JP 14103495A JP 14103495 A JP14103495 A JP 14103495A JP H08294353 A JPH08294353 A JP H08294353A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bread
maltose
amount
added
flavor
Prior art date
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Pending
Application number
JP14103495A
Other languages
English (en)
Inventor
Shusuke Shimizu
秀典 清水
Masahiro Harada
昌博 原田
Tatsuo Kai
達男 甲斐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORIGOE SEIFUN KK
Original Assignee
TORIGOE SEIFUN KK
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  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】原料の小麦粉に対して砂糖の配合量が0〜2.
0重量部の、いわゆる、リーンなパンの製造において、
マルトースを0.01〜3.0重量部添加することを特
徴とするパンの製造法。 【効果】リーンなパンの製造において、マルトースをパ
ン配合に添加することで、熟練をともなわずに、容易に
一定の良い品質を持つ、風香味豊かなパンを製造するこ
とが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パンの製造法に関し、
詳しくは、製パン時にマルトースを添加することを特徴
とするパンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】パンの分類は、様々な方法によってなさ
れるが、それらは、主に製法、パンの形状、使用する材
料等によってなされている。ひとつの分類法として、パ
ンを油脂と砂糖の配合量の多少によって、リーン、リッ
チに分類したり、シンプル、リーン、リッチ、ベリーリ
ッチと分類する方法がある。しかし、この分類方法は、
油脂や砂糖の量を正確に規定した物ではなく、その区分
は必ずしも明確ではない。ここでは油脂の添加量にかか
わらず、砂糖の配合量が使用する小麦粉に対して0〜
2.0重量部のパンをリーンなパンと呼ぶことにする。
【0003】通常、リーンなパンの製造においては、モ
ルトシロップや麦芽粉末が添加される事が多い。これら
にはマルトースの他、マルトデキストリンや酵素、カラ
メル等、が含まれる。
【0004】さらに、モルトシロップや麦芽粉末に含ま
れる酵素は、澱粉を分解し、生地中に、その分解物であ
るマルトースやマルトデキストリン等、を生じる。この
ために、モルトシロップや麦芽粉末を使用しない食パン
生地等と比べると、発酵初期の生地中のマルトース濃度
はかなり高い。このマルトースは発酵中にイーストによ
って資化され減少していくが、焼成後のパンにも残存す
る。
【0005】モルトシロップや麦芽粉末は、適量を使用
すればパンの風香味によい影響を与えるが、これは、マ
ルトースの発酵促進効果と、焼成後のパンに残存するマ
ルトースの効果による。ここで、パンの風香味をよくす
るために、残存するマルトース量を増やす目的で、モル
トシロップや麦芽粉末を多量に添加すると、生地のベた
つきや、ボリュームの低下、また、カラメル成分による
風味の劣化などの品質劣化が生じてしまう。
【0006】また、リーンな配合での製パンにおいて
は、小麦粉の微妙な品質のぶれ、捏ね上げ温度、発酵時
間、室内の温湿度等、が製品の品質に与える影響が大き
い。特に、発酵によって生じた良い風香味をもち、パン
の外観、内相共に常に一定の良い品質のものを製造する
にはかなりの熟練と、豊富な経験が必要とされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】リーンなパンの製造に
おいて、厳密な製パン条件の管理や、熟練をともなわ
ず、容易に一定の良い品質を持つ、風香味豊かなパンを
製造することを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは、鋭意研究の結果、製パン時の砂糖の配合が0
〜2.0重量部のリーンなパンの製造に際して、マルト
ースを添加することによって、風香味が良好な製品を、
安定して得られることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0009】さらに、マルトースの添加量は使用小麦粉
に対して固形分で0.01〜3.0重量部が好ましい。
ここで、0.01重量部未満では、パンに対する影響が
少なすぎ、マルトースの効果を十分に得ることができ
ず、3.0重量部より多い場合では逆に添加量が多すぎ
て、パンに過剰な甘味が生じたり、生地のべた付きが生
じて作業がしにくくなったり、焼き色が濃くなるなどの
問題が生じる。
【0010】本発明においては、マルトースの添加は、
従来の配合に新たに加えるだけで良く、特別な添加方法
を取る必要はない。
【0011】また、マルトースを添加することで、生地
の捏ね上げ温度、フロアタイム、ベンチタイム、ホイロ
温度・湿度等、の厳密な管理や、熟練をともなわずと
も、従来通りの製パン工程で容易に一定の良い品質を持
つ、風香味豊かなパンを製造することが可能となる。
【0012】本発明の方法は、小麦、及びライ麦、大
麦、オーツ麦、米、とうもろこし、大豆等、の穀粉を単
独または併用して作るリーンなパン願の、風香味改良に
応用可能である。
【0013】さらに、本発明の方法はノータイム法や、
ストレート法等、ひとつの製パン法に限定されるもので
はなく、あらゆる製パン法において、リーンなパン類の
風香味改良に応用可能である。
【0014】
【作用】パン配合にマルトースを添加した場合、従来の
モルトシロップや、麦芽粉末を添加した生地よりも、生
地中のマルトース濃度は高くなる。その内の一部はイー
ストの発酵促進に寄与し、イースト発酵によって生じた
アルコールや、有機酸がパンに良い風味をもたらす。ま
た、イーストによって資化されなかった残存マルトース
は、パンに適度な、まろやかな甘味を与える。
【0015】その結果、リーンなパンの製造において、
マルトースをパン配合に添加することで、熟練をともな
わずに、容易に、一定の良い品質を持つ、風香味豊かな
パンを製造することが出来る。
【0016】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、これらによって本発明が限定されるものでは
ない。
【0017】(実施例1)フランスパンの製パンテスト
を行った。テスト配合、および製パン工程を表1に示
す。
【0018】
【表1】
【0019】対照はマルトースを添加しない、従来の標
準的配合と製法によるものである。
【0020】実施例は量を変えてマルトースを添加した
ものであり、生地の捏ね上げ温度のぶれをフロアタイ
ム、ベンチタイム、およびホイロ時間と温度を変えるこ
とによって、生地の発酵状態を調整することで製パンし
たものである。
【0021】比較例は、マルトースの添加量が過小量
のもの、比較例は過大量のものである。比較例は、
モルトシロップを多量使用することで、生地中に生じる
マルトース量を増加させようとしたものである。
【0022】表2に示される採点基準に従って、比較し
た結果を表3に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】実施例に示されるとおり、生地の捏ね上げ
温度、フロアタイム、ベンチタイム、ホイロ条件等、の
製パン条件が多少変わっても、マルトースを適量添加す
ることで良好な風香味のパンを得ることが出来た。
【0026】しかし、比較例に示される様に、マルト
ースの添加量が0.01重量部よりも少ない場合は、改
良効果が認められなかった。また、比較例に示される
様に、マルトースの添加量が3.0重量部よりも多い場
合は、過剰な甘味が生じ良品が得られなかった。一方、
比較例の様に、モルトを多量に添加すると、べたつき
による生地物性の低下や異味が生じ、パンのボリュウム
および風香味が低下した。
【0027】(実施例2)ライブレッドの製パンテスト
を行った。テスト配合及び製パン工程を表4に示す。な
お、ここでの配合に記載した粉末サワー種は、ウルマフ
ォルサワー(鳥越製粉株式会社製)を用いた。
【0028】
【表4】
【0029】対照はマルトースを添加しない、従来の標
準的配合と製法によるものである。
【0030】実施例は量を変えてマルトースを添加した
ものであり、生地の捏ね上げ温度のぶれを、フロアタイ
ム、ベンチタイム、およびホイロ時間と温度を変えるこ
とによって、生地の発酵状態を調整することで製パンし
たものである。
【0031】比較例は、マルトースの添加量が過小量
のもの、比較例は過大量のものである。
【0032】表2に示される採点基準に従って、比較し
た結果を表5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】実施例に示されるとおり、生地の捏ね上げ
温度、フロアタイム、ベンチタイム、ホイロ条件等の、
製パン条件が多少変わっても、マルトースを適量添加す
ることで良好な風香味のパンを得ることが出来た。
【0035】しかし、比較例の様に、マルトースの添
加量が0.01重量部よりも少ない場合は、改良効果が
認められなかった。また、比較例の様に、マルトース
の添加量が3.0重量部よりも多い場合は、過剰な甘味
が生じ、良品が得られなかった。
【0036】(実施例3)プチパンの製パンテストを行
った。テスト配合及び製パン工程を表6に示す。
【0037】
【表6】
【0038】対照はマルトースを添加しない、従来の標
準的配合と製法によるものである。
【0039】実施例は量を変えてマルトースを添加した
ものであり、かつ、対照に比較すると製パン条件が厳密
にコントロールされていない。
【0040】比較例はマルトースの添加量が過小量の
ものであり、比較例は過大量のものである。
【0041】表2に示される採点基準に従って、比較し
た結果を表7に示す。
【0042】
【表7】
【0043】実施例に示されるとおり、フロアタイム、
ベンチタイム、ホイロ時間や温度等、が対照と異なった
場合でも、マルトースを適量添加することで良好な風香
味のパンを得ることが出来た。
【0044】しかし、比較例の様に、マルトースの添
加量が0.01重量部よりも少ない場合は、改良効果が
認められない。また、比較例の様に、マルトースの添
加量が3.0重量部よりも多い場合は、ボリュウムが低
下し、また過剰な甘味が生じ、良品を得ることが出来な
かった。
【0045】(実施例4)ワイスブロートの製パンテス
トを行った。テスト配合及び製パン工程を表8に示す。
なお、表8の製パン工程の、ミキシングの↓の記号は油
脂を生地に投入する時期を表す。
【0046】
【表8】
【0047】対照はマルトースを添加しない、従来の標
準的配合と製法によるものである。
【0048】実施例は量を変えてマルトースを添加した
ものであり、対照に比較すると製パン条件が厳密にコン
トロールされていない。
【0049】比較例はマルトースの添加量が過小量の
ものであり、比較例は過大量のものである。
【0050】表2に示される採点基準に従って、比較し
た結果を表9に示す。
【0051】
【表9】
【0052】実施例に示されるとおり、生地の捏ね上げ
温度、フロアタイム、ベンチタイム、ホイロ条件等、が
対照に比べて多少変化しても、マルトースを適量添加す
ることで、良好な風香味のパンを得ることが出来た。
【0053】しかし、比較例の様に、マルトースの添
加量が0.01重量部よりも少ない場合は、改良効果が
認められない。また、比較例の様に、マルトースの添
加量が3.0重量部よりも多い場合は、過剰な甘味が生
じ、良品を得ることが出来なかった。
【0054】
【発明の効果】原料の小麦粉に対して砂糖の配合量が0
〜2.0重量部のパンの製造時に、マルトースを0.0
1〜3.0重量部添加して製造することで、製パン条件
を厳密に制御しなくても、容易に一定の良い品質を持
つ、風香味豊かな製品を製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砂糖の配合量が、使用する小麦粉に対して
    0〜2.0重量部のパン生地配合に対して、マルトース
    を添加することを特徴とするパンの製造法。
  2. 【請求項2】マルトースの添加量が使用する小麦粉に対
    して、0.01〜3.0重量部であることを特徴とする
    請求項1記戴のパンの製造法。
JP14103495A 1995-04-27 1995-04-27 パンの製造法 Pending JPH08294353A (ja)

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JP14103495A JPH08294353A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 パンの製造法

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14103495A JPH08294353A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 パンの製造法

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JPH08294353A true JPH08294353A (ja) 1996-11-12

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ID=15282694

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JP14103495A Pending JPH08294353A (ja) 1995-04-27 1995-04-27 パンの製造法

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JP (1) JPH08294353A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005063045A1 (ja) * 2003-12-25 2007-07-19 サッポロビール株式会社 麦類の種子から得られた麦芽を含む食品及びその製造方法
JPWO2018181125A1 (ja) * 2017-03-27 2020-02-06 ナガセケムテックス株式会社 パンの品質改良剤及び/又は品質改良組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005063045A1 (ja) * 2003-12-25 2007-07-19 サッポロビール株式会社 麦類の種子から得られた麦芽を含む食品及びその製造方法
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