JPH08290949A - 炭酸カルシウム固化体の製造方法並びに製造用原料粉末及び原料粉末の製造方法 - Google Patents
炭酸カルシウム固化体の製造方法並びに製造用原料粉末及び原料粉末の製造方法Info
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Abstract
イト結晶以外の(例、アラゴナイト型、バテライト型)
炭酸カルシウム粉末を水(特に酢酸水溶液)の存在下で
加温(20℃以上)及び加圧(10MPa以上)してカ
ルサイト結晶に結晶転移させ固化させる。原料として使
用されるキトサン含有アラゴナイト型炭酸カルシウム粉
末は、例えば、所定温度に加熱した塩化カルシウム水溶
液に、キトサンを含有する酢酸水溶液を添加した溶液
と、所定温度に加熱した炭酸ナトリウム水溶液を添加・
混合することにより製造される。 【効果】 炭酸カルシウム固化体を粉末原料から簡便に
製造することができる。本発明により得られる炭酸カル
シウム固化体は、天然大理石や一般に使用されているコ
ンクリート等とほぼ同等レベルの強度を有し、建材、舗
装材、装飾材等の広い分野における使用が期待できる。
Description
炭酸カルシウム固化体を製造する方法に関する。本発明
は炭酸カルシウム固化体を製造するための原料粉末とし
て好適な炭酸カルシウム粉末及びその製造方法に関す
る。本発明により得られる炭酸カルシウム固化体は、特
に人工大理石、人工珊瑚としての利用が可能であり、具
体的には、床材、壁材などの建材、舗装材、装飾材、生
体材料などへの利用が可能である。
る天然材料であり、その機械的特性及び装飾性により、
各種の建材や舗装材等として広く利用されている。大理
石に代わる材料(人工大理石)を人工的に製造する試み
もなされている。人工大理石を製造する方法としては炭
酸カルシウム等の無機充填材を有機物や無機物のバイン
ダーで接着して固化させる方法が知られている。
分子樹脂に各種無機充填材を練り込むことによって見掛
け上大理石調を有する成形体とする方法が提案されてい
る(特開平5ー239329号公報、特開平5ー339
460号公報)。しかし、この方法により得られる大理
石調樹脂成形体には、天然の大理石と比べると、耐久
性、耐食性の点で劣り、建材や舗装材としての利用範囲
が限定され、また、紫外線などにより樹脂の劣化も考え
られるというような欠点がある。
酸カルシウム粉末をガラスなどの無機物と混ぜ合わせ、
水熱加圧処理を施すことによって人工大理石とする方法
が提案されている(特開平3ー252341号公報)。
しかし、この方法には、高温(200℃以上)での反応
を必要とするので、熱エネルギーコストがかかり、ま
た、成型機の大型化が困難であるというような欠点があ
る。
利用して、炭酸カルシウム粉末から炭酸カルシウム固化
体を製造することを種々試みた。まず、焼結法によって
炭酸カルシウム粉末から炭酸カルシウム固化体を製造す
る方法が考えられる。しかし、通常の焼結法により無機
粉末を固化するためには1000℃程度の温度で焼成す
ることが必要である。炭酸カルシウム粉末を650℃以
上の温度に加熱すると炭酸ガスと酸化カルシウムとに分
解する。従って、単に炭酸カルシウム粉末を高温に加熱
するだけでは、成形体を得ることができない。
より製造された人工大理石の強度や風合における欠点を
克服することを目的とする。本発明は、従来の人工大理
石の製造方法における工業化の困難さなどの欠点を克服
することを目的とする。本発明の目的は、炭酸カルシウ
ム粉末から、人工大理石として各種の建材や舗装材など
に、また、人工珊瑚として装飾材などに使用可能な炭酸
カルシウム固化体を製造するための方法を提供すること
にある。本発明の目的は、炭酸カルシウム固化体を低温
・低圧の条件下で製造できる方法並びにその製造用原料
として優れた特性を有する炭酸カルシウム粉末及び該炭
酸カルシウム粉末の製造方法を提供することにある。
カルサイト結晶以外の炭酸カルシウム粉末を使用した水
熱ホットプレス法によれば、比較的低温・低圧の条件下
で炭酸カルシウム固化体を製造できることを見出し、平
成7年2月9日提出の特許出願において、新規な炭酸カ
ルシウム固化体の製造方法を提案した。本発明者は、更
に研究を重ね、水熱ホットプレス法による炭酸カルシウ
ム固化体の製造方法において、原料として使用する炭酸
カルシウム粉末に特定の固化助剤を含有させておくこと
により、より緻密で強度特性が優れた炭酸カルシウム固
化体を更に容易に製造できることを見出して本発明を完
成した。
するカルサイト結晶以外の炭酸カルシウム粉末を水(特
に酢酸水溶液)の存在下で加温及び加圧することを特徴
とする炭酸カルシウム固化体の製造方法にある。本発明
は、固化助剤(特にキトサン)を含有するカルサイト結
晶以外の炭酸カルシウム粉末を水とともに成型機型枠内
に充填し、加温及び加圧してカルサイト結晶に結晶転移
させ固化させること又は20℃以上に加温し且つ10M
Pa以上に加圧して固化させることを特徴とする炭酸カ
ルシウム固化体の製造方法にある。
有するカルサイト結晶以外(特にアラゴナイト型又はバ
テライト型)の炭酸カルシウム粉末及び該炭酸カルシウ
ム粉末からなる炭酸カルシウム固化体製造用原料粉末に
ある。本発明は、60℃〜100℃に加熱した塩化カル
シウム水溶液に、キトサンを含有する酢酸水溶液を添加
した溶液と60℃〜100℃に加熱した炭酸ナトリウム
水溶液を添加・混合し、生成した沈殿を回収することを
特徴とするキトサン含有アラゴナイト型炭酸カルシウム
粉末の製造方法にある。本発明は、塩化カルシウム水溶
液に、キトサンを含有する酢酸水溶液を添加した水溶液
を、10℃〜30℃に加熱した炭酸ナトリウム水溶液に
添加し、生成した沈殿を回収することを特徴とするキト
サン含有バテライト型炭酸カルシウム粉末の製造方法に
ある。
る。それらの中でも最も安定な結晶構造を示すのがカル
サイト結晶である。本発明の炭酸カルシウム粉末は、カ
ルサイト結晶以外の炭酸カルシウム粉末である。カルサ
イト結晶以外の炭酸カルシウムは加熱及び加圧により比
較的容易にカルサイト結晶への結晶転移を生ずる。カル
サイト結晶以外の炭酸カルシウムとしては、バテライト
型炭酸カルシウム、アラゴナイト型炭酸カルシウム、塩
基性炭酸カルシウム、非晶質炭酸カルシウム等を挙げる
ことができる。
カルサイト結晶を含有することができる。本発明の炭酸
カルシウム粉末におけるカルサイト結晶の含有量は、通
常、カルサイト結晶以外の炭酸カルシウムに対して30
重量%以下、好ましくは20重量%以下、更に好ましく
は10重量%以下であることが好ましい。
ウムは、固化助剤を含有する。固化助剤は、炭酸カルシ
ウム粉末を水の存在下で加温及び加熱する際に、カルサ
イト結晶以外の炭酸カルシウムが、共存する水へ溶解す
ることを促進する作用を有する化合物である。固化助剤
としては、例えば、(i)有機酸及び無機酸並びにそれ
らのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニ
ウム塩、(ii)タンパク、(iii)天然多糖類等を
挙げることができる。
乳酸、酒石酸、酪酸、シュウ酸、アミノ酸等を挙げるこ
とができる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等を挙
げることができる。有機酸又は無機酸のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩としては、
グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、
酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硝酸アンモニウ
ム等を挙げることができる。タンパクとしては、コラー
ゲン、カゼイン等を挙げることができる。天然多糖類と
しては、キチン、キトサン、アルギン酸、アルギン酸ナ
トリウム、ペクチン、カラギーナン等を挙げることがで
きる。
あればよく、粒子の大きさ、粒度分布等は特に限定され
ない。炭酸カルシウム固化体製造用原料粉末としては、
原料粉末としての取扱いの簡便さ及び得られる固化体の
特性等より、通常、粒子径が0.005〜100μm、
好ましくは0.05〜50μm、更に好ましくは0.0
5〜10μmの範囲内にある炭酸カルシウム粉末が好適
である。
化助剤は、炭酸カルシウム粉末の粒子内に取り込まれた
状態で含有されていてもよく、また、炭酸カルシウム粉
末の粒子表面に付着した状態で含有されていてもよい。
固化助剤の含有量は、固化助剤及び炭酸カルシウム粉末
の種類並びに使用方法により、適宜選択することができ
る。一般には、固化助剤の含有量が、5重量%以下、好
ましくは0.1〜4重量%、更に好ましくは0.5〜3
重量%の範囲にある炭酸カルシウム粉末が好ましい。
ム粉末の製造方法については、特に限定はなく、例え
ば、公知のカルサイト結晶以外の炭酸カルシウム粉末の
製造方法において、出発原料に、製造工程中に又は製造
後の炭酸カルシウム粉末に、固化助剤を添加し共存させ
ることにより固化助剤を含有する炭酸カルシウム粉末を
製造することができる。固化助剤は、単独で添加しても
よく、また、水溶液、懸濁液等として添加してもよい。
ム水溶液に、炭酸ナトリウム水溶液を添加することによ
り、固化助剤を含有する炭酸カルシウムを沈殿させるこ
とができる。このとき、炭酸ナトリウム水溶液を添加す
る際の温度、pH等を調節することにより、析出する炭
酸カルシウムの結晶の種類・状態を制御することができ
る。具体的には、固化助剤としてキトサンを含有する酢
酸水溶液を使用し、炭酸ナトリウム水溶液を60℃〜1
00℃、好ましくは80℃〜100℃に加熱して、塩化
カルシウム水溶液に添加し、撹拌することにより、キト
サンを含有するアルゴナイト型炭酸カルシウムの沈殿が
生成する。また、同様にして、炭酸ナトリウム水溶液を
10℃〜30℃に加熱して、塩化カルシウム水溶液に添
加する場合には、キトサンを含有するバテライト型炭酸
カルシウムの沈殿が生成する。このようにして生成した
沈殿を回収し、乾燥等することにより、固化助剤を含有
する炭酸カルシウム粉末を得ることができる。
ム粉末(原料粉末)を水の存在下で加温及び加圧して固
化体とする。原料粉末と固化助剤とは均質な状態になる
まで混練した後に、成形(加温及び加圧)するのがよ
い。このとき水を固化助剤の水溶液又は懸濁液として存
在させることにより、炭酸カルシウムの固化反応を更に
促進させることができる。
の水溶液等)とともに成型機型枠内に充填し、カルサイ
ト結晶への転移反応が起こる条件で加温及び加圧する。
一般には、原料粉末を水(又は固化助剤の水溶液等)と
ともに成型機型枠内に充填し、温度20℃以上、好まし
くは30〜650℃、更に好ましくは40〜300℃、
特に好ましくは40〜150℃程度及び圧力10MPa
以上、好ましくは20〜100MPa、更に好ましくは
40〜80MPa程度の条件で加温及び加圧するのがよ
い。
速度は0.5〜20℃/分の範囲が好ましい。固化体成
形時間(加温・加圧時間)は炭酸カルシウム粉末の結晶
転移を完了させる点より約15分以上は必要であり、通
常は15分間〜12時間、好ましくは30分間〜6時
間、更に好ましくは1〜5時間程度とするのがよい。場
合によっては結晶転移が完了してからも更に加温・加圧
を続けることにより、得られる炭酸カルシウム固化体の
強度を向上させることができる。反応容器(成型機型
枠)から固化体を取り出す温度は、一般に50℃以下と
するのが好ましい。
するために使用する成型機としては、例えば、特開昭6
1−274300号公報、特開昭64−51135号公
報等に記載の公知の水熱熱間成形装置を使用することが
できる。本発明の実施にあたって使用する成型機として
は、原料粉末を加温及び加圧する反応中は、反応系内の
水分を型枠内に保持することができ、しかも、反応後に
は反応系内の水分を高圧蒸気等として任意に排出するこ
とができる装置が好ましい。
炭酸カルシウム成形体(固化体)を簡便に製造すること
ができる。本発明の炭酸カルシウム固化体の製造方法に
よれば、炭酸カルシウムの固化、成形を比較的低温で実
施することができるので、固化体の製造中に、原料が熱
分解を起こしにくい。本発明の炭酸カルシウム固化体の
製造方法においては、炭酸カルシウムの固化、成形を比
較的低温でできるので、必要に応じて、有機物等の容易
に熱分解するような物質等と複合化した炭酸カルシウム
固化体を簡便に製造することができる。本発明により得
られる炭酸カルシウム固化体は、天然の大理石や一般に
使用されているコンクリート等とほぼ同等レベルの強度
を有するので、建材、舗装材、装飾材等の広い分野にお
ける使用を期待できる。
を液相で合成した。まず、塩化カルシウム及び炭酸ナト
リウムを個別に脱イオン水に溶解させて0.5M溶液を
調製した。次に、酢酸水溶液に溶解したキトサンを、得
られらた塩化カルシウム水溶液に添加した。得られたキ
トサンを含有する塩化カルシウム水溶液及び前記炭酸ナ
トリウム水溶液を各々約95℃まで加熱し、両者を急速
に混合した。生成した沈殿をろ過し、乾燥させた。X線
回折(XRD)により分析したところ、得られた粉末は
90重量%のアラゴナイト型炭酸カルシウム及び10重
量%のカルサイト型炭酸カルシウムから成っていた。ま
た、得られた粉末のキトサン含有量はアラゴナイト型炭
酸カルシウムに対して2.5重量%であった。
記原料混合物(原料粉末)(4)を加温及び加圧して固
化体を製造した。該オートクレーブのシリンダー(型
枠)はSCM鋼であり、該シリンダーの内径は20mm
である。該オートクレーブは、原料粉末を加圧するため
のプッシュロッド(1)及びキャストロッド(3)、オ
ートクレーブ内の温度を測定するための熱電対用孔
(2)、テフロン製グランドパッキング(6)、原料粉
末を加熱するための電気マイクロヒーター(7)を有す
る。キャストロッド(3)は原料混合物より搾り出され
る高圧水を排出するための排水空間(5)を有する。排
水空間(5)は反応系内の水含有量を調節し、水熱条件
を維持する。グランドパッキング(6)は自己締めつけ
型であり、反応系からの水分の漏れを防ぐ。
溶液(0.8ml)とを乳鉢中で良く混練した。得られ
た原料混合物をシリンダー内に設置し、上下のプッシュ
ロッド(1)により予備的に所定圧で室温で10分間加
圧した。その後、その圧力を維持したままで電気マイク
ロヒーター(7)によりオートクレーブ内の温度を5℃
/分の速度で所定温度まで加熱し、その温度及び圧力を
所定時間維持した。加温・加圧の間(反応中)、上下の
プッシュロッド(1)間の間隔を連続測定することによ
り、原料混合物の収縮を定量した。
64MPaの条件で加温及び加圧した場合の、反応時間
と得られた固化体のビッカース硬度及び圧縮強度との関
係を示す。図3は、原料粉末を1重量%酢酸水溶液の存
在下で温度150℃及び圧力64MPaの条件で加温及
び加圧した場合の、反応時間と得られた固化体の見掛け
密度、圧縮強度及びビッカース硬度との関係を示す。
は、反応時間を長くするにつれて、見掛け密度、圧縮強
度及びビッカース硬度がいずれも急激に向上するが、5
0分を超えると、更に反応時間を長くしても、あまり変
化が見られなかった。これを、水だけを使用した場合と
比較すると、酢酸水溶液を使用することにより、炭酸カ
ルシウムの固化反応が更に促進され、固化体を得るため
に必要な反応時間が極めて短くなることが判る。
化体のビッカース硬度が向上することは、以下のように
説明することができる。すなわち、原料粉末からの炭酸
カルシウム固化体の生成反応は、原料粉末からの炭酸カ
ルシウムの溶解−再結晶により、進行すると考えられ
る。酢酸水溶液を使用する場合には下記反応式により炭
酸カルシウムの溶解度が向上し、また、その溶解が促進
され、その結果として炭酸カルシウムの固化反応が促進
されるものと考えられる。
は酢酸溶液に部分的に溶解することができ、溶解したキ
トサンは析出した炭酸カルシウム粒子の粒子間隙に広が
り、接着物質として作用するものと考えられる。このと
き、機械的に加圧することにより、炭酸カルシウムが、
更に緻密に転移した状態で析出し、接着して高密度及び
高硬度の固化体を形成するものと考えられる。
在下で圧力64MPa及び反応時間50分の条件下で加
温及び加圧した場合の、反応温度と得られた固化体の見
掛け密度及びビッカース硬度との関係を示す。温度50
℃〜150℃の範囲では、反応温度を高くすると、得ら
れる固化体の見掛け密度及びビッカース硬度が向上し
た。しかし、150℃を超える範囲では、反応温度を高
くすると、得られる固化体の見掛け密度及びビッカース
硬度が低下し、得られる固化体の色が濃くなった。この
結果は、加温温度が150℃を超えると、原料粉末中の
キトサンが分解し、その作用が弱められたことに由来し
てビッカース硬度が低下し、また、固化体の色も変化し
たものと考えられる。
ラゴナイト型炭酸カルシウム粉末(カルサイト結晶以外
の炭酸カルシウム粉末)が、水熱ホットプレスで容易に
固化することが判明した。また、水熱ホットプレスに酢
酸水溶液を使用することにより、炭酸カルシウム及びキ
トサンの溶解度が向上し、固化反応が促進され、溶解し
たキトサンは粒子間隙に広がって接着物質として作用す
ることが判明した。
MPa、反応時間360分間の場合に得られたカルシウ
ム固化体の圧裂引張強度を示す。また、比較のため、原
料粉末としてキトサンを含有しないアラゴナイト型炭酸
カルシウム粉末を使用した他は、実施例1と同様にして
製造した炭酸カルシウム固化体の圧裂引張力強度を表1
に示す(比較例1)。
材比、水比によっても変わるが、一般的に建材として最
適なコンクリートの引張強度は、表1に示したように3
〜5MPa程度であると考えられている。表1から明ら
かなように、実施例1で得られた固化体は、平均的な天
然大理石やコンクリートと同等の引張強度を有した極め
て強固なものであった。
塩化カルシウム水溶液及び炭酸ナトリウム水溶液を室温
(約25℃)で急速に混合した他は、実施例1と同様に
して、キトサン含有量がそれぞれ2.5重量%及び5.
0重量%であるキトサン含有バテライト型炭酸カルシウ
ム粉末を得た。
ルシウム粉末を使用した他は、実施例1と同様にして、
炭酸カルシウム固化体を得た。但し、反応温度は150
℃とし、反応圧力は40MPaとし、反応時間は60分
間とした。また、比較のため、原料粉末としてキトサン
を含有しないバテライト型炭酸カルシウム粉末を使用し
た他は、実施例2と同様にして炭酸カルシウム固化体を
得た(比較例2)。得られた固化体の圧裂引張強度を表
2に示す。
オートクレーブの模式断面図である。
例の反応時間と得られた固化体のビッカース硬度(□)
及び圧縮強度(△)との関係を示すグラフである。
した実施例の反応時間と得られた固化体の見掛け密度
(○)、ビッカース硬度(□)及び圧縮強度(△)との
関係を示すグラフである。
した実施例の反応温度と得られた固化体のビッカース硬
度(□)及び圧縮強度(△)との関係を示すグラフであ
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 固化助剤を含有するカルサイト結晶以外
の炭酸カルシウム粉末を水の存在下で加温及び加圧する
ことを特徴とする炭酸カルシウム固化体の製造方法。 - 【請求項2】 固化助剤を含有するカルサイト結晶以外
の炭酸カルシウム粉末を酢酸水溶液の存在下で加温及び
加圧することを特徴とする炭酸カルシウム固化体の製造
方法。 - 【請求項3】 固化助剤を含有するカルサイト結晶以外
の炭酸カルシウム粉末を水とともに成型機型枠内に充填
し、加温及び加圧してカルサイト結晶に結晶転移させ固
化させることを特徴とする炭酸カルシウム固化体の製造
方法。 - 【請求項4】 固化助剤を含有するカルサイト結晶以外
の炭酸カルシウム粉末を水とともに成型機型枠内に充填
し、20℃以上に加温し且つ10MPa以上に加圧して
固化させることを特徴とする炭酸カルシウム固化体の製
造方法。 - 【請求項5】 固化助剤がキトサンである請求項1〜4
のいずれかに記載の炭酸カルシウム固化体の製造方法 - 【請求項6】 固化助剤を含有するカルサイト結晶以外
の炭酸カルシウム粉末。 - 【請求項7】 キトサンを含有するカルサイト結晶以外
の炭酸カルシウム粉末。 - 【請求項8】 キトサンを含有するアラゴナイト型又は
バテライト型炭酸カルシウム粉末。 - 【請求項9】 60℃〜100℃に加熱した塩化カルシ
ウム水溶液に、キトサンを含有する酢酸水溶液を添加し
た溶液と60℃〜100℃に加熱した炭酸ナトリウム水
溶液を添加・混合し、生成した沈殿を回収することを特
徴とするキトサン含有アラゴナイト型炭酸カルシウム粉
末の製造方法。 - 【請求項10】 塩化カルシウム水溶液に、キトサンを
含有する酢酸水溶液を添加した水溶液を、10℃〜30
℃に加熱した炭酸ナトリウム水溶液に添加し、生成した
沈殿を回収することを特徴とするキトサン含有バテライ
ト型炭酸カルシウム粉末の製造方法。 - 【請求項11】 請求項6〜8のいずれかに記載の炭酸
カルシウム粉末からなる炭酸カルシウム固化体製造用原
料粉末。
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP3656129B2 (ja) |
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