JPH08290440A - 先鋭部を処理する日用品の製造方法 - Google Patents

先鋭部を処理する日用品の製造方法

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JPH08290440A
JPH08290440A JP12089595A JP12089595A JPH08290440A JP H08290440 A JPH08290440 A JP H08290440A JP 12089595 A JP12089595 A JP 12089595A JP 12089595 A JP12089595 A JP 12089595A JP H08290440 A JPH08290440 A JP H08290440A
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cavity
sharpened portion
manufacturing
sharpened
intermediate product
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JP12089595A
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Inventor
Masanori Narutomi
正徳 成富
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Taisei Purasu Co Ltd
Original Assignee
Taisei Purasu Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】日用品の耐久性があるエッジ処理を低廉に行
い、大量消費時代の安全性に寄与する。 【構成】紙製又は樹脂製の展開状態の成形部品の先鋭部
を覆うように熱可塑性エラストマを異射材質出成形によ
り熱融着させ、冷却時に表面張力でコーナー、エッジ部
を丸く処理する。先鋭部をエラストマで成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、先鋭部を処理する日用
品の製造方法に関する。さらに詳しくは、各種ファイ
ル、各種ケース、各種カバンなどを含む文房具、事務用
品などの身の回りに多い日用品であって危険がないよう
に先鋭部の処理が適切に行われることが望ましい日用品
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】身の回りには、多くの日用品がある。各
家庭には、紙製、樹脂製のファイル、ファイル兼用の紙
製ケース、下敷きなどの文房具がある。また、職場に
は、名刺、カードを入れる樹脂製の各種ケース、持運び
する紙製カバンがある。また、多様なカードがある。日
常的に用い何気なく無頓着に身の回りに放置されやす
い。このような日用品を指でさわり口に入れる乳幼児が
やわらかい指、唇を切る機会が近年増大している。
【0003】一般に、身の回り品に限られず人が触れる
可能性がある製品は、先鋭部がないように処理が行われ
る。射出成形の場合、キャビティーのコーナー、エッジ
が処理されているので、成形品のコーナー、エッジは普
通は先鋭化していない。しかし、パーティングラインが
コーナー、エッジになるような場合には、いわゆるバリ
状の先鋭部が生じるので先鋭部の鈍化のための2次加工
が必要になる。
【0004】樹脂製カード、カード状カレンダーなどの
ごく薄い製品は、射出成形によらず薄いシートを切断す
ることにより成形されている。文房具等日用品には、ボ
タン、ホック、凹凸嵌合用先鋭部が積極的に形成されて
いる。この場合は、コーナー、エッジの後処理が必須と
なる。嵌合部材にはこのような処理方法には、コスト高
になる問題点がある。大量消費、低廉化の現代の消費生
活には、同時に安全性が強く要求されている。低廉で安
全な日用品に関して、量産化技術の手法の確立が急がれ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような技
術的背景に基づいてなされたものであり、下記目的を達
成するものである。
【0006】本発明は、低廉で安全な先鋭部を処理する
日用品の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】本発明は、先鋭部を柔らかくして低廉で安
全な先鋭部を処理する日用品の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】本発明は、処理部分の耐久性が高く低廉で
安全な先鋭部を処理する日用品の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】本発明は、組立工程中で処理を行うことに
より低廉で安全な先鋭部を処理する日用品の製造方法を
提供することを目的とする。
【0010】本発明は、組立工程中に射出成形技術によ
り処理を行うことにより低廉で安全な先鋭部を処理する
日用品の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】本発明は、文房具等日用品の先鋭部を後処
理によらず安全なものにする日用品の低廉な製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】本発明は、文房具等日用品の先鋭部を安全
なものにする日用品であって低廉な文房具ケースを提供
することを目的とする。
【0013】本発明の他の目的は、実施例を通じてより
明らかにされる。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に次のような手段を採る。
【0015】この発明1の先鋭部を処理する日用品の製
造方法は、紙製又は樹脂製の中間製品を成形する成形工
程と、前記中間製品の先鋭部を覆うように樹脂を熱融着
させる融着工程とからなる。
【0016】この発明2の先鋭部を処理する日用品の製
造方法は、前記発明1の先鋭部を処理する日用品の製造
方法の成形工程が前記中間製品の一部又は全部を展開状
態で成形する成形工程である。
【0017】この発明3の先鋭部を処理する日用品の製
造方法は、前記発明2の先鋭部を処理する日用品の製造
方法において、前記成形工程と前記融着工程との間に、
前記部品を射出成形型に挿入する工程と、前記射出成形
型と前記中間製品の前記先鋭部とでキャビティーを形成
する工程と、前記キャビティーに溶融樹脂を注入する工
程とが挿入されている。
【0018】この発明4の先鋭部を処理する日用品の製
造方法は、前記発明2の先鋭部を処理する日用品の製造
方法において、前記成形工程と前記融着工程との間に、
前記部品を射出成形型に挿入する工程と、前記射出成形
型と前記中間製品の前記先鋭部とでキャビティーを形成
する工程と、前記キャビティーに溶融樹脂を注入する工
程と、前記溶融樹脂を冷却させて固体化させる工程と、
前記工程で固体化した部分を加熱する工程とが挿入され
ている。
【0019】この発明5の先鋭部を処理する日用品の製
造方法は、前記発明1ないし前記発明4の先鋭部を処理
する日用品の製造方法において、前記樹脂が熱可塑性樹
脂エラストマである。
【0020】この発明6の先鋭部を弾性化する日用品の
製造方法は、紙製又は樹脂製の中間製品を成形する成形
工程と、前記中間製品に弾性樹脂を熱融着させて先鋭部
を形成する先鋭部融着工程とからなる。
【0021】この発明7の先鋭部を弾性化する日用品の
製造方法は、前記発明6の製造方法であり、前記成形工
程と前記先鋭部融着工程との間に、前記中間製品を射出
成形型に挿入する工程と、前記射出成形型と前記中間製
品とでキャビティーを形成する工程と、前記キャビティ
ーに弾性材料の溶融樹脂を注入する工程とが挿入されて
いる。
【0022】この発明8の先鋭部を弾性化する日用品の
製造方法は、前記発明6又は前記発明7の先鋭部を弾性
化する日用品の製造方法であり、前記弾性材料が熱可塑
性エラストマである。
【0023】本発明9の文房具ケースは、前記前記発明
6、発明7又は前記発明8のいずれかの先鋭部を弾性化
する日用品の製造方法により製造される製品が文房具を
収納するために用いられる文房具ケースである。
【0024】
【作用】本発明の先鋭部を処理する日用品の製造方法
は、日用品の先鋭部に樹脂が熱融着する。溶融状態の樹
脂が冷却する際に表面張力により丸く固体化する。熱融
着部は、本体に対して一体化され破損が生じない。この
日用品の製造方法は、この熱融着は、射出成形時の溶融
熱又は成形後の加熱により行われる。融着樹脂としてエ
ラストマも用いられる。エラストマの弾性により融着部
の耐久性が高い。
【0025】本発明の先鋭部を弾性化する日用品の製造
方法は、先鋭部が弾性材料で融着により形成されてい
る。先鋭部が弾性的であるので先鋭部は人体に対して先
鋭な作用をしない。
【0026】
【実施例】
(実施例1)次に、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例1を示す射出成形工程の断面図
である。実施例1により製造される製品は、図2に示す
紙製のファイル兼用カバン1である。完成品のファイル
兼用カバン1は、公知のカバンから金具が取り除かれ本
発明による処理が行われている。
【0027】ファイル兼用カバン1は、前後の本体2,
3と底部4と蛇腹部5とから構成されている。前後の本
体2,3と底部4は、図3に示すように、1枚の一体の
薄い紙体である。後方本体3は、上端部で逆方向に折り
曲げられる蓋部6を備えている。蓋部6は複数の線状の
折れ目7を有し、折れ目7の位置で折り曲げ開閉自在で
ある。
【0028】蛇腹部5は、底部4の上面と前後本体2,
3の内面のそれぞれの側方部に糊付けされ、蛇腹状に形
成されている。前後の本体2,3と底部4と蛇腹部5と
で内部に空間を形成している。 図3は、本体2,3の
展開図である。図2に示すように、蓋部6の下辺両端部
のコーナーである先鋭部は、熱融着部11により保護さ
れている。熱融着部11は、図4,5に示すように、蓋
部6の下辺両端部のコーナーの両辺の表裏面及び側面に
融着している。
【0029】図1に示すように、射出成形型は、固定側
型21と可動側型22とから構成されている。図3に示
す展開状態の紙体が、固定側型21に挿入されている。
蓋部6の下辺両端部のコーナーの両辺の表裏面及び側面
により、即ち蓋部6の先鋭部により閉じるキャビティー
23が、両型21,22と蓋部6とにより形成されてい
る。両型21,22の合せ目にパーティクルライン24
が現れている。キャビティー23に通じるゲート25
が、下型に設けられている。
【0030】キャビティー23に、適切な温度と圧力の
溶融状態の熱可塑性弾性材料が注入される。熱可塑性弾
性材料は、相手側材料との熱溶着性が考慮され、ナイロ
ン・エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマーなどから選択される。このよう
な材料は、冷却硬化後に弾性を有するほかに、摩擦性が
あり滑りにくく、耐摩耗性もあり紙性カバンの耐久性に
照らしてみれば実質的に強靭である。
【0031】熱可塑性弾性材料が冷却され固体化する
際、両型が形成するキャビティー23が仮に先鋭な部分
を持っていても、図5に示すように、応力を平均化しや
すい弾性体の性質により先鋭な稜線部は僅かであっても
丸み31を帯びて硬化する。パーティクルラインは余り
目立たない。熱可塑性弾性材料は、溶融熱により溶解す
る相手側の合成紙の繊維の周囲の表層に入り込み、両材
料が分子層レベルで混合凝着して熱融着し、部分的に固
溶体の状態になり完全に融合する。
【0032】天然繊維紙を用いている場合にも、紙面両
側には樹脂による表面処理例えば合成樹脂シートの熱接
着処理が行われている。この場合は、熱可塑性弾性材料
に溶着しやすい材料の樹脂シートを用いる。樹脂シー
ト、又は、天然紙に代わる樹脂板として用いるABS樹
脂、ポリカーボネート、PP、PBT、ナイロン6,1
1,12などの硬質のエンジニアリン・グプラスティク
に対して、前記エラストマが選択される。熱可塑性弾性
材料に公知の融着補助剤を混合して融着性を高めること
ができる。
【0033】図3に示す展開状態の本体紙に熱融着部1
1を固着してから、蛇腹部5を本体2、本体3に糊付け
して、底部4を挟み本体2、本体3を折り曲げ、図2に
示すファイル兼用カバン1を組み立てる。熱融着部11
は、手に当たってもゴム弾性を有し皮膚を傷つけない。
熱融着部11は耐摩耗性に優れ、本体の耐久性に比べて
十分な耐久性を有している。
【0034】(実施例2)図6は、下敷きに本発明の先
鋭部を処理する日用品の製造方法を適用した実施例2を
示す。0.5mm〜1mmの厚さの下敷41には、硬質
のエンジニアリング・プラスティクスが用いられてい
る。実施例1と同様に、固定側型21と可動側型22と
からなる射出成形型が用いられている。他の工程で成形
された長方形の下敷41が、固定側型21に挿入されて
いる。4辺の側面と両型21,22により閉じたキャビ
ティー23が、形成されている。
【0035】キャビティー23に通じる複数のゲート2
5が、固定側型21に設けられている。キャビティー2
3に熱可塑性弾性体が注入される。この実施例では、熱
融着部11は下敷41の両面と面一に形成されている。
【0036】(実施例3)図7は、ホックに本発明の先
鋭部を処理する日用品の製造方法を適用した実施例3を
示す。小さいプラスティック製ホック51には、硬質の
エンジニアリング・プラスティクスが用いられている。
実施例1と同様に、固定側型21と可動側型22とから
なる射出成形型が用いられている。他の工程で成形され
た円形のホック51が、固定側型21に挿入されてい
る。
【0037】ホック51の上面と両型21,22により
閉じたキャビティー23が、形成されている。キャビテ
ィー23に通じるゲート25が、可動側型22に設けら
れている。キャビティー23に熱可塑性弾性体が注入さ
れる。この実施例では、熱融着部11は、ホック51の
側周面52と面一に形成されている。このようなホック
を指で押すとき、熱融着部11(図示されず)が弾力的
に変形して指が円形の先鋭な稜線に触れない。
【0038】(実施例4)次に、本発明の実施例4につ
いて説明する。この発明は、先鋭部を後処理するのでな
く先鋭部を弾性材料で形成することに特徴がある。図8
及び図9は、この実施例により製造されるペンケース6
1を示している。ペンケース61は、下側ケース本体6
2aと上側ケース本体62bと帯部63と下部壁64と
上部壁65とペン装着部66とから構成されている。下
側ケース本体62aと上側ケース本体62bとは、ヒン
ジ部67で結合されている。
【0039】下側ケース本体62aと上側ケース本体6
2bとヒンジ部67とは、PP(ポリプロピレン)で形
成されている。PPを用いるのは、ヒンジ部67のヒン
ジ性の耐久性を保証するためである。この点では、下側
ケース本体62aと上側ケース本体62bとにPPを用
いる必要はないが、3者の一体射出成形上の便宜から、
全体にPPが用いられている。したがって、下側ケース
本体62aと上側ケース本体62bとには、塩化ビニル
等の通常の硬質のエンジニアリング・プラスティクスを
用い、両本体間を異材質一体射出成形によりPPのヒン
ジ部67で架橋することができる。
【0040】帯部63と下部壁64と上部壁65とペン
装着部66とは、弾性材料である前記エラストマの融着
体で形成されている。ペンケースの完成品には、図示さ
れていないボタン、フック等が帯部63とケース本体6
2に公知の手段で取り付けられる。図8及び図9は、展
開図でもあり完成品の使用態様をも示している。
【0041】下部壁64は、下側ケース本体62aの縁
の四周に設けられ、内側に下側空間を形成する。上部壁
65は、上側ケース本体62bの縁の四周に設けられ、
内側に上側空間を形成する。ヒンジ部66により折り曲
げられて上側ケース本体62bを下側ケース本体62a
に対向させると、図10に示すように、下部壁64の上
端面と上部壁65の下端面とが概ね一致し、下側ケース
本体62aと上側ケース本体62bと下部壁64と上部
壁65とで閉じた収容スペースが形成される。この実施
例では、下部壁64と上部壁65がペンケース61の先
鋭部を構成している。
【0042】図11は、ペンケース61を射出成形方法
により下部壁64と上部壁65である先鋭部を本体下側
ケース本体62a及び上側ケース本体62bに異材質一
体成形する製造方法を示している。図11に示すよう
に、射出成形型は、固定側型21と可動側型22とから
構成されている。下側ケース本体62aと上側ケース本
体62bとヒンジ部67とからなる中間製品の一体物
は、別途射出成形により又はPP製シートの切断により
製造されている。このような一体物が固定側型21に挿
入されている。固定側型21と可動側型22と下側ケー
ス本体62aと上側ケース本体62bとヒンジ部67と
により閉じられたキャビティー68が、形成されてい
る。キャビティー68は、帯部63に相当する帯部キャ
ビティー68aと下部壁64に相当する下部壁部キャビ
ティー68bと上部壁65に相当する上部壁部キャビテ
ィー68cとペン装着部66に相当するペン装着部キャ
ビティー68dとから構成されている。帯部キャビティ
ー68aと下部壁部キャビティー68bとは、連結され
ている。キャビティー68に通じるゲート25が、上型
に設けられている。
【0043】キャビティー68に、適切な温度と圧力の
溶融状態の熱可塑性弾性材料が注入される。熱可塑性弾
性材料は、相手側材料との熱溶着性が考慮され、ナイロ
ン・エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマーなどから選択される。このよう
な材料は、冷却硬化後に弾性を有するほかに、摩擦性が
あり滑りにくく、本体のPPの耐久性に照らしてみれば
実質的に強靭である。
【0044】熱可塑性弾性材料が冷却され固体化する
際、両型が形成するキャビティー68が仮に先鋭な部分
を持っていても、応力を平均化しやすい弾性体の性質に
より先鋭な稜線部は僅かであっても丸みを帯びて硬化す
る。熱可塑性弾性材料は、溶融熱により溶解する相手側
のPPの表層に入り込み、両材料が分子層レベルで混合
凝着して熱融着し、部分的に固溶体の状態になり完全に
融合する。
【0045】幾何学的に先鋭な先鋭部である下部壁64
及び上部壁65の稜線が先鋭に成形されてもよい。下部
壁64及び上部壁65がクッション材であるから、物理
的には下部壁64及び上部壁65は、人体特に指に対し
ては先鋭ではない。
【0046】(実施例5)次に、本発明の実施例5につ
いて説明する。この発明は、先鋭部を後処理するのでな
く先鋭部を弾性材料で形成することに特徴があり、この
点で実施例4に同様である。図12及び図13は、この
実施例により製造されるバインダー71を示している。
バインダ71は、下側ケース本体72aと上側ケース本
体72bと帯部73と下部壁74と上部壁75と止め部
76とから構成されている。下側ケース本体72aと上
側ケース本体72bとは、ヒンジ部77で結合されてい
る。係合金具等を取り付けるための2穴79が開けられ
ている。
【0047】下側ケース本体72aと上側ケース本体7
2bとヒンジ部77とは、PP(ポリプロピレン)で形
成されている。PPを用いるのは、ヒンジ部77のヒン
ジ性の耐久性を保証するためである。帯部73と下部壁
74と上部壁75と止め部76とは、弾性材料である前
記エラストマの融着体で形成されている。図12及び図
13は、展開図でもあり完成品の使用態様をも示してい
る。
【0048】下部壁74は、下側ケース本体72aの縁
の三周に設けられ、内側に下側空間を形成する。上部壁
75は、上側ケース本体72bの縁の三周に設けられ、
内側に上側空間を形成する。ヒンジ部77により折り曲
げられて上側ケース本体72bを下側ケース本体72a
に対向させると、図14に示すように、下部壁74の上
端面と上部壁75の下端面とが概ね一致し、下側ケース
本体72aと上側ケース本体72bと下部壁74と上部
壁75とヒンジ部77とで閉じた収容スペースが形成さ
れる。この実施例では、下部壁74と上部壁75と止め
部76とがバインダ71の先鋭部を構成している。
【0049】図15は、バインダ71を射出成形方法に
より下部壁74と上部壁75である先鋭部を本体下側ケ
ース本体72a及び上側ケース本体72bに異材質一体
成形する製造方法を示している。図15に示すように、
射出成形型は、固定側型21と可動側型22とから構成
されている。図下側ケース本体72aと上側ケース本体
72bとヒンジ部77とからなる中間製品の一体物は、
別途射出成形により又はPP製シートの切断により製造
されている。このような一体物が固定側型21に挿入さ
れている。固定側型21と可動側型22と下側ケース本
体72aと上側ケース本体72bとヒンジ部77とによ
り閉じられたキャビティー78が、形成されている。キ
ャビティー78は、帯部73に相当する帯部キャビティ
ー78aと下部壁74に相当する下部壁部キャビティー
78bと上部壁75に相当する上部壁部キャビティー7
8cと止め部76に相当する止め部キャビティー78d
とから構成されている。帯部キャビティー78aと下部
壁部キャビティー78bとは、連結されている。キャビ
ティー78に通じるゲート25,71が、上型及び下型
にそれぞれに設けられている。
【0050】キャビティー78に、適切な温度と圧力の
溶融状態の熱可塑性弾性材料が注入される。熱可塑性弾
性材料は、既述の通りである。熱可塑性弾性材料が冷却
され固体化する際、両型が形成するキャビティー78が
仮に先鋭な部分を持っていても、応力を平均化しやすい
弾性体の性質により先鋭な稜線部は僅かであっても丸み
を帯びて硬化する。
【0051】熱可塑性弾性材料は、溶融熱により溶解す
る相手側のPPの表層に入り込み、両材料が分子層レベ
ルで混合凝着して熱融着し、部分的に固溶体の状態にな
り完全に融合する。幾何学的に先鋭な先鋭部である下部
壁74及び上部壁75の稜線が先鋭に成形されてもよ
い。下部壁74及び上部壁75がクッション材であるか
ら、物理的には下部壁74及び上部壁75は、人体特に
指に対しては先鋭ではない。
【0052】(実施例6)次に、本発明の実施例6につ
いて説明する。この発明は、先鋭部を後処理するのでな
く先鋭部を弾性材料で形成することに特徴があり、この
点で実施例4に同様である。斜軸投影断面図である図1
6は、この実施例により製造されるシステムノート用の
入れ物91の1部を示している。入れ物91は、入れ物
本体91aと外側保護縁91bと内側保護縁91cと壁
91dとから構成されている。
【0053】外側保護縁91bと内側保護縁91cと壁
91dは、前記のエラストマで成形され、入れ物本体9
1aに融着している。外側保護縁91bと内側保護縁9
1cとは入れ物本体91aの1つの周辺に設けられてい
る。壁91dは、前記1つの周辺の全部とこの周辺に隣
り合う2つの周辺の1部に設けられている。外側保護縁
91bは入れ物本体91aの端縁面を被覆している。
【0054】内側保護縁91cは入れ物本体91aの端
縁面を被覆している外側保護縁91bの部分の内側面に
融着している。壁91dは内側保護縁91cに一体であ
り内側保護縁91cの端部から立ち上がっている。壁9
1dの自由縁側は薄く先鋭に形成されている。他の物に
触れる機会が多い外側保護縁91bは厚めの層として、
他の物に触れる機会が少ない内側保護縁91cは薄めの
層として設けられている。外側保護縁91b及び内側保
護縁91cは、シート状の入れ物本体91aの端縁部を
保護強化している。
【0055】図17,18は、入れ物91をインサート
射出成形方法により成形する製造方法を示している。図
17に示すように、第1次射出成形型は、第1固定側型
93と第1可動側型94とから構成されている。中間製
品のシート切断物である入れ物本体91aが、第1固定
側型93に挿入されている。第1固定側型93と第1可
動側型94と入れ物本体91aとにより閉じられたキャ
ビティー95が形成されている。
【0056】キャビティー95にゲート96からエラス
トマが注入される。溶融熱により注入されたエラストマ
と入れ物本体91aとが入れ物本体91aの表層の1分
子層で熱融着する。このような第1次インサート射出成
形により、入れ物本体91aと外側保護縁91bとの一
体化が行われる。
【0057】図18に示すように、第2次射出成形型
は、第2固定側型97と第2可動側型98とから構成さ
れている。入れ物本体91aと外側保護縁91bとの一
体化物である中間製品が、第2固定側型93に挿入され
る。第2固定側型97と第2可動側型98と前記一体物
とにより閉じられたキャビティー99が形成されてい
る。キャビティー99にゲート101からエラストマが
注入される。注入されたエラストマは溶融熱により入れ
物本体91aと外側保護縁91bの表層の1分子層で熱
融着する。このような第1次及び第2次インサート射出
成形により、入れ物本体91aと外側保護縁91bと内
側保護縁91cと壁91dの一体化が行われる。
【0058】このような製造方法により製造された入れ
物は、入れ物本体91aの先鋭な端縁は被覆され、ま
た、壁91dの先鋭部は柔らく危険性がない。
【0059】(その他の実施例)熱融着手段として溶融
樹脂の射出時に融着一体化する例を示したが、異材質一
体成形後に熱融着させることができる。例えば図6にお
いて、熱融着部11に代えて異材質一体成形による接着
部を形成する。可動型22の換わりに超音波発振源を備
える可動体を接着部に当て、超音波発振源から接着部と
下敷41との接触面に超音波を吸収させ接触面の薄い領
域で発熱溶融させ面領域を介して異材質を結合する超音
波融着技術を用いることができる。射出成形に比べて温
度・圧力の制御性の点で劣るが、異材質の混合・凝着性
が優れている超音波融着技術は、融着性に優れる。超音
波融着技術に代えて高周波融着技術も用いることができ
る。
【0060】
【発明の効果】この発明の先鋭部を処理する日用品の製
造方法は、特別な後処理を必要としないので安全で耐久
性が高い日用品を低廉に提供できる。処理部にエラスト
マを用いた場合は、触感が良く更に耐久性がよい。射出
成形によりコストを更に低減できる。先鋭部自体が弾性
材料で形成されているから、仮に幾何学的な先鋭部があ
っても、物理的には先鋭ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の先鋭部を処理する日用品の製
造方法の実施例1を示す断面図である。
【図2】図2は、図2は実施例1の完成品を示す斜軸投
影図である。
【図3】図3は、実施例1の完成品部分の展開平面図で
ある。
【図4】図4は、図1の一部の平面図である。
【図5】図5は、図1の一部の正面断面図である。
【図6】図6は、本発明の先鋭部を処理する日用品の製
造方法の実施例2を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の先鋭部を処理する日用品の製
造方法の実施例3を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の先鋭部を処理する日用品の製
造方法の実施例1を示す断面図である。
【図9】図9は、実施例4の完成途上品を示す平面図で
ある。
【図10】図10は、図9の完成途上品の組立を示す正
面図である。
【図11】図11は、本発明の製造方法の実施例4を示
す断面図である。
【図12】図12は、実施例5の完成途上品を示す平面
図である。
【図13】図13は、図12の正面図である。
【図14】図14は、図12の完成途上品の組立を示す
正面図である。
【図15】図15は、本発明の製造方法の実施例5を示
す断面図である。
【図16】図16は、本発明の製造方法の実施例6によ
り製造されるシステムノートの入れ物を示す斜軸投影図
である。
【図17】図17は、本発明の製造方法の実施例6の工
程を示す断面図である。
【図18】図18は、本発明の製造方法の実施例6の他
の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
11…熱融着部 21,22…射出成形型 23,68,78…キャビティー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 31:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙製又は樹脂製の中間製品を成形する成形
    工程と、 前記部品の先鋭部を覆うように樹脂を熱融着させる融着
    工程とからなる先鋭部を処理する日用品の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の先鋭部を処理する日用品の製造
    方法の成形工程が前記中間製品の一部又は全部を展開状
    態で成形する成形工程である先鋭部を処理する日用品の
    製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2の先鋭部を処理する日用品の製造
    方法であり、 前記成形工程と前記融着工程との間に、 前記中間製品を射出成形型に挿入する工程と、 前記射出成形型と前記中間製品の前記先鋭部とでキャビ
    ティーを形成する工程と、 前記キャビティーに溶融樹脂を注入する工程とが挿入さ
    れている先鋭部を処理する日用品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2の先鋭部を処理する日用品の製造
    方法において、 前記成形工程と前記融着工程との間に、 前記中間製品を射出成形型に挿入する工程と、 前記射出成形型と前記中間製品の前記先鋭部とでキャビ
    ティーを形成する工程と、 前記キャビティーに溶融樹脂を注入する工程と、 前記溶融樹脂を冷却させて固体化させる工程と、 前記工程で固体化した部分を加熱する工程とが挿入され
    ている先鋭部を処理する日用品の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4の先鋭部を処理す
    る日用品の製造方法において、 前記樹脂が熱可塑性樹脂エラストマである先鋭部を処理
    する日用品の製造方法。
  6. 【請求項6】紙製又は樹脂製の中間製品を成形する成形
    工程と、 前記中間製品に弾性樹脂を熱融着させて先鋭部を形成す
    る先鋭部融着工程とからなる先鋭部を弾性化する日用品
    の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6の製造方法であり、 前記成形工程と前記先鋭部融着工程との間に、 前記中間製品を射出成形型に挿入する工程と、 前記射出成形型と前記中間製品とでキャビティーを形成
    する工程と、 前記キャビティーに弾性材料の溶融樹脂を注入する工程
    とが挿入されている先鋭部を弾性化する日用品の製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項7の製造方法であり、 前記弾性材料が熱可塑性エラストマである
  9. 【請求項9】請求項7又は請求項8の製造方法により製
    造される製品が文房具を収納するために用いられる文房
    具ケース。
JP12089595A 1995-04-21 1995-04-21 先鋭部を処理する日用品の製造方法 Pending JPH08290440A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009113237A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Ard:Kk ファイル等の保護カバー

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