JPH0829031B2 - 街路性植栽ボックス及びこれを利用した樹木の固定方法 - Google Patents

街路性植栽ボックス及びこれを利用した樹木の固定方法

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JPH0829031B2
JPH0829031B2 JP23453993A JP23453993A JPH0829031B2 JP H0829031 B2 JPH0829031 B2 JP H0829031B2 JP 23453993 A JP23453993 A JP 23453993A JP 23453993 A JP23453993 A JP 23453993A JP H0829031 B2 JPH0829031 B2 JP H0829031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、街路等に設置して樹木
を鉢植する植栽ボックスと、この植栽ボックスを利用し
て樹木を固定する街路性樹木の固定方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の植栽ボックスは、一般に
コンクリート製の容器に土を充填して植物を育成してい
るに過ぎないので、夏の強烈な日光と風により、植栽ボ
ックス内の土が乾燥し、樹木が枯れるおそれがある。そ
のため、日に1回は散水を行う必要があった。
【0003】また、植栽ボックス内の樹木は、風雨や台
風の猛烈な風圧に晒され、樹木が倒伏する場合がある。
これを防止するために、従来は、締結線材で樹木を植栽
ボックスに締結固定することも行われていた。
【0004】さらに、植栽ボックス内の樹木は、気温の
変化、特に−5℃〜−10℃以下の寒冷に曝される場合
があり、この場合でも樹木が枯れるおそれがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
植栽ボックスでは、樹木が枯れるのを防止するために、
散水を行う必要があるため、散水に必要な労力が大とな
り、樹木の育成・管理が煩雑となり、管理コストが大と
なった。
【0006】また、樹木の倒伏を防止するための締結線
材は、樹木を水平方向から締結しているだけであるた
め、横風にはある程度耐えることができるが、下から押
し上げる風圧で樹木が持ち上げられ、樹木が倒伏するお
それがあった。
【0007】さらに、寒冷地においては、断熱が不十分
なため、樹木が枯れるおそれがあり、これを防止するた
めの十分な対策がなされていなかった。
【0008】そこで、本発明の目的とするところは、台
風等の風圧に十分耐え得る樹木の固定方法、および寒冷
地等においての保温も可能で、また、夏季でも散水を省
略することができる植栽ボックスを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】一般に街路等に植栽ボッ
クスを使用して樹木を育成する場合の樹木の固定方法
は、樹高が2m以上となることから台風の風圧に耐える
ために、水平方向のみならず、上下方向でも固定しなけ
ればならない。このため支柱を津ててこれに樹木を固定
する方法も考えられるが、このような方法では支柱が露
出しており、外観的にも好ましいものではなく、子供等
が登り怪我をする危険性あるいは支柱が盗まれる可能性
がある。そこで、発明者は、これら固定部材を植栽ボッ
クス内部に配置し、土壌によりこれらを隠せば上記の問
題を解決できるとの知見を得た。植栽ボックス内部に固
定するには樹木の幹部にリング状の支持環を密着させる
ことも考えられるが、樹木の成長とともに幹部もその径
が太くなる。そのため、径の変えれない支持環では、そ
の都度ボックス内の土壌を掘り起こして支持環を交換し
なければならず、管理上好ましいものではない。また、
幹部においても通気性を必要とすることから、これらを
満足する固定部材が必要となる。そこで、本発明者は、
鋭意検討した結果、天然樹皮などの通気性のある保護体
を幹部に巻き付け、この保護体に締結線材の内端を巻き
付けて幹部よりも大径の環状締結部を形成するように
し、この締結線材を複数用意し、異方向から樹木を固定
するようにすれば、保護体も拡径できるので幹部の成長
を妨げないことを見出した。ただ、この締結線材を土壌
中で水平方向に固定しただけでは、台風等の風圧により
樹木が持ち上げられるので、土壌中においても路上下方
向に固定すべく、締結線材を保護体の下部と、ボックス
本体の内面に形成された固定体の下部との間でも連結す
るようにした。すなわち、請求項1記載の発明に係る樹
木の固定方法においては、育成樹木の根鉢部を街路等に
設置する植栽ボックス本体内に埋入し、この樹木の幹部
の下部に通気性の保護体を被覆し、この樹木を異方向か
らボックス本体に固定する複数の締結線材を用意し、こ
れらの締結線材のうち一部の線材の内端を前記保護体に
巻き付けて幹部よりも大径の環状結束部を形成し、その
線材の外端を植栽ボックスの内面に形成された固定体の
上部に連結することにより樹木を水平方向で固定し、残
りの締結線材の内端を保護体に巻き付けて幹部よりも大
径の環状結束部を 形成し、その線材の外端を前記固定体
の下部に連結することにより樹木を略上下方向で固定
、植栽ボックス本体内の根鉢埋設部に、これらの締結
線材が隠れるまで土壌を充填することを特徴としてい
る。
【0010】次に、上記のような樹木の固定及び育成に
最適な植栽ボックスについて説明する。一般に、外観
上、危険防止上、並びに盗難防止上のことを考慮すれ
ば、植栽ボックスを使って樹木を水平方向及び上下方向
で固定する場合、ボックス本体の底部及び側面に締結線
材を連結する固定体を配設し、この締結線材を土壌中に
隠す形態であることが望まれる。また、樹木の枯れを防
止し、かつ潅水の省力化を図る上では、給水機構を設け
ることが望ましく、この給水機構としては、外観的に
も、ボックス本体の下部に水タンク部を配し、このタン
ク部の水を吸い上げて、上部の根鉢埋設部に供給する構
成が望ましい。この吸水機構としては、中間板の通孔か
ら線状繊維の毛管現象を利用して吸い上げる構成が最も
効率がよいと考えられる。さらに、雨水などの余剰水を
有効利用する意味から、これらは貯水タンクに還流され
るのが望ましい。そのためには、中間板に根鉢埋設部か
らの落下水を貯水タンクに落下させる落下孔が必要とな
る。このような水タンクを形成した場合、ボックス本体
の底部に締結線材の固定体を配設することができないの
で、ボックス本体を中間板により、上部の根鉢埋設部
と、下部の貯水タンクとに区画し、根鉢埋設部の内壁に
固定体を形成し、この固定体に複数の締結線材連結用の
孔を上下方向に形成するのが望ましい。そして、例え
ば、固定体の連結孔のうち最上部の連結孔に締結線材の
外端フックを連結し、水平方向で固定し、また、連結孔
のうち最下部の連結孔に締結線材の外端フックを連結し
上下方向で固定すれば、風圧により樹木が持ち上がるの
を防止できる。このような観点から本願発明において
は、街路等に設置する植栽ボックス本体の内部に中間板
を設けることにより、この中間板よりも上部に根鉢埋設
部を形成し、中間板よりも下部に貯水タンクを形成し、
前記中間板に、貯水タンク内の貯水を根鉢埋設部側へ通
過させるための通孔と、根鉢埋設部からの落下水を貯水
タンク内へ落下させる落下孔とを形成し、前記通孔に線
状繊維の毛管現象により貯水タンク内の水分を吸い上げ
て根鉢埋設部内の土壌に供給する吸水機構を設け、前記
根鉢埋設部の内壁に、樹木の幹部に巻き付ける倒伏防止
用の締結線材を土壌中に埋設した状態でボックス本体側
に固定するための固定体を設け、この固定体に締結線材
の外端フックを連結するための複数の連結孔を上下方向
に形成した ことを特徴とする植栽ボックスを提供するも
のである。
【0011】なお、上記植栽ボックスは、寒冷地におい
ても使用することを考慮すれば、根鉢埋設部の凍結を防
止する意味から、根鉢埋設部において、その側壁及び中
間板に断熱材を貼付け、中間板側の断熱材に水の流通を
行うための通孔及び落下孔に連通する連通孔を形成する
構成が望ましい。
【0012】また、中間板側の断熱材の上面に、湿潤性
の連続気泡発泡体を敷設し、吸水機構の上端部を連続気
泡発泡体まで延設した構成としてもよい。
【0013】さらに、根鉢埋設部の側壁に貼付けられた
断熱材に、非湿潤性の連続気泡発泡体を併設し、この連
続気泡発泡体の上端部を根鉢埋設部内に充填する土壌か
ら露出する高さまで延長した構成を採用してもよい。
【0014】
【作用】上記請求項1記載の樹木の固定方法において
は、育成樹木の根鉢部を植栽ボックス本体内に入れた
後、樹木の幹部に保護体を被覆してから複数の締結線材
で締結するから、締結線材の締結力による樹木の損傷を
防止することができ、また、保護体も通気性のものを使
用しているから、樹木の育成を妨げるのを防止すること
ができる。
【0015】また、これらの締結線材は、水平方向およ
び上下方向で樹木を固定するため、樹木に上下方向から
風圧がかかっても根鉢部が浮き上がるのを防止すること
ができる。しかも、この締結線材は土壌中に隠れている
ので、外観的にも優れ、かつ子供等が支柱を伝って登る
といった危険性もなく、さらに締結線材の盗難も回避で
きる。
【0016】また、請求項2に係る植栽ボックスにおい
ては、ボックス本体の根鉢埋設部の内壁に固定体を形成
し、樹木の幹部を土壌中に埋設した締結線材で固定する
ことができるから、地上に支柱を露出させて樹木を固定
する場合よりも外観的に優れ、また支柱がないため子供
などが登るおそれもなく、さらに、締結線材の盗難も防
止できることになる。しかも、植栽ボックス本体の下部
に貯水タンクを設けているから、吸水機構により、絶え
ず樹木の育成に必要な水分を根鉢埋設部側に供給するこ
とができ、散水等の作業を省略することができる。
【0017】しかも、雨水など余分な水分が植栽ボック
ス本体の根鉢埋設部に供給されたとしても、落下孔から
貯水タンク内に落下するため、根鉢埋設部は、常に良好
な水分状態を保つことができる。
【0018】さらに、上記最適な実施態様の如く、根鉢
埋設部の側壁および中間板に断熱材を貼付け、中間板側
の断熱材にも通孔および落下孔を形成しておけば、根鉢
埋設部側への吸水を可能にしながら、寒冷地等における
保温効果も発揮でき、樹木が枯れるのを防止することが
できる。
【0019】また、中間板側の断熱材の全面に、湿潤性
の連続気泡発泡体を敷設すれば、中間板の通孔の数が少
なくても、貯水タンクからの吸い上げた水分を根鉢埋設
部の全底部にまで供給することができ、根鉢部への水分
供給を十分に行うことができ、樹木の育成が良好にな
る。
【0020】さらに、根鉢埋設部の側壁に貼付けられた
断熱材に、非湿潤性の連続気泡発泡体を併設すれば、側
面からも土壌に空気を供給することができるため、樹木
も育成がさらに良好になる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基いて説明
する。図1は本発明に係る街路性植栽ボックスの一実施
例を示す短辺側の断面図、図2はその平面図、図3はそ
の斜視図、図4は長辺側の断面図、図5は締結線材の内
端部の連結固定具を示す斜視図である。なお、樹木W
は、育成に必要な細根の密集体を荒縄等で巻き付けた根
鉢部Rと、その上側の幹部Mとから構成されている。
【0022】これらの図に示すように、この発明に係る
植栽ボックス1は、その本体2の内部に中間板3が設け
られ、この中間板3によって上下に区画され、上部が根
鉢埋設部4とされ、下部が貯水タンク5とされている。
【0023】植栽ボックス本体2は、FRP等の合成樹
脂材から構成され、その使用箇所に対応して、円形、多
角形、正方形、長方形等を自由に選定されるもので、底
部に脚部6が形成されている。
【0024】中間板3は、図3の如く、本体2の内部の
1/4程度の高さ位置に設置されたもので、その素材
は、本体と同様な合成樹脂材、あるいはステンレス等の
耐腐食性金属板あるいは金属網から構成してもよい。こ
の中間板3には、下部の貯水タンク5と上部の根鉢埋設
部4とを連通する複数の通孔7及び落下孔8が形成され
ている。これらの通孔7及び落下孔8は、パンチングメ
タルや金属網の孔を利用してもよい。
【0025】ここで、通孔7は、貯水タンク5内の貯水
を根鉢埋設部4側へ通過させるためのものであり、ま
た、落下孔8は、根鉢埋設部4からの落下水を貯水タン
ク5内へ回収するためのものである。従って、通孔7お
よび落下孔8は、共通の孔を兼用して構成してもよい。
【0026】また、落下孔8は、図4の如く、植栽ボッ
クス本体2の大小、降雨の多寡の地域等の条件に応じて
約6mm〜10mm以下程度の孔径に設定されており、
降雨による余分の雨水を貯水タンク5内に落下させるも
のである。なお、貯水タンク5には、その上部の適宜の
位置にオーバーフロー孔38が形成されている。
【0027】また、ボックス本体2の根鉢埋設部4の内
壁四隅には、図2及び図3の如く、樹木Wの幹部Mに巻
き付ける倒伏防止用の締結線材12,13の外端部を連
結するための固定体14が形成されている。この固定体
14は、根鉢埋設部4の上下方向に亘って形成された板
状またはアングル材を利用したものであって、その板面
には締結線材12,13の外端フック15を係合する3
個の連結孔17が形成されており、樹木Wの固定時に締
結線材12,13を適宜の位置で選択して連結できるよ
うに構成されている。
【0028】また、前記通孔7に線状繊維の毛管現象に
より貯水タンク5内の水分を吸い上げて根鉢埋設部4内
の土壌Sに供給する吸水機構18が設けられている。こ
の吸水機構18は、図4の如く、通孔7に嵌合固定され
た上下方向に長い吸水管20と、この吸水管20の内部
に充填された線状繊維集束体21とから構成され、線状
繊維集束体21の下端が貯水タンク5の下部まで延長さ
れ、また、上端が後述のように、湿潤性の連続気泡発泡
体23まで延長されている。
【0029】また、前記根鉢埋設部4の側壁2a及び中
間板3の上面には断熱材26,27が貼付けられてい
る。この断熱材26,27としては、合成または動物性
天然繊維集束体によるシート状成形体、特にポリエステ
ル繊維のシート状成形体が熱伝導率の低いため、本実施
例で用いられれている。
【0030】因みに、植物の育成関係における熱伝導率
を1000倍に拡大した数字にて対比すると、概略、水
は1.50、杉材0.23、ガラス2.5、コルク板
0.106、土壌は3.7、石綿紙0.43、合成繊維
または動物性天然繊維集束体のシート状成形体は0.0
84程度であり、他の無機、プラスチック等の素材に比
し極めて低値である。従って、植栽ボックス1の内面お
よび中間板上の断熱材として最適である。
【0031】そして、中間板側の断熱材27には、図4
の如く、通孔7及び落下孔8に連通する連通孔28が形
成され、吸水機構18の吸水管20が、この連通孔28
および通孔7を貫通している。さらに、中間板側の断熱
材27の全面に、湿潤性ポリウレタン重合体である連続
気泡発泡体23が敷設され、この連続気泡発泡体23と
前記吸水機構18の繊維集束体が接触している。
【0032】なお、湿潤性の連続気泡発泡体23は、そ
れ自体で透水性を有しているため、本実施例では落下孔
8に連通する孔を設けていないが、透水力が不十分な場
合には落下孔8に連通する孔を設ける構成としてもよ
い。
【0033】次に、上記構成の植栽ボックス1を使用し
て樹木を固定する場合の締結線材12,13及び樹木W
の幹部Mに巻き付ける保護体30の構成について説明す
る。まず、締結線材12,13は、図2及び図5の如
く、締結線材12,13は、プラスチック被覆系、合成
樹脂被覆系、靭性の大なる合成繊維にて編上げたブレー
ド被覆系の金属コード又はワイヤ等から構成されてお
り、外端に固定体14の連結孔17に係脱自在に係合す
るためのフック31が形成され、また、内端には、樹木
Wの幹部Mに巻き付けられた内端部32を巻き付け側基
端部33とともに固定する連結固定具34が設けられて
いる。この連結固定具34は、内端32と基端部33と
を同時に挟み込む割りボルト35と、このボルト35に
螺合されるナット36及びワッシャー37とから構成さ
れている。
【0034】また、前記保護体30は、天然樹皮等の通
気性のある硬質材により構成されたものであり、締結線
材12,13を幹部Mに巻き付ける前に、樹木Wの幹部
Mに巻き付けて使用するものである。
【0035】上記構成の植栽ボックス1および締結線材
12,13を使用して樹木Wを固定する方法について説
明すると、まず、植栽ボックス本体2内の中間板3上の
落下孔8から貯水タンク5内に一定量の水を供給貯水さ
せ、次に中間板3上に10〜15cmの高さで混合培養
土を投入し、その上に育成樹木Wの根鉢部Rを入れる。
その後、樹木Wの幹部Mに保護体30を被覆し、複数の
締結線材12,13の外端フック15を本体2の四隅に
ある固定体14の連結孔17に係合し、線材12,13
の内端を幹部Mに巻き付けた後、その内端32と巻き付
け基端部33とを連結固定具34で固定して緊張する。
【0036】そうすると、締結線材12,13は、保護
体30を介して樹木Wの幹部Mに巻き付けているので、
締結線材12,13により樹木Wが損傷するのを防止す
ることができる。また、保護体30として、天然樹皮を
使用していることから、通気性がよく、保護部分におい
ても幹部Mの育成が良好になる。
【0037】さらに、締結線材12,13の内端32と
基端部33とを結束した際の環は、図5の如く流線形と
なるため、樹木との間に隙間Pが形成された状態で緊張
されており、従って、隙間P部分において樹木Wの成長
が可能となるため、樹木Wの育成を阻害することなく樹
木Wを固定することができる。また、締結線材12,1
3の内端部の結束処理を簡単な構造の連結固定具34で
行えば、例えば、樹木の成長に合わせて、締結線材1
2,13の長さを調節する場合でもその調節作業が極め
て容易に行える。
【0038】そして、樹木Wを固定する締結線材12
は、水平方向で樹木の移動を阻止し、また締結線材13
は上下方向で樹木の移動を阻止するので、樹木Wの浮き
上がりを防止して強固に固定できることになる。この締
結線材12,13による樹木の固定後、根鉢埋設部4に
両締結線材12,13が隠れるくらいまで土壌Sを充填
して、固定作業を完了する。
【0039】そうすると、降雨により、雨水等が植栽ボ
ックス1内の土壌Sに供給されたとしても、これらの雨
水は、土壌Sを伝って浄化されながら中間板3の落下孔
8から貯水タンク5に供給されて貯水される。その量が
多くなれば、オーバーフロー孔38から外部に流出す
る。
【0040】一方、土壌Sが乾燥してくると、吸水機構
18の繊維集束体21から貯水タンク5内の水を汲み上
げ、湿潤性の連続気泡発泡体23に供給され、連続気泡
発泡体23が中間板3の全面に敷設されているので、連
続気泡発泡体23に吸収された水分は根鉢埋設部4の底
部全面に亘って供給されることになる。従って、樹木W
の根鉢部Rはほぼ全域から水分供給されることになり、
樹木Wの育成に最適な状態となる。
【0041】また、樹木が台風等の強風に晒された場合
においても、締結線材12,13により、水平方向およ
び上下方向で樹木Wを固定するため、樹木Wに上下方向
から風圧がかかっても根鉢部Rが浮き上がるのを防止す
る。なお、締結線材12,13は、使用時には、土壌S
に埋設された状態になり、従って、締結線材12,13
が盗まれるのを極力避けることができる。
【0042】さらに、根鉢埋設部4の側壁および中間板
3に断熱材26,27が貼付けられているので、寒冷地
等における保温効果も発揮でき、樹木が枯れるのを防止
することができる。
【0043】図6は本発明の別の実施例を示す植栽ボッ
クスの断面図である。この実施例においては、根鉢埋設
部4の側壁に貼付けられた断熱材26に、非湿潤性のポ
リウレタン重合体である連続気泡発泡体39が併設され
ている。この非湿潤性の連続気泡発泡体39は、植栽ボ
ックス本体2の上端ひさし部40まで延設されており、
これにより、根鉢埋設部4内に土壌が充填されても、そ
の上端部から空気を流入可能とされている。
【0044】従って、連続気泡発泡体39を通った空気
は、発泡体39内を経て根鉢埋設部4の側面部から土壌
Sに供給されることになり、根鉢部Rの育成に極めて良
好となる。なお、その他の構成・作用は上記の一実施例
と同様である。
【0045】なお、この発明は、上記実施例に限定され
るものではなく、この発明の範囲内で多くの修正・変更
を加えることができるのは勿論である。例えば、保護体
として、天然樹皮に代わり、他の素材、例えば、強靭性
の繊維シート等を用いてもよいことは勿論である。ま
た、連結固定具34も、図7の如く、U字形の連結片4
1と押え片42をボルト43で締結する構成とすること
により、締結線材12,13の内端32及び基端部33
を結束するように構成してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1記載の
発明に係る樹木の固定方法によると、樹木を水平方向と
上下方向の異方向から締結しているため、樹木が台風等
の風圧により、浮き上がるのを防止することができる。
しかも、樹木の固定時において、締結線材を保護体を介
して樹木に巻き付けているため、締結による樹木の損傷
を防止することができると共に、保護体として通気性の
ものを使用しているから、樹木の育成を妨げることな
く、良好な樹木の発育が期待できる。
【0047】さらに、締結線材は土壌中に埋設している
から、地上に支柱を露出させて樹木を固定する場合より
も外観的に優れ、また支柱がないため子供などが登るお
それもなく、さらに、締結線材の盗難も防止できる。ま
た、この固定方法に使用される植栽ボックスにおいて
も、樹木の倒伏防止用の固定体を根鉢埋設部の内壁に設
け、締結線材を土壌中に埋設できるように構成したか
ら、外観上、危険防止上並びに盗難防止上から好ましい
植栽ボックスを提供できるとともに、本体の下部に貯水
タンクを設けているから、吸水機構により、絶えず樹木
の育成に必要な水分を根鉢埋設部側に供給することがで
き、散水等の作業を省略することができる。
【0048】しかも、雨水など余分な水分が植栽ボック
ス本体の根鉢埋設部に供給されたとしても、落下孔から
貯水タンク内に回収するため、根鉢埋設部は、常に良好
な水分状態を保つことができる。
【0049】さらに、請求項3によると、根鉢埋設部の
側壁および中間板に断熱材を貼付けているので、寒冷地
等における保温効果も発揮でき、樹木が枯れるのを防止
することができる。
【0050】また、請求項4によると、中間板側の断熱
材の全面に、湿潤性の連続気泡発泡体を敷設しているの
で、中間板の通孔の数が少なくても、貯水タンクからの
吸い上げた水分を根鉢埋設部の全底部にまで供給するこ
とができ、根鉢部への水分供給を十分に行うことがで
き、樹木の育成を良好にすることができる。
【0051】さらに、請求項5によると、根鉢埋設部の
側壁断熱材に、非湿潤性の連続気泡発泡体を併設してい
るので、側面からも土壌に空気を供給することができ、
樹木も育成がさらに良好になるといった優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す植栽ボックスの断面
【図2】その平面図
【図3】その斜視図
【図4】植栽ボックスの吸水機構を示す断面図
【図5】締結線材の内端連結固定具を示す斜視図
【図6】この発明の他の実施例を示す断面図
【図7】連結固定具の別の実施例を示す正面図
【符号の説明】
W 樹木 R 根鉢部 M 幹部 1 植栽ボックス 2 本体 3 中間板 4 根鉢埋設部 5 貯水タンク 7 通孔 8 落下孔 12 水平方向固定用の締結線材 13 上下方向固定用の締結線材 14 固定体 18 吸水機構 20 吸水管 23 湿潤性の連続気泡発泡体 26,27 断熱材 30 保護体 39 非湿潤性の連続気泡発泡体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 育成樹木の根鉢部を街路等に設置する植
    栽ボックス本体内に埋入し、この樹木の幹部の下部に通
    気性の保護体を被覆し、この樹木を異方向からボックス
    本体に固定する複数の締結線材を用意し、これらの締結
    線材のうち一部の線材の内端を前記保護体に巻き付け
    幹部よりも大径の環状結束部を形成し、その線材の外端
    を植栽ボックスの内面に形成された固定体の上部に連結
    することにより樹木を水平方向で固定し、残りの締結線
    材の内端を保護体に巻き付けて幹部よりも大径の環状結
    束部を形成し、その線材の外端を前記固定体の下部に連
    結することにより樹木を略上下方向で固定し、植栽ボッ
    クス本体内の根鉢埋設部に、これらの締結線材が隠れる
    まで土壌を充填することを特徴とする街路性樹木の固定
    方法。
  2. 【請求項2】 街路等に設置する植栽ボックス本体の内
    部に中間板を設けることにより、この中間板よりも上部
    に根鉢埋設部を形成し、中間板よりも下部に貯水タンク
    を形成し、前記中間板に、貯水タンク内の貯水を根鉢埋
    設部側へ通過させるための通孔と、根鉢埋設部からの落
    下水を貯水タンク内へ落下させる落下孔とを形成し、前
    記通孔に線状繊維の毛管現象により貯水タンク内の水分
    を吸い上げて根鉢埋設部内の土壌に供給する吸水機構を
    設け、前記根鉢埋設部の内壁に、樹木の幹部に巻き付け
    る倒伏防止用の締結線材を土壌中に埋設した状態でボッ
    クス本体側に固定するための固定体を設け、この固定体
    に締結線材の外端フックを連結するための複数の連結孔
    を上下方向に形成したことを特徴とする街路性植栽ボッ
    クス。
  3. 【請求項3】 前記根鉢埋設部において、その側壁及び
    中間板に断熱材を貼付け、中間板側の断熱材に前記通孔
    及び落下孔に連通する連通孔を形成したことを特徴とす
    る請求項2記載の街路性植栽ボックス。
  4. 【請求項4】 前記中間板側の断熱材の上面に、湿潤性
    の連続気泡発泡体を敷設し、前記吸水機構の上端部を連
    続気泡発泡体まで延設したことを特徴とする請求項3記
    載の街路性植栽ボックス。
  5. 【請求項5】 前記根鉢埋設部の側壁に貼付けられた断
    熱材に、非湿潤性の連続気泡発泡体を併設し、この連続
    気泡発泡体の上端部を、根鉢埋設部内に充填する土壌か
    ら露出する高さまで延長したことを特徴とする請求項2
    ないし請求項4のいずれか1項に記載の街路性植栽ボッ
    クス。
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