JPH08288970A - m相PSK変調器 - Google Patents

m相PSK変調器

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JPH08288970A
JPH08288970A JP9045595A JP9045595A JPH08288970A JP H08288970 A JPH08288970 A JP H08288970A JP 9045595 A JP9045595 A JP 9045595A JP 9045595 A JP9045595 A JP 9045595A JP H08288970 A JPH08288970 A JP H08288970A
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JP
Japan
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signal
phase
insertion signal
waveform data
modulator
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JP9045595A
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Kazumasa Yokogawa
和征 横川
Minoru Kubota
稔 窪田
Masao Miyazaki
正夫 宮崎
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 m相PSKでの位相軌跡が原点付近を通過す
る際に、非線形増幅器への入力振幅レベルの変動を小さ
くしてスペクトルの広がりを避け、更に受信機は従来の
ものと互換性を持ち、特殊な付加装置を必要としないm
相PSK変調器を提供することを目的とする。 【構成】 π/4シフトDQPSK変調器において、位
相遷移情報から挿入信号を生成する挿入信号発生器と挿
入信号の波形データを蓄積する波形データメモリと波形
整形フィルタの遅延に対応する遅延時間を持つ遅延器を
有し、ベースバンド情報信号に挿入信号を付加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた電力効率をもつ
C級増幅器に代表される非線形増幅器を用いた、移動体
通信システム用のm相PSK変調器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に移動体通信システムでは、端末の
小型化、携帯化のために、送信用の増幅器は、消費電力
が少なく、電力効率の優れたものが必要とされる。電力
効率が優れており、かつ低コストな増幅器としては、C
級増幅器がよく知られている。
【0003】しかしながら、C級増幅器に代表される非
線形増幅器の振幅特性は、入力レベルの高い領域で出力
レベルが飽和するという特性を有しており、振幅変動を
伴う送信信号に対しては歪が生ずるという問題がある。
【0004】一方、移動体通信システムの変調方式とし
ては、雑音に対する誤り率特性の優位性と検波方式の容
易性から、DQPSK(Differential Quadrature Phase
Shift Keying)が採用されることが多い。DQPSKを
はじめとするm相PSK方式では、送信信号の狭帯域化
のために波形整形フィルタによって信号のサイドローブ
が抑圧される。
【0005】送信機の増幅器として非線形増幅器を用い
た場合、その飽和領域での増幅により、各シンボル間の
位相遷移に振幅変動を伴うm相PSK信号に対して歪を
与え、フィルタによる波形整形の効果が小さくなり、フ
ィルタに入力する前の状態に近くなる。
【0006】結果として抑圧されたサイドローブが再生
され、スペクトルが広がるという問題が生じる。これは
隣接チャネル間干渉の原因となる。特に位相平面上での
信号軌跡が原点を通過する場合には、振幅が一旦0にま
で落ち込み、振幅変動が大きくなるため、不感帯を有す
る非線形増幅器の出力信号の歪は大きい。
【0007】m相PSKのうち、QPSKの飽和のある
非線形増幅によるスペクトル広がりの対策としては、π
/4シフトQPSK方式がよく知られている。この変調
方式は、各シンボル間の位相遷移を{+π/4,−π/
4,+3π/4,−3π/4}とすることによって、位
相平面上での信号軌跡が原点を通過しないようにする方
式であり、非線形増幅器によるスペクトルの広がりがQ
PSKより小さくなる。
【0008】図13に従来のπ/4シフトDQPSK変
調器の構成を示す。情報データ{0,1}は、直列並列
変換器1により、同相成分と直交成分に分けられる。信
号点配置器2において、入力情報データが位相平面上の
複素ベースバンド信号のシンボル間の位相差として表さ
れるように信号点配置を行い、同相、直交成分の複素ベ
ースバンド信号を出力する。
【0009】図14にπ/4シフトDQPSKの位相平
面上での信号点配置と、入力情報データに対応する位相
遷移量との関係を示す。信号点配置器2の出力信号の同
相成分と直交成分はそれぞれルートナイキストフィルタ
等の波形整形フィルタ3aおよび3bに入力され、帯域
制限を受ける。波形整形フィルタ3aおよび3bの出力
信号であるベースバンド情報信号は、直交変調器4でア
ップコンバートされたあと、AB級増幅器などで構成さ
れる飽和を有する非線形増幅器50によって増幅される
ものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、π/4
シフトDQPSKでも、±3π/4の位相遷移の際は、
位相平面上での信号軌跡が原点近くを通過し、信号の振
幅レベルの変動が大きくなることにより、非線形増幅器
50の飽和領域における増幅によって、増幅器の出力信
号の振幅に歪が生じ、スペクトルが広がるという問題点
がある。
【0011】従って、携帯端末には低コストでかつ電力
効率の優れたC級増幅器などの非線形増幅器をそのまま
使用することはできず、高コストな高効率線形増幅器が
必要となるという問題点がある。
【0012】本発明は、m相PSKでの位相軌跡が原点
付近を通過する際に、非線形増幅器への入力振幅レベル
の変動を小さくしてスペクトルの広がりを避け、更に受
信機は従来のものと互換性を持ち、特殊な付加装置を必
要としないm相PSK変調器を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のm相PSK変調器は、請求項1では、直列
並列変換器と、信号点配置器と、波形整形フィルタと、
直交変調器から構成されるm相PSK変調器において、
情報信号間の位相遷移に伴う振幅レベルの変動を緩和す
るために位相遷移情報から挿入信号を生成する挿入信号
発生器と、上記挿入信号の波形データを蓄積する波形デ
ータメモリと、上記波形整形フィルタの遅延に対応する
遅延時間を持つ遅延器とを備え、ベースバンド情報信号
に挿入信号を付加することを特徴とするものである。
【0014】また、請求項2では、受信機でサンプリン
グされる情報シンボル中心での挿入信号の大きさが0と
なる形状の挿入信号波形データを上記波形データメモリ
に有することを特徴とするものである。
【0015】また、請求項3では、上記情報信号に付加
される挿入信号の大きさの制御を行うゲイン調整器を上
記挿入信号発生器の後段に有することを特徴とするもの
である。
【0016】また、請求項4では、上記波形データメモ
リに蓄積される上記挿入信号の波形データと上記ゲイン
調整器の設定値をそれぞれ選択することにより、様々な
送信機出力スペクトル特性と受信機での誤り率特性が実
現可能であることを特徴とするものである。
【0017】また、請求項5では、上記波形データメモ
リと上記遅延器を廃し、上記挿入信号用の波形整形フィ
ルタを有し、帯域制限された上記挿入信号を出力するこ
とを特徴とするものである。
【0018】
【作用】上記した構成により、請求項1では、直列並列
変換器と、信号点配置器と、波形整形フィルタと、直交
変調器から構成されるm相PSK変調器において、情報
信号間の位相遷移に伴う振幅レベルの変動を緩和するた
めに位相遷移情報から挿入信号を生成する挿入信号発生
器と、上記挿入信号の波形データを蓄積する波形データ
メモリと、上記波形整形フィルタの遅延に対応する遅延
時間を持つ遅延器とを備え、ベースバンド情報信号に挿
入信号を付加するので、m相PSKでの位相軌跡が原点
付近を通過する際に、非線形増幅器への入力振幅レベル
の変動を小さくしてスペクトルの広がりを避け、更に受
信機は従来のものと互換性を持ち、特殊な付加装置を必
要としないこととなる。
【0019】また、請求項2では、受信機でサンプリン
グされる情報シンボル中心での挿入信号の大きさが0と
なる形状の挿入信号波形データを上記波形データメモリ
に有するので、m相PSKでの位相軌跡が原点付近を通
過する際に、非線形増幅器への入力振幅レベルの変動を
小さくしてスペクトルの広がりを避け、更に受信機は従
来のものと互換性を持ち、特殊な付加装置を必要としな
いこととなる。
【0020】また、請求項3では、上記情報信号に付加
される挿入信号の大きさの制御を行うゲイン調整器を上
記挿入信号発生器の後段に有するので、m相PSKでの
位相軌跡が原点付近を通過する際に、非線形増幅器への
入力振幅レベルの変動を小さくしてスペクトルの広がり
を避け、更に受信機は従来のものと互換性を持ち、特殊
な付加装置を必要としないこととなる。
【0021】また、請求項4では、上記波形データメモ
リに蓄積される上記挿入信号の波形データと上記ゲイン
調整器の設定値をそれぞれ選択することにより、様々な
送信機出力スペクトル特性と受信機での誤り率特性が実
現可能であるので、m相PSKでの位相軌跡が原点付近
を通過する際に、非線形増幅器への入力振幅レベルの変
動を小さくしてスペクトルの広がりを避け、更に受信機
は従来のものと互換性を持ち、特殊な付加装置を必要と
しないこととなる。
【0022】また、請求項5では、上記波形データメモ
リと上記遅延器を廃し、上記挿入信号用の波形整形フィ
ルタを有し、帯域制限された上記挿入信号を出力するの
で、m相PSKでの位相軌跡が原点付近を通過する際
に、非線形増幅器への入力振幅レベルの変動を小さくし
てスペクトルの広がりを避け、更に受信機は従来のもの
と互換性を持ち、特殊な付加装置を必要としないことと
なる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明のm相P
SK変調器につき、その構成と動作を説明する。図1
は、本発明の第1の実施例におけるm相PSK変調器の
構成を示すブロック図であり、π/4シフトDQPSK
変調器に本発明を適用した例である。同図において、直
列並列変換器1、信号点配置器2、波形整形フィルタ3
a、3b、直交変調器4は、それぞれ従来例のおけるそ
れらと同一であり、詳しい説明を省略する。
【0024】挿入信号発生器6では、信号点配置器2か
ら位相平面上での情報信号の位相遷移に関する情報を受
け、±3π/4の位相遷移の際に選択的に複素ベースバ
ンド信号である挿入信号を発生する。このとき、予め波
形データメモリ7内に蓄積された挿入信号波形データか
ら、ベースバンド情報信号と挿入信号との合成信号の位
相平面上での信号軌跡が、原点近くを通過することを避
けるように挿入信号が作られ、挿入信号発生器6から出
力される。この動作に付いては後に詳解する。
【0025】挿入信号は、2シンボル間の位相遷移が±
3π/4の当該2シンボルの間に挿入信号が付加される
ように、波形整形フィルタ3a及び3bに対応した遅延
を遅延器8で受けたあと、加算器9でベースバンド情報
信号の同相、直交成分のそれぞれに付加される。合成後
の信号は、直交変調器4でアップコンバートされた後、
不感帯を有するC級増幅器などの非線形増幅器5に入力
される。
【0026】なお、直列並列変換器1、信号点配置器
2、波形整形フィルタ3a及び3b、直交変換器4は、
挿入信号発生器等による影響を受けない。すなわち、従
来方式の変調器の構成を変更することなく、挿入信号発
生器等の装置を追加するだけで所望の機能を実現できる
ものである。
【0027】次に挿入信号発生器6での信号点の位相遷
移に対する挿入信号の選択方法について説明する。挿入
信号発生器6には、位相平面上での信号点の位相遷移に
関する情報が、信号点配置器2より入力される。例え
ば、図14のπ/4シフトDQPSKの信号点P1から
P2、P3らP4という情報を挿入信号発生器6では受
けることになる。シンボル間の位相遷移が±3π/4で
ある信号点の組み合わせは、[P1,P4],[P1,
P6],[P2,P5],[P2,P7],[P3,P
6],[P3,P8],[P4,P7],[P5,P
8]の8パターン存在する。
【0028】ここで、[Pm,Pn]は、信号点Pmか
らPnへの位相遷移と、信号点PnからPmへの位相遷
移の組み合わせを表す。挿入信号発生器6では、以上の
組み合わせの信号点間の位相遷移が行われた場合に、波
形データメモリ7に蓄積された挿入信号の波形データを
読み取り、出力されるべき挿入信号を構成する。
【0029】例えば、信号点P1から信号点P4(或い
はP4からP1)への遷移の際は、位相平面上で直交軸
方向、単位ベクトルで表すと、(0,1)方向に挿入信
号が付加されれば信号軌跡が原点から遠ざかることにな
る。ここで、(I,Q)の各成分はそれぞれ、位相平面
上の同相成分と直交成分を表す。
【0030】図3に挿入信号付加後の合成信号の位相平
面上での信号軌跡を示す。信号点P1から信号点P4へ
の遷移について、点線は従来方式の信号軌跡を表し、実
線は挿入信号付加後の信号軌跡を表す。上に述べたよう
に、直交軸方向に挿入信号が付加されることにより、合
成後の信号軌跡が原点から遠ざかっていることがわか
る。以上のような挿入信号発生器6の機能を達成する為
に、挿入信号発生器6の内部構成は図2に示したものと
なる。
【0031】情報信号の位相遷移情報から挿入信号発生
器6において選択される、挿入信号の出力されるべき位
相平面上での方向を表す単位ベクトルを、e1=(1,
0)、e2=(1/√2,1/√2)、e3=(0,1)、e4
=(-1/√2,1/√2)、e5=(-1,0)、e6=(-1/
√2,-1/√2)、e7=(1,0)、e8=(1/√2,-1/
√2)とすると、上記の±3π/4の位相遷移を表す2
つの信号点の組み合わせ[Pm,Pn]に対する、位相
平面上の単位ベクトルekは、[P1,P4]→e3
[P1,P6]→e8、[P2,P5]→e4、[P2,
P7]→e1、[P3,P6]→e5、[P3,P8]→
2、[P4,P7]→e6、[P5,P8]→e7とな
る。
【0032】図4に位相平面上での単位ベクトルek
示す。これらの組み合わせは単位ベクトル選択器12に
おいて、ルックアップテーブルに蓄積されている。ま
た、単位ベクトルekの座標は単位ベクトルデータメモ
リ13に蓄積されている。単位ベクトル選択器12は±
3π/4の位相遷移の際に、波形データメモリ7への波
形データ出力命令と、単位ベクトルデータメモリ13へ
の信号点間の位相遷移に対応する単位ベクトルを選択す
る命令を出す。
【0033】挿入信号発生器6から出力される複素ベー
スバンド信号である挿入信号は、上記の位相平面上の単
位ベクトルekに波形データメモリ7から読みだした波
形データhnを乗算器14で乗算したものである。すな
わち、挿入信号はSn,k=hn・ekとなる。
【0034】ekは単位ベクトルデータメモリ13から
1シンボル時間に渡って継続的に出力される。また、波
形データhnは実数のデータである。ここで、添字のn
は、波形データの1シンボル内の時刻に相当するサンプ
ル番号(n=1,・・・,N)、kは、挿入信号の位相
平面上での付加方向を表す単位ベクトルの番号(k=
1,・・・,8)である。Nは1シンボル当たりの波形
データのサンプル数であり、波形データhnは1シンボ
ル時間Tsにわたって存在する。
【0035】従来のπ/4シフトDQPSK用の受信機
と互換性を持つようにするために、挿入信号はシンボル
間の位相遷移が±3π/4の2シンボルに対して、受信
機で復号時にサンプリングされるシンボル中心での挿入
信号の大きさを0にする必要がある。
【0036】具体的な波形データの例としては、
【0037】
【数1】
【0038】あるいは、
【0039】
【数2】
【0040】などが考えられる。図5にこれらの波形の
具体例を示す。これら挿入信号の波形データhnの違い
によって、非線形増幅器5通過後のスペクトルと受信機
での情報信号への干渉の大きさが決定される。なお、波
形データがN/2を中心にnに関して左右対称な大きさ
を持つとき、情報信号の±3π/4の位相遷移の組み合
わせ「Pm,Pn]の信号点PmからPnへの位相遷移
と信号点PnからPmへの位相遷移のいずれに対して
も、その波形データを使用したときの特性は同じにな
る。
【0041】遅延器8では、ベースバンド情報信号の波
形整形フィルタ3の遅延特性をTd、1シンボル時間を
Tsとし、挿入信号発生器6での処理時間を無視する
と、遅延時間を(Td−Ts)に設定することにより、
2シンボル間の位相遷移が±3π/4の当該2シンボル
の間に挿入信号が付加されることになる。
【0042】以上の動作により、情報信号と挿入信号と
の合成信号の信号軌跡をそれぞれ原点から遠ざけること
が可能となり、結果として振幅の変動を押さえられ、非
線形増幅器でのスペクトルの広がりの影響を小さくする
ことができる。
【0043】図6は本発明の第2の実施例におけるm相
PSK変調器の構成を示すブロック図である。同図にお
いて、この構成はπ/4シフトDQPSK変調器を表
し、第1の実施例の構成において挿入信号発生器6の後
段にゲイン調整器10を挿入したものである。
【0044】ゲイン調整器10により、情報信号に付加
する挿入信号の大きさを制御することが可能となる。挿
入信号の大きさによって、合成後の信号のスペクトルや
受信機での情報信号への干渉の大きさを制御することが
可能となる。
【0045】図7は、本発明の第3の実施例におけるm
相PSK変調器の構成を示すブロック図である。同図に
おいて、この構成は、π/4シフトDQPSK変調器を
表している。この実施例における特徴は、第2の実施例
における波形データメモリ7と遅延器8a及び8bを廃
し、ゲイン調整器10の後段に挿入信号用の波形整形フ
ィルタ11a及び11bを挿入したことにある。
【0046】挿入信号発生器6では、インパルス状の複
素ベースバンド信号ekを単位ベクトルデータメモリ1
3から出力する。本実施例では、第1の実施例および第
2の実施例のような波形データと単位ベクトルとの乗算
は行われず、従って、図2の波形データメモリとの入出
力を行わない。これに続く波形整形フィルタ11a及び
11bでは、数シンボルにわたって存在し、Ts/2ご
とに0クロスするナイキストパルス型のインパルスレス
ポンスを持つ。第3の実施例における挿入信号は、第1
及び第2の実施例のように1シンボル時間毎に区切って
挿入され、帯域制限されていない挿入信号とは異なり、
波形整形フィルタ11aおよび11bにより帯域制限さ
れて出力される。
【0047】波形整形フィルタ11aおよび11bは、
情報信号の波形整形フィルタ3aおよび3bの遅延時間
をTd、1シンボル時間をTsとし、挿入信号発生器6
での処理時間を無視すると、遅延時間が(Td−Ts/
2)になるようにフィルタ長を設定することにより、2
シンボル間の位相遷移が±3π/4の当該2シンボル間
に挿入信号が付加されることになる。
【0048】挿入信号にも情報信号と同様に帯域制限を
行うことにより、合成後の信号のスペクトルの広がりを
小さくすることができる。また、挿入信号がTs/2ご
とに0クロスすることにより、付加される情報シンボル
中心での干渉は0で、1シンボル内に存在するsin、
sin2型の挿入信号を用いた第1および第2の実施例
の場合と同様に受信機の互換性は確保される。
【0049】以上の実施例では変調方式としてπ/4シ
フトDQPSKを例として取り上げてきたが、本発明は
一般的なm相PSKにも適用することができる。ここで
は、m相PSKの中でも最も簡単なDBPSK(Differe
ntial Binary Phase Shift Keying)を例として取り上
げ、それを第4の実施例として取り上げ、その構成と動
作を明らかにする。
【0050】DBPSK変調器は、第1の実施例の図1
において、信号軌跡が原点付近を通過する位相遷移と挿
入信号発生器6で選択する付加すべき挿入信号の位相平
面上での単位ベクトルとの対応関係を変更するだけでπ
/4シフトDQPSK変調器と同じ構成を実現すること
ができる。第4の実施例の構成は図1と同じである。
【0051】変調器に入力された情報データは、信号点
配置器2により位相平面上の(d,0)または(−d,
0)の信号点に割り当てられ、波形整形フィルタ3aお
よび3bに入力される。ここで、直交成分は常に0であ
る。挿入信号発生器6では、位相平面上での信号の位相
遷移に関する情報を信号点配置器2から受け取り、位相
平面上での信号軌跡が原点付近を通過するπ/2の位相
遷移の際に選択的に挿入信号を発生する。
【0052】このとき、挿入信号の位相平面上での単位
ベクトルekは、信号軌跡が原点付近を通過しないよう
にするために、図4のe3またはe7が単位ベクトル選択
器12で選択される。挿入信号発生器6ではさらに、選
択された単位ベクトルekと波形データhnとの乗算が乗
算器14で行われ、挿入信号が出力される。この後の処
理は、第1の実施例と全く同じである。
【0053】ここで、第1の実施例と同様に、波形デー
タメモリ7の内容は適当に設定することができる。ま
た、第2の実施例と同様に、ゲイン調整器10を設けて
挿入信号の大きさを調整することも可能である。
【0054】第1の実施例で詳細に説明した位相平面上
での信号軌跡が原点付近を通過する位相遷移と挿入信号
発生器6で選択する付加すべき挿入信号の位相平面上で
の単位ベクトルとの対応関係を予め設定しおけば、以上
に示したDBPSKの場合と同様に、変調器の構成を変
更することなくm相PSKにも本発明を適用することが
できる。
【0055】以上にあげた実施例によって導かれる実施
例の効果について述べる。以下では、従来のπ/4シフ
トDQPSK変調器に挿入信号発生器6と波形データメ
モリ7とゲイン調整器10と遅延器8を加えた構成の図
6に上げた第2の実施例について計算機シミュレーショ
ンによって得られた効果について述べる。尚、波形整形
フィルタ3aおよび3bは、ロールオフ率0.5のルー
トナイキストフィルタとした。
【0056】図8に挿入信号と情報信号の合成後の信号
を直交変調器でアップコンバートした後の信号の包絡線
の時間変動を示す。挿入信号の形状は図5に示したsi
2である。Ainsは情報信号の最大振幅で正規化し
た挿入信号の最大振幅を表し、それぞれ0,0.25,
0.50である。Ainsは図3ではAins=b/a
と表すことができる。図8から、挿入信号を付加したこ
とにより、包絡線の変動幅が狭くなっていることが分か
る。
【0057】非線形増幅器5の入力信号の信号軌跡が原
点近くを通過しないことにより、情報信号の位相遷移に
伴う振幅変動を小さくし、スペクトルの広がりを避ける
ことができるが、帯域制限されたベースバンド情報信号
に1シンボル時間内に存在する挿入信号を付加すること
により、合成後のベースバンド信号の帯域幅は広がる。
【0058】しかしながら、非線形増幅器5の非線形性
が強い場合は、挿入信号を付加しない場合のπ/4シフ
トDQPSKのスペクトルの広がりよりも、非線形増幅
後の帯域幅が狭くなると考えられる。図10、図11、
図12に非線形増幅器5の入力段階でのスペクトルと出
力段階でのスペクトルとを示し、挿入信号を付加したこ
とによるスペクトルの広がりと非線形増幅によるスペク
トルの広がりの抑制の総合的な効果を比較する。
【0059】各図における縦軸、横軸はそれぞれ、中心
周波数における電力密度で正規化した電力密度と、ビッ
ト時間間隔で正規化した中心周波数からの離調周波数で
ある。Ainsはそれぞれ0,0.25,0.50であ
る。挿入信号の形状は図5に示したsin2である。
【0060】非線形増幅器5は、図9に示す飽和性振幅
特性を持っているものとする。pは次式のようなC級増
幅器の振幅特性の近似パラメータで、ここではp=3と
した。なお、C級増幅器による信号の位相回転は無視で
きるものとした。
【0061】
【数3】
【0062】図10の従来方式では、非線形増幅によっ
てサイドローブが再生され、スペクトルが大きく広がっ
ていることが分かる。それに対して、図11では挿入信
号の大きさをAins=0.25とすることにより、非
線形増幅前は挿入信号を付加しない場合よりも広い帯域
となっているが、非線形増幅後のスペクトルは、挿入信
号を付加しない場合よりも狭くなる。
【0063】また、図12では挿入信号の大きさをAi
ns=0.5とすることにより、非線形増幅を行ったこ
とによるスペクトルの広がりは殆どないことが分かる。
ただし、非線形増幅後のスペクトルは、図11のAin
s=0.25の場合と殆ど変化はない。結論としては、
非線形増幅後の送信スペクトルでは、挿入信号を付加す
る本方式が従来方式よりも優れた特性となることが分か
る。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、請求項1
では、直列並列変換器と、信号点配置器と、波形整形フ
ィルタと、直交変調器から構成されるm相PSK変調器
において、情報信号間の位相遷移に伴う振幅レベルの変
動を緩和するために位相遷移情報から挿入信号を生成す
る挿入信号発生器と、上記挿入信号の波形データを蓄積
する波形データメモリと、上記波形整形フィルタの遅延
に対応する遅延時間を持つ遅延器とを備え、ベースバン
ド情報信号に挿入信号を付加するので、m相PSKでの
位相軌跡が原点付近を通過する際に、非線形増幅器への
入力振幅レベルの変動を小さくしてスペクトルの広がり
を避け、更に受信機は従来のものと互換性を持ち、特殊
な付加装置を必要としないという効果が得られる。
【0065】また、請求項2では、受信機でサンプリン
グされる情報シンボル中心での挿入信号の大きさが0と
なる形状の挿入信号波形データを上記波形データメモリ
に有するので、m相PSKでの位相軌跡が原点付近を通
過する際に、非線形増幅器への入力振幅レベルの変動を
小さくしてスペクトルの広がりを避け、更に受信機は従
来のものと互換性を持ち、特殊な付加装置を必要としな
いという効果が得られる。
【0066】また、請求項3では、上記情報信号に付加
される挿入信号の大きさの制御を行うゲイン調整器を上
記挿入信号発生器の後段に有するので、m相PSKでの
位相軌跡が原点付近を通過する際に、非線形増幅器への
入力振幅レベルの変動を小さくしてスペクトルの広がり
を避け、更に受信機は従来のものと互換性を持ち、特殊
な付加装置を必要としないという効果が得られる。
【0067】また、請求項4では、上記波形データメモ
リに蓄積される上記挿入信号の波形データと上記ゲイン
調整器の設定値をそれぞれ選択することにより、様々な
送信機出力スペクトル特性と受信機での誤り率特性が実
現可能であるので、m相PSKでの位相軌跡が原点付近
を通過する際に、非線形増幅器への入力振幅レベルの変
動を小さくしてスペクトルの広がりを避け、更に受信機
は従来のものと互換性を持ち、特殊な付加装置を必要と
しないという効果が得られる。
【0068】また、請求項5では、上記波形データメモ
リと上記遅延器を廃し、上記挿入信号用の波形整形フィ
ルタを有し、帯域制限された上記挿入信号を出力するの
で、m相PSKでの位相軌跡が原点付近を通過する際
に、非線形増幅器への入力振幅レベルの変動を小さくし
てスペクトルの広がりを避け、更に受信機は従来のもの
と互換性を持ち、特殊な付加装置を必要としないという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例におけるm相PSK変
調器の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施例における挿入信号発生器の構成を示
すブロック図である。
【図3】 同実施例の動作を説明する第1の図である。
【図4】 同実施例の動作を説明する第2の図である。
【図5】 同実施例における挿入信号の形状を示す図で
ある。
【図6】 本発明の第2の実施例におけるm相PSK変
調器の構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明の第3の実施例におけるm相PSK変
調器の構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明の第2の実施例における動作を示す第
1の波形図である。
【図9】 本発明の第2の実施例における動作を示す第
2の波形図である。
【図10】 本発明の第2の実施例における動作を示す
第3の波形図である。
【図11】 本発明の第2の実施例における動作を示す
第3の波形図である。
【図12】 本発明の第2の実施例における動作を示す
第3の波形図である。
【図13】 本発明の従来例におけるm相PSK変調器
の構成を示すブロック図である。
【図14】 同従来例における位相遷移を表す図であ
る。
【符号の説明】
1 直列並列変換器 2 信号点配置器 3 波形整形フィルタ 4 直交変調器 5 非線形増幅器 6 挿入信号発生器 7 波形データメモリ 8 遅延器 9 加算器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列並列変換器と、信号点配置器と、波
    形整形フィルタと、直交変調器から構成されるm相PS
    K変調器において、 情報信号間の位相遷移に伴う振幅レベルの変動を緩和す
    るために位相遷移情報から挿入信号を生成する挿入信号
    発生器と、 上記挿入信号の波形データを蓄積する波形データメモリ
    と、 上記波形整形フィルタの遅延に対応する遅延時間を持つ
    遅延器と、を備え、ベースバンド情報信号に挿入信号を
    付加することを特徴とするm相PSK変調器。
  2. 【請求項2】 受信機でサンプリングされる情報シンボ
    ル中心での挿入信号の大きさが0となる形状の挿入信号
    波形データを上記波形データメモリに有することを特徴
    とする請求項1に記載のm相PSK変調器。
  3. 【請求項3】 上記情報信号に付加される挿入信号の大
    きさの制御を行うゲイン調整器を上記挿入信号発生器の
    後段に有することを特徴とする請求項1に記載のm相P
    SK変調器。
  4. 【請求項4】 上記波形データメモリに蓄積される上記
    挿入信号の波形データと上記ゲイン調整器の設定値をそ
    れぞれ選択することにより、様々な送信機出力スペクト
    ル特性と受信機での誤り率特性が実現可能であることを
    特徴とする請求項3に記載のm相PSK変調器。
  5. 【請求項5】 上記波形データメモリと上記遅延器を廃
    し、上記挿入信号用の波形整形フィルタを有し、帯域制
    限された上記挿入信号を出力することを特徴とする請求
    項3に記載のm相PSK変調器。
JP9045595A 1995-04-17 1995-04-17 m相PSK変調器 Pending JPH08288970A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007029727A1 (ja) 2005-09-06 2007-03-15 Nihon University 多値変調・復調方法、多値変調・復調装置
JP2008072215A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Ntt Electornics Corp デジタル変調回路及び電子装置

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