JPH08293617A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08293617A
JPH08293617A JP7098949A JP9894995A JPH08293617A JP H08293617 A JPH08293617 A JP H08293617A JP 7098949 A JP7098949 A JP 7098949A JP 9894995 A JP9894995 A JP 9894995A JP H08293617 A JPH08293617 A JP H08293617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recession
recess
etching
semiconductor substrate
concave portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7098949A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3509275B2 (ja
Inventor
Mineichi Sakai
峰一 酒井
Koju Mizuno
幸樹 水野
Takeshi Fukada
毅 深田
Yasutoshi Suzuki
康利 鈴木
Yoshitsugu Abe
▲よし▼次 阿部
Hiroshi Tanaka
浩 田中
Motoki Ito
基樹 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP09894995A priority Critical patent/JP3509275B2/ja
Priority to US08/637,128 priority patent/US5949118A/en
Publication of JPH08293617A publication Critical patent/JPH08293617A/ja
Priority to US09/247,908 priority patent/US6194236B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3509275B2 publication Critical patent/JP3509275B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)
  • Weting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】新規な構成にて薄肉部の強度向上を図る。 【構成】(110)面方位のP型シリコン基板1にはそ
の一面にN型エピタキシャル層2が形成され、この積層
体により半導体基板3が構成されている。P型シリコン
基板1には一面に開口する第1の凹部5が形成され、こ
の凹部5の底面5aにて薄肉部6が構成されている。凹
部5の底面5aの角部7が曲面状となっている。P型シ
リコン基板1における第1の凹部5の底面部には第2の
凹部8が形成され、この凹部8の底面8aにて薄肉部9
が構成されている。凹部8の底面8aの角部10は曲面
状となっている。薄肉部6,9によりダイヤフラム4が
構成され、ダイヤフラム4の外周部は二段構造となって
いる。凹部5,8は電気化学エッチングにより形成した
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、薄肉部を有する半導
体装置に係り、例えば、ダイヤフラムを有する半導体圧
力センサ等の半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般にダイヤフラム形成にはKO
H液に代表される異方性エッチング液が使用される。と
ころが、ダイヤフラム端部は鋭利となるため応力が集中
しダイヤフラムの耐圧を減少させてしまっている。この
対策として、異方性エッチングの後にHF液による等方
性エッチングを実施し、ダイヤフラム端部を曲面状とす
ることが試みられている(例えば、特開昭62−602
70号公報)。
【0003】又、特開平7−37856号公報には、基
板内に丸みを有する不純物領域を埋設し、不純物領域に
至る電気化学エッチングを行い薄肉部を形成することに
より、薄肉部における角部を丸くして強度向上を図って
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の場
合、HF液による等方性エッチングを実施するとダイヤ
フラム厚がさらに薄くなり、かつダイヤフラム厚のバラ
ツキが増えるという問題がある。
【0005】又、後者の場合、不純物領域を所望の位置
に作る必要があり位置合わせが難しい。そこで、この発
明の目的は、新規な構成にて薄肉部の強度向上を図るこ
とができる半導体装置およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、半導体基板と、前記半導体基板の一面に開口し、こ
の開口底面にて薄肉部を構成する第1の凹部と、前記半
導体基板における前記第1の凹部の前記開口底面に形成
される第2の凹部とを備え、前記第1の凹部の前記開口
底面と前記第2の凹部の前記開口底面とで段差が形成さ
れており、これら第1と第2の凹部の両底面の角部が共
に曲面状とされている半導体装置をその要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、PN接合を有す
る半導体基板の一方の面からアルカリ異方性エッチング
液を用いてエッチングを行い、前記半導体基板の一部領
域にPN接合部を底面とする凹部を形成する第1工程
と、次に、アルカリ異方性エッチング液を用いた電気化
学エッチングを行って前記凹部の底面の角部を曲面状に
する第2工程と、さらに、アルカリ異方性エッチング液
を用いた電気化学エッチングを行い前記凹部の側壁部に
底面の角部が曲面状となっている凹部を形成する第3工
程とを備えた半導体装置の製造方法をその要旨とする。
【0008】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、半導体基板に
おける一部領域に第1の凹部が形成されるとともに、第
1の凹部の底面部に第2の凹部が形成される。この第1
の凹部と第2の凹部とは、底面の角部が曲面状となって
いるので、強度的に優れている。又、薄肉部の周縁部は
厚さが異なる二段構造となり、一段構造に比べ角部が鋭
利ではなくなり、強度向上が図られる。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、第1工程
によりPN接合を有する半導体基板の一方の面からアル
カリ異方性エッチング液を用いてエッチングが行われ、
半導体基板の一部領域にPN接合部を底面とする凹部が
形成される。
【0010】そして、第2工程により、アルカリ異方性
エッチング液を用いた電気化学エッチングが行われ、凹
部の底面の角部が曲面状にされる。ここで、電気化学ス
トップエッチングの原理は、半導体の電位がパッシベー
ション電圧以上になると陽極酸化により酸化膜が形成さ
れるため半導体のエッチングが停止することを利用する
ものであり、第2工程においては、凹部の底部に陽極酸
化膜が形成されエッチングが停止し、この部分からは電
流が流れず凹部の側壁部を通って電流が流れ当該側壁部
がエッチングされるが、この際、パッシベーション電圧
の分布に沿って凹部の底面の角部が曲面状になるものと
考えられる。
【0011】さらに、第3工程によりアルカリ異方性エ
ッチング液を用いた電気化学エッチングが行われ、凹部
の側壁部に底面の角部が曲面状となっている凹部が形成
される。この第3工程において、凹部の底部に形成され
た陽極酸化膜にてこの部分からは電流が流れず凹部の側
壁部を通って電流が流れ当該側壁部がエッチングされて
凹部が形成され、かつ、この凹部の形状としてパッシベ
ーション電圧の分布に従ったものとなり凹部の底面の角
部が曲面状になるものと考えられる。
【0012】その結果、請求項1に記載の半導体装置が
製造される。
【0013】
【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に従って説明する。本実施例はピエゾ抵抗層を用いた半
導体圧力センサに具体化したものである。
【0014】図1には半導体圧力センサの断面を示し、
図2はそのダイヤフラム部の角部の要部拡大図である。
(110)面方位のP型シリコン基板1にはその一面に
厚さ10μmのN型エピタキシャル層2が形成され、こ
の積層体により半導体基板3が構成されている。P型シ
リコン基板1には一面に開口する第1の凹部5が形成さ
れ、この凹部5の底面5aにて薄肉部6が構成されてい
る。又、凹部5の底面5aの角部7が曲面状となってい
る。P型シリコン基板1における第1の凹部5の底面部
には第2の凹部8が形成され、この凹部8の底面8aに
て薄肉部9が構成されている。凹部8の底面8aの角部
10は曲面状となっている。より具体的には、図2に示
すように、薄肉部6の厚さt1は15〜20μmであ
り、薄肉部9の厚さt2が10〜15μmである。
【0015】薄肉部6,9によりダイヤフラム4が構成
され、ダイヤフラム4の外周部は図2に示すように二段
構造となっている。又、この二つの凹部5,8は電気化
学エッチングにより形成したものである。
【0016】図1においてN型エピタキシャル層2には
+ 型不純物拡散層11が形成され、このP+ 型不純物
拡散層11が歪みを感知するためのピエゾ抵抗となる。
N型エピタキシャル層2の表面にはシリコン酸化膜12
が形成されている。P+ 型不純物拡散層11がアルミ配
線13にてシリコン酸化膜12の表面側に電気的に引き
出されている。
【0017】次に、このように構成した半導体圧力セン
サの製造方法を説明していく。まず、図8に示すエッチ
ング前のシリコンウェハ(半導体基板3)を用意する。
これは、(110)面のP型シリコン基板1の一面にN
型エピタキシャル層2を成長させ、さらに、N型エピタ
キシャル層2の表面に金属膜52を形成し、P型シリコ
ン基板1の表面における所定領域にマスク材53を配置
したものである。マスク材53としてはシリコン窒化膜
(SiN)が用いられる。
【0018】図3には、半導体基板3にダイヤフラム4
を形成するための電気化学エッチング装置の概略図を示
す。電気化学エッチング装置は、基台14と筒状の枠体
15と蓋体16とを備え、これら部材は4フッ化エチレ
ン樹脂等が用いられ、高絶縁性で、かつ断熱性と耐蝕性
に優れている。基台14の上には枠体15の下面開口端
がOリング17により液密状態で保持可能な状態で配置
されるとともに、枠体15の上面開口端は蓋体16がO
リング18により液密状態で取り付けられている。この
基台14と枠体15と蓋体16とにより密閉容器が構成
され、この容器内にアルカリ異方性エッチング液として
の33wt%KOH水溶液19が配置できるようになっ
ている。
【0019】基台14の上面14aは平滑なる基板載置
面となっており、この上面14aにエッチングを行おう
とする半導体基板3が配置される。このとき、半導体基
板3のP型シリコン基板1が上を向きP型シリコン基板
1の表面が33wt%KOH水溶液19と接している。
又、半導体基板3の金属膜52(図8に示す)が基台1
4の上面14aと密接している。
【0020】基台14における上面(基板載置面)14
aの外周部には負圧室形成用凹部20が環状に設けられ
ている。枠体15の下面にはリング状のパッキン21が
固着され、このパッキン21は半導体基板3の外周縁を
挟んだ状態で負圧室形成用凹部20の開口部を塞いでい
る。そして、図示しない真空ポンプ等により負圧室形成
用凹部20内を真空引きすることにより、パッキン21
が吸引されて半導体基板3が移動不能に固定されるよう
になっている。このように、半導体基板3の外周縁での
エッチング面に対するマスキングはパッキン21により
行われる。又、この真空引きにより基台14と枠体15
とが吸引固定される。
【0021】図4に示すように、基台14にはその上面
(基板載置面)14aと負圧室形成用凹部20とを連通
する通路23が形成され、この通路23には陽極電極2
4が配置されている。陽極電極24の一端は負圧室形成
用凹部20においてナット25によりピン26と連結さ
れている。ピン26は連通孔27により基台14の外部
に露出し、かつ、Oリング28により気密が保持されて
いる。陽極電極24の先端は、半導体基板3の無い状態
においては基台14の上面14aから距離Lだけ突出
し、半導体基板3を基台14の上面14aに配置した状
態においては陽極電極24は図4に二点鎖線で示すよう
に撓む。このように、陽極電極24は半導体基板3の金
属膜52(図8に示す)に一定の接触圧をもって接触し
て半導体基板3に電圧が印加可能となる。
【0022】図3において、蓋体16には枠体15内に
至る供給通路29が設けられ、この供給通路29にてバ
ルブ30を通して33wt%KOH水溶液が、バルブ3
1を通して純水が、バルブ32を通して窒素ガスが、そ
れぞれ供給できるようになっている。又、蓋体16には
内部と外部を連通する排出通路33が設けられ、この排
出通路33の一端はパイプ34にて枠体15内の底部に
開口している。そして、このパイプ34および排出通路
33を通して枠体15内のKOH水溶液19や純水等が
排出できるようになっている。
【0023】棒状の陰極電極35が蓋体16を貫通する
状態で配置され、かつ、Oリング36にて気密が保持さ
れている。この陰極電極35は枠体15内の33wt%
KOH水溶液19に対し所定深さまで延びている。陰極
電極35と陽極電極24との間に、直流電源(1〜10
ボルト)37と電流計38と接点39とが直列接続され
ている。そして、接点39の閉路により直流電源(1〜
10ボルト)37にて陰極電極35と陽極電極24に電
位差が加えられる。このとき、電流計38により半導体
基板3から陰極電極35へ流れる電流が検出される。
【0024】ヒータ40が蓋体16を貫通する状態で配
置され、かつ、Oリング41にて気密が保持されてい
る。このヒータ40を通電することによりヒータ40が
発熱して33wt%KOH水溶液19を昇温することが
できる。温度センサ42が蓋体16を貫通する状態で配
置され、かつ、Oリング43にて気密が保持されてい
る。この温度センサ42によりKOH水溶液19の温度
が検出される。温度コントローラ44は温度センサ42
によるKOH水溶液19の温度を監視しつつヒータ40
を通電制御してKOH水溶液19の温度を110℃に保
持する。
【0025】枠体15内には攪拌翼45が配置され、蓋
体16に取り付けられたモータ46によりカップリング
47を介して攪拌翼45が回転してKOH水溶液19を
攪拌する。攪拌翼45はOリング48にて気密が保持さ
れている。
【0026】メインコントローラ49は開始スイッチ5
0からの信号によりエッチングの開始を検知するととと
もに電流計38からの信号により通電電流を検知する。
さらに、メインコントローラ49は接点39、モータ4
6、温度コントローラ44、バルブ30,31,32を
駆動制御するようになっている。メインコントローラ4
9はマイコンを中心に構成されている。
【0027】エッチングの際には、図3に示すように、
半導体基板3(シリコンウェハ)を基台14の上面14
aに配置し、負圧室形成用凹部20内を真空引きしてパ
ッキン21にて半導体基板3を固定する。
【0028】そして、メインコントローラ49は、図
5,6の処理を実行する。この処理を図7のタイムチャ
ートに基づき説明する。尚、図7の縦軸は通電電流値お
よび接点39の開閉状態をとっている。
【0029】まず、メインコントローラ49は、開始ス
イッチ50からエッチング開始信号を入力すると、図5
の処理を起動する。メインコントローラ49は、バルブ
30を開け、33wt%KOH水溶液19を所定量入れ
る。さらに、攪拌翼45によりKOH水溶液19を攪拌
しつつ、温度コントローラ44によりヒータ40を通電
制御してKOH水溶液19の温度を110℃に保持す
る。この状態から、メインコントローラ49は、ステッ
プ101で接点39を閉じ、ステップ102でフラグF
1およびF2を「0」にする。さらに、メインコントロ
ーラ49は、ステップ103で電流計38による今回の
電流値Ii を読み込み、ステップ104で今回の電流値
i と前回の電流値Ii-1 の差ΔIi (=Ii
i-1 )を算出する。
【0030】そして、メインコントローラ49は、ステ
ップ105で通電電流の変化率ΔI i が正から負に反転
したか否か判定する。即ち、図7で通電電流値がピーク
(図7でtp のタイミング)となったか否か判断する。
メインコントローラ49は、通電電流の変化率ΔIi
正から負に反転していないとステップ103に戻り、通
電電流の変化率ΔIi が正から負に反転するとステップ
106でフラグF1を「1」に設定する。
【0031】又、メインコントローラ49は、所定時間
毎に図6の割り込み処理を実行する。メインコントロー
ラ49はステップ201でフラグF2が「0」か否か判
定し、当初F2=0なので、ステップ202に移行す
る。メインコントローラ49はステップ202でフラグ
F1が「1」か否か判定し、当初F1=0なのでリター
ンする。
【0032】そして、メインコントローラ49は通電電
流値がピーク(図7でtp のタイミング)となりF1=
1となると、ステップ202からステップ203に移行
する。そして、メインコントローラ49はステップ20
3で通電電流の変化率ΔIiが「0」になったか否か判
定し、図7でのtp 〜t2 の期間ではΔIi が負となり
ΔIi ≠0なのでリターンする。
【0033】その後、メインコントローラ49は通電電
流の変化率ΔIi が「0」になると(図7でt2 のタイ
ミング)、ステップ204でフラグF2を「1」に設定
する。さらに、メインコントローラ49はステップ20
5でタイマをスタートさせ、このタイマによる通電電流
の変化率ΔIi が「0」になってからの時間が所定時間
T(数分から数十分)が経過したか否か判定する。メイ
ンコントローラ49は当初はタイマによる時間が所定時
間T、経過していないのでリターンする。次回以後の処
理においてはF2=1となっているので、ステップ20
1→205と進む。
【0034】そして、ステップ205において所定時間
Tが経過すると(図7のt3 のタイミング)、メインコ
ントローラ49はステップ206に移行して電気化学エ
ッチングを終了する。より詳しくは、メインコントロー
ラ49は所定時間Tが経過すると、KOH水溶液19を
排出してバルブ31を開いて純水で洗浄処理を行い、洗
浄完了(時間管理または電流のモニタリングで確認)
後、バルブ31を閉じ、攪拌翼45の回転を停止すると
ともに接点39を開け通電を終了した後、バルブ32を
開いて窒素ガスを供給して純水を排出して内部を乾燥す
る。
【0035】次に、負圧室形成用凹部20内の負圧を解
除して基台14と枠体15とを分離して半導体基板3
(シリコンウェハ)を取り出す。図7の通電電流値の挙
動についてより詳しく説明する。
【0036】図8に示す状態から電気化学エッチングが
開始され、通電開始後の図7の第1領域ではKOHと
シリコンとの化学反応により、P型シリコン基板1のエ
ッチングが進行する。これは、電圧が半導体基板3に供
給されているが、P型シリコン基板1とN型エピタキシ
ャル層2とによって形成されるPN接合によって半導体
基板3(シリコンウェハ)へ電流が供給されないためで
ある。
【0037】次の図7の第2領域ではピーク電流をも
つとともに、同領域では、図9に示すように、P型シ
リコン基板1の電気化学反応により陽極酸化が進行して
凹部8の形成が進む。この際、P型シリコン基板1の
(110)面がエッチングされ、側面が(100)面と
なる。PN空乏層がKOH水溶液19に接触することに
より電流が流れ、シリコンが酸化される。尚、第2領域
で緩やかなピークをもつのは、半導体基板3(シリコ
ンウェハ)の厚みの面分布(厚みのバラツキ)があるた
めである。
【0038】次の図7の第3領域におけるt2 のタイ
ミングでは、陽極酸化膜もエッチング速度が遅いとはい
えエッチングされるため、陽極酸化膜のエッチングと生
成とが平衡となる。この時点では、図9に示すように、
エッチング面(凹部8の底面)に凹凸が形成されてい
る。さらに、このt2 の時点からのKOH水溶液中での
電圧印加により、図10に示すように、エッチング面
(凹部8の底面)に形成された凹凸における凸部の傾斜
が緩やかになりダイヤフラムのエッチング面が徐々に平
滑となる。
【0039】さらに、KOH水溶液中での電圧印加によ
り、図11に示すように、凹部8の側面が電気化学エッ
チングされ、凹部8の底面の角部10が曲面状になる。
さらに、KOH水溶液中での電圧印加により、図12に
示すように、凹部8の側面(テーパ面)が電気化学エッ
チングされる。より詳しくは、KOH水溶液における
(100)面のエッチングレートに応じてエッチングが
進む。その結果、P型シリコン基板1における凹部8の
側壁部に凹部5が形成される。凹部5は、その底面によ
る薄肉部の厚さt1が凹部8の底面による薄肉部の厚さ
t2よりも厚く、かつ、当該底面の角部7が曲面状とな
っている。
【0040】このように、凹部8の底面の角部10が曲
面状になることと、凹部5が形成されるメカニズムは以
下の理由によるものと推測される。図13における上側
には半導体基板3の断面図を、又、下側にはそのX−X
断面での電圧分布を示す。この図13は凹部8の形成途
中(エッチング途中)を示す。電気化学ストップエッチ
ングの原理は、シリコンの電位がパッシベーション電圧
Vpp(例えば0.6ボルト)以上になると、陽極酸化反
応により酸化膜が形成されるため、シリコンのエッチン
グが停止することを利用している。つまり、エッチング
が停止する位置はシリコンの電位がパッシベーション電
圧Vpp以上となる箇所である。N型エピタキシャル層2
にパッシベーション電圧Vpp以上の電圧Vccが印加され
るためPN接合で空乏層が発生する。P型シリコン基板
1側の空乏層の先端はほぼパッシベーション電圧Vppと
等しいためエッチングはP型シリコン基板1側の空乏層
先端で停止する。すると、図14に示すように、エッチ
ング面に陽極酸化膜51が形成される。酸化膜51は絶
縁膜であるため電流はエッチングにより形成された凹部
8の側面(テーパ部)へ流れる。さらにこの状態で電気
化学エッチングが進行すると、図15に示すように、パ
ッシベーション電圧の分布に沿って凹部8の底面の角部
10が曲面状になるとともに、凹部5が形成され、段差
部が形成される。この際、凹部5の底面の角部7の形状
としてパッシベーション電圧の分布に従った曲面形状が
形成される。
【0041】このように本実施例では、PN接合を有す
る半導体基板3の一方の面からKOH水溶液19(アル
カリ異方性エッチング液)を用いて電気化学エッチング
を行い、半導体基板3の一部領域にPN接合部を底面と
する凹部8を形成し(第1工程)、KOH水溶液19を
用いた電気化学エッチングを行って凹部8の底面の角部
10を曲面状にし(第2工程)、KOH水溶液19を用
いた電気化学エッチングを行い凹部8の側壁部に底面5
aの角部7が曲面状となっている凹部5を形成した(第
3工程)。このように形成されたセンサにおいては、凹
部5と凹部8とは、底面の角部7,10が曲面状となっ
ているので、強度的に優れ、又、二段構造となり、凹部
5が無い場合(一段構造)に比べ、角部が鋭利ではなく
なり、強度向上が図られる。よって、ダイヤフラムの端
部が鋭利でなくなりダイヤフラムの耐圧が向上する。
【0042】又、本実施例では、図3に示したエッチン
グ装置を用いているのでダイヤフラムを短時間で形成で
きる。つまり、密閉容器となっているので110℃KO
H水溶液を用いても沸騰に伴う飛沫がなくエッチングレ
ートを82℃KOH水溶液を用いた場合の3倍速くでき
スループットを上げることができる。
【0043】尚、この発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、電気化学ストップエッチングの印
加電圧(図7のt1〜t2での印加電圧)と、それ以降
のエッチングの時の印加電圧(図7のt2〜t3での印
加電圧)を変えて、ダイヤフラム厚の異なる2段構造と
してもよい。この際、図7のt2以降の印加電圧を高く
すると段差の大きな2段構造となり、印加電圧を低くす
ると段差の小さな2段構造となる。これは印加電圧によ
りパッシベーション電圧(Vpp電圧)の分布が変化する
ためである。
【0044】又、上記実施例では(110)面シリコン
基板を用いたが、(100)面基板を用いてもよい。さ
らに、電圧印加を行うことなく半導体基板3(シリコン
ウェハ)をエッチング液に浸し、時間管理により凹部8
を形成した後に(図10に示す状態にした後に)、エッ
チング液中において半導体基板3に電圧を印加しながら
凹部8の底面8aの角部10を曲面状にするとともに凹
部5を形成してもよい。
【0045】又、エッチング液はKOH水溶液に限るこ
とはなく、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(T
MAH:(CH3 4 NOH)やエチレンジアミン等の
他のアルカリ異方性エッチング液でもよい。
【0046】さらに、前記実施例では通電電流値Ii
ピークを越えた後のΔIi =0となった時点(図7のt
2のタイミング)から所定時間Tが経過した時に電圧印
加を終了したが、通電電流のピーク時(図7のtp )か
ら所定時間T0 が経過した時に電圧印加を終了してもよ
い。
【0047】又、上記実施例では半導体圧力センサのダ
イヤフラムを形成する場合について説明したが、半導体
加速度センサの薄肉部(梁部)を形成する場合等に用い
ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、新規な構成にて薄肉部の強度向上を図るこ
とができる優れた効果を発揮する。
【0049】請求項2に記載の発明によれば、容易に請
求項1に記載の半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体圧力センサの断面図。
【図2】ダイヤフラム部の角部の要部拡大図。
【図3】実施例の電気化学エッチング装置の概略図。
【図4】電気化学エッチング装置の一部拡大図。
【図5】電気化学エッチング動作を説明するためのフロ
ーチャート。
【図6】電気化学エッチング動作を説明するためのフロ
ーチャート。
【図7】電気化学エッチング動作を説明するためのタイ
ムチャート。
【図8】電気化学エッチング動作を説明するための断面
図。
【図9】電気化学エッチング動作を説明するための断面
図。
【図10】電気化学エッチング動作を説明するための断
面図。
【図11】電気化学エッチング動作を説明するための断
面図。
【図12】電気化学エッチング動作を説明するための断
面図。
【図13】電気化学エッチング動作を説明するための断
面図および電圧分布図。
【図14】電気化学エッチング動作を説明するための断
面図および電圧分布図。
【図15】電気化学エッチング動作を説明するための断
面図および電圧分布図。
【符号の説明】
1…P型シリコン基板、2…N型エピタキシャル層、3
…半導体基板、5…第1の凹部、5a…底面、6…薄肉
部、7…角部、8…第2の凹部、8a…底面、10…角
部、19…アルカリ異方性エッチング液としてのKOH
水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康利 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内 (72)発明者 阿部 ▲よし▼次 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内 (72)発明者 田中 浩 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内 (72)発明者 伊藤 基樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 前記半導体基板の一面に開口し、この開口底面にて薄肉
    部を構成する第1の凹部と、 前記半導体基板における前記第1の凹部の前記開口底面
    に形成される第2の凹部とを備え、 前記第1の凹部の前記開口底面と前記第2の凹部の前記
    開口底面とで段差が形成されており、これら第1と第2
    の凹部の両底面の角部が共に曲面状とされていることを
    特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 PN接合を有する半導体基板の一方の面
    からアルカリ異方性エッチング液を用いてエッチングを
    行い、前記半導体基板の一部領域にPN接合部を底面と
    する凹部を形成する第1工程と、 次に、アルカリ異方性エッチング液を用いた電気化学エ
    ッチングを行って前記凹部の底面の角部を曲面状にする
    第2工程と、 さらに、アルカリ異方性エッチング液を用いた電気化学
    エッチングを行い前記凹部の側壁部に底面の角部が曲面
    状となっている凹部を形成する第3工程とを備えたこと
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
JP09894995A 1994-03-14 1995-04-24 半導体装置の製造方法 Expired - Lifetime JP3509275B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09894995A JP3509275B2 (ja) 1995-04-24 1995-04-24 半導体装置の製造方法
US08/637,128 US5949118A (en) 1994-03-14 1996-04-24 Etching method for silicon substrates and semiconductor sensor
US09/247,908 US6194236B1 (en) 1994-03-14 1999-02-11 Electrochemical etching method for silicon substrate having PN junction

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09894995A JP3509275B2 (ja) 1995-04-24 1995-04-24 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08293617A true JPH08293617A (ja) 1996-11-05
JP3509275B2 JP3509275B2 (ja) 2004-03-22

Family

ID=14233360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09894995A Expired - Lifetime JP3509275B2 (ja) 1994-03-14 1995-04-24 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3509275B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005037383A (ja) * 2003-06-26 2005-02-10 Kyocera Corp セラミックダイアフラム及びその製法並びに圧力センサ
CN103693614A (zh) * 2013-12-30 2014-04-02 中国电子科技集团公司第四十九研究所 圆弧应力匀散结构抗过载微压传感器的制造方法
WO2015107918A1 (ja) * 2014-01-17 2015-07-23 Nttエレクトロニクス株式会社 光路変換付き平面導波回路とその製造方法
WO2015107919A1 (ja) * 2014-01-17 2015-07-23 Nttエレクトロニクス株式会社 光路変換構造体及びその製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5160577A (ja) * 1974-11-25 1976-05-26 Tokyo Shibaura Electric Co Handotaiatsuryokukenshutsuki
JPS5852882A (ja) * 1981-09-25 1983-03-29 Hitachi Ltd 半導体圧力センサ
JPS6142956A (ja) * 1984-08-06 1986-03-01 Nec Corp 圧力センサ
JPS61172378A (ja) * 1985-01-28 1986-08-04 Nec Corp 圧力センサ
JPS6260270A (ja) * 1985-09-10 1987-03-16 Fujikura Ltd 圧力センサのダイアフラム形成法
JPS6365679A (ja) * 1986-09-05 1988-03-24 Omron Tateisi Electronics Co 集積化半導体圧力センサ
JPH02137273A (ja) * 1988-11-17 1990-05-25 Yokogawa Electric Corp シリコンダイアフラムの製造方法
JPH02159769A (ja) * 1988-12-14 1990-06-19 Yokogawa Electric Corp シリコン振動式歪センサの製造方法
JPH02211674A (ja) * 1989-02-10 1990-08-22 Mitsubishi Electric Corp 半導体圧力センサの製造方法
JPH02256278A (ja) * 1987-04-10 1990-10-17 Mitsubishi Electric Corp 半導体圧力センサ

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5160577A (ja) * 1974-11-25 1976-05-26 Tokyo Shibaura Electric Co Handotaiatsuryokukenshutsuki
JPS5852882A (ja) * 1981-09-25 1983-03-29 Hitachi Ltd 半導体圧力センサ
JPS6142956A (ja) * 1984-08-06 1986-03-01 Nec Corp 圧力センサ
JPS61172378A (ja) * 1985-01-28 1986-08-04 Nec Corp 圧力センサ
JPS6260270A (ja) * 1985-09-10 1987-03-16 Fujikura Ltd 圧力センサのダイアフラム形成法
JPS6365679A (ja) * 1986-09-05 1988-03-24 Omron Tateisi Electronics Co 集積化半導体圧力センサ
JPH02256278A (ja) * 1987-04-10 1990-10-17 Mitsubishi Electric Corp 半導体圧力センサ
JPH02137273A (ja) * 1988-11-17 1990-05-25 Yokogawa Electric Corp シリコンダイアフラムの製造方法
JPH02159769A (ja) * 1988-12-14 1990-06-19 Yokogawa Electric Corp シリコン振動式歪センサの製造方法
JPH02211674A (ja) * 1989-02-10 1990-08-22 Mitsubishi Electric Corp 半導体圧力センサの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005037383A (ja) * 2003-06-26 2005-02-10 Kyocera Corp セラミックダイアフラム及びその製法並びに圧力センサ
CN103693614A (zh) * 2013-12-30 2014-04-02 中国电子科技集团公司第四十九研究所 圆弧应力匀散结构抗过载微压传感器的制造方法
WO2015107918A1 (ja) * 2014-01-17 2015-07-23 Nttエレクトロニクス株式会社 光路変換付き平面導波回路とその製造方法
WO2015107919A1 (ja) * 2014-01-17 2015-07-23 Nttエレクトロニクス株式会社 光路変換構造体及びその製造方法
JP2015135403A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 Nttエレクトロニクス株式会社 光路変換構造体及びその製造方法
JP2015135402A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 Nttエレクトロニクス株式会社 光路変換付き平面導波回路とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3509275B2 (ja) 2004-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5949118A (en) Etching method for silicon substrates and semiconductor sensor
JP3509275B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2017163134A (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
US5173149A (en) Method of etching semiconductor substrate
US20130012028A1 (en) High purity, environmentally clean method and apparatus, for high rate, liquid anisotropic etching of single crystal silicon or etching of polycrystalline silicon, using an overpressure of ammonia gas above aqueous ammonium hydroxide
JP3508547B2 (ja) Siウエハのエッチング方法
JP4148547B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US6284670B1 (en) Method of etching silicon wafer and silicon wafer
JPS6484644A (en) Manufacture of semiconductor element
US6455429B1 (en) Method of producing large-area membrane masks
CA2610693C (en) Thinning of a si wafer for mems-sensors applications
JPH11168084A (ja) シリコン基板のエッチング方法
JPH11111676A (ja) シリコンウエハのエッチング方法
US6716365B2 (en) Method for wet etching and wet etching apparatus
JP3417038B2 (ja) シリコン基板のエッチング方法
US6974709B2 (en) Method and device for providing a semiconductor etching end point and for detecting the end point
JP3460584B2 (ja) Siダイヤフラムとその製造方法
Spiering et al. Realization of mechanical decoupling zones for package-stress reduction
JPH08264504A (ja) 半導体基板のエッチング方法およびエッチング装置
JP2000286332A (ja) ドライエッチング用静電チャック装置及び載置台
JPH11111675A (ja) シリコンウエハのエッチング方法
JP3500814B2 (ja) 半導体ウエハのエッチング装置およびその方法
JP2004288920A (ja) 半導体基板のエッチング方法
JPS60154575A (ja) 半導体圧力検出素子の製造方法
JP2008130937A (ja) ダイヤフラムを具備した構造体の製造方法、半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term