JPH0829232B2 - 濾過膜に耐圧性を付与する方法 - Google Patents

濾過膜に耐圧性を付与する方法

Info

Publication number
JPH0829232B2
JPH0829232B2 JP61280788A JP28078886A JPH0829232B2 JP H0829232 B2 JPH0829232 B2 JP H0829232B2 JP 61280788 A JP61280788 A JP 61280788A JP 28078886 A JP28078886 A JP 28078886A JP H0829232 B2 JPH0829232 B2 JP H0829232B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
hollow fiber
present
pressure resistance
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61280788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63134005A (ja
Inventor
和雄 豊本
高信 須郷
Original Assignee
旭化成工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社 filed Critical 旭化成工業株式会社
Priority to JP61280788A priority Critical patent/JPH0829232B2/ja
Publication of JPS63134005A publication Critical patent/JPS63134005A/ja
Publication of JPH0829232B2 publication Critical patent/JPH0829232B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、発酵医薬品等のバルク、液精製、バイオリ
アクター等に供し得る有用な微多孔中空糸濾過膜に関す
る。
さらに詳しくは、前記分野において、従来よりも高圧
において長期間使用可能な耐圧性の微多孔中空糸濾過膜
を得る方法に関する。
〔従来の技術〕
従来より、発酵ブロスより目的物を精製するには各種
の分離膜、すなわち限外濾過膜や精密濾過膜が使用され
て来た。
特に酵素を菌体より分離する場合には、酵素を透過
し、菌類をカツトする精密濾過膜、特にその特長を生か
して中空糸状微多孔膜が使用されて来ている。
現在この中空糸状微多孔膜として、主としてポリエチ
レンよりなる中空糸膜が使用されている。
ところで、ポリエチレン中空糸膜としては、たとえば
特開昭57−66114号公報に示されるような、ノズルより
押出された中空糸を適当な条件で冷延伸−熱延伸させる
事によつて中空糸に引裂状の孔をあけた、微小空孔が中
空糸内壁面より外壁面につながつた積層孔構造を有する
ポリエチレン中空糸膜が知られており、浄水器等の実用
に供せられている。しかしながら、この方法によつて製
造される中空糸膜は本質的に中空糸内径が大きく出来
ず、従つて外部から液を流す外圧濾過のみに用いられ、
中空糸膜の特長である内圧法によるいわゆるクロスフイ
ルトレーシヨンが不可能なので、発酵、医薬品のような
高粘度液を高効率に濾過する目的には使用出来ない。
前記の発酵、医薬品の精製に使用されているポリエチ
レン中空糸濾過膜は、特開昭55−131028号公報に示され
るような、いわゆるミクロ相分離法によつて得られる実
質的に均一な三次元網目構造を有するものがほとんどで
ある。この理由は、発酵、医薬品等のバルクは多くの場
合高粘性であり、多くの不純物を含み、中空糸内部から
クロスフローによつて出来るだけ高効率に濾過する事が
必要であるが、そのためには中空糸の内径は適当に大き
くとらなければならない。したがつてこの用途において
は任意の中空糸糸径を形成し得るミクロ相分離法等によ
つて得られる均一な三次元網目構造中空糸膜が多く使用
されている。
一方、前記実質的に均一な網目構造を有する微多孔中
空糸膜は、そのすぐれた濾過特性にもかかわらず、膜の
機械的物性が比較的柔軟であり、高圧で耐久性を有する
性質を有しない。このため、比較的低圧、常温でしか使
用出来ず、濾過効率が低く、経済的にも問題を有してい
た。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
本発明は発酵、医薬品バルク精製に使用されている、
実質的に均一な三次元網目構造を有する微多孔中空糸膜
の、従来より問題となつていた耐圧性を大幅に改善さ
せ、より高圧、高効率に濾過出来る事が可能な、改善さ
れたポリエチレン又はエチレンとハロゲン化オレフイン
との共重合体よりなる微多孔中空糸膜を提供する事にあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわちこの発明は、膜の材質がポリエチレンまたは
エチレンとハロゲン化オレフィンとの共重合体であり、
平均孔径が0.01〜5μm、空孔率20〜80%、内径0.5〜1
0ミリで実質的に均一な三次元網目構造を有し、かつ25
℃における引張伸び(Ebo)が100%以上である微多孔中
空糸膜に、電離性放射線を照射し、 20≧Ebo/Ebc≧1.5 (ここでEbcは架橋処理後の25℃における極限伸び
(%)を表す。) の条件で架橋処理する微多孔中空糸濾過膜に耐圧性を付
与する方法である。
以下本発明についてさらに具体的に説明する。
本発明に使用される膜の材質はポリエチレン、または
エチレンと4フツ化エチレン等、エチレンとハロゲン化
オレフインとの共重合体である。
また、この膜の平均孔径は0.01μないし5μにある。
これは実用上好ましい範囲で制限づけられたものであ
り、その平均孔径はASTM F316−70に記載されている方
法で得られた値を指しており、通常エアフロー法と呼ば
れる方法である。
本発明に適用される膜の空孔率は20%ないし80%の範
囲である。この空孔率はあらかじめ膜を水等の液体に浸
漬し、そののち乾燥させてその前後の重量変化から測定
したものである。この空孔率の範囲は実用性(効率)と
機械的性質のバランスによつて限定されたものである。
本発明に適用される中空糸の内径は0.5ミリないし10
ミリである。この範囲より小さいと、実用上、糸の内部
での圧力損失のために必要なクロスフローがとれず、逆
にこれより大きいと濾過の効率上好ましくない。
さらに本発明に用いられる膜の孔構造は実質的に三次
元網目構造を有している。具体的には特公昭59−37292
号公報、特公昭40−957号公報、特公昭47−17460号公
報、および特開昭55−131028号公報に示されるミクロ相
分離法や混合抽出法等によつて製造される膜の特徴を意
味し、いわゆる延伸法によつて得られるスプリツト構造
膜や化学エツチング法等によつて得られる貫通型の孔構
造を意味しない。
さらに本発明に用いられる中空糸膜は、25℃において
引張伸びが100%以上であることが必要である。これは
製膜時、充分溶融混合紡糸され、かつ紡糸時、あまり延
伸操作を加えられない事を意味し、実用的にも充分な機
械特性を保持するために必要である。
ここで引張伸び(Ebo)はASTM D−882によつて測定さ
れた値を意味する。
本発明で目的とする耐圧性にすぐれた膜は前記の微多
孔中空糸膜を次の条件で架橋して得られる。
20Ebo/Ebc1.5 (ここでEbcは前記と同じ意味を有する。) 上記架橋条件は、高圧濾過で実用上最も効率良い条件
を意味し、この範囲より低いと耐圧性の点で充分でな
く、これ以上では機械的な脆さから好ましくない。
本発明に必要な架橋処理は、電離性放射線を照射する
ことによって行う。特に電子線またはγ線が好ましい。
電子線またはγ線でポリエチレンを照射架橋すると、
一般にその耐熱性が増す事は、古くは特公昭48−1828号
公報に記載され、いわゆる延伸法によつて得られた積層
多孔膜については特開昭60−257804号公報によつて公知
となつている。一般に高分子物質が架橋処理によつて耐
熱性のみならず、クリープ特性が改善される事は知られ
ている。
本発明において、前記微多孔中空糸膜に架橋処理を適
用した場合、その高圧耐久性において予想できない効果
をもつ事がわかつた。
すなわち、前記均一な三次元網目構造を有する極めて
均一で効率の良い膜の最大の欠点であつた膜の柔かさが
カバーされ、部分的にチエーンを有する膜構造が得ら
れ、すぐれた濾過膜として提供できることがわかつた。
これは従来の知見では予想されない事であつた。
なお、電子線やγ線で架橋処理を行なう場合は、窒素
等の不活性ガス中で行なうのが好ましい。さらに、膜機
能を損わない範囲で、適量の架橋剤を添加し、処理する
ことも出来る。
次に本発明の効果を実施例で具体的に示すが、実施例
は本発明を限定するものではない。
実施例1及び比較例1 微粉硅酸(ニプシルVN3LP)23.1重量部、ジオクチル
フタレート(DOP)55.4重量部、ポリエチレン樹脂粉末
〔旭化成SH−800グレード〕21.5重量部の組成物を予備
混合した後、30ミリ2軸押出機で内径1.7mm、厚み0.50m
mの中空糸状に押出した後、1,1,1−トリクロルエタン
〔クロロセンVG(商品名)〕中に60分間浸漬し、DOPを
抽出した。更に温度60℃の苛性ソーダ40%水溶液中に約
20分浸漬して微粉硅酸を抽出したあと、水洗、乾燥し
た。なお、得られた微多孔中空糸は平均孔径0.15μ、空
孔率は65%であつた。
得られた多孔膜に、1Mrad/HRの割合で時間を変えて窒
素雰囲気下、コバルト60γ線を照射し、実施例膜及び比
較例膜を得た。
得られた膜の照射量の程度と膜の引張伸びを表−1に
示す。
上記比較例膜及び実施例膜の40℃及び80℃の、フープ
ストレスを評価したところ、表−2に示す結果を得た。
次に前記比較例膜及び実施例膜を、有効膜面積1m2
膜の有効長1mの大きさでモジユールに組み、実際に工業
用水で循環運転したところ、表−3に示す結果を得た。
前記の各表より、照射量が本発明の範囲より低い比較
例膜ではフープストレス、および実際の濾過運転での圧
力耐久性が低くく、照射量が本発明の範囲より高い比較
例膜ではフープストレスは高いものの、実際の圧力耐久
性が低い。
本発明の範囲内にある実施例膜はいずれも良好な圧力
に対する抵抗性を示しており、実際に行なわれる実液運
転で、高圧濾過におけるすぐれた耐久性を示している。
実施例2及び比較例2 エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(商品名
アフロンCOP)25.2重量部、クロロトリフルオロエチレ
ンオリゴマー(商品名ダイアフロイル#20)53.4重量
部、シリコーンオイル(商品名KF−96)6.5重量部、微
粉シリカ14.9重量部を予備混合後、実施例1とほぼ同じ
押出機で押出後、クロロトリフルオロエチレンオリゴマ
ー、シリコーンオイル、微粉シリカを抽出し、平均孔径
0.14μ、空孔率62%、内径0.6mm、厚み0.25mmの微多孔
中空糸膜を得た。
次に上記多孔膜に電子加速器(加圧電圧1.5MeV、電子
線電流1mA)を用いて窒素雰囲気下、100KGyで電子線を
照射し、表−4に示す物性を有する比較例多孔膜及び実
施例膜を得た。
上記比較例膜及び実施例膜のフープストレスを測定
し、下記の結果を得た。
次に前記比較例膜EおよびGを、実施例1及び比較例
1に準じてモジユールを作成し、90℃−3kg/cm2におけ
るモジユール寿命を測定したところ、比較例膜(E)は
約25時間のライフであつたのに比し、実施例膜Gは1500
時間以上のライフを示した。
〔本発明の効果〕
本発明により、従来困難とされていた高圧濾過が可能
となるので、発酵、医薬品精製工業における膜の適用性
が拡大されるのみならず、バイオテクノロジーへの展開
が加速される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜の材質がポリエチレンまたはエチレンと
    ハロゲン化オレフィンとの共重合体であり、平均孔径が
    0.01〜5μm、空孔率20〜80%、内径0.5〜10ミリで実
    質的に均一な三次元網目構造を有し、かつ25℃における
    引張伸び(Ebo)が100%以上である微多孔中空糸膜に、
    電離性放射線を照射し、 20≧Ebo/Ebc≧1.5 (ここでEbcは架橋処理後の25℃における極限伸び
    (%)を表す。) の条件で架橋処理する微多孔中空糸濾過膜に耐圧性を付
    与する方法。
JP61280788A 1986-11-27 1986-11-27 濾過膜に耐圧性を付与する方法 Expired - Lifetime JPH0829232B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61280788A JPH0829232B2 (ja) 1986-11-27 1986-11-27 濾過膜に耐圧性を付与する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61280788A JPH0829232B2 (ja) 1986-11-27 1986-11-27 濾過膜に耐圧性を付与する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63134005A JPS63134005A (ja) 1988-06-06
JPH0829232B2 true JPH0829232B2 (ja) 1996-03-27

Family

ID=17629965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61280788A Expired - Lifetime JPH0829232B2 (ja) 1986-11-27 1986-11-27 濾過膜に耐圧性を付与する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0829232B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106669454B (zh) * 2015-11-11 2021-01-26 重庆润泽医药有限公司 一种聚四氟乙烯超细纤维管式膜
CN106669449A (zh) * 2015-11-11 2017-05-17 重庆润泽医药有限公司 一种聚四氟乙烯超细纤维管式膜
CN106669455B (zh) * 2015-11-11 2020-12-29 重庆润泽医药有限公司 一种聚四氟乙烯超细中空纤维膜
CN106669443B (zh) * 2015-11-11 2020-10-23 重庆润泽医药有限公司 一种聚四氟乙烯纤维管式膜

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60257804A (ja) * 1984-06-05 1985-12-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐熱性多孔質ポリエチレン中空糸モジユ−ル

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63134005A (ja) 1988-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4699207B2 (ja) 親水性微多孔膜
JP4531395B2 (ja) 多層微多孔膜
JP3979521B2 (ja) 耐熱性微多孔膜
EP2723479B1 (en) Process for manufacturing porous membranes
JPH06104753B2 (ja) 非吸着性親水性中空糸状多孔膜
JPH0829234B2 (ja) 親水性微多孔膜
AU2021104813A4 (en) Method for preparing hydrophilic polytetrafluoroethylene hollow fiber microfiltration membrane
JPS5924845B2 (ja) ガス選択透過性複合膜の製造方法
JPH0829232B2 (ja) 濾過膜に耐圧性を付与する方法
TWI621653B (zh) Ptfe/pfsa摻合膜
JPS5916503A (ja) ポリフツ化ビニリデン系樹脂多孔中空糸膜及びその製造方法
JPH11106552A (ja) 親水化ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JPH09169867A (ja) 微多孔膜及びその製造方法
TWI643666B (zh) 多孔膜及多孔膜之製造方法
JP2003268152A (ja) 親水性微多孔膜
JP4079221B2 (ja) グラフト膜の製造方法
JPH06128406A (ja) ポリテトラフルオロエチレン系樹脂多孔性膜の製法
JPS61146522A (ja) ポリテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質体の製造方法
JP2017149966A (ja) 堅牢なポリマー膜
JP2023008041A (ja) 中空糸膜およびその製造方法
JPH1057787A (ja) 分離膜とその製造方法
JP2004154613A (ja) 機能性多孔膜の製造方法
CN112426889A (zh) 一种改性pvc中空纤维超滤膜及其制备方法
JPH07124454A (ja) 分離膜および分離方法
JPS63296803A (ja) 復水の浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term