JP4927038B2 - 緑化ブロック及びこれを用いた植え込み構造、並びに緑化工法 - Google Patents

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Description

本発明は、建物などの壁面、あるいはベランダ、屋上などの人工地盤上に設けてこれらを緑化するための緑化ブロック及びこれを用いた植え込み構造、並びに緑化工法に関する。
近年、景観の向上や都市部のヒートアイランド現象を緩和するために、建物やコンクリート壁などの壁面、あるいはベランダ、屋上、道路などの人工地盤上を緑化する機運が急激に高まっている。
このような壁面緑化の一例として、高低差のある地点に花壇あるいは植栽升を作った場合、その周囲をコンクリートまたは石積みなどの無機質な素材で囲うことになる。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
特開平8−105070号公報
上述した壁面緑化の一例では、無機質と植物を始めとする有機質との融和というある種の美しさはあるものの、有機質をより多く使い、生物種の多様性を都市の緑により多く反映させる意味からすると限界がある。
今後の壁面や人工地盤の緑化には、有機質をより多く使い、生物種の多様性を都市の緑により多く反映させるべきである。
地球上の自然なあらゆる緑は、人工的な囲いの中にはないが、自然石の上にさえ、溶岩石の上にさえ、数年から数十年で緑の植生を回復する力強いものであり、人々や動物たちの保養にもなる。
したがって、壁面や人工地盤の緑化において、生物種の多様性の促進を図るために、都市の緑の中にも自然な緑の存在条件に近いものを創出することが求められている。
しかしながら、壁面や人工地盤の緑化にあたって、自然な緑の存在条件に近いものを創出するには、軽量化を図ったり、保水性の問題の他にも、設置や撤去のしやすさ、工法の簡略化など、種々の問題がある。
そこで、本発明の目的は、軽量で保水性がよく、自然な緑により近い緑化ブロック及びこれを用いた植え込み構造、並びに緑化工法を提供することにある。
上記目的を達成するために創案された本発明は、底部に沿って設けられた底部枠と、該底部枠上に起立して設けられた複数本の支柱枠と、これら支柱枠を囲んで結合された囲み枠とから構成された形成枠体を備え、その形成枠体内に、上部を開放させて形成枠体の内壁を形成すべくメッシュ層を張設し、該メッシュ層の底部にその上下に亘って防水層を設け、該防水層上に植物を植生させるための水苔などの植生層を設け、上記メッシュ層は、外側メッシュシートと、その外側メッシュシートから所定距離隔てた内側に設けられ、外側メッシュシートよりも目が細かい内側メッシュシートとからなり、上記植生層は、上記防水層より上方の内外のメッシュシート間に充填される水苔からなる水苔層と、上記防水層より上方の内側メッシュシートの内側に充填されて植物を生育させるための芯材と、その芯材上に設けられて芯材の飛散を防止すると共に、芯材中の水分の蒸散を防止するための飛散・蒸散防止層とからなる緑化ブロックである。
上記防水層は、上記形成枠体内の底部に敷設される防水シートと、その防水シート内に設けられる保水・排水層とからなるとよい。
上記保水・排水層は、排水用人工土と保水材を混合したもの、あるいはクン炭と割炭を混合したもので形成され、層内で保水すると共に、層外に所定量以上の水を排水するとよい。
上記芯材は、排水用人工土と、バーク材及びクン炭又はバーク材若しくはクン炭と、保水材とを混合したもので形成されるとよい。
上記飛散・蒸散防止層は、赤玉土、あるいは鹿沼土、もしくはこれらを混合したもので形成されるとよい。
上記飛散・蒸散防止層上に、上記植生層に灌水するための灌水管を設けるとよい。
また本発明は、上記の緑化ブロックを直線状、あるいは枠状に複数個並べた植え込み構造である。
さらに本発明の植え込み構造は、略直立あるいは傾斜したコンクリート製などの壁面に、上記の緑化ブロックを設け、その緑化ブロックと、屋上などの人工地盤上に芝や樹木などの植物を植えて緑化した人工地盤緑化構造との間を、人工地盤緑化構造からの余剰の雨水を上記緑化ブロックに給水するための給水管で連結したものである。
本発明の緑化工法は、底部に沿って設けられた底部枠と、該底部枠上に起立して設けられた複数本の支柱枠と、これら支柱枠を囲んで結合された囲み枠とから構成された形成枠体内に、上部を開放した外側メッシュシートと、その外側メッシュシートから所定距離隔てた内側に設けられ、外側メッシュシートよりも目が細かい内側メッシュシートとからなるメッシュ層を設け、該メッシュ層の底部にその上下に亘って防水層を設け、該防水層上に、防水層より上方の内外のメッシュシート間に充填される水苔からなる水苔層と、上記防水層より上方の内側メッシュシートの内側に充填されて植物を生育させるための芯材と、その芯材上に設けられて芯材の飛散を防止すると共に、芯材中の水分の蒸散を防止するための飛散・蒸散防止層とからなる植生層を設ける工法である。
本発明によれば、壁面や人工地盤の緑化において、軽量で保水性がよく、自然な緑により近いものを提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態を示す緑化ブロックの横断面構造図である。
図1に示すように、本実施形態に係る緑化ブロック(バイオキューブ)1は、主として夏季に都市部で発生するヒートアイランド現象を緩和する目的で、地盤に対して略垂直な壁面、傾斜した壁面や、ベランダ、屋上、道路などの人工地盤上に設けてこれらを緑化するためのものである。壁面としては、例えば、建物自体の壁面、あるいは建物や平面駐車場の周囲を囲むブロック塀やコンクリート塀などの壁面、建物の屋上の周囲壁面がある。建物の壁面としては、オフィスビルや駐車場ビルの壁面、あるいは金網などの仕切などに使用される仕切壁など種々の形態がある。
この緑化ブロック1は、その底部に沿って設けられた底部枠2と、その底部枠2上に起立して設けられた複数本の支柱枠3と、これら支柱枠3の外周を囲んで結合された複数個の囲み枠4とから構成された金属製の形成枠体(成形枠)5を備える。
形成枠体5は、底部枠2、支柱枠3、囲み枠4の部分以外は、上方向(天端方向)、下方向、正面方向(図1では右側方向)、右方向(図1では手前側方向)、背面方向、左方向の合計6方向すべてにおいて開放形成される。
本実施形態では、形成枠体5を構成する支柱枠3、囲み枠4として、外径が13〜16mmのSUS製の鉄筋、あるいはこれに溶融亜鉛メッキを施したものを用いた。底部枠2としては、他の各枠部材と同じ材質のL字金物(アングル材)を用いた。
形成枠体5の大きさによっては、形成枠体5の上部及び/又は底部に、さらに補強枠R(詳しくは、後述する図2参照)を用いて形成枠体5を構成してもよい。この補強枠Rは、形成枠体5の幅方向(図1では左右方向)を横断して囲み枠4に連結され、形成枠体5の長手方向に沿って所定の間隔をおいて設けられる。
形成枠体5内には、上部のみを全開放させて形成枠体5の内壁を形成すべくメッシュ層6が設けられ、メッシュ層6の底部には防水層7が設けられ、防水層7上に植物pを植生させるための植生層8が設けられる。植物pとしては、多年草である宿根草や球根植物、さらには低木、中木、必要に応じて高木を用いるとよい。
メッシュ層6は、樹脂製の外側メッシュシート6Oと、その外側メッシュシート6Oから所定距離(約80〜100mm)隔てた内側に設けられた樹脂製の内側メッシュシート6Iとからなる二重メッシュシートからなる層である。外側メッシュシート6O上には、内側メッシュシート6Iの底面が重ね合わせられる。
内側メッシュシート6Iには、外側メッシュシート6Oよりも目が細かいものを用いる。本実施形態では、目合(単位格子の大きさ)が20×20mmの外側メッシュシート6Oと、目合が10×10mmの内側メッシュシート6Iとを用いた。
防水層7は、形成枠体5の底部に敷設される上部のみを開放した防水シート9と、その防水シート9内に設けられる保水・排水層10とからなる。
防水シート9は、形成枠体5の底部において、植物pの根が形成枠体5の外へ侵出するのを防ぐ防根シートとしても働く。防水シートとしては、例えば、ポリ塩化ビニルシートや、ポリエチレンと発泡ポリエチレンシートをラミネートしたシートを用いる。
保水・排水層10は、排水用人工土と保水材を混合したもので形成され、層内で保水すると共に、層外に所定量以上の水を排水するものである。本実施形態では、排水用人工土として粒径がφ5〜20mmのパーライトを主成分とする人工土壌99%、保水材として感温性の給水ポリマー1%のものを用いた。保水・排水層10としては、モミガラを燻してなるクン炭のみ、あるいはこのクン炭と割炭とを混合したものを用いてもよい。
植生層8は、内外のメッシュシート6I,6O間に充填される水苔からなる水苔層11と、その水苔層11の内側に充填されて植物pを生育させるための芯材12と、その芯材12上に設けられて芯材12の風による飛散を防止すると共に、芯材12中の水分の蒸散を防止するための飛散・蒸散防止層13とからなる。
芯材12は、排水用人工土と、バーク材及び/又はクン炭と、保水材とを混合したもので形成される。本実施形態では、排水用人工土として焼成ポラード材を主成分とする人工土壌70%、完熟バーク材(微生物としてのVA菌を1kg/m3含む)約15%、クン炭約15%、保水材として感温性の給水ポリマー1%のものを用いた。
飛散・蒸散防止層13は、赤玉土、あるいは鹿沼土、もしくはこれらを混合したもので形成される。本実施形態では、飛散・蒸散防止層13として赤玉土を用いた。飛散・蒸散防止層13には、さらに上述した保水材を1%程度混合してもよい。
芯材12と飛散・蒸散防止層13間には、飛散・蒸散防止層13の流出を防ぐための流出防止層14として不織布が設けられる。
さらに、飛散・蒸散防止層13上には、植生層8に灌水するための灌水管15が設けられる。灌水管15には、その長手方向に沿った底部に所定の間隔をおいて灌水穴が形成されたポリ塩化ビニル製の配管を用いた。
次に、図2〜図7を用いて、本実施形態に係る緑化工法の一例を説明する。
図2に示すように、まず、緑化したい壁面や人工地盤に応じて任意の大きさの形成枠体5を設定し、その大きさに合わせて骨組み用の各枠部材の金属強度(材料強度、支柱枠3の本数、囲み枠4の個数、囲み枠4の設置間隔など)を決める。形成枠体5の大きさは、通常、高さHが1m以下、幅Wが0.5m以下、長さLが1〜2m程度を設定している。
底部枠2には、両端に支柱枠3をそれぞれ連結するための連結部材21が取り付けられた2本並列のL字金物2a,2bを用い、これらL字金物2a,2bを互いの内面が対向するように配置する。
各支柱枠3の底部には、あらかじめ連結部材21の部品を挿通する挿通穴を形成しておく。囲み枠4の内側には、形成枠体5の大きさに応じて形成枠体5を補強するため、あらかじめ補強枠Rを取り付けておく。
準備した支柱枠3を立て、支柱枠3の高さ方向に所定の間隔をおいて、補強枠R付きの囲み枠4を取り付け、形成枠本体5bを得る。囲み枠4や補強枠Rの取り付けは、ワイヤを用いてもよいし、溶接で行ってもよい。
図3に示すように、L字金物2a,2bの内底面と内側面に各支持枠3が接するように、L字金物2a,2b上に形成枠本体5bを載せ、連結部材21により、L字金物2a,2bに支柱枠3をそれぞれ連結して固定し、形成枠体5を得る。
本実施の形態では、連結部材21として、図3のJ部の拡大平面図に示すように、1本の支柱枠3の外周面に外接して係合するほぼU字状に形成されたネジ部材22と、そのネジ部材22の両端に螺合してL字金物2bにネジ部材22をネジ止めするナット23とからなるシャックルを用いた。
図4に示すように、形成枠体5の底部に、防水シート9を敷設する。本実施形態では、形成枠体5の底面から約10cmの高さまで防水シート9を敷設した。
図5に示すように、防水シート9の内側に外側メッシュシート6Oを設け、図6に示すように、その外側メッシュシート6Oから所定距離隔てた内側に、内側メッシュシート6Iを設ける。内外のメッシュシート6I,6Oは、底面に1枚、1枚のメッシュシートを形成枠体5の全内周面に沿って折り曲げて設けてもよいし、形成枠体5の各面ごとに1枚ずつ、あるいは補強材Rの間隔ごとに1枚ずつ設けるなどしてもよい。
その後、防水シート9内に保水・排水層10(図1参照)を設け、内外のメッシュシート6I,6O間に水苔層11を設け、内側メッシュシート6Iの内側である保水・排水層10上に、形成枠体5の上部を除いて芯材12(図1参照)を設ける。本実施形態では、形成枠体5の上部約10cmを除いて芯材12を設けた。芯材12は、形成枠体5への投入前に、あらかじめ排水用人工土と、バーク材及び/又はクン炭と、保水材とを全体が黒ずむまで混合しておく。
芯材12上に切り込みを入れた流出防止層14(図1参照)を設け、その流出防止層14上に飛散・防止層13を設け、最後に飛散・蒸散防止層13上に灌水管15(図1参照)を設ける。そして、少なくとも水苔層11に、その正面、両側面から植物pを植えると共に、飛散・蒸散防止層13に植物pを植えると、図1に示した緑化ブロック1が得られる。植物pは、芯材12内に吸収根を伸ばし、形成枠体5の内壁となる内外のメッシュシート6i,6Oの網目を通して茎や幹を伸ばすことで、安定した成長を行う。緑化ブロック1の設置場所によっては、水苔層11の背面に植物pを植えてもよい。
上述した壁面や人工地盤、例えば、ビルの軒や庇の連続した取り付け面に、形成枠体5の底辺部分であるL字金物2a,2bを取り付け、緑化ブロック1を1個、あるいは複数個設置することで、壁面や人工地盤の緑化を行う。
このように、緑化ブロック1によれば、6方向が開放された形成枠体5を用い、その形成枠体5内に、防水層7、上部を開放したメッシュ層6、植生層8を設けているため、緑化ブロック1の天端部分や立ち上がり側面にも植物pを植えることができる。
さらに緑化ブロック1は、組み立てた後、ブロック単位で取り扱えるため、簡単に設置したり、撤去したりできる。
緑化ブロック1では、形成枠体5の底部に防水シート9を敷設し、その上に升目の異なる内外のメッシュシート6I,6Oを重ねることで、雨水の一時貯留や継続する給水に備えることができる。緑化ブロック1では、防水シート9内の保水・排水層10は、芯材12の重みを支え、また一時的な貯水槽の役目も果たす。この緑化ブロック1は、通常土壌の1/3程度の重量、給水時で1m3当たり0.5t程度の重量である。
したがって、緑化ブロック1によれば、壁面や人工地盤の緑化において、軽量で保水性がよく、形成枠体(植え込み升)5全体を緑にできるので、例えば、ビルの外装緑化などには非常な効果が期待でき、従来のコンクリート、石積みなどとは異なり、ほぼ有機物で構成された囲いを実現でき、自然な緑により近いものを提供できる。
また、緑化ブロック1では、植栽の基盤層である植生層8を、少なくとも水苔層11と芯材12との2層構造にすることで、主に水苔層11により、緑化ブロック1設置後の植物pの植え付けが容易になり、さらに植物pが主に栄養を補給する吸収根の発育層に奥行きが出て、水、空気、養分が滞ることなく植生層8の全体に行き渡ると共に、軽量化を図ることができる。
緑化ブロック1では、飛散・蒸散防止層13により、軽量材である芯材12の風による飛散を防ぐと共に、土壌の質を芯材12とは変化させることで、地中からの水分の上昇も抑えている。
この飛散・蒸散防止層13は、近い将来の緑化ブロック1の全体的な多様性を考えたときにも、自然土壌の持つ安定した性質(土自体や土中の微生物など)が徐々に下層の人工材である芯材12側へ溶け出し、人工材の安定にも貢献する。
本発明者が緑化ブロック1に植物pとして宿根草や球根植物を植え、雨水により、あるいは灌水管15に定期的に給水することにより、養生した実験の結果、1年間春夏秋冬を通して何らかの花が咲き、色鮮やかな紅葉が見られるような立体的な塊である緑化ブロック1であることが確認できた。
また、本実施形態に係る緑化工法によれば、既存の材料や部品を使用しながら、簡単に緑化ブロック1を用いて壁面や人工地盤を緑化できるので、低コストで施工が早い。
ここで、緑化ブロック1の作用効果を以下にまとめる。
1)従来のコンクリート、石積みなどで構築する植え升に比べて施工が早く、従来の1/4程度の施工時間に短縮することができる。
2)保水性が高く、雨水の利用が大幅に向上し、雨水を蓄えることが可能なので、ヒートアイランドの緩和に持続的に貢献する。
3)天端、側面、落差共に植栽空間として使えるので全体が美しく、また違和感の少ない植物の塊として視覚的な癒し効果が大である。
4)舗装道路などの既存の設備を損なうことなくテーブル状に据え置くことができる。したがって、広い空間を目的に合わせて仕切るなどの仮設的で緊急な対応にも適している。
次に、緑化ブロック1を用いた植え込み構造(緑化構造)の一例を、図8〜図11を用いて説明する。
図8に示すように、緑化ブロック1を直線状に複数個並べて植え込み構造81としたり、図9に示すように、緑化ブロック1を枠状に複数個並べて植え込み構造91とすることで、緑化したい壁面や人工地盤の形状や状況に合わせ、高い自由度をもたせて緑化することができる。植え込み構造91の場合は、枠内に空間S9が区画形成されるため、この空間S9を植栽空間として利用することも可能である。
図10および図11に示すように、植え込み構造101は、ビルやマンションなどの建物Bの壁面W10に、緑化ブロック1を複数個設け、その緑化ブロック1と、屋上などの人工地盤102上に、芝や樹木などの植物p10を植えて緑化した人工地盤緑化構造103との間を、人工地盤緑化構造103からの余剰の雨水を緑化ブロック1に給水するための給水手段104で連結したものである。
人工地盤102は、建物Bの最上部に設けられたスラブコンクリート105上に、屋上側防水層106を設け、その屋上側防水層106上に保護コンクリート107を設けたものである。保護コンクリート107の表面は、雨水などが人工地盤102に設けた排水ピット108から排水されるように適宜傾斜させてある。隣接する保護コンクリート107間には、伸縮目地109が設けられる。伸縮目地109は、外気の温度変化による保護コンクリート107の伸縮を吸収する継ぎ目であり、保護コンクリート107のひび割れを防止する。
人工地盤102の保護コンクリート107上に、屋上側防水層106に植物p10の根が侵入するのを防ぐ防根シート(防水機能もある)110を敷設し、防根シート110上にスポンジなどの保水手段111を設け、保水手段111上にメッシュシート112を設け、メッシュシート112上に顆粒状の人工改良土113を盛土し、人工改良土113に植物p10を植えると、人工地盤緑化構造103が得られる。
人工地盤102と建物Bの壁面W10との間には、防水パラペット114や落下防止柵115が設けられているため、防水パラペット113の下端に給水穴104aを形成し、その給水穴104a上にも防根シート110を敷設し、給水穴104aの出口に、壁面W10の水平方向に沿った水平給水管104hを設け、その水平給水管104hに壁面W10の垂直方向に沿った垂直給水管104vを設け、この垂直給水管104vと各緑化ブロック1の灌水管15とをそれぞれ接続する。
このように、植え込み構造101によれば、給水穴104aと、水平給水管104hと、垂直給水管104vとで給水手段104を構成し、その給水手段104で人工地盤緑化構造103と緑化ブロック1を連結することで、人工地盤緑化構造103では活用できなかった雨水を有効に利用でき、落差のある場所でも自然な緑による緑化を行うことができる。
都市の建築は現在、コンクリート箱のようなものであり、素材が乾燥し、光や音を乱反射することによって都市は視覚的にも緊張を強いる空間となっている。また、保水機能が都市全体に不足しているため、急激な洪水や素材の蓄熱によるヒートアイランド現象により気象が擾乱され生活しにくいものとなっている。
そのため、屋上などに降った雨を一定時間確保し、それを少しずつ壁面緑化に流す工夫が今必要とされている。
屋上緑化と壁面緑化の間には現在防水パラペットや落下防止柵が設置されており、雨水の有効利用の最大の障害となっている。
上述したように、緑化ブロック1は、屋上緑化に降った雨を緩やかに吸い出し、壁面緑化へつなぐための機能を保持している。すなわち、緑化ブロック1は、落下防止のために一定の高さまで内外のメッシュシート6I,6Oや水苔層11によって形態を確保しており、しかも長時間崩れることがない。
また、植え込み構造101によれば、防水面では屋上に一定量蓄えるのではなく、緑化された壁面の各緑化ブロック1に緩やかに流すことにより、オーバーフローによる人工地盤緑化構造103の浸水も防止できる。
さらに、図10に示した防水パラペット114や落下防止柵115の代わりに、緑化ブロック1を用い、従来設置する必要があった防水パラペットや落下防止柵も兼用するものとして、緑化ブロック1を利用することもできる。
本発明の好適な実施形態を示す緑化ブロックの横断面構造図である。 本実施形態に係る緑化工法の一工程を示す斜視図である。 図2に続く本実施形態に係る緑化工法の一工程例を示す斜視図である。 図3に続く本実施形態に係る緑化工法の一工程例を示す斜視図である。 図4に続く本実施形態に係る緑化工法の一工程例を示す斜視図である。 図5に続く本実施形態に係る緑化工法の一工程例を示す斜視図である。 図6に続く本実施形態に係る緑化工法の一工程例を示す斜視図である。 図1に示した緑化ブロックを用いた本実施形態に係る植え込み構造の斜視図である。 図1に示した緑化ブロックを用いた他の形態の植え込み構造の平面模式図である。 図1に示した緑化ブロックを用いた植え込み構造を建物への応用例を示す部分断面図である。 図10に示した植え込み構造の全体図である。
符号の説明
1 緑化ブロック
2 底部枠
3 支柱枠
4 囲み枠
5 形成枠体
6 メッシュ層
7 防水層
8 植生層

Claims (9)

  1. 底部に沿って設けられた底部枠と、該底部枠上に起立して設けられた複数本の支柱枠と、これら支柱枠を囲んで結合された囲み枠とから構成された形成枠体を備え、その形成枠体内に、上部を開放させて形成枠体の内壁を形成すべくメッシュ層を張設し、該メッシュ層の底部にその上下に亘って防水層を設け、該防水層上に植物を植生させるための水苔などの植生層を設け、上記メッシュ層は、外側メッシュシートと、その外側メッシュシートから所定距離隔てた内側に設けられ、外側メッシュシートよりも目が細かい内側メッシュシートとからなり、上記植生層は、上記防水層より上方の内外のメッシュシート間に充填される水苔からなる水苔層と、上記防水層より上方の内側メッシュシートの内側に充填されて植物を生育させるための芯材と、その芯材上に設けられて芯材の飛散を防止すると共に、芯材中の水分の蒸散を防止するための飛散・蒸散防止層とからなることを特徴とする緑化ブロック。
  2. 上記防水層は、上記形成枠体内の底部に敷設される防水シートと、その防水シート内に設けられる保水・排水層とからなる請求項1記載の緑化ブロック。
  3. 上記保水・排水層は、排水用人工土と保水材を混合したもの、あるいはクン炭と割炭を混合したもので形成され、層内で保水すると共に、層外に所定量以上の水を排水する請求項2記載の緑化ブロック。
  4. 上記芯材は、排水用人工土と、バーク材及びクン炭又はバーク材若しくはクン炭と、保水材とを混合したもので形成される請求項1〜3いずれかに記載の緑化ブロック。
  5. 上記飛散・蒸散防止層は、赤玉土、あるいは鹿沼土、もしくはこれらを混合したもので形成される請求項1〜4いずれかに記載の緑化ブロック。
  6. 上記飛散・蒸散防止層上に、上記植生層に灌水するための灌水管を設けた請求項1〜5いずれかに記載の緑化ブロック。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載した緑化ブロックを直線状、あるいは枠状に複数個並べたことを特徴とする植え込み構造
  8. 略直立あるいは傾斜したコンクリート製などの壁面に、請求項1〜6いずれかに記載した緑化ブロックを設け、その緑化ブロックと、屋上などの人工地盤上に芝や樹木などの植物を植えて緑化した人工地盤緑化構造との間を、人工地盤緑化構造からの余剰の雨水を上記緑化ブロックに給水するための給水手段で連結したことを特徴とする植え込み構造。
  9. 底部に沿って設けられた底部枠と、該底部枠上に起立して設けられた複数本の支柱枠と、これら支柱枠を囲んで結合された囲み枠とから構成された形成枠体内に、上部を開放した外側メッシュシートと、その外側メッシュシートから所定距離隔てた内側に設けられ、外側メッシュシートよりも目が細かい内側メッシュシートとからなるメッシュ層を設け、該メッシュ層の底部にその上下に亘って防水層を設け、該防水層上に、防水層より上方の内外のメッシュシート間に充填される水苔からなる水苔層と、上記防水層より上方の内側メッシュシートの内側に充填されて植物を生育させるための芯材と、その芯材上に設けられて芯材の飛散を防止すると共に、芯材中の水分の蒸散を防止するための飛散・蒸散防止層とからなる植生層を設けることを特徴とする緑化工法
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