JPH08290714A - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JPH08290714A
JPH08290714A JP9886895A JP9886895A JPH08290714A JP H08290714 A JPH08290714 A JP H08290714A JP 9886895 A JP9886895 A JP 9886895A JP 9886895 A JP9886895 A JP 9886895A JP H08290714 A JPH08290714 A JP H08290714A
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洋之 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1枚のスライド式ドア12を用いて、冷風と
温風の風量割合を調整して、吹出空気温度を調整する自
動車用空調装置において、ドア駆動用リンク機構14の
複雑化を招くことなく、直線的な、良好な吹出空気温度
制御特性を得る。 【構成】 蒸発器4の空気下流側に設けられた冷風通路
6とヒータコア5を横断する方向に、スライド式ドア1
2を摺動可能に設け、このスライド式ドア12を、温度
調整レバー41により操作されるリンク機構14により
駆動する。スライド式ドア12を前記横断方向に案内す
るガイド溝33をケース3に設けるとともに、このガイ
ド溝33のうち、冷風通路6に対応する部位には、蒸発
器4へ湾曲した円弧状部分33aが設ける。この円弧状
部分33aにより、温度調整レバー41が最大暖房位置
から暖房能力減少方向へ作動するとき、リンク機構14
の前記横断方向への作動量よりもスライド式ドア12の
前記横断方向への作動量を減少させる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱器への空気通路お
よび冷風通路を横断する方向に摺動するスライド式ドア
により、加熱器と冷風通路への風量割合を調整する自動
車用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスライド式ドアを有する
自動車用空調装置は、実開平6−71222号公報、特
開平1−172014号公報等において提案されてい
る。これらの従来装置では、複数のスライド式ドアを用
いて、加熱器への空気通路と、これと並列に設けられた
冷風通路への風量割合を調整するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、複数のスライ
ド式ドアを駆動するリンク機構の構成がどうしても複雑
になるという問題がある。そこで、本発明者らは、1枚
のスライド式ドアを用いて、加熱器への空気通路と、冷
風通路への風量割合を調整する、構成が簡潔な装置を案
出し、試作、検討してみた。
【0004】この本発明者らの試作、検討した装置で
は、スライド式ドアを最大暖房位置(冷風通路全閉位
置)から、暖房能力減少方向(冷風通路開方向)へ移動
させる際、冷風量に比して温風量が急激に減少して、車
室内への吹出空気温度が急激に低下してしまい、温度制
御性が悪いという問題が生じた。このような問題が生じ
る理由は次の通りである。すなわち、自動車用空調装置
では、最大冷房時における冷房能力(冷風量)確保のた
めに、冷風通路の断面積は極力大きくなるように設計し
ている。一方、加熱器側の空気通路では、加熱器の熱交
換部(通常、コルゲートフィンと偏平チューブとで構成
されている)が介在することにより、どうしても、冷風
通路より通風抵抗が大きくなってしまう。
【0005】以上のごとき空気通路構成を備えているた
め、冷風通路側の通風抵抗が小で、加熱器側の空気通路
の通風抵抗が大という関係が形成されることになり、そ
の結果スライド式ドアを最大暖房位置から、暖房能力減
少方向へ移動させる際、冷風量に比して温風量が急激に
減少するという問題が生じる。この問題を解消するため
には、スライド式ドアを駆動するリンク機構の移動量に
対して、スライド式ドアの移動量が小さくなるようにリ
ンク機構を構成する対策が考えられる。この対策の具体
化のためには、加熱器等を収納している空調ユニットケ
ースの外部に、前記リンク機構の移動量を調整する連結
リンクを追加することになるので、リンク部品の増加に
よる空調ユニットスペースの増大、コストアップを招く
という問題が生じる。
【0006】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
1枚のスライド式ドアを用いて、加熱器への空気通路
と、冷風通路への風量割合を調整する自動車用空調装置
において、リンク部品の追加なしで、温風量の急激な減
少を防止でき、温度制御性の良好な自動車用空調装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載
の発明では、空調ユニットケース(3)と、この空調ユ
ニットケース(3)内に設けられ、送風空気を加熱する
加熱器(5)と、この加熱器(5)と並列に設けられ、
この加熱器(5)をバイパスして前記送風空気を流す冷
風通路(6)と、前記冷風通路(6)を通る空気と、前
記加熱器(5)を通過して加熱された温風とを混合する
冷温風混合空間(13)と、この冷温風混合空間(1
3)の空気下流側に設けられ、この冷温風混合空間(1
3)からの空気を車室内吹出口に導く吹出空気通路(1
5、16、17、18)と、前記加熱器(5)および前
記冷風通路(6)の空気上流側に、前記加熱器(5)へ
の空気通路(7)および前記冷風通路(6)を横断する
方向に摺動可能に設けられ、前記加熱器(5)と前記冷
風通路(6)への風量割合を調整するスライド式ドア
(12)と、前記空調ユニットケース(3)に設けら
れ、前記スライド式ドア(12)を前記横断方向に摺動
可能に案内するガイド溝(33)と、前記スライド式ド
ア(12)に連結され、前記スライド式ドア(12)を
前記横断方向に摺動させるリンク機構(14)と、この
リンク機構(14)を作動させる温度調整機構(41、
42)とを具備し、前記ガイド溝(33)は、前記温度
調整機構(41、42)が最大暖房位置から暖房能力減
少方向へ作動するとき、前記リンク機構(14)の前記
横断方向への作動量よりも前記スライド式ドア(12)
の前記横断方向への作動量を減少させる形状に形成され
ている自動車用空調装置を特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1に記載
の自動車用空調装置において、前記空調ユニットケース
(3)には、前記加熱器(5)および前記冷風通路
(6)の空気上流側に送風空気を冷却する冷却器(4)
が備えられていることを特徴とする。請求項3記載の発
明では、請求項1または2に記載の自動車用空調装置に
おいて、前記ガイド溝(33)のうち、前記冷風通路
(6)に対応する部位には、空気上流側へ湾曲した円弧
状部分(33a)が設けられており、この円弧状部分
(33a)により、前記温度調整機構(41、42)が
最大暖房位置から暖房能力減少方向へ作動するとき、前
記リンク機構(14)の前記横断方向への作動量よりも
前記スライド式ドア(12)の前記横断方向への作動量
を減少させることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明では、請求項1ないし
3のいずれか1つに記載の自動車用空調装置において、
前記スライド式ドア(12)は、平板状の形状に形成さ
れており、この平板状の両端面部に円柱状の保持部(3
2)を有し、この保持部(32)が前記ガイド溝(3
3)に摺動可能に嵌合していることを特徴とする。請求
項5記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つ
に記載の自動車用空調装置において、前記リンク機構
(14)は、前記スライド式ドア(12)に設けられた
第1のレバー片(23)と、前記温度調整機構(41、
42)により回動するように設けられた駆動軸(37)
と、この駆動軸(37)に一体に回動するように結合さ
れた第2のレバー片(35)とを有し、この第2のレバ
ー片(35)は、前記第1のレバー片(23)と回動可
能に係合されていることを特徴とする。
【0010】請求項6記載の発明では、請求項1ないし
5のいずれか1つに記載の自動車用空調装置において、
前記ガイド溝(33)は、前記温度調整機構(41、4
2)が最大暖房位置から暖房能力減少方向へ作動すると
き、前記リンク機構(14)の前記横断方向への作動量
よりも前記スライド式ドア(12)の前記横断方向への
作動量を減少させるとともに、前記スライド式ドア(1
2)を空気上流側へ傾斜させる形状に形成されているこ
とを特徴とする。
【0011】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0012】
【発明の作用効果】請求項1〜6記載の発明によれば、
空調ユニットケースに設けたガイド溝の形状を工夫し
て、温度調整機構が最大暖房位置から暖房能力減少方向
へ作動するとき、リンク機構の冷風通路横断方向(図1
上下方向)の作動量よりもスライド式ドアの冷風通路横
断方向の作動量を減少させている。
【0013】その結果、温度調整機構が最大暖房位置か
ら暖房能力減少方向へ移動するとき、温風量が急激に減
少することを抑制できるので、車室内への吹出空気温度
を温度調整機構の位置に対して直線的に変化する温度制
御特性を得ることができる。従って、温度調整用操作レ
バー41の操作による車室内の温度制御を容易に行うこ
とができる。
【0014】しかも、本発明では、リンク機構に特別の
リンク部品を通過することなく、ガイド溝の形状の工夫
により良好な温度制御特性を得ることができるので、リ
ンク部品の増加による空調ユニットスペースの増大、コ
ストアップといった不具合が発生しない。それ故、この
ことと、作動空間の極めて小さい1枚のスライド式ドア
を使用することとが相まって、小型、安価な、温度制御
性の良好な自動車用空調装置を提供できるという効果が
大である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。図1において、1は自動車用空調装置のうち、車
室内計器盤の下方部に設置される空調ユニットで、2は
その空気流入口である。この空気流入口2には、車室内
計器盤の下方部で、助手席側前方に配設されている送風
ユニット(図示せず)から空気が送風され、流入する。
【0016】この送風ユニットは周知のごとく、車室内
または車室外の空気を切替導入する内外気切替箱と、こ
の内外気切替箱を通して導入された空気を送風する遠心
多翼送風機とから構成されている。3は空調ユニット1
の樹脂製ケースで、車室内計器盤の下方部において車室
内左右方向の略中央部に配置されている。このケース3
内の空気上流側には、空気冷却手段をなす蒸発器4が配
設され、空気下流側の下方側部位には空気加熱手段とし
てのヒータコア5が配設されている。
【0017】また、ケース3内には、蒸発器4で冷却さ
れた冷風がヒータコア5をバイパスして流れる冷風通路
6が蒸発器4空気下流側の上方側部位(ヒータコア5の
上方側部位)に形成されている。上記蒸発器4は図示し
ない圧縮機,凝縮器,受液器,減圧器とともに周知の冷
凍サイクルを構成する冷却器であり、ケース3内の空気
を除湿冷却する。上記圧縮機は自動車のエンジンにより
電磁クラッチ(図示せず)を介して駆動される。また、
上記ヒータコア5は自動車エンジンの冷却水を熱源とす
る加熱器であり、上記蒸発器4にて冷却された冷風を再
加熱する。
【0018】そして、蒸発器4の空気下流側部位におけ
るケース3内において、冷風通路6とヒータコア5への
加熱用通路7の入口部には、それぞれ蒸発器4を通過し
た空気を送るための冷風用開口部8と加熱用開口部9が
形成されている。冷風用開口部8および加熱用開口部9
は、図1に示すように同一平面上に開口しており、ケー
ス3の内側壁から突出した突出壁部10とケース3内の
略中央部に位置する仕切壁11とにより構成されてい
る。
【0019】そして、これらの冷風用開口部8および加
熱用開口部9は、図1中矢印A方向から見ると開口形状
が略長方形状で、上下方向に並列に形成されている。仕
切壁11は、前記両開口部8、9の中間部位から空気下
流側に向かって水平に延びるように形成されており、冷
風通路6と加熱用通路7とを区画するためのものであ
る。これによって、加熱用開口部9から加熱用通路7に
取り入れられた空気は、全てヒータコア5に送られるよ
うになっている。また、逆に冷風用開口部8から冷風通
路6に取り入れられた空気は、全てヒータコア5を迂回
するようになっている。
【0020】蒸発器4の空気下流側で、冷風用開口部8
と加熱用開口部9の空気上流側には、蒸発器4を通過し
た空気のうち、冷風通路6と加熱用通路7のそれぞれに
送られる空気量を調節するスライド式ドア12が配設さ
れている。なお、このスライド式ドア12の詳細は、後
述する。冷風通路6および加熱用通路7の空気下流側部
位には、この冷風通路6と加熱用通路7とを通過した冷
風および温風を混合させるエアミックスチャンバー部
(冷温風混合空間)13が設けられている。このエアミ
ックスチャンバー部13にて冷風通路6を流れる冷風
と、加熱用通路7を流れる温風が混合されることで、所
望の空調風温度を得ることができる。
【0021】そして、ケース3内の空間のうち、冷風通
路6から上記エアミックスチャンバー部13に至る部位
には、前記スライド式ドア12を作動させるリンク機構
14が配設されており、このリンク機構14は冷風通路
6および加熱用通路7から吹き出される冷風および温風
の空気流れ方向を調節する役割を兼ねるものであって、
このリンク機構14の詳細は、スライド式ドア12と同
様に後述する。
【0022】ケース3内において、エアミックスチャン
バー部13の空気下流側部位は2つの吹出空気通路1
5、16に分岐しており、そして、一方の通路15は、
図1に示すように上方に向かって延在しており、この通
路15の空気下流側には、車室内の乗員の上半身に向か
って空調風を吹き出すためのフェイス吹出口(図示せ
ず)に接続されるフェイス吹出空気通路17と、車両の
フロントガラスの内面に向かって空調風を吹き出すため
のデフロスタ吹出口(図示せず)に接続されるデフロス
タ吹出空気通路18が設けられている。
【0023】また、前記他方の吹出空気通路16は、下
方に向けて延在しており、この通路16の空気下流側に
は、乗員の下半身に向かって空調風を吹き出すためのフ
ット吹出口19が設けられている。そして、上記両通路
15、16の分岐部には、ケース3内で空調された空調
風を通路15に送風するか、通路16に送風するかを選
択する第1切替ドア20aが設けられている。この第1
切替ドア20aは、図1中aで示す回動位置である場
合、空調風が全て通路15側に送られ、図1中bで示す
回動位置である場合は、空調風が全て通路16に送ら
れ、フット吹出口19から吹き出される。
【0024】さらに、通路15の空気下流側部位には、
第2切替ドア20bが配置されており、このドア20b
によって通路15に送られた空調風をフェイス吹出空気
通路17側に流すか、デフロスタ吹出空気通路18側に
流すかを選択するようになっている。具体的には、第1
切替ドア20aが図1中aで示す回動位置にあって、か
つ第2切替ドア20bが図1中cで示す回動位置の場合
は、空調風はデフロスタ吹出空気通路18側へ流れ、ま
た第1切替ドア20aが図1中aで示す回動位置にあっ
て、かつ第2切替ドア20bが図1中dで示す回動位置
にある場合は、空調風がフェイス吹出空気通路17側へ
流れる。
【0025】次に、上述のスライド式ドア12およびリ
ンク機構14について詳しく説明する。図2にスライド
式ドア12の分解図を示す。図3にスライド式ドア12
の組付図を示す。図4にスライド式ドア12がケース3
内に取り付けられた取付図を示す。
【0026】スライド式ドア12は、支持部材21と、
この支持部材21の空気下流側の一平面部21aを覆う
ように配設されるフィルム部材22とからなる。支持部
材21は、例えばポリプロピレンなどの樹脂材にて、外
形が略長方形状に形成されている。そして、支持部材2
1には、図2に示すように4つの貫通穴(開口)24a
〜24dが形成されていることから、支持部材21は、
田の字のような枠体状を呈し、十字状の支持部21bを
有している。
【0027】支持部材21の両端部(図2中手前側と奥
側における両端部)には、その全長にわたって前記一平
面部21aから略垂直方向に折れ曲がった取付部25
a、25bが一体形成されている。そして、この取付部
25aおよび25bの外面には、それぞれ等間隔に突出
した複数の円柱状の突起部26が一体形成されている。
これら取付部25a、25bは、後述するが、フィルム
部材22を支持部材21に取り付けるためのものであ
る。これら取付部25a、25bは図1、4に示すよう
にスライド式ドア12の上端部および下端部に形成され
ている。
【0028】一方、図2左右方向における支持部材21
の両端面には、この両端面から突出し、支持部材21を
ケース3内に移動可能に保持するための円柱状の保持部
32がそれぞれ複数個(2個)一体形成されている。さ
らに、支持部材21の支持部21bの上面には、U形状
に形成された係合溝23aを有するレバー片23が形成
されている。このレバー片23は図1に示すように支持
部材21の空気下流側の一平面部21aから冷風通路6
側へ突出すように形成されている。
【0029】フィルム部材22は、可撓性(柔軟性)が
あって通気性がなく、しかも摩擦抵抗が小さい樹脂材料
で形成することが好ましい。具体的には、例えば厚さ7
5μmのポリエチレンテレフタレートで成形された樹脂
フィルムからなり、略長方形状を呈している。ここで、
フィルム部材22の大きさについて述べると、フィルム
部材22の幅Zは、支持部材21の幅Wと同等となって
いる。一方、フィルム部材22の高さYは、支持部材2
1の高さXと、取付部25a、25bの幅(図2中Vで
示す幅の2倍)とを合わせた寸法よりも所定量大きく設
定されている。
【0030】フィルム部材22の両端部には、支持部材
21に形成された複数の突起部26と同じ等間隔に複数
の取付穴28が形成されている。また、フィルム部材2
2には、上述のレバー片23が挿入される挿入穴30が
形成されている。このようなフィルム部材22を支持部
材21を取り付けるには、先ずフィルム部材22の一端
側に等間隔に並んだ3つの取付穴28を、支持部材21
の一端側の突起部26に嵌合(または遊嵌)させる。そ
の後、支持部材21のレバー片23を挿入穴30に挿入
させながら、他端側の3つの取付穴28を反対側の突起
部26に嵌合(または遊嵌)させる。そして、例えば加
熱装置(図示しない)にて突起部26を溶融させること
で、支持部材21の取付部25a、25bにフィルム部
材22を熱溶着させる。これにより、フィルム部材22
が支持部材21に固定される(図3参照)。
【0031】そして、上述したようにZ=Wの関係にフ
ィルム部材22の幅Zを設定しているから、図3に示す
ように支持部材21とフィルム部材22の左右方向の幅
(図3中Eで示す幅)は両者とも同一となり、丁度重な
り合う。一方、図3中上下方向の高さ(図3中Fで示す
寸法)は、フィルム部材22の寸法の方が大きいことか
ら、支持部材21の平面部21aとフィルム部材22と
の間に空間ができるようにフィルム部材22が撓んだ状
態となる。
【0032】ここで、支持部材21およびフィルム部材
22のケース3内への取付構造を簡単に説明する。図1
に示す樹脂製のケース3は、紙面表側と紙面裏側とで2
つに分割されたケース体を金属クリップ、ねじ止め等の
手段にて一体に結合することにより構成されており、そ
してこのケース3の各分割ケース体の内壁には、図4に
示すように断面長穴形状のガイド溝33がケース3の上
下方向に形成されている。図4には、このガイド溝33
として図1中紙面裏側に位置するものが1箇所のみ示さ
れているが、実際には、このガイド溝33はケース3の
各分割ケース体の内壁の対向する部位に2箇所設けられ
ている。
【0033】また、このガイド溝33は、その溝の延在
方向がケース3内を流れる空気流れ方向に対し略垂直、
かつ冷風用開口部8および加熱用開口部9が開口した平
面と平行となるように形成されている。また、このガイ
ド溝33の形成位置は、冷風用開口部8および加熱用開
口部9の空気上流側で、これら開口部の近傍に形成され
ている。
【0034】また、このガイド溝33のうち、冷風通路
6に対応する部位には、空気上流側へ湾曲した円弧状部
分33a(図1、4参照)が設けられており、この円弧
状部分33aは後述する温度調整用操作レバー41が最
大暖房位置から暖房能力減少方向へ作動するとき、前記
リンク機構14の作動量よりもスライド式ドア12の作
動量を減少させるために形成されている。
【0035】また、ガイド溝33に上記円弧状部分33
aを設けることにより、前記温度調整用操作レバー41
が最大暖房位置から暖房能力減少方向へ作動するとき、
スライド式ドア12の冷風通路側部分(図1上方側部
分)が空気上流側(蒸発器4側)へ傾斜させる役割も果
たす。そして、支持部材21の保持部32を、一方のケ
ース体のガイド溝33内に挿入し、さらに反対側の保持
部32を他方のケース体のガイド溝33内に挿入し、2
つのケース体によって支持部材21が挟み込まれるよう
にして支持部材21をケース3内に収納するとともに、
ガイド溝33の延在方向に支持部材21を摺動可能に保
持する。
【0036】この収納状態では、支持部材21の一平面
部21aの延在方向が、ケース3内を流れる空気流れ方
向と略垂直(換言すれば、空気流れを横断する方向)と
なるように配置され、支持部材21がガイド溝33に沿
って移動することから、常に支持部材21は、この延在
方向に移動することになる。また、図4に示すように取
付部25a、25bは、支持部材21の移動方向の両端
側に位置させるようにしてある。
【0037】次に、前述したリンク機構14を図4に基
づいて詳しく説明する。リンク機構14は、両端がケー
ス3に回動可能に支持される駆動軸37を有し、この駆
動軸37はポリプロピレンなどの樹脂材より形成されて
いる。この駆動軸37はケース3内のエアミックスチャ
ンバー部13に水平方向(車両左右方向)に位置するよ
うに配設されている。この駆動軸37には、ケース3内
のエアミックスチャンバー部13の空気流れ方向を調節
する空気ガイド板34と、レバー片35が一体成形され
ている。このレバー片35はその一端側が駆動軸37に
連結され、駆動軸37の部位から支持部材21のレバー
片23側へ向かって延びるように配設されている。
【0038】また、このレバー片35は、駆動軸37の
軸方向におけるほぼ中間部位に形成され、その他端側に
は、円柱状の係合部(ピン)36が一体形成されてお
り、この係合部36は、支持部材21のレバー片23の
U字状係合溝23a内に遊嵌合により挿入されている。
従って、レバー片35は支持部材21のレバー片23の
係合溝23aに対して回動可能に係合している。
【0039】また、レバー片35と、支持部材21のレ
バー片23との係合関係は次のように設定されている。
すなわち、図8に示す最大冷房側の領域および図5に示
す最大暖房側の領域では、この両レバー片23、35が
図示するように屈折した位置関係で係合され、かつ図1
に示す中間温度制御域では、この両レバー片23、35
が図示するように略直線的に延在する位置関係で係合さ
れている。
【0040】また、駆動軸37の一端側(図4中図示さ
れていない側)はケース3内で外部へ突出しないように
してケース壁面に回動可能に支持されているが、他端側
はケース3の外部に突出し、この駆動軸37を駆動する
駆動手段としての駆動レバー27が連結されている。前
記空気ガイド板34は、駆動軸37の軸方向に沿った細
長い長方形の平板状に形成されており、そして、駆動軸
37と一体に回動してその向きが変更するようになって
いる。
【0041】以上の構成により、駆動軸37を回転させ
るに伴って、空気ガイド板34と一体にレバー片35も
回転し、レバー片35の係合部36の位置が図4中上下
方向に移動する。この係合部36の移動によって、支持
部材21がレバー片23を介して上下方向の力を受けて
ガイド溝33に沿い図4中上下方向(ケース3内を流れ
る空気流れ方向に対し略垂直な方向)に移動するように
なっている。。
【0042】前記した駆動レバー27の駆動機構は周知
のものでよく、本例では、車室内計器盤部に設けられる
空調制御パネル40に、手動操作可能な温度調整用操作
レバー41を設け、この操作レバー41と駆動レバー2
7との間をコントロールケーブル42により連結してい
る。従って、温度調整用操作レバー41に加わる手動操
作力をコントロールケーブル42を介して駆動レバー2
7に伝達して、駆動レバー27を回動させるようになっ
ている。
【0043】上記のように温度調整用操作レバー41の
手動操作力によりコントロールケーブル42を介して駆
動レバー27を回動させる機構の代わりに、空調用制御
装置により自動制御されるサーボモータなどのアクチュ
エータにより駆動レバー27を回動させる機構を用いて
もよい。次に、上記した構成において本実施例の作動を
説明する。先ず、図5に示すマックスホット(最大暖房
状態)時について説明する。
【0044】図5に示す状態は、支持部材21およびフ
ィルム部材22が最も上方に位置する作動位置であり、
この作動位置により加熱用開口部9を全開し、冷風用開
口部8を全閉する。その結果、蒸発器4を通過して冷却
された冷風が全てヒータコア5に送られる。この状態で
のフィルム部材22の形状を図6および図7に模式的に
示す。
【0045】なお、図6は送風機停止時のフィルム部材
22の状態を示すもので、図7は送風機作動時のフィル
ム部材22の状態を示すものである。図6に示すように
送風機停止時は、フィルム部材22は自然形状を維持
し、冷風用開口部8の周縁部38とフィルム部材22と
の間には、若干ながらの隙間が存在する。しかしなが
ら、図7に示すように送風機作動時においては、蒸発器
4を通過した空気(図7中矢印D)が、支持部材21の
貫通穴24a〜24dを通過してフィルム部材22の内
面に吹き付けられ、この風圧によってフィルム部材22
が図7中左方向に膨らむように撓み、冷風用開口部8の
周縁部38の全周にわたって圧接する。
【0046】これにより、冷風用開口部8がフィルム部
材22により確実に閉塞され、閉塞のシール効果を充分
高めることができる。それ故、マックスホット時におい
て冷風用開口部8から空気が漏れだすことが無くなり、
蒸発器4を通過した冷風は、全て加熱用開口部9から加
熱用通路7に送風されることになる。
【0047】また、このマックスホット状態において、
リンク機構14の空気ガイド板34は図5に示すように
加熱用通路7の出口側の開口面積を最大限広げるような
作動位置となる。次に、スライド式ドア12により、冷
風通路6および加熱用通路7の双方に蒸発器4を通過し
た空気が送られるエアミックス時(中間温度制御時)に
ついて、図1に基づき説明する。
【0048】この場合、支持部材21およびフィルム部
材22は、図1に示すようにケース3内の上下方向のほ
ぼ中間部に位置し、冷風用開口部8と加熱用開口部9と
の開口面積の割合を調節し、この両開口部8、9を通過
した空気をエアミックスチャンバー部13にて混合する
ことにより、所望の空調風温度を得る。ここで、もし、
冷風用開口部8から取り入れられた空気が、仕切部11
とフィルム部材22との間から漏れだし、加熱用通路7
に入り込むと所望の混合割合が得られないという問題が
生じる。また、逆に加熱用開口部9から取り入れられた
空気が、仕切部11とフィルム部材22との間から漏れ
だし、冷風通路6に入り込むと、やはり所望の混合割合
が得られないという問題が生じる。
【0049】しかしながら、本実施例においては、蒸発
器4を通過した空気は貫通穴24a〜24dを介して、
フィルム部材22に吹き付けられることから、フィルム
部材22が仕切部11側に膨らむように撓み、フィルム
部材22が仕切部11の端面に風圧により圧接するの
で、上記の問題の発生を防止できる。従って、フィルム
部材22によって、冷風通路6および加熱用通路7の開
口面積を調節して、所望の空調風温度を得ることができ
る。。
【0050】また、この場合、リンク機構14の空気ガ
イド板34は、図5に示す状態から図1に示す状態まで
矢印G方向に回動し、加熱用通路7の出口側の開口面積
を小さくすると共に、空気ガイド板34により加熱用通
路7のうち、通路16との隔壁16aに近接した部分を
塞ぐような作動位置となる。これにより、加熱用通路7
を通過した空気は、空気ガイド板34により流れ方向が
変更されてフィルム部材22と空気ガイド板34との間
(図1参照)を流通して、冷風通路6側へ流れる。
【0051】従って、冷風通路6を流れる冷風に対し
て、フィルム部材22と空気ガイド板34との間から温
風が直交方向ないし若干逆方向より衝突することにな
り、冷温風の混合がし易くなり、冷温風をエアミックス
チャンバー部13において均一に混合することができ
る。次に、図8に示すマックスクール(最大冷房状態)
時について説明する。
【0052】図8に示す状態は、支持部材21が最も下
方に位置する状態であり、加熱用開口部9を全閉し、冷
風用開口部8を全開するため、蒸発器4を通過した空気
が全て冷風通路6に送られる。このマックスクール時に
おけるフィルム部材22の状態は、上述のマックスホッ
ト時と同様なため説明を省略する。
【0053】このマックスクール状態において、リンク
機構12の空気ガイド板34は、図1に示す回動位置よ
り矢印Gで示す方向にさらに回動し、加熱用通路7の出
口側の開口面積を最大限狭めるような作動位置となる。
ここで、加熱用通路7には空気は流れないが、ヒータコ
ア5からの放熱(ヒータコア5内にエンジン冷却水が常
時循環しているので自然対流による放熱がある)によっ
て、若干ながら暖められた温風が、図8中矢印Kで示す
ようにエアミックスチャンバー部13に混じり込み、冷
房性能を低下させるという不具合が生じる。
【0054】しかしながら、空気ガイド板34が加熱用
通路7の出口側の開口面積を最大限狭めるような作動位
置となり、さらに空気ガイド板34がヒータコア5にて
暖められた温風がエアミックスチャンバー部13に混入
することを抑制する遮断壁の役割を果たすことから、ヒ
ータコア5からの放熱による冷房性能の低下を最小限に
抑えることができる。
【0055】また、図1に示すように空気ガイド板34
が、左上がりにて傾斜(エアミックスチャンバー部13
の空気下流側が上方となる傾斜)していることから、冷
風通路6を通過した空気が加熱用通路7に流入しないよ
うに遮断すると共に、通路15または通路16側へこの
空気を導くガイドの役割も果たしている。さらに、本実
施例においては、温度制御特性に関して、次に述べるよ
うな特徴を有している。
【0056】すなわち、本実施例においては、ケース3
に設けるガイド溝33のうち、冷風通路6に対応する部
位には、空気上流側(蒸発器4側)へ湾曲した円弧状部
分33aを設け、この円弧状部分33aによって、温度
調整用操作レバー41が最大暖房位置から暖房能力減少
方向へ作動するとき、リンク機構14の係合部(ピン)
36の冷風通路横断方向(図1上下方向)の作動量より
もスライド式ドア12の冷風通路横断方向の作動量を減
少させている。
【0057】つまり、リンク機構14の係合部(ピン)
36の冷風通路横断方向の作動量に対して、スライド式
ドア12はその保持部(ピン)32が空気上流側(蒸発
器4側)へ湾曲した円弧状部分33a内に嵌合している
ので、空気上流側(蒸発器4側)へ傾斜した動きを行
う。その結果、スライド式ドア12の冷風通路横断方向
(図1上下方向)の作動量がリンク機構14の係合部
(ピン)36の冷風通路横断方向の作動量より減少する
ことになる。
【0058】図9(a)、(b)は、上記ガイド溝33
に円弧状部分33aを設けることによる効果を説明する
図であって、温度調整用操作レバー41が最大暖房位置
から暖房能力減少方向へ作動し、(a)のL1、L2の
位置に到達すると、ガイド溝33を直線形状とした比較
例の場合には、スライド式ドア12の保持部(ピン)3
2が(b)に示すようにマックスホット位置(最上方位
置)からM1、M2位置にそれぞれ到達し、その結果、
車室内への吹出空気温度は(a)のM1、M2点まで大
幅に低下する。この大幅な温度低下は、前述したように
冷風通路6が加熱用通路7に比して通風抵抗が充分小さ
いため発生する。
【0059】これに反し、本発明の実施例では、温度調
整用操作レバー41が最大暖房位置から暖房能力減少方
向へL1、L2の位置まで移動したとき、前記ガイド溝
33の円弧状部分33aの存在により、スライド式ドア
12の保持部(ピン)32が(b)に示すM1′、M
2′の位置までしか移動せず、冷風通路横断方向の作動
量が比較例の場合より減少する。
【0060】その結果、温度調整用操作レバー41が最
大暖房位置から暖房能力減少方向へ移動するとき、温風
量が急激に減少することを抑制できるので、車室内への
吹出空気温度は(a)のM1′、M2′の点までしか低
下せず、(a)に示すように本発明の実施例によれば、
温度調整用操作レバー41の操作位置に対して直線的に
変化する温度制御特性を得ることができる。
【0061】従って、温度調整用操作レバー41の操作
による車室内の温度制御を容易に行うことができる。ま
た、ガイド溝33に上記円弧状部分33aを設けること
により、前記温度調整用操作レバー41が最大暖房位置
から暖房能力減少方向へ作動するとき、スライド式ドア
12を空気上流側(蒸発器4側)へ傾斜させることがで
きるので、このスライド式ドア12の傾斜により送風空
気を加熱用通路7側へ案内して、温風量をより一層増加
でき、温度制御特性をさらに改善できる。
【0062】また、リンク機構14において、レバー片
35と、支持部材21のレバー片23とを、図8に示す
最大冷房側および図5に示す最大暖房側の領域では、図
示する屈折した位置関係で係合し、かつ図1に示す中間
温度制御の領域ではこの両レバー片23、35を図示す
るように略直線的に延在する位置関係で係合している。
【0063】このため、図8に示す最大冷房側および図
5に示す最大暖房側の領域では、温度調整レバー41の
操作量(レバー片35の移動量)に対するレバー片23
の移動量、すなわちスライド式ドア12の移動量がほぼ
零となり、吹出空気温度をほぼ一定に維持できる。一
方、図1に示す中間温度制御の領域では上記両レバー片
23、35が略直線的に延在する位置関係で係合してい
るため、温度調整レバー41の操作量(レバー片35の
移動量)に対してレバー片23の移動量が1対1の関係
で直線的に変化する。
【0064】上記のごときレバー片23、35の係合関
係を設定することにより、図9(a)に示す最大冷房側
の領域および最大暖房側の領域で吹出空気温度がほ
ぼ一定となる温度制御パターンが得られる。この制御パ
ターンによれば、最大冷房側の領域および最大暖房側
の領域において、温度調整レバー41の操作量に対し
て吹出空気温度が一定になるので、リンク機構14、温
度調整レバー41、コントロールケーブル42等の寸法
バラツキが多少あっても、温度調整レバー41を最大冷
房位置または最大暖房位置に操作したときに、上記の所
定幅を持った領域、の存在によりスライド式ドア1
2を確実に最大冷房位置(加熱用通路7の全閉位置)ま
たは最大暖房位置(冷風通路6の全閉位置)に位置させ
ることができ、最大冷房能力および最大暖房能力を確実
に設定できる。また、中間温度制御の領域では温度調整
レバー41の操作量(レバー片35の回動量)に対して
レバー片23の移動量が1対1の関係で直線的に変化し
て、吹出空気温度を直線的に変化させることに貢献す
る。
【0065】以上、まとめると平板状の支持部材21お
よびフィルム部材22が、平板の延在方向と同じ方向で
あり、ケース3内の空気流れ方向に対し略垂直な方向に
移動することにより、支持部材21およびフィルム部材
22の作動スペースを小さくすることが可能となる。具
体的には、従来のような回動式のエアミックスドアに比
べ、図1中左右方向(車両前後方向)の幅を大幅に短く
することが可能となる。
【0066】しかも、支持部材21を作動させるリンク
機構14を、ケース3内の冷風通路6からエアミックス
チャンバー部13に至る空間に設置しているから、支持
部材21と蒸発器4とのクリアランスを必要最小限に縮
小できる。また、リンク機構14を、ケース3内に内蔵
しているから、ケース3外部にリンク機構14の設置ス
ペースを確保する必要もない。
【0067】その結果、車両用空調装置の体格を大幅に
小さくすることができる。また、フィルム部材22を風
圧によって撓ませ、周縁部38および仕切壁11に圧接
させることで確実にシールすることができる。また、温
度調整用操作レバー41が最大暖房位置から暖房能力減
少方向へ移動するとき、温風量が急激に減少すること
を、ケース3のガイド溝33形状の改善により効果的に
抑制することができ、吹出空気温度を直線的に制御でき
る。
【0068】また、リンク機構14におけるレバー片2
3、35の係合関係を工夫することにより、リンク機構
14等の寸法バラツキに影響されることなく、確実に最
大冷房能力および最大暖房能力を設定できる、良好な温
度制御特性が得られる。次に、図10〜図12は本発明
の他の実施例を示すもので、本例ではスライド式ドア1
2のシール構造として、フィルム部材22を使用せず
に、弾性に富んだゴム製のパッキン120を使用して構
成している。
【0069】すなわち、図11に詳細に示すように、開
口部を持たない平板状のドア本体121において、長方
形の外周縁部にロの字形状をしたパッキン120を接着
等により固着し、このパッキン120をマックスホット
時(最大暖房時)には冷風用開口部8の周縁部に圧着さ
せて、冷風用開口部8を全閉するためのシール効果を得
る。
【0070】一方、マックスクール時(最大冷房時)に
は、ドア本体121のパッキン120を加熱用開口部9
の周縁部に圧着させて、加熱用開口部9を全閉するため
のシール効果を得る。そして、ドア本体121のパッキ
ン120をケース3の内壁面に圧着したまま摺動させる
と、パッキン120の摺動抵抗の発生によりスライド式
ドア12の操作力が非常に増大するという不具合が生じ
る。
【0071】そこで、本実施例においては、ケース3に
設けるガイド溝33のうち、冷風通路6に対応する部位
に、空気上流側(蒸発器4側)へ湾曲した円弧状部分3
3aを設けるとともに、加熱用通路7に対応する部位
に、空気上流側(蒸発器4側)へ湾曲した円弧状部分3
3bを設ける。上記の両円弧状部分33a、33bを設
けることにより、スライド式ドア12がマックスホット
時(最大暖房時)およびマックスクール時(最大冷房
時)以外の位置に移動するときには、上記の両円弧状部
分33a、33bの蒸発器4側への湾曲部分にドア本体
121の保持部(ピン)32が移行し、ドア本体121
が冷風用開口部8および加熱用開口部9の周縁部のケー
ス内壁面から離れる。
【0072】従って、スライド式ドア12の移動に際し
て、パッキン120の摺動抵抗が発生せず、スライド式
ドア12を軽快に作動させることができる。なお、上述
した実施例では、空調ユニットケース3内に蒸発器3を
備える場合について説明したが、本発明は、蒸発器(冷
却器)4を持たず、送風空気がそのまま、ヒータコア
(加熱器)5および冷風通路6側へ流入するタイプの自
動車用空調装置にも適用できることはもちろんである。
このタイプの自動車用空調装置における最大冷房状態
は、送風空気の全量がヒータコア5で加熱されることな
く、冷風通路6を通過する状態をいう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施例におけるエアミックス時
の状態を示す概略構成断面図である。
【図2】図1に示すスライド式ドアにおける支持部材と
フィルム部材との分解斜視図である。
【図3】図2に示す支持部材とフィルム部材との組付状
態の斜視図である。
【図4】スライド式ドアのケース内での収納保持状態を
示す斜視図である。
【図5】本発明装置の一実施例におけるマックスホット
時の状態を示す概略構成断面図である。
【図6】送風機停止時におけるフィルム部材の状態を示
す部分構造図である。
【図7】送風機作動時におけるフィルム部材の状態を示
す部分構造図である。
【図8】本発明装置の一実施例におけるマックスクール
時の状態を示す概略構成断面図である。
【図9】(a)は本発明装置の一実施例と比較例の温度
制御特性を示すグラフ、(b)はスライド式ドアの作動
量を比較して示す説明図である。
【図10】本発明装置の他の実施例におけるマックスホ
ット時の状態を示す概略構成断面図である。
【図11】図10に示すスライド式ドアのケース内での
収納保持状態を示す斜視図である。
【図12】図10に示すスライド式ドアのケース内での
収納保持状態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1…空調ユニット、3…ケース、4…蒸発器、5…ヒー
タコア、6…冷風通路、7…加熱用通路、12…スライ
ド式ドア、13…エアミックスチャンバー部、14…リ
ンク機構、15、16、17、18…吹出空気通路、2
1…支持部材、22…フィルム部材、23…第1のレバ
ー片、33…ガイド溝、33a、33b…円弧状部分、
35…第2のレバー片、37…駆動軸、41…温度調整
レバー。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調ユニットケースと、 この空調ユニットケース内に設けられ、送風空気を加熱
    する加熱器と、 この加熱器と並列に設けられ、この加熱器をバイパスし
    て前記送風空気を流す冷風通路と、 前記冷風通路を通る空気と、前記加熱器を通過して加熱
    された温風とを混合する冷温風混合空間と、 この冷温風混合空間の空気下流側に設けられ、この冷温
    風混合空間からの空気を車室内吹出口に導く吹出空気通
    路と、 前記加熱器および前記冷風通路の空気上流側に、前記加
    熱器への空気通路および前記冷風通路を横断する方向に
    摺動可能に設けられ、前記加熱器と前記冷風通路への風
    量割合を調整するスライド式ドアと、 前記空調ユニットケースに設けられ、前記スライド式ド
    アを前記横断方向に摺動可能に案内するガイド溝と、 前記スライド式ドアに連結され、前記スライド式ドアを
    前記横断方向に摺動させるリンク機構と、 このリンク機構を作動させる温度調整機構とを具備し、 前記ガイド溝は、前記温度調整機構が最大暖房位置から
    暖房能力減少方向へ作動するとき、前記リンク機構の前
    記横断方向への作動量よりも前記スライド式ドアの前記
    横断方向への作動量を減少させる形状に形成されている
    ことを特徴とする自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記空調ユニットケースには、前記加熱
    器および前記冷風通路の空気上流側に送風空気を冷却す
    る冷却器が備えられていることを特徴とする請求項1に
    記載の自動車用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイド溝のうち、前記冷風通路に対
    応する部位には、空気上流側へ湾曲した円弧状部分が設
    けられており、 この円弧状部分により、前記温度調整機構が最大暖房位
    置から暖房能力減少方向へ作動するとき、前記リンク機
    構の前記横断方向への作動量よりも前記スライド式ドア
    の前記横断方向への作動量を減少させることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の自動車用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記スライド式ドアは、平板状の形状に
    形成されており、この平板状の両端面部に円柱状の保持
    部を有し、この保持部が前記ガイド溝に摺動可能に嵌合
    していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    1つに記載の自動車用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記リンク機構は、 前記スライド式ドアに設けられた第1のレバー片と、 前記温度調整機構により回動するように設けられた駆動
    軸と、 この駆動軸に一体に回動するように結合された第2のレ
    バー片とを有し、 この第2のレバー片は、前記第1のレバー片と回動可能
    に係合されていることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれか1つに記載の自動車用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド溝は、前記温度調整機構が最
    大暖房位置から暖房能力減少方向へ作動するとき、前記
    リンク機構の前記横断方向への作動量よりも前記スライ
    ド式ドアの前記横断方向への作動量を減少させるととも
    に、前記スライド式ドアを空気上流側へ傾斜させる形状
    に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれか1つに記載の自動車用空調装置。
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