JP3500814B2 - 半導体ウエハのエッチング装置およびその方法 - Google Patents
半導体ウエハのエッチング装置およびその方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特にエッチング
面の荒れの発生が効果的に抑制されて、高品質のエッチ
ング加工が行われるように改良した半導体ウエハのエッ
チング装置およびその方法に関する。
面の荒れの発生が効果的に抑制されて、高品質のエッチ
ング加工が行われるように改良した半導体ウエハのエッ
チング装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハをエッチング加工するため
の手段として、エッチング槽内のエッチング液を加熱す
ることが知られている。例えばエッチング槽を発熱体の
上に乗せて底面部にヒータを設置し、このヒータにより
エッチング液を加熱して、この加熱されたエッチング液
内に所定のエッチングマスクを施した半導体ウエハを設
置する。しかし、この様にエッチング槽の底部に外部ヒ
ータを設置するような構成では、エッチング液を所定温
度まで上昇させるために多くの時間を要し、作業効率の
面で問題を有する。
の手段として、エッチング槽内のエッチング液を加熱す
ることが知られている。例えばエッチング槽を発熱体の
上に乗せて底面部にヒータを設置し、このヒータにより
エッチング液を加熱して、この加熱されたエッチング液
内に所定のエッチングマスクを施した半導体ウエハを設
置する。しかし、この様にエッチング槽の底部に外部ヒ
ータを設置するような構成では、エッチング液を所定温
度まで上昇させるために多くの時間を要し、作業効率の
面で問題を有する。
【0003】この様な問題に対処するため、液槽内のエ
ッチング液内にヒータを投入し、このヒータによってエ
ッチング液を直接的に加熱することが考えられている。
この場合使用されるヒータは、例えばアルカリエッチン
グ液に対して耐蝕性に富むものである必要があり、この
アルカリエッチング液に耐えることのできる金属材料で
ある、例えばNi材料によって被覆している。
ッチング液内にヒータを投入し、このヒータによってエ
ッチング液を直接的に加熱することが考えられている。
この場合使用されるヒータは、例えばアルカリエッチン
グ液に対して耐蝕性に富むものである必要があり、この
アルカリエッチング液に耐えることのできる金属材料で
ある、例えばNi材料によって被覆している。
【0004】この様にすれば、エッチング液の加熱時間
が充分に短縮されるが、ヒータから漏れるようになる微
弱電流がアルカリエッチング液を変質させて、被加工物
であるシリコンウエハの加工面が大きく荒れる。例え
ば、シリコンウエハによって極く薄い構造とされるシリ
コンダイヤフラムを加工しようとした場合、その加工精
度が低下して、例えば高感度の精度の高いセンサ作製す
るのが困難となる。
が充分に短縮されるが、ヒータから漏れるようになる微
弱電流がアルカリエッチング液を変質させて、被加工物
であるシリコンウエハの加工面が大きく荒れる。例え
ば、シリコンウエハによって極く薄い構造とされるシリ
コンダイヤフラムを加工しようとした場合、その加工精
度が低下して、例えば高感度の精度の高いセンサ作製す
るのが困難となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な点に鑑みなされたもので、例えば極く薄く構成される
シリコンダイヤフラム等の製造に係る微細加工が高精度
に行われて、エッチングによる被加工物の信頼性が確保
されるように、加工面の荒れの発生が阻止されるように
した半導体ウエハのエッチング装置およびその方法を提
供しようとするものである。
な点に鑑みなされたもので、例えば極く薄く構成される
シリコンダイヤフラム等の製造に係る微細加工が高精度
に行われて、エッチングによる被加工物の信頼性が確保
されるように、加工面の荒れの発生が阻止されるように
した半導体ウエハのエッチング装置およびその方法を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体ウエハ
のエッチング装置は、KOH水溶液によって構成されこ
のKOH水溶液が25〜40 wt % に設定されるアルカ
リエッチング液を満たしたエッチング槽と、このエッチ
ング槽内に投入設定され、前記エッチング液を直接加熱
し、少なくとも100℃以上に加熱するヒータと、この
ヒータの表面に形成され、前記エッチング液に対して前
記ヒータ表面よりも高耐蝕性を有し且つ電気的絶縁性に
富む絶縁体樹脂材料で構成した被覆層とを具備し、前記
ヒータによって加熱された前記エッチング液内に、シリ
コンウエハによって構成されその(110)面をエッチ
ング加工すべき半導体ウエハが設定されるようにしてい
る。またこの発明の半導体ウエハのエッチング装置は、
KOH水溶液によって構成されこのKOH水溶液が25
〜40 wt % に設定されるエッチング液で満たされ、こ
のエッチング液を直接加熱する第1のヒータが設定され
た加熱槽と、前記加熱された加熱槽のエッチング液が移
し変えられ、そのエッチング液に対して高耐蝕性を有し
且つ電気的絶縁性に富む絶縁体樹脂材料で被覆した第2
のヒータが投入され少なくとも100℃以上に加熱設定
されるエッチング槽とを具備し、このエッチング槽内
に、シリコンウエハによって構成されその(110)面
をエッチング加工すべき半導体ウエハが設置されるよう
にしている。
のエッチング装置は、KOH水溶液によって構成されこ
のKOH水溶液が25〜40 wt % に設定されるアルカ
リエッチング液を満たしたエッチング槽と、このエッチ
ング槽内に投入設定され、前記エッチング液を直接加熱
し、少なくとも100℃以上に加熱するヒータと、この
ヒータの表面に形成され、前記エッチング液に対して前
記ヒータ表面よりも高耐蝕性を有し且つ電気的絶縁性に
富む絶縁体樹脂材料で構成した被覆層とを具備し、前記
ヒータによって加熱された前記エッチング液内に、シリ
コンウエハによって構成されその(110)面をエッチ
ング加工すべき半導体ウエハが設定されるようにしてい
る。またこの発明の半導体ウエハのエッチング装置は、
KOH水溶液によって構成されこのKOH水溶液が25
〜40 wt % に設定されるエッチング液で満たされ、こ
のエッチング液を直接加熱する第1のヒータが設定され
た加熱槽と、前記加熱された加熱槽のエッチング液が移
し変えられ、そのエッチング液に対して高耐蝕性を有し
且つ電気的絶縁性に富む絶縁体樹脂材料で被覆した第2
のヒータが投入され少なくとも100℃以上に加熱設定
されるエッチング槽とを具備し、このエッチング槽内
に、シリコンウエハによって構成されその(110)面
をエッチング加工すべき半導体ウエハが設置されるよう
にしている。
【0007】 またこの発明の半導体ウエハのエッチン
グ方法は、KOH水溶液によって構成されこのKOH水
溶液が25〜40 wt % に設定されるアルカリエッチン
グ液で満たされたエッチング槽内の前記エッチング液
を、表面を前記エッチング液に対してヒータ表面よりも
高耐蝕性を有し且つ電気的絶縁性に富む絶縁体樹脂材料
で被覆したヒータで直接加熱し、エッチング液を少なく
とも100℃以上に加熱する工程と、この加熱されたエ
ッチング液内に、シリコンウエハによって構成されその
(110)面をエッチング加工すべき半導体ウエハを設
置し、所定時間エッチングする工程と、このエッチング
加工された前記半導体ウエハを水洗する工程とを備え
る。
グ方法は、KOH水溶液によって構成されこのKOH水
溶液が25〜40 wt % に設定されるアルカリエッチン
グ液で満たされたエッチング槽内の前記エッチング液
を、表面を前記エッチング液に対してヒータ表面よりも
高耐蝕性を有し且つ電気的絶縁性に富む絶縁体樹脂材料
で被覆したヒータで直接加熱し、エッチング液を少なく
とも100℃以上に加熱する工程と、この加熱されたエ
ッチング液内に、シリコンウエハによって構成されその
(110)面をエッチング加工すべき半導体ウエハを設
置し、所定時間エッチングする工程と、このエッチング
加工された前記半導体ウエハを水洗する工程とを備え
る。
【0008】この様にアルカリエッチング液を加熱する
に際して使用されるヒータに、このエッチング液に対し
て耐性を有すると共に、電気的な絶縁性に富む被覆を形
成することにより、アルカリエッチング液に流れる微小
電流が確実に阻止されて、この微小電流によるエッチン
グ液の変質が防止される。したがって、シリコンウエハ
等の被エッチング加工材料の表面に荒れの発生が確実に
抑制され、精度の高いエッチング加工が確実に実行され
るようになって、例えば極く薄い板状に加工される圧力
検出用等に使用されるシリコンダイヤフラムの加工等
も、高精度で信頼性が容易に確保されるように加工可能
とされる。
に際して使用されるヒータに、このエッチング液に対し
て耐性を有すると共に、電気的な絶縁性に富む被覆を形
成することにより、アルカリエッチング液に流れる微小
電流が確実に阻止されて、この微小電流によるエッチン
グ液の変質が防止される。したがって、シリコンウエハ
等の被エッチング加工材料の表面に荒れの発生が確実に
抑制され、精度の高いエッチング加工が確実に実行され
るようになって、例えば極く薄い板状に加工される圧力
検出用等に使用されるシリコンダイヤフラムの加工等
も、高精度で信頼性が容易に確保されるように加工可能
とされる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
一実施の形態を説明する。この実施の形態にあっては、
アルカリエッチング液の内部にヒータを設置し、このヒ
ータによってエッチング液を加熱した状態でシリコンウ
エハをエッチング加工するもので、ここで使用されるヒ
ータには、エッチング液との絶縁性を保つために、絶縁
被覆が施されている。
一実施の形態を説明する。この実施の形態にあっては、
アルカリエッチング液の内部にヒータを設置し、このヒ
ータによってエッチング液を加熱した状態でシリコンウ
エハをエッチング加工するもので、ここで使用されるヒ
ータには、エッチング液との絶縁性を保つために、絶縁
被覆が施されている。
【0010】当然、このヒータはエッチング液中に浸さ
れて設定されるものであるため、このエッチング液に対
しての耐性も充分に確保された被覆材料が選定される。
したがって、ヒータの表面とエッチング液との間が電気
的に画一に絶縁されており、アルカリエッチング液のヒ
ータから漏れる微小電流による変質の発生が確実に阻止
され、エッチング面の大きな荒れの発生が防止される。
れて設定されるものであるため、このエッチング液に対
しての耐性も充分に確保された被覆材料が選定される。
したがって、ヒータの表面とエッチング液との間が電気
的に画一に絶縁されており、アルカリエッチング液のヒ
ータから漏れる微小電流による変質の発生が確実に阻止
され、エッチング面の大きな荒れの発生が防止される。
【0011】図1の(A)〜(C)はシリコンウエハの
エッチング加工の過程を順次示しているもので、この例
にあってはアルカリエッチング液としてKOH水溶液が
使用され、まず(A)図で示すようにエッチング液槽11
の内部にKOH水溶液によるアルカリエッチング液12が
満たされる。そして、このエッチング液12の内部に電源
に接続されたヒータ13が浸されて、エッチング液12がこ
のヒータ13によって直接的に高能率で加熱されるように
する。
エッチング加工の過程を順次示しているもので、この例
にあってはアルカリエッチング液としてKOH水溶液が
使用され、まず(A)図で示すようにエッチング液槽11
の内部にKOH水溶液によるアルカリエッチング液12が
満たされる。そして、このエッチング液12の内部に電源
に接続されたヒータ13が浸されて、エッチング液12がこ
のヒータ13によって直接的に高能率で加熱されるように
する。
【0012】ここで、アルカリエッチング液12中に浸さ
れるヒータ13は、直接エッチング液12に接触されること
がないように、被覆14が施されているもので、この被覆
14の材料としては、アルカリエッチング液12に対しての
耐性が充分に確保され、且つ電気的な絶縁性に富む材料
が選定される。具体的には、フッソ素樹脂が選択され、
このフッ素樹脂による被覆がヒータ13に対して施され
る。
れるヒータ13は、直接エッチング液12に接触されること
がないように、被覆14が施されているもので、この被覆
14の材料としては、アルカリエッチング液12に対しての
耐性が充分に確保され、且つ電気的な絶縁性に富む材料
が選定される。具体的には、フッソ素樹脂が選択され、
このフッ素樹脂による被覆がヒータ13に対して施され
る。
【0013】この様にしてエッチング液槽11の内部のア
ルカリエッチング液12がヒータ13によって加熱されたな
らば、(B)図で示すようにこのエッチング液12の内部
に加工すべきシリコンウエハ15を投入設置する。この場
合、この図では詳細に図示していないが、シリコンウエ
ハ15の表面には適宜エッチングパターンに対応したマス
クが形成されており、このマスクパターンに対応したエ
ッチング加工が施されるもので、このシリコンウエハ15
の(110)面がエッチング加工される。そして、所定
のエッチング加工が施された後は、(C)図で示すよう
に別置の水槽16の内部で、この加工されたシリコンウエ
ハ15を水洗する。
ルカリエッチング液12がヒータ13によって加熱されたな
らば、(B)図で示すようにこのエッチング液12の内部
に加工すべきシリコンウエハ15を投入設置する。この場
合、この図では詳細に図示していないが、シリコンウエ
ハ15の表面には適宜エッチングパターンに対応したマス
クが形成されており、このマスクパターンに対応したエ
ッチング加工が施されるもので、このシリコンウエハ15
の(110)面がエッチング加工される。そして、所定
のエッチング加工が施された後は、(C)図で示すよう
に別置の水槽16の内部で、この加工されたシリコンウエ
ハ15を水洗する。
【0014】従来にあっては、エッチング液を直接的に
加熱するヒータとしては、アルカリエッチング液に対す
る耐性を考慮して、Ni被覆を施したヒータが用いられ
ている。この様なNi被覆を施したヒータを用いた場合
には、エッチング液の加熱に際して、アルカリエッチン
グ液中に微小電流が流れる。
加熱するヒータとしては、アルカリエッチング液に対す
る耐性を考慮して、Ni被覆を施したヒータが用いられ
ている。この様なNi被覆を施したヒータを用いた場合
には、エッチング液の加熱に際して、アルカリエッチン
グ液中に微小電流が流れる。
【0015】この様にエッチング液中に微小電流が流れ
るNi被覆を施したヒータを用いてエッチング液を直接
加熱し、このエッチング液内に被加工物であるシリコン
ウエハを投入して、このシリコンの(110)面ウエハ
をエッチング加工した場合、アルカリエッチング液(K
OH水溶液)の温度、KOH濃度によるエッチング加工
面の粗さの変化の状況を実験的に試み検査すると、図2
で示すような結果が得られた。
るNi被覆を施したヒータを用いてエッチング液を直接
加熱し、このエッチング液内に被加工物であるシリコン
ウエハを投入して、このシリコンの(110)面ウエハ
をエッチング加工した場合、アルカリエッチング液(K
OH水溶液)の温度、KOH濃度によるエッチング加工
面の粗さの変化の状況を実験的に試み検査すると、図2
で示すような結果が得られた。
【0016】すなわちこの様な場合にあっては、KOH
のどの濃度においてもエッチング加工面の粗さは4μm
以上となるものであり、またKOH水溶液の温度による
影響は小さかった。
のどの濃度においてもエッチング加工面の粗さは4μm
以上となるものであり、またKOH水溶液の温度による
影響は小さかった。
【0017】次に実施の形態で説明したように、ヒータ
13の表面にフッ素樹脂による被覆14を施し、このヒータ
13によってアルカリエッチング液12を直接的に加熱して
シリコンウエハ15の(110)面をエッチング加工した
ときには、KOH水溶液の温度さらに濃度によるエッチ
ング加工面の粗さの変化の状況は、同じく図2に対比し
て示されるようになる。
13の表面にフッ素樹脂による被覆14を施し、このヒータ
13によってアルカリエッチング液12を直接的に加熱して
シリコンウエハ15の(110)面をエッチング加工した
ときには、KOH水溶液の温度さらに濃度によるエッチ
ング加工面の粗さの変化の状況は、同じく図2に対比し
て示されるようになる。
【0018】すなわち、フッ素樹脂被覆14を施したヒー
タ13を用いた場合には、エッチング加工面の粗さは、K
OH水溶液濃度に対しては約40wt%までは小さく、
これを越えるとエッチング加工面の粗さが大きくなっ
た。また、KOH水溶液の温度らに対しては、40wt
%以下の濃度においては温度が上昇するほど、シリコン
ウエハの加工面の粗さが小さくなった。
タ13を用いた場合には、エッチング加工面の粗さは、K
OH水溶液濃度に対しては約40wt%までは小さく、
これを越えるとエッチング加工面の粗さが大きくなっ
た。また、KOH水溶液の温度らに対しては、40wt
%以下の濃度においては温度が上昇するほど、シリコン
ウエハの加工面の粗さが小さくなった。
【0019】この図2から明確とされるように、KOH
水溶液(アルカリエッチング液12)を直接加熱するヒー
タ13の被覆15の材料をフッ素樹脂材料とすると、シリコ
ンウエハ15の(110)面のエッチング加工面の粗さ
を、最大約1/10に低減できることが確認された。ま
た、この図から明らかとされるように、KOH水溶液の
濃度が25〜40wt%であり、且つKOH水溶液の温
度が100℃以上の条件において、エッチング加工面の
粗さを低減できる効果が顕著である。ここで、ヒータ13
の被覆15の材料としては、実施の形態に示したフッ素樹
脂に限らず、ポリプロピレン(PP)等のアルカリエッ
チング液12に耐えることのできる絶縁体樹脂であれば適
用可能である。
水溶液(アルカリエッチング液12)を直接加熱するヒー
タ13の被覆15の材料をフッ素樹脂材料とすると、シリコ
ンウエハ15の(110)面のエッチング加工面の粗さ
を、最大約1/10に低減できることが確認された。ま
た、この図から明らかとされるように、KOH水溶液の
濃度が25〜40wt%であり、且つKOH水溶液の温
度が100℃以上の条件において、エッチング加工面の
粗さを低減できる効果が顕著である。ここで、ヒータ13
の被覆15の材料としては、実施の形態に示したフッ素樹
脂に限らず、ポリプロピレン(PP)等のアルカリエッ
チング液12に耐えることのできる絶縁体樹脂であれば適
用可能である。
【0020】図3はこの様なエッチング加工を実施する
具体例について説明するもので、例えばシリコンダイヤ
フラムを加工する場合の例を示している。まず(A)図
で示すようにpn接合を形成したシリコンウエハ15の加
工面に、マスク20を形成するもので、このマスク20には
エッチングすべき範囲に開口201 が形成されている。そ
して、このシリコンウエハ15に逆バイアスを印加し、p
型のシリコンウエハ21のみが選択エッチングされる電気
化学ストップエッチングを行う。
具体例について説明するもので、例えばシリコンダイヤ
フラムを加工する場合の例を示している。まず(A)図
で示すようにpn接合を形成したシリコンウエハ15の加
工面に、マスク20を形成するもので、このマスク20には
エッチングすべき範囲に開口201 が形成されている。そ
して、このシリコンウエハ15に逆バイアスを印加し、p
型のシリコンウエハ21のみが選択エッチングされる電気
化学ストップエッチングを行う。
【0021】この場合、シリコンウエハ15(p型のシリ
コンウエハ21)の裏面には、このエッチング工程ではエ
ッチングされないn型のシリコン層22が全面に形成され
ている。そして、この状態で電気化学エッチングを行う
と、(B)図で示すようにp型シリコンウエハ21部分が
マスク20の開口201 に合わせてエッチングされ、このエ
ッチング加工がn型シリコン層22に至るまで行われて、
このn型シリコン層22によるダイヤフラム221 が加工形
成されるようになる。
コンウエハ21)の裏面には、このエッチング工程ではエ
ッチングされないn型のシリコン層22が全面に形成され
ている。そして、この状態で電気化学エッチングを行う
と、(B)図で示すようにp型シリコンウエハ21部分が
マスク20の開口201 に合わせてエッチングされ、このエ
ッチング加工がn型シリコン層22に至るまで行われて、
このn型シリコン層22によるダイヤフラム221 が加工形
成されるようになる。
【0022】ここで、電気化学ストップエッチングがで
きる装置を用い、アルカリエッチング液としてKOH水
溶液を使用して実験を行った。この場合、KOH水溶液
の濃度は32wt%に設定いると共に、KOH水溶液の
温度は110℃に設定した。また、アルカリエッチング
液の加熱は、その加熱に際してエッチング液と電気的な
導通が設定される、Niおよびステンレス(SUS304)の
被覆を施したヒータを用いた例と、ヒータの表面にエッ
チング液と絶縁するフッ素樹脂被覆を施した3種類のヒ
ータを用いて実験を行った。
きる装置を用い、アルカリエッチング液としてKOH水
溶液を使用して実験を行った。この場合、KOH水溶液
の濃度は32wt%に設定いると共に、KOH水溶液の
温度は110℃に設定した。また、アルカリエッチング
液の加熱は、その加熱に際してエッチング液と電気的な
導通が設定される、Niおよびステンレス(SUS304)の
被覆を施したヒータを用いた例と、ヒータの表面にエッ
チング液と絶縁するフッ素樹脂被覆を施した3種類のヒ
ータを用いて実験を行った。
【0023】図4はこの様な実験の結果を示しているも
ので、ヒータの被覆材料がNiおよびステンレス材料で
構成された場合には、エッチング加工面のに約5μmの
荒れが生じたのに対して、ヒータにフッ素樹脂被覆を施
した場合には、エッチング面の粗さは0.6μm以下と
ほぼ平滑なエッチング加工面が得られることが確認され
た。
ので、ヒータの被覆材料がNiおよびステンレス材料で
構成された場合には、エッチング加工面のに約5μmの
荒れが生じたのに対して、ヒータにフッ素樹脂被覆を施
した場合には、エッチング面の粗さは0.6μm以下と
ほぼ平滑なエッチング加工面が得られることが確認され
た。
【0024】上記実施の形態にあってはエッチング槽内
のエッチング液をヒータによって直接加熱し、その中に
被加工物であるシリコンウエハを投入したが、これはエ
ッチング液を予め加熱する槽と、ウエハをエッチングす
る槽とを別にするようにしてもよい。
のエッチング液をヒータによって直接加熱し、その中に
被加工物であるシリコンウエハを投入したが、これはエ
ッチング液を予め加熱する槽と、ウエハをエッチングす
る槽とを別にするようにしてもよい。
【0025】すなわち、図5の(A)で示すように予め
別に加熱槽25を用意し、この槽25の内部をKOH水溶液
等のエッチング液12で満たす。そして、このエッチング
液12の内部にヒータ26を設置する。この場合、この加熱
槽25においてエッチングを実行するものではないので、
ヒータ26にはNi被覆27が施されている。そして、この
ヒータ26によって加熱槽25内のエッチング液12を所定温
度まで加熱する。
別に加熱槽25を用意し、この槽25の内部をKOH水溶液
等のエッチング液12で満たす。そして、このエッチング
液12の内部にヒータ26を設置する。この場合、この加熱
槽25においてエッチングを実行するものではないので、
ヒータ26にはNi被覆27が施されている。そして、この
ヒータ26によって加熱槽25内のエッチング液12を所定温
度まで加熱する。
【0026】また、この加熱槽25とは別に(B)図で示
すようにエッチング槽11が用意されており、このエッチ
ング槽11の内部には、フッ素樹脂被覆14の施されたヒー
タ13が設置されている。そして、このエッチング槽11の
内部に、加熱槽25で加熱されたエッチング液12が移さ
れ、さらに加工すべきシリコンウエハ15がそのエッチン
グ液12の内部に設定されるようにする。
すようにエッチング槽11が用意されており、このエッチ
ング槽11の内部には、フッ素樹脂被覆14の施されたヒー
タ13が設置されている。そして、このエッチング槽11の
内部に、加熱槽25で加熱されたエッチング液12が移さ
れ、さらに加工すべきシリコンウエハ15がそのエッチン
グ液12の内部に設定されるようにする。
【0027】この様な過程でシリコンウエハ15のエッチ
ングを行うに際して、使用するアルカリエッチング液12
として32wt%のKOH水溶液を用い、そのエッチン
グ液12の温度は110℃の条件に基づきエッチングを行
った。この様なエッチング工程におけるエッチング面の
粗さは、ヒータの各被覆材料に対応して図6で示すよう
になるもので、Ni材料で被覆したヒータを用いた場合
には約5μmの荒れが生じたが、同じ条件下でヒータ13
にフッ素樹脂被覆14を施した場合には、エッチング面の
粗さは0.6μm以下と、ほぼ平滑なエッチング加工面
が得られることが確認された。
ングを行うに際して、使用するアルカリエッチング液12
として32wt%のKOH水溶液を用い、そのエッチン
グ液12の温度は110℃の条件に基づきエッチングを行
った。この様なエッチング工程におけるエッチング面の
粗さは、ヒータの各被覆材料に対応して図6で示すよう
になるもので、Ni材料で被覆したヒータを用いた場合
には約5μmの荒れが生じたが、同じ条件下でヒータ13
にフッ素樹脂被覆14を施した場合には、エッチング面の
粗さは0.6μm以下と、ほぼ平滑なエッチング加工面
が得られることが確認された。
【0028】図7にフッ素樹脂被覆をしたヒータを用い
てエッチングを行った場合のフッ素樹脂被覆の厚さと、
エッチング面の粗さとの関係を示している。この場合、
エッチング液は32wt%の濃度のKOH水溶液を用
い、その温度は110℃に保って行った。その結果、フ
ッ素樹脂被覆の厚さが50μm以上に設定されたヒータ
に用いた場合は、エッチング加工面の粗さが0.6μm
以下となり、ほぼ平滑なエッチング面が得られることが
確認された。
てエッチングを行った場合のフッ素樹脂被覆の厚さと、
エッチング面の粗さとの関係を示している。この場合、
エッチング液は32wt%の濃度のKOH水溶液を用
い、その温度は110℃に保って行った。その結果、フ
ッ素樹脂被覆の厚さが50μm以上に設定されたヒータ
に用いた場合は、エッチング加工面の粗さが0.6μm
以下となり、ほぼ平滑なエッチング面が得られることが
確認された。
【図1】(A)〜(C)はこの発明の一実施の形態に係
る半導体ウエハのエッチング方法を順次説明するための
図。
る半導体ウエハのエッチング方法を順次説明するための
図。
【図2】上記実施例に係るエッチング方法と従来のエッ
チング方法とを対比して説明するためのエッチング面の
粗さを説明する図。
チング方法とを対比して説明するためのエッチング面の
粗さを説明する図。
【図3】(A)および(B)は上記エッチング方法で加
工されるシリコンダイヤフラムの製造工程を説明するた
めの図。
工されるシリコンダイヤフラムの製造工程を説明するた
めの図。
【図4】従来と上記実施の形態におけるヒータの被覆材
料とエッチング加工面の粗さとの関係を説明する図。
料とエッチング加工面の粗さとの関係を説明する図。
【図5】(A)および(B)はこの発明の第2の実施の
形態を順次説明する図。
形態を順次説明する図。
【図6】この実施の形態におけるヒータの被覆材料とエ
ッチング加工面の粗さとの関係を説明する図。
ッチング加工面の粗さとの関係を説明する図。
【図7】ヒータにフッ素樹脂被覆を施した場合の被覆層
の厚さとエッチング加工面の粗さとの関係を説明する
図。
の厚さとエッチング加工面の粗さとの関係を説明する
図。
11…エッチング層、12…エッチング液(KOH水溶
液)、13…ヒータ、14…被覆、15…シリコンウエハ、16
…水槽、20…マスク、201 …開口、21…p型シリコンウ
エハ、22…n型シリコン層、221 …ダイヤフラム、25…
加熱槽、 26…ヒータ、27…被覆(Niあるいはステン
レス)。
液)、13…ヒータ、14…被覆、15…シリコンウエハ、16
…水槽、20…マスク、201 …開口、21…p型シリコンウ
エハ、22…n型シリコン層、221 …ダイヤフラム、25…
加熱槽、 26…ヒータ、27…被覆(Niあるいはステン
レス)。
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フロントページの続き
(72)発明者 伊藤 基樹
愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本
電装株式会社内
(56)参考文献 特開 平4−103781(JP,A)
特開 平4−192525(JP,A)
特開 平7−111257(JP,A)
実開 平5−46030(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/3063
H01L 21/308
Claims (5)
- 【請求項1】KOH水溶液によって構成されこのKOH
水溶液が25〜40 wt % に設定されるアルカリエッチ
ング液を満たしたエッチング槽と、 このエッチング槽内に投入設定され、前記エッチング液
を直接加熱し、少なくとも100℃以上に加熱するヒー
タと、 このヒータの表面に形成され、前記エッチング液に対し
て前記ヒータ表面よりも高耐蝕性を有し且つ電気的絶縁
性に富む絶縁体樹脂材料で構成した被覆層とを具備し、前記 ヒータによって加熱された前記エッチング液内に、
シリコンウエハによって構成されその(110)面をエ
ッチング加工すべき半導体ウエハが設定されるようにし
たことを特徴とする半導体ウエハのエッチング装置。 - 【請求項2】KOH水溶液によって構成されこのKOH
水溶液が25〜40 wt % に設定されるエッチング液で
満たされ、このエッチング液を直接加熱する第1のヒー
タが設定された加熱槽と、 前記加熱された加熱槽のエッチング液が移し変えられ、
そのエッチング液に対して高耐蝕性を有し且つ電気的絶
縁性に富む絶縁体樹脂材料で被覆した第2のヒータが投
入され少なくとも100℃以上に加熱設定されるエッチ
ング槽とを具備し、 このエッチング槽内に、シリコンウエハによって構成さ
れその(110)面をエッチング加工すべき半導体ウエ
ハが設置されるようにしたことを特徴とする半導体ウエ
ハのエッチング装置。 - 【請求項3】前記エッチング槽に設定されるヒータを被
覆する高耐蝕性を有し且つ電気的絶縁性に富む絶縁体樹
脂材料は、フッ素系樹脂で構成され、その厚さが50μ
m以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の半
導体ウエハのエッチング装置。 - 【請求項4】KOH水溶液によって構成されこのKOH
水溶液が25〜40 wt % に設定されるアルカリエッチ
ング液で満たされたエッチング槽内の前記エッチング液
を、表面を前記エッチング液に対してヒータ表面よりも
高耐蝕性を有し且つ電気的絶縁性に富む絶縁体樹脂材料
で被覆したヒータで直接加熱し、エッチング液を少なく
とも100℃以上に加熱する工程と、 この加熱されたエッチング液内に、シリコンウエハによって構成されその(110)面を エ
ッチング加工すべき半導体ウエハを設置し、所定時間エ
ッチングする工程と、 このエッチング加工された前記半導体ウエハを水洗する
工程と、 を具備したことを特徴とする半導体ウエハのエッチング
方法。 - 【請求項5】前記エッチング槽に設定されるヒータを被
覆する高耐蝕性を有し且つ電気的絶縁性に富む絶縁体樹
脂材料は、フッ素系樹脂で構成され、その厚さが50μ
m以上であることを特徴とする請求項4記載の半導体ウ
エハのエッチング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31814395A JP3500814B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 半導体ウエハのエッチング装置およびその方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31814395A JP3500814B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 半導体ウエハのエッチング装置およびその方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09162160A JPH09162160A (ja) | 1997-06-20 |
JP3500814B2 true JP3500814B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=18095983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31814395A Expired - Fee Related JP3500814B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 半導体ウエハのエッチング装置およびその方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3500814B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000077381A (ja) | 1998-09-02 | 2000-03-14 | Toshiba Corp | エッチング方法、エッチング装置、及び分析方法 |
-
1995
- 1995-12-06 JP JP31814395A patent/JP3500814B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09162160A (ja) | 1997-06-20 |
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